現代数学探険隊

レアモンスターを味方につけて効率のいいレベルアップを目指そう

これは現代数学探険隊と称して現代数学を本格的に・体系的に学んでいく通信講座のご案内です.
時間も労力もお金も, 人生すらも捧げて手に入れてきた知見をもとに,
長い年月をかけて身につけ構築してきた数学の体系を解説していく講座です.
中高生の頃, 私は本当に数学が苦手で大学の学部選択では物理学科に「逃げた」ほどです.
そんな中で泥臭く習得し構築してきた数学の勉強法や,
モチベーションを高める方法, 学ぶのに最適な環境を作る方法まで含め,
数学学習に必要な全てをじっくりと解説していきます.

そしてレアモンスターとの邂逅を通じて効率のいいレベルアップを目指します.
ここでいうレアモンスターとは数学を理解する上でクリティカルな例や反例です.

数学では何か例を作るだけで研究になり論文になることがあります.
これまでの常識や世界観を覆す例や反例を作ること,
これは本当に創造的な仕事です.
Mr. Counterexample と呼ばれた永田雅宜先生が
ヒルベルトの第 14 問題を反例の構成で否定的に解決した業績や
「早く証明を完成させなければ永田が反例を作ってしまう!」という研究者のエピソードは象徴的で有名です.
大げさな話でも何でもなく, 適切な例や反例を知っていること,
そして自分自身で構成できるようになることは数学を勉強する上で決定的に大事です.
単に例を作るだけではなく,
それに関わる数学世界の中のいろいろな事実の関係性や大きな流れも説明していきます.

ふつうの教科書, 特に入門書では前提知識の制限があるため,
いろいろな事実の関係性や大きな流れを前提にした議論に大きな制約があります.
その初学者のための制約自身が逆に初学者のレベルアップを励んでいるとも言えます.
実際に適切な例を把握できていないために理解が浅くなったり,
誤解してしまっている事例をたくさん目にしてきました.
大学院のセミナーでも「それに関して具体例を挙げられますか?」と言われることがよくあります.
勉強が進めば進むほど適切な具体例の構成やその理解が求められます.
大学院レベルの研究を踏まえた学習という高い視点から講座を運営していきます.

冒頭でも書いたように実は私は学部は物理学科でした.
数学に行ったのは修士からです.
学部で進学した早稲田では応用物理学科創設時の経緯もあり,
応用物理学科にバリバリの数学の研究室があります.
そして学部 1 年の必修で数学概論という実数論・集合論・位相空間論の講義がありました.
これは本格的な数学科の数学水準の講義です.
その講義がはじまるまでの 1 週間,
講義で出てくる話は高校と代わり映えのない内容ばかりで,
こんな高校の数学や物理に毛が生えたくらいの内容をやりに浪人してまで大学来たんじゃない!」と憤慨していました.
今でもよく覚えています.

それが金曜の 3 限になってようやく
「何だこの講義, さっぱりわからん! そうだよ, こういうのをやりに来たんだよ」と大喜びしていました.
「こんなの俺の知ってる数学じゃない!」を最大級のいい意味で使っています.
むしろ高校まで, さらにいえば受験生の頃,
本当に数学が一番苦手で最後の最後まで苦しみ抜いて「自分には数学なんて無理だ」と思っていたのが,
周りの反応を見て「いや, この様子だと私は意外と数学できるのでは?
むしろ大学の数学の方が高校までの数学より私には向いていて相性いいのでは?」くらいに変わりました.

数学が得意だと思ったことは生まれてこのかた 1 度もないし今も思っていません.
しかし自分なりに自分の数学をやってもいいんだな,
そう思えた本当に貴重な経験でした.
あなたが数学を苦手だと思っていても大学の数学はあなたの肌に合うかもしれません.
思い切って飛び込んでみてほしいです.

このページでは現代数学探険隊に参加されない方にとっても,
今後の数学との付き合いで大事になることをたくさん説明しています.

このページにアクセスしたあなたは
ぜひきちんと全体を読み込んでみてください.

レアモンスターを仲間にしよう

講座の内容より先にレアモンスターに関する話をします.
それだけ大事なことだから.

1 つにはゲームとの類推があります.
あなたもお気付きと思います.
めったに出会えないレアモンスターは経験値をたくさん持っていたり,
倒すと珍しい役に立つアイテムを落としたりします.
モンスターを仲間にできるタイプのゲームでは強力な味方になってもくれます.

上でも説明した通り,
レアモンスターとしての例や反例はまさにこの特長を全て揃えています.
本質を突いた例を知ればそれだけで数学への理解が劇的に深まります.
ある定理の例や反例は別の定理の例や反例になっていて,
数学の世界の層が何重にもなっていることを感じられます.
まさに大量の経験値を持っているわけです.

すぐれた例は 1 つの現象だけの象徴ではありません.
同時にいろいろな面を持ち合わせていて,
他のことを調べるときにも役立ちます.
単純にモンスターを倒して経験値を稼げるだけではなくて,
強力な味方になってあなたの数学世界の探険を支えてくれます.

ゲームでいうならモンハンやポケモンに代表されるように,
コレクションとしての価値もあります.
ゲームでなくても, 切手なり蝶の標本なりあなたにとって身近なコレクターアイテムで想像してみてください.
特に変な例や反例はコレクションするだけでも楽しいです.
反例集が本としてまとまっているくらいです.
そしてこれは勉強のモチベーション維持とも深い関係があります.

本を読んで受動的に勉強しているだけではどうしても飽きが来ます.
どこかしらで自分自身の積極性を見せていかなければ,
能動的に動かないとテンションが下がってしまいます.
その対策として例や反例を作ることを勧めます.
これは勉強というよりも研究と言った方が適切かもしれません.
もちろん一筋縄では行きません.
しかしそれだけの価値がある学習スタイルです.

もっと強く言うなら自分自身で問題を作ることが大事です.
問題を自分で作って自分で解く,
そしてその問題を解くために本を読んで必要な知識を吸収する.
こういうスタイルで勉強すると知識の吸収効率も段違いです.

これから説明していくように,
現代数学探険隊では量子力学のための数学という切り口で進めていきます.
これは量子力学の数学を勉強する過程でたくさんのレアモンスターに出会えるからです.
それだけレベルアップ要素がたくさんあるからです.

量子力学を記述するための数学の道具の整備は 20 世紀の数学の発展の原動力の 1 つです.
20 世紀の前半はその関数解析が筆頭でしょう.
関数解析はこの講座の数学的中心に位置付けています.
20 世紀の後半からは素粒子と幾何学の関係が深まり,
その流れは今も研究の最前線に続いています.
他の数学や物理をやる上でも大事な要素がてんこもりになっているのが量子力学であり,
量子力学に関わる数学です.

探険隊という名前にしたことにも意味があります.
この通信講座では毎回宿題を出していきます.
その中で他の参加者の回答や作った問題を見られるようにしておきます.
やっているのは自分 1 人ではないと知りなるべく孤独を感じずに済むようにすること,
他の人が探険している数学の様相を知り数学世界の広がりを知ってもらうこと,
こんな意図があります.

あなたもこの探険隊の一員として数学世界を冒険しに行きませんか?

量子力学のための数学, 解析学

ここからは現代数学探険隊に関して詳しい話をしていきます.

この現代数学探険隊では量子力学を勉強するための数学,
特に解析学にフォーカスして突っ込んだ話をしていきます.
何か具体的な目標があった方が参加者の意識も高まるはずだから,
量子力学のための数学と銘打ち議論を展開していきます.

講座で学ぶ具体的な内容は次の通りです.

  • 集合論
  • 実数論
  • 位相空間論
  • 測度論・積分論
  • 線型代数
  • 関数解析
  • 微分・変分
  • フーリエ解析と超関数
  • ベクトル解析
  • 関数論 (複素解析)
  • 常微分方程式論
  • 偏微分方程式論

なぜ量子力学なのか

理由はいくつもあります.

  • 最近の数学の展開から見ても大事な分野だから.
  • 程よくいろいろな数学, 特に解析学を見ていけるから.
  • 物理に興味があるという方も多く, 量子力学のための数学は他の分野でも必要な数学ばかりだから.
  • 量子力学自体も応用が身近に溢れていて応用イメージがしやすい分野だから.
  • 1 本, 筋を通して学ぶための基準があった方が取り組みやすいから.
  • トピックの間の繋がりを見るための架け橋になるから.
  • 学部レベルの物理で必要な数学全てを必要とする分野なのでここを目指せば物理に必要な数学はだいたい制圧できるから.

数学には興味があっても物理には興味ない,
そんな方もいらっしゃいます.
あなたもそうかもしれません.

