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MISC

2023-03-31 fri

「「選択公理 → Zornの補題」の超限帰納法を使わない証明」の文章を改訂しました(証明を前よりも簡略化できたと思います)。 http://www2u.biglobe.ne.jp/~nuida/m/docs.htm

19世紀の代数幾何の定理とかUrysohnの補題とか

本文

ytb_at_twt さんのツイートをメモしておきたい.

誰かが言ってたけど, ホントに謎なのは, 数学の定理は不死鳥のように蘇ることがあること. 19 世紀の計算で解いた代数幾何学の定理が, ヒルベルト時代に忘れられ, 計算機時代に復活したとか聞くと数学ってなんなのかわからなくなる.

@ytb_at_twt ありますね, 古い定理や手法などの復活. 数学に限らない気がします. アナログ電子回路でも, 昔に廃ってしまった回路方式が復活したのを見て驚いたことがあります.

@tadamago アナログ回路って職人芸的なイメージがあるんですが, そういう分野では復活とかがあるような気がします.

@ytb_at_twt Urysohn の万有距離空間を触っていた時は, 後のかっこいい存在証明よりも Urysohn 自身のごりごりとした構成法のほうが役に立ちました. おかげで, 仏語を読むはめになりましたが.

@kamo_hiroyasu ああ, それはすごく判ります. きたない証明の方が情報量は多いですよね. 「最大不動点が存在」とか言われて何が起こったか輪からにこととかよくありますね.

かもさんのコメントがかなり気になった. Urysohn の論文はどんなことをやっているのだろう.

そもそものやたべさんのコメントにある定理が何なのかも気になる.

何でもランキング「これさえあれば数学を楽しく学べる 20 の娯楽作品」 (日本経済新聞社)

はじめに

数学会のこんなツイートがあった.

何でもランキング「これさえあれば数学を楽しく学べる 20 の娯楽作品」 (日本経済新聞社) http://s.nikkei.com/16s0Iad

実際のランキングで出てきた本などを引用しておこう.

普通の本

1 位 数の悪魔 -算数・数学が楽しくなる 12 夜 230 ポイント

2 位 素数の音楽 190 ポイント

3 位 フェルマーの最終定理 (文庫判) 181 ポイント

4 位 天地明察 (文庫判, 上下) 156 ポイント

5 位 浜村渚の計算ノート (1~5 巻, 以下続刊) 150 ポイント

6 位 シュプリンガー数学クラブ 21 数学が経済を動かす -ドイツ企業編

7 位 ガロアの生涯 神々の愛でし人 (新装版)

8 位 博士の愛した数式 (文庫判)

9 位 すうがく博物誌 (新装版)

10 位 aha!Insight ひらめき思考 (1~2)

漫画

1 位 数学ガール (上下) 470 ポイント

2 位 マンガおはなし数学史 240 ポイント

3 位 Q.E.D. 証明終了 (1~45 巻, 以下続刊) 180 ポイント

4 位 和算に恋した少女 (1 巻, 以下続刊) 170 ポイント

5 位 ニャロメのおもしろ数学教室 100 ポイント

『マンガおはなし数学史』, 凄いつまらなかった. 絵も異常なくらい古くさいし地獄のような「漫談」とかあってどの層に向けて書いているのだろうと不思議で仕方ない. 著者というか原案の 60 オーバーの教官と同年代にはいいのかもしれないが, 私には大変ひどいアレだった.

映画

1 位 博士の愛した数式 (日) 428 ポイント

2 位 ビューティフル・マインド (米) 410 ポイント

3 位 グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち (米) 210 ポイント

3 位 $\pi$ (米) 210 ポイント

5 位 天地明察 (日) 204 ポイント

天地明察は見てみたい. ビューティフルマインド, ナッシュが穀潰しのろくでなしだということだけ知っている.

凸関数

基本的な性質

これはちょっとした共有用に準備したページで, 現代数学探険隊 解析学編には凸関数の基本的な性質に関してまとまった記録があります.

ここでは下に凸な関数を単に凸関数と呼びます.

凸関数族の上限は凸

凸集合$\Omega \subset \mathbb{R}^d$上の凸関数の族$(f_\lambda){\lambda \in \Lambda}$ に対して$f = \sup f_\lambda$とする. この$f$は凸である.

証明

任意の$a \in (0,1)$と$x,y \in \Omega$を取る. 任意の$\lambda \in \Lambda$に対して \begin{align} f_\lambda (ax + (1-a)y) \leq a f_\lambda(x) + (1-a) f_\lambda(y) \leq a f(x) + (1-a)f(y) \end{align} が成り立つ. 左辺の上限を取ると求める凸性が得られる.

凸関数の和は凸

凸集合$\Omega \subset \mathbb{R}^d$上の凸関数$f_1, \dots, f_n \colon \Omega \to \mathbb{R}$に対して$h = \sum_{k=1}^n f_k$は凸である.

証明

任意の$a \in (0,1)$と$x,y \in \Omega$を取る. このとき \begin{align} f(ax + (1-a)y) &= \sum_{k=1}^n f_k(ax + (1-a)y) \leq \sum_{k=1}^n (af_k(x) + (1-a) f_k(y)) \ &= ah(x) + (1-a)h(y) \end{align} が成り立つ.

凸関数族の下限は凸とは限らない

一般には成り立ちません. 具体的には$f(x) = x^2, g(x) = (x-1)^2$として$h = \min (f,g)$が反例です.

具体的な計算が面倒なので数値計算でさぼりました. 凸でないことは次のリンク先のグラフを見てください.

線型写像の場合の事例

このツイートで次の問題が出ています.

問題

以下で定義される関数$f \colon \mathbb{R}^n \to \mathbb{R}$は凸関数か. \begin{align} f(x) = \sum_{i=1}^n \min (x_i, (Ax + b)_i). \end{align} 先の凸関数の一般論が使えないのは明らかですが, 線型写像なのでうまいこと嫌な現象をくぐり抜ける可能性があります. しかし一般には偽です. 反例を構成しましょう.

反例の構成

一次元で$A = -1$かつ$b = 0$としよう. このとき$f$は次のように書ける. \begin{align} f(x) = \begin{cases} x, & x \leq 0, \ -x, & x > 0. \end{cases} \end{align} これは凹関数(上に凸)である.

念のため確認しておくと$g(x) = \max (x, -x)$に対して \begin{align} g(x) = \begin{cases} -x, & x \leq 0, \ x, & x > 0 \end{cases} \end{align} で確かに凸である.

注意

まだきちんと議論を詰められていないため予想ではありますが, $A > 0$とすると$f$は凸で, $A$が成分を正とする対角行列ならやはり凸であるため, 一般次元でも行列$A$が(半)正定値性や強連結性(エルゴード性)のような強い性質を持つなら, 問題の$f$は凸になる可能性があります.

$p$-進ゲルファント-マズールの定理は成り立たない (否定が常に成り立つ: 常に拡大できる)

結論に関わるp進大好きbotさんからのコメント

以下の Twitter でのやりとりによる.

上で教えてもらったのは次の本.

覚えておこう.

事の発端と関連ツイート

次のやりとりを見て, そもそも位相体の議論はゲルファント-マズールの定理しか知らず, $p$-進ならもっといろいろあるだろうと思ったことによる. まずは事の発端に関するやりとりをまとめよう.

事の発端ツイートまとめ

割り算と言わなくても物理ではスピノルにまつわる話もあり, 回転まわりには面倒な話がいろいろある. それだけ面白いとも言える.

位相体, 特にゲルファント-マズールの定理に関する話

2021-06-19 代数学演習, 群作用に関するやりとり

コメント

ちょっとはまりどころ感があったのでコメントしてみた. 行列は線型代数の基礎であり, 現代数学の基礎であり, もっとシンプルに代数学それ自体に対しても基本的で重要な例だとは思うが, 行列環と言ったり行列代数と言ったり, 行列がなす群と言ったりでいろいろな難しさがある.

前者の行列環・行列代数については基本的に同じ対象を指しはするが, どう違うのか, そして代数は分野としての代数とどう違うのかといったところがはまりどころになる.

後者の行列がなす群については注目する演算にはまりどころがある. ふつうは正方行列に制限した上で積の (2 次以上なら非可換な) 群を考える. 加法の場合は何次でも加法群でだいぶ趣が違う. 割と面倒だ, といったことを思ったのでコメントした次第.

ツイートまとめ

MarriageTheorem さんによるつらい現実の召喚: 「偶数と偶数の和は偶数であることの説明」について

本文

MarriageTheorem さんがまたつらい現実を召喚してきた. 元記事のコメントで これ とごちゃごちゃ書いている人がいるが, そもそも私が必要だと思うのは「わかるまで考えるのをやめないこと」, 「わからないことに耐えること」, 「今すぐできるようになるという幻想を捨てること」だ. 一応上記リンクでのコメントも引用しておこう.

説明(証明)問題の前に,偶数,奇数,3の倍数,連続した2つの偶数,2つの偶数などを,文字を使って表現する方法を徹底指導しました。また,文字は変数であることから,どんな数字でも入る魔法の箱というイメージ作り。1~10程度までを書き出して,偶数と奇数が交互に並んでいること,3の倍数はどうかなど,数字遊びも大切だと思いますよ。 それ以前に,中2の式と計算の単元で,ちがった種類の文字の計算をどのように指導してきたかも大事ですね。 指導は系統性が大事だと思いますから,この問題だけを指導するという考え方が違っていると思います。 わたしは学習塾でバイトをしていたことがあります。これはワークの例題になるような有名な問題なので,研修を受けた記憶があります。 正直私も自分の子には,無料塾には通わせたくないと思いました。お金がかかっても力のある塾は指導をします。無料塾の光景は相談会のような感じですね。指導は授業や講義時間だけの労働で成り立っているわけではないのです。貧困克服のために,準備をしていない指導者がいる塾に通わせるなんて,本末転倒もいいところではないでしょうか。

無料だからといってこういう変な教え方されるとそれが子どもの記憶に残って 将来にわたって悪影響を及ぼすんですよ。 クリティカルな年代の子ども相手にボランティア感覚で気軽に教えないでください。

私が通っていて, 最近また通い出した柔道の道場がいつもこう言っている.

今すぐ試合に勝つとかそんなことを考えて教えているのではない. 5 年, 10 年先の柔道, もっというなら人生のことを考えて指導している. 今はできなくてもいいからとにかく 1 つ 1 つのことをきちんと心を込めてやりなさい.

今はできなくてもいいというの, 元の証明を今は理解できなくてもいいというのと 私の中では繋がっている. 簡単に納得しようとしないできちんとその不快感とも向き合ってほしい.

田崎さんから聞いた, 江沢洋先生の教育スタイルとかそういうのを継承したい. ちなみに江沢先生は学生が質問に来ると, 学生が自分自身でそれに対する回答を考えるのを黙って見守り続けるという対応をしていたらしい. 口出しもしたくなるだろうが, そういうこともせず, じっと学生を待ち続けたと聞いた.

こういう教育, 死ぬ程時間がかかるし, 少なくとも今の大学の教官の忙しさからすればほぼ絶望的なことだろうが, 私はこういうのがやってみたい. 尋常ではないくらいに粘り強く取り組む精神力を身につけてほしい.

宣伝協力: SLACS 2014 / 2014年度超準解析シンポジウム 日時: 5 月 26 日 (月) ~ 5 月 28 日 (水)

本文

宣伝協力.

参加者が少ない理由, 興味があるのは市民ばかりだから平日はお勤めで参加できないという説がある.

tri_iro さん筋の情報: SLACS 2014 2014 年度超準解析シンポジウム 5 月 26 日 (月) ~ 5 月 28 日 (水)

本文

超準解析に関する tri_iro さん情報だ.

SLACS2014 あんど超準解析シンポジウム http://www.jaist.ac.jp/~y-keita/2014SLACS-NSA/index.html そういや, 超準解析シンポジウムに若い人 (30 代以下の人) が全然来ないという 超準解析シンポジウム関係者の嘆きの声を最近聞くので, リンク貼って呼び込みしておこう. みんな超準解析やろう~

平日なので私は行けないが宣伝には協力しておこう.

2014-04-26 数学書房主催の河東泰之先生による超準解析講座に行こうかどうか迷っている

本文

数学書房主催の河東泰之先生による超準解析講座があるという.

[講座:数学の発見 第 15 回] 開催案内

数学に興味を持ち, 取り組んでいる方, 数学を仕事で使っている方, さらに深く理解し自力で数学の世界に入って行きたいという方にとって, この講座が数学との出会いの場となることを願っております. 第 15 回となります今回も, 魅力的な講師をお招きし, 充実した内容をお届け致します. 下記の日程で開催致します. 興味深い内容をお話いただきます.

日 程 2014 年 4 月 26 日 (土) 10:30~17:00 (90 分 3 コマ, 途中昼食 + 休憩)

テーマ 無限大, 無限小と超実数

講 師 河東泰之 (東京大学大学院数理科学研究科教授)

概 要 $1=0.999 \cdots$ で本当によいのか, $1/ \infty=0$ で分母をはらったら $\infty \times 0 = 1$ なのか, $\infty / \infty$ はいくつか, といったことを気にした人は少なくないと思います. こういった極限操作について厳密な手法を与えるのが $\varepsilon\mathchar`-\delta$ 論法ですが, それとは別に無限大や無限小を直接に扱う理論がロビンソンの超準解析です. これについての入門的解説を行います.

行こうかどうしようか迷っている.

高卒社会人の学力問題: あまりの地獄に泣いているがもっとひどいって本当なの

はじめに

Togetter にもまとまっているのだが, 何となく適当に引用した.

他の人のコメントが見られるので一応リンクつけた.

ツイート集

感想

この人どんだけ精神力あるの, というのにまず感銘を受ける. ただ想像したくもない魔界だし, さすがにいくらなんでも絶対相手にしたくない.

黒木さんツイートの引用

最後に引用しておく.

できることはやっていこう.

Aizenman らの論文, Random Currents and Continuity of Ising Model's Spontaneous Magnetization

本文

田崎さんから 11/8 に Aizenman が Ising の磁化の連続性の証明を出したことを教えてもらった.

