2021-06-09 イタリア語だと思う単語を 1 つ挙げて由来を調べてみた結果

はじめに

これは私が所属している語学コミュニティ向けに書いた文章です.

本文

acqua pazza で何故 pazzo が crazy になるのか調べていたら, これがロンバルディア語に由来する可能性があるというのを見つけ, ロンバルディアといえばドラクエ 2 にロンダルキアがあったのを思い出しました. 何か関係があるのかと思って調べてみたら, 「飽きるだろ」を逆さにしてつけた名前だとかいう話で全く関係なかったようです.

ここを眺めていたら面白かったので, まずはこのページをシェアします. 他にもいくつか見ていて思ったことというか, 追加コメントを書きます.

ロンバルディア

念のためロンバルディアも Wiktionary 先生に聞いてみました.

ラテン語の Langobardia に由来していて, これは 6 世紀にアペニン半島 (イタリア半島) 北部に侵略してきたゲルマン系のランゴバルド族 Langobards ("long beards") に由来するとか. ランゴバルトといえば, ファイアーエムブレム聖戦の系譜の敵キャラで出てきた記憶があります. 確かに髭の生えたキャラで, ランゴバルトに対する髭のイメージは本当に名前の通りだったのだと感心しています.

アレフガルド

アレフガルド … ヘブライ文字の第一文字「א(アレフ)」と古ノルド語で「垣根」、 「園」を表す「ガルド」を組み合わせた造語。「はじまりの国」といった意味か。

この間セミナーで話があった, garden-yard-город事案は古ノルド語にもあったかと改めて認識しました. これはファイナルファンタジー 7 でもミッドガルという街があります. あとモンスターのミドガルズオルムも別名「ヨルムンガンド」で「ミッドガルド(中つ国)の巨大蛇」の意味らしいので, ゴリゴリのエンタメの語学です.

ムーンブルク

ムーンブルク … 英語の「月」(moon)とドイツ語の「城」(burg)を組み合わせた造語と思われる。「月光城」といったところか。

ブルク系もゲームでよく見かける地名です. ドラクエ 4 のサントハイムのハイムも Heim でドイツ語, home です.

グール

グール … アラブの伝承に登場する怪物「グール」(ghoul)が由来。

Wikipedia の記事にもあるように, 日本だとだいたいアンデッド系ですが, アラブの伝承だと生物とのことでちょっと驚きました. そもそもアラブ系だったこと自体いまはじめて知りました.

バーサーカー

バーサーカー … 北欧神話の狂戦士・ベルセルクの英語読み「バーサーカー」(berserker)が由来。

最近, ベルセルクという漫画を描いていた三浦建太郎さんがなくなったのを思い出しました.

Wiktionary を見ると, これも古ノルド語由来のようです.

ヴァルハラ

Wiktionary のイタリア語のところを見たら, これも古ノルド語由来とか. 北欧神話由来なのだからそれはそうかとは思いますが, ファンタジー系では古ノルド語は強いと改めて思います.

その他雑感

いちいち書き切れないので以下省略. いま改めて見ると, 敵モンスター名だけではなく地名にも神話系のネタがたくさんありました.

あと一番びっくりしたのは, ドラクエ 3 はいまの地球の地図とも似せた形のワールドマップで, しかも地名も似せていたことです. ロマリアが「ローマとイタリアを組み合わせた造語」とあって, 言われてみればルーマニアにも語感が似ていることに 30 年越しに気付くという.

呪文系

上記ページを見てもらうとわかるように, ドラクエは日本語とその語感由来の魔法名が独特です. ファイナルファンタジーは英語系ですし, 女神転生系はたぶんサンスクリット由来なので, 魔法名の分析をするだけでもそうとう語感がつくように思います.

ベギラマのところに次のような記述もあります.

堀井雄二氏がハマっていた『Wizardry』の魔法の名前の法則に「上位の魔法は下位の魔法の名前に文字を足していく」

これは割といろいろなところで見るというか, もはや魔法命名の基本のように思います. これにしたがっていないのを探す方が難しそうです.

全然関係ないですが, SD ガンダムのゲームは攻撃魔法に関してガンダム本編の武器から魔法名をつけていて, 当然というか, 他であまり見ない命名体系です.

メガは maha なり何なりの印欧祖語由来というのは前からちょこちょこ出ていますが, ギガは古代ギリシャ語の巨人, ギガース由来だとか. これも少なくとも昔のファイナルファンタジーの敵モンスターで出てきた名前です. 際限ないので調べていませんが, ジャイアントの語源なのだろうとかいろいろなことを思います.

その他: ブランド名の多言語

ブランド名にも言語情報が色々載っていてスペル含めてネタの宝庫です. 例えばこれとか.

万国に通じる音感を持つべきでそこからラテン語的な要素を含む, みたいな話を何回か聞いています.