解説『物理 重要問題集』87 ヤングの実験 (福岡大)

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次の本の問題の解説で特にわかりづらい部分や
大切な部分を補足していきます.
物理重要問題集 2015―物理基礎・物理

勉強法として自学自習・独学・脳内授業をお勧めしています.
また見ていない方は次のページや
Kindle にまとめた書籍を参考にしてください.

『物理重要問題集 2015―物理基礎・物理』は
「内容はいいのに解説が少ない」という評判なので,
ここではその解説部分を補充する形でやっていきます.

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解説『物理 重要問題集』87 ヤングの実験 (福岡大)

解説

全体

教科書に書いてあるそのままの設定の問題.
そして前半は本当に教科書そのままの議論で,
後半も基本は教科書の展開だ.
波動ではこういう教科書そのままの問題が本当によく出てくるから,
教科書をなめてはいけない.
教科書そのままではわかりづらいなら参考書を読み込み,
問題として実際に 1 ステップずつ追いかけることできちんと 1 から自分で議論を再構成できるようにすること.
知識や公式を覚えているかというより,
物理の思考法, 数学的なアプローチを覚えているか・身につけているかを問われていることはこういう問題からよくわかる.
大学に入ってから実際に使うから事前に身につけておいてほしいという要望でもある.
それに合わせた勉強をすれば敵はない.

(2) (3)

まさに教科書.
近似まで含めてスリットの基本中の基本なので, 確実に身につける.
(3) ではこの時点から光源にも着目しておくと,
後で光源が動いたときにも対応しやすい.
いきなり頭から解き始めず, 先に問題全体を眺めて問題の流れを事前に確認しておこう.

(6)

他の問題でも大切だが

  • 式と現象を結びつける,
  • 現象を法則として式に落としこむ,
  • 式から現象を読み取る,

という物理の基本が問われている.
答えを見れば「ああそうか」と思う人は多いだろうが,
苦手な人は本当にこれができない.
ここが分水嶺であり, 物理の思考法・数学的アプローチを身につけるということだ.
地味なところだが深い理解が問われていることに気付いてほしい.

(7)

解答は波長で考えているが光路で考えても同じ.
好きな方で考えればいい.
今楽なのはもちろん波長だろう.

  • 質問への回答

    質問を頂いたので転記・説明したい.

    自分は光学距離が \(nL\) になると思って \(n\) 倍と思ったが間違いだった.
    波長が \(\lambda / n\) になるから \(1/n\) 倍という回答は理解した.

    衝撃のコメントだったのだが,
    もちろん光学距離 (光路) が \(nL\) になるというのが
    根本的に間違いだ.

    いま気にするべき経路は \(S_{1} P\) と \(S_2 P\) で,
    光路で考えて \(n\) 倍になるのはこの 2 つだ.
    \(n S_{1} P – n S_{2} P\) を計算して出てきた式を波長の条件 \(m \lambda\) と等しいと
    設定するのであって, 単純に \(L\) を \(nL\) とするわけではない.
    いきなり \(L\) を \(n\) 倍にしてうまくいくわけがない.

    \(\lambda\) を \(\lambda / n\) としてうまくいくのは
    \(S_{1} P – S_{2} P = m \lambda\) の \(\lambda\) を直接 \(\lambda / n\) に置き換えたのと
    \(x = m L \lambda / d\) から直接 \(\lambda\) を \(\lambda / n\) に置き換えたのが
    結果的に式としてほぼ変わらないからだ.

(8)

ここで「薄膜通過分はどう考えればいいだろう」と悩む人がいるはずで,
やはり薄膜を通過する部分の近似の扱いが難しいだろう.
こういう近似への慣れも必要なのが波動分野の大変なところだ.

(9)

\(x > 0\) というときに \(n > 1\) を使っている.
問題文には書かれていない条件だが屈折率の定義から出てくる物理的に自明な条件だ.
こういうところでも物理の理解が問われている.

(11)

ポイントは (10) を誘導として考えることと次の読み替えだ.

  • スリットの幅を広げる.
  • 点波源が上下に増える.

もう少し言えば, 方針としては \(S_0\) を点波源と考え,
少し幅を広げると点波源が増えると思えばいい.
これと (10) をセットにする.

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