アブストラクト

Random Currents and Continuity of Ising Model's Spontaneous Magnetization

Michael Aizenman, Hugo Duminil-Copin, Vladas Sidoravicius

The spontaneous magnetization is proved to vanish continuously at the critical temperature for a class of ferromagnetic Ising spin systems which includes the nearest neighbor ferromagnetic Ising spin model on $Z^d$ in $d=3$ dimensions. The analysis applies also to higher dimensions, for which the result is already known, and to systems with interactions of power law decay. It allows to conclude similar continuity results for one dimensional systems provided the decay is slower than $1/r^2$ (at which the transition is known to be discontinuous). The proof employs in an essential way an extension of Ising model's random current representation to the model's infinite volume limit. This extension enables one to reduce the continuity statement to a simple criterion on the decay of correlation in the Gibbs state with free boundary conditions. For reflection positive models, this criterion may be established through the related infrared bound.

今すぐには読めないが, 忘れないようメモしておこう.

Altman-Kleiman の A Term of Commutative Algebra の PDF 版が無料だったので買って (?) みた

本文

かなり恒例感あるが, kyon_math さん経由で本の情報を仕入れた. これこれこれだ.

Our text"A Term of Commutative Algebra"aims to be an updated, improved version of Atiyah and Macdonald's 1969 classic http://bit.ly/12wuOX0

Altman/Kleiman すげー. アティマクを越えると宣言してるのか. http://bit.ly/1dzKTkU

アルトマン・クライマンの可換環論, 電子版は無料だった. すげー. A Term of Commutative Algebra by Altman and Kleiman http://bit.ly/1dzKTkU

PDF なら無料な上, アティマク越えを目指しているとのことなのでとりあえず買ってみた (ダウンロードしてみた). これから読む. 使えそうなら誰かとゼミしてしっかり読み込みたい. 他にも Milnor の Morse 理論も読みたいし, Lieb-Seilinger の Stability of matter も読みたい. あと, 2 年くらい放置している論文もいい加減仕上げたい.

追記

少なくとも 2021 年時点で正式版が出ている. 演習の解答つきで 400 ページを越えている分厚い本になっていた. ただし解答が本当に半分, 200 ページ越えの量があるので, 形式的には本文は 200 ページ程度でアティマク相当の量ではある. まだきちんと読んでいないが読みたくはある.

魔人 Milnor

本文

Milnor 強い.

Milnor の本読みたくなった. 読んだら YouTube の動画講義も作ろう.

最初の画像の Milnor に関する記述も引用しておこう.

ミルナー (J. W. Milnor, 1931-)

とにかくこの人の著作を一冊精読すると, この人は偉いとなぜか自然に思えてくる. そんな不思議な人である. 徹底した明晰さで書いてあることが自然に頭に入ってくる. 難しいはずのことがやさしくなってくる.

あと有名なのは何年か前の数学者主人公のヒット映画「ビューティフルマインド」の 主人公ナッシュの敵役がこの人である. 運命のいたずらで, この人が居たためにナッシュの人生が狂っていき, 巡り巡って, ヒット映画ができたわけである.

Nash も魔人だというのに Milnor やばい.

あと上で言及された本, 卜部東介『一次元代数的特異点とディンキン図形』はこれだ.

解析学とコンパクト性: 特に無限次元空間の単位球の (汎) 弱コンパクト性

本文

ブルブルエンジン兄貴と解析学に関するやりとりをしてきた これとかこれ.

やりとりその 1

ヒルベルト空間は, 閉単位球体が点列コンパクトなら直交基底を持つらしいのですが, これ選択公理要るのってやばいんですか??

@alg_d 誰も気にしていないのでは. 作用素環だとちょっとした汎関数つくるのに選択公理つかうようですし, 使うものと割り切っているか気にしないか, という印象

@phasetr この命題が成り立たないとしたらやばいんですか??

@alg_d 応用上, 大体可分なところしか考えない (ただ, $L^{\infty}$ はよく出てくるのに非可分) (作用素環だと普通可分性を仮定) ので, そもそも現行人類が制御できる世界の外側なのでは, という感覚があります

@phasetr やばいと思った

やりとりその 2

そもそも関数解析で閉単位球体をコンパクトにしたいのってなんかあるんですか

@alg_d 「有界閉集合はコンパクト」の類似が使えてこう色々とはかどるからです. 幾何でよくコンパクト多様体ばかり出てくるのと似たような感じ

@phasetr なんかはかどるイメージがあまりわかないレベルで雑魚でした

@alg_d 解析学だと何かしら収束させないと話が進まないわけですが, 有界列であれば部分列くらいは収束してくれるのでうれしいわけです. そういう感じ

@phasetr はー, なるほど!!

アオイゼミなるネット塾を参考に何かしてみたい

本文

アオイゼミ なるネット塾があることを教えてもらった. 時間的余裕がなかったのであまり見られなかったが, ニコ生などもやっているようだ. 普通の中学生向けの塾らしい.

「ライバル」も多いし, 今のところ普通の中高生向けに何かするつもりはないが, 最近この手の大学生が中高生向けにネットで授業を配信するサービスとか増えているので, 参考にして何かしたい.

この間, 理研が施設公開のときに理論物理学者の展示をしたというのもあって, それなりに反響があったようなので, そういうピーキーなところを狙っていきたい. 理研とかぶったら勝負にならないので, 理研もやらないようなところでニーズがあるマニアックなところで何かする必要がある. 理研で今後もやっていく, という話はこの辺で言っていたのでそれも紹介しておこう.

有難うございます. この手法はまだまだ改善の余地がありますが, 拡げたいです. RT @TeraKen0510: 大盛況だったとのこと, おめでとうございます! アウトリーチの新領域の開拓ですね!

本日の理研の一般公開で「実験」してみた, 理論科学者「理論屋」そのものを展示

基本的に内容は今までやっていたのと同じ感じだが, 対象にする層を広くする感じでとりあえずやってみたい. ひとまず動画を仕上げよう.

数理物理の魅力と相転移の魅力: 数学と物理と数理物理と

Ask.fm での質問

二つの質問になってしまいますが, 主観的なもので結構ですので, 数理物理の (特に物理や数学それ自身と比較しての) 魅力および相転移現象の魅力がどこにあると感じてらっしゃるのか教えていただけませんか.

回答

今考えるとあまりきちんと回答していない気もするが とりあえず回答.

数学と物理, 両方好きで両方やりたいという単純な所です.

もちろんどちらか一方でも死ぬほどきついので, 本当に「研究」しようというなら, どちらも半端な出来損ないになる可能性を視野に入れつつ それでも踏み込む決意と覚悟が必要ですが. もうあまり詳しく覚えていませんが, 相転移は大体田崎さんの影響です.

数学的には「特異性の数理」が非常に好きです. 色々あって学部一年の頃から数学的には超関数だとか ある意味でかなり特異性の強い数学とずっと戦っていて, 結局今でも「場の理論の超関数論」と銘打って研究しているので 三つ子の魂百まで感あります.

話がずれましたが, 興味だけなら代数幾何の特異点論とか, ブラックホールだとか, 特異性が絡む話は大体何でも興味があります. 極限で特異性が出てくる現象がとても好きで, 熱力学的極限とそこからの相転移がとても気にいっています. 相転移をやるなら人類が最大精度で扱えるのが 磁性関係だから磁石を扱う方向に行ったと言う非常に単純な動機です.

もちろん水が凍るとかもやりたいですが, アレは即死レベルだし, シュレディンガーで磁性も即死コンボです.

磁性だととりあえずイジングですが, イジングは (相対論的) 場の量子論の繰り込み処理との関係もあり, 数学的に量子統計と場の理論の相性がいいこともあって, 手始めにやりやすいところから, と思って 場の理論方面の勉強をしていて, 相転移自体とは 大分離れた赤外発散を修士では主に勉強していたのですが, 修論の為のネタ探しで考えたら一応磁性もできるわ, と言う感じで磁性 + 赤外発散みたいな 特異性に特異性が重なって死ぬほど面倒臭い代わりに 趣味ばっちりな所を見つけたのでそこで今も 色々やっています.

物理的には素直な拡張でも数学的には全く 別の話を絡ませたりしなくていけなかったり, 逆に数学的には共通部分が多いのに物理としては ちょっと遠目の所にアプローチできたりするのが 今の分野の面白いところですが, 一旦話が難しくなりすぎて死んだ分野なので, 一般にはお勧めしていません.

ただその分やっている人も少ないので, すぐに世界のトップ 10 くらいに入れますし, 実際に多少しぼるだけでいわゆる オンリーワンでナンバーワンにもなれます.

大学のアカポスゲット的な意味でこのご時世に いい結果がすぐに出る保証は全くできないので, 決しておすすめはしませんが.

数学と現実問題の狭間で: 応用数学や数理工学

本文

このようなやり取りがあった.

うーん, だって論理は教えてませんからねぇ. RT @kagami_hr: Q ちゃんさんや嘉田さんのポストを読むと, 国立大学でも入学した学生さんの基本的な論理や日本語の使い方について, かなり深刻な状態になっているみたいだ. 少し認識が甘かったかも知れない.

@kyon_math 先程の内容については, ある程度の学力がある人ならば特に教わらなくても分かるのではと思っていましたが, かなり認識が甘かったようです.

@kagami_hr @kyon_math 3 流大学で数学をやっていると, マジで絶望しますよ. しかもその中から結構な数の教員が...

@aoeui666 @kagami_hr 絶望してても始まらないので, 高校の先生のスキルアップの必要性を感じてます. 米国数学会などは意欲的な先生を集めて, 少し高度な数学や, おもしろい教材などを紹介する夏期講習会みたいなものをやってますね.

@kyon_math @aoeui666 @kagami_hr 教育学部数学科の学生が, 高度な数学を学ぶことを嫌がるのを, どう教育するかという問題も出てくると思います. 教育実習とかやった後に「もっと数学やっておかなくちゃ」と感じる学生も多い.

@Paul_Painleve @aoeui666 @kagami_hr 最近は, よく「ボクは現実に即したことをやりたいんです」という人がいます. 聞いてみると, パズルとか, ルービックキューブとか, 株価とかですね. 「抽象的な理論はやりたくない」の裏返しだろうなと思ってます.

@kyon_math @aoeui666 @kagami_hr 現実を数学にするというのは, 抽象数学が必要になって, 本当はとても難しいのですけどね. 解析も幾何も嫌いだから, 高校数学程度のイメージで「整数論やりたい」という学生に通じるのかもしれません.

コメント

『「抽象的な理論はやりたくない」の裏返しだろうなと思ってます』というのに対する真偽の程はともかく, 『「ボクは現実に即したことをやりたいんです」』というのは地獄としか思えない. Paul_Painleve さんも言っているが, 数学を現実問題に使っていくのはとても難しい.

他にもいくつか記録しておくべきやりとりがある. まずはこれ.

引用

ルービックキューブにしても, 渋滞問題にしても, 株価にしても, 15 ゲームにさえその背後には深い数学があったりする. しかし, それらの数学は抽象的であり, 抽象的だからこそさまざまな問題に応用できる. ここを飛ばすと, 原因と結果を短絡させることしか残っていない.

@kyon_math ≪卒論要旨≫ ルービックキューブや 15 パズルも, 群論使って最短経路とか解き明かすよりも, さっさと手を動かす方が速く完成するから, 数学なんて役に立たないとわかりました. このことを教えてくれた kyon 先生に感謝します.

@Paul_Painleve それが自分で体得できたらもう卒論の単位なんて 10 倍位してあげます. #教わるだけじゃダメ

@kyon_math わ~い, kyon 先生から 100 単位もらった~ ルービックキューブ流行時, トポロジーの T さん等が凄い研究ノートを作っていて森毅もこりゃかなわんと思っていたら, 野崎さんだか誰かが本書いて売れた. 「あんなしょうもない本が売れるんやったら, 俺が先出すんやった:」

@Paul_Painleve 「もう君に教えることは残っていない. 君は自分の数学を追い求めてゆけばいい」なんてカッコいいセリフを一度言ってみたい. でも実際に言うときは限りなく悔しいだろな.

@Paul_Painleve ルービックキューブは複雑だと言ってもしょせん有限群の一つにしかすぎませんからねー. ルービックキューブが ubiquitos だとかわかるとみんな飛びつくかもしれないが, そんなことありそうもない.

@kyon_math 良いゲームは, 数学的には決して複雑ではないが, 数学として扱おうとすると煩雑で解法が簡単にはわからない, という性質を持っていると思います. 「わかりやすいけど, やってみると難しい」という意味ではフェルマー予想は, 究極かつ至高のゲームだったかも.

@Paul_Painleve 師匠のゲームもありますね. 米国ではコンウェイの名前がついてるようですが. あれは, 単純でいながらある種の有限な決定的ゲームを包括するという意味でも驚きだったかも.

@Paul_Painleve K 先生の著書が待たれる.

@kyon_math K さんは, S.-WELTER のゲームと呼んでますが, WELTER の論文自体は有名でなくて, Conway On Numbers and Games で紹介されたものが知られているようですね.

@kyon_math 確かに, マヤ・ゲームは「単純だけど普遍性をもつ」という意味で凄いゲームですが, ルービックキューブほど一般受けがしないのは, ゲームとしての面白さで及ばないからでしょう. 必要な数学もちょっと難しい.

引用

あと, この kyon_math さんのツイートについた Paul_Painleve さんのリプライがとても大事.

だいたい数学科に入ってきて「現実の問題をやりたい」なんてやつはいなかった. むしろそっちの方が問題だった. 数学とは本来抽象的なもの.

@kyon_math 現実の問題を数理科学として取り組もうとしても, 簡略化しすぎて現実と離れるか, 複雑すぎて扱いきれないか, どちらかになることが多いですし. 後者だと, 普遍化できずにその問題にしか使えない特殊計算になり, 前者だと構造は見やすいが現実とは完全に別物な空論になる.

kyon_math さんが言及した学生がどこまで考えて言っているのか分からないが, 現実問題を議論するのはとても難しい. 第 4 回の関西すうがく徒のつどいでも少し話すが, 現実の問題を考えるのは死ぬ程つらい. 本当に現実的な設定でやろうとすると厳密な数理解析としてはまず手が出ないし, 手が出せるレベルにしたらしたで, 今度は現実とかけ離れているので, どういう風に意味づけするかという部分で非常に苦しくなる.

確率論・数理ファイナンスの話

有名な話らしいのだが, 1 つ確率論・数理ファイナンス周辺で次のような話がある. 高橋陽一郎さんが「数理ファイナンスというのは物理でいうと理想気体を扱っているようなもので, 現実離れしたとても綺麗なところしか扱えない.」と評していた覚えがある. あと小ネタとして, サルコジが「数学 (数理ファイナンス) がリーマンショックを生み出した元凶だ」みたいなことを言ったそうなのだが, そのときにフランスの数学者達が連名で「数学が悪いのではない. 数学的な仮定があてはまらないところにまで無理にあてはめようとした人間達の問題だ」という抗議声明を出したと聞いている.