しかし最近の数学では物理との交流がどんどん盛んになっています.
その大きな潮流として量子力学は 1 つの核になっています.
あなたが純粋に数学だけに興味があるとしても,
量子力学やそれに関わる数学の世界を見ることには十二分な意味があります.

解析学との関係は言うまでもありません.
物理をはじめとした自然現象が元ネタの微分方程式を調べるとき,
その元ネタの現象から期待されることが本当に数学的に起きるか
厳密に調べるタイプの研究をするとき,
やはりその分野に対する最低限の素養はあった方が楽です.
そもそもその自然現象が数学的に何に対応するかを
調べること自体が非自明なことですね.
最近は幾何学, 代数学, そして数論までもが
量子力学との深いつながりを見せてきています.

数学の統一理論

解析学と整数論の間に橋をかける数学的プロジェクトとして
ラングランズプログラムがあります.
これは数学の統一理論とも呼ばれている大きな動きです.
さらに幾何からの視点を重視した幾何的ラングランズプログラムも提唱されています.
あなたがエドワード・フレンケルの『数学の大統一に挑む』を読まれたならご存知でしょう.
そして特に幾何的ラングランズプログラムで量子力学との相互作用が深まってきています.

具体的な話をしはじめるときりがありません.
2 つ, はっきりとした展開を簡単にご紹介します.

幾何と量子力学: 指数定理

1 つは 20 世紀幾何学の金字塔,
超対称的量子力学によるアティヤ-シンガーの指数定理の証明です.
アティヤ-シンガーの指数定理はガウス-ボンネの定理やリーマン-ロッホの定理を含んだ,
解析学と幾何学, 特に微分幾何での壮大な結果です.
特にアティヤはこれを含む業績で数学界のノーベル賞と言われる
フィールズ賞を受賞したくらい,
数学界に深く広い影響を与えた定理です.

この指数定理には超対称的量子力学を使った証明があります.
幾何学での金字塔とも呼べる成果に量子力学を使った証明がつく,
それだけでも大きな意味がありますし,
これを知ったアティヤ自身が精力的にその狭間に生き, 研究を重ね,
数学界をリードしています.

リーマンのゼータと量子力学

もう 1 つ, 私の研究とも比較的近いところで数論 (整数論) との関係も挙げましょう.
数論の中心課題の 1 つ, リーマン予想との深い関係があります.
私が知っている範囲ですら 1 つ 2 つでは済まないくらいいろいろな展開があります.

例えば非可換調和振動子のスペクトル解析.
非可換調和振動子と呼ばれる対象のスペクトルゼータを考えると,
これがリーマンのゼータ関数に帰着するという話があります.
調和振動子はもちろん物理の話で量子力学の基本です.
それが非可換調和振動子という形でリーマンのゼータという数学の中心地と直接的な関係を持ちます.

この背景の 1 つにはヒルベルト・ポリア予想があります.
リーマンのゼータ関数の零点はある自己共役作用素のスペクトルとして与えられるのではないか,
そういう予想です.
この 1 つの実現として非可換調和振動子という対象が見つかっているわけです.
自己共役作用素やその舞台としてのヒルベルト空間の研究が活発になった歴史的理由の 1 つとして,
ヒルベルト空間論, そしてその上の作用素論の量子力学への応用があります.
このくらい根っこの根っこから量子力学との関係があるとも言えます.

他には場の量子論と数論という展開があります.
こちらも場の量子論からリーマンのゼータが出てくる話です.
しかも場の量子論の構造そのものからリーマンのゼータの和による表現と
積による表現の両方が出てくることがわかっています.

超対称的な構造を追加すればいろいろな数論的関数の関係を証明することができます.
既知の結果を超対称性から説明することができ,
それがさらに深い結果を生むのではないかと期待されています.

さらにはフィールズ賞受賞者, アラン-コンヌが創始した非可換幾何との関係もあります.
量子統計力学や相転移と絡めてリーマンのゼータを論じる論文もあります.

このように数学の中心地とも関係が深く,
いろいろな数学と結びつく量子力学にフォーカスを当てながら勉強していくことは,
数学の勉強それ自体にも役に立ちます.
パッと見では全く関係ない分野の繋がりを見ることもできます.
数学的に何の関係があるかすぐには分からなくても物理がブリッジしてくれます.

しかしここで問題があります.
何か具体的に勉強をはじめようとしても,
数学か物理かまたはその両方か,
多くの壁に阻まれてなかなか 1 人で勉強するのは難しいでしょう.

そこを埋めるコンテンツとして,
数学と物理の架け橋として 1 つの方向性を提案していくのがこのプロジェクトの目的です.

なぜ現代数学探険隊を開講するのか

この講座の概要や数学的目標地点はいまご案内した通りです.
目標を示してもそこに至る全体像が見えないとモチベーションが保てないことはよくあります.
実際によく相談されることでもあります.
解析学を軸にした学部数学に関する 1 つの像はまさに現代数学観光ツアーでご紹介してきました.
現代数学観光ツアーではこの目標地点に到達するために必要な本もご紹介しています.
あなたが現代数学観光ツアーに参加されているなら,
知識の上ではあなたご自身のペースで独学していける状況はもう整っています.

その状況で新たに通信講座を作ろうというからには,
まずは目的をはっきりさせないといけません.
数学学習についてはいろいろな方のいろいろなご要望があります.
そしてたくさんの困難があります.
もちろん現代数学観光ツアーでもたくさんのご要望や目標を伺っていますし,
それが達成できないつらさについてもご相談を頂いています.
ここでは特に次のつらい経験や独学上の困難にフォーカスを当てています.

  • 数学したいが 1 人ではつらい.
  • 導いてくれる人がほしい.
  • 通える範囲にリアルの教室がない.
  • 勉強したくても何を読んだらいいかわからない.
  • いったん本を読み終わったあと, 次に何をしたらいいかわからない.
  • モチベーションが続かない.

もちろんこれらは互いに深く結びついた問題です.
そして私のところにやってくる方のご要望や目標としては次のような内容が代表的です.

  • 量子力学で使われる数学をちゃんと理解したい.
  • 物理のために要領よく数学を勉強したい.
  • 一般論ばかりではなく具体例で学びたい.
  • トピック間のつながりがわかる, 見えるようになりたい.
  • 学ぶべきこと, 超えるべきレベルやステップなどの示唆がほしい.
  • 数学のどの分野が他分野のどのあたりで必要なのか, 重要なのかを教えて欲しい.
  • いろいろな本が世の中にありすぎてどんな本を選べばいいかわからないのでどんな人にはどんな本が良いか具体的に教えて欲しい.
  • 物理的に面白い例で数学的に難しいものを紹介してほしい.
  • 解析学に興味がある. 物理の観点からの話にも興味がある.
  • 独学の道標となって欲しい.
  • 数学内の分野連携の様子が知りたい.

この上でさらに次のようなご要望にも応えること,
それがこの講座を開く目的です.

  • 不明点は質問したい.
  • 分厚くかっちりした本を読むための基礎知識を得たい.
  • 必要になったときに勉強すれば十分な細かすぎる話は省きつつ, 大切なところを効率よくピンポイントに歩いていきたい.
  • 自分 1 人では勉強のペースを保ちづらいのでペースメーカーがほしい.
  • 物理や諸工学への応用を円滑に進めるための現代数学という視点にフォーカスしてほしい.
  • 数学科の数学の細かいこだわりがどこから来るのか理解したい.
  • 既存の本は前提知識がバラバラで読みづらいので統一的な視点の元で構成された一連のコンテンツ群で勉強したい.
  • 数学科スタイルの抽象度と応用的な具体性を程よくミックスした解説がほしい.
  • 1 人でやっていてはモチベーションが続かないのでそこにも配慮してほしい.
  • 復習が大事なのはわかっていても自分 1 人だとさぼりがちなので適度な復習の機会がほしいし効率的な復習法が知りたい.
  • 前戻りや横っ飛びなしですんなり進んでいける構成のコンテンツで勉強したい.

この現代数学観光ツアーでは次のような条件・環境をご用意することで,
あなたのご要望や目標に応え共に歩んでいきます.

  • 1 人孤独に勉強しなくてもいい.
  • モチベーションに配慮した展開・構成の講座を提供し楽しく数学が続けられるようにする.
  • 数学というツールを無理なく無駄なく習得し, 楽しみだった物理の勉強が本格的にはじめられるようにする.
  • 数学コンプレックスからの解放.

特に大事な次のポイントについて詳しく説明していきましょう.

  • 数学したいが 1 人ではつらい.
  • 導いてくれる人がほしい.
  • 通える範囲にリアルの教室がない.
  • 勉強したくても何を読んだらいいかわからない.
  • いったん本を読み終わったあと, 次に何をしたらいいかわからない.
  • モチベーションが続かない.

