現代数学探険隊

現代数学探険隊とは何か?

講座概要

現代数学探険隊で扱う内容を一言で言えば,
現代数学のうち特に解析学に特化した完全オンラインの通信講座です.
これから順に現代数学探険隊と名付けたこの通信講座に関して,
次のような内容を詳しく解説していきます.

  • なぜ現代数学探険隊を開講するのか?
  • どんな内容の講座なのか?
  • どんな特色がある講座なのか?

詳細に入る前に自己紹介も兼ねて講座概要を説明します.
このページの内容自体, 数学や物理を勉強していく上で
重要なことがたくさん盛り込まれています.
ぜひこのページの内容を読み込んで役立ててください.

対象はどんな人?

大雑把に言って対象は次のような方です.

  • 理論物理のために数学を勉強したい方.
  • 数学の中でも特に解析学を勉強したい方.

この講座では数学学習全般に役立つ内容を議論します.
ただ話題を発散させないように,
そして焦点を明らかにするために物理のための数学という視点を重視しているだけのことです.
実際, 物理のための数学の中には代数も幾何もあります.
できる範囲でそれらもどんどんご案内していきます.

細かなところは後できちんと説明します.
あなたがこれらに興味があるなら,
ぜひここからの文章も読み進めてください.

簡単な自己紹介

基本的にあなたは私が作っている無料の通信講座を受講されていると思います.
しかしこのページはオンラインに公開しているので,
あなたは検索でここに辿り着いたかもしれません.
そこで改めて自己紹介をしておきます.

私は学部時代は早稲田で物理を,
修士では東大で数学を勉強・研究してきました.
修士を出たいまも日々数学・物理と向き合いながら生きています.
数学的な専門は関数解析で,
具体的には線型作用素論と作用素環論です.
物理的な専門は場の量子論と量子統計で,
特に赤外発散と相転移の数理です.

今回の講座は物理のための数学,
そして数学としては解析学です.
数学的にも物理的にも私の専門どストレートであり,
私のこれまでの経験が最大限に活きる講座内容です.

もちろんこの経験をもとに情報発信をしているので,
あなたを含めて私に相談に来る方の興味もここに集中しています.
これはそうした要望を受けた講座でもあります.

学部の頃は純粋な数学科学生ではない立場, つまり物理の学生として物理のための数学を学んでいました.
だから物理から見た次のようなポイントはよくわかっています.

  • 物理から見て必要なこと.
  • 物理から見て大事なこと.
  • 物理から見てハマること.
  • 物理から見て知りたいこと.

さらに物理から見てそこまで重要ではなくても,
単純な好奇心から知りたいこともわかります.
例えば次のような話です.

  • ディラックの $\delta$ 関数は超関数という変な関数らしい. それは一体どんな理論なのだろう?
  • 量子力学はヒルベルト空間という数学で記述されているらしい. それは一体どんな理論で具体的にどこで何の役に立つのだろう?
  • 微分方程式論の数学では解の存在と一意性の議論がある. 物理から見てその議論は何の意味があって, 物理から見ると何の役に立つのだろう?

逆に修士では数学の立場から物理を見ていたので,
次のようなポイントもよくわかっています.

  • 純粋に数学として数学の面白いところ・大事なところ.
  • 数学を純粋に数学として学ぶ上で大事な数学的ポイント.
  • 数学を理解する上でキーになる概念や具体例.

これは純粋に数学を数学から見たときの話です.
歴史を眺めてみても数学の理論が物理から生まれたことはよくあります.
有名どころはニュートン力学のための微分積分でしょう.
そうしたところに関して次のようなポイントもよくわかっています.

  • 数学から見た物理の重要性: 微分方程式論の研究やや超弦理論に関わる数学では物理をやっておくといいと言われる. でも物理の本のスタイルに慣れなくて全然読めない.
  • 物理から生まれた数学とは何か: 物理をやりたいと思ったとき, どんな数学をキーにすれば理解しやすくなるだろうか? もちろん自分が知っている数学や勉強したい数学を切り口にして理解を深めたい.
  • 数学の理論の物理的モチベーション.
  • 数学を学ぶ上で知っておくと役立つ物理の分野や概念.

これまでの活動でこうした情報は何度も提供してきました.
しかしこれらはその場その場でのトピックの紹介,
または単に数学の大きな流れをお伝えすることに留まっていました.
もちろんその時点で伝えたいと思った相手にとって必要な情報という点では問題ありません.
ただ数学や物理に関して, 統一的な大きな視点や流れを紹介すること,
そしてそれらを初歩からきっちり議論していくという観点からすれば必ずしも十分ではなかったことも確かな事実です.
そこを埋めるのが今回の通信講座です.

基本的にバリバリの数学科の数学

現代数学探険隊で何をするかというと,
結局はバリバリの数学科の数学です.
具体的には関数解析系の解析学です.
集合・位相・実数論からきっちりやっていきます.

特に物理のための数学という視点を重視して講座を展開していきます.
物理として学部レベルの物理に対応できるようにすることが目的で,
特に量子力学対策が中心です.

特に微分方程式論の研究では物理への理解が問われることもよくあるので,
物理を大きく理解しておくことは純粋な数学でも大事な視点ですし,
一定の要望があることでもあります.

例えば究極の理論,
theory of everything として超弦理論を勉強してみたいという方は多いです.
20 世紀後半に超弦理論と数学の深い関係性が見つかり,
怒涛の発展がありその流れはいまも続いています.
数学の学生であっても,
大学院のセミナーで物理の場の量子論の本を講読することがあります.
あなたもまさにここに興味があるかもしれません.
この分野は恐ろしくハードな数学が必要で,
幾何や代数に関してかなりの知識が必要です.

これらの幾何や代数について現代数学探険隊で深いところまでは扱いません.
しかしそれらを学ぶ上で大事なことは確実におさえます.
特に集合・位相・実数の知識はどんな数学を議論するにも必要不可欠です.
そして超弦理論は量子論でもあるので,
まわりまわって量子力学のための数学,
解析学を学んでおくことには実際に基本的な意義があります.

これらの数学に関して,
泥縄式で必要なときに必要なことをつまみぐいしていく方法はあります.
これは特に研究者にとっては実際にやるべきことでもあります.

しかし現代数学探険隊に参加される方,
あなたは研究者として数学や物理に携わろうとしているのではないと思います.
現代数学探険隊はそのような方々,
あくまで趣味として数学や物理と付き合いたい方を想定しています.

この視点から私に相談にいらっしゃる方の様子を見ていると,
基礎が固まっていないままで勉強を進めているせいで,
前にやったこともあやふやで, 何かやるたびに同じことを何度もくり返し復習しなければならなかったり,
やっては忘れをくり返し, いつまでも勉強が進まない方が多いのも事実です.
必要なことを必要な範囲でしかやらないので,
覚えては忘れることをくり返し,
同じ入門書を何度も読み返さないといけなくなって,
それにストレスを感じる方も多いです.

復習は復習でもちろん大事です.
しかしせっかくやるなら復習のたびに新たな視点も得られれば,
復習自体も楽しくなりますね?
そんなあなたのために時間をかけてじっくり,
そして楽しく数学的な基礎を固めていこうというのが現代数学探険隊です.

純粋に数学的な話もしておくと,
解析学を基礎にして代数や幾何に入る方法もあります.
例えば群の表現論, 微分幾何, 幾何解析, 代数解析など,
解析の知識が必要な分野, 解析学を軸にして他の分野を勉強していける分野はたくさんあります.

これらの大きな流れについては別途「現代数学観光ツアー」という通信講座があります.
これと相互補完的に流れを丁寧に追いかけていくのがこの講座,
「現代数学探険隊」です.

物理学科での経験を盛り込んで

数学科向けの本は読めない

まず端的に言うと, 数学科向け数学の本は厳密すぎて読むのが大変です.
特に大学院で数学科で進学してからは確かにそこはきちんとやらないと,
という気分もわかるようにはなりました.
かといって応用の立場からは何もそこまで, という部分はあります.

かといって物理学科または応用向けの本のゆるさも気になることがあります.
これもあとで数学をきちんと勉強したらそれで問題ないこと,
場合によっては数学的にいまだにきちんとけりがついていないことすらあることも知りました.
後者はともかく, 前者はそれならそれで次のような注意はほしいことがあります.

  • この議論は数学的には怪しい部分もある.
  • 物理をやる上ではこの議論で何の問題もない.
  • そして実際に数学的にきちんと議論すれば問題ないことはわかっている.
  • もし数学的にきちんとやりたいならその筋の専門書を参照しよう.
  • それは具体的にこの本のこの節を見てみよう.

既存の本や雑誌, コンテンツに触れたとき,
「我々は数学者ではないので細かいことは気にせず先に進むことにしよう」,
とだけ書いて放置するのはやめてほしいとも思ったことはないでしょうか?

物理や応用の現場からすると気にする必要がないのはわかります.
しかし学生を含めたアマチュアからすれば,
そう書かれたところは気になるわけです.

何がわかっていて何がわかっていないのか,
面倒だから飛ばしただけなのか, それとも本当に難しいのか.
そういう加減も知りたいのです.
昔の私自身もそうでしたしよく相談されることでもあります.
さじ加減がわからないのだと.

物理学科向けの本も読めない

これは物理学科向け, 応用向けの数学の本のことです.
読めない理由は物理の知識が前提になっていることがよくあるからです.
物理学科向けだから当然と言えば当然です.
しかし学生を含めたアマチュアからすると困ることはよくあります.
物理学科の学生だった, 私の実体験についてお話しましょう.

学部 1 年の頃, 物理学研究ゼミナールという演習メインの講義がありました.
研究室に実際に行ってその研究室の研究に関わる実験やその理論的解析をしてみる,
そんな講義です.
その理論的解析パートでフーリエ解析を先行して勉強しなければならず,
基本的な勉強は自分でしなければ, といろいろな本を漁りました.

フーリエ解析の物理の本を見ると,
電磁波の解析や熱伝導方程式の解析について書かれています.
「物理的にいうとこうだから」といった説明が随所にちりばめられています.
物理に対する感覚があるのなら確かにイメージ豊かに勉強できるのでしょう.

しかしその当時, 私は学部 1 年で物理もよくわかっていません.
物理と数学の両面から不明点が出てきます.
物理学科向けの数学の本こそ逆に難しいという状況です.
数学の本ならわからないのはは数学だけですから.

もちろん数学の本は数学の本で大変です.
物理のためのフーリエ解析というと超関数のフーリエ変換が必要です.
そのレベルの本も眺めましたが何 1 つわかりません.
今から思うと数学科ですら学部 3 年後期で学ぶ内容です.