あの人検索 Spysee

応用数学・数理工学的に現実問題を考えるとき, 色々な意味で普通の数学の感覚からは離れてものを考えないといけないし, 数学外の現実問題も考えている必要がある. 色々あるが, 例えばあの人検索 Spyseeのソーシャルグラフとか. Spysee でどうやっているのかは知らないが, この手のことをしている人 (具体的にはチームラボの猪子寿之さん) に聞いたところによると, 次のようにして計算して表示するらしい.

  • グラフの中の人数に対応する高次元の空間で, 人と人の間に仮想的なバネをつける.
  • バネの「バネ定数」は色々なデータから適宜設定する. (Spysee の場合は web 上から色々調べて設定しているはず. )
  • これを 2 次元に落とす.
  • バネのエネルギーが最小になるような配置をする.

関係性が強い人の間ではバネ定数を大きく設定すれば, 距離が近い方がエネルギーは低くなる. そうしてソーシャルグラフの遠近に意味付けをしていると聞いた.

数学的な問題

ここで現実を考えたときにいくつか問題がある. まず最小値が存在するかだ. 最小値があったとしても問題がある: その解を現実的な時間で計算できるかだ. 「現実問題」として, いつまで経ってもグラフが表示されなければ, ユーザはページ遷移して離れてしまうだろう. 短時間で計算できるアルゴリズムが求められる.

短時間で計算できなかったり, 最小値がない場合, いくつかの対応方法がある. Spysee のようなサイトでは厳密な結果がいらないだろうから, そういう設定で考えよう. もちろん, このとき「厳密な結果がいらない」という判断をすること自体, 数学の意識の枠外であることに注意してほしい. 何となくそれっぽい結果が得られればいいので, 適当に近似計算をすればいい. 「適当に近似計算する」といってもそれをどうするか, という問題はあるがそこまで深いところには触れないことにする. ちなみに適当に近似計算していることは実際の結果を見てみると分かる. アイドルマスターの秋月律子が出ているからだ. これはアイドルマスターのアイドル, 菊地真 (女の子だ) と何かよく分からないが混同されていることから来ているのだろう. ただ, 計算結果というより, その前段の Web から情報を取ってくる段階での問題かもしれないのだが. ちなみに, 以前は菊地さんの画像自体, まこまこりんだったことを付け加えておきたい.

他の方法

他の方法についても書いておこう. 今の場合, そんなに頻繁にソーシャルグラフが変わらないことが予想できる. (もちろん数学以外の知識を使わなければこの判断はできない.) だから時々計算してその結果をデータベースに入れておき, リクエストがあったときだけ結果を呼び出すようにすれば, ユーザの待ち時間が短縮できる. 場合によっては計算機資源の節約にもなる. また, アクセス解析をした結果, ページのリクエストは早朝 3-6 にはほとんどないことが分かっているとしよう. 定期的な再計算をこの時間帯にすることで計算機資源の有効活用することができる. このとき, 近似計算の精度を上げた計算を回すことができるかもしれない. こういう話は Google のページランクの話とも色々関係する. ほとんど数学的な面だけしか議論していないが, 興味がある向きは私が前に作った動画などを参照してほしい.

面倒なのでこのくらいにしておくが, 現実に即した役に立つことをしようと思うと色々なことを考える必要がある. 軽々しく「現実問題をやりたい」「役に立つことを」などと口にしてはいけない. そのためには知らなければいけないことがたくさんあるし, 他の人との協力プレーだって必要になる. 解きたい問題が自分の知っている数学で解ける保証もない. 必要なら勉強するなり新しい数学を作る必要すらある. 第 3 回のつどいでのーてぃさんが発展途上のパーシステントホモロジーと画像処理の話をしていたが, そういうことだ. 自分の無能さに歯を食いしばりながらアタックする覚悟があるのか. 私は色々な面でそうした能力がなかった悲しみに打ちひしがれている.

伊藤哲史さんによる『楕円曲線の数論幾何』の PDF

はじめに

元ツイートがどれだか分からなくなってしまったのだが, 伊藤哲史さんによる楕円曲線の数論幾何という PDF が流れてきた.

次のような話が載っているとのことで, ちょっと読んでみた.

メモ

最近では, ワイルズ以降, 大きな進展があった. この 10 年間だけでも, 重要な未解決問題が数多く解かれた. この講演では, そのうちのいくつかを (雰囲気だけでも) 紹介したい.

  • フェルマーの最終定理
  • 谷山-志村予想
  • 佐藤-テイト予想
  • バーチ-スイナートン・ダイヤー予想 (BSD 予想)

細かいところは興味ある各人が勝手に読むことを期待しているので, 適当に面白いと思ったところだけ抜いていく.

数論幾何: 整数に関する問題を, 幾何学的手法を使って研究.

整数は "目に見える" 素朴な対象. 目に見えている部分だけでは, よく分からないことも多い. より深く理解するために, "幾何学的な視点" を導入して研究する.

数論幾何の醍醐味 『素朴な対象の背後に, 広大な世界が広がっている』 (ただし, 「素朴 $\neq$ やさしい」)

『素朴 $\neq$ やさしい』というの, Feynman の初等幾何を駆使した力学講義を想起させる.

モーデルの定理 (モーデル・ヴェイユの定理)

$E \colon y^2 + x^3 + ax + b$ を楕円曲線とする. このとき, 有限個の有理点 $P_1, P_2, \dots, P_n$ が存在して, $E$ の全ての有理点を $P_1, P_2, \dots, P_n$ から作ることができる.

面倒なので引用を省略したが, この前段にある具体例のあとに出てくるこの定理が凄まじい. 具体的にいうとねじれ点の話.

$P_1, P_2, \dots, P_n$ を生成系という. $Q_1, Q_2, \dots, Q_r$ から, ねじれ点以外の有理点を全て作ることが できるような $r$ の最小値を, $E$ の階数という.

P.19 の Hasse の定理, これ自身はよく分からないが, 言い換えの方を見て凄まじさを把握した.

P.24 の比較画像, 唐突過ぎる.

やはり他分野の問題の面白さの把握, 著しい困難を覚えるということが再確認された.

数学をテーマにした美術: 方程式のある風景

はじめに

「数学をテーマにした美術館展覧会」というネタが上がっていた.

「数学をテーマにした美術館展覧会」って非常に魅力的だが, 何をかざればいいんだろうか.

ここで「証明図はどうか」というリプライがある.

引用

@ytb_at_twt 数学記号満載の計算式を大量に書いていくライブペインティングが見たいです. 計算過程をとても美しいと思うので. 数学わかりませんが.

@noukoknows うーん…ある種の美ですが…結局はよくあるツリー状のデータ型の一つですからねぇ…

@ytb_at_twt はい, さすがに冗談です (笑) とはいえたまに証明図きれいだなと思うことはありますが・・・!

@dot_taigu 外見的には, Unix とか MacOSX のマシンでコンソール・ウィンドウを開きっぱなしにして 記号列がすごい勢いで進んでいくのを眺めるのと似た体験になりそうですね (もしかしたら数学と計算機の中の記号処理は本質的な違いはないのかもしれませんし).

@noukoknows それはたしかに. 大学祭で「数学者百人の選ぶ『美しい証明図展』」とかやれば人が…来ないか….

@ytb_at_twt 数学とアートに関してはこんな国際的なカンファレンス http://bridgesmathart.org/mission-statement/ があるんだそうですね.

コメント

まだ大量に書いていくライブペインティングとまでは行かないが, 数学用タイプライターアプリはここで作成途中のものを公開している. 最近別件で忙しくて開発に手をつけていないのだが. これ, ニコニコにも投下しておこうと思って忘れている程度にアレだ.

あと, 式自体を鑑賞する試みというと大袈裟だが, 次のような本もある.

物理, 特に量子力学関係の式を鑑賞しようという本だ. 上記タイプライターアプリを作った背景には以前これに目を通したことがあるということも大きい. 相変わらずしたいことは色々ある.

Atiyah-Macdonald のゼミ的なアレと参考書として岩永-佐藤の『環と加群のホモロジー代数的理論』がお勧めという話

本文

にゃんにゃんとのやり取りをまとめておきたい. この辺からだ. にゃんにゃんツイートが消えているので私のだけを引いておく. かの有名な Atiyah-Macdonald のゼミ的なアレをしようという話があったのでそれについてのやりとりだ.

メモ

@dingdongbell 前言っていた, にゃんにゃん的アティマクゼミはやるのでしょうか. やるなら参加したいのですが

@dingdongbell ぼなっちさんにも発表してもらうことでしのぐライフハックを提案

@dingdongbell 都合が合うなら呼んであげてもいいのでは, というのは思っています. もちろんあんなもの喋らせるつもりないですが

@dingdongbell ちなみに終わらせるはずだった勉強というのは何なのでしょうか

@dingdongbell 見る限り予備知識はいらない感じします:環のところを眺める限り最初からきちんと書いてあるので. 証明が簡潔なので参照用の控えの本候補や例が書いてある本を探しておくと便利かもしれません

@dingdongbell それ, 一応持っていますがかなり本格的で相当辛かった覚えがあります. http://www.amazon.co.jp/dp/4535783675 は非可換環の話が中心ですが, 例も結構ありつつ, 一般化を敢えて避けた上でかなり丁寧に議論していてかなり良い本だという印象

コメント

にゃんにゃんがお勧めされた本として松村の『可換環論』が挙げられていたが, これは相当つらいのでは, と返した.

上で私がいいと言っているのは岩永-佐藤の『環と加群のホモロジー代数的理論』だ.

李奇人 P にお勧めしてもらったのが非常にいい. この本はあえて過剰な一般化をしないで Noether 環や Artin 環に制限したところで議論している. 特に代数で一般化に抵抗するのは難しいだろうから著者達の熱意と気迫を感じる. 著者達の興味から非可換環への応用を見据えているのだが, 可換環の勉強にも役立つだろう.

普段 Twitter では東大やら京大の学生とばかり話しているので感覚が麻痺しつつあるのだが, 代数専攻の学生であってもその辺の数学科学生では松村などの本格的な本を読むのはしんどいだろう. この本はそうした教育的な配慮も行き届いている. 幾何だとある程度ホモロジーなどが必須なので代数もやらざるを得ないが, 関数解析主体の微分方程式まわりの解析専攻の学生が代数を学ぶには相当いい. 多変数関数論でも Noether 環くらいは山程出てくるが, そうしたところは十分カバーできる. 代数の学生でも一冊目としてこれを読んで, その後に本格的に一般的に勉強してもいい.

上で簡単に触れた教育的配慮としては, Noether レベルで一般化を止めているということの他に例がかなり豊富に書かれていることもある. 例を作ること自体も勉強だが, 初学だとやはりなかなかつらい. そうした点をきちんと埋めてくれている. 面白かったのは, 例えば環の単位元と部分環の単位元は一般には異なることを行列環で説明していることなどだ. 当たり前といえばもちろんそうだが, 身近な例を挙げて丁寧に説明してくれているのが嬉しい.

Atiyah の From Quantum Physics to Number Theory という講演が YouTube に上がっていたので

本文

Atiyah の From Quantum Physics to Number Theory という講演が YouTube に上がっていたようなのでとりあえず見てみた.

From Physics to Number Theory http://youtu.be/I1ftUA17MZg

適当に聞いていたこともあり, どの辺からどう Number Theory が噛んでいるのかとか, 何故 Atiyah が幾何ではなく数論の話をしたのかとか全く分かっていないが, Atiyah の講演を聞いたことがなくミーハー根性を満たすためだけに聞いたのでよしとする. 砂田先生の言かと思ったが Atiyah の英語は日本語でいうところの「べらんめぇ口調」に対応するらしい. 分かるような分からないようなアレだが, Atiyah の英語はかなり聞きやすかったので程よい英語の勉強にもなりそう. 去年くらいに撮った映像のようだが, さすがに Atiyah も 84 なので疲れるということか, 座りながらトークしていた.

あまり真面目に聞いていなかったが, 最後の方でおそらく Hilbert-Polya 予想に関するのであろう話が出ていた. 次のように書かれたスライドがあったのだ.

Zeros of Riemann zeta functions are eigenvalues of gravity Hamiltonian?

Hilbert-Polya 予想というのは Riemann の $\zeta$ が適当な自己共役作用素のスペクトル (固有値の集合) で記述できるという予想だ. 元は重力の Hamiltonian に関する予想だった, ということなのだろうか. あまりきちんと聞いていないので分からないが. 量子力学 (非可換調和振動子) や場の量子論 (Fock 空間からの構成) については, 以前, それぞれ坊ゼミやささくれセミナーで少し触れた. Atiyah もこの辺に期待しているということだろうか.

あと最後に次の一文が出ていたので, 引用しておこう.

Without dreams there is no art, no mathematicians, no life.

Baez-Segal-Zhou の教科書, Introduction to Algebraic and Constructive Quantum Field Theory が無料公開されていた

本文

Baez-Segal-Zhou の有名な本がここで無料で配布されていたので, 一応共有しておこう. 『Introduction to Algebraic and Constructive Quantum Field Theory』という本だ. 時々論文にも引用されるので, 見てみたいとは思っていた.

ただ, 画像取り込みのようになっていて中で傾いているのでかなり見づらい. 検索が効くように配慮されているのは助かるけれども.

前半部分は大体 (場の理論の) どの本にも書いてある内容のようだが, 後半が少し珍しい. 特に最後の非線型場の話は最近の本にあまり書いていないように思う.

場の量子論の数学についてちょっと知りたいが, 本を買うほどの興味はないという向きは, 落としてみて眺めてみるといいかもしれない.

定常状態の熱伝導方程式と楕円型方程式の解の挙動について気になることがあったので

はじめに

ちょっと数学的・物理的に気になるやりとりをしたのでメモ.

やりとりその 1

やりとりその 2

あとこれ.

コメント

時間定常の熱伝導方程式が単純に時間項を落とした式として紹介されているが, 物理的に実験と合うのだろうか. もちろん適切な境界条件などの設定も必要だが, 定常状態は方程式自体は放物型の解で, それの時間無限大の極言を取った状態だと思っていたので, 実際のところどうなのか凄い気になる. 境界条件などが同じだからといって, 放物型の解の極限と楕円型の解は一致するのだろうか.

根本的に私の認識がおかしいということももちろんありうる. 機械工学の人の文章らしいし, 実験的な裏付けはきちんとありそうだけれども.