あなたがこれを独力で乗り越えられるのならこの講座に参加する必要はありません.
もし次の内容を見て「これが大事なのはわかる. でも自分だけではこの環境を作れない」,
あなたがそう思われるならぜひこの講座に参加してください.

数学したいが 1 人では大変

  • よくわからないことがあって行き詰まったとき, 1 人では乗り越えられなくて諦めちゃうんです

こういうご相談をよく頂きます.
あなたにも経験はないでしょうか?
こういう方によくある問題はいくつかあります.
そのうちで最大の問題はわかっていないことに耐えられないことです.
本の序盤で脱落してしまう人は特にそうです.

あなたははじめの 20-30 ページを読んで
「よくわからない」と言って投げ出してしまった経験がないでしょうか?
特によく知らない分野の勉強をするとき,
1 番つらいのは実は最初の部分です.
入門書を読むのが 1 番つらいといってもいいでしょう.

それは何故か?
理由は単純です.
いろいろな専門用語や概念を準備しないといけないからです.
ただそれだけ見ていては無味乾燥な話題が続くからです.

例えば幾何の基礎, 多様体論.
この入門書を読んでいてまともに耐えられる人は相当のものです.
なぜかというと多様体論はいろいろな面白い具体例を議論するときに
必要になる道具の詰まった道具箱だからです.
道具箱の整理・整備をしてて楽しい人は相当のマニアです.
もしくは必要に迫られて道具を整理・整備しないといけない人です.
ふつうは道具を使う現場に行かないと楽しくないですね.

あなたが挫折してきた理由の 1 つは道具箱の整理・整備という
必ずしも面白くないところで必要以上に時間を使って苦しんでいたからです.
これは学習する上で全体像が把握できていないことによる問題でもあります.

  • いまやっているのはあくまで道具箱の整理と整備だ.
  • ある程度やったらとりあえずは現場に突っ込んでみよう.
  • 足りないところがあれば戻ればいいや.

こういうスタンスでやれば心が折れにくくなるのに,
面白くないところで頑張ってしまう.
それはつらいに決まっています.
そして必要性さえ感じられれば勉強するモチベーションも上がります.
それを断ち切ったスタイルで勉強するのもつらいことです.

一方で道具を整理・整備するならその道具をできる限り磨き上げるのは当然のことですね?
適用範囲を広げるためにはそれだけの一般化・抽象化が必要です.
だからといってイメージしづらい抽象概念が雨あられと降り注ぐ議論に耐え切れる人もそうはいません.

この苦行に専門家または専門教育を受けた人が耐えられるのは次の理由からです.

  • 「最初はそういうものだ」と嫌というほど知っているから.

うるさいことをいうならもっと細々とした理由はあります.
専門家になると不明点があっても身近に聞ける人がいるという事情もあります.
しかし一番大事なのは上の基本認識です.

まずはここをおさえてください.
本は慣れていない読みはじめの段階が 1 番つらいし,
入門書が 1 番きついのだと.

現代数学観光ツアーで言葉や概念の説明もそこそこに
とにかくいろいろな面白い世界をご案内し,
数学世界の全体像を見せた理由もこれです.
無味乾燥な事実の羅列に耐えられる人は少ないと気付いたからです.

そして何よりわかっていないことに耐えられないこと,
この問題は深刻です.
専門家というよりもっとはっきり研究者と呼ぶことにしましょう.

研究者はわからないことがあるからこそ研究しています.
解決までに何ヶ月, そのくらいなら楽なもので.
考えていた問題が一生かかっても解けないことだってザラにあります.
フェルマーの最終定理は解決までに 350 年かかりましたよね?
350 年の間, 数学者が解こうと思って諦めなかったから解けたのです.
わかっていないことに耐え続けたのです.

それは研究の話だろう?
あなたはそう思っているのかもしれません.
しかし勉強でも同じことです.
大学 1 年のときにやったことが 10 年経ってもわからない,
そんなことだってよくあります.

わからなくてもそれはそれ.
10 年もすればわかるだろう,
このくらいの大きな心で勉強を続けてください.

そうはいっても 1 人でやっていくのはつらいでしょう.
わからないところを抱えたまま先に進むのもつらいでしょう.
そこは私がサポートします.
船頭になって導いていきます.

私自身, 純粋な数学の人間ではありません.
学部から数学科で純粋培養というわけではない,
という程度の意味です.
学部は早稲田の物理学科で修士から東大の数学に行きました.
だから純粋な数学畑の人にとっては当たり前すぎて,
非数学の人が勉強する上での困難になっていると気付きづらいことを知っています.

早稲田の物理学科は内部では応用物理学科と深い連携があります.
その生まれからずっとそうです.
学部 4 年次の研究室選択ではどちらの研究室も選べるし,
何より大学院では物理・応用物理学専攻と本当に一体になっているくらいです.
その中で応用肌・工学肌の人たちとも交流してきました.
だから一般の理工系の人が疑問に思うところ,
とっつきづらいところもわかります.

そしてこの講座自体が成長するコンテンツです.
質問があったらどんどん補足をつけていきます.

  • この計算はもっと丁寧に書いてほしい.
  • この議論はもっと詳しくしてほしい.

本を読んでいてそんな風に思ったことはないでしょうか?
多くの人がはまるポイントの 1 つに細かい計算があります.
あまりゴテゴテ書いていくと要領が悪くなるので
それを嫌って計算が省略されることはよくあります.
本の場合, 紙数の制限という学習者にとって
本質的ではない制約で省略されることもあります.
一方ですぐに, そして自由に補足をつけられる
オンラインでのコンテンツ配信ならこうした問題にも簡単に対応できます.

あなたがはまったところは実はすごくクリティカルな問題だった,
ということもよくあります.
さらなる理論の引き金になるような疑問もあります.
レベルの高い本を読むとその答えが書いてあることもありますが,
それがどの分野のどの本のどこに書いてあるかなんて初学者にわかるわけがありません.
そうした疑問にもちゃんと答えていきます.

要は痒いところに手がとどくようなコンテンツ群を提供します.
工学の人が「数学者がなんでそんなことを考えるのかわからない」というところ,
数学的モチベーションやその物理や工学上の現実的課題
交わるところも必要に応じてご案内します.

そして 1 人でやっていて仲間がほしいと思っても,
それが難しい理由の 1 つに共通言語の問題があります.
あなたが学生なら, または学生だった頃なら
興味関心が近い人がまわりに集まっていて「言葉」も通じやすいです.
共通の言語, 専門用語がありますから.

しかし特に大人になってから再勉強したいとなると,
その共通言語を持った相手を見つけることが本当に難しくなります.
私が相談を頂くときもなるべくその方のご専門や勉強の状態を聞くようにしています.
言葉が本当に通じないからです.
異分野交流や学際研究が難しいのもよくわかります.
この講座を終えたあと次のようなレベルにまで達してもらいます.

  • このくらい知っていれば数学関係者と意思疎通できるし数学の専門書も格段に読みやすくなる.

実際に仲間を作る時・セミナーするときにも同じ問題があります.
何か本を読もうにもそのための前提知識がかみ合わないと,
知識を持ってない人はつらいし,
知識を持っている人は持ってない人に合わせた進度では
なかなか進まなくてイライラするかもしれません.

結局せっかく集まれても共通言語・共通認識がなければ集まりが破綻します.
このギャップを埋めるための基本を共有するためのコンテンツ提供であり,
そのための通信講座でもあります.
将来的には現代数学観光ツアーや現代数学探険隊を基礎にして,
あなたの身近でリアルのコミュニティを作ってほしいと思っています.
これを受けた人同士でもっと深く勉強する勉強会をやってもいいでしょう.

そしてこれは私が将来的にやりたいことにも深く関係しています.
それは学問に関するコミュニティ形成です.
何か突っ込んだことが知りたい時,
ここに放り投げておけば誰か知っている人がいて人がいて答えてくれる
そんなゆるいつながりを作りたいと考えています.
私はメインの活動の場, Twitter でそれなりにこうした環境を作り,
その中に身を置いています.
ただこれでは私がその環境を使えるだけで, 他の方はその環境が使いづらいです.
だからまずは自分が対応できる数学と物理からはじめよう,
数学と物理の話ができるコミュニティを作ろう,
そうした中間目標のためにやっています.

導いてくれる人がほしい

リアルで近くにいれば 1 番ですね.
何だかんだで直接会って議論した方が 1 番濃密なやり取りができます.
現代の技術では超えられない壁があります.
しかしここまで何度も指摘しているように実際には厳しい条件です.

