このサイトは学部では早稲田で物理を, 修士では東大で数学を専攻し, 今も非アカデミックの立場で数学や物理と向き合っている一市民の奮闘の記録です. 運営者情報および運営理念についてはこちらをご覧ください.
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全ての素数の積が偶数なのが納得がいかない人たち という Togetter のまとめが出ていた.
全ての素数の積が偶数なのが納得がいかない数学徒たち という
ぴあのんさんによる数学徒版もあり, こちらは私も少し噛んでいる.
下のまとめにも一部載っているが, 私が直接関係することを
ツイートしたことを引用しておこう.
素数の無限積の話だけど、ちゃんとスーパー(?)自然数(Supernatural number) http://t.co/DR5HTeHJFZ というものがあって、そこでは素数の無限積も定義できるし、n_2が1以上か否かで偶奇が決定できるんですよね。しかも、答えは偶数になります。
— れんま(82%) (@tononro) 2014, 11月 25
@tononro 数学やばい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr もっというとスーパー自然数に付随して作用素環の一種てあるUHF環が構成出来たりもします。そして、その分類は1970年代かそれくらいにK理論を用いて行われました。
— れんま(82%) (@tononro) 2014, 11月 25
@tononro それもうめちゃくちゃいい話では
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr この分野の黄金期の結果ですし、凄まじいですよね。Murphyの本に証明込みで詳しく書かれていますよ。他にも、先述のWikiには代数的な取り扱いが書かれた本が紹介されていますね。
— れんま(82%) (@tononro) 2014, 11月 25
作用素環, 思った以上に魔界だった.
あと非専門の方とやりとりした記録.
説明の下手さもあり, ちょっと鬱陶しかったのではないかと反省している.
ていうか、なんで自然数をかけざんしてたら、自然数じゃなくなるわけよ。。。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat https://t.co/rRFNDqTgyu 普通の自然数ではないようですが、こんなのもあるようです。それはそれとして解析接続したときの話をされていると思いますが、ζ回りは有理数を足していったら実数になるとかよくあるので、そういうアレだと思って頂ければ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr 平べったく言えば、収束しない掛け算は自然数や実数の範囲では取り扱えないので、無限大を扱える系を持ち込むか、解析接続された別の計算を代用するかになる、ということでしょか?
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat どうしたいかによりますが、素朴な意味で発散するとか定義不能とかそれはそれで意味があります。何か変なことやってみようぜ!とか他の話をいろいろやっていたら何か正当化できる理論ができた、という場合もあります。続
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat リーマンのゼータの解析接続の場合は、どう捉えるか微妙なところもありますが、解析接続は解析接続として話ができて、それを適用して計算してみたら、たまたま従来意味がないとか単に発散するだけの量かと思っていた値の計算にもなっていたという感じでしょう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat 自然数の全ての和を計算したくて頑張って解析接続したわけでもないので。何の前提もなく自然数全ての和でリーマンのゼータの結果を引いてくる人間、ただの 馬鹿でしょう。「それは知っているが今したい話に関係あるの」と言われて真っ当な答えが返ってこないなら特に興味はないので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat リーマンのゼータによる自然数全ての和はが数学のどこで使われるのかはよく知らないのですが、物理のカシミール効果の計算に使われて、そこでの発展が数学に逆輸入されて数論でも色々ある、とか言う話は聞いています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat 私に関して言うなら、普段その結果使わないので、いきなり専門の話題でそんな話をされても理由ないなら「素直に正の無限大に発散させておいてください」といいます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr なるほど。ところで、例の「すべての整数の積は偶数か?」という疑問には、相転移Pとしても「正の無限大に発散するので、奇遇を議論することはできない」という答えになるのですか?
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@phasetr すみません。誤字です。 誤:すべての「整数」の積 正:すべての「素数」の積
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat 私はアレに対しては比較的素朴な立場で「発散していて無限大であって数ではないから偶奇は議論できない」というスタンスです。「全ての素数」を「全ての正 の整数」にしても同じです。ちなみに「全ての整数」にすると正負が入ってきて今度はその値が正か負かという地獄になりそうな
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat 「全ての整数」の話題はさておき、数学の人相手なら「いろいろあってやばい、楽しい」というのでいろいろな立場を楽しみますが、非数学の人相手にそれをやるのはどうかと思うので素朴な回答でよしとすると言う感じ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr 非数学の人としては「確かに発散はしているが、2に何度奇数を掛け算しても偶数だ」となってしまうのですが。「数ではないから」ということなのでしょうか。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat 【2に何度「有限回」奇数をかけても】とするならいいのですが、問題は「全ての」とつくところで、普通数学だと「全てかけきった(極限をとった)値がまず あるかないか、あったとしたらその性質は何か」といくので、あえて言えば値の存在・非存在を論じるところを問題にしています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat 何度もかけたプロセスではなく、何度もかけたあとの結果を優先して見ているのでまずそこの認識の違いが大きいのではないか感
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr なるほど。「全部かけた値があるなら、偶数になるかもしれないけど、そもそもそんな値ないよね?」ってことですね。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat 正確に言うと「全部かけた値があるなら、【偶奇の判定はできる】かもしれないけど、そもそもそんな値ないよね?」です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr 確かに。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@phasetr 「自然数n以下の全ての素数の積」は、n>2で常に偶数ですが、これをもって「全ての素数の積は偶数」と言えないのは、いかなる素数よりも大きな自然数を選ぶことができないからでしょうか。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat そういう話ともまた違って、有限和と無限和(より強くは極限で定義された値)の扱いの違いです。たとえばcos kx(kは自然数)の有限和は解析関数ですが、無限和は関数ですらなく超関数(δ関数)になります。「有限和で滑らかなら無限和でも滑らかか」というのと 同じ話で続
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat いくら有限のところで適当な性質を持っていようが、それが極限でどんな性質を持つかは全くわかりません。あくまでも「有限の所まででどういう性質があるか」というのと「極限として出て来たものが何か、どんな性質を持つか」を分離して考えています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr なるほど。極限って、あまり軽々しく扱えるものではないのですね。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat いい例えか分かりませんが、全ての自然数で1/(n+1)<a_n<1/nを満たす数列a_nは有限のnでは絶対に0ではないが、全ての自然数nで0かどうか、と言われればこれはYesです:自然数といったら無限大は入らないので(続)
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@dempacat ただしlim a_n が0かどうかと言われたらこれは0です。極限で考えていて、何かの自然数mに対するa_mを考えているわけでないからです
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr 同様に 「自然数n以下の全ての素数の積」も、全てのnで偶数だが「全ての素数の積」の場合、nの極限を考えることになってしまい、もはや自然数ではないので「全 ての素数の積は偶数」が成り立つとは限らないばかりか、この場合は、全ての素数の積自体が存在しないのですね。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 25
@dempacat それが現代数学的に一番素朴な立場で、応用上も標準的な数学での対応・理解だと思っています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 25
@phasetr 存在しない数を議論できない、という立場が基本的な立場だと理解して、はじめて、解析接続から導かれる奇妙な結論も、矛盾や誤りとはいえないと理解できるのですね。
— 電波猫 (@dempacat) 2014, 11月 26
@dempacat 実際はまだもう少し面倒で、超関数の例での極限が関数ではなく超関数になるかもしれないという話のように、「存在しない数は議論できない」の前に「どんな 意味で存在するか、またはどんな意味なら存在するのか」から始まります。実数解はないが複素解ならあるとかそういう感じで
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 11月 26
というわけでとても面倒くさい.
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