前置詞

前置詞の格支配

  1. Kazuya fährt mit dem Fahrrad um den See. (カズヤは自転車で湖の周りを走る.)
  2. Trotz des Regens spielen die Kinder im Garten. (雨なのに子供たちは庭で遊ぶ.)

第 1 文 は mit と um, 第 2 文は trotz と in があります. 第 1 文では mit の後ろの dem Fahrrad (自転車, das Fahrrad) は 3 格, um の後ろの den See (湖, der See) は 4 格です. 第 2 文では trotz の後ろの der Regen は 2 格, im は in と dem の融合形で, in の後ろの der Garten は 3 格です.

名詞の格はいわゆる主語や目的語のような文法的な意味を持っていました. しかしドイツ語の前置詞はその文法上の意味とは無関係にしたがえる名詞の格が決まっています. これを前置詞の格支配と言います. 格支配から見るとドイツ語の前置詞は次の 4 グループにわかれます.

前置詞の意味

英語と同じく個々の前置詞にはいろいろな意味・用法があります. そして英語と語源を同じくする前置詞であっても, 英語のそれとは正確には対応しません. 辞書, 特に Wiktionary を見るとよくわかります.

一つ例を出しておきます.

Cognate with Middle English mid ("with").

  • with (in the company of; alongside)
  • with, by (using as an instrument; by means of)
  • with (as an accessory to) .- with (having) .- at (with the age of) .- with, including, with ... included

基本的には with と一致するにせよ, by や at の意味も含むのです.

格支配もあるので一朝一夕には身につきません. やはり具体的な例文の中で少しずつ覚えるしかありません.

2 格支配

よく出てくる前置詞

2 格支配の前置詞のうちでよく使われるのは次の 4 つなので, まずはこれを例文とともに覚えましょう. 他の前置詞と違ってそれぞれの前置詞の意味も 1-2 個把握できれば十分です. 詳しくは前置詞まとめを参照してください.

3 格支配

よく出てくる前置詞

まずは次の前置詞を覚えましょう. 個々の単語について詳しくは前置詞まとめを参照してください.

定冠詞との融合形

次のような融合形があります.

4 格支配

よく出てくる前置詞

詳しくは前置詞まとめを参照してください.

定冠詞との融合形

次のような融合形があります.

3-4 格支配

格の使い分け

場所を表すときは 3 格と結び付き, 方向を表すときは 4 格と結び付きます.

参考のために in に関する例文を挙げておきます.

よく出てくる前置詞

詳しくは前置詞まとめを参照してください.

定冠詞との融合形

次の融合形がよく出てきます.

da + 前置詞

3 人称の代名詞がモノ・コトを表すときに起きる現象です. 代名詞が人を指すときとモノ・コトを指すときの違いを見るため, 両方の例文を添えます.

前者では人を mit ihm で受けている一方, 後者では mit dem Unterricht を damit で受けています. 前置詞の語頭が母音のとき, つまり auf や in などに対しては da- は dar- に変わります.

wo[r] + 前置詞

mit +「モノ・コト」が damit となるように, mit + was が womit に変わります. 特に口語では前置詞 + was をそのまま使うこともあります.