私が所属したのは生物物理の研究室でブラウン運動を調べるというテーマでした.
高校のとき化学で少しやったし何となくは知っているし,
ブラウン運動の数学ならブラウン運動と書かれた数学の本を読めばいいだろう,
そう思って読んだ本は飛田武幸「ブラウン運動」です.

あなたが数学系の方ならわかるでしょう.
これは学部 4 年から大学院レベルの確率論の話題で,
それに関する第一線の研究者が書いた本です.
学部 1 年当時, 上記の本が数学の本であることすら私は理解できていませんでした.
「これ, 私が知っているブラウン運動の話ではないのはわかる.
しかしこれ一体何なのだ」と困惑した記憶があります.

数学に特化しても物理を意識しながらやっても大変でした.
というか無理でした.
ブラウン運動という物理や化学の話をもとにした数学の理論があること自体,
完全に想像の埒外でした.

その経験でいろいろな物理や数学の理論を知ったことは大きな収穫です.
3 つ子の魂 100 までとはよく言ったもので,
結局そこで垣間見た世界をいまも探求しています.
ただ, そうした大きな世界観やストーリーを伝えてくれるコンテンツがあればもっとよかったのに,
そういう気持ちは今もあります.

物理と数学の狭間に生きる

こうした経験は私が数学系のコンテンツを中心に作っている理由の 1 つでもあります.
物理の話をしようにもまずは数学的なバックグラウンドを揃えないと話が通じないことがあります.
物理と数学をその両面から眺めていく,
それが私の大学レベルの物理・数学に対する原体験なのです.

これらの「欠点」はそれぞれのいいところ

文句は言ったものの,
上で指摘した欠点はそれぞれのいいところでもあります.

数学からすれば落とし穴を避けるべく厳密な論理展開をしてこそ,
危険な箇所が明確にわかって安心して勉強できます.
よけいな勘違いも防げます.

物理や応用からすれば,
純粋な数学以外では気にする必要のない息苦しい厳密さを抜きにして,
勉強特に物理的・直観的なイメージを重視しながら数学の勉強を進められます.
特に物理がわかっているなら物理のイメージを使って数学ができるのは間違いなく便利です.

これらの良さは専門に学んでいる人間にとっての良さとも言えます.
数学や物理が専門ではないならそれは厳しさにすらなりえます.
そこで数学と物理の両方を専門に学んできた者として,
それぞれの良さを織り込んだコンテンツを提供していこうというのが私の活動の趣旨です.

今回の講座に関する大きな視座をお見せします.
これを持っているだけでも勉強が楽になるはずです.
ぜひメモしながら読み進めてください.

物理からの視点

次の点を重視しています.

  • 学部レベルの物理, 特に量子力学に役立つ数学を軸にする.
  • 物理の基本は微分方程式論である.
  • 微分方程式を作る数学と調べる数学が必要である.
  • ヒルベルト空間論をはじめとした関数解析系の数学に集中する.
  • 微分方程式を調べる数学として重要なベクトル解析と複素解析もおさえる.

次の点も重要です.

  • 量子力学まで考えると線型作用素論の観点も重要である.
  • 微分積分に線型代数の視点を盛り込んで数学の世界をクリアに見通す.

要は関数解析が重要だとまとまります.

数学として見ると,
ベクトル解析はどちらかというと幾何の匂いがあります.
複素解析はこれ自体で独立しつつ,
他のありとあらゆる数学と関係する特異な立ち位置という感じがします.

あなたが数学関係の方ならおわかりと思いますが,
ベクトル解析と複素解析はどちらも関数解析系の解析学という感じではありません.
しかし物理のための数学, 解析学という視点からは外せません.

この 2 分野は物理に限らず,
さらに進んで数学として幾何や代数を勉強するときにも大事な分野です.
だからこの 2 分野にも大きな比重を置いて講座内容を組み上げています.

数学からの視点

現代数学探険隊は数学の講座ですし,
数学としてはいろいろなポイントがあります.
まず純粋に数学的な立場からすれば,
関数解析が役立つ分野に興味があるなら必ず役立つ内容をきっちり盛り込んでいます.

具体的に言うと例えば関数解析は次のような分野とは直接的な関係があります.

  • 微分方程式論.
  • 幾何解析.
  • 複素解析.
  • 複素解析幾何.
  • 微分幾何.
  • 群の表現論.

他にもありますがいちいち挙げきれないのでこのくらいにしておきます.
このリストの上の方はかなり強く解析という感じの分野です.
徐々に幾何の香りがただよってきます.
最後の群の表現論は群自体が代数の話題ですし,
代数との関係が強く出てきます.
$p$-進関数解析を考えれば数論との関係も出てきます.

次に数学のための物理という視点でいくつか紹介します.

微分方程式の起源

当たり前と言えば当たり前です.
しかし現代数学探険隊のメインでもあり,
外してはいけない重要なことです.

特に基本的な偏微分方程式である楕円型, 放物型, 双曲型, 分散型の微分方程式の代表的な例には,
物理起源の方程式が挙げられることが多いです.
物理を理解していなくても議論や研究はできるのでしょう.
しかし微分方程式に対応する現象, 実験事実に対応する数学的事実は何になるか,
こういう視点の研究は実際に重要で面白いこともたくさんあります.

例えば微分方程式の解であるにも関わらず微分不可能な解を許してほしいときがあります.
ここからいろいろな弱解の議論が出てきます.
この流れでシュワルツ超関数, 佐藤超関数, 粘性解という大きな理論が生まれています.

多様体論の起源

解析力学は多様体論の起源です.
解析力学のフレームワークは,
特に相対論で基本原理に据えられる共変性の要請とも深い関係があります.
これは多様体論の基本,
座標系に依存しない議論とも深い関係があります.

多様体論は座標変換を使って微分方程式をうまく解きたいという要望から発生した部分もあります.
微分方程式は物理との関係も深く,
昔から問題を提供し続けているので解析学とも関係が深い理論です.

また解析力学での相空間 (phase space) はシンプレクティック多様体です.
シンプレクティック幾何は現在研究に大きな流れが来ていますし,
実際に超弦理論や解析力学など物理との関係も深く追求されています.

微分幾何の起源

微分幾何の起源は多様です.
例えば適当な意味での最短距離を追求する試みから測地線の概念が生まれています.
測量との関係も深く, それと合わせて物理との関係が出てきます.
測地線の具体例としていろいろな物理が登場します.

幾何学的変分問題という微分幾何の大きな分野があり,
ここにも力学起源の問題が多いです.

数論と物理

物理との関係が深まっている分野は他にもあります.
最近は数論と物理の関係も深まっています.
リーマンのゼータと量子力学・場の量子論の関係も議論されていて,
数学の中心地である数論,
その中でも最大のテーマと直接的な関係を持つようにもなっているわけです.

数学学習をもっと楽しくする

物理や数学を勉強したいという気持ちを既に持っている方に向けて概要を紹介してきました.
ここまで読まれてきたあなたもきっと物理や数学に興味があると思います.
こんな視点で講座を展開していくこと,
こんな視点で数学に挑むと勉強しやすくなることを紹介してきました.

現代数学探険隊ではもう 1 つ,
今まで以上に数学を楽しく勉強することに力点を置いています.
いったん物理のことは忘れて数学に話を集中します.

「数学の勉強を楽しいと思っていない」,
こう言ってもいろいろなレベルがあります.
現代数学探険隊ではそもそも数学が嫌いという方に好きになってもらおうということは意図していません.

では何を目的にしているのか?
それは数学を勉強してみたいと思っているのに,
いろいろなハードルがあって思うように勉強が進められない方,
数学を勉強しなければいけなくてどうせやるならもっと楽しく勉強したい方,
そんな方がよけいな苦労をしないで済むようになることを目的にしています.

あなたもこのような悩みをお持ちではないでしょうか?

この苦労については対策を含めて以下で少しずつ説明していきます.
ここでは特に数学を勉強してどうするのか, どうなるのか, どうしたいのか,
こうした視点からの話をしておきます.

物理や諸学問への応用や物理との関係を深く理解することも大事です.
楽しいことでさえあります.
もちろん数学の勉強自体も楽しいことです.
数学を理解する喜びもあります.
問題はそれ以外に何があるかです.

ふだんあまり言われないことですが,
ここではあえて次の点を前面に押し出していきます.

  • 数学ができる人は格好いい.
  • 数学者が見ている世界を見てみたい.

私が何故数学をやろうと思ったか,
今でもなお続けているかというと,
究極的にはこの 2 点です.

数学ができる人は格好いいと思っていて,
そんな人達が世界をどう見て何を感じどうしているのか,
これが知りたくて今も数学を続けています.
これは次のように表現することもできるでしょう.

  • 数学という異世界を探険したい.

数学という異世界を探険してきて,
そのいろいろな探険譚を持っている数学者の話を楽しみにしている子供のような気分です.
もちろん自分自身も数学世界を探険しているわけで,
その探険譚をお伝えするのが現代数学探険隊です.

さらに理解する喜びの 1 つ,
探険の成果として次の点も重要です.

  • 自分なりの小さな発見を大事にしたい.

探険をしていれば何かしらの発見があります.
既にどこかの誰かが見つけた事実もあるでしょう.
研究者からすれば自分が第 1 発見者でなければ仕事にはなりません.
しかし私達アマチュアからすればこの小さな発見は大きな成果です.

そしてあえて「小さな」とつけたこの意図を大事にします.
このためのキーが講座のサブタイトルでもあるレアモンスター,
そしてレアモンスターとしての例や反例です.

さらに数学を通じて世界を眺めることで日常をより豊かにすることも目的です.
それを知ってしまったら, そういう視点を手に入れてしまったら,
それだけでこれまでと世界の見方が根本から変わってしまうことはあります.
日常のちょっとしたことにも数学を感じ,
数学に癒される, そんな生活を送れるようになることを目指します.
数学とともに生きる, これが標語です.

長い旅路の全景を見えるようにする

数学の世界は深く広いです.
一生かけても回りきれません.
そうかと言ってある程度の大きな世界観を持つことは不可能ではないし,
必要不可欠なことでもあります.
この数学世界の地図, そして踏破ルートのいくつかを
具体的にお伝えするのが現代数学探険隊の目的です.

話を聞く限り, 特に中高数学を復習しようとされている方に多い特徴として,
この地図を持たずにいきなり探険をはじめることがあります.
単に挫折したところから中高の単元順に勉強していく,
そんな方が多いのです.

もちろんそれで突き進める方は問題ありません.
しかし数学の勉強がうまくいかずに苦しんでいる方の多くが,
この地図を持たずに数学世界を彷徨っているせいで苦しんでいます.
それは大学数学を勉強しているあなたにとっても同じことです.