追記

その筋の数学者にコメントを頂いた.

非線型の同じようなタイプのやつ (何といえばいいのかわからない) だとどうなのだろう. とりあえず安いし買ってみよう.

追記

あとで冷静に考えたらまさに指数定理などの熱核の方法だった.

Bolzano-Weierstrass の定理

はじめに

Bolzano-Weierstrass の定理についてのやりとりがあったので残しておきたい.

ボルツァーノ・ワイエルシュトラの定理って難しいかな?

@bonacci_11235 名前がわからないけど有界な数列は収束部分裂をもつってやつ?

@bonacci_11235 そこまで難しくはないですよ

@dingdongbell そうです

@bonacci_11235 大丈夫だと思う (?)

コメント

そして市民メモ.

ボルツァノ-ワイエルシュトラス, 実数論の要という意味でかなりクリティカルだし, 一般にはコンパクトの話だし, 少し突っ込んだだけで深淵が出てくるのだがどういう意味でそれほど難しくないと言っているのか感ある. 数学が好きな子相手の話だからこそクリティカルという感ある

@phasetr 工学部の人間相手なら「気にしている暇があったら本業やれ. 本業で本当に出くわしたどうにもならなくなった時点で気にかけろ. それでも多分気にする必要はないし, 本当に気にする必要が出てきてしまったときはまず工学が分かる数学者を巻き込め. 話はそれからだ」的なことをいう

『数とは何かそして何であるべきか』 リヒャルト・デデキント 著, 渕野 昌 翻訳, 渕野 昌 解説

本文

ちくまがまた面白そうな本を出したようだ.

数とは何かそして何であるべきか

リヒャルト・デデキント 著 , 渕野 昌 翻訳 , 渕野 昌 解説 待望の新訳 訳者による充実の解説付き!

「数とは何かそして何であるべきか? 」「連続性と無理数」の二論文を収録. 現代の視点から数学の基礎付けを試みた充実の訳者解説を付す. 新訳.

コメント 1

この辺 から ytb_at_twt さんが感想を書いている.

現代的視点から読み直すというのはまあ批判はあるじゃろな. でも, デデキンドの実数論を現代的視点から読み直して位置づけ直すというのでお値打ち (フチノさん曰く名古屋弁) な本だと思います. http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480095473/

コメント 2

patho_logic さん分.

「数とは何か, 何であるか」買って来た. フチノ節前回でゲラゲラ笑いながら読んでる. http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480095473/

でも, デデキンドの実数論を現代的視点から読み直して位置づけ直すというのでお値打ち (フチノさん曰く名古屋弁) な本だと思います. http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480095473/

現代的視点から読み直すというのはまあ批判はあるじゃろな.

コメント 3

ytb_at_twt さん分.

デデキント「数とは何かそして何であるべきか」買ってきたー. デデキントの 2 論文が計 110 ページ程度, ネーターやツェルメロの「関連」論文が 50 ページ程度, 訳者解説が 150 ページ程度, 岩波文庫のゲーデル本と同じく原著者ではなく訳者の本. こういうビジネスモデル流行っているのだろうか.

参考書の紹介で「江田 [ 10 ] と坪井 [ 54 ] はともに不完全性定理を中心とした個性的な教科書である. 両方とも著者を個人的に知っていると十倍楽しめる本である」と書いているが, このデデキント本も (以下略).

「ゲーデルの不完全性定理をなかったかのように振る舞う」ブルバキ派について「大震災での原発事故の起こる前の日本では, 原発事故は『起こらないものである』とされていて…訳者にはこれは『第一不完全性定理はなかったことにする』という一部の数学者の思考パターン…と同型」 (p238)

つーか原稿事前に読んだ誰か, こういうの止めろよ.

で, ところで, そもそも「数学の基礎」って何なのでしょうか. どこかに解説があるのかもしれないけれど見つけられない.

あと, この本, 対象とする読者はどういう人なんでしょうか. 50 ページで命題論理から ZF での選択公理とデデキント有限/ 無限の独立性まで書いてあって, すごい知識がないと読めないような気もします. 香りを楽しむ?

僕が独裁者になったら, 「数学の基礎」とは何かの定義を与えることなく, 「数学の基礎付け」について語ることを禁止したい.

私も読みたい.

2015-01-10 今日のいい話: とにかく「数学大好き」と言葉に出して洗脳していけ

  • 数学, 数学教育, 相転移プロダクション

広めていきたい.

2015-01-12 私も統計学の動画を作っているので: 記事紹介『統計学の初心者が入門として最初に読むべき一冊』

  • 数学, 統計学, 教育, 数学教育

私も一応統計の動画を作ったので宣伝しておこう.

もっと続きを作りたいとは思ってはいる.

2015-01-15 ツイート・書籍紹介: 『数学の言葉づかい100―数学地方のおもしろ方言』数学セミナー編集部

  • 数学, 数学書, 数学教育

記憶にとめておきたい.

2015-01-16 SubfactorとCoxeter群

  • 数学, 作用素環, Coxeter群, 代数, subfactor

Subfactorも恐ろしいが, Coxeter群とかも恐ろしい.

2015-01-19 サイト紹介: Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics

該当ツイートがわからなくなってしまったのだが Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics というサイトがある. 数学の専門用語の初出をわかる限りでまとめたという謎サイトだ.

例えばこんな感じ.

CALCULUS. In Latin calculus means "pebble." It is the diminutive of calx, meaning a piece of limestone. The counters of a Roman abacus were originally made of stone and called calculi. (Smith vol. 2, page 165).

In Latin, persons who did counting were called calculi. Teachers of calculation were known as calculones if slaves, but calculatores or numerarii if of good family (Smith vol. 2, page 166).

The Romans used calculos subducere for "to calculate."

In Late Latin calculare means "to calculate." This word is found in the works of the poet Aurelius Clemens Prudentius, who lived in Spain c. 400 (Smith vol. 2, page 166).

今度じっくり読みたい.

2015-01-23 Bitbucketにあった【ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説】というの記事の記述が気になったので

  • 数学, 計算機科学, 物理, 圏論, 相転移プロダクション

本文

圏は勉強中で全く酷い理解のままだが, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないし, いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずブログにまとめた.

「集合の元」はタブー

整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.

ここがミスリーディングではなかろうか.

念のため書いておくと, スタンスとしてはあくまで数学としての視点を重視してコメントする. まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのはそもそも対象が集合にならないことがあるためだ.

数学としていうなら, 現実問題として対象を直接調べるよりも対象相互の関係を調べることで対象自身への理解を深める手法はよく使う. どういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 例えば素粒子の性質を調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べる. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への理解を深めていく形になっている. それで言うなら【その手法も一風変わっている】という記述にも問題がある.

他にもある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら穏やかな人なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人はそういう人だと理解されるだろう. これもいろいろな対象相互の関係を調べることで元の調べたい対象の性質を調べている.

数学も人間の活動なので, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたと理解している.

だから【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象を扱うからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.

また計算機科学への応用についてあまりよく知らないが少し調べた限りでは自然変換が使われることがあるようだ.

関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないのでは.

貴様の理解も間違っているなどご批判あればご指摘頂きたい.

Qiita 投稿

自分のブログにも書いたのだが, ほんの少しだけ首を突っ込んだのでこちらにも転記しておきたい.

圏はまだまだ勉強中ではあるものの, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないうえ, 対応法があまりよくわからないし,いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずここ(と自分のブログ)にまとめた.

「集合の元」はタブー

整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.

ここがミスリーディングではなかろうか.

まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのは そもそも対象が集合にならないことがあるためだ. これはあとで少し説明する.

そして, 現実問題として, 対象を直接調べるよりもいろいろな対象相互の関係を調べることで 対象自身への理解を深めるのは日常的によくあるのだと 意識することが根本的に大事だろう. 圏の言葉でいうなら, 集合の元を直接取らずに射という 相互関係の取り扱いに着目する理由だ.

数学内でも数学外でも一般にどういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 日常の例でいうなら, ある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら その人は穏やかな性格なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人は そういう人だと理解されるだろう. いろいろな対象相互の関係を調べることで 元の調べたい対象の性質を調べている. このくらい日常的によく使う研究手法で, その前提で言うなら次の記述【その手法も一風変わっている】にも問題がある.

そもそも圏論について 圏論は比較的新しい数学の分野であり, その手法も一風変わっている.

他には, 素粒子の性質を実験的に調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べるという物理の例がある. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を 絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への 理解を深めていく形になっている. もう少し具体的にいうと, スピンを持っている中性子を使ったときに どういう散乱データが出てくるかを調べることで, 調べたい物質の磁性を研究するとかそういう感じ.

数学も人間の活動であって, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたのだと理解している. 有名な MacLane の Categories for the Working Mathematician 2nd edition P.18 には自然変換の定式化のために関手を定式化して, 関手の定式化のために圏を定式化したとある. そして応用上決定的に重要なのは自然変換という話だが, この辺は勉強中で全く詳しくないので各自適当に調べてほしい.

話を元に戻すと【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象が重要でそれを扱いたいからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.

また, 計算機科学への応用についてあまりよく知らないが 少し調べた限りではやはり自然変換が使われることがあるようだ.

関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は 対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないはずだ.

2015-01-25 数学はずっと苦手だった: 数学・物理に関するツイート小まとめ

  • 数学, 物理, 数理物理, 大学受験

個人的に関係するツイートをまとめてみた.

制限だらけの高校物理, 結構気に入っているのでそのあたり.

数学はずっと苦手だったので.

今日も明日も数学したい.

2015-01-26 ゼルプスト殿下の作った(反)例ツイートまとめ: 連続な全単射は同相写像になるか

面白ネタだったので思わず. あとでhttps://github.com/phasetr/math-textbookの(反)例のところに載せていいか聞いておこう.

2015-01-29 圏論についての記事をQiitaに書いたので

Hormanderを読んだらMac Laneを読もうと思っている.

2015-02-03 選択公理と非有界作用素: 市民なので Hilbert 空間全体で定義された非有界作用素というのをはじめて聞いた

  • 数学, 物理, Hilbert 空間, 非有界作用素, 選択公理, Zorn の補題, Hamel 基底, 量子力学

何だそれ, と思ったらやはり選択公理による構成で, 見たこと・聞いたことないのも当然だった感がある.

p進大好きbotによる謎の現象報告もつけておこう.

2015-02-04 京大・東工大での研究会告知依頼が来たので: 小嶋先生の退官記念と弱値・弱測定の研究会

  • 研究会, 相転移プロダクション, 小嶋泉, 量子情報, 代数的場の量子論, 量子測定

研究会告知依頼が来たので共有しておきたい.

3/5-6 Symposium on Quantum Fields in Dynamical Nature, on the occasion of Professor Izumi Ojima's retirement @京都大学北部キャンパス北部総合教育研究棟内益川ホール

3/19-20 弱値・弱測定に関する国際研究集会 @東京工業大学大岡山キャンパス http://qm.ims.ac.jp/wmwv2015/

量子情報というか測定というかそちらはともかく, 小嶋先生の退官の方は最近小嶋先生関係の研究にも興味が出てきたことも あって行きたいが, 時間というよりお金がなくて本当につらい. 情けなくて泣きたい.

2015-02-05 Perelmanの消息: 最近モスクワからスウェーデンに移住したらしい

Perelman情報だった. 何か切ない.

2015-02-10 Lars Hormander, A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces

  • 数学, 相転移プロダクション, 多変数関数論, 複素解析幾何, 複素幾何, 関数解析, 偏微分方程式, 場の量子論

学部 2 年で志賀浩二『複素数 30 講』を読んで岡潔の仕事を知って以来, 多変数関数論にはずっと興味がある.

また場の量子論としても公理的場の量子論や代数的場の量子論で 多変数関数論を使うし, 学部 4 年のときに進む研究室選定とも合わせて AQFT についていろいろ調べていたときに Borchers の自己同型群のスペクトル解析の 仕事に興味を持って以来, 余計に勉強の意欲が湧いてきたものの, 結局まともに勉強できていない.

Translation Group and Particle Representations in Quantum Field Theory (Lecture Notes in Physics Monographs)

ちょこちょこ勉強しようと思って挫折しまくっているのだが, 今回もちょろっと調べものをしていたら Hormander の論文を見つけたので 少し読んでみた: A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces.

適当にしか読んでいないが, 面白かった部分だけ簡単に抜いておく.

1 変数関数論は Laplacian と Cauchy-Riemann 作用素の解析が重要だったが, 多変数関数論は 1 次元からの帰納的なアプローチではじまり, 偏微分方程式を使うアプローチは 1960 年代にようやくはじまった. $\bar{\partial}$-Neumann 問題は 1950 年代中頃に Spencer がはじめた.

言われてみれば 1 変数の場合, 初等的な範囲では解析学の色彩がかなり強いが, 多変数になると専門的になってくることもあって, すぐ層だの複素多様体だのという話になるので, 言われてみれば感があった.

Spencer は 小平-Spencer の Spencer だと思うのだが やはり Spencer 恐るべし.

あと PDF P.17 からの Bergman とのやりとりが面白い.

He was a rather special person and had a reputation for cornering people to talk interminably about the kernel function for which his enthusiasm was unbounded. For quite a while I managed to avoid him, but at last I was cornered.

Bergman, 遠くから観察してみたかった.

私に必要な関数論は現代的な関数論ではなく, 場の量子論向けにカリカリにチューンされた, 恐らくかなり古いアプローチである一方, 現代的なアプローチも読んでみたいのでつらい.

2015-02-14 数学教育に関する記録: 代入法の理解の難しさ

これか. 読書リストにいれておきたい.

2015-02-18 風狸けん画・中川真脚本『和算に恋した少女』

  • 数学, 和算, 相転移プロダクション

和算はともかくエンターテインメントというところに興味がある.

2015-02-18 Twitterで頂いた質問への回答: 逆問題と現象数理学

  • 数学, 物理, 現象数理学, 応用数学, 微分方程式, 関西すうがく徒のつどい

きっかけ

先程Twitterでこのような質問を頂いた. 長くなるのでブログにまとめた. 「定義による」というのが正直なところだが自分用のメモも込めて紹介・記録しておこう.

まず私の理解というところから端的に言えば, 逆問題は応用微分方程式論に端を発する命名で「順問題」に対する「逆」だ. 現象数理学もとりあえずやっていること, 目指すことは従来の応用数学の枠内にはまると思うのだが, 応用数学と言っても広いから, 特に名前づけから特色を出していっただけの身も蓋もないアレという感じ. それぞれ独立した営みという理解.

