Riemann 積分と Lebesgue 積分:特に定義

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先日, Twitter で次のようなやり取りをした.

@kenkonD リーマン積分は定義は分かりやすく技術的にも簡単ですが, そのあとの議論が恐ろしく面倒です.
ルベーグは定義からして面倒ですが, 定義したあとの議論がクリアです.
何かリーマン積分をやらなければいけない理由がない限り直接ルベーグでも良いと思っています

リーマン積分とルベーグ積分, 勉強について色々思うところはあるが, うまくまとまらない.
定義の簡明さと関連する定理の議論の簡明さが恐ろしいくらいに反転するので, どうするといいものかがとても悩ましい.
使うならルベーグがやはり楽で, 具体的な計算練習にはリーマンの「本」が参考になる

@crobert_z わたしもまさにそれを思っているのですが, 具体的な計算は別途関連する計算のところだけ読めば良くて,
理論はそんなに頑張ってやることないな, という感じ.
問題は初学者が自分でそこの切り分けができるかというところで, それが悩ましい

一応言っておくと広義積分に関するところでリーマン積分とルベーグ積分の違いがあるのでそこは注意する必要がある.

やはりあれだ, ルベーグの定義までの面倒くささが初学者に勧めるときのハードルになるので, そこを埋めるコンテンツを何か作るしかない.
厳密なのはいくらでもあるから, 気分だけきっちり感じられるものを

色々と思うところもやりたいこともあるが, とりあえず今回は Riemann 積分と Lebesgue 積分の定義について考えたい.
一言でいうと, Riemann 積分は定義が簡単だが後の議論が煩雑で, Lebesgue 積分は定義が面倒だが後の議論がクリアになる.
まず技術的にいえば, これは面倒な部分を定義に押しつけるかその後の議論に押しつけるかの差にあたる.

Lebesgue 積分がすぐれているというか応用上便利なのは, 面倒な部分を事前に定義に押しつけているからだ.
具体的にどう便利かというと, 極限に関する議論, 特に関数列が扱いやすい.
Lebesgue の単調収束定理と Lebesgue の優収束定理が魂といっていい.
この 2 定理の簡明な定式化が許されることがとても大事.
Riemann 積分で対応する定理を見てみると良く分かる.

Lebesgue 積分のモチベーションを考える上では応用から入るのがいい.
そこで具体的な状況を考えよう.
一番シンプルで直接的な応用はおそらく微分方程式だろう.
このとき定義とも合わせて鍵になるのは「真の解」を近似する関数列だ.
さらに数値計算など実際問題としても大事だ.

折れ線近似でも何でもいいが, とにかく適当な手段で近似関数列を作り, その収束を議論することになる.
つまり関数列の極限を扱いやすくしたい.
積分の定義自体もここに照準を合わせて改良すると Lebesgue 積分になると思えばいい.

適当な本で Lebesgue 積分の定義を確認してほしいが, 実際に積分したい関数を (単関数の) 関数列で近似し,
それの極限として積分を定義している.
つまり定義そのものから関数列を導入している.
分かりづらさもまずここからはじまる.

Riemann 積分は関数それ自身とその値だけで定義できるので, 面倒がないが,
Lebesgue 積分では関数列という余計な概念が出てくる.

また, Riemann 積分 (の定義) では本質的に区間しか出てこないが,
Lebesgue 積分だと極限の取り方を柔軟にするため区間の極限を始めから考えておかないといけない.
それが可測集合だ.
ここで, 集合の演算は可算なところでおさえておかないとまた変なことが起きる, とかいう話もある.
技術面で面倒なことだけならまだいいのだが, 非可測集合など数学として本質的に問題になることも出てきてしまうため,
何となくきちんと勉強しなければいけない気にさせるあたりがまた鬱陶しい.
もちろん数学科の学生ならきちんとやってほしいけれども.

まだあまり整理できていないが, そのうちもう少し膨らませて何か作ろう.


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