これは感じる必要がないよけいな苦しみです.
数学の勉強は楽ではありません.
1 行の式変形がどうしてもわからず,
1 ヶ月以上も悩み抜くこともあるでしょう.

しかしそれは必要なことであり,
楽しいことでさえあります.
地図を持たず, どんな旅路をどう歩むか知らずに長い旅に出ることはただただつらいだけでしょう.
途中で挫折し, いつまでも先に進めないまま時間だけが過ぎていく,

そんな苦しい経験をされているあなたのために,
まずは地図を手渡し,
探険に耐える知的体力をつけるトレーニング法を伝授し,
トレーニングの結果も確認しながら
ともに数学の世界を案内していくのが私のタスクであり,
現代数学探険隊の目的です.

自分の他のコンテンツやサービスとの違い

先程も説明したように私自身,
既にいろいろなコンテンツやサービスを提供していくます.
現代数学探険隊とそれらとの違いを説明しておきましょう.

ふだん私は教科書や雑誌を含めて,
既にいいコンテンツがたくさんあることを前提に,
その間をつなぐコンテンツ・サービスを提供しています.
具体的には理論の概要や分野横断的な知識,
私から数学の世界やその世界観をお伝えしています.
特に通信講座として「現代観光ツアー」という一連のシリーズを展開していて,
現代数学探険隊名で表されているコンセプトです.

しかし今回はそうした理論の概要の紹介ではありません.
探険隊の名にふさわしく数学世界の奥深くまで切り込む内容です.
いわゆる定義・定理・証明の数学スタイルで,
本格的に数学の理論を展開していきます.

復習の重要性

重視している点はいくつもあります.
その中で復習も重視しています.

私自身, 数学に限らず平行して日々いろいろなことを勉強しています.
その中で困るのは復習です.
復習しなければならないことはたくさんありますが,
日々の忙しさの中でなかなかやりきれないのも正直なところです.

だから現代数学探険隊では進む中で復習も盛り込んでいます.
特に本当にくり返し何度も同じ話をしています.

「何度言われればわかるの!?」

特に子供のしつけや新人教育でよく聞く言葉です.
聞くところによると 500 回くり返せば身につくようです.
本当に 500 回もくり返すわけではありませんが,
そのくらいに何度も話をします.

ここでくり返すのは,
特に先々の展望とも関わる話です.
これは主に印象的な具体例や面白い理論の紹介も兼ねています.
例えば実数論での決定的な事実,
「有界閉集合はコンパクト」は何度となくくり返しています.

何度も聞いていると何となくそんな気がしてきます.
正確な言葉の定義すら知らなくて, です.
しかしこれが重要で.

くり返すうちに頭の中に次のような思考回路が育ってきます.

  • 有界閉集合やコンパクトという概念があるらしい.
  • 「有界閉集合はコンパクト」というつながりがあるらしい.
  • よくわからないがそれは重要らしい.
  • コンパクト集合上の下連続関数は最小値を取るらしい.
  • 量子力学で出てくる基底エネルギー評価で出てくる汎関数は弱位相で下半連続関数らしい.

こんなことをくり返し話しています.
細かいことは何 1 つわからなくても,
少しずつ頭の中に数学世界の地図ができてきます.

「話はよく聞いていましたよ. あなたがあのコンパクトさんなんですね.」

実際に出てきたときにこんな感じになってもらうことを考えています.
よく知らない人によそよそしい態度で出会うよりも,
初回のインパクトがあがります.

もちろんこれ以外にも前にやったことも適切なタイミングで復習していきます.

通信講座の具体的な内容は?

次の通りです.

  • 集合論.
  • 実数論.
  • 位相空間論.
  • 測度論・ルベーグ積分論.
  • 関数解析.
  • フーリエ解析.
  • 超関数論.
  • 関数論 (複素解析).
  • 作用素論.
  • 微分・変分.
  • 線型代数.
  • ベクトル解析.
  • 微分方程式論.

現在, 参加者の様子も見ながらコンテンツ制作を進めているところなので,
順番はここに書いた通りにならない可能性があります.
現状, 前半の集合論・実数論・位相空間論はほぼできていて,
まずはここで数学的な議論の仕方を含めてかっちり基礎を固めます.

そして可能な限り最速で実戦の場に赴けるよう,
冒険の旅に出られるようにすぐにルベーグ積分論に切り込みます.
これ自身が関数解析の基礎・基本なので,
それらを学ぶときにも重要です.

集合, 実数, 位相空間の中でもくり返し関数解析の話をしているので,
実際に関数解析にくる頃には基本的な例, 概念, 命題にはかなり慣れ親しんでいるでしょう.
あとは必要なトピックを各個撃破していくイメージです.
実戦投入重視の観点からは,
関数論とベクトル解析を先行投入することも考えています.

それぞれの章で扱う内容は数学として標準的な内容はおさえた上で,
量子力学をはじめとした物理のいろいろな分野を勉強するときに役立つコメント,
そして数学の他の分野を勉強するときにも役立つコメントを添えながら進めます.
あなたが代数や幾何に興味があるとしても必ず役に立つ内容です.

そして実際に代数や幾何に関係ある話もどんどん紹介しています.
特に位相空間では印象的で面白い具体例や反例を作るのにも幾何や代数幾何が大活躍してくれます.
あなたが代数や幾何に興味があったり,
先々にそれを目指しているならぜひ参考にしてほしい内容です.

レアモンスターとは何か?

さて, あなたは現代数学探険隊のサブタイトル,
レアモンスターを味方につけて効率のいいレベルアップを目指そう」が気になっているかもしれません.
既に簡単に説明していますし,
あとで詳しく説明もしますが,
ここで改めて説明しておきます.

レアモンスターとは何か?
これは数学的に面白い具体例や反例のことです.
あなたが数学科関係者なら具体例や反例の重要性は説明するまでもないでしょう.
数学の世界の歩く上で, 冒険していく上で適切な具体例や反例を知ることは決定的に重要です.
ある数学の理論が生まれた理由それ自体が,
その当時発見された数学的に異常な,
病理的な具体例を深く理解するためだったケースもよくあり,
その理論を深く理解するためにも重要なことがよくあるのです.

具体例を 1 つ挙げておきましょう.
それはディラックのデルタ関数です.
現代数学探険隊の主戦場, 量子力学の数学にも深く関わる対象ですね.
これをきちんと扱うために関数解析の技術の粋を駆使した超関数論が生み出されました.
ローラン・シュワルツはこの業績で数学界のノーベル賞とも言われるフィールズ賞を受賞しています.
ノーベル賞級の理論の裏には物理の,
それも量子力学の中で出てきた具体例が決定的な役割を果たしていたのです.
さらに佐藤幹夫による代数解析的な超関数,
佐藤超関数の理論にもつながっていきます.
ディラックのデルタ関数は学部どころか高校の数学レベルでも叩き出せるのに,
それをきちんと説明するための数学への道程は遥か遠く長いのです.

こうした例は量子力学やディラックのデルタ関数に限りません.
いろいろな数学の分野の中でいろいろな例が重要な役割を果たしています.
歴史的な経緯もあって特に物理と関係している例や理論が極めて重要です.
具体的に言うならフーリエ解析, 微分・変分・微分方程式,
ベクトル解析は物理から生まれた数学と呼んでも過言ではありません.
関数解析もその誕生・発展ともに量子力学との関係が深いです.
しかし残念ながらこうした例はふつうの数学の教科書の中で扱われることが少ないのです.
そうした例を丁寧に拾い上げ, 数学の深い理解に繋げようというのが現代数学探険隊の 1 番の特色です.

そしてこうした話は既存の入門書ではなかなか出てきません.
理論の中で自然に, それも簡単に出せる例なのにそれを説明しきるには
きちんと説明しようと思うと進んだ概念や理論が必要になるからです.
しかし必要なのはむしろこれで与えられる見通しです.
こんな概念やあんな理論やそんな定理が必要だ,
それが見えるだけでも視界が大きく開けますし,
勉強のモチベーションにもなります.
本編は本編で粛々と進めつつ,
その議論がどんな道につながるかも並行して提示していきます.

詳しい話が知りたくなったでしょうか?
このページの後半で詳しく掘り下げています.
ぜひ先を読み進めてください.
このページを読み込むだけでも数学と物理の大きな姿や関係が見えるようになっています.

なぜ現代数学探険隊を開講するのか

先程も書いたように既にいいコンテンツはたくさんあります.
しかも私は修士までしか持っておらず,
専門家としての資格を問われると微妙なところすらあります.

その中で私が数学のコンテンツを作ろうというからには,
きちんとした理由がなければなりません.
参加される方も不安でしょうし,
何より自分自身を説得できません.

まずは既存のコンテンツの特徴をまとめましょう.

書籍や雑誌をはじめとしていいコンテンツはたくさんある

ここでコンテンツはサービスも含めた広い意味で使っています.
そしてこれがあくまで大前提です.
例えば次のようなコンテンツがあります.

  • 薄めで概要がわかる本.
  • 議論が詳しく丁寧な本.
  • いろいろなことが書いてある辞書的な本.
  • 数学辞典.
  • 概説に特化した雑誌や記事.
  • 数学以外の異分野の専門家による該当分野で大事なトピックを紹介する本.
  • 外国語の多種多様な文献.
  • ネット上のさまざまな記事や PDF.
  • 同好の士による勉強会, セミナー.
  • 有料のセミナー.
  • 有料の塾.
  • 大学生なら講義, 教官や知人友人と議論できる環境.

ざっとこんなところでしょうか?
現代数学観光ツアーの中で,
進んだ勉強をするために紹介しているコンテンツでもあります.
種類だけでもこれだけの数があるわけです.

圧倒的に供給不足なコンテンツは?

不足が見えているからこそそこを埋めるコンテンツを提供しようというわけです.
そしてそれは何か?

広い意味で言えば 1 人では続けられないことに対するサポートです.
独学のサポートですね.

コンテンツの内容そのものはもちろん重要ですが,
それ以上に独学しやすい環境を提供します.
つまり私は独学のための環境整備と捉えて通信講座を運営しています.
1 番わかりやすい「環境の要素」は質問・議論できる相手としての私の存在でしょう.

ここから詳しく説明していきます.

現代数学探険隊のメインの対象

改めてどんな方が主な対象かを説明します.
私が付き合いのある方の中でこんな方々のために作ったんだよ,
というのをまとめただけです.
あなたがこの分類に入らなかったとしても,
ここまで読んできて興味が湧いてきたなら,
ぜひこのページを読み進めてほしいですし,
ぜひ現代数学探険隊に参加してほしいとも思います.

  • 数学・物理出身ではない大人.
  • 数学・物理出身であっても卒業してしばらくした方.
  • 進んだ勉強がしてみたい中高生.
  • 数学・物理学科ではない現役の大学生.