逆問題に関して

順問題と逆問題で対になる. 以前関西すうがく徒のつどいでも拡散方程式の逆問題について話したことがある. その講演原稿はhttp://github.com/phasetr/math-textbookにも収録しているので興味がある向きは参照してほしい.

それはそれとして次のような対応がある.

一般に 具体的に
順問題 入力から出力を求める 微分方程式の初期値から解の振る舞いを調べる
逆問題 出力から入力を求める 複数観測地点での震度データから震源地を調べる

微分方程式で定式化される問題を例にしたが別に何でもいい. 例えば「友達にいつもと同じ感じでちょっかいを出したら物凄く怒られた. 今日は虫の居所が悪いようだ」というとき, 「怒られた」という出力から「今日は虫の居所が悪い」という入力を推測するのも逆問題と言える.

元のコメントにある「数理的な法則」も特に数学で比較的綺麗に書ける・モデル化できるタイプの自然科学・工学的な応用を念頭に置いているのだろうし, 実際に発端もそこにあるが, フレームワークとしては数学で書ける対象に限定する必要はない. その方が「応用」は広い.

現象数理学科

まず三村先生の所属する明治大学現象数理学科のページから引用しよう.

モノ・コトから現れる複雑な現象を、数学で解明する。

動物や植物の美しい模様、心臓の拍動や薬の吸収などの医学・生理学問題、交通渋滞や経済不況などの社会的問題、流行やブームといった社会現象まで、私たちの身の回りは、現象であふれています。そうした現象を、数学を用いて解明していくのが現象数理学です。現象を数式に置き換えていくことを「モデリング」といいます。そして実際に導き出した「数理モデル」を使い、コンピュータで高度なシミュレーションを繰り返していくと、これまで目に見えなかった現象の正体が徐々に明らかになってくるのです。

現象数理学, 要は応用数学だ. モデリングも諸科学・工学で標準的な考え方だし, シミュレーションも特に理論工学ではもはや基本中の基本なのではなかろうか. 理論というともっぱらシミュレーションを指すことすらあると聞いている.

応用数学といってしまうと数学の趣が強過ぎるから, 適当な「現象」を扱うのだ, という姿勢を前に出した名称である種の政治的なスタンス表明という感がある. 特に最近は「役に立つ学問」という流れがあるし, 学科新設という意味でも思惑があるだろう感がある.

2015-02-21 教官陣の渡辺澄夫『すぴんはころぶ』に関する思い出話小まとめ

  • 数学, 物理, 数理物理, 作用素環, 量子統計, 代数的場の量子論, 直積分, 相転移

私も読んでみたが, 何というか判断に困った. Bratteli-RobinsonというよりもIsingの何かを読む前哨戦にはいいかもしれない.

それはそれとしてBratteli-Robinson, 例えば量子統計・代数的場の量子論への直積分の応用に関しては貴重な文献ではあるが, 大事なのにこのパートが死ぬほど読みにくい. そもそも測度論が出てくるのでそこの地獄はあるにせよとにかくつらい.

2015-02-24 書泉グランデMATHからイベント紹介: 3/20-24 明治大学駿河台キャンパス パネル展示 小平邦彦先生の生涯 小平先生とその友人たち

これ行きたい. どうしよう.

2015-03-05 2015/10/3 の久保シンポジウムでは舟木先生が喋るらしいのでぜひ参加したい

  • 数学, 物理, 数理物理, 統計力学, 非平衡統計, 確率論, 研究会

また行きたい研究会ができてしまった.

Tatsuyoshi HamadaさんによるMathLibre道場GeoGebra編: 九大で行われた数学ソフトウェアチュートリアルの資料

  • 数学, プログラミング, 相転移プロダクション

これも遊んでみたいと思いつつ全く手がついていない. つらい.

2015-03-08 Gigazine記事紹介: 数学の数式・記号のあるページを簡単に検索できる「SearchOnMath」

  • 数学, 物理, 相転移プロダクション, プログラミング, サービス

何かの役に立つかもしれないのでメモ.

2015-03-10 「私は素数時計で生きています」という変な人がいた!と思ったら広義知人だった

  • 数学, 素数, 数論, 素数時計, 素数大富豪, 数学者

何かおかしな人がいる! と思ったら広義知人だった事案.

2015-03-12 共形場で代数的場の量子論と頂点作用素代数の対応がついたらしいので

  • 数理物理, 数学, 物理, 代数的場の量子論, 構成的場の量子論

最近忙しくていろいろ滯っているのだが, ちょっと堀田さんとやりとりしたので.

あと立川さんと谷本さんのやりとり.

谷本さんは元々河東研で, 博士から本格的にAQFTやりにイタリアに行ったくらいの人で正にバリバリの識者だ.

あとで論文読んでメルマガにまとめたい.

2015-03-15 応用数学での泥縄式学習: 線型代数・微分積分・確率論の力強さ

  • 数学, 応用数学, 線型代数, 微分積分, 確率論, 代数統計, 代数多様体, 代数幾何

いわゆる狭義の応用数学に限らないが, この徒手空拳で挑む感じがとても好きで, 私の専門でもなるべくこの感じを大事にしたい.

2015-03-16 記事紹介: 「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね......」外国人歴史家が体験した3.11

  • 歴史学, 東北大震災

歴史家というのがどういう人々なのかよくわかっていないのだが一例として参考にしたい.

2015-03-17 何か最近Lieb-Robinson boundが流行っているらしく夏学でも講義されるらしいという話を聞いたので

  • 数学, 物理, 数理物理, スピン系, Lieb-Robinson bound, 作用素環, 作用素論, 量子統計

詳しいことはさっぱり忘れてしまったが, 最近まるで触れられていないものの, 無限系の Hubbard に集中的に取り組んでいたことがあって, そのときに読んだ記憶がある.

次のような感じで大事そうだと思った記憶がある.

  • まずは無限系でのダイナミクスの存在を言わないといけない.
  • 作用素論的に言うのは大変そう.
  • 作用素環ベースでスピン系ならいろいろある.
  • 証明を捻って転用できると嬉しいな.

私の目下の対象はHubbardモデルでの電子とフォノンの相互作用系だが, Hubbardを無限系にすると相互作用を考えなくても一気に数理物理的な研究が減るので, 嬉しいのか何なのかよくわからないが, とにかく何かやりたい.

あと次の情報も教えて頂いた.

ちなみに夏学の講義の参考文献はhttp://arxiv.org/abs/1102.0835http://arxiv.org/abs/1004.2086の予定です

両方ともNachtergaele-Simsだった.

2015-03-18 【線形写像とベクトルはお互いに一対一対応する。これは随伴関手の例にもなってる。】という個人的によくわからない言明をみかけたので意味がわかる方は教えてほしい

  • 数学, 線型代数, 内積, 内積空間, Hilbert 空間, 線型写像, ベクトル, Riesz の表現定理, 線型汎関数, 有界, 関数解析

よくわからない言明に遭遇したので. 引用しておくとこれ.

これに関してコメントを頂いたので少しお話しした.

こういうのを見ると, 自分も (よく知らないところで) とんでもないことを口走っているのではないかと不安になる. あと圏をフランス語でやってみたい. 何かいい本ないだろうか.

2015-03-19 竹山美宏さんによる新入生向けの数学の良書紹介があったので

物理のための数学講座はこの辺のために作ろうと思った講座だが, 止まったままなので早く再開させたいとはずっと思っている.

『すうがくぶっくす』はこれだけ見るとちょろそうだが, 時々核弾頭クラスの凄まじいのがあるので気を抜いてはいけない. ひどい本というわけではなく, 恐ろしく深く遠いところにまで連れていかれることがあるのだ. 平井先生の群の表現論の本, 堀田先生の代数の本(最後に$D$加群が出てくる), 岡本先生の本(佐藤超関数が出てくる)とか超パンチがきいている. 平井先生の本はじっくり読めばきちんとわかる本だと思うが, 二巻本ということもあり, 話題は豊富だし著者の伝えたいという気迫を感じるとてもよい本.

数学したい.

2015-03-20 れんまさんに作用素環のいい反例を教えて頂いたので

  • 数学, 作用素環, 作用素論, 反例

滅茶苦茶間抜けなことを言っていて死にたくなるが, 行列環値の(連続)関数環をさらっと出してくるあたり, 何となく$C^*$の人の気配を感じたが, 私は作用素環専攻だったというのにろくに作用素環をやっていなかったので単にその地力の差という感じもある.

あとでmath-textbookにも例として取り込んでおこう. よい勉強になった.

2015-03-21 量子力学の数理: 非有界作用素の和や積の定義と notorious domain problem

  • 数学, 物理, 数理物理, 量子力学, 場の量子論, 量子統計力学, 作用素論, 非有界作用素, 定義域

非有界作用素という修羅との戦いだった. あとzenaさんとのやりとり.

あまりにも間抜けで死にたくなった. 仕方がないので粛々と対応していきたい.

あと非有界作用素に関する定理, これはやばい.

2015-03-22 新井仁之先生の『線型代数 基礎と応用』が超面白そうなのに絶版状態らしいので悲しい

  • 数学, 応用数学, 線型代数, 多変量解析, 離散 Fourier 変換, ウェーブレット

これは読みたい. 絶版状態(?)なのをどうにかしてほしい.

追記: いつだか忘れたが絶版状態が解消されたため既に買って手元にある.

2015-03-23 講義ノートリンク: Lurieの謎キャラっぷりがすごいようなので

  • 数学, 講義ノート, 代数トポロジー, 組み合わせ論, 数論, 作用素環, 幾何学, 多様体論, 代数的 K 理論, 多様体のトポロジー

Lurie, ホームページがやばいというか何者なのかよくわからなくてやばい.

2015-03-25 【線型代数で殴る】【数学で殴る】という表現がどこまで一般的なのかを知りたい方の市民だった

私も先日, 小学生の女の子に「数学で殴る」という表現を教えてきたが, この表現がどこまで一般的なのかについて非常に興味がある.

2015-04-02 工学部の専門数学で必要な線型代数・線型空間論が何なのか具体的に知りたい方の市民だった

  • 工学, 数学, 線型代数, 線型空間論, Hilbert 空間論

もはや前後が追い切れないので悲しいが, 現実問題として工学的に抽象論の何をどう使うのだろうか.

2015-04-04 ツイート紹介: 「さんすう刑事ゼロ」というのが教育的に素晴らしいらしいので

近いうちに眺めよう.

2015-04-11 算数教育に関するt2o_yamaさんの連続ツイートが面白かったので

  • 数学, 算数, 理科, 教育, 相転移プロダクション

面白いとか言って済む話ではないのだが.

子供たちの詳しい状況はよくわからないが参考にしたい.

2015-04-16 t2o_yamaさんのツイートから: 処理速度と教育・学習の関係

  • 数学, 教育, 算数, 理科, 物理

言われてみればそうなのかもしれないが, ほとんど考えたことがなかった事案なので, いくつかツイートを転記して記録しておきたい.

こういうのは実際に大量に色々な子供を見ていないとわからない. 参考にしたい.

その1

引用

引用されているのはこれ.

その2

その3

その4

2015-04-17 p進大好きbotから: 「任意の素数pに対してp+1元集合に入る位相全体の集合の濃度はmod pで7」とかいう謎の結果が載っているプレプリントがあるらしいので

  • 数学, 素数, 数論, 位相空間論

やばい. あとで論文きちんと読みたい.

2015-04-28 Elsevierの数学や情報系のジャーナル論文が四年以上前の分が全部無料で公開されるようになったらしいので

  • 数学, 物理, 論文, 相転移プロダクション, Elsevier

本当か. これはありがたい.

2015-04-19 メモ: 一般化Riemann積分としてのKurzweil-Henstock integral

  • 数学, 積分, Lebesgue 積分, Riemann 積分, Denjoy and Perron 積分, Kurzweil-Henstock 積分

Kurzweil-Henstock integral, 名前をずっと忘れていたのでとりあえず記録.

2015-04-20 外注のとき用メモ: 記事紹介 『面倒なデータマイニング作業を時給200円ぐらいでバングラデシュ人に発注してみた』

  • 数学, 物理, 外注, アウトソーシング, 相転移プロダクション

自分の楽しみも合わせて数学名言を集めてつぶやくみたいなアレをやろうと思っていたのだが, こういうのを使うといいのかもしれない. 検討しよう.

2015-04-22 いろぶつ先生の新刊査読募集があったので宣伝協力: ★「ヴィジュアルガイド・自然科学のための数学(仮)」の査読者募集

  • 数学, 物理, 相転移プロダクション, いろぶつ, 書籍, 自然科学のための数学

楽しそうだし私も似たことをやろうと思っているので, 参考にもするべく参加した. 楽しそうなので皆でやろう.

2015-04-23 論説紹介: 斎藤恭司 一般weight系の理論とその周辺 特異点理論, 一般Weyl群とその不変式論等との関係

  • weight 系, 特異点, 一般 Weyl 群, 不変式論, 楕円積分, 周期

いま読んでも面白いということなので私も読んでみたい.

2015-04-27 書籍紹介: Joel David Hamkins, A Mathematician's Year in Japan

これ面白そう. ほしい. 私もこういうの作りたい.

2015-05-07 私もニコニコ学会出てみたい

私もニコニコ学会で話す方やってみたいが何話せばいいだろう. ちょっとネタを考えておきたい. 前に動画も作った女性胸部の話とかアレだがアレっぽいのでアレ.

2015-05-15 ツイート・プログラム紹介: mathjaxのようなtexベースの数式組版ライブラリKaTeX

このサイトもMathJax利用だが, ネットワークが通じない状況でのローカルでの記事執筆時に困ることがないではない. 期待したい.

2015-05-16 SGL (Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory)の話

少なくとも一部界隈では有名なMacLane and Moedijk, Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory, 通称SGL関連の話.

次の記述がとても気になる.

古典論理のストーン双対性を圏論的な双対性の有限的/コンパクトな典型的事例として位置付け、無限的/非コンパクトなケースとしては幾何的論理を対比させています。幾何的論理(geometric logic)は、「SGL読書会」のテキストである"Sheaves in Geometry and Logic"の主要なテーマでしょう(たぶん、僕は最終回だけしか出てないので半分憶測)。

古典論理のストーン双対性が、代数幾何の枠組であるスペクトルやスキームと類似であることも詳しく解説されています。ここらへんの話題は、2005, 2006年あたりに僕も取り上げたことがあります。具体的な計算も書いてあるので、多少は参考になるかもしれません。

研究したいこと, 勉強したいことが無限にある.

