解説『物理 重要問題集』75 円形波の反射 (千葉工大)

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次の本の問題の解説で特にわかりづらい部分や
大切な部分を補足していきます.
物理重要問題集 2015―物理基礎・物理

勉強法として自学自習・独学・脳内授業をお勧めしています.
また見ていない方は次のページや
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『物理重要問題集 2015―物理基礎・物理』は
「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.

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解説『物理 重要問題集』75 円形波の反射 (千葉工大)

解説

全体の注意

【反射の際, 波の振幅および位相は変わらないとする】とあるので自由端反射していると思える.
(1) の解答にあるように器壁に関して O と対称な点 \(\mathrm{O}’\) から波が出ているとも思える.
これは波源が O と対称な点 \(\mathrm{O}’\) の 2 つある場合の波の干渉の問題と思うこともできる.
もちろん器壁の O 側でしか波が立たないこと, O と \(\mathrm{O}’\) から出る波が同位相でない分の調整が必要.

(1)

この問題を解くだけならもっと簡単に解ける.
反射の山がどこに来るか, 次の 3 点の振る舞いを見れば十分だからだ.

  • (反射波ではなく) 元の円形波 C がちょうど器壁に到達した点 (O から出た波面と O’ から (仮想的に) 出た波面の交点).
  • O を通り器壁に垂直な直線上の反射波の山が来るべき点.

自由端反射だから前者は反射波で見ても山になっている.
後者は O を考える必要なく想定できる, 反射波の山があるべき位置だ.
少なくとも反射波 (の山) はこの 3 点を通るべきなのでこれだけから選択肢を選べる.
(ア) は前者の山をカバーしていない.
(イ) (ウ) は後者の山をカバーしていない.
これから消去法で (エ) が選べる.

本質的な解法は本の解答だが,
こういう手法でも正解に辿り着ける.
『やさしい理系数学』の解説で数学でも実験が大切と書いているが,
物理でも (思考) 実験が大切だ.
そういう習慣は大学に入ってから,
それも物理学科以外のどんな分野でも大切なことなので,
ぜひしっかり身につけてほしい.

(3)

(2) で経路差が \(O’Q – OQ = (2n-1) \cdot \frac{\lambda}{2}\) という式を出した.
これは数 III の双曲線の定義にはまる: 2 焦点とそこからの距離の差が一定の点の集合だからで,
これが解答の図 c の赤い点線の描き方.
実際には \(Q\) の代わりに一般の半波長分の経路差がある点 \(R\) を取って議論した方がいいといえばいい.
\(n=1\) の方が遠くにあるのが不思議に思うかもしれないが, この理由は次の通り.
線分 \(OO’\) 上で器壁に近いところから順に波長が長くなっていく:
節となる点を \(A\) とすると器壁の左側にしか波が立たないから \(O’A > OA\) で
\(O’A – OA\) は \(A\) が \(O\) に近いほど大きくなる.
もう 1 つポイントがある: 腹や節が有限個しかないことだ.
L の方向に際限なくたくさんありそうな気がするかもしれないが,
波長の整数倍というような条件がつくからだ.
これについては (5) で具体的に議論する.
こういうふうに問題を解くことで直観とのずれを具体的に認識し,
地道に理解を深めていくしかない.

(7)

振動数は問題の最初にきちんと書いてある.
問題文も長く, 大分あとになってから使うので「振動数はどこ? どこかの問題で求めたりした?」などと
混乱する可能性がある.
問題文を見たら数値には丸をつけておくとか,
図に参考データとして書き込んでおくとか,
自分にとってわかりやすい工夫をしてほしい.

(9)

ドップラー効果の式の導出で必要な考え方を使えば素直に出る.
つまり, 波源が動くときのドップラー効果の原因は音源から出る波の波長が変わること, これを使うのだ.
ただ単にドップラー効果の式だけ覚えていると,
ここで変な勘違いをして間違った議論・計算をしかねない.

(10)

ドップラー効果に関する論述問題.
もちろん解答の根拠にはドップラー効果の公式を使う.
ここで斜め方向のドップラー効果を理解しているかも問われている.
ドップラー効果で大事なのは音源と観測者を結ぶ方向の速さ (速度ベクトルの成分) であることを覚えているか, 理解しているかが問題.
問題自体は反射波の話なので混乱するかもしれないが,
要は救急車が遠くから向かってくるときと全く同じ状況で,

  • はじめ音が高く,
  • 目の前を過ぎると音が低くなっていく

というだけのことに過ぎない.

こういうのはセンスの問題ではなく,

  • どれだけ物理の思考法にどっぷり浸かっているか,
  • 身近な現象と結びつけて考えられているか,

これらが問われている.

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