最後, 大学生なら環境要素として大学は使えるのでは,
という気はします.
しかし単科大学や工学系の大学では数学や物理の専門のスタッフがいない可能性があります.
見る人が見れば「この教官, 所属は工学部だけど,
どう考えても数学 (物理) の人だ」ということはあります.
ただある程度の力や予備知識がなければそれを見抜けません.

まず私からして数学や物理以外, 特に人文学や社会学で,
本来の所属ではなさそうな学部学科に所属している教官の真の専門を見抜ける自信はありません.
だから現役の大学生も対象として盛り込んでいます.

足りないものはこれだ

実際によく伺う要望があります.
それは次の 2 つです.

  • レベルごとのコンテンツのリスト.
  • 本を読み進めていくのに最適な順番のリスト.

これ以外にも図をたくさん使った説明や,
非専門家向けの概説というのもあります.
しかし 2 大要望と言われるとやはり上の 2 つと思います.

ここで特に注目したいのは後者です.
特に次のように言い換えられると思っています.

  • 本質的な意味で一揃いのシリーズがない.

世にシリーズものの本・講座はたくさんありますし,
今も増え続けています.
しかしシリーズ内の本の間に大小のギャップがあるのがふつうです.
これに困っているというのが上の要望でしょう.
「これをこの順番で読めばギャップなく理解していける」,
そういうシリーズがないのです.

専門の学生のように十二分な時間や学力,
そして何より不備を埋められる環境があるならそれでもいいでしょう.
しかし趣味や非専門の人間にはきわめて厳しいものがあります.
今回の焦点はまさにここです.

さらに興味ベースでやっている方の中には次のような要望もあります.

  • 現代の最先端の話題を理解してみたい.
  • 実際の研究の様子や動向も覗いててみたい.
  • 最近出た良書があるなら知りたい.

あなたもどこかしらでこのような要望をお持ちのはずです.
そう思うと次のようなコンテンツも必要になってきます.

  • 最新の研究の動向を知る手段.
  • 最新の書籍やコンテンツ案内.

研究者向けの情報や情報網があるわけで,
これらは既にあるコンテンツです.
しかし素人・アマチュアには見つけづらいし使いづらいのが実情です.

例えば物理や数学なら arXiv という正式出版前の論文を読めるサイトがあります.
これもその筋の人でなければ存在すら知らないでしょう.
私自身学部 4 年で研究を意識しはじめるまで知らなかったサイトです.
これは単純な独学では埋められない情報の差です.
じっさい私は数学や物理以外での対応するサイトやサービスをほぼ知りません.
私も数学や物理以外の分野ではもちろん素人です.
専門外で知りたいことがあったときに困ることを思いつつ,
専門領域に関して自分が見えているもの・使えるものを比較すれば必要なものが何かも見えてきます.

困難の原因と結果

ここまでの状況のまとめも兼ねて,
私がこれまで出会ってきた多くの方の悩みをまとめます.

  • ある本を読むための予備知識がわからない.
  • 次に何を読めばいいかわからない.
  • 目的地に辿り着くための経路がわからない.
  • どこを目的地にしたらいいかもわからない.
  • そもそもどんな分野や領域があるのかすらわからない.

あなたにも身に覚えがないでしょうか?
ここで指摘した問題は相互に関係しています.
私が作っている一連の通信講座群,
現代数学観光ツアーでカバーしている部分もあります.

既に書いてきたようにこれらの問題は本質的にはあなたを取り巻く学習環境の問題です.
個別具体的なコンテンツだけでどうにかなる話ではありません.
もしあなたがここまでに説明してきた環境をご自身で揃えられるのなら,
現代数学探険隊に参加する必要性は低いでしょう.
しかしもしあなたがこれらの問題で困っているのなら,
ぜひ参加を検討してみてください.
検討のための要素はこのページで網羅できているはずなので,
このページをしっかり読み込んでください.

適切なコンテンツを使い分ける

大事なことはコンテンツの使い分けです.
例えば私が作っている無料の通信講座群も数学の世界を大きく眺めるという目的に特化しています.
一方で現代数学探険隊は勉強のための環境整備という観点を重視しています.
数学的方向性をはっきりさせるために「物理のための数学・解析学」という視点を導入しているにすぎません.
このようにコンセプトが全く違います.

ここではこのコンテンツの使い分けという観点から,
数学学習にどのような困難があるかを見ていきます.

一番の問題は使い分けそれ自体にも専門的な知識が必要なことです.
それはどんなコンテンツがどこにあるかを知ること自体が高度な専門知識になっているからです.
例えば高校の頃の私は興味があっても専門書に手を出してみるという発想自体がありませんでした.
大きな書店に行ったときも同じ建物に専門書コーナーがあったのに,
それに行こうとも思わず, フロア案内もろくに見ず,
高校生向け学習参考書のコーナーにしか行きませんでした.
そのくらい何も見えていないし,
適切な行動も取れないのです.
本当に冗談ではありません.

だからある程度の広い範囲をパックしたコンテンツが必要です.
ここまでくり返してきているように,
環境または一般的なサービスという呼称の方が適切なのかもしれません.

この不足しているコンテンツに対して,
いま私が持っている 1 つの明確なイメージは大学以外の「教室」です.
カルチャースクールのような存在がたくさんあればいいと思っています.
もちろん希望者が自主的に勉強会を開催してもいいですし,
それは少なくとも数学や物理ならばあることはあります.

しかしそれらはほとんど知られていません.
名前だけでも知っているところはいくつか案内しています.
しかし地理的に限定的すぎるためリアルの教室があっても地理的に通えない人が多いのです.
仮に通えていたとしても引っ越しで通えなくなることもあります.
実際にこの通信講座, 現代数学探険隊をはじめたきっかけの 1 つはこの要望に応えるためです.

最初は何とか通っていたが地理的に遠いから通い切れなくなってしまった.
ネット上でもそれらの教室と同じことをやってもらえないだろうか?

あなたも同じ問題で困っているかもしれません.
そして現代数学探険隊は本当にこうしたご要望を頂いたことを受けて作った講座です.

自主的に勉強会を開くことに関しては,
リアルでもできますし多少の工夫でオンラインの勉強会もできます.
しかしそのためには基礎知識の揃った仲間が必要です.
基礎知識が揃っていないとそもそもやりたい分野や内容も大きく変わるでしょう.
指導役として納得して入ってもらえているならともかく,
あくまで自分がやりたい勉強をしたいと思っているならなかなかうまくいきません.

そこで現代数学探険隊ではその一揃いの基礎知識を学ぶコンテンツを提供することも目的にしています.
リアルで勉強するときにも現代数学探険隊に参加された方同士で勉強できれば話も早いです.
そしてもう 1 つ, 1 度学んだことがある人にも意義のある内容にすることを考えています.
これについては後で詳しくご紹介します.

環境構築: 既存のコンテンツではまかなえない部分のカバー

リアルの教室や勉強会を開く難しさに直接関係していることです.
基礎知識が揃っている以上に,
そもそも数学をしたがっている人を身近で見つけること自体が難しいのです.

現代数学観光ツアーのアンケートを見ている限り,
お年を召した方のご参加も多いです.
実際 60-70 代からのアンケートも何件も頂いています
オンラインセミナーをやろうとすると,
こうしたお年を召した方の技術サポートも必要です.
リアルなら問題ないこともオンラインでやろうとすると難しいことがあります.

こうした問題を踏まえ,
現代数学探険隊ではメールでの PDF 教材配信によるオンラインの通信講座という形式を選びました.
オンライン通信講座には例えば次のような利点があります.

  • 地理的制約はない.
  • 時間的制約はない.
  • 技術面での困難も小さめにおさえられる.
  • 費用がおさえられる.
  • 無理なく少しずつ勉強を進められる.

ここまで出てきた問題をそのまま素直に解決する方法です.
メールで PDF 配信であり,
Z 会や進研ゼミのように冊子を配布するわけではないので,
配送の手間やコストもおさえられます.

ここで私が注目している通信講座のメリットがあります
それは強制的に少しずつ定期的にコンテンツが来ることです.
自分でいろいろなことを勉強してきて思ったことでもあります.

一気にドカっとコンテンツが来ると,
最初は「こんなにたくさんコンテンツがある!」とテンションがあがります.
分厚い専門書を買ったことをイメージしてください.

しかししばらくするとなかなかコンテンツが消化できない現実に気がつきます.
「こんなにたくさんある!」と思っていたのが簡単に「まだこんなにある…」に変わっていきます.

通信講座ではその回その回分のコンテンツ, 教材しか届きません.
一回の分量は少なめになるので,
「次回までにここまではきちんとやろう」というモチベーション管理の上でも役に立つ形式です.

また必ずしも前の回をきちんと勉強していなければ先に進めないわけではありません.
そもそも 1 度勉強したくらいで完全に理解できれば苦労はしません.
忙しくてどうしても勉強しきれないことも起きるでしょう.
そこまで考えて現代数学探険隊では適切なタイミングで復習を入れますし,
大事なことは何度もくり返します.

独学でやっていると面倒になりがちな復習も,
コンテンツ制作・配信側で配慮して対応していきます.

他の人にも通信講座を開講してほしいから

これはあなたにこの通信講座に参加してほしい,
そういう話ではなく,
他の専門家にも通信講座を作って展開してほしい,
そういう願いです.

小学校 2 年の頃の話で,
今でも覚えていることがあります.
2 年のとき, 転校してきた友達は引越前に理科の実験教室に通っていたそうなのです.
しかし私の地元に, 身近にそんな教室はありませんでした.
親にも探してもらったのですが, 見つかりませんでした.
家もそれ程裕福ではなかったので,
あったとしても通えたかどうかはわかりません.
しかしそもそもそういう教室が通える範囲に存在しなかったこと自体が問題です.

それに私自身, 今でも知らない分野を勉強しようというとき,
適当な通信講座があればいいのにといつも思います.
それは数学や物理ですらそう思います.

そこでまずは自分ができることから整備していこう,
これはそういう試みでもあります.
数学という極北でうまくいくのなら,
他にもうまくいく分野はあるはずです.
実験主体の分野では難しいことはあるかもしれませんが,
理論主体の分野なら同じように展開できることがあるはずです.

最低限のネット環境さえあれば,
身近に指導者がいなくても一流の教育が受けられる環境を整備したい,
そしてそのために他の人にも同じように通信講座を展開してほしい,
現代数学探険隊はそのための実験でもあります.

私自身, 大学院では研究者になるべく教育をうけてきたわけです.
そしてこの通信講座の試みもこれも未開の地を開く研究であると思っています.
困難はたくさんあります.
しかしそれを乗り越えてこその研究です.