  • せめてオンラインでそんな人がいれば, 環境があればいいのに.

このご要望に応えるのもこの通信講座の目的です.

先程書いた数学や物理でゆるくつながったコミュニティを作ることとも重なる話として,
最終的にはあなた自身があなたの身近なところでリーダーになってほしいと思っています.
人に何かを教えるのは大変です.
しかし他人に何かを教えると教えた側こそが 1 番勉強になるのも事実です.

大学で定番のスタイル, セミナーを思い出してください.
セミナー担当が 1 番勉強になるからこそ学生にセミナーさせるわけで.

  • 細部まできちんと理解しきれているか?
  • どんな質問が来そうか予想できるか?
  • 難しいところはどこか?
  • どの部分を重点的にやるべきか?
  • どんな質問にもちゃんと答えられるか?

こうしたところが自然と鍛えられます.

あなたにセミナーの経験があるならわかって頂けるように,
教える側に回って質問を受けると頭の回転が, 使い方が変わります.
何故か今まで考えつきもしなかった説明の仕方がパッと出てくることがあります.
以前集中講義を受けていた時に,
その担当の教官がまさに同じことを言っていたことがあります.
「ここの説明をして, 本当にいま初めてこう呼びたくなる気持ちがわかった」と.

いまはまだ情報の受け手でいいし,
教わる側で構いません.
しかしいつかは教える側に回ってください.
さらなる発展の機会を夢見, そして実現させてほしいです.
そういう機会を積極的に作ろうとしてほしいですね.

そのためにも基礎・基本をしっかり身につけましょう.
そのためにこの講座をぜひ有効活用してください.

通える範囲にリアルの教室がない

これは身近に聞ける人がいないのと同じことですね.
現代数学観光ツアーでも紹介したように,
少なくとも東京には現代数学のリアル教室が 2 つはあることを確認していますし,
何となく評判も良さそうなので一応案内しておきました.

市場というか需要もあるでしょうし,
東京以外にそうした教室があるかと言われるとよくわかりません.
そして実際に通われていた方から次のようなご要望も頂いています.

  • 東京の現代数学の教室に通っていたが, 地方在住で東京には通いきれなくて結局やめてしまった.
  • オンラインで同程度の内容の通信講座を作ってもらえないだろうか.

まさにそれをやります.
オンラインの通信講座を提供します.
これは例えば東京在住の方にとっても大事なことだと考えています.

通える範囲にリアルの教室があってそこに通おうと思っても,
そこまでの交通費や行くまでの時間もありますし,
平日なら急な仕事の予定もあるでしょうし,
休日にしても家族サービスなどなかなか通う時間が作れない可能性だってあります.
それを考えれば需要も実際の教室もある大都市,
特に東京在住の方ですら通信講座しか選択肢がない可能性だって決して低くはないはずです.
ここまで来てこうした要望に応えないわけにはいきません.

そして何よりこれは子供の頃の私が喉から手が出るほどほしかったものの 1 つです.
小学校 2 年のとき, 転校してきた子が転校前に
科学工作教室に通っていたという話を聞きました.
すごい楽しそうに話していたので本当に羨ましかったです.
しかしその子が行っていたところはもうやってなくて,
家の周りにもそうした教室はありませんでした.
親にも探してもらったんですが, 見つかりませんでした.

ちゃんと探せば見つかったのかもしれません.
その当時はまだネットもありません.
ネットがあったとしても昔の私や我が家には使いこなす能力もありませんでした.
東京在住の私ですらそんな状況でした.
それなら地方ではもっとひどいのではないか? そう思っています.

いわゆる進学校に通う子達やそういう層はリアルで自然に情報が手に入ります.
そういう環境があるからです.
大学・大学院で早稲田や東大に進み,
その中でいろいろ友人と話をするうちにその様子を知りました.
あれはズルい!

大人になったいま, 羨ましがってるだけではいけません.
自分でもそういう情報を出さないといけないし,
そういう環境を作り, 提供する義務があるとすら思っています.
このためには私の情報発信スキルはもっともっと上げないといけません.

受験レベルの話なら日本のどこにいても割と同じ教育が受けられるようになっています.
リアルの環境の影響の強さを思うと全く同じとは言えないし, お金の問題もあります.
それでもかなり平準化してきているはずで.
通信教育もたくさんあるし,
最近は授業をネット配信しているサービスも増えています.

しかし専門的な数学や物理の教育を提供するサービスはほとんどないし,
それができる人や組織は事実上大学以外にありません.
特にいま地方でリアルに展開しようと思うと大学以外はありえないでしょう.
その間を埋めるのがこの講座です.

私が自分の好奇心を持て余していた子供の頃を思えば子供に直接届く,
子供にも伝わるコンテンツを作りたいとは思います.
残念ながらそれはまだ今の私には厳しいです.

それでもできることはやりましょう.
いまの私でも大人相手にならメッセージが届けられます.
私がリーチできない子供たちの相手ができる大人が日本中に増えれば,
その人達が創意工夫も込めて私の代わりに私ができないことをやってくれるかもしれないし,
私が直接アプローチできない子供達を救ってくれるかもしれません.
むしろそうしてほしい.
その遠大な目標のための第 1 歩です.
Win-Win の体制を作っていきたいと考えています.

何を読んだらいいかわからない

実際, 本を勧めるのはけっこう大変です.
現代数学観光ツアーでも参考文献リストがほしいという要望はあったし,
実際に提供してもいます.

ここで問題になるのは特に予備知識,
基本的な数学への認識, 勉強の仕方を知っているかという部分ですね.
これを知らないとあなたにとって適切な本を勧められません.
私は基本的に次のようなスタイルで勉強しています.

  • ゴリゴリのゴツい本を選ぶ.
  • 最初は大雑把に, そしてとにかく全部読んで全体像を掴む.
  • 必要な箇所を詳しく読み進める.

もちろん本 1 冊を最初からきっちり読み通すこともありますが,
それは本当に理論全体を詳しく知りたいといった事情がある場合です.
そもそも本を読む目的が大事です.
それに応じて読む本や読み方が決まります.

ここからはもっと具体的な話をしましょう.
特に現代数学観光ツアーに参加されたあなたへの話です.
目的・目標はだいたい次のようにまとまります.

  • 数学を本格的に勉強したい.
  • 物理を本格的に勉強するために数学を過不足なく, 要領よく勉強したい.
  • 昔苦手だった数学に再チャレンジしたい.
  • 昔から憧れだった数学にチャレンジしたい.
  • 数学のユーザーとして長く数学と付き合ってはいるが, それはそれとして数学そのものと真っ正面から向き合いたい.

これに対する悩みはだいたい次の通りです.

  • どんなコンテンツをどういう順番で勉強していけばいいかわからない.
  • 選択肢が膨大で一度リストを作ってそれをやろうとおもっても目移りしてしまい, なかなか集中して前に進められない.
  • やりたい分野やそれについてのコンテンツを勉強するために必要な予備知識がわからず勉強が進まない.
  • 憧れだけはあるがその憧れを実現させるための情報が集められないので, 具体的な行動が起こせない.
  • 単なる知識の習得だけではなく, 数学に対する愛情が詰まったコンテンツに触れたい.

これは代表的なご意見をまとめただけです.
これだけですら本当にバラバラでどうしたものかと困る, そんなふうに見えるかもしれません.

しかし, たぶん本質的な部分は全部同じで,
私は次のように考えています.

  • 数学のことをちゃんと知ってちゃんと付き合いたい.

あなたが数学を数学としてやりたいならもちろんそうでしょう.
あなたが数学の応用に興味があって数学には道具としての興味しかないとしても,
数学との適切な距離感が知りたいはずです.
単に使うだけならここまで知っていれば十分だけども,
もう少し突っ込んで勉強すれば見える世界がもっと深く広くなるはずだ,
そんな期待もあるはずです.

特に工学系の志向を持つ一般の方が相手となると,
必ずしもこんなことを考えてはいないでしょう.
しかし現代数学観光ツアーに参加したあなたにはこういう期待があって,
そしてここまで読んできたあなたにはそうなる確信もあるはずで.
そんなあなたの期待や確信に応えたいと思います.

そのためには 1 つ 1 つのコンテンツとしての完成度は高いのだとしても,
それをつぎはぎにしたコンテンツのリストを渡してもあまり意味がなくて.
リストに挙げたコンテンツを勉強してもらい, そこで出た疑問に応えていく,
そんな対処でもたぶんダメで.
もう最初から責任を持って一貫したポリシーで私自身が作ったコンテンツを提供するのが 1 番なのではないか,
そう思ってやるのがこの通信講座です.
そして何より, 現代数学観光ツアーに参加して,
私の数学観や物理などの応用面への感覚があなたの感覚とうまくマッチしているのだと思います.
そんな私のコンテンツで勉強したいというあなたのご要望に応える講座です.

