原始, 数学は人文学であった

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我らが伊藤ベクさんが次のようなツイートをしていた.

数学系の人らの反応待ちみたいな所はありますね http://mojix.org/2013/03/02/suugaku-jinbun

一言でいうと「どうでもいい」というのに尽きるのだが,
やはり折角なので何か書いておきたい.

学問はしばしば, 「自然科学 (natural science) 」, 「社会科学 (social science) 」, 「人文科学 (humanities) 」の 3 つに分けられる.
この 3 つのなかで, 数学はどこに属するだろうか.

はじめに書いた通り, どうでもいい.
強いていうなら人文学と思ってはいるが,
引用している文章の著者とはまるで違う理由でそう思っている.

「もちろん自然科学でしょ」と答える人が, おそらく多いだろう.
しかし, これは間違いである.
数学は, 自然科学には欠かせないものだが, 数学自体は自然科学ではない.
自然科学は, 人間が作ったものではない「自然」というものについて, その性質や規則性をさぐるものである.

数学は自然科学に欠かせないというの,
どういう意味なのだろうか.

詳しくないので実にアレだが,
特に古い時代の博物学には数学を
必要としない結果もあるような気がするが,
そういうのはどう思っているのだろう.

自然科学という言葉自体が粗すぎるのと
「数学は, 自然科学には欠かせないものだが,
数学自体は自然科学ではない. 」という言葉が
陳腐過ぎるのとで大分アレな印象を受ける.

次の文で「その性質や規則性をさぐる」とあり,
規則性という部分では数学が役に立ちそうな気がしないでもないが,
性質の部分では数学いらないことたくさんあるのでは感があり,
そこにも世界の悲しみを感じる.

人によっては, 数学の人でも
「数学は自然科学」という人がいることは付け足しておこう.

あと第 4 文, 何となく
科学哲学の人達 (の一部) が怒りそうな気がするがいいのだろうか.

そもそも自然科学自体が自然哲学の出来損ないという観点から
人文学と強弁したいのだがそれは駄目なのだろうか.
気になって仕方がない.

いっぽう, 数学はすべて人間が作ったものであり, 一種の言語体系である.
数学は自然に属してはいないのだ. よって, 数学は自然科学ではない.

これは人によっては猛反発しそうな印象を受けた.
この文章内では【自然科学は,
人間が作ったものではない「自然」というものについて,
その性質や規則性をさぐるものである. 】としか規定していない.

自然という言葉の使い方の問題になるが,
自然科学の対象としての自然より
数学の対象としての自然の方が自然に感じる人にとって,
「数学は自然に属していない」というのをどう取るだろうか.

「【よって】じゃねえ」感ある.

「一種の言語体系」というのはどういう意味で使っているのだろう.
私は数学に対して気持を表現するもの,
という一面を感じているのでその意味では一種の言語という感覚はあるが,
この感覚が共有できている気がしない.

他人の話しかしていないので
私の感想をいうなら「うるせえ」の一言に尽きる.

私にとって数学は『マリア様がみてる』の
蓉子様のプティスール見解的な意味で心の支えなのであって,
自然かどうかなど知ったことではない.

あと私にとって, 研究する上での「数学」は
むしろ「数理物理学」であって自然科学の色彩が極めて強い一方,
上記「心の支え」としての「数学」は,
何というか「数学」で数学の世界,
数学的自然の中を旅しているような感覚がある.
この辺, 自分でもよく分からないので正に「よく分からない数学」という感じ.

さらによく分からないのだが,
『数学は自然に属してはいないのだ.
よって, 数学は自然科学ではない.』の 2 文で,
前者では「数学」という言葉が研究対象を指す言葉として使われていて,
後者では『その性質や規則性をさぐるもの』という学問の内容として使われている.
その辺の二義性みたいなのはどうなっているのだろう.
せめてそのくらいははっきりさせてほしい.

数学が自然科学ではなく, また社会科学でもないとすれば, あとは人文科学しかない.

人文学ですらなく数学は数学と言うのは駄目なのか.
無理に既存の分類に入れる必要ないと思うのだが.
「自然」の定義がよく分からないので,
定義次第で私は数学を自然科学に入れていいとも思う.
もっと言うなら自然科学は人文学に入れるよう強弁したいところだが.

じっさい, 数学は一種の言語体系なのだから, 哲学や言語学といっしょに人文科学に含めても, それほどおかしくはない.
数学と同じく, 論理学やコンピュータ科学なども, 自然科学ではない.
よって, これらも人文科学に入れるしかない.
しかし, こういうものを人文科学に入れるのはちょっと違う気がする, ということで, 「形式科学」という分類があるようだ.
私はこの分類があまり好きではないが (関連:「「形式科学」なる概念があるそうだが, 数学は科学なのか? 」),
人文科学のうち, 論理的整合性を重視するものをそう呼ぶのであれば, わりと納得できる.

とりあえず, 数学が一種の言語体系という合意はどこで取ったのか.
論理学, もともと哲学の一分科だと思っていたので,
自然科学と言われた方が衝撃的だし,
人文学に入れるのは違う気がすると言われる方がもっと衝撃的だ.
あと, 上記引用中の最終文を読んだときに世界の嘆きが聞こえたことをお伝えしておきたい.

疲れたので, いつも通り適当なところで切り上げよう.
ぱっと読んでざっと書いたのでそこまで含めて
実に適当である, という予防線を張っていく社会人の態度で臨んでいきたい.


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