第 2.5 回「数学の勉強がつらい」/中高数学駆け込み寺

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はじめに

初回のイントロ・概要コンテンツは確認したでしょうか? まだ見ていないなら必ず見てください. 1 回 1 回は 10 分もあれば十分に読み切れる量です. 通勤通学中などの空き時間にでも眺めてみてください.

今回は各回の幕間として, 数学の勉強を続けていくために大事な情報や心構えをお話しします.

この講座の募集ページでもお話したこととも重複しますが, 本編と同じくらい大事なので, ぜひきちんと読んでください.

数学を勉強する目的

目的はいろいろあると思います. この講座に参加された以上, 何はともあれ数学の勉強をしようと思っていらっしゃるはずです.

そして数学の勉強はつらいと思っていらっしゃると思います. 今回はこの問題について少し突っ込んで考えてみます.

もしかしたらあなたは「いや, 数学の勉強楽しいよ!」と 思っていらっしゃるかもしれません.

しかしつらいと言ってもいろいろあります. 例えば中高の頃の私は確かに数学は好きで, それこそ毎日の勉強時間はほぼ全て数学に費していました.

ニュースでノーベル物理学賞みたいなのも見かけます. 数学にももっとすごい話があるんだろうと思っていても, では具体的にどんな話があるのか, どうするとそうした情報に触れられるのかよくわからず, いつもどこかしらに不満がありました.

「もっと面白いことはあるはずなんだけど, どうすればそれに出会えるのかわからない. 誰にどう聞けばいいのかもわからない. この不満をどう処理すればいいんだろう」

こんな不満を常に抱えていました.

何がつらいのか?

一言で言うと数学の世界が見えません. 中学の数学・高校の数学の世界しか見えず, 「数学にもこんなすごい世界があるのか!」という絶景がよく見えません.

もちろんあなたはもっと単純に, 本を読んでいても何を言っているのか全然わからなくて困っているんだ, そう思っていらっしゃるかもしれません. 次はそのあたりについてもう少し考えてみましょう.

子供の様子を見て

ちょっと話が変わりますが, 私は昔から柔道をやっています. そして近所の道場で子ども達に柔道を教えたりもしています. それを見ていて思うことがあります.

柔道はオリンピックの試合が YouTube に上がっていたりもしますし, 一流の技が簡単に見られます. そしてそれがすごいことは子どもにもよくわかります.

子どもにも明確な目標が具体的に描けるわけです. そして「あんなふうになりたいならこんなことが必要で, そのためにはさらにこんなことが必要で...」, こうした順序もちゃんと見せてあげられます.

実技指導もできるので, 「実際にこうやってみると本当に技が効く」ことも肌で感じられます.

ひるがえって見ると数学にはこういう対象がないのです. それが 1 つ, とても大きな問題だとずっと思っています. 要は目標をどこに設定したらいいのかわからないからそこへの経路も思い描けず, いまやっていることが何につながっていくのか全然見えません.

ここがわからないならとりあえず飛ばしてもそんなに問題ないとか, 先まで行ってから戻ってきた方がいいとか, じっくり付き合わないといけないとか, そういう全体像が全く見えません.

私の学習履歴

私は学部が物理で修士から数学科でした. 物理学科では「最低限の数学ができないと, 物理の話も全然できないからまずは数学だ」という感じで, 学部 1 年はほぼ数学です.

2 年からようやく少しずつ物理が入ってくるものの, 使う数学も平行で必要だから計算もろくにできずに困り果てます. 一通りの数学の理論と基本的な演習もやったな, と思って 3 年になると, 今度は量子力学が物理も数学・計算もハードで, 学部 4 年になって研究室配属になってようやく落ち着いて物理に集中できるようになるかな, くらいの感じがありました.

人によっては相対論のために (準) リーマン幾何を勉強したり, 相対論的場の量子論のために群の表現論を勉強したりと, まだ数学にいじめられることもあります.

それはともかく, 「また数学か」「物理やりたいのにまた数学か」という感じはどうしてもあります. 「この数学地獄はいつまで続くんだ」と思っている人もいるでしょう.

解決策を求めて

「物理のための数学」に限っても, 物理学科のカリキュラムを見れば何となく分野名くらいはわかります. しかしその数学としての関連はもちろんのこと, 物理の中でどう生きているのかもわかりません.

だからそのあたりの一連の流れにフォーカスしたコンテンツが必要だなと思っていて, その第 2 弾としてこの講座を組んでいます.

ちなみに第 1 弾は量子力学に使う数学という視点から, 学部 4 年分の解析学をまとめた現代数学観光ツアーという講座でした.

大きな風景を掴もう

あなたが数学の細かいところがわからなくて苦しんでいるなら, まずは大きな風景をきちんと掴むようにしてみてください.

山登りではよく「見晴らしのいいところに来るとそれまでの苦労が報われた気分になる」という話が出ますよね? それと同じで, まずは見晴らしよく数学の世界を眺めることを目標にしてみてください.

特に最終回では数学に関する小説や, 数学者の心模様が伺えるエッセイも紹介しています. そうした, ふつうに数学をやる以外の楽しみを見つけてみるのも大事です. 私自身, 数学者が書くエッセイに憧れて専門分野に導かれた部分があります.

もしあなたが第 1-2 回のコンテンツをまだ見ていないなら, 軽くでいいので眺めてみてください. 概要把握は本当に大事なのでぜひ何度でもくり返し眺めてください.

細かいところはそもそも説明していません. わからなくてふつうです. そんなところは気にせず, まずは大きな姿を掴むようにしてください.

アンケート

毎回アンケートを取っています. 何かコメントがあればお気軽にどうぞ.

質問があれば直接メールして頂いても構いません. お返事は確約できませんが, 必ずメールは確認しています.

ではまたメールします.