解説『やさしい理系数学』第 2 章 関数と方程式・不等式 例題 7 高知大

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『やさしい理系数学』は「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.

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積極的に解答を書いて私まで送ってくださいね.
メールや LINE だと式を書くのが大変でしょうから,
書いた紙を写真に撮って画像で送ってくれればいいですよ.

問題(高知大)

任意の正の数 \(a\), \(b\) に対して, つねに

\begin{align} \sqrt{a} + \sqrt{b} = k \sqrt{a + b} \label{univ-entrance-exam30} \end{align}が成り立つような実数 \(k\) の最小値を求めよ.

ポイント

あまり難しくない問題だが, 色々な解法があるのでそれをさらっと復習するのに非常に使える.
いくつかの解法の共通点を挙げると, \(a\), \(b\) と 2 つあるパラメータを
1 つに落とすところがポイントで,
例題 6 と同じ手法が使える.
ここでも手法として実験が使えることを指摘しておこう.
整数問題でもよく「必要条件から絞り込む」という手法が紹介されるが,
それと同じことだ.

またこの手の問題は大学, もっというなら研究でよく出てくる.
不等式の最良定数を求める一連の問題があって, そういう論文もたくさんある.
等号成立条件も大事で, それを調べるだけでも長い議論が必要になることも多いし,
実際論文にもなっている.
応用上も大事で, 例えば数値計算をするとき,
その手法 (アルゴリズム) が正当かどうか,
特に収束するかどうかを判定するのに途中で使う不等式の全てで最良評価をしていく判定法がある.
こういうときに 1 つ 1 つの不等式の最良定数がないと困る事情がある.

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方針

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あまり方針としていうことはない.
次の方法が身についているかを確認してほしい.

  • 相加相乗平均の不等式.
  • 三角関数の利用.
  • 微分の利用.
  • 凸関数の利用.
  • ベクトルの内積の利用.
  • 必要条件からの絞り込み.

最大最小問題なら微分に叩き落とせないかを考えるのは自然だろうから,
私は微分が 1 番汎用的な解答で, 1 番素直なのは相加相乗平均だろうと思う.

三角関数, 微分, ベクトルの内積利用ではパラメータを
1 つに減らして調べるという共通点がある.
三角関数では (a), (b) というパラメータを (\theta) 1 つに,
微分では (b/a = x > 0) としてパラメータを (x) 1 つに,
ベクトルでは (\vec{y} = (\sqrt{a}, \sqrt{b})) としてパラメータを (\vec{y}) 1 つに落とし込む.
特に微分では式が (1/2) 乗の同次式であることに注意しよう.
このおかげで 1 変数の問題に落としこめるのだ.

また凸関数の定義も一応注意しておこう.
高校だと 2 階微分の符号を見るのが一般的だろうが,
正式な定義は次のようになる.

定義 (凸関数)
関数 (f) が次の条件を満たすとき (f) を下に凸な関数と呼ぶ:
(0 \leq t \leq 1) に対して

\begin{align} f (t a + (1-t) b) \leq t f(a) + (1-t) f(b). \end{align}関数 (f) が次の条件を満たすとき (f) を上に凸な関数と呼ぶ:
(0 \leq t \leq 1) に対して

\begin{align} t f(a) + (1-t) f(b) \leq f (t a + (1-t) b).\end{align}図を見ながら式を書けばいいだけなので別に難しいことはない.
これで覚えておくと, 単に凸という形と微分の結びつきを知るだけではなく,
凸関数を使った不等式が使えるようになるから扱える手法が増える.

ここで話しきれるような話題ではないが, 物理での応用,
特に平衡熱力学では凸関数が大事な役割を果たす.
そのときには凸関数が連続だが必ずしも微分可能ではないこともいろいろな形で効いてくる.

最後に: 気軽に質問してください

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  • コメント (3)

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    • 匿名
    • 2016年 9月3日

    小さな誤植ですが一応。

    「関数fが次の条件を満たすときfを上にに凸な関数と呼ぶ:」
    と、「に」が重なってます

    あとその下の不等式の「.」の位置が不等号の手前に表示されてます

      • phasetr
      • 2016年 9月3日

      ありがとうございます。直しておきました。他も直した方がいいところあるんですがとりあえずご指摘頂いたところだけ。

        • 匿名
        • 2016年 9月13日

        お忙しい中返信してくださりありがとうございます。今後小さな誤植については気にしないようにします。
        今後もやさ理の解説記事を全部読んでいこうと思っています。

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