第 8.5 回 文系の数学/中高数学駆け込み寺

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はじめに

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今回のテーマ

今回は次の問題について考えてみましょう.

時々大人でも「自分は文系だから数学なんていらない」とかいう人がいますし, 中高生の参加者もいる想定なので, 念のため書いておいた方がいいのだろうかと思いまして.

結論

まずは結論.

この必要なところについては後半で説明することにして, まずは「多くの人にとって数学は必要ではない」ところから.

必要ないとはどういう意味か?

ここでの必要の有無は「高校・大学を出てから使うか」という基準で書いています. 私ですらふだん仕事で数学それ自体は全く使っていません. 「全く」です.

「数学を学ぶ中で身についたこと, 論理的思考みたいなのは使っていないのですか?」 というご意見もあるかもしれません.

しかし自分に関していうなら, 数学をやっていなくても多分何かしらで身についたことと思っていますし, 牽強付会に「数学が必要」というのはおかしいと思っています.

たいていの人が使うのであれば, 「数学ができなくてもいい」という人がこんなにたくさんいるわけもありません.

不幸にも数学が必要になった人

大学の文系分野で必要な数学という話もありますが, まずは「不幸にも数学が必要になった人」の話をしましょう.

「高卒社会人の学力問題」という記事です. 舗装会社の方が体育会系出身の新人社員が, 密度の計算以前に概念を理解していないとか, 1 時間を 100 分で計算しようとするとか, そういう話をしています.

この事例でいうなら数学というより算数と言った方がいいのかもしれません. 私からすると想像を絶するレベルなのですが, あなたはどう感じたでしょうか?

これは本当に気になるのでぜひコメント頂きたいのですが, それはともかく.

あなたがこういう計算も「数学」と思うのなら, 人によっては本当に数学が必要になることがある, この事実自体は認識してもらえると思います.

ただこれが世間に溢れているなら, もっと数学ができなくてはいけない風潮になっているはずです. やはり特殊な事例なのだとは思います.

体育会系だから勉強できなくてもいい, それは危険なことはありうる, そのくらいのことはいえます.

数学は本当に全く必要ないと言えれば楽でいいのですが, そうも行かないのがつらいところです.

高校・大学を出てから使うかどうかでいうと こんなところです.

もちろんメーカーで技術職, 特に開発職・研究職になろうと思うならもっときちんとした勉強が必要です.

何をどのくらいというような話もできますが, 今回これ以上は深く触れません. この講座のテーマである微分方程式が大事なことだけは強調しておきます.

話を戻して

話を元に戻しましょう. 今回のメインテーマは文系で使う数学です.

統計学

一番大きなところは統計学です. 今は中高のカリキュラムにも入ってきています. これはそれだけ大事だからです.

イメージしやすいのはデータを扱う分野でしょう. ニュースでグラフが出てくることがよくあります. グラフがあったらその背後に統計学をはじめとする数学があると思ってください.

大きくわけて大学では文系は人文学と社会学にわかれます. 社会学は法学や政治, 経済のような分野とでも思ってください.

この社会学ではいろいろな統計データを扱います. 犯罪率だとか人口の比率だとか, 国際的な貿易の取引額だとか. そうしたデータを処理するときに必ず統計学が出てきます.

統計学が出てくるならそこで数学を使います. 難易度のイメージとして高校の数 III 程度をイメージしてください.

実際には正規分布の処理で高校の数 III を越える積分が出てくるため, 高校程度の数学ができたくらいでは全く足りないのですが, まあいいでしょう.

大学受験

あと使うイメージを持ちやすそうなのは大学受験でしょうか. 特に経済は数学受験できる大学があります. 受験科目に課すのはもちろん入学後に使うからです. 必要のない科目をわざわざ試験科目にしませんから.

ここまでは社会学に関して触れてきました. ニュースでも目にするデータと絡んだ分野が多いので, イメージしやすかったはずです. ここからは人文学の話をします.

