確率論的な $\zeta$ の特殊値の導出法

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不勉強と言われたら返す言葉はないのだが,
聞いたことない $\zeta (2)$ の導出の方法が言及されていたのでちょっと聞いてみた.

先週は測度論による $\zeta (2) = \pi^2 / 6$ の証明
今週はガロア理論による角の三等分問題
完全に趣味の領域です.

@sesiru8 測度論によるゼータの特殊値の証明, どんなことをするのでしょうか. 測度論からというのは聞いたこと無いので気になります

@phasetr ルベーグ積分でやりました.
殆ど広義リーマン積分でしたが

@phasetr こんな問題です
https://twitter.com/sesiru8/status/359443578470137856/photo/1

@sesiru8 ありがとうございます. このやり方, 知りませんでした. ただ, これを測度論とは言わないのでは, という感じはします

@phasetr 最後の方で無限級数を考え, 積分と極限の交換を利用するためにはルベーグの意味での積分が必要になるのでしょうか.
(これを測度論というかは…分かりません. ご指摘ありがとうございます).

@sesiru8 ルベーグ積分なら級数も積分と思えるので単に積分でしょう.
測度論と言うともっと集合演算とか駆使するイメージです.
何か確率論的にぎろんするのか, と思ったのですがそうではないようで.
あと, 積分と級数の交換はリーマンでもできます

@phasetr なるほどです.

@sesiru8 具体的なやり方をすぐには見つけられなかったのですが, 確率論的にζの特殊値を出す方法はあるようです
http://gcoe.math.kyoto-u.ac.jp/cgi-bin/seminars/index.ja.php?type=view&id=770&ca=seminar
挙げられた言葉を見た感じ, 測度論的色彩が強いのかはどうかは分かりませんが確率という感じはします

@phasetr ありがとうございます.

問題についてはこちらにも書き写しておこう.

  • 函数 $f (t)$ を $f (t) = \left ( \frac{2}{\pi} \right)^2 \int_{0}^{\infty} \frac{1}{1 + x^2} \frac{1}{1 + (t/x)^2} \frac{1}{x} dx$ と定めるとき $\int_{0}^{\infty} f (t) dt = 1$ が成り立つことを示せ.
  • 関係式 $\frac{1}{1 + x^2} \frac{1}{1 + (t/x)^2} \frac{1}{x} = \frac{1}{t^2 – 1} \left ( \frac{x}{1 + x^2} – \frac{x}{t^2 + x^2} \right)$ を用いて $f (t) = \left ( \frac{2}{\pi} \right)^2 \frac{\log t}{t^2 – 1}$ を示せ.
  • 次を示せ.
    \begin{align}
    \int_{0}^{\infty} \frac{\log t}{t^2 – 1} dt
    =
    2 \int_{0}^{1} \frac{\log t}{t^2 – 1} dt
    =
    2 \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n+1)^2}.
    \end{align}
  • 以上の計算より
    \begin{align}
    \sum_{n=0}^{\infty} \frac{1}{(2n+1)^2}
    =
    \frac{\pi^2}{8}.
    \end{align}

計算すればすぐ分かるのだろうが, 3 の左 2 つの式,
正の実軸上の積分が $[0,1]$ の積分に落ちているのでなかなか凄い.

あと確率論的に特殊値を出す方についても記述を引用しておこう.

リーマンゼータ関数の特殊値 (特にバーゼル問題 $\zeta (2) = \pi^2 / 6$) を初等確率論の手法で求める.
2 つの独立なコーシー分布の商, 逆正弦分布の商, 指数分布の商,
ウィグナー半円分布の商のすべてでバーゼル問題, リーマンゼータ関数に関するオイラー公式が導き出せる.
また, ルジャンドル展開の手法でもバーゼル問題が解けることや, チェビシェフ多項式との関連なども論じる.

追記
pekemath2 さんが A probabilistic approach to special values of the Riemann zeta functionという論文を引いていた.

@ftksr_sakamuke ちなみにこういうのもあります

http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1590-01.pdf

まだ詳細を追っていないが, これも面白そう.


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