次に何をしたらいいかわからない

大きく分けて次の 2 つ方向があると思っています.

  • やりたいことが明確にある.
  • これと明確にあるわけではないが, 楽しみながらのんびり進めていきたい.

前者は専門の物理や工学で使うからとか,
具体的に勉強したい数学の分野があるという感じで具体的な課題を持っていると思っています.
応用面に関してはいったん物理に限定して説明します.

応用先がはっきりしているならその物理に使う数学のうち,
あなたに足りていない分野を勉強できるコンテンツを適宜案内すればいいですね.
次に何をすればいいかわからないというだけならこれしかないです.
もちろんこれだけではなかなかうまくいかないので,
その理由や対策はここまでで繰り返し説明しています.

後者, つまりあなたがのんびり勉強していきたいという場合を考えましょう.
大きな本屋や図書館に行けば専門書はいろいろ置いてあります.
ただ, 漫然と興味のある本を手に取ってもいまのあなたに読みきれるかわからないし,
それを何とかして読みたいと思っても, いまのあなたにはそこに至るまでの道がわからない,
そんな状況ではないでしょうか?
専門書はそんなに安くないからポンポン買えるわけでもなく,
近所の図書館にたくさん専門書の蔵書があるわけでもないでしょう.
ぼんやりと読んでみたい本や勉強してみたいことがあっても,
何からどう進めていくと抵抗なく進んでいけるかわからない,
そういう感じで困ってる方もいますね.
あなたもそうかもしれません.

道はいろいろあります.
ただ多すぎてどれを選べばいいかわからなくて困る,
そんな思いを抱えているのではないでしょうか?
これはまさに携帯やスマホで何を選べばいいかわからなくて困る感じだと思っています.

  • 似たものが多い中で何を選べばいいのか.
  • どれを選んでもそんなに大きくは変わらないはずとは思うけれどもどれかは選ばないといけない.
  • 自分に合ったものを選びたいし, はずれは掴みたくない.

あなたもこんな気持ちを抱えてはいないでしょうか?
この講座では実際のご要望も多い物理を勉強するのに必要な数学を中心にして,
解析学を体系的に学べる道を 1 つ示します.
私自身物理学科から数学科に行ったので, 次のような勘所がわかっています.

  • 物理や工学の人がどんなところで困るか.
  • どんなことは適当に流してよくて, どんなところはちゃんとやらないといけないか.
  • 知らなくても困ることはないが, 知っていると便利なところがある.
  • ちゃんとやらなくて良くても 1 度はちゃんとやってみたい数学がある.

こういうところを丁寧にカバーして行きます.
特に私の専門でもあり興味を持つ人も 1 番多そうな
量子力学に関する数学を中心に進めていきます.

超弦理論の影響もあって数学の人でも量子力学に興味を持つ人は多いです.
しかも代数や幾何が専門で解析はちょっと, という方もいます.
あなたもまさにそうかもしれません.
私は院が数学科で解析学, 特に作用素環専攻でした.
数学科スタイルの数学もきちんと身につけています.
数学科で解析学の勉強でお困りのあなたにもお勧めします.

目的の本を読むための前提知識がなくて困る,
何でどう補充すればいいかわからないという方もいます.
これはその人その人の状況によるから一般には何も言えません.
例えば数学科の学生だとしても,
大学の講義で教官の間の連携がちゃんと取れておらず,
講義の間のギャップを埋められなくて実際に困っている方もいます.
これも解決法はさっきと同じです.

この探険隊ではまず道を 1 つ示します.
分野をまたぐ時に知識のギャップがないようにやっていきます.
「ここがわからない」というコメントを受けたらその都度補足していきますし,
オンラインで双方向性を保ちながらやっていきます.
時間も空間も関係ありません.

モチベーションが続かない

モチベーションが続かない理由は簡単です.
初心を忘れるから, それだけです.

もちろん「そうは言っても」というところでしょう.
この対策はいろいろあります.
上に挙げた問題が原因になっていることもたくさんあります.
現代数学探険隊ではモチベーションに関する問題も一緒に乗り越えていくことを目指します.

要は初心を思い出せればいいわけで,
そのための対策をこちらから提供していきます.

講座の内容: 数学的に何をするのか?

ここまで, なぜ現代数学探険隊を開講するのか,
そしてどんな要望にどう応えていくのかを具体的に説明してきました.
ここからは現代数学探険隊で詳しく探険していく数学の世界を
手短かにご紹介していきます.

現代数学観光ツアーで解析学からつながっていく数学・物理の道を 1 つ俯瞰してきました.
現代数学探険隊ではその道を詳しく歩いていきます.
もしあなたが観光ツアーに参加していなかったり,
まだきちんと大きな流れを掴めていないなら,
まずそちらに参加して世界観を共有してきてください.

現代数学探険隊では次のような話題を順に扱っていく予定です.
内容は削ったり追加したりもありえます.

  • 集合論
  • 実数論
  • 位相空間論
  • 測度論・積分論
  • 線型代数
  • 関数解析
  • 微分・変分
  • フーリエ解析と超関数
  • ベクトル解析
  • 関数論 (複素解析)
  • 常微分方程式論
  • 偏微分方程式論

基本的には論理的にギャップがない順番で進めていきます.
ただし例だけはその時点でやっていないことや現代数学観光ツアーで
紹介したものもどんどん出します.
そうしないと今やっていることがこれから先,
どんなところにどう繋がっていくかが見えにくくなってしまうからです.

抽象的な話ばかりでイメージができなくて挫折してしまう,
そんなあなたのために例・反例は特に宿題の形でなるべくたくさん挙げていきます.
もちろん宿題にはきちんとした解答もつけます.
探険での遊びの要素としても取り入れていきます.
あなたが該当分野に関して何か本をお持ちなら,
そこに書いてある例から引っ張って提出しても構いません.
お手持ちの本ともっと仲良くなれるでしょう.

この講座のポイントとして完全に一般的な状況での議論を意図的に控えることがあります.
やりすぎると道筋が見えづらくなってしまうからです.
ギリギリのラインを突いていく中で見える世界に本質が眠っていることもあります.
しかしそれは全体像が見えてから深めていけばいいことも多いです.
初学の段階では飛ばしていいところは確かにあります.
そしてそれは初学者にはわからないことです.
数学世界の中で迷子にならないために,
その手の取捨選択を積極的に取り入れることこそが必要です.

これは特にベクトル解析と関数論での対応を考えています.
ベクトル解析はきちんとやるなら多様体上でのストークスの定理としてやるべきでしょう.
ベクトル解析のレベルで頑張ることもできますが,
それならいっそ多様体上の微分形式とその積分の長い旅路を突き進む方がよほどいいです.

関数論にしても「正則性の定義に導関数の連続性は不要」という極めて強い結果があります.
多変数関数論でさらに深い結果もあり,
その証明も含めて関数論の醍醐味の 1 つと言えるでしょう.
しかしこれはいろいろな本に書いてあることです.
むしろそちらをがんばりすぎて全体的な筋が見えにくくなることの方が心配です.
一般性を犠牲にしてでも大事な筋を最短経路で見渡すことの方が大事です.
講座全体の目的から見ても過剰な一般化で議論を複雑にするのは避けなければいけません.

その一方で大事だと思ったことは積極的に一般化・抽象化していきます.
「これは他書に譲る」とされがちなところも必要なら積極的に完全な証明をつけます.
入門書には書いていないことも積極的に紹介します.
これは次の 2 つの目的があります.

  • 1 度はやっておかないといけないしやっておくべきだが, 2 度はしなくていいことがある.
  • 面倒だろうがきちんと細部まで詰め切ることに意味がある議論や証明がある.

前者では例えば多様体上での 1 の分割の議論でしょうか.
パターン化されている議論でもありその型を覚えることも大事で,
1 度はやっておくべきですが面倒だから 2 度はやりたくないな,
そういう議論があります.
数学をやる上での通過儀礼のようなものです.
多様体上でのストークスの定理もこのタイプですね.

後者ではリース-マルコフ-角谷の定理です.
この証明, やっていることはシンプルですが証明は本当に長いです.
極限に関する議論を丁寧に積んでいく必要があって本当に面倒です.
しかしその中で靜かに確実に 1 歩 1 歩目的へ近付いていく,
まさに学問といった感じの雰囲気が感じられますし,
何より関数解析系の解析学の真骨頂とも言える極限解析のエッセンスが詰まっています.