2015-05-17 鈴木 貴, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広, 『数理医学入門』が面白そう

執筆陣から言っても超ほしい.

2015-05-25 ツイート・記事紹介: 阪大 植田一石さんの数学科に入る人へのアドヴァイス

印象的な文章があるのでPDFからいくつか引用したい.

直前まで素粒子か物性の分野に進むものだと思っていた私の進路を大きく変えたのは、教員と話をしているうちに抱くようになった、物理学者は数学に対してある種の"敵意"を持っている一方、数学者は物理に敬意を払っているという印象です。物理に進学すると数学の勉強ができなくなる一方、数学に進めば物理も勉強できると思ったので、これは単に決断を先延ばしにするだけのはずだったのですが、今思うと実際にはここが人生の分かれ道でした。

ある種とついているのでアレだが, 敵意というか, 嫌悪感のようなものは時々感じる. 実際, 実験系の教官で「元々理論をやりたかったのだが複素関数論が駄目で諦めた」とかいうのを実際に聞いたことがある. 関係ないが, 物理だとよく複素関数論というが, 数学だと関数論や複素解析という気がする. このギャップがどこで生まれたのかとても気になる. 物理でLie代数と(正式に)呼ぶのに数学ではLie環と呼ぶのも面白いと思っている.

研究者同士の関係はある意味で対等(真理の前では平等、と言ってもいいかも知れません)なので、研究を志して大学院に進学する人は、誰かの弟子になるのではなく、同僚になるのだという気概を持つべきでしょう。

学部の頃はいまひとつ分からなかったが, 修士で実際にいろいろやっているうちに少なくとも理想はこう, というのは掴めた気はする.

何らかの事情で数学ができなかった日の夕方には禁断症状で手が震えるようならなお良いです。

手が震えたことはないがふとしたときに「数学やりたい」と言っていることはよくある.

最初は問題が解けるのか半信半疑なのですが、そういう時には解けません。そのうち、実は解けるんじゃないかと思い始めます。いいアイデアを思いついて天にも舞い上がる心地になったかと思えば、ちゃんと書き下そうとしてギャップに気付いて落ち込むということを繰り返します。気持ちのアップダウンが激しくて、精神衛生上良くありません。後一歩で解けそうなときは特に危険です。こういう時は車の運転などは控えたほうがいいですね。また、そうでなくても運転中に助手席の人と数学の話をするのは、ナビを操作したり電話を掛けたりするよりも明らかに危険なので、法律で禁止すべきです。やがてアップダウンの周期が徐々に短くなってきて、遂に証明を書き下してもギャップが見つからなくなります。

法律で禁止するのはいいとして, その状態をどう判定するのかが難しそう. 法学部の教官に相談して何とかしてほしい.

そして目玉はこれ.

ドラゴンボール現象

少年漫画にしばしば見られる強さのインフレーションは、数学では日常茶飯事です。あるシーズンでは手の届く遥か彼方にある最強の敵だったものが、次のシーズンには一撃で倒せる雑魚キャラになります。典型的な例としてはAtiyah-Singer の指数定理があります。これは Chern-Gauss-Bonnetの定理やHirzebruch-Riemann-Rochの定理などを特別な場合として含み、位相的な指数と解析的な指数が一致することを主張します。証明された当時は代数、幾何、解析に跨って聳え立つ現代数学の到達点と位置付けられましたが、今ではモジュライの幾何を研究する際の出発点に過ぎません。

インフレが進む最大の原因は、何かを最初に成し遂げるのは難しくても、それを学ぶのは遥かに容易であることにあります。スポーツだと、誰かが100mを9秒台で走っても、別の人が9秒台で走るには(たとえ全く同じではないにしろ)はじめの人に近い努力が必要です。数学なら、ある日誰かが9秒台を達成した翌日には皆が9秒台で走っていて、8秒台への到達を競うようになります。

Twitterでいくつか反応があって, スポーツの例示は適切かといった話があったが, 非常にキャッチーでうまいと思ったので特に記録しておきたい. 女性から見るとどういう印象を受けるのかはよくわからない. ちょっと聞いてみたい.

2015-05-26 サイト紹介: 街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざして

私の学部時代の友人の父君が街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざしてというサイトを運営している 数学と共に生きる男だといういい話を聞いたので宣伝していきたい.

算額にご興味があるとのことで, サイト内に次のような素敵な一文がある.

街角を曲がると、そこには・・・! そんな街づくりに参加してみませんか

その知人にも改めて連絡したのだが, 以前数学をテーマにした美術: 方程式のある風景という記事を書いて, 次の本を紹介した. 現代アート的に数学関係の変なのがある町並みとか異常っぽくてとてもよいのでぜひ実現させたい.

量子の道草―方程式のある風景

数楽カフェというのも福島でやっているとのことだ.

福島近郊, 特に二本松市市民交流センター近くの方でご興味のある方は参加されるとよいと思う.

2015-05-26 数学者の訃報: Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashが亡くなった

Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashがなくなったとのこと.

Twitterで見かけた情報を探っていたら見つからなかったので, 代わりにWikipediaから取ってくる. 見かけたツイートに相当する記述を引用する.

ナッシュは博士課程をプリンストン大学ですごすこととなるが、カーネギー工科大学での指導教官がプリンストン大学へと送った推薦書は「この男は天才である。」と書かれただけの一行の文章であったという。

他にもいくつか引用しよう.

専門分野は微分幾何学でありリーマン多様体の研究に関して大きな功績を残している。

1994年、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニとともにゲーム理論に関して大きな功績を残したとしてノーベル経済学賞を受賞しており、彼の証明したナッシュ均衡の存在が非常に有名であるため、ゲーム理論がナッシュのライフワークと思われていることもあるが、ナッシュがゲーム理論の研究をしていたのは博士課程在学中とその後のわずか数年間だけである。2015年にはアーベル賞を受賞した。

あとゲーム理論の人とばかり思っていて専門が微分幾何というのを知らなかった.

しかし、ナッシュ自身も「私の業績として特に注目するものではない」と評しているように、ゲーム理論に関する研究はナッシュの数学者としての評価を高めることには余り寄与していない。ナッシュに数学者としての名声をもたらしたのは後のリーマン多様体への埋め込み問題に関する仕事であり、以下の重要な論文を発表している。

  • "Real algebraic manifolds"(1952年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "C1-isometric imbeddings"(1954年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "The imbedding problem for Riemannian manifolds"(1956年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "Analyticity of the solutions of implicit function problem with analytic data"(1966年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)

誰かこれの意義について解説してほしい. 自分でやれればいいのだが, 幾何の歴史的流れを理解していないといけない部分もあろうし, そもそも幾何がわからな過ぎるのでつらい.

本当はこういうのをタイムリーに動画にできるといいのだが. 今後の検討課題としよう.

2015-05-29 Kiwamu_Kさんの数学セミナー2015/6【微分積分の質問箱】に関するツイートを見て反省したので

定期購読で買ったまま積読になっている数学セミナー2015/6の該当記事を読んでみた. あとで動画にでもしたいのだが, 確かにきちんと丁寧に議論した方がいいところで, 私も反省した.

自分の理解の杜撰さを指摘されているようで戦慄する.

2015-05-30 IPMUのDysonインタビュー記事が面白かったので

Dyson, 私の分野の魔人である. よくわからないが, 世間的に有名なのはQEDなのだろうか. Dyson-Lenardの物質の安定性やDyson-Lieb-SimonのHeisenberg反強磁性など, 凄まじい結果を持っている数理物理の神々のうちの一人だ.

上記PDFによると元々ケンブリッジの数学科で, それから理論物理に移ったとのこと. この辺の経歴は知らなかった.

PDFを読んでいるとサッチャーの話とか出てきて楽しい.

私はベシコヴィッチのスタイルに影響を受けました。 構成的なスタイルです。 ベシコヴィッチは単純な構成要素から彼の数学的証明に使われた美しい構造を創る能力に長けていました。 私は物理の計算に同じスタイルを用いました。

構成的場の量子論だとかその辺の話を想起する.

ダイソン 子ども達は、学校で、どの国も特に得意とするものが一つあるというイメージを教わります。 ドイツは音楽、フランスは絵画、そしてイギリスは科学です。 イギリスでは才能のある若者がこれに刺激を受けてケンブリッジに入学し、科学者になります。 有名なケンブリッジ大学の最終的な優等学位の試験(トライポス)によって、この傾向が更に高まりました。

こういうのを考えたことなかった. 日本だと何だろう.

私は1948年にバークレーを訪問した時、化学者のメルヴィン・カーヴィンに強い感銘を受けました。 彼は炭素原子の分子間の移動を数秒間追跡することにより、 光合成、すなわちどのようにして二酸化炭素が吸収され、糖に変換されるか、を理解するため、 初めて炭素の短寿命放射性同位元素を利用しました。 1秒毎に化学反応がどのように進むか。 生物学に対して、初めて原子核物理学が応用されたのです。 その時以来、放射性のトレーサーを用いて生物学は急速に発展しました。 オッペンハイマーは、生物学に対する原子核物理学の応用は原爆よりも重要であると述べました。

この辺を生物・化学に対する原子核物理の応用と認識したことなかったので, ちょっと面白かった. 自分もあまり目が見えていないな, という感.

私がプリンストンに行った時、アインシュタインがいました。私は彼がプリンストンに来たのは大間違いだったと思います。 後略

その当時いた人しか言えない話だった. Einsteinだけではなく, 朝永, Pauli, Diracなどの話もある.

私は量子電磁力学の摂動展開の収束について研究していましたが、パウリは発散すると断言しました。 私はその級数が収束することを説得しようとしましたが、彼は同意しませんでした。 結局、今は彼が正しかったことが分かっています。 私はその級数の発散について論文を書くことができたので、パウリの手助けに感謝しており、不満はありませんでした。

魔人同士の会話だ.

福来 ディラックについてはいかがですか?

ダイソン ディラックは頻繁にプリンストンにやってきました。 彼は若い時の寡黙で近寄り難い性格から、 年を取って話し好きで親しみやすくユーモアのセンスにあふれた性格に変わりました。 アインシュタインと同様、彼は自分好みの理論―うまくいかないことが分かった「大数仮説」、 それから私には全く理解できなかった「負計量の場の理論」―に固執しました。 年を取ってからは、何が正しく何が間違っているかを直感的に推測する能力を失ったように見え、 どんどん普通の人になっていきました。

どんどん酷い話が出てきて楽しくなってくる.

ハイゼンベルクもまた晩年には自分の理論である「スピノル場の理論」に打ち込みました。 彼は自分の助手にその研究をするように要求しました。 私の知っている助手はハンス-ペーター・デュールですが、 彼のキャリアはこの仕事で台無しになってしまいました。 ハイゼンベルクは死ぬまでスピノル場の理論をあきらめませんでした。

ダイソン 私がプリンストンに来た直後、 ヘルマン・ワイルはチューリッヒに、カール・ジーゲルはドイツに、それぞれ移りました。 私は有理数による代数的数の近似に関するジーゲルの定理を強めたため、彼は私のことを知っていました。 ヘルマン・ワイルもなぜか私のことを知っていたようで、私が高等研の教授に採用されるように助力してくれました。

この前のヤン・ミルズのところではランダム行列をやっていたという話も出てくる. Dyson, 本当に何やってるんだ感ある.

ハートランド・スナイダーと一緒に彼の学問的成果として最も重要な、ブラックホールを理解する研究をしました。彼らは、内部圧ゼロの重い物体はアインシュタイン方程式の帰結として永久自由落下状態となることを示しました。彼らはアインシュタイン方程式に従う宇宙にはブラックホールが存在することを予言したのです。

中略

アインシュタインは全くブラックホールを信じていませんでした。それどころか、ブラックホールは存在できないという論文を書いたのです。オッペンハイマーも二度とこの問題に立ち戻ることはありませんでした。宇宙でブラックホールの候補が複数個発見された後でさえ、彼はブラックホールについて語ることを拒否しました。私は彼とブラックホールについて話をし、なぜそれが面白いのか説明しようとしましたが、そうすると彼はいつも話題を変えてしまいました。どうしてなのか、私には分かりません。ブラックホールは、その父からも祖父からも嫌われた息子でした。

悲しみのブラックホール.

ツヴィッキーとは違い、ホイーラーは難しい人間ではありませんでした。多くの学生をもち、非常に寛大でした。彼が示唆した問題についてファインマンが上げた研究成果については、完全にファインマンの業績としました。彼は極端な愛国者で、極右で、150%アメリカ人といった人間で、政治的にはオッペンハイマーと正反対の立場でした。

150%アメリカ人という表現に笑う.

福来 数理物理学者として、数学と物理学の関係をどのようにお考えですか?

ダイソン 本当に溝があったのは純粋数学と応用数学の間です。純粋数学者は違う言葉を話していました。ブルバキが流行の純粋数学でしたが、私はそんなに興味はありませんでした。「脆弱層」についての講演を思い出します。誰かが脆弱層とは何なのか質問しました。座長のアンドレ・ヴェイユがこう言いました。「それは既にクラシックな専門用語になっているので、説明する必要はありません。」私はそれが何のことか全然理解していませんでした。私はファイバー束は理解するようになりましたが、そこから先には進みませんでした。どうも純粋数学は極端に抽象的になってしまっていました。私にはそれが稔りの多い方向とは思えません。私は応用数学に留まる方を好みました。

応用数学とは, という感.

ダイソン 物理はスピードが遅くなりました。 60年前は6ヶ月で実験が終わり、結果は6週間で説明されました。 今は実験に20年かかります。 高エネルギー物理以外では、まだすることが数多くあります。 小規模な研究はまだ盛んです。 素粒子物理は特殊なケースです。 素粒子物理でさえ、ハーバード大学のガブリエルスによる電子の電気双極子モーメントの測定のような小規模実験は、最先端研究の一例で、新しい発見のチャンスもあります。

自分が場の理論・量子統計をやっているのにアレだが, 古典論まわりいろいろやることありそうで楽しそう. しかしめっちゃ難しそうなイメージが死ぬほどある.

一般的に実験研究者は予期せぬことが起きることに備えておかなければなりません。 これは理論研究者にも当てはまります。 一つのことに固執するべきではなく、多くの研究テーマを考えるベきです。 一つの研究に飽きたら、さっさと別の研究に取りかかるべきです。 私は長い研究生活でずっとそうしてきました。

早く研究が再開できるようにいろいろ整えているところだ. あと一年で形にしたい.