何とかして成功事例を作り,
他のいろいろな専門家を巻き込みたいと考えています.

  • こんなのあったらどれだけ楽しいだろう?
  • こんなのあったら子供の頃の自分がどれだけ喜ぶだろう?

日々こう思いながら数学のコンテンツ制作に取り組んでいます.

現代数学探険隊の詳細

改めて講座概要

現代数学探険隊は学部レベルの物理,
特に量子力学を学ぶ上で重要な数学という視点から,
現代数学をきっちり学んでいくオンラインの通信講座です.

頻度としては月に 2-4 回程,
PDF でコンテンツをお送りします.

月に 2 回とは少ないな, とあなたは思ったかもしれません.
しかし毎回宿題を出し,
それに対する詳しい解答もつけます.
それも合わせれば月に 4-8 回のコンテンツが届く計算です.

毎回, 大きくわけて本編, 探険パート, 宿題パートにわかれています.
本編は 10 ページ程度で,
ふつうの数学書と同じように進んでいきます.
ここはあくまでスタンダードな内容です.

特色があるのは探険パートと宿題パートです.

探険パートではその回で学んだ内容が先々でどんな展開を持つか説明しています.
例えば序盤, 集合論で 2 項関係が出てきたときに,
素粒子でのパリティ対称性の議論を紹介しています.

商集合のときには記号 $\mathbb{Z}_n$ が出てくる分野として,
*数論やトポロジー*の話をしています.
この 2 分野では同じ記号を使っていても定義が違う,
といった話をしています.
*代数の準同型の話*も紹介しています.

このようにその回その回で関連する
数学や物理の話を毎回ふんだんに盛り込んでいます.
全てを読み込む必要はありませんし,
理解する必要もありません.
興味に応じて読んでもらえれば OK.

本編よりも長くなることがあるくらい,
いろいろな世界をご案内しています.

宿題パートは節末の問題相当です.
宿題は基本的な事実の確認程度の内容もあれば,
自分で例や反例を作る問題もありますし,
ある程度自分で勉強している方向けにある程度の知識を仮定した
先の風景をお見せするための問題もあります.

例や反例についてはもちろんそれ 1 つと出会うだけで
大量の経験値を得られるレアモンスターも紹介します.
とんでもない化け物もいるので,
スライムレベルの弱いモンスターも適宜召喚しています.

宿題は解答を提出すると毎回ポイントがつきます.
この宿題ポイントがたまると宿題の細かな採点やコメント,
または 1 時間ほどきっちり時間を取って質問する権利を贈呈します.

もちろん頂いた質問には随時最優先で対応しています.
しかしあなたが聞きたいことは必ずしも講座の内容に関する質問ばかりではないでしょう.
本編に直接関係はしなくても,
気になっていることなどもあるはずです.

こうした質問に対して時間をとってきっちり議論したい,
そういうご要望も頂いています.
できる限りそうしたご要望にもお答えしたいのですが,
なかなか時間が取れないのが現状です.

一方で宿題をたくさん提出されている熱心な方には,
特にきちんと対応したいという私の気持ちもあります.
そうした状況を踏まえた対応が宿題ポイントによる質問健の贈呈です.
ぜひ有効活用してください.

そしてメインの対象は高校・大学を出て
数学や物理を再勉強しようとしている大人でしたね.
専門家になることを目指す中高生も対象です.

内容的な軸は 2 つです.

  • 相対論や量子力学のような憧れの物理に挑めるようになること.
  • 関係する数学科の数学, 特に解析学の磐石な基礎を固めること.

気持ちの上では実際に要望が多い前者に応えるために解析学を展開するという方向性です.
ただし数学全般で何をやるにも役立つように,
そして超弦理論のようにハードな数学を全開で使うタイプの
理論物理を勉強するためにも役立つ内容にするため,
完全に数学科の数学レベルの議論を展開します.

具体的な講座内容は次の通りです.

  • 集合論.
  • 実数論.
  • 位相空間論.
  • 測度論・ルベーグ積分論.
  • 関数解析.
  • フーリエ解析.
  • 超関数論.
  • 関数論 (複素解析).
  • 作用素論.
  • 微分・変分.
  • 線型代数.
  • ベクトル解析.
  • 微分方程式論.

現在, 参加されている方々の様子を見ながら鋭意制作中のため,
議論する順番は上の内容から変わる可能性があります.
内容的にはきちんと全てを尽くします.

相対論や量子力学のような憧れの分野に挑めるように

大雑把に言うと, 相対論の数学は準リーマン幾何,
量子力学の数学はヒルベルト空間論です.
改めて注意すると,
物理の専門家・研究者として生きていくのなら,
現代数学探険隊でやるほどに深く数学を学習する必要はありません.
だからその筋の人はメインの対象からは外しています.
参加されるのはもちろん自由です.

学部時代の私の知人友人含めて物理関係に興味がある方と付き合ってきた中で得た,
次のような実感をもとに講座の深度を設定しています.

  • 使えればいいとはいえ, 数学の勉強が中途半端なままだと不安だ.
  • それに数学は数学できちんとやってみたい.

これはアマチュアが数学や物理と付き合うときの率直な気持ちだろうと思っています.
もちろんあなたは物理に必要な範囲の数学だけわかれば十分で,
数学科の数学レベルの深度は必要ないかもしれません.
そうした方は既にいいコンテンツがたくさんあるので,
そちらで勉強して頂くのがいいでしょう.
環境構築にさえ気をつけていればどうやっても問題ないのですから.

この講座ではあくまで研究者として人類未踏の地を踏むことが目的ではない学習,
特に趣味の数学や物理の学習を見据えた内容にしています.
このような方々は素粒子, 特に超弦理論に興味がある方も多く,
そこまで対応することを含めて数学的な水準を決定しています.
この講座が終わったら専門的な幾何や代数にも対応できるようなレベルです.
もちろん幾何や代数に関わる内容も積極的に紹介しています.

大学レベルの数学を基礎からカバー

大学レベルの数学をきちんとやろうというときに立ちはだかるのは集合論と位相空間論の壁です.
これは過激なまでの抽象論の壁と言ってもいいでしょう.
解析学はもちろんのこと,
超弦理論で重要な多様体論でも位相空間論が必要なので,
私のところによく来る方にとってはやはり必修事項です.

しかしもう 1 つ重要な要素があります.
それは実数論です.
そしてこれはかなりいい加減な扱いになっている印象があります.
集合や位相空間論をやるとき,
そして解析学や幾何学をやるときにも実数論は決定的に重要です.
しかし今更実数論なんて, となおざりにされているのが実数論です.
実際の理論構成から言っても私の経験上から言っても重要なところが抜け落ちているので,
そこはきっちり詰めていきます.

ここで重要なのは次の 2 点です.
現代数学観光ツアーでも強調した視点です.

  • 何にどう取り組むといいか?
  • どんな視点で見ると重要性がわかりやすいか?

そもそも集合論のはじまりは解析学,
特に物理で出てくる偏微分方程式の解の構成のための数学,
フーリエ解析でした.
現代数学観光ツアーでも面積に潜む濃度の理論や
実数論と濃度の理論の話をしたように,
もともと集合論と解析学は相性がいいのです.

実数論と解析学も相性がいいですし,
位相空間論を学ぶ上で実数論と比較しながら進めることも重要です.
これらの関係については現代数学観光ツアーでいろいろな視点から紹介しています.
現代数学探険隊ではそれと相補的に徹底的に深く切り込んでいきます.

重要視しているのはこれからどんな数学と出会っても困らない磐石な基礎を築くことです.
特に集合論, 位相空間論, 実数論はきっちりやっておいて損はありません.
現代数学探険隊でもここをきっちりカバーします.

物理や数学の専門家になろうとしている人はメインの対象ではない

これも改めて注意しておきます.
超弦理論のような分野に進むためにハードな数学を使うのでもない限り,
物理の人はこの講座でやるほどの深いことは必要ありません.
また必要なのは解析学よりも幾何学なので,
そこでもミスマッチがあります.
そしてあなたが数学科なら自分でやった方がよほど早いです.

もちろんあなたが数学科の卒業生でふと思い立ってもう 1 度数学をやりたくなった,
そして集合や位相からやり直したいというのならおすすめできます.
物理とも絡めた話やふつうの入門書ではお目にかからない変な例もたくさんご紹介します.
きっと楽しんでもらえるはずです.

一貫した数学の大きな数学の流れを重視

先程も説明したように,
講座本編の流れではこれを最重視します.
この講座だけを勉強していれば学部レベルの関数解析系の解析学に関して,
ギャップがない形で一通りの知識が身につくことを目的にしています.

しかし 1 つ重要な例外があります.
それは本編以外にある探険パートです.
ここでは次のようなことを紹介しています.

  • 各回で学ぶ内容が数学全体でどのような意味があるか.
  • 先々のどんな話につながるか.

講座の後半で出てくる少し先の話から,
私が知りうる限りの最先端の話題まで幅広く紹介します.

探険パートのこの性格上,
その時点ではまるで理解できないような話もたくさんしますし,
定義するだけで大変な概念は説明なしに使うことがあります.
しかしこれは数学世界に深く切り込んでいく探険隊として必要不可欠な措置と考えています.
むしろ学部の頃にこんなことを教えてほしかった,
と私が思ったことを積極的に盛り込んでいます.

特に物理搦みの話の場合,
本来は物理の話もしなければいけなくなりますし,
上述のような対処がどうしても必要です.
しかしこれはふつうの本やコンテンツにはない,
現代数学探険隊の特長です.
さらにレアモンスターに出会いに行くというこの講座最大の特長とも直接関係する重要なアプローチです.

物理との関係を重視

まず基本姿勢自体が量子力学のための数理です.
そして量子力学で出てくる数学は学部レベルの物理のいたるところで使えます.
物理起源の概念や定理も随時紹介していきますし,
物理での使い方も同じくこまめに紹介していきます.
ここは一連の現代数学観光ツアーとも連携している部分です.

例・反例を重視

現代数学探険隊での例や反例の扱いは本質的です.
ふつうの本やコンテンツでの例や反例は次のような扱いがメインです.

  • 誤解を防ぐ概念装置としての例・反例
  • 概念の微妙な違いを理解するための例・反例

初等的な範囲でよく挙がるのは関数の連続性と一様連続性の違いを見るところでしょうか.
もちろん現代数学探険隊ではこうした例の使い方も重視していますし,
物理起源の概念や定理, 物理での使い方など物理との関係も重視します.
例での議論をそのまま一般化すれば一般的な証明ができることすらありますし
個きちんと例をおさえておいて、数学力がついた頃に復習という手もあります.
状況に応じた適切な学習スタイルを取ること,
そしてそうしたスタイルを積極的に推奨していきます.