そしてこの定理は超関数と測度のバージョンもあったりと,
広く深い射程距離を持ち,
測度論, 位相空間論, 積分論, 連続関数の空間論など
解析学の基礎を総動員して迎え撃つ, 豊富な内容を持った証明が展開された大定理です.
証明まで含めて味わうべき定理です.
こんな関数解析の華とも言える定理の証明を外したら私の数学的センスが疑われてしまいます.
こういうのはきっちりやり切ります.

念のため, そして大急ぎでお伝えします.
参加されたからといって宿題は必ずしもやらなくても構いません.
その代わり解答は絶対に見てください.
私はこの講座の本体は宿題とその解答であると考えています.
理解の肝となるレアモンスターをたくさん紹介していきます.
このレアモンスターとどれだけ出会ったかが
あなたの頭の中の数学世界の豊かさを決めます.
そのくらいの重要度設定で宿題に取り組んでほしいですね.

一方で計算問題は少なめにします.
1 つにはボリュームが増えすぎるからです.
もう 1 つは物理・工学系でいい本がたくさんあり,
物理や工学の本を読むだけでたくさん計算練習できるからです.
あなたが数学系なら物理や工学の本を読むのはきついかもしれません.
それなら具体例や反例の構成をがんばってみてください.
証明の中の不等式処理やいろいろな論法の習得もすごく大事ですよ.

「集合, 位相, 微分積分, 線型代数なんてもうやったよ」

あなたはもしかしたら次のようなことをお考えかもしれません.

  • 基本的なところはもうちゃんとやってるよ.
  • 必要なところだけ勉強したい!

あなたが講座で扱う内容のいくつかを既にご自分で勉強されているかもしれません.
それでも最初からきちんと付き合ってもらいます.
1 つの理由としては, 講座全体をひとまとまりとして作っているからです.
中途半端につまみ食いをするなら既存の書籍で十分です.
ご自分でバリバリ勉強を進められた方が有意義でしょう.

もう 1 つの理由, そして本質的な理由があります.
それはきちんと勉強できている人, 理解できている人は少ないからです.
理解の測り方はいろいろあるし, 万能の尺度もありません.
しかし 1 つ評価の定まった測り方があります.
それは適切な例や反例がどれだけ作れるか? という基準です.
以前, 京大でやった数学イベント,
関西すうがく徒のつどいでの講演での話をご紹介しましょう.

高校生でもわかる, 東大の数学の博士学生が思いつかない変な反例

  • 「いまさら学部・教養の微分積分やるのなんてめんどくさい!」

あなたはこう思っていらっしゃるかもしれません.
確かに「もう知っている」と思っていることやそうした分野を
また勉強しないといけないのは苦痛でしょう.

しかしここで持ってほしいのはレアモンスターに会いに行くという視点です.
もっと具体的に言えば変な反例が作れるか? です.

以前, 京大での数学イベント, 関西すうがく徒のつどいで
「いろいろな反例で遊ぼう」という講演をしました.
私が知る限り高校 2 年生の参加者もいました.
そして高校生でも理解できるのに東大や京大の数学の博士課程の学生が構成できない,
しかし高校から教養の微分積分の範囲内の知識で作れる変な例を紹介する講義をしました.

例えば次のような例です.

  • 環から部分環を除いた集合は環になるか?
  • 絶対値を取ることで関数の滑らかさは下がるか?
  • 連続だがいたるところ微分可能でない関数は存在するか?
  • 有界閉集合上連続な関数は一様連続になるか?
  • 各点で関数列の値が収束するなら積分の値も収束するか?
  • 「中間値の定理」が成り立つ不連続関数が構成できるか?

実際には高校や教養の範囲を越えている話もしました.
ここでは高校の範囲でも作れて実際に東大の博士学生に聞いて具体例を知らない,
すぐに作れないとなった問題について軽くお話しましょう.

例えば絶対値を取ることで関数の滑らかさは下がるか?
という問題に関する話です.
高校では「連続だが微分可能ではない関数」として $f(x) = |x|$ という例が出てきます.
絶対値を取る関数ですね.
ここでのポイントは $g(x) = x$ は微分可能であること,
そして微分可能な関数の絶対値を取ると一般に微分可能性は保存されないという事情でした.
高校の教科書にも書いてある基本的な事実です.

ここから絶対値を取ると必ず微分可能性が下がるか? という予想を立て,
この問題を解説しました.
結論から言うとこの予想は間違いです.
絶対値を取っても微分可能性が下がらないことがあります.

あなたはこの例を構成できますか?

構成できないというのなら,
あなたはまだ教養の微分積分が見せる魔界の奥底まで探険しきれてはいません.
これが数学科の数学の世界です.

もう 1 つ突っ込んでいきましょう.
今後は逆に, 微分不可能な関数の絶対値を取って微分可能になることがあるか?
こういう問題を考えます.
真偽から問うのが本筋ですがそういう関数は存在することがわかっています.
で, 本題.

あなたはこの例を構成できますか?

もっと苛烈なバージョンがあります.
いたるところ不連続な実関数で, 絶対値を取ると実解析的になる関数を構成してください.
これが東大の博士学生に聞いても知らなかった・構成できなかった問題です.
もちろん原理的には高校生でも作れるし, 高校の範囲内の数学で作れる例です.

あとさっきの問題のこんな変形も考えてみましょう.
$f(x) = |x|$ は 1 点でだけ微分不可能な連続関数でした.
そこで 1 点でだけ連続な関数があるか?
このバージョンを考えてみてください.
「1 点だけ」という部分を抽出して他のところを変えてみました.
高校の範囲の知識で作れます.
しかし下手をすると数学科の学生でもすぐには作れないはずです.

こういう落とし穴やイレギュラーをどれだけ知っているか,
作れるかでその人の数学力,
その人の頭の中の数学世界の広さ・奥深さが垣間見えます.
先程も紹介したミスター反例とさえ言われた永田雅宜先生が偉大な理由もここにあります.
驚異的な例の構成はそれ自体クリエイティブな営みです.

私も修士は数学科でした.
その観点から改めてこうはっきりと言っておきましょう.

  • 優れた例や反例を作れる人はかっこいい!

どんな具体例を作るかでその人の数学観も見えます.
例えば私なら物理に起源がある困った例が好きですね.
解析が好きな人ならそういう例を挙げるでしょうし,
代数好きな人からそういう例や見方をするでしょう.
例の作り方・挙げ方にその人の数学が出ます.

あえてこう書きます:
変な例を見ると自分の常識が壊されます.
数学世界はそんなにも広かったのかと.

今まで読んでいた教科書は危ないことがないようにと,
本の著者がちゃんと道を整えて変なところに行って怖い目に遭わないようにしてくれているわけです.
その垣根を破壊して探険に行きましょう.
自分の数学を探しに行きましょう.

そして例を作ることは問題を作ることです.
問題を作ることで自分の数学が育っていきます.
その問題を解くための数学を探しに行きます.
あなたが物理や工学などの応用をやりたくて数学を勉強しているなら,
まさにそういうスタンスで数学をやっているわけです.
数学科の数学をやるときにもそういうスタンスで臨みましょう.

頭がそういうモードになると何かを見たときにも脳が勝手に解決策を見つけてくれます.
そういうモードの思考回路を,
研究者モードの思考回路を作りましょう.
何も人類上の未解決問題を解いて論文を書くだけが数学の研究ではありません.
すでに誰かが調べていたことでも自分が知らないことを自分で解決したならそれは立派な研究です.
すでに研究があったなら, それはそれだけ皆が気になる面白い問題を自分の力で作ったということです.
数学的センスと呼ぶべき何かがあるのなら,
まさにあなた自身の数学的センスの良さを示す事実です.

よく大学院の修士では問題を解く力をつける,
博士では問題を作る力をつけることが目標と言います.
この講座ではその博士の力を鍛えてもらいます.
それがレアモンスターに会いに行くことです.
あなただけのレアモンスターを見つけてください.

実際に関西すうがく徒のつどいの講演の感想で頂いた内容や,
Amazon で販売している DVD へのレビューをご紹介しておきます.
例を作ることの重要性だけではなく,
その面白さを感じてほしいです.

