『「動く特異点を持たない方程式」がなぜ大事なのか』に関するツイートを dif_engine さんがまとめていたので

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Paul の『「動く特異点を持たない方程式」がなぜ大事なのか』に関するツイートを dif_engine さんがまとめていた. 遷移しなくても見られるよう, 引用しておく.

そうか, 数式の意味は作者にあるわけではなく, 鑑賞者にまかされているのか.
.@kyon_math 私も, 動く分岐点を持たない方程式を分類したと思ったら, フックスの子倅が「モノドロミ保存変形だよー」と言い出してびっくりしました. リハルトが P6 見つけたときは, こっちは最初の 3 つしか見つけてなくて, 冷や汗かきました.
動く分岐点を持たない方程式を分類するモチベがわからなくて入り口に行かなかった人生だった.
動く分岐点を持たない方程式がなぜ重要か, パンルヴェ本人による連ツイをはじめます.
遡ると, Briot^Bouquet の楕円函数の特徴づけになるでしょう (1856). F を有理函数として, 加法公式 f (u+v)=F (f (u),f (v)) を持つ函数 f (u) は何か? (続く
続 2) BB の答えは「有理函数・指数函数・楕円函数に限る」です (竹内端三・楕円函数など参照) が, 加法公式があれば f'(u)=G (f (u)) という一階自励系の解でもあり, 加法公式を持てば, 動く分岐点がないことは自明です. (続く
続 3) BB の定理は「 G を有理函数として 1 階 ODE f'(u)=G (f (u)) が動く分岐点を持たないなら, 解は有理函数・指数函数・楕円函数に限る」という形にもなります. では, 自励系ではなく一般の ODE にしたらどうか? この問題は 1870 年頃に Fuchs と Poincare が考えた
続 4) F-P の定理「一階微分方程式 F (u,f (u),f'(u))=0 が動く分岐点を持たなければ, リッカチか楕円函数か初等函数で解ける」. 一般の点 u に対して F_u (f (u),f'(u))=F (u,f (u),f'(u)) とおくと, リーマン面 F_u (x,y)=0 の種数は一定.
続 5) F_u (x,y)=0 の種数が 0 ならリッカチ, 1 なら楕円函数, 種数 2 以上でも, 初等函数で解ける場合は, 動く特異点を持たない. この証明は易しくはないが, 古典的には Forsyth の 6 巻本に書いてある. なお, 一階方程式は動く真性特異点を持たないことを示したのが私の学位論文.
続 6) 1 階の次は 2 階だということになりますが, ピカールは 1889 年に今でいう第 6 パンルヴェ方程式の特殊な場合「ピカールの解」を楕円曲線の不完全周期の満たす微分方程式として導出しています. 同年, パンルヴェ性を可積分系に最初に適用した「コワレフスカヤのコマ」の論文も出た.
続 7) ということで, 1890 年ごろは「動く分岐点を持たない 2 階方程式の研究」をしようという動きは, 方程式論からも, 剛体の運動方程式の可積分性 (第一積分の発見) からも, まだ代数曲面の周期という観点からも起こっており, 自然な問題意識であった.
続 8) さらに三体問題で, 三体同時衝突の場合は衝突時間で代数的特異点になる (私の結果, のちに Sundman が拡張) ことからも, すでにパンルヴェ性と可積分性の関連は意識されており, そういう流れの中で 1898 年に私が最初の (間違った) 分類定理を出した. これは 1906 年には修正された.
続 8) というわけで, 現代の皆さんは忘れてしまったかもしれませんが, 「動く分岐点を持たない方程式」は 19 世紀後半には, 数学全体の中でも決して特殊な問題ではありませんでした. 1905 年の R.Fuchs のモノドロミ保存変形との関係ありますが, 可積分系や周期積分とも関係します (終)

「私」というのがどの「私」なのか時々判然とせず非常にややこしい方の Paul だった.


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