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学習の基本

基本

語学学習の基本は発音練習です. もしあなたが (私のように) 本を読むことだけに興味があるのだとしても, です.

その最大の理由は言語は音主体の概念だからです. 文字が発明されたのも, ましてや多くの人が読み書きできるようになったのはつい最近です. 音は言語にとってそれだけ多くの情報を持っています.

単語を覚えるときも単語の音のイメージが重要です. 例えば英語では sp がつく単語には, そのスペルと音から来る「シュパーン」というイメージがあります. たとえばスプラッター映画の splatter には「シュパーンと跳ねる」イメージがあります. 他にも speak は「唾を飛ばしてしゃべる」のイメージです. 英語で格が消滅したように, 音の都合によって歴史的に文法が変わることさえあります.

はじめは雑な発音でも構いません. まずは音読の習慣をつけましょう. 全てはそこからです.

発音抜きの語学の数学・物理対応版

おそらく「発音抜きの語学は式抜きの数学・物理」と同じです. 文の強弱のリズム・ストレス・メロディをまとめてプロソディと言います. 言語はもともと文字を持っていませんし, 音に載せないとわからない部分がある. 聞いて心地良いリズムがあり, 発音のしやすさをはじめとして音は文法にさえ影響を与えます.

俳句の五七五など, 言語コミュニケーションでは語呂の良さもとても大事です. これを書いている時点でヒンディー語を勉強したことがないためどこまで本当なのかかわからないものの, ラマヌジャンを育んだインドのヒンディー語は音のリズムがよいと聞いています. 他にはイスラム教のクルアーンも韻律を重視した文章だとか.

広い意味での暗記

これは単語・熟語もそうですし, 活用・格変化を含めた文法もそうです.

何をどう言おうが言語は一定のルールを持ちます. 通じると言えば通じるけれども, それがわかりやすいかは別です. もしあなたが誰かと・何かとコミュニケーションを取りたいなら, 適切なルールに則った方がうまくコミュニケーションできるはずです. その一つがまさに文法です.

日本語を母語とする日本人は文法について細かいことを勉強したことがなくても日本語を話せます. それと同じくらいの膨大な量を浴びれば, 他の国の言語もある程度は自由に操れるでしょう. しかし日本語と同じだけの量を浴び, その中から自力でルールを見つけ出して運用するのは何をどう考えても時間の無駄です. 効率ばかりが全てではありませんが, あまりにも効率が悪すぎるのは問題です. もしあなたが世界の誰も文法を知らない言語を研究しようとしているならともかく, あなたは語学を何かの目的のために勉強しているはずで, できる限り効率よく効果的に勉強したいはずです. 延々とくり返す中でようやく三人称単数現在の動詞には s がつくことを自力で悟るのを待つより, 人称・数・時制のような文法概念を知り, 三単現の s を法則として学び, その法則の適用練習をした方が遥かに速く楽です.

なぜ多言語を扱うのか

このサイトは理系のためのリベラルアーツ・総合語学という大きな方向性があります. その中で語学, 特に英語は重要な核の一つです. 英語一つだけでも大変なのになぜたくさんの (自然) 言語を扱うのかと思っている方がいます. あなたもそうかもしれません. 結論から言えば総合的な言語への認識を上げるため, とりわけ自然言語の運用力を上げるためです. もっと強く言えば, 母語 (である日本語) の運用精度を上げるためです. 以下, 母語の代わりに日本語と書くことにします.

よく言語に関する能力は母語 (日本語) の能力で決まると言われます. 実際, 日本語で言われてさえわからないことが英語や他の言語ではまず理解できません. かといってなかなか日本語それ自体を勉強するのは大変です. いちいち日本語学・日本語の言語学の専門書の適切な記述にあたれるわけでもありません. そんなときは比較対象として他の国の言語を勉強することで, 逆説的に日本語に焦点を当ててみよう, それが多言語に触れる理由です.

例えば実際にロシア語の本を読んでいて出会った例を挙げましょう. 日本語で「医者の兄」というとき, 「ある医者の兄」と「医者である兄」の意味があります. しかしロシア語ではこれらをはっきり区別します. 特に брат доктора (brat doktora) は「ある医者の兄」の意味です.

特に自然科学は日常に潜む何気ない現象を詳しく調べることが全てのはじまりです. 日々話す日本語・自然言語の何気ない現象に目を向け, 一歩立ち止まって考えるのは自然科学を考える上でも大事な営みです. 英語だけでは見えない世界もたくさんありますし, 言語にも好き嫌いがあります. だからこそいくつかの言語の世界に触れてみよう・触れてみてほしい, そんな思いを込めて私自身日々勉強しています.

基本ツール類

Google 多言語検索帳は各シートの一番左に単語を入れると, 多言語での Google 翻訳の結果を一気に出力してくれます. もとが Google 翻訳なので単語だけではなく文章も翻訳できます. 各シートごとに翻訳元の言語をいろいろ変えられます.

Basic English のシートは基礎語 850 語あれば英語でコミュニケーションできる, という思想のもとに整理された英単語集の単語をもとに, 各言語の翻訳を Google 翻訳で自動生成しています. 他の言語でも基本的な単語が対応しているはずなので参考になると思って作った資料です. このシート自体には他の資料からの単語も叩き込んであるので, 出典の列から BasicEnglish で絞り込んでみれば 850 語だけが見られます.

必ずしも翻訳の精度は高くありませんが, さっと多言語を串刺しにして調べる分には便利です. 特に明らかな類似がある単語・言語を眺めて遊ぶこともできます.

発音も重要なので, 発音チェック用の資料として, Google 翻訳のページと ReadSpeaker を挙げてあります. Mac には標準の発音チェックツールもあります.

最後の語学コンテンツ集は溝江塾の過去のコンテンツ, 特に昔私が参加したセミナーの資料も入っています. 最後の方に入っている次の 3 つのセミナーの記録は, もとがセミナーの記録なのでまとまっていて読んで楽しいと思います.

私の語学学習・自作コンテンツ資料まとめから一括生成しているので, 私の自作コンテンツも入っています. いろいろあって理工系を志す中高生向けコンテンツとして, 「アインシュタインの特殊相対性理論の論文を英語・多言語で読む」というコンテンツを作っていて, その資料が入っています. 私の現状の知識・調査能力などの限界でろくな解説がつけられていない部分も多いものの, 単語編の Maxwell や bewegen のところがいまのお気に入りです.

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say -v "Amelie" "je suis, tu es, il est, nous sommes, vous êtes, ils sont"

brew install sox --with-lame
sox file1.mp3 file2.mp3 output.mp3