文¶
正書法¶
г ,к, х, ж, ч, ш, щの直後では次のように書きます.
もと | 正書法 |
---|---|
ы | и |
я | а |
ю | у |
名詞,動詞や形容詞の変化などの語形変化時に適用します. たとえばстуденткаの複数形は末尾が-а(硬音)でыになるはずです. しかし正書法でкの後ろにыが書けないため正書法での複数形はстуденткиです.
断定文¶
基本¶
「何々 / 誰々は---です」という文が断定文です. 現在形では「何々 / 誰々」と「---」をならべて書けばよく, 基本的に英語のbe動詞に当たる単語естьは使いません. ただし定義や熟語的な表現の時には естьを使います.
- Физика есть наука. = 物理学は科学である.
- Работа есть работа. = 仕事は仕事.
英語でいう主語・補語のどちらも名詞の場合には, ふつう単語の間にダッシュを入れます. 代名詞этоなどの場合はダッシュが入りません.
- Москва --- столица РФ. = モスクワはロシア連邦の首都です.
特に「これは---です」と言う場合に使うэтоは遠近によらず, 自分が指し示したいモノを指します. 状況に応じて訳し分けてください.
疑問文¶
疑問詞(кто = 誰, что = 何)がある文は「疑問詞 + это?」がふつうの語順です.
発音時, 大まかに言えば日本語でもよくあるように文末で音調を上げます. 具体的には質問のポイントとなる単語のアクセントのある音節だけ音調を上げます.
否定文¶
否定される語の前にнеをおきます. このときнеは否定される語と続けて読まれます.
存在文¶
「AがBにいる / ある」は「A」と場所を表す「B」を並べます. ふつう「いる / ある」にあたるестьは使いません.
場所を表すには場所の副詞か「前置詞 + 名詞」を使います. 場所を表す副詞をいくつかリストアップします.
- здесь = ここに / ここで
- там = そこに / そこで, あそこに / あそこで
- дома = 家に / 家で
場所を表す疑問副詞 (単に疑問詞とも) はгдеです.
場所の表現¶
場所は次のような副詞で表すか, 前置詞в / на + 前置詞格名詞で表します. ここでвは内部や閉ざされた場所を表し, наは表面や広々とした場所を表します.
単語 | 意味 |
---|---|
здесь | ここ |
там | あそこ |
до́ма | 家で |
二人称単数文(普遍人称文)¶
基本¶
主語がなく動詞が現在二人称単数形no文を二人称単数文(普遍人称文)と呼びます. 動詞の表す動作や状態が誰にでも当てはまることを表し. これを示すために主語を省略します.
現在二人称単数の動詞による二人称単数文は相手に共感を誘う作用もあります. 誰にも当てはまる動作を表すのでことわざにも使われます.
- Тише едешь - дальше будешь. = 急がばまわれ.
次のような文も現在二人称単数文と同じ効果を持つことがあります.
- Век живи, век учись. = 生きている限り学ぶもの.
勧誘表現¶
ロシア語の勧誘表現にはдавáй (выで話す相手にはдавáйте)を使います. 勧誘表現と体との関係は次の通りです.
- Давáй (те) – 不完了体動詞不定形
- Давáй (те) – 完了体動詞未来一人称複数
完了体の場合はДавáй (те)をつける必要はありまねん. Давáй (те)に続けてбýдем + 不完了体動詞不定詞(不定形)という形も使われます.
動作・方向と状態・場所の表現¶
ロシア語では方向の表現と移動を伴わない場所の表現は峻別されます. 英語では「どこへ行きますか?」も「どこに住んでいますか?」も疑問詞はwhereです. しかしロシア語では前者はкуда, 後者はгдеです.
具体的に動詞「~へ~を置く・掛ける」を表す動詞と, 「~においてある・掛けてある」を表す動詞の区別を見てみましょう.
動作を表す場合¶
場所は方向を表す表現「---へ」で, в+対格/на+対格です.
完了体 | 不完了体動詞 | |
---|---|---|
ものを立てて置く | поставить | ставить |
ものを横たえる | положить | класть |
ものを掛ける | повесить | вешать |
状態を表す場合¶
場所は方向を表さない表現「---に・---で」で, в前置詞格/на+前置詞格です.
動詞 | 完了体 | 不完了体動詞 |
---|---|---|
ものが立っている状態 | --- | стоять |
ものが横たわった状態 | --- | лежать |
ものが掛かっている状態 | --- | висеть |
仮定法¶
基本¶
- 型: 動詞の過去形+бы(母音の直後ではб)
仮定法とは現実になっていないことや非現実的なことを表すために使います. 他にも話し手の希望・願望を仮定法で遠回しに表す場合もあります. どの過去・現在・未来を意味するかは文脈や「昨日」などの語彙で判断します.
- Мне хотéлось бы пить.「私は飲み物がほしい(とりたい)です.」
非現実なことを表すため仮定法には時制はありません. ただし動詞は過去形を使うため, 仮定法で使われる動詞の形は「過去形と同じ形」を略して過去形と書きます.
書き方¶
- 条件文: если бы+動詞の過去形
- 帰結: 過去形+бы
接続詞чтоとчтóбы¶
чтоは話や考えの現実的な内容を表し, чтóбыは希望・願望・要求・命令などの内容や現実となっていないことを表します. これも一種の仮定法でчтобыには動詞の過去形が続きます.
чтобы+「過去形」の文は仮定法の一つで, 主文と目的を表わす従属文からなります. чтобыの後の文の意味上の主語と主文の主語が同じ場合は不定詞を使います.
関係代名詞котóрый ・кто・что¶
基本¶
疑問詞котóрый, кто, что (где когда)は関係代名詞・関係副詞としても使います. 変化は疑問詞と同じです. 関係代名詞(副詞)の前には必ずコンマを打ちます.
который¶
先行詞には制限がなく, 人・物などあらゆる対象を取ります. 変化はновыйと同じで形容詞硬変化です. которыйは先行詞の性と数と一致し, 格は従属節の中での役割に準じます.
кто¶
人に対して使い, 先行詞はтот・всеです. 格は従属文中での役割に準じます. тотのあとにコンマを打った直後にктоを置くのが普通の語順です.
что¶
不活動体に対して使い, 先行詞はвсë・тоです.
関係副詞когда・где¶
когда・где はそれぞれ時間,場所を表わす語が先行詞です. 副詞なので変化しません ふつうкоторыйを使った文で言い換えられます.
когда¶
день・время・пора・утроのように時に関係する語が先行詞です.
где¶
場所の意味をもつ語が先行詞です.
Local Variables¶
Local Variables:
eval: (face-remap-add-relative 'default :family "Noto Sans")
End: