第 7.5 回 1 人で勉強するのはしんどい/中高数学駆け込み寺

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はじめに

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今回のテーマ

今回考えるのは次の問題です.

結論

結論からいいます. 何とかして「友達」を作りましょう. 作り方もいくつか紹介します.

これもなかなか根が深い問題です. 特に数学に関しては.

学生の頃の遠い記憶

あなたは学生の頃, 学校の先生の説明があまりにわからなくて, 数学に挫折した経験があるかもしれません.

他によく聞く話として, 特に数学が得意な友達に聞いてみてもわからず, 逆に馬鹿にされることがあったり.

当人にそんなつもりがなくても, コンプレックスを抱えていると, 何でもない言葉でも深く考えすぎて悪くとってしまうこともあるでしょう.

いろいろな話を聞く限り, こんな経験を経て数学を他の人と勉強する機会を失った方は多いようです. あなたもそうかもしれません.

大人になってからの事情

もう 1 つ大人になってからの再勉強特有の事情もあるでしょう. そもそも誰に聞いたらいいかわからない問題です.

学生であれば先生なり友人なり, 効果があるかはともかく, 質問できる人はいます.

しかし大人になると質問してもいいと思える相手自体が激減します.

私のところに来る方の中でいうなら, 大学レベルの専門的な内容だと理工系の方が遥かに多いです.

しかし時々中高の数学を復習したいという方がいて, 多くは文系出身の方です. (最近は機械学習と数学の関係から理系の方も増えていますが, これは今回触れません.)

当然周囲にいる知人も文系の方が多いでしょう. 質問できる・できない以前に数学を毛嫌いしている方ばかりと思います.

先日送ったメールにも書いたように, 「数学やりたがる大人なんているわけない」, そう思っている人も本当にいます. というか, よく出会います.

私が「数学をやっている」というと, 二言目には「自分は昔から数学が苦手で...」といわれることが多いですし, 「数学なんて本当に嫌い」と言われることも多いです.

「数学科に進学するくらいに数学を愛している人間相手に, よくそんな失礼なことを言えるな」と, 毎回不愉快なのを通り越して不思議に思うほどによく言われます.

相談する人はいますか?

私の話は別として, そもそも相談する相手すら思いつかないという方が大半でしょう.

そんなときにどうすればいいか? どう相談できる人を作ればいいか? もっと言えばどう「数学友達」を作ればいいか?

これが問題です.

ある程度お手軽にできるところをいくつか紹介します. あなたの状況に応じて使えるものを使ってみてください.

4 通りの方法

だいたい次の 4 通りがあります.

順に見ていきましょう.

小中高校向けの塾などに通ってみる.

私の知人の女性で 1 人本当にいます. 彼女は恋人から「数学ガール」をプレゼントしてもらって, それを楽しんでみたい! と言って公文式に通っています.

実際に時間を取って教室に参加するのは時間的に大変なので, 教材だけもらって自分で解いています.

「因数分解楽しいですよね!」と楽しそうに言われたことがあって, 「こういう楽しみ方をしている人が本当にいるのか」. そう驚くとともに感動しました.

丸つけしてもらってほめてもらえるのもポイントが高かったようです.

それなりにお金もかかりますが, 実際にそうした既存のサービスを使うのも大事な一手です.

大人向けの塾などに通ってみる.

子どもと一緒に勉強するのは恥ずかしい, 大人になってまで数学の復習をしていると他の人に知られるのは恥ずかしい, そういう方もいらっしゃるようです.

そういう場合は個人指導体制を取ってくれる, 大人向けのサービスに参加してみるのも一手です.

大学数学レベルのバックボーンがある人が対応してくれるところもあります. 小中高向けの個人指導塾にお願いしてみるのもいいでしょう.

ただ大人向けの塾もいいところはいいのですが, そうしたサービスを展開している人が書いている本を読んでいると, 「この人明らかに数学の理解おかしいな?」という人が代表をやっていることがあります. そういう場合たいてい数学出身の方ではありません.

以前ブログに記事を書いたこともあるのですが, 参考書に明らかに間違った内容の記述があって恐ろしく不安になったことがあります.

明らかに「ここはまずい」というところは除いて, ここは割と問題なさそうだと思ったところは最終回に参考文献と一緒にご紹介します. 楽しみにしていてください.

ブログや Twitter で数学をやっている旨を発信する.

ここまでは有料のサービスでした. 大人になってからという前提なら, そういう方法もあるのであえて先に紹介しました.

無料でもいろいろやれます. これは私が実際にやった方法です.

大学院を出たら数学や物理の話ができる知人がまわりに全くいなくなりました. あまりにさみしいので, ニコニコ動画に大学レベルの専門的な動画を上げてみたり, Twitter をはじめて「ここがわからない」と言っている大学生の質問に答えたりして, 友達探しを必死にやりました.

はじめて知り合った頃に高校生だった人がいまは大学院生になっていることもあります. 実際に一緒に大学でセミナーをしたこともあります.

最初はこちらが教える一方でしたが, 今ではわからないことがあるとき, ちょっと聞いてみるとといろいろ教えてくれるような関係になっています.

教えるというとハードルが一気に高くなった, あなたはそう感じているかもしれません. しかし逆に考えてみてください.

「数学の話ができる知り合いがほしい」と, 特に利益も求めず数学を教えてくれる人がいるのです. 第一私がそうでした.

もちろんその人の都合もあるので, 自分の都合のいいときに納得いくまで付き合ってくれる保証はありません.

それでも話ができるだけで, 相談ができるだけで助かることはあるはずです. 少なくとも「数学をやっていてもいいんだ!」という気持ちにはなれるはずです.

ブログだとコメントしづらい感じもするので, Twitter がいいように思います. Facebook は純粋にリアルの知人とのやりとりに使っている方が多いでしょうし, リアルの知人に知られたくない事情があるなら控えた方がいいと思います.

数学サークルを探してみる.

これはどちらかというとリアルで「友達」を作る話です. 例えば月に 1 度学校の教室を借りて勉強会を開いている人達がいます.

それ以外にもカフェでやっていたり, ネット上でオンラインセミナーをやっている方々もいます. 私も最近定期的に, それも週 3 でやっています.

改めて結論

改めて結論を書いておきます. 1 人でやるのがしんどいなら実際に仲間を探せばいいだけです.

近くにいそうにないとか, なかなか自由に時間が取れないなら, Twitter などオンラインで仲間を見つけましょう.

あなたが大人ならいっそのことお金を払って, 質問できる相手や勉強しやすい環境を作る手もあります.

お金もかからず気楽にはじめられて, しかも大学の教官や学生を含めた数学や自然科学関係者が集まっている場所として, Twitter をお勧めしておきます.

私のフォロワー・フォロイーを見ればたくさんその手の人がいるので, 適当に探してみてください.

もちろん私に質問してくれても構いません. 時間があれば対応します.

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1 回 1 回は短いのですぐ読めると思います. 通勤通学の合間のような隙間時間に読んでみてください.

アンケート

毎回アンケートを取っています. 何かコメントがあればお気軽にどうぞ.

質問があれば直接メールして頂いても構いません. お返事は確約できませんが, 必ずメールは確認しています.

ではまたメールします.