量子力学の連続スペクトル周辺の話: 田崎さんと全さんのトークまとめプラス私の雑感

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あと別のまとまりにした方がよさそうな部分 1.

あと別のまとまりにした方がよさそうな部分 2.

全さんの話, 滅茶苦茶面白いし何か協力したいくらいなのだが,
量子力学の物理があまりにも何もわかっていないし,
Sobolev に耐える力が私にないしであまりにもつらい.
あと引用されている『Solvable Models In Quantum Mechanics With Appendix Written By Pavel Exner』,
Albeverio, Hoegh-Krohn, Exner とバリバリのその筋の人達ではないか.
Albeverio と Hoegh-Krohn は相対論的場の量子論の頃からいる
重鎮だと思う: 相対論的場の量子論は難しすぎて手に負えなかったので
ほとんど名前しか知らないのだが, 面子やばい.

こういうのを何かのんびり勉強したいとは思うのだが
なかなか思うに任せない.

あと 田崎さんの日記.
メモがてらいくつか引用しておこう.

その間、物理学者が量子力学の応用の幅を広げ理解を深めているあいだ、数学者たちも量子力学の数学を徹底的に深く追求して行った。 そして、特に自己共役作用素とスペクトル分解についての美しく有用な(ただし、あいかわらずかなり難しい)体系ができあがったのだ。 これは、「量子力学において確定した値をとりうる量とはなんだろうか?」という物理的な問への確固たる解答だと言ってもいい。 物理学者が、有限次元の線形代数とのアナロジーでなんとか作り上げた体系に、きわめてしっかりとした論理的な基盤が与えられたのだ。

ところが、悲しいことに、こうやってせっかく完成した数学の成果が物理のサイドにはほとんど浸透してきていない。 もちろん、量子力学の数学はかなり難しいし(←ぼくも圧倒的に不完全な知識しかない)、数学の定式化を学んだから物理の問題がすらすらと解けるようになる わけでもない。 そうはいっても、人類の文化として考えたとき、量子力学の基礎概念がどこまでしっかりと理解されているかくらいは、やはり多くの人が共有しなくてはいけな いと思うのだ。 そこまで大げさにならなくても、「習うより慣れろ」的にいい加減に物事を進める方向に流れないためにも、基礎をしっかりと学ぶのは重要なはずだ。 それは、量子力学の学部での入門的な教育についても(あるいは、入門的な教育についてこそ)言えることではないかと考えている。

量子力学に限らないが, 物理の具体的な問題をきちんと数学的に議論するために
必要なハードルの高さは尋常ではないし, 量子力学の数学的基礎だけ
特別扱いするのも難しいとは思いつつ,
(私個人の思いとしても) 物理的な意義が十分あるとは思っているのでつらい.

ていうか、今の場合は露骨に「物理的にやばい」とわかったけれど、もっと複雑な問題になったら、果たして考えている演算子が「やばい」か「やばくないか」など簡単にはわからないではないか。

これはよく感じるのだが, 物理ができない私がいってもまるで説得力ないのでつらい.
「まずはもっと物理やれ」という話になってしまう.

そして、素晴らしいことに、自己共役演算子については(この表現はかなり不正確だけど)

固有状態(および「固有状態もどき」)をすべて集めたものは正規直交完全系をなす

という(本当の)定理が知られているのだ。

きちんと書いてわかる人ははじめから知っている人だけなので
これがどう不正確かということだけ説明しておこう.
例えば 3 全体での自由粒子の Hamiltonian を考えると
H= で, スペクトルは [0,) だ.

そしてこれの固有関数もどきは ψk(x)=eikx になるが,
3 全体で考えているからこの ψk は規格化できない (無限大になる).
数学的には Hilbert 空間 L2 (または Sobolev 空間 H1) に入っていないということだ.
しかし Hψk=k2ψk で形式的に固有関数になっている.
話が少しずれるが, この ψk は緩増加超関数ではあり,
そこで考えれば確かに固有値なので,
超関数までいけば一般固有値展開という形で正当化できるとか何とかいう話は聞いている.
相対論的場の量子論の人達はこういうことを地道にやっていた人達だ.
とてもつらい分野なので常人には決しておすすめしない.

少なくとも数学・物理の双方で私を遥かに越える程度の力はないと無理だろう.
やったからといってそのあとの業績に結びつくような展開が
あるかどうかも微妙な情勢ということもある.
そういう状態ではベテランも若手も,
物理の進展や自分の学者としての生存ににとって
どれほど意味があるかも微妙なこの辺の話題に手は出せないだろうな,
という気はする.
いつもの「気になるなら自分でやるしかない」事案だった.


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