  • 命題に対して仮定を外してみるということはよく行うことですが, その大切さをあらためて再認識しました.
  • 反例を探すというのは普段意識してやることでなく新感覚でおもしろかった.
  • 例を作る大事さがわかった.
  • 数学を学ぶ姿勢なども学ばせてもらいました.
  • ちょうど解析を復習していたので, そのモチベーションや勉強全般への態度を見直すいい機会になりました.
  • 学ぶ姿勢を考え直すきっかけになりました.
  • 自分で例をつくって遊ぶことの大切さを改めて感じました.
  • 素朴な内容だったように感じましたが, わかりやすくて面白かったです.
  • 最近仰ってたような反例の作り方をして遊んでいた所なので, 尚更スゴク楽しかったです.
  • 反例, 仮定を変えるのはあらためて重要だと思ったし, とても良い講演でした.
  • 例, 反例の作り方 (思考回路) というのが, これからすごく役立ちそうです.
  • 特に例から例を作るという方法を使っていきたいです.
  • 分かりやすい話でしっかり聞けてよかったです.
  • 身近な例でわかりやすかったです

次のコメントは Amazon の DVD へのレビューです.

  • コメント 1

本作は「反例をつくる」ということに注目した数学科 1, 2 年生程度の
「反例を作る」という事は少し数学をやっている人達の中では当たり前に行われている事である.
しかし, 数学書にはどのようなプロセスでその反例が考えられたのかは載っていないことが多い.
プロセスが見えやすいものもあれば,
「どうやったら思いつくんだよ! 」などと思ってしまうものも存在する.
そのような見えづらい反例を減らすのに必要なことが,
その問題の”背景”を考えてみることだということをこの DVD はサジェストしてくれる.
この点は良い勉強になった.
このような年長者の経験的な部分を学べる機会というのは非常に有益だと思う.
また, 数理物理が専門の方である事もあり,
超関数が物理からの要請によって生まれた数学的対象であるという話をされていた.
この話は聞いたことが無かったため新鮮だった.

  • コメント 2

この DVD で扱われる内容のレベルであれば,
大学で学ぶ数学に興味がある高校生から,
実際に数学を学んでいる教養学年の学部生あたりが適切かと思う. あるいは既に大学を卒業し,
数学から離れてしまったひとが純粋数学を懐かしむ為に見るという見方もできるかもしれない.

DVD 冒頭で相転移 P が述べているように,
小さくてもよいから自分で問題を作り, 自分で解くことが大切だ.
これは学部生であれ院生であれ何かを研究するという立場にあれば必須ではなかろうか.
既存のテキストや論文から天下り的に定義や例を学ぶのではなく, 自分で作るという点に意義があるだろう.
この DVD では相転移 P がそのお手本となるように講演している.

この DVD を視聴している間も, 「他にこんな反例も作れる」と自分で例を考えてみるとよいだろう.
あるいは問題の方を自分で改変してみて, その解答を自分で作るというのも訓練になるだろう.

DVD であるというだけでなく,
数学の内容よりむしろ「やり方」に着目している点も評価されていい作品ではなかろうか.
この DVD を視聴した学生が「自分でもやってみたい」と思って研究を深めていってくれることを期待する.

  • コメント 3

また, 数学 (というか研究活動全般) を勉強する上で非常に大切なトピックが
随所に散りばめられており, 相転移 P 氏がイントロダクションで述べている
自分で問題を設定する
設定した問題は, (出来れば自分の能力の範囲で) 解ける問題である必要がある
という部分はかなり大切だと個人的に思う.

  • コメント 4

受験勉強として数学を学習していると, 過去問題の演習が中心となりがちである.
模試や参考書, 問題集の解答は一昔前と比べれば, 格段に新設になっていると感じるが,
それでもどのような経緯でその解答に至るのか不明なまま,
無理矢理に納得して学習している高校生が多いことだろう.
そんな経験がある高校生にはぜひ, この DVD を見てほしいと思う.

問題の背景についても詳しく解説があり,
さらに, 問題を作ることの大切さにまで言及している.
きっと高校生にとって, 数学に対する見方が大きく変わることになるだろう.

理系学部を志望している生徒さんに, ぜひ見ていただきたい DVD である.

  • コメント 5

よくわからない数学, 反例をつくって遊ぼうの DVD 鑑賞した.
既知のことでも, 反例をつくって考えてみるという普段疎かにしていることへのよい啓発になったし,
知らない分野では, 数学の豊潤な世界を垣間見させてくれて,
数学のあのなんともいえない昂揚感みたいなものを改めて想起させられた.
とくに後者が自分にとって得るところが大きかったので購入して元は取れたというか, 買った価値は十分ありました.
また気分転換の時にでも何回か見返したいと思う.

期間はどのくらい?

いまのところ 2 年程度を予定しています.
あなたと一緒に 1 から新たに作り上げていくので,
現時点で正確な期間は明言できません.

講座のカリキュラムを再度掲載します.

  • 集合論
  • 実数論
  • 位相空間論
  • 測度論・積分論
  • 線型代数
  • 関数解析
  • 微分・変分
  • フーリエ解析と超関数
  • ベクトル解析
  • 関数論 (複素解析)
  • 常微分方程式論
  • 偏微分方程式論

ポイントを絞ることで各分野をそれぞれ 2-3 ヶ月程度でポイントをおさえていきます.
分野によっては期間に多少の伸び縮みはあるでしょう.
例えば集合や位相は使ってなんぼというところもあり,
それ自体を深くはやりません.

公理的集合論や数学基礎論, 数理論理学といった,
集合論が専門になる分野ならもっとやるべきことはありますし,
位相空間論でも general topology と呼ばれる専門分野になれば,
それはそれで深く広い世界があります.
しかしふつうの数学をやる上で最低限おさえるべき内容はそれほど多くありません.
むしろそれがどう活きるのかを知る方がよほど大事です.

  • 1 分野を 2-3 ヶ月というのは短くないか?

あなたはそう思われているかもしれません.
確かにそれぞれ本 1 冊割かれるボリュームですし,
場合によっては 400-500 ページの本になっていることもあります.

しかしそうした分野を絞り込んだ本は,
初学の段階では知る必要がない細々とした話もたくさん盛り込まれています.
1 冊でその分野の世界を幅広く, そして詳しく案内したいと思ったらそうもなるでしょう.

ここでイメージしてほしいのはその本を指定の教科書にした講義です.
大学の講義は 4-7 月, 10-1 月の 4 ヶ月程度が半期で,
この中で教科書 1 冊の範囲を終えるくらいのペースです.
細々とした議論を全てやれるはずもなく,
その教科書の細部まで読み切るために必要なポイントを解説していくのがふつうでしょう.
この講座で扱う範囲や内容も同じです.
講座を終えたあと, あなたご自身で希望の分野や内容をもっと深く勉強していくために
1 番重要なポイントに絞って解説をしていきます.

1 ヶ月の講座配信ペースは 2-4 回を予定しています.
あなたは 2 回というのは少なく感じるかもしれません.
しかし宿題の解答回もあるので,
実際にはこの 1.5-2 倍になると考えてください.
内容的には解答回こそ本編になる回もあるでしょう.
その他に適宜補足コンテンツも出していきますし,
実質的には毎週何かしらコンテンツが配信されるくらいの形になると思っておいてください.

コンテンツ配信形態は?

現代数学観光ツアーと同じく PDF 配布がメインです.
必要なところには動画など適切な形式も検討します.

1 番の目玉は宿題提出です.
宿題を見ながら内容を調整したり追加コンテンツも計画します.
何より取り組んで楽しい宿題を出していくつもりなので,
ぜひ積極的に提出してほしいです.

もちろん単に宿題を提出してほしいと言っても,
忙しいあなたには大変なこともあるはずです.
そして毎回頑張って提出される方には特別に何か応えたいと思うのも人情です.
そこで宿題提出でたまるポイントに応じて特典をつけます.

メインは次の 2 点です.

  • 宿題で提出した課題の添削権.
  • Skype での無料相談権.

宿題で提出して頂いたものは全て確認します.
しかしその全てに即座に・詳細にコメントをつけたり添削したりするのは難しいです.
現代数学観光ツアーですら数百名を越える参加者がいらっしゃいます.
多種多様な質問があり, それにお答えするには相当の時間を使います.
自分の質問に早く・優先的に答えてほしいというご要望も頂いていますが,
対応しきれないのが現実です.
そこへの対策としてこうした権利をご用意しました.
ぜひ有効利用してください.

また単純な学習コンテンツだけではなく,
数学する時間を作るための時間管理術のような適切な補助コンテンツも順次配信していく予定です.
定期的なモチベーションアップのための布石でもあります.
勉強ばかりでは疲れてしまうのも人間です.
程よく息抜きもしながら楽しく数学していきましょう.

参加条件

さて, 現代数学探険隊という形でいろいろなご提案をしてきました.
この講座に参加するには条件があります.
といっても特別な条件ではありません.

その条件とは毎月 3,990 円の参加費です.
それ以外には学歴や出身が文系理系かなども一切問いません.

私はこれがそんなに楽な条件だとは思っていません.
金額だけの条件ですがこれは決して安い参加費ではありません.
毎月 1 冊数学書が買える値段です.

