解説『やさしい理系数学』 第 2 章 関数と方程式・不等式 例題 5 問題 2 防衛大

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『やさしい理系数学』は「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.

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問題 2(防衛大)

実数係数の 3 次方程式

\begin{align} 2 x^3 – 3ax^2 + 2(a+7) x + a^2 -9a + 8 = 0 \end{align}の解が全て自然数であるとき, \(a\) の値と 3 解を求めよ.

問題 2 ポイント

ここも解が全て自然数というところからいろいろなことが決まる.
解の条件があって係数 (と解) を決めろと言っているので解と係数の関係が主戦場になる.
もっともらしく実数係数と言っているが \(a\) が本当に純粋な実数になることはないだろう
(整数か自然数になるだろう), と予想できるかもかなり効いてくる.
うまく適当な難易度にするため, 解けるようにするためもあるが,
式の見た目はごついので, それに惑わされないようにする必要もある.
定数項が特にごついが, 何かいわくありそうと思える反射神経がほしい.

少し話がずれるが, 解が自然数というだけからこの面倒そうな 3 次方程式のパラメータ,
\(a\) の値と 3 解が決まってしまうことに驚くような感性がある人は数学がよくできる人だろう.
問題の見た目のごつさに惑わされず,
そういう視点を持てた人は自分の数学的感性に自信を持っていい.

問題 2 方針

ポイントでも書いたように 3 次方程式の解と係数の関係を調べにいくのが基本だ.
3 解を \(\alpha\), \(\beta\), \(\gamma\) で \(\alpha \leq \beta \leq \gamma\) とする.
解に順序をつけたのはいわゆる「こうしても一般性を失わない」というやつだ1.
解と係数の関係から

\begin{align} \alpha + \beta + \gamma &= \frac{3}{2} a, \label{univ-entrance-exam20} \\ \alpha \beta + \beta \gamma + \gamma \alpha &= a + 7, \label{univ-entrance-exam21} \\ \alpha \beta \gamma &= – \frac{1}{2} (a^2 – 9a + 8) \label{univ-entrance-exam22}. \end{align}解と係数の関係を使えばここまでは来れる.
次はこの式をどう読むかだ2.
まず最初の式から \(a\) は偶数でなければならない.
これだけで既に整数どころか偶数としての絞り込みが入った.
この時点で整数に関する知識をきちんと頭にロードしておこう.

他をどうするかと思っても 2 番目の式は整数となることしか読み取れない.
「試験問題だし絞り込むための条件がどこかにあるはずだ」と思ってみたり,
あからさまにごつい定数項は何だと思ってみてもいいが,
とりあえず 3 番目の式から条件を引き摺り出せないか考えてみよう.

左辺の積が自然数だから右辺も自然数, 特に正の数である必要がある.
2 次間数になっているから実際にグラフを描けばよくて,
やってみると \(1 < a < 8\) とわかる.
この中で偶数だから \(a = 2\), \(4\), \(6\) まで絞り込める.
ちなみにここは因数分解もできて \(a^2 -9a +8 = (a-1)(a-8)\) だ.

どちらが見やすいかは人によるだろうが,
こうしておくと私にはあからさまに整数に関する条件に思える.
こういうのを見ると例題 1 のポイントで「はじめから因数分解してくれているのもポイント」と書いたが,
ここでその意味もわかってもらえるだろう.
漠然と 2 次関数で書かれているよりも因数分解されている方が整数らしい感じがある.

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脚注:

1

定石だし, 考えていく上で楽にもなるので必ず身につけておくこと.

2

式から情報を読み取る技術は例えば物理で役に立つ.
もっと言うなら式と現象と頭のイメージを一致させていかないと物理にならない.


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