接続詞の種類

従属文

定動詞の位置

従属文では英語とも主節とも違い, 文末に動詞が来ます.

dass は英語の that で従属節を導く接続詞です. この従属文では定動詞の studiert (studieren) が文末に来ています.

ドイツ語では従属文は必ずコンマで区切ります. これも英語と違います.

助動詞・分離動詞の存在下での語順

例文と一緒に確認しましょう.

ここでのポイントは分離動詞 aufstehen です. 従属文の中では前綴りが分離しません.

これは助動詞が入る場合です. 従属文では「本動詞-助動詞」の順番です.

前者では従属文が先行していて, コンマの後の主文では「動詞-主語」の順です. 主文の語順は後者のようにはなりません. これもやはり定型第二の法則が発動していて, 従属文を第一の要素とみなすからです.

間接疑問文

結論から書くと補足疑問文の定動詞を後ろに置くと従属文になり, 間接疑問文と呼びます.

後者では warum が導く従属文は fragen の目的語です. このタイプの従属文が間接疑問文です.

決定疑問文の場合は従属接続詞 ob で間接疑問文を作ります.

能動文と受動文

基本

受動文と能動文の関係を確認しましょう. 特に格に注目します.

受動文の主語 (der Schüler) は能動文の 4 格目的語 (den Schüler) に対応します. 目的語でも 4 格でなければ受動文の主語 (= 1 格) にはならないので, 4 格という格が重要です.

前者の能動文の目的語 (dem Schüler) は 3 格です. 後者の受動文でも主語にはならず 3 格のままです. 特に後者は主語がない受動文です.

能動文の主語 (行為の主体) は受動文では表さないことが多く, 表すときは von を使います. 「行為の主体」ではなく原因・手段・仲介者などの場合は durch 表すことがあります.

bekommen 受動文

能動文の 3 格目的語を主語にして過去分詞と bekommen で作る受動文を bekommen 受動文と言います. 例文を見ましょう.

前者の文を見ると schenken の過去分詞 geschenkt と bekommen で意味は「プレゼントされる」です. これも一種の受動文で, 対応する能動文は後者です. 前者の主語 ich に対応するのは後者の 3 格目的語 mir です.

自動詞の受動文

基本

改めて書くと, 受動文の主語になるのは対応する能動文の 4 格目的語だけです. 4 格目的語を取らない動詞 (自動詞) の受動文に主語はありません. 例を見ましょう.

自動詞の feiern を使った受動文です. 文頭の es は形式的な主語で, 定動詞 wurde を第二位にするために置いてあるだけで, 次の文のように他の語句が文頭にあれば es はなくなります.

「誰が」よりも「何をする」かの方を前面に出した表現を見てみましょう.

前者の 3 格目的語や後者の前置詞付きの目的語などは受動文でもそのままの形です.

翻訳の都合

ドイツ語では受動態でも日本語にするときは「---れる・---られる」にしない方が自然な表現になることがよくあります. 特に自動詞の受動文に当てはまります. これも例を見ましょう.

これを (NG) のように受身で訳すと「笑い者にされた」というような意味になってしまいます. この例文は「誰が」を一々言わずに「何をした」かを説明しただけの文なので, (OK) のように訳す必要があります.

追加でいくつか例文を挙げておきます.

状態受動文

基本

過去分詞と sein を組み合わせた受動文を状態受動文と言い, 名前の通り結果の状態を表します. 過去分詞と sein の組み合わせには完了形もありますが, これは自動詞だけです.

状態受動文は他動詞, つまり 4 格目的語と結び付く動詞で作ります.

一方で過去分詞と werden の組み合わせは動作を表します.

例 1

例 2

助動詞構文のまとめ

助動詞構文を整理します.

基本

これらは色々組み合わせられます. 意味を取るときは定動詞を最後に移動して左から順につなげます.

意味を取る作業を箇条書きにしておきます.

関係代名詞と関係文

基本

英語のときと同じ用語を使って例文で説明します.

関係文は常にコンマで区切ります. これは das ist der Pulli (これがそのセーターだ) の der Pulli (セーター) に der gefällt mir am besten (それが私は一番気に入っている) をつなげた文です.

カンマ直後の der が関係代名詞で, 関係代名詞は先行詞の性と数に一致させます. 特に特定の先行詞に係る関係文を作ることから定関係代名詞と言い, 定冠詞・指示代名詞と同じ形です. さらに der から gefällt までが関係文, 関係文が係る名詞 (der Pulli) が先行詞です. 関係文は従属文なので定動詞 gefällt は文末に置きます.

関係文には次の二つの役割があります.

逆に英語はカンマの有無でこれを表現しわけたとも言えます.

関係係代名詞の格

格変化表

男性 中性 女性 複数形
1 格 der das die die
2 格 dessen dessen deren deren
3 格 dem dem der denen
4 格 den das die die

基本

関係代名詞の性と数は先行詞と一致させます. 一方で関係代名詞の格は関係文の中での文法関係で決まります.

英語と同じく前置詞つきの関係代名詞もあります.

例文

関係文を作る wer, was, wo

基本

ここで説明する wer や was を不定関係代名詞と言います. なぜ不定と呼ぶかと言えば特定の先行詞をもたないからです. 対になるのは特定の先行詞を持つ der などでこれらは定関係代名詞と呼ぶのでした.

wer

格変化

疑問代名詞と同じように格変化します.

wer
1 格 wer
2 格 wessen
3 格 wem
4 格 wen

基本

定動詞後置で「---する人」という意味を表す用法があります.

Wer A sagt の意味は「A と言う人」で, 主語として muss auch B sagen につながります.

was

定動詞後置で「---するもの」や「---すること」という意味を表す用法があります.

ここでは was wir für die Party brauchen の意味は「私たちがパーティーのために必要なもの」で, 目的語として wir müssen noch kaufen と結び付きます.

先行詞として alles, etwas, nichts, das あるいは形容詞の名詞化 (中性単数) などを取ることがあります.

wo

英語でいう関係副詞として定動詞後置で関係文が作れます.

同じことを関係代名詞で書いた例文を並べておきます.

接続法

概要

基本

接続法の勉強のためにも, まずは動詞の人称変化を現在形・過去形・完了形ともに復習しておいてください. これまで単に現在形や過去形と呼んできた形は厳密には直説法現在形および直説法過去形と言い, 直説法が接続法に対する言葉です. 動詞の定形には現在形・過去形以外に接続法第 1 式と接続法第 2 式があります.

接続法の用法は大きくわけて次の三つです. それぞれの用法の典型的な意味と, 出てくる動詞の形を表にまとめます.

用法 典型的な意味 動詞の形
間接話法 「---と」 (言った) 接続法第 1 式または第 2 式
非現実話法 「---ならば…だろう」 接続法第 2 式
要求話法 「---であれ / ---となれ」 接続法第 1 式

例文