一般論を勉強するだけなら既存のコンテンツが山程あります.
しかしそれだけではどうしても足りない部分があります.
既存のコンテンツの質が悪いのではありません.
ふつう学術書は体系性を重視するため,
入門書に最近の論文に書いてあるような話題を突っ込むことはありません.
説明抜きにいろいろな概念を導入すると読者にとっても理解がしづらくなるため,
意図的に排除されているのです.

その意図的に排除された部分を逆に積極的に盛り込んだのがこの講座です.
これは数学や物理の世界観そのものを伝えたいと思っているからです.
そのためには研究の最前線まで含めた話を紹介する方が適切だと思っているからです.
そしてそうした議論の中には本当にポイントを突いた話もたくさん転がっています.
そうした例を学ぶこと, そうした例で学ぶことこそ重要と考えています.

本質的なのは具体例が切り開いた数理・物理の世界とでもいいましょうか.
そうした無理なく学べるようにと,
既存のコンテンツが切り捨ててしまった世界を探りに行きます.

レアモンスターを仲間にしよう

これは特に反例です.
反例の構成は数学学習だけでなく研究の本質をつく営みでもあります.

ちょっとやそっとで思いつかない異常な例も多いですし,
そうした例に本質が潜んでいることもよくあります.
それらが隠している世界へ積極的に切り込んでいきます.

そうした例は自力では作れないような凄まじい姿をしていて,
ガイドなしに数学世界に切り込んでもなかなか出会えません.
脆く儚い存在であることも多く,
出会うためにはいろいろな障害を乗り越える必要もあります.
そこで私がガイドとしてあなたをお連れします.

このレアモンスターは出会うだけで数学の世界観を変えてくれさえします.
印象的で覚えやすいものありますし,
微妙な概念を明確に把握できるようにしてくれる存在でもあります.
ある概念の射程距離がわかることも多いですし,
物理が重要な役割を果たすことも多いです.
だから現代数学探険隊の趣旨からしても外せない話なのです.

「集合, 位相, 微分積分, 線型代数なんてもうやったよ」

あなたはこんな風に思っているかもしれません.
しかしあなたがよほど優秀な数学関係者でもない限り,
もっと切り込める余地はいくらでもあります.
そしてその切り込みの深さが数学や物理そのものも豊かにしてくれます.

高校生でもわかるのに東大の数学の博士学生が思いつかない変な反例

以前, 関西すうがく徒のつどいという京大・阪大で開催されている数学イベントで話した例です.
実際にその場にいた東大の数学の博士学生 (当時) がすぐに思いつかず,
結果だけ見せたら高校生でも理解できた議論と例です.

例えばあなたは次の例を思いつくでしょうか?

  • 環から部分環を除いた集合は環になるか?
  • 絶対値を取ることで関数の滑らかさは下がるか?
  • 連続だがいたるところ微分可能でない関数は存在するか?
  • 有界閉集合上連続な関数は一様連続になるか?
  • 各点で関数列の値が収束するなら積分の値も収束するか?
  • 「中間値の定理」が成り立つ不連続関数が構成できるか?

実際には高校や教養の範囲を越えている話もしました.
ここでは高校の範囲でも作れて実際に東大の博士学生に聞いて具体例を知らない,
すぐに作れないとなった問題について軽くお話しましょう.

例えば絶対値を取ることで関数の滑らかさは下がるか?
という問題に関する話です.
高校では「連続だが微分可能ではない関数」として $f(x) = |x|$ という例が出てきます.
絶対値を取る関数ですね.
ここでのポイントは $g(x) = x$ は微分可能であること,
そして微分可能な関数の絶対値を取ると一般に微分可能性は保存されないという事情でした.
高校の教科書にも書いてある基本的な事実です.

ここから絶対値を取ると必ず微分可能性が下がるか? という予想を立て,
この問題を解説しました.
結論から言うとこの予想は間違いです.
絶対値を取っても微分可能性が下がらないことがあります.

あなたはこの例を構成できますか?

構成できないというのなら,
あなたはまだ教養の微分積分が見せる魔界の奥底まで探険しきれてはいません.
これが数学科の数学の世界です.

もう 1 つ突っ込んでいきましょう.
今後は逆に微分不可能な関数の絶対値を取って微分可能になることがあるか?
こういう問題を考えます.
真偽から問うのが本筋ですがそういう関数は存在することがわかっています.
そして本題.

あなたはこの例を構成できますか?

もっと苛烈なバージョンがあります.
いたるところ不連続で絶対値を取ると実解析的になる実関数を構成してください.
これが東大の博士学生に聞いても知らなかった・構成できなかった問題です.
もちろん原理的には高校生でも作れるし, 高校の範囲内の数学で作れる例です.

あとさっきの問題のこんな変形も考えてみましょう.
$f(x) = |x|$ は 1 点でだけ微分不可能な連続関数でした.
そこで 1 点でだけ連続な関数があるか?
このバージョンを考えてみてください.
「1 点だけ」という部分を抽出して他のところを変えてみました.
高校の範囲の知識で作れます.
しかし下手をすると数学科の学生でもすぐには作れないはずです.

こういう落とし穴やイレギュラーをどれだけ知っているか,
作れるかでその人の数学力,
その人の頭の中の数学世界の広さ・奥深さが垣間見えます.
先程も紹介したミスター反例とさえ言われた永田雅宜先生が偉大な理由もここにあります.
驚異的な例の構成はそれ自体クリエイティブな営みです.

私も修士は数学科でした.
その観点から改めてこうはっきりと言っておきましょう.

  • 優れた例や反例を作れる人はかっこいい.

どんな具体例を作るかでその人の数学観も見えます.
例えば私なら物理に起源がある困った例が好きですね.
解析が好きな人ならそういう例を挙げるでしょうし,
代数好きな人からそういう例や見方をするでしょう.
例の作り方・挙げ方にその人の数学が出ます.

あえてこう書きます:
変な例を見ると自分の常識が壊されます.
数学世界はそんなにも広かったのかと.

今まで読んでいた教科書は危ないことがないようにと,
本の著者がちゃんと道を整えて変なところに行って怖い目に遭わないようにしてくれているわけです.
その垣根を破壊して探険に行きましょう.
自分の数学を探しに行きましょう.

そして例を作ることは問題を作ることです.
問題を作ることで自分の数学が育っていきます.
その問題を解くための数学を探しに行きます.
あなたが物理や工学などの応用をやりたくて数学を勉強しているなら,
まさにそういうスタンスで数学をやっているわけです.
数学科の数学をやるときにもそういうスタンスで臨みましょう.

頭がそういうモードになると何かを見たときにも脳が勝手に解決策を見つけてくれます.
そういうモードの思考回路を,
研究者モードの思考回路を作りましょう.
何も人類上の未解決問題を解いて論文を書くだけが数学の研究ではありません.
すでに誰かが調べていたことでも自分が知らないことを自分で解決したならそれは立派な研究です.
すでに研究があったなら, それはそれだけ皆が気になる面白い問題を自分の力で作ったということです.
数学的センスと呼ぶべき何かがあるのなら,
まさにあなた自身の数学的センスの良さを示す事実です.

よく大学院の修士では問題を解く力をつける,
博士では問題を作る力をつけることが目標と言います.
この講座ではその博士の力を鍛えてもらいます.
それがレアモンスターに会いに行くことです.
あなただけのレアモンスターを見つけてください.

実際に関西すうがく徒のつどいの講演の感想で頂いた内容や,
Amazon で販売している DVD へのレビューをご紹介しておきます.
例を作ることの重要性だけではなく,
その面白さを感じてほしいです.

  • 命題に対して仮定を外してみるということはよく行うことですが, その大切さをあらためて再認識しました.
  • 反例を探すというのは普段意識してやることでなく新感覚でおもしろかった.
  • 例を作る大事さがわかった.
  • 数学を学ぶ姿勢なども学ばせてもらいました.
  • ちょうど解析を復習していたので, そのモチベーションや勉強全般への態度を見直すいい機会になりました.
  • 学ぶ姿勢を考え直すきっかけになりました.
  • 自分で例をつくって遊ぶことの大切さを改めて感じました.
  • 素朴な内容だったように感じましたが, わかりやすくて面白かったです.
  • 最近仰ってたような反例の作り方をして遊んでいた所なので, 尚更スゴク楽しかったです.
  • 反例, 仮定を変えるのはあらためて重要だと思ったし, とても良い講演でした.
  • 例, 反例の作り方 (思考回路) というのが, これからすごく役立ちそうです.
  • 特に例から例を作るという方法を使っていきたいです.
  • 分かりやすい話でしっかり聞けてよかったです.
  • 身近な例でわかりやすかったです.

次のコメントは Amazon の DVD へのレビューです.

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本作は「反例をつくる」ということに注目した数学科 1, 2 年生程度の
「反例を作る」という事は少し数学をやっている人達の中では当たり前に行われている事である.
しかし, 数学書にはどのようなプロセスでその反例が考えられたのかは載っていないことが多い.
プロセスが見えやすいものもあれば,
「どうやったら思いつくんだよ!」などと思ってしまうものも存在する.
そのような見えづらい反例を減らすのに必要なことが,
その問題の”背景”を考えてみることだということをこの DVD はサジェストしてくれる.
この点は良い勉強になった.
このような年長者の経験的な部分を学べる機会というのは非常に有益だと思う.
また, 数理物理が専門の方である事もあり,
超関数が物理からの要請によって生まれた数学的対象であるという話をされていた.
この話は聞いたことが無かったため新鮮だった.

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この DVD で扱われる内容のレベルであれば,
大学で学ぶ数学に興味がある高校生から,
実際に数学を学んでいる教養学年の学部生あたりが適切かと思う. あるいは既に大学を卒業し,
数学から離れてしまったひとが純粋数学を懐かしむ為に見るという見方もできるかもしれない.

DVD 冒頭で相転移 P が述べているように,
小さくてもよいから自分で問題を作り, 自分で解くことが大切だ.
これは学部生であれ院生であれ何かを研究するという立場にあれば必須ではなかろうか.
既存のテキストや論文から天下り的に定義や例を学ぶのではなく, 自分で作るという点に意義があるだろう.
この DVD では相転移 P がそのお手本となるように講演している.

この DVD を視聴している間も, 「他にこんな反例も作れる」と自分で例を考えてみるとよいだろう.
あるいは問題の方を自分で改変してみて, その解答を自分で作るというのも訓練になるだろう.

DVD であるというだけでなく,
数学の内容よりむしろ「やり方」に着目している点も評価されていい作品ではなかろうか.
この DVD を視聴した学生が「自分でもやってみたい」と思って研究を深めていってくれることを期待する.

