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何かどこかに書きたくなったので何となく書くが,
子供の頃にお世話になった柔道の先生が昨日亡くなった.
柔道の稽古をしていて誰かが乱取りでうまいこと一本取られると
「悔しくて今日はねむれねぇな!」といい,
うまいこと一本取ると「嬉しくて今日はねむれねぇな!」という先生だった.
自他共に認める柔道馬鹿で, 夜も柔道のことを考えていて眠れなくなり,
ぱっと目が醒めると柔道のことを考えてまた眠れなくなるとか
よく言っていたし, 柔道と数学・物理という違いはあるものの,
私の基礎は小中の頃のこの先生との付き合いで
大きな部分が形成されているというのを改めて感じた.
あと私も人の死に目に会う年齢になったのだな感.
運動不足解消や体力をつけるためもあって,
半年くらい前から, 昔通っていて自分の身体のことも
よくわかってくれている道場で柔道を再開した.
半年間でも改めて触れる機会があってよかったのだと思っている.
再開したばかりのほぼ半年前,
接骨院に新たに導入した機械のちょっとしたポスターが
作れるか, と頼まれてできる範囲のこんなので良ければ,
といって作ったポスターを喜んでくれたのが印象的なのだが,
微調整でちょっと時間をくっていたとき, 先生が「馬鹿野郎,
早くしてくれないと俺死んじまうじゃねぇか」と軽口を叩いていたのを思い出す.
数年前に癌になっていたそうなので,
割と洒落にならないジョークだが,
私も高校の頃, 中 3 で白血病になって留年したりした中で
死んだふりという身体を張ったギャグを展開して
友人にめっちゃ怒られたので, 師弟の絆を感じる.
ふとスラムダンク, 山王戦の花道を思い出した.
流川は沢北におさえられ, ミッチーは前半でガス欠,
ゴリは河田への意識過剰状態で, 攻め手を欠いた宮城は仕方なく自らシュートを放ち,
「そして桜木の戦いはここからはじまる」といって
ポール相手にリバウンド勝負がはじまるあのシーン.
先生がいなくなってからが恩返しというか勝負のはじまりという感がある.
年末最後の稽古が 12/26 にあるのだが,
きちんとやった方が先生が喜ぶというか, きちんとやらないと
先生が怒るだろうと, 最終日もきちんと稽古することになっている.
夕方に話を伺って, 何かもう今日はアレなのでアレだ, とか思ったが,
そんな風に適当に過ごしていると「馬鹿野郎,
お前から柔道と数学取ったら何が残るんだこの野郎」とか怒られそうなので
平常運転で数学のことを考えていることにした.
柔道家兼数学徒の業は深い.
立って戦える数学徒に不可能はないことを証明していきたい.
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