大学までの数学と大学の数学の違いについての個人的感慨をまとめていたらよく分からない文章になった

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時々「高校までの数学と大学の数学は全然違う」ということが話題になる.
私も違うと思っているが, どうやら見た限りの他の人と考えが違うらしいので自分の見解を出しておきたい.
ちなみに黒木玄さんなど, 高校までの数学と大学の数学は変わらないという人もいることは付け加えておこう.

細かい話はいくつかあるが, 一番の理由は高校までの数学にはいまだに苦手意識がある一方で
大学の数学に対してはそうした負の感情を一切感じないことだ.
高校までの数学と大学の数学の違い, これは純粋に私の肌に合うか合わないかというところに尽きる.
高校までの数学が肌に合わないというよりも, 大学の数学が合い過ぎるという方がおそらく正しい.
どこがどう, という話でもなく, 私の感覚上の問題なのでそれ以上何ともいえない.
ただ違う, それだけだ.
良く「高校の数学は極限の扱いが厳密でなく~」とかいう話があるが, 心底どうでもいい.
あれはあれで味があるのだ.

あと大学進学時の私の体験にも原因があると思う.
前ふりが長くなるが, 私の数学には大事なことなのできちんと書きたい.

自己紹介のところにも書いているし Twitter でも何度か呟いたことでもある.
私は学部では物理, 修士では数学にいたが,
高校までは数学が一番できなくてその次に物理が駄目だった.
確率などはセンターレベルですら壊滅的だった.
本筋とはあまり関係ないが, 専門の場の量子論や統計力学では確率論を使う (こともある) けれども,
大学でやる方の数学なら一応ついていけるという私内部での現象をどう思ったらいいのかいまだに分かっていない.

それはともかく, 大学進学を考えたとき一番苦手だったが物理 (と数学) 以外に行くことなど一度たりとも考えたことはなかった.
いわゆる得意科目 (点が取れる科目) は化学と国語で, その次に英語がそこそこだった.
この得意科目を使って受験できる物理または数学科はどこか, と探したら東大だとかの国公立しかなかったので途方に暮れたことは今でも覚えている.

念の為に書いておくと, 高校時代一番勉強していたのは明らかに数学だ.
勉強の仕方は大分まずかったと思うが, 時間だけは多かった.
高校入学時, 先生が「学年 +2 時間は勉強しないといけません」と言っていたので, 素直にそれを守っていた.
そしてその時間の 9 割以上は数学に使っていた.
テスト前や高校 3 年のときはさすがに他教科にも時間を割く必要があったので数学の割合は減ったけれども.
勉強の仕方としては基本的に写経だった.
学校で買った問題集 (シグマベストだった) でやったところの問題を解くが, 20-30 分考えても大体できないので,
そのあとは答えをひたすら書き写した.
いわゆる暗記型の勉強といってもいい.

どうでもいい話だが, これも念の為書いておくと, いわゆる中堅くらいの大学の入試問題ならこういう勉強でも十分に数学で点が取れる.
実際, 代ゼミかどこかの私大模試かなにかでは数学で満点を取ったことがある.
その辺は純粋に勉強量だけでカバーできる.

(やり方が良くなかったとはいえ) 勉強時間の 9 割以上を数学に割いていたのに,
試験前に少し勉強するだけである程度の点が取れる他教科を思うと, 本当に数学は駄目なのだな, と思った.
上で「大学進学を考えたとき一番苦手だったが物理 (と数学) 以外に行くことなど一度たりとも考えたことはなかった」と書いたが,
実際には数学科に行く気はほとんどなかった.
模試で受験校や学部学科を選ぶところがあるが, そこで数学科も入れていただけだ.
数学は天才のやるものと思っていて, 物理なら凡人でもできるかな, と思って物理にしたのだ.
これまた別件だが, 大学で「僕は丁度逆で, 物理は天才がやるもので数学なら凡人でもいいと思って数学科にしたんです」といっている数学の教授がいて面白かった.

そうした中, 一浪した上で第一志望の東大に落ち, 失意の中, 別の大学に進学したわけだが,
浪人しておあずけをくらった分, 大学での勉強に対する憧れのようなものは凄く強かった.
ようやく大学で勉強できるという喜びは強かったのだ.

そういう状態で大学で講義が始まったが, 大体の講義は高校でやった内容の復習みたいなところからはじまった.
もちろん 1-2 ヶ月も経てばすっかりやばいレベルに到達するので心配はいらないが, それでも第一週のがっかり具合は今でも覚えている.
「こんな既に知っている簡単なことをやりに大学に来たのではない」と心底がっかりした.
そんな中で週の終わり, 金曜午後一番の数学の講義が衝撃的だった.
私が通っていた大学は物理学科だが必修で実数論, 集合論, 位相空間論をやる講義がある.
その講義が (私の在学時は) 金曜午後一の 3 限だったのだ.

この講義がやばかった.
細かいことは覚えていないが, 「物理を学ぶ上で必要な数学を考えると実数や集合, 位相という話が大事になる」
「高校数学では限りなく近づくといった文学的表現が使われるがこんなものは使い物にならない」といった話が突如はじまり,
「まずは実数をきちんと定義してかかる必要がある」ということでいきなり実数論がはじまった.
のっけから何を言っているのかよく分からなかったのだが, 講義内容もさっぱり分からなかった.
そしてこれが良かった.
何が何だか良く分からないというのがいい.
こういう訳が分からないのをやりに大学に来たのだ, と震えた.
物理学科の学生にはあるまじきことだと思うが, 学部一年の頃はほとんどこの授業に関する復習しかしていなかった.
その先生は基本的にやったことしか出さない (ただしやったことはほぼ全て試験に出る) のだが,
試験については「試験は教官 (出題者) との戦いである. 数年だか数十年だか知らないが少し早く生まれたくらいでなめられてはいけない」と勝手に思って, 万全の体制で臨んだ.
他教科については, 物理はおろか微分積分や線型代数の勉強すらほとんど全くしていなかったのでそれらについては戦々恐々だったのだが, それはどうでもいい.
復習の過程でノートの内容は無駄に全て覚えていた (今は細かいことはあまり覚えていない).
暗記がどうこう, ということではなく勝手に覚えるくらい馬鹿みたいに没頭していた.
ちなみに試験の点は非常に良かったようで, 先生にその時点で名前を覚えてもらっていたようだ.
あとでその先生聞いたのだが, 「諸君らは田舎ではお山の大将をしていたのかもしれないが, 大学を, 学問をなめてもらっては困る」というスタンスでその講義をしているらしい.

それはそうとよく「分かるから楽しい」と言われるが, 分かったからといって楽しいと思えたことがほとんどない.
分かった気になっていたらあとで全然何も分かっていなかったことに気付いて愕然としたことなら何度もあるのだが.
理解が喜びにつながるという人, 純粋に羨しい.
ただ, 一度だけはあって, それは受験生の頃に Z 会の問題を解いていて, 2 週間くらい考えた挙句に解法を閃いたときだ.
大学に行くとこういう体験がたくさんできるのか, と思っていたが, 全然なくて泣いた.
むしろしばらく考えて分かったとき, 「こんな程度のことにこれだけ時間をかけないと分からないなんて自分はもう駄目なのではないか」,
「いや, 時間はかかったにしろ分かったではないか. 自分はまだいける」というやりとりが毎度脳内で発生する.

相変わらず最初に書こうと思ったことからどんどんずれていき, 最後には何が言いたかったのか自分も分からなくなり,
しかも文章にまとまりもなくなっていくのが笑える.


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