人文学での数学

人文学というと心理学や言語文化学といった分野を含みます.

数学なんて関係なさそうに見えるかもしれません. しかしここでもやはり統計学が出てきます. 具体例を挙げていくと数限りないので, 2-3 の事例を紹介するだけにしておきます.

心理学

まずはイメージなさそうな心理学にしましょうか. 残念ながら心理学でも数学を使います. やはり統計学が必要だからです.

心理学でも実験をやります. その実験のデータ処理で統計学を使います. 私も心理学は全く勉強したことがないので細かいことはわかりません. ただデータが出てきたらその時点で統計学との戦いがはじまります. 実際シラバスを見れば統計学の講義がありますし, 心理学科の教員が書いた統計学の本さえあります.

国際言語文化学と数学

次のページを見てみてください.

このページでは言語文化学として歌手の槙原敬之の歌詞を研究しています. 上記ページに論文へのリンクもあるのでぜひ論文も眺めてみてください.

論文中で「多変量解析」という言葉が出てきます. これは統計学の用語です. つまり数学を使っているという宣言です.

どんなことをやっているかを簡単に言うと, 要はどんな単語がどのくらい出てくるかを調べるため, 歌詞を単語に切って単語数をカウントしているわけです.

それをいろいろな観点から眺めるために統計学の処方に従って計算をしています.

言語学と数学・統計学

もっと身近なテーマがあります.

計量言語学という分野があります. 計量と名前のついた分野は基本的に数学, 特に統計学を使いますという宣言を分野名のレベルでやっています.

実際にどんなところで使われているかというと, 例えば携帯の漢字かな変換です. 特に自然言語処理という分野があるのです.

携帯を手に取って

あなたが実際に携帯をお持ちなら, 適当な言葉を打ってみてください. 何文字か打つと候補が出てくるはずです. そしてその候補を他の人と比べてみてください. 結果が違うはずです.

結果が違うということには原因があるはずです. そしてそこに数学が使われています. ここで詳しく書ききれないので簡単にポイントだけ書いておくと, 要は確率の計算をやっています.

「この人はこういう言葉をよく使うから, 今回もこの言葉を前に出しておくと便利だろう」, そういう配慮をしてくれるのが携帯の漢字かな変換で, それを確率で判断しているわけです.

その確率を決めるために裏で統計的処理をしていて, そこでまさに統計学が出てきます.

人工知能の裏にある数学

最近人工知能や機械学習がよく話題に上がります. 最近の有名な動きに関して言うなら, これらの背景にも数学があって, その数学の大きな目玉は統計学です.

統計学で使う数学は中高数学のほぼ全てです. 先程も書いたように中高数学のレベルでは足りなくて, もう少し面倒な大学レベルの数学も必要になります.

そんなところまで無理にやる必要はありません. しかし必要な人には必要ですし, 社会の裏側を支える人間になりたいなら, それに対応する数学を使える必要があります.

社会に対して何かを仕掛ける側に回りたいなら, あなた自身が数学を使える必要はないかもしれません. しかし数学ができる人を味方につける必要があります.

コミュニケーションの道具として英語を使うのと同じように, そうした技術的な話題のためのコミュニケーションの道具として数学が使われています. あなた自身もある程度は数学を理解しておかなければいけないかもしれません.

数学の話をわかってもらえていた方が, 明らかにコミュニケーションコストが下がります.

まとめ

最後, 必ずしも文系の数学というところではなくなりました. 社会に出てから使うかどうかは人によります. しかし使わなければいけない状況自体は存在します. 他はともかく大学で使う機会はかなり多くの人にあります.

私が中高生の頃, こういう話をしてくれる大人はほとんど見かけませんでした. どこかで誰かは話しておいた方がいいと思うので, 今回特別に 1 回分を割いてお話しておきました.

興味がある方が多ければ, 今後この辺の話, 特に統計学とその応用についてもミニ講座を作る予定はあります. 気になる方はぜひコメントください.

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