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また, 数学 (というか研究活動全般) を勉強する上で非常に大切なトピックが
随所に散りばめられており, 相転移 P 氏がイントロダクションで述べている
「自分で問題を設定する」
設定した問題は, (出来れば自分の能力の範囲で) 解ける問題である必要がある
という部分はかなり大切だと個人的に思う.

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受験勉強として数学を学習していると, 過去問題の演習が中心となりがちである.
模試や参考書, 問題集の解答は一昔前と比べれば, 格段に新設になっていると感じるが,
それでもどのような経緯でその解答に至るのか不明なまま,
無理矢理に納得して学習している高校生が多いことだろう.
そんな経験がある高校生にはぜひ, この DVD を見てほしいと思う.

問題の背景についても詳しく解説があり,
さらに, 問題を作ることの大切さにまで言及している.
きっと高校生にとって, 数学に対する見方が大きく変わることになるだろう.

理系学部を志望している生徒さんに, ぜひ見ていただきたい DVD である.

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よくわからない数学, 反例をつくって遊ぼうの DVD 鑑賞した.
既知のことでも, 反例をつくって考えてみるという普段疎かにしていることへのよい啓発になったし,
知らない分野では, 数学の豊潤な世界を垣間見させてくれて,
数学のあのなんともいえない昂揚感みたいなものを改めて想起させられた.
とくに後者が自分にとって得るところが大きかったので購入して元は取れたというか,
買った価値は十分ありました.
また気分転換の時にでも何回か見返したいと思う.

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相転移 P の DVD を頂いたので見てみた感想だけど,
凄く教育的な DVD だったので大学 1 年のうちとかに見ておきたかった.
微積で例とか証明を見ても僕は雰囲気があんまりつかめないので式変形って感じが嫌だったけど感じだけ説明してくれてたので気軽に見れるよい説明だった気がする.
んで本格的にやりたかったら相転移 P が多分フォローしてくれると思うので初心者におすすめという感じなのかな.
個人的にはワイエルシュトラスの例とか今度詳しく教えて欲しい.
超関数の話も軽く触れてくれてるのでそこら辺詳しく聞きたかった.
例を通して定理の確認にもなるので何かそこら辺も教育的.

これらのコメントは数学科の博士課程を含めた学生さん (コメント当時),
物理出身の方,
塾を経営されている方などからのコメントです.

重要なことはわかっていても,
なかなか 1 人ではやりきれない部分をカバーしていきます.

いろいろな数学との関係

現代数学探険隊を学ぶことで代数や幾何にも役立つというところを,
もうすこし補足しておきましょう.
講座の中でも積極的にそれらの話題も取り上げているので,
参加して中身を見てもらうのが一番です.
しかし講座の中ですぐにそうした箇所,
特にあなたが興味を持っている話題が出てくるわけでもありません.
そこでいくつかのトピックを紹介しておきます.

最近, 素粒子の統一理論と対比させて「数学の統一理論」と呼ばれる話が出てきています.
その核にあるのはラングランズプログラムと呼ばれる話です.
このラングランズプログラムは数論の話なのですが,
幾何的ラングランズプログラムもあり,
こちらは超弦理論と非常に関係が深い話がたくさんあります.
むしろ超弦理論と一緒に育っている, そんな印象すらある分野です.
超弦理論でハードな数学が必要と言っている理由でもあります.
現代数学最前線の話題が散りばめられているからです.

幾何と量子力学という話題もあります.
フィールズ賞を受賞したアティヤの大きな仕事として,
アティヤ-シンガーの指数定理があります.
これを超対称的量子力学を使って証明するという話があります.
指数定理は解析学と幾何学をつなぐ定理で,
20 世紀の金字塔とも呼ばれる大定理です.
それが量子力学と直接的につながっているとも言えます.

数論と量子力学・場の量子論・量子統計力学との関係もあります.
リーマンのゼータが量子力学と関係の深い作用素,
特にあるハミルトニアンのスペクトルゼータとして得られるという議論があります.
数論という数学の中心地,
そして数論の中でも中心的な話題のリーマンのゼータと量子力学が関係しているわけです.
量子統計力学との関係については,
これまたフィールズ賞受賞者コンヌによる議論があり,
非可換幾何などとも連携して大きな世界を形作っています.

そうした「ふつうの数学」だけでなく,
数学基礎論と量子力学にも架け橋があります.
例えば記述集合論を使って量子力学の代数の表現論を議論するという話があります.
これを講演ではじめて聞いたとき,
量子力学は本当に何でも取り込んでいくのかと驚いたことを覚えています.

ここで紹介したのはごく一部の発展的な話題です.
私が知らない話もたくさんあるでしょう.
物理を軸に数学を見ていくことの意義や,
数学のための量子力学といった視点も重要なことがわかってもらえたでしょうか?

どのように展開するのか

このページも随分長くなってきました.
現代数学探険隊に関する話をまとめつつ,
参加要件について説明していきます.

現代数学探険隊の特色

次のようにまとまります.

  • オンラインの通信講座である.
  • 物理との関係を重視する.
  • 具体例を重視する.
  • 必要なところでは図も使う.
  • 「探険パート」で先の話題もどんどん紹介して世界の見通しをよくする.
  • 何度でも復習する.

期間はどのくらい?

2 年程度を想定しています.
いままさに制作進行中なので正確なところは未定です.
長くなることはあっても短くなることはないと思います.

コンテンツ配信形態は?

メールで PDF を配布していきます.
ですから PDF を読めるデバイスが必要です.
ネット接続しているパソコンがあればそれで問題ありません.
小さくて少し見づらいかもしれませんが,
スマホでも問題ありません.

月に 2-4 回コンテンツを配信します.
2 回というと少ないと思われるかもしれません.
しかし毎回必ず宿題があって,
それに対する解答もあります.

だから月に 4-8 回コンテンツが配信されると思ってください.
宿題は本編の補足的な部分もあります.
忙しくて時間が割けないときは,
毎回 10 ページ程度の本編を見ておくだけでも十分です.

長丁場でじっくり続けることが目的なので,
本編に関して 1 回の分量は少なめにおさえています.
10 ページというのもふつうの本では
半分の 5 ページくらいで終わるところを,
証明を丁寧にしたり, 例を追加したり,
他の分野や講座内の先々でどう活用されるかに関して紹介してもいます.

本質的な本編の分量はかなりおさえめなので,
無理なく勉強を続けていけると思います.

それでは少ないという方もいらっしゃると思うので,
宿題を出したり関連する深い話題,
研究レベルの話題を紹介したりもしています.

たまに発展的な話題を扱う探険パートだけで
10 ページを越えることがあり,
宿題の解答でも 10 ページを越える
大コンテンツになることもあります.
ぜひあなたの好みに応じて使い分けてください.

参加条件

さて, 参加条件です.
ここまで説明してきた通り,
いろいろな配慮を張り巡らせた通信講座の提供なので,
無料というわけにはいきません.

具体的には月額 3990 円とします.
しかしそれ以外には学歴や出身が文系理系かなども一切問いません.

ここまでの話で私と数学や物理を楽しそうだ,
あなたがそう思ってくれたならそれで十二分に参加資格があります.
この現代数学探険隊は勉強する環境を提供するのが目的です.
不明点があれば質問も自由にして頂いて構いません.
内容が内容なので質問への回答にも時間が必要で,
場合によっては難しすぎてお答えできない可能性すらあるでしょう.
しかしいかなる場合でも最優先で対応しますし,
完全回答こそできなくてもできるところまではとことん付き合います.

月額 3,990 円というのは楽な条件ではないでしょう.
決して安い参加費ではありません.
毎月 1 冊は数学書が買える値段です.
具体的に参加費について何度かコメントを頂いたこともあります.
しかし私は明確な理由を持ってこの金額をチャージします.
その理由も説明します.

月額 3,990 円の理由

まず事業としての継続性があります.
ボランティアでやっているのでは「仕事が忙しく,
いまは余裕がないのでしばらく停止します」といった話が通ってしまいます.

実際に以前, 無料だからとはじめた通信講座がろくに進まずにそのままフェードアウトしてしまった
苦い経験があります.
お金を頂くのは責任を持って続けるという,
私にとっての決意と覚悟の表明でもあります.

そして上にも書いたように他の人にも通信講座をやってほしいというのがあります.
数学でもやってほしいですし,
それ以外に物理でも化学でも生物でも,
他の工学や人文学や社会学でもやってほしいです.

ただ一定以上の質を保った通信講座をやるにはそれ相応の覚悟がいります.
生活の大きな一部分にするくらいのコミットが必要です.
そんな大変なことを他人様にやってほしいと言ったところで無理にも程があります.

そこで 1 つ基準を作りました.
通信講座の運営だけでも食べていけるくらいの規模にしてみよう,
そしてそれを自分で実験・実践し,
成功したらそれをモデルに他の方に具体的にお願いしていこう,
そう思ったのです.

月 3,990 円なら 100 人集めれば 40 万です.
諸経費もありますが, これだけあればきちんと食っていけるレベルです.
マニアックな専門的な内容でも,
日本全国で 100 人なら集められるはずだ, そう思っています.

月額を安くすれば参加者は増えるでしょう.
例えば月額 1000 円なら中高生でも気楽に参加できるはずで,
受講側に門戸を開く意味ではこちらの方がどう考えてもいいことです.
しかし利益を出すためにはそれだけ多くの人に参加してもらう必要が出てきます.
つまりそれだけ多くの人を集めなければいけません.

いまこのページを書いている段階で,
私の無料講座やメルマガには読者・参加者が 1000 人程度います.
40 万の売上を上げるためには 400 人に参加して頂く必要があります.
これはなかなか大変です.
質問への対応の手間も大きくなります.
人数が増えるとシステムの整備も必要ですし,
経費との兼ね合いも考えればある程度の価格設定がどうしても必要です.

そしてこの値段が今後標準になる可能性すらあります.
下手に安くしてしまうと後に続く方が講座を開催する側で参加しづらくなってしまいかねません.
幸い私は本業があるのである程度の無茶が効きますが,
将来的にはポスドクの方の収入源として通信講座やそれに準ずる活動を勧めたい気持ちもあります.
この価格設定はその中でも安すぎず高すぎずのギリギリの線を狙ってやっています.

比較検討: リアルの教室受講の場合

あなたは通えるならリアルの教室に通ってみたいと思うかもしれません.
対面でじっくり話せるという大きなメリットがあるので,
通える範囲にあるのなら私もお勧めしていることでもあります.
その費用感を具体的に説明し, 比較します.

はじめに書いておきますが,
それぞれにメリット・デメリットがありますし,
単純に優劣が比較できるわけではありません.
また提供するサービス内容が全く違うので金額を単純比較する意味もありません.

