解説『やさしい理系数学』第 7 章 積分法 例題 19 広島大

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『やさしい理系数学』は「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.

解説『やさしい理系数学』第 7 章 積分法 例題 19 広島大

問題 (広島大)

(1) 4 次関数

\begin{align} f(x) = ax^4 + bx^3 + cx^2 + dx + e \end{align}のグラフが \(y\) 軸に関して対称な 2 点において極小となるならば,
このグラフは \(y\) 軸に関して対称であることを示せ.

(2) \(x=-1\) および \(x=1\) のとき極小値 \(-1\) をとり,
極大値が 4 であるような \(x\) の 4 次関数を求めよ.

ポイント

  • 関数の対称性の表現.
  • 具体的な関数の決定.

(1) は例題 18 の類題なので,
例題 18 をやった人は完答できないといけない.
4 次関数の対称性が極値の対称性から決まるという話で,
別方向から光が当たった形だ.
(2) は関数, 特に多項式の決定だ.
各次数の係数を決めれば多項式は決まるが,
4 次だから定数項まで入れて 5 つ条件がいる.
この 5 つをきちんとリストアップして式に落とせるかがポイントになる.

方針

(1)

全ては \(y\) 軸に関する対称性を偶関数と言い換え,
その式を書くことからはじまる.
つまり \(f(x) = f(-x)\) と書いて,
偶関数であることを示すと明示する.
これでまず部分点は来るはずだ.
苦手な人ほどこういう手で細かく点を稼いでいこう.

問題の条件は 4 次関数を考えている以外に
【\(y\) 軸に対して対称な 2 点において】しかない.
これをどこまで使い切れるかが勝負だ.
これを使うしかないのだから, まず式を書いていく.
\(\alpha > 0\) として \(\pm \alpha\) で極値を取るとしよう.
\(\alpha > 0\) とまでする必要はないが \(\alpha \neq 0\) の条件は絶対に必要だ.
これがなくては \(y = x^4\) も許されてしまい,
\(y\) 軸に対称な 2 点で極値を取れなくなってしまう.
もちろんこのときも \(y\) 軸について対称で【重複を込めて 2 点】という解釈もあるが,
それだとこの問題が解けなくなってしまう.

\begin{align} f(\alpha) = f(- \alpha), \quad f'(\alpha) = f'(- \alpha) = 0. \end{align}ここで後者は極値を取ることから来ている.
これを \(\alpha \neq 0\) の条件下で解けばいい.

極値の条件があるから導関数の形がある程度決まっているわけで,
そこから攻める手もある.
これが本の【解答 2】の戦略だ.

(2)

当然 (1) の結果を使う.
まず関数を偶関数にしてしまおう.

\begin{align} f(x) = ax^4 + cx^2 + e. \end{align}3 つの係数を決めないといけないから 3 つ条件が必要だ.
\(x = \pm 1\) のときの極小値 \(-1\) から 4 つ出て,
極大値 4 から条件が 1 つ出るから 5 つの条件があるように見えるかもしれないが,
偶関数であることを導くのに 2 つ条件を使っているから,
残る条件はちょうど 3 つだ.

極大値の条件で意外とはまるかもしれない.
極大値 4 はいいとして, どこで取るかが書かれていないからだ.
少し考えれば当たり前ではあるが,
この問題の捻ってあるところでもある.
4 次関数の幾何学的特徴にも関わるので,
きちんと頭に入れておこう.
極大値の条件さえクリアすればあとは単純な連立 1 次方程式の問題なので,
どうとでもなるはず.

極値の値の条件と対称性から関数の形がかなり絞り込めるので,
それを使った別解もある.
詳しくは本の【解答 2】を見てほしい.
(1) と違って今度は導関数ではなく元の関数の形を絞り込むのがポイント.

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