しかし私はこの金額をチャージします.
現代数学観光ツアーと違い無料では展開しません.
それはもちろんこの講座の展開は
私にとってそれだけ大きなことだからです.
片手間の, 無料のボランティアではできないことをやっていくからです.
自分の人生を本気で賭けて展開するからです.
そしてあなたにも相応の覚悟をもって参加することを望みます.

あなたにとっても大事な金額に関する話をもう少し続けます.
他の大学レベルの数学をサポートするリアルの塾や教室にかかる費用についてです.

ある教室では入会金に 20,000 円かかり,
50 分の講義ごとに 7,000-13,500 円かかります.
他のある教室では年会費に 3,000 円かかり,
1 回の講義ごとに 5,500-12,000 円かかります.
これらはリアルの教室ですから,
交通費やそこまで移動する時間もかかります.

提供するサービス内容が全く違うので,
金額だけを単純比較しても意味はありません.
リアルでやっている教室は場所代などの諸経費も乗ってくるため,
必然的に費用がかさみます.
専門的な内容を教授できるだけの能力を持った講師を集めるのも大変です.
その人件費もありますから上記の費用感は妥当だと思いますし,
安いとすら思います.

そう思うと 3,990 円の現代数学探険隊は安すぎて,
むしろあなたは不安を感じるかもしれません.
安かろう悪かろうで手抜きをするのではないかと.
もちろんそんなことはしません.
次のような理由から,
あなたが約 2 年の継続受講のために使えるであろう限度額と,
講座の運営コストを考えたギリギリのバランスで設定しました.

あなたの人生は数学だけではありません.
いろいろな付き合いがあり,
いろいろな出費があるはずです.
その中で数学に確実に毎月割けるのは,
ちょっと進んだ内容でしっかりした本を 1 冊買ってみる,
そのくらいの金額だと思います.
学部 4 年クラスの本になると 5,000 円を越えることもあれば,
学部 4 年セミナーに使うレベルの洋書となると
1 冊で 20,000 円を越えることもあります.
この講座で扱っていく内容とあなたが毎月確実に数学に割けるであろう金額,
そして実際の講座運営にかかる費用,
これらを考えた金額として 3,990 円という値段に設定しています.

これ以上高いとあなたが講座に参加し続けるのが難しくなるでしょうし,
これ以上安いと私が講座を運営し続けるのが難しくなります.

この現代数学探険隊はネット上で展開する通信講座です.
いくらテクノロジーが発達した現代であっても,
リアルでのコミュニケーションの濃さをオンラインでは実現・再現できません.
その代わりに時空に囚われないコミュニケーションが実現できます.
これはもちろんリアルで身近に仲間を作りづらいあなたのための措置ですし,
できるだけ多くの人に自分のメッセージを届けたい,
仲間をたくさん作りたい私の意志から来る措置でもあります.

この現代数学探険隊で勉強したい, 仲間を作りたい,
そんなあなたはぜひ勇気を持って 1 歩を踏み出してください.

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注意
銀行振込の場合,
お試し期間がなく半年ごとの一括払いです.
特にお試し期間がないことに十分ご注意の上ご登録ください.

登録後の注意

迷惑メール対策

登録完了メールが迷惑メールに入ってしまうことがあります.
登録直後に『測度論に活きる集合論/現代数学探険隊』というメールが届くはずです.
来ない場合は迷惑メールに振り分けられていないかご確認ください.

途中解約 OK

講座は途中で解約することもできます.
あなたには数学以外にもやるべきことがたくさんあるはずです.
忙しくなり数学どころではなくなることもあるでしょう.
そうした場合, 途中からでも解約できます.
一度受講したら最後, 全部終わるまで契約を続けなければいけないということはありません.

最後に: まず何をするべきか?

あなたにいま 1 番必要なことは決断です.
この現代数学探険隊に参加するなら参加する,
参加しないなら参加しないと決断しましょう.

あなたの人生はまだまだ続くはずです.
そしてもちろん今が 1 番若いです.
学びはじめるのに早いも遅いもありません.
これまで何度失敗してても関係ありません.
いまここから, ちゃんと始めてください.

あなたが参加しないと決めたとしても,
ここまでご覧になったあなたは数学の勉強を続けていこうと思っているはずです.
そんなあなたの行動指針として今後は仲間を増やすこと,
そして自分が教えるサイドに回ることも目指して勉強してください.
人に教えるのが 1 番効率もよく効果も高い勉強法です.
他の人と交流することでその人の世界観も取り込んでいけるようになります.
勉強しやすい, 続けやすい環境を作るようにしてください.

くり返しになりますが, 毎月 3980 円は決して安くない金額であることは承知しています.
あなたは参加してみたくても費用で悩んでいるかもしれません.
そこで 2 週間の無料お試し期間を設定しています.
迷っているならまずは無料で試して受けてみてください.

いくら名著と言われる本でも合わない人がいるように,
お試し参加してみてあなたには現代数学探険隊が合わない可能性もあります.
無料お試し期間の設定は,
無用な摩擦をなくしてお互い気持ちよく関係を続けていくために大切な措置だと考えています.

私自身, 大学院を出てから 10 年近くかけて大学を出ても数学や物理を学び続ける環境,
新たな情報を手に入れ続けられる環境を作ってきました.
その輪にもっとたくさんの人を入れたいし,
子供の頃の自分も入れてあげたいと思っています.
今回の現代数学探険隊はそのための大事で大きな一歩になる確信があります.
あなたにとっても大きな一歩になるはずです.

ぜひ一緒に数学世界を探険しましょう.
このあとはもっと深い数学世界に行ってもいいし,
もっと広い数学世界を見に行ってもいいし,
物理の世界に行ってもいいし,
他の何かでもいいでしょう.
まずは勇気を持って一歩を踏み出してください.

追伸

このページもだいぶ長くなりました.
最後に要点をまとめておきます.

この通信講座, 現代数学探険隊では次のような話題を順に扱っていく予定です.
内容は削ったり追加したりすることもありえます.

  • 集合論
  • 実数論
  • 位相空間論
  • 測度論・積分論
  • 線型代数
  • 関数解析
  • 微分・変分
  • フーリエ解析と超関数
  • ベクトル解析
  • 関数論 (複素解析)
  • 常微分方程式論
  • 偏微分方程式論

基本的には論理的にギャップがない順番で進めていきます.
ただし例だけはその時点でやってないことや観光ツアーで
紹介したものもどんどん出します.
そうしないと今やっていることがこれから先,
どこにどう繋がるのかわからないから.

レアモンスターに会いに行こうという標語のもと,
それを学ぶだけであなたの数学世界が広がっていくような,
面白く本質的な例や反例をご紹介していきます.
これは特に宿題として出していきます.
聞けば簡単, しかし自分で作るのは難しい,
そして触れれば数学世界の見方すら変わる楽しい問題を出していきます.

そして宿題を提出するとポイントがたまっていき,
そのポイントで次のような権利が得られます.

  • 宿題で提出した課題の添削権.
  • Skype での無料相談権.

もちろん常にアンケートや質問は見ていますし,
重要な指摘は優先して答えていきます.
それでも数十人から数百人が参加するこの講座では
全ての質問に即座に答えていくことはできません.
しかしどうしても自分の質問に優先的に答えてほしい,
そうしたご要望はあるはずで.
私としても熱心に参加されているあなたはなるべく手厚くサポートしたいと考えています.
宿題を熱心に提出してくれるあなたへのご褒美と思ってください.

そして単純な学習コンテンツだけではなく,
数学する時間を作るための時間管理術のような適切な補助コンテンツも順次配信していく予定です.
定期的なモチベーションアップのための布石でもあります.
勉強ばかりでは疲れてしまうのも人間です.
程よく息抜きもしながら楽しく数学していきましょう.

これらのサービスを月額 3,990 円で提供していきます.

毎月 3,990 円という金額は決して安くありません.
あなたは費用の面から参加を迷ってらっしゃるかもしれません.
そんなあなたのために 2 週間の無料お試し期間を設けています.
だらだらとやっていてもお互いによくありません.
私も 2 週間の中で参加を決断してもらえるよう,
誠心誠意やっていきます.

ぜひともに数学を勉強していきましょう.
この講座は私が描く未来にとっても大きな 1 歩です.
あなたもぜひ勇気を持って 1 歩を踏み出してみてください.

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お試し期間がなく半年ごとの一括払いです.
特にお試し期間がないことに十分ご注意の上ご登録ください.

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登録直後に『測度論に活きる集合論/現代数学探険隊』というメールが届くはずです.
来ない場合は迷惑メールに振り分けられていないかご確認ください.

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