2015-05-30 ミンネ, メルカリで数学アクセサリの出品をはじめてみたので

ミンネで数学アクセサリの出品をはじめてみた.

露出を増やすべくついでにメルカリでも販売している.

作れる記号一覧もアップしておいた.

ふだん私もつけているし, 高知工科大学での講演時, 出席していた学生さんに無料であげるといったら女性だけでなく男性にも人気があったので, 男女関係なく少なくとも理工系には受けるのだと思っている.

コンセプト「数学を身につける」をどんどん展開していきたい.

2015-06-01 パソコンを買ったらこれを入れておけ 数学・物理編 お役立ちソフト・サイト

お役立ち情報まとめみたいなこともしようと思ったので, ちょっとTwitterで募集してみた.

YouTubeに動画でまとめるが, 教えて頂いたツイート自体はこちらにも転載しておきたい.

動画を作ってYouTubeにも上げよう.

追記: 動画作って上げた.

2015-06-02 とある大学ではコーヒーカップに「注意!これはドーナツではない」と注意書きがあるらしいので

トポロジーよくわからないし, 何かの機会に勉強したいと思っているのだがなかなか機会がない. 動画を作るとかそういうので強制的に学ぶ機会を作りたい.

2015-06-05 終結式メモ: いろいろ教えて頂いたので

これについて二つコメントを頂いたので記録.

Cox-Little-O'sheaは本を持っているというか, ある程度読んで見つけたタイポをお送りして「報奨金」を頂いた. 本やサイトに「タイポを報告してくれた人には一つにつき1ドルあげる」みたいなのがあったのだ. あとでまた見直そう.

もう一つ頂いたコメント.

代数的整数論, 本当に何でも使うなという感がある.

2015-06-06 かわず語録: 『考えればわかることでも記憶するべきことはある、ということと、話を聞いただけでわかった気になるのは非常に危険である』

私も高校の頃, ある数学の先生が「ノートを取らないで授業中に全て理解しなさい」とか何とか言われて物理の授業をノートを取らずにやってみたことがある. よかったのかどうかはよくわからないが, 少なくともいまの時点では記憶すべき点くらいはきちんとメモを取るであるとは思う. 適当に参考にしたい.

2015-06-08 Twitterメモ: 学者的な意味での難読外国人名

私の分野でNachtergaeleという有名人がいるのだが名前の読み方を忘れてしまった. 田崎さんも知っているようなのだが, 前に集中講義で九大の松井先生が名前を呼んでいたときにきちんとメモを残しておくべきだった.

math-textbookの数学・物理の英語パートに数学者・物理学者の名前の読み方と業績などの簡単な紹介をつけているが, そこも拡充したい.

やりたいことがたくさんある.

2015-06-09 業績紹介: 東大数理 小林俊行先生が2015年JMSJ論文賞を受賞

2015/3/20づけで 小林俊行主任研究員が2015年JMSJ論文賞を受賞というニュースがあった. ちょっと気になるところがあったので引用する.

根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。

【シュレディンガー・モデルとして具体的に構成】というのが何を言っているのかとても気になる. これっぽいので論文読んでみたい.

同じくメインパートを引用しておこう. 毎度小林先生の多産性には驚かされる. ただ1000ページ書くだけでも大変だというのに, 他の人に伝わるように, 明快になるように工夫を凝らした1000ページを執筆する力も凄まじい.

受賞対象となった論文は、JMSJ 66 巻 2 号に掲載された、J.Hilgert、J.Möllers 両氏との共著による「ベッセル作用素による極小表現の理論」です (JMSJ 66 (2), (2014), pp.349-414: Minimal representations via Bessel operators)。

「無限次元表現」は対称性を代数的に広く捉える数学的概念で、量子力学とも深く関連する一方、解析が難しいことで知られています。近年の代数的表現論の進展により、“根源的な表現”は、無限の次元とはいえども、ある意味で“小さい空間”に実現されることがわかってきました。「極小表現」と呼ばれる無限次元表現が、その最も重要なものです。 小林氏は、「表現の空間が小さい⇔空間から見ると対称性が大きい」と視点を逆転させることによって、極小表現をモチーフとした解析学の豊かな将来性を予言し、新たな数学の道を切り拓いて数学に画期的進展をもたらしました。同氏は、ドイツ、フランス、アメリカ、デンマーク、日本等の研究者グループを主導し、「極小表現の大域解析学」というテーマに関して、2003年以来、1000頁以上の論理の積み重ねによって、表現論のみにとどまらず、共形幾何学、シンプレクティック幾何学、フーリエ変換の変形理論、偏微分方程式の保存量、4階の微分方程式に対する特殊関数論など様々な分野の研究に影響を与えてきました。根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。

2015-06-10 ページ・活動紹介: 京都数学グランプリ2015 ~めざせ!国際数学オリンピック入賞~ (第57回IMO香港大会)

知人が関係しているとのことなのでとりあえず宣伝協力.

当面の自分の目標として, やはり数学関係の活動をマネタイズに結びつけるところを強化していきたい.

2015-06-11 2015-7中旬に『数学まなびはじめ3』が出るらしいので皆買おう

購入必須事案だ. 数学まなびはじめについてはいくつか書評を書いている. 例えばここを参照してほしい. 皆も買って「こんなのを求めていた」という要望を形にしていこう.

2015-06-13 ツイート・イベント紹介: 2015年モデル理論夏の学校は8/22-24に法政大学で決行

非専門もはなはだしいが, こういうのも一度は参加してみたい. 都合合うだろうか.

2015-06-15 ツイート紹介: 初学者向けの解析学教材を作ろうメモ

そして黒木さんのツイート.

この辺もきちんと教材作りたい. TODOリストに入れておこう.

2015-06-16 ツイート紹介: 簡単に靴紐がほどけなくなる結び方「イアンノット」

数学的に何か意味あるのだろうか. とりあえず記憶しておきたい.

2015-06-20 ツイート・論文紹介: ドラクエなどのゲームのトーラス世界とその実三次元での実現

論文読めないので悲しい. こういうとき市民であることがとてもつらい.

追記

今見たらリンク先ページのPDFのところから論文ダウンロードできた. ざっとは目を通したのだが, まだあまりよくわかっていない.

読書メモ: 2015/6/5発売予定『プロの数学』松野陽一郎(東京図書)

最近受験まわりもカバーしようと画策しているのでとても気になる. ほしい.

2015-06-25 ツイート紹介: 先日なくなった伝説のNashの推薦状をPrincetonが公開していたので

話は本当だったのか. Facebookに上がっていた画像は保存しておいた.

2015-06-27 【0は自然数】に対するオタ向け説明を思いついたので適切性について諸賢のご判断を仰ぎたい

0は自然数という時々話題になるネタがまた降ってきたので. 適切かどうかわからないのだがオタの人向け回答を思いついたので, 残しておいて諸賢の判断を仰ぎたい. もちろんより良い説明を求めているのでご指摘頂ければ幸い.

そして回答編.

<blockquoue class<"twittes-tweet" lang="ja">

@cornpt@aqn_流派というか、分野や話題によって0を入れるか入れないかで都合の良し悪しがあって、その分野をまたいだ文章を書くとき、変えた方が都合よければ変えるという感じでしょうか

— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 6

説明する技術の不足を感じるので日々鍛えていきたい.

2015-06-28 ツイート紹介: 位相幾何学型同値変形ゲーム 「ライデマイスター

よくわからないがとりあえずメモしておく.

2015-07-03 ツイート紹介: $n$番目の素数を$n$で表す式はいくらでも見つかっている

単純に知らなかったのでメモ.

あとで動画にしよう.

追記

素数Tシャツ‏@shinchan_primeさんが証明を上げてくれた. あとできちんと見よう. 本当にありがたい.

2015-07-06 ニュース紹介: 「東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明」というのでついつい Lebesgue 積分論のアレを想起してしまう方の市民

次のニュースを見かけた. 東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明

私も物理としては磁性(強磁性)の人間なので気にならないこともないが, それ以上に目を引いたのが「悪魔の階段」だ.

数学ではCantorによるCantor関数を「悪魔の階段」と呼ぶ. 測度論・Lebesgue積分論で必ずお目にかかる関数だ. 積分論は私の専門の基礎でもある. その部分について英語版Wikipediaから引用しよう.

In mathematics, the Cantor function is an example of a function that is continuous, but not absolutely continuous. It is also referred to as the Cantor ternary function, the Lebesgue function, Lebesgue's singular function, the Cantor-Vitali function, the Devil's staircase, the Cantor staircase function, and the Cantor-Lebesgue function.

物理での命名者, これを知って命名したのかとかそういう物理としてどうでもいいところが無性に気になった.

2015-07-07 たいちょうさんと宇宙賢者から頂いた評が面白かったので記録する

人からそう見られているのか, というのかちょっと驚きだったのでメモ.

Twitter ではかなり苛烈な物言いをしている自覚があるので, 人当たりが優しいというの, 割と衝撃的だった. 女性と思われていたというのもはじめびっくりしたし, 研究者ではないというのについてはそうではないと何度も言っているので結構驚く.

追加のやりとりもある.

人によって見ているところ, 感じ方は本当に違うのだと改めて認識させられる一件だった.

あと宇宙賢者からの評.

目がよくないというのもあるし眼鏡をするのもめんどいので大体いつも前にいる. あと研究会でもよく質問しているのだが, 実際にこう見られているというのを目にすると, なかなか面白い.

2015-07-09 大学数学いい話: 本格的な数学を学びたいなら足もつかず荒波もある海で泳ぐための練習をしていこう

何というか, この辺で何かできないかと前から思っている. とりあえずは大学受験回りでこの辺に関わる活動をしてみよう.

2015-07-10 素数が無限個存在することのよく知られた「新たな素数を作る」方法に関する未解決問題とその難しさの片鱗を知ったので

ぱっとこれだけのことを返してくる力量, 格好いいことこの上ない.

2015-07-13 ツイート紹介: 周転円とFourier級数

周転円でうまくFourier級数が書けるという話らしいが, 単純に見ていて楽しいのがすごい. こういうのをどんどん作りたいとは思っているがなかなかうまく勉強の時間も取れない. せめて紹介くらいはしていきたい.

2015-07-14 量子力学の連続スペクトル周辺の話: 田崎さんと全さんのトークまとめプラス私の雑感

大枠

別枠1

別枠2

コメント

全さんの話, 滅茶苦茶面白いし何か協力したいくらいなのだが, 量子力学の物理があまりにも何もわかっていないし, Sobolev に耐える力が私にないしであまりにもつらい. 引用されている『Solvable Models In Quantum Mechanics With Appendix Written By Pavel Exner』, Albeverio, Hoegh-Krohn, Exner とバリバリのその筋の人達ではないか. AlbeverioとHoegh-Krohnは相対論的場の量子論の頃からいる重鎮だと思う: 相対論的場の量子論は難しすぎて手に負えなかったのでほとんど名前しか知らないのだが, 面子がすごい.

こういうのを何かのんびり勉強したいとは思うのだがなかなか思うに任せない.

日記から

あと田崎さんの日記. メモがてらいくつか引用しておこう.

その間、物理学者が量子力学の応用の幅を広げ理解を深めているあいだ、数学者たちも量子力学の数学を徹底的に深く追求して行った。 そして、特に自己共役作用素とスペクトル分解についての美しく有用な(ただし、あいかわらずかなり難しい)体系ができあがったのだ。 これは、「量子力学において確定した値をとりうる量とはなんだろうか?」という物理的な問への確固たる解答だと言ってもいい。 物理学者が、有限次元の線形代数とのアナロジーでなんとか作り上げた体系に、きわめてしっかりとした論理的な基盤が与えられたのだ。

ところが、悲しいことに、こうやってせっかく完成した数学の成果が物理のサイドにはほとんど浸透してきていない。 もちろん、量子力学の数学はかなり難しいし(←ぼくも圧倒的に不完全な知識しかない)、数学の定式化を学んだから物理の問題がすらすらと解けるようになるわけでもない。 そうはいっても、人類の文化として考えたとき、量子力学の基礎概念がどこまでしっかりと理解されているかくらいは、やはり多くの人が共有しなくてはいけないと思うのだ。 そこまで大げさにならなくても、「習うより慣れろ」的にいい加減に物事を進める方向に流れないためにも、基礎をしっかりと学ぶのは重要なはずだ。 それは、量子力学の学部での入門的な教育についても(あるいは、入門的な教育についてこそ)言えることではないかと考えている。

量子力学に限らないが, 物理の具体的な問題をきちんと数学的に議論するために必要なハードルの高さは尋常ではないし, 量子力学の数学的基礎だけ特別扱いするのも難しいとは思いつつ, (私個人の思いとしても)物理的な意義が十分あるとは思っているのでつらい.

ていうか、今の場合は露骨に「物理的にやばい」とわかったけれど、もっと複雑な問題になったら、果たして考えている演算子が「やばい」か「やばくないか」など簡単にはわからないではないか。

これはよく感じるのだが, 物理ができない私がいってもまるで説得力ないのでつらい. 「まずはもっと物理やれ」という話になってしまう.

そして、素晴らしいことに、自己共役演算子については(この表現はかなり不正確だけど)

固有状態(および「固有状態もどき」)をすべて集めたものは正規直交完全系をなす

という(本当の)定理が知られているのだ。

きちんと書いてわかる人ははじめから知っている人だけなのでこれがどう不正確かということだけ説明しておこう. 例えば$\mathbb{R}^3$全体での自由粒子のHamiltonianを考えると$H = - \triangle$で, スペクトルは$[0, \infty)$だ.

そしてこれの固有関数もどきは$\psi_k (x) = e^{ikx}$になるが, 今$\mathbb{R}^3$全体で考えているからこの$\psi_k$は規格化できない(無限大になる). 数学的には Hilbert 空間 $L^2$ (または Sobolev 空間 $H^1$) に入っていないということだ. しかし $H \psi_k = k^2 \psi_k$ で形式的に固有関数になっている. 話が少しずれるが, この $\psi_k$ は緩増加超関数ではあり, そこで考えれば確かに固有値なので, 超関数までいけば一般固有値展開という形で正当化できるとか何とかいう話は聞いている. 相対論的場の量子論の人達はこういうことを地道にやっていた人達だ. とてもつらい分野なので常人には決しておすすめしない.

少なくとも数学・物理の双方で私を遥かに越える程度の力はないと無理だろう. やったからといってそのあとの業績に結びつくような展開が あるかどうかも微妙な情勢ということもある. そういう状態ではベテランも若手も, 物理の進展や自分の学者としての生存ににとって どれほど意味があるかも微妙なこの辺の話題に手は出せないだろうな, という気はする. いつもの「気になるなら自分でやるしかない」事案だった.