あるリアルの教室では入会金に 20,000 円かかり,
50 分の講義ごとに 7,000-13,500 円かかります.

他のある教室では年会費に 3,000 円かかり,
1 回の講義ごとに 5,500-12,000 円かかります.

リアルの教室には交通費やそこまで移動する時間もかかります.
リアルでやっている教室は場所代などの諸経費も乗ってくるため必然的に費用がかさみます.
専門的な内容を教授できるだけの能力を持った講師を集めるのも大変です.
その人件費もありますから上記の費用感は妥当だと思いますし安いとすら思います.

そう思うと 3,990 円の現代数学探険隊は安すぎて,
むしろあなたは不安を感じるかもしれません.
安かろう悪かろうで手抜きをするのではないかと.

もちろんそんなことはしません.
次のような理由から,
あなたが約 2 年の継続受講のために使えるであろう限度額と,
講座の運営コストを考えた,
利益にもつながるギリギリのバランスで設定しました.

あなたの人生は数学だけではありません.
いろいろな付き合いがあり, いろいろな出費があるはずです.
その中で数学に確実に毎月割けるのは,
ちょっと進んだ内容でしっかりした本を 1 冊買ってみる,
そのくらいの金額だと思います.

学部 4 年クラスの本になると 5,000 円を越えることもあれば,
学部 4 年セミナーに使うレベルの洋書となると
1 冊で 20,000 円を越えることもあります.

現代数学探険隊で扱っていく内容とあなたが毎月確実に数学に割けるであろう金額,
そして実際の講座運営にかかる費用,
れらを考えた金額として 3,990 円という値段に設定しました.

これ以上高いとあなたが講座に参加し続けるのが難しくなるでしょうし,
これ以上安いと私が講座を運営し続けるのが難しくなります.
もっと言えばこれで適切な収益を上げて,
他の方にも参入してもらえるチャンスが減ってしまいます.

この現代数学探険隊はネット上で展開する通信講座です.
いくらテクノロジーが発達した現代であっても,
リアルでのコミュニケーションの濃さをオンラインでは実現・再現できません.
その代わりに時空に囚われないコミュニケーションが実現できます.
これはもちろんリアルで身近に仲間を作りづらいあなたのための措置ですし,
できるだけ多くの人に自分のメッセージを届けたい,
仲間をたくさん作りたい私の意志から来ることでもあります.

お申し込みはこちらから

この現代数学探険隊で勉強したい,
仲間を作りたい,
そんなあなたはぜひ勇気を持って 1 歩を踏み出してください.

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注意

銀行振込の場合, お試し期間がなく半年ごとの一括払いです.
特にお試し期間がないことに十分ご注意の上ご登録ください.

現代数学探険隊に参加するべきはこんな人

あなたが次のような悩みや希望があるならぜひ参加してください.

  • 物理のための数学として数学的に磐石な基礎を固めたい方
  • 特に量子力学・超弦理論を勉強してみたい方
  • 数学のための数学として数学的に磐石な基礎を固めたい方
  • イメージ豊かに数学を勉強するために物理的なイメージを持ちながら進めたい方
  • 数学の大きな流れを意識しながら数学を勉強したい方
  • 関数解析系の解析学に興味がある方
  • あやふやでいつまでも不安な状態が嫌な方
  • 時間をかけてじっくりやっていこうという方
  • 勉強を一人では進めるのは厳しいからアドバイスやガイダンスがほしい方

さらに次のように思っている人にもお勧めです.
数学という大きな異世界を探険する,
そういうところを強く前面に押し出した講座にしていますから.

  • 数学ができる人は格好いい
  • 数学を理解する喜びを味わいたい
  • 数学者が見ている世界を見てみたい
  • 数学という異世界を探険したい
  • 自分なりの小さな発見を大事にしたい
  • 適切なタイミングでの復習や、前後の関係を重視しながら数学の世界を探険したい方
  • 数学ができる人は格好いいと思っている方
  • 数学を理解する喜びを味わいたい方
  • 数学者が見ている世界を見てみたい方
  • 数学という異世界を探険したい方
  • 自分なりの小さな発見を大事にしたい方

入っても意味がなさそうな人

逆に入っても意味がなさそうな方も改めて書いておきます.
それは一言で言えばそもそも勉強できる環境にいる方です.
数学学習のための環境整備と提供こそがこの講座のメインなので,
既にそうした環境をお持ちの方はわざわざ参加されることはありません.
具体的には次のような方ですね.

  • 物理の研究者を目指す方, 特に大学生.
  • 数学の研究者を目指す方, 特に大学生.

これは次のような理由によります.
まず物理サイド.

  • こんなにこってり数学をやるよりはきちんと物理をやるべき.
  • 超弦方面に進もうというのならこんなにゆっくりのんびり数学を勉強している暇はない.

数学サイドなら次のような理由によります.

  • 学部レベルの話までしか対応しないので, 2 年経つうちに大学の講義で終わっているから無駄になりかねない.
  • 特に前半の数カ月, 集合・実数・位相パートをやっている時間が無駄: 講義でもう終わっているはず.

現代数学観光ツアーで数学のいろいろな見方,
大きな姿を紹介しています.
そちらで概要を掴み,
細かい部分は必要に応じて各自で補充するのがベターです.

中高生もぜひ参加してください

研究者を目指すといってもあなたが中高生なら問題ありません.
むしろ強くお勧めしたいくらいです.
灘や開成のような超進学校は別のようですが,
そうした環境に恵まれた方, ほとんどいないと思いますから.

参加しなかった場合の未来

もしあなたがこの長い文章をここまで読んできたのなら,
参加を迷っているのだと思います.
無理強いする気は全くありません.
しかし参加したいのに悩んでいるあなたの背中を押すことは私の大事な仕事であるとも思います.

ここまで現代数学探険隊に参加することでどんないいことがあるかを説明してきました.
最後に, 逆に現代数学探険隊に参加しないことでどんな未来が待ち受けているかを書いておきます.

  • 先が見えない状態では新しく物理をやりたいと思ったとき, 必要な数学をいちいち勉強し直さないといけない.
  • 統一した視点が持てないといちいち新しいことを最初からやるイメージになり非効率. そして何より世界の深さ・広がりをイメージできない.
  • これから勉強したいことに対して何が必要で何がいらないかが見えない.
  • 基礎があやふやなままでいつまでも数学に対して漠然とした不安や不満が消えない.
  • 1 人ではモチベーションややる気が続かずわからないことが山積していき, そのたびごとに断念し, 忘れては最初からやり直し続ける羽目になりいつまでも先に進めない.
  • 「数学ができる」という自己認識が作れず, 悔しい思いを抱えたまま生きなければいけない.
  • ある程度まで進んでは挫折をくり返し, 「また挫折してしまった」と自分自身への評価が下がっていく.
  • 学問の醍醐味である世界観の変革を感じられない.

かなりネガティブな内容になってしまいました.
しかしここまで私に相談されてきた方のうち,
少なくない方がこのような悩みを抱えているのも事実です.
この講座はまさにそうした問題の解消のために立ち上げた講座です.

クレジットカード支払いに限りますが,
2 週間のお試しもあります.
まずはどんなものかと気楽に参加してみてください.
参加の障害になることはできる限り取り払っているつもりです.

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銀行振込でのご登録はこちらから

まず何をするのか

ここまで読んできたあなたに必要なことは決断です.

この現代数学探険隊に参加するなら参加する,
参加しないなら参加しないとはっきり決断しましょう.

あなたの人生はまだまだ続くはずです.
そしてもちろん, 今が 1 番若いです.
学びはじめるのに早いも遅いも関係ありません.
実際「昔からの夢だった数学のプログラミングを勉強したい」とおっしゃる
70 代の方もいらっしゃるくらいです.
こうした方のコメントから逆に私が勇気をもらっているくらいです.

これまで何度失敗してても関係ありません.
いまここを大事にして, 改めてきちんと始めましょう.

あなたが現代数学探険隊に参加しないと決めたとしても,
ここまでご覧になったあなたは数学の勉強を続けていこうと思っているはずです.
そんなあなたの行動指針として今後は仲間を増やすこと,
そして自分が教えるサイドに回ることも目指して勉強してください.

人に教えるのが 1 番効率もよく効果も高い勉強法です.
他の人と交流することでその人の世界観も取り込んでいけるようになります.
勉強しやすい, 続けやすい環境を作るようにしてください.

くり返しになりますが,
毎月 3980 円は決して安くない金額であることは承知しています.
あなたは参加してみたくても費用で悩んでいるかもしれません.
そこで 2 週間の無料お試し期間を設定しています.
迷っているならまずは無料で試して受けてみてください.

いくら名著と言われる本でも合わない人がいるように,
お試し参加してみてあなたには現代数学探険隊が合わない可能性もあります.
無料お試し期間の設定は,
無用な摩擦をなくしてお互い気持ちよく関係を続けていくために大切な措置だと考えています.

私自身, 大学院を出てから 10 年近くかけて大学を出ても数学や物理を学び続ける環境,
新たな情報を手に入れ続けられる環境を作ってきました.
その輪にもっとたくさんの人を入れたいし,
子供の頃の自分も入れてあげたいと思っています.
今回の現代数学探険隊はそのための大事で大きな一歩になる確信があります.
あなたにとっても大きな一歩になるはずです.

登録後の注意

講座の教材 PDF はメールでお送りします.
システム会社とも契約してできる限りの対策は打っているものの,

登録後にお送りするメールを確認して,
迷惑メール対策をお願いします.

また銀行振込の方はお試し期間がありません.
そちらもご注意ください.

追伸

具体的な講座内容は次の通りです.

  • 集合論.
  • 実数論.
  • 位相空間論.
  • 測度論・ルベーグ積分論.
  • 関数解析.
  • フーリエ解析.
  • 超関数論.
  • 関数論 (複素解析).
  • 作用素論.
  • 微分・変分.
  • 線型代数.
  • ベクトル解析.
  • 微分方程式論.

物理, 特に量子力学を学ぶ上で重要な数学である
関数解析を軸にした解析学の講座です.
幾何や代数を学ぶ上でも役に立つ内容を随所に散りばめていますし,
幾何や代数の議論や例もたくさん紹介しています.

これからもずっと数学や物理と付き合っていくために
必要な基礎体力をきっちり身につけてもらえる講座ですし,
あなたが無理なく勉強を続けられるように快適な環境を提供するのが目的です.

1 人では続けるのが厳しいというあなた,
ぜひこの講座に参加してみてください.
特にクレジットカード利用の人は 2 週間お試しができます.
まずは気楽に登録して, どんなものか体験してみてください.

それでは現代数学探険隊でお待ちしています.

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