2015-07-19 数学者の数学史と哲学者・歴史学者の数学史の食い違い: WeilとUnguruの戦い

Paulといい木村さんといい, 数学者は本当に面白い情報を教えてくれる.

読みたい本リストがたまる一方で本当に困っている.

2015-07-21 動画・PDF紹介: 線型圏の導来同値と被覆理論

あとで動画もPDFも見ておこう. 楽しそう.

2015-07-23 イベント宣伝: 2015/11/28-29 第 16 回高木レクチャー @東大数理

イベント告知ということで高木レクチャーだ.

講演者などを引用しておこう.

平成27年11月28日(土)-29日(日) 東京大学大学院数理科学研究科 大講義室 招待講演者: • Fabrizio M. E. Catanese (Universität Bayreuth)

• Jean-Pierre Demailly (Université de Grenoble I)

• 柏原正樹 (京大数理研)

• Shing-Tung Yau (The Chinese University of Hong Kong and Harvard University)

Cataneseは今回はじめて知った. 代数幾何・複素解析の人らしい.

Demaillyは複素解析幾何とかその辺の人だ. その筋で有名な仕事をした人というのだけ知っている. multiplier idealだったか.

柏原先生はあの柏原先生だ. 修論がいまだに引用されるとか何とかいう, 学生の頃から意味不明なクラスの化け物だった人で, SKK(佐藤-柏原-河合)など専門がまるで違う私でも知っている. 結晶基底や表現論の周りで異常なくらいいろいろやっている.

Shing-Tung YauはFieldsを取ったYauだ. 以前東大であった講演会に来ていて, 就活のとき, 面接の日をずらしてもらってまで講演に参加した記憶がある. もちろん何が何だか全くわからなかった. 業績は当然Fields関係のCalabi予想の解決がある. いまCalabi-Yau多様体は物理の超弦理論で 使われるという事情があって, 超絶基礎理論となっていると聞いている. 他にも正質量予想(名前しか知らない)の解決などいろいろやっている. 非線型偏微分方程式の激烈にハードな計算を完遂しきって, 微分幾何の難問を解いていった部分が主要な業績なのだと勝手に思っている.

これも行きたい.

2015-07-28 【必読書】『数学まなびはじめ 第3集』が出たので数学関係者は必ず勝って読もう

問答無用で買う. どの人の文章も本当に面白い. 2集までで終わりではないのは知っていたので他の人の分も読みたいとずっと思っていたが, ようやく出てくれた.

皆も買って読もう. 応援しないとこうした本の第二弾・第三弾が出てこない. 市民との約束だ.

2015-08-05 文献紹介: 導来圏・非可換幾何の基礎文献っぽい Kock, Pitsch, Hochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemes

気になる分野・文献の話だったので.

Joachim KockとWolfgang PitschによるHochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemesのarXivへのリンクはここだ.

非可換幾何・非可換微分幾何, ちゃんと勉強してみたいのだがそもそもどんな本を読めばいいのかからしてよくわからないのでつらい.

まずこれを読んでみたい.

確か前田先生か誰かの非可換幾何の本が出るというのを以前見かけたが, あれはどうなっているのだろう.

2015-08-06 京大, 藤野修さんの【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】が面白かったので

京大数学の藤野修さんのサイトに置いてある, 第50回代数学シンポジウム報告集 p151--p162 (2005)の【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】を紹介してもらったので読んでみた. 全体的に教科書や論文のようなかちっとした体裁ではなく, 苦労している部分も含めて数学者が数学している感じがとても楽しい.

直接のリンクはこれだ. ぜひ読んでみてほしい.

2015-08-30 ツイート・論文紹介: 可算パラコンパクトでない正規空間の具体例

覚えておきたい. あと論文はここから落とせる.

2015-09-02 ツイート紹介: 次元論のPDFと位相次元論

とりあえずメモ. 後で読みたい.

2015-09-03 名古屋大学がネットで講義を公開しているらしいので: 梅村浨先生の最終講義PDFを読んでみた

名大が講義をネット上で公開しているらしいのでとりあえずメモ.

多元数理のページはここ.

梅村浩先生の最終講義資料, 『射影極限と帰納極限』が気になったのでとりあえず落としてみた.

最後の方, Paul (Painleve)が出てくるので何故か笑った.

微分Galois理論は人間の 情熱を駆り立てる

という謎の1ページがあった. あと無駄にカラフルに強調された次の名言も紹介しておきたい.

世の中には面白いものが多すぎる.

春の夜は 櫻に明けてしまいけり 芭蕉

最近ろくに数学できていなくてつらく悲しい.

2015-09-05 読書メモ Brezis, Functional Analysis Sobolev Spaces and Partial Differential Equations

HuybrechtsのComplex Geometryに飽きてきたので気分転換に読んでみる. あまりよくないかもしれないが, プロでもないしいいだろうという方向で.

P.92 H\"{o}lder

Youngの不等式の証明をいつも覚えていられないのだが, ここにあるようにlogの凹性なら覚えていられそう. 助かる. Remark 2. に結果の一般化と interpolation も書いてあった. Interpolation 周辺は PDE だと大切らしいのでとりあえずメモ.

P.93 Riesz-Fischer

(L^{p}) は (1 \leq p \leq \infty) で Banach 空間. (L^{1}) と (L^{\infty}) のペア, 特に (L^{\infty}) の双対空間がいまだにあまりよくわかっていない. 特に (L^{\infty}) は可分でもないし, めっちゃ魔界だと思う.

この前後の結果, きちんと証明つきで覚えた方がいいのだろう. 解析学での修士だというのに反省している.

P.97 Riesz representation theorem

愛してやまない.

少し話がずれるが, Sobolev 力が低過ぎるので, Sobolev に行ったときの話が全くわかっていない. 特に自分自身を dual にするかどうかのあたり, そのメリット・デメリット.

P.102 (L^{\infty}) の双対空間

(L^{\infty}) を可換 von Neumann 環と思って Gelfand-Naimark を使う話を説明している. Radon 測度の話をしているが, いまだに Radon 測度の定義を覚えていないし, Borel 測度との区別もついていないのが本当に恥ずかしい.

というわけで復習.

定義: Borel 測度

Borel 集合の (\sigma)-代数上で定義される任意の測度 (\mu) を Borel 測度という. Borel 測度が内部正則かつ外部正則なら正則 Borel 測度と呼ぶ. (\mu) が内部正則かつ局所有限なとき Radon 測度と呼ぶ.

定義: Radon 測度

任意の Borel 集合 (B) の測度 (m(B)) が (B) に含まれるコンパクト集合 (K) の測度 (m(K)) の上限として得られるとき, 測度 (m) は内部正則 (inner regular) もしくは緊密 (tight) であるという. 各点が測度有限な近傍を持つとき, 測度 (m) は局所有限 (locally finite) であるという. 内部正則かつ局所有限な測度 (m) をラドン測度と呼ぶ.

P.103 (L^{\infty}) の非可分性

証明はわかるが気分的にいまだによくわかっていない. (L^{\infty}) と言えば私の魂たる von Neumann 環の可換版でもあるのだが, 考えてみれば von Neumann 環もいまだにまるでわかっていなかった. 酷使するだけして何もわかっていないというの, 本当につらい.

P.104 たたみ込みと正則化

明らかに超大切な節. Young, きちんと証明で使われる式変形の技巧を 覚えておかないと本番で使えない.

P.106 Proposition 4.18.

前, 日本語でこの本読んだのに たたみ込みの台特性をすっぱり忘れていたのでつらい.

P.106 Proposition 4.19.

たたみ込みによる正則化の基礎. とても大切: Proposition 4.20. では実際に (C_{c}^{k}) で証明する. (C_{c}^{\infty}) でたたみ込んで, 滑らかな関数に対して証明してから density argument で全体に持ち上げるのは基本戦略だ.

P.108 Mollifiers

我等が軟化作用素. 幾何でも使うし愛してやまない. 昔, 音だけ聞いて modifier だと思っていた. 意味として大きく外しているわけでもない.

P.111 4.5 Criterion for Strong Compactness in (L^{p})

細かいことは忘れたが, 修士のとき, ゼミで河東先生に Ascoli-Arzela について 何か突っ込まれたときのことを思い出してヒヤっとした.

P.111 Theorem 4.26 (Kolmogorov–M. Riesz–Fréchet)

部分領域への制限は (相対論的) 構成的場の量子論や統計力学での基本戦略だが, 私はその辺ほとんど触っていないのでこの定理の使いどころがよくわかっていない. Corollary 4.27 も使いどころわからない. 多分あとで出てくる感があるので楽しみにしておく. useful と書いてあるが, 判定条件としての Corollary 4.28 は確かに有能感漂う. こういう感触, 【素人】には通じづらいだろうなというのを最近よく感じる.

2015-09-06 暗号と数学と勉強: みどりのらいおんさんとのやり取り用取りまとめ

はじめのメモ

改めて考えをまとめておこうと思ったので, ちょっといろいろ書く. まずは発端のやりとりから.

で, ちょっとやりとり.

とてもつらいところがいくつかある.

素因数分解が理解できれば暗号サイトを一から作れるんだぞ

まず悲しいお知らせだが, 現代的にやるのなら 使う数学は学部上級から大学院レベルの数学科の数学だ. 理工学部の人間にすら忌み嫌われる数学科の数学なので, とてもつらいことになる. もちろん適当に簡略化させれば暗号化することはできるだろうが, その簡略化をするために既に知らないといけないことがたくさんある. 適切な指導者がいればともかく, 暗号の詳しい知見を持つ人が身近にいる環境, そうはないだろう.

サイトを作るというのでどこまで想定しているかによるが, プログラムも組まないといけないので, プログラミングの技術も必要だ. それなりにハードルは高い. サイトを 1 から作ること自体にもハードルは高いだろう.

暗号の歴史を含めた概要については 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.

最後にも少し紹介する.

ちょっとは魅力的ですかね…

そしてこれがまた厳しい. 何が魅力的でどう導けばやるかという段になると 個々人の興味・趣味・性向に合わせてやる必要があって, 基本はそれぞれに向けてチューニングがいる. 同じく指導者の力量も問われる.

理学系の『楽しい』『美しい』が好きな勢は放っておけばいい. 私と同族だから扱い方は熟知している: とても簡単で, 適当な専門書でも渡しておけば 勝手にやり続ける. ただし世間から『役立たずで気持ち悪い』と蛇蝎のように嫌われる. 理工系キモオタに育つと思って頂ければいい. それで良ければ, という条件つきになるので社会は厳しい.

数学をやっていて嫌なことはたくさんあるが, 良かったことは数学をやっているときくらいしかない. 学生の頃に何をしていたのかとか, 普段何をしているのか と言われて『数学です』と言うと, 『学生の頃, 数学は大嫌いだった』とばかり言われる. 自分がこよなく愛することに対して否定的な意見ばかり 聞かされるのでただひたすらにうんざりする記憶ばかりだ.

いろいろあってよく『役に立つことを教えてほしい』という人がいるが, これはまだ扱いやすい. 役に立つことを伝えておけば勝手に動いてくれる (はずだ) から.

そして大多数の人が一番扱いが難しい. 『何の役に立つ』と聞いてくるが, 役に立つことは求めていないことが多い. 実際に何を求めているのかは本当にわからないが, 具体例には事欠かない.

まず『英語は役に立つ』と言われるし, 実際にどうかはともかくこの意識は浸透している. かといってきちんとやる人は少ない. むしろ英語を嫌がる人の方が多いくらいではないか. 嫌がるに至る経緯もいろいろあるけれども.

数学が役に立つ系の話だと, Google の検索アルゴリズムのページランクで 連立一次方程式を使うと浪人生に説明したことがある. そしたら返答で『自分は Google のページなんて使わない』と来た. 『これこれこういう理由で貴方も使っています』と言っても 聞きはしなかった.

こういう感じの絶対多数に対してどうするかというと, 個別の話しかない. そもそも結果的に数学的な成果を使っている人というわけではなく, 積極的に数学を使いにいく人, 相当のエリートだろう. 皆が皆必要なわけではないし, 実際に数学よりも優先度が高い学ぶべきことがある人もいるはずだ. その中で数学を頑張らせる理由をどう作るか, 作るべきなのかとかいろいろ面倒なのでとてもつらい.

Twitter でもいろいろな意見が出ているが, 数学を頑張らせる積極的な理由, 私はいまだに見つけられない. むしろ地歴公民をはじめとする人文・社会学系を きちんとやる方が一般にはよほど大切ではないかと ずっと思っている.

サイモン・シンの『暗号解読』がお勧め

いろいろと否定的なことばかり言ってきたが, 歴史を含めて暗号に関していろいろ知りたいなら 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.

昔からどんな暗号がどのように使われてきたのかわかる. 簡単な暗号については方式も説明されている. 情報戦への利用もあるから, 第二次世界大戦で本格的に数学が使われはじめたことや, 現代のネットワーク時代の情報セキュリティでも 数学が使われていることも説明されている.

市民の生活の情報保護にも使われていて役には立っているが, 情報戦含めた戦争利用もされていて, 役に立つから嬉しい, 皆もやろうとかはいいづらい. とてもつらい.

追記

そのあとやり取りが追加されたのでそちらもまとめておく.

楽なことはないな, ということで.

2015-09-06 Qiitaの『【統計学】初めての「標準偏差」(統計学に挫折しないために)』という記事読後の覚え書き: 標準偏差, まずは単純に【平均からのずれ】と思えばいいのではないか事案

統計学の基本的な知見に関するとてもつらい記事を見かけたので.

平均に関する話で有名なのは, 例えば【正規分布が二つあった場合】の話.

こういうのもアレだが, ある模試を学力的に大したことがないA高校と灘高の2高だけが受けたとしよう. そのときの得点を見ると, A高校と灘高校とで得点分布がきっぱり別れるはずだ. 両校ともに正規分布で分布しているとすると, 普通の模試とは違ってグラフに山が二つできるはず. こういう状態で全体の平均を取っても意味はなくて, 学校ごとに見ないと意味がないはずだ, という感じの話.

ちなみにこのような評価も頂いている.

2015-09-09 神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』

神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』

とりあえずダウンロードしておいた. 後で読む.

無限に本が読みたいし, 研究したい. 時間と資金がほしい.

2015-09-15 読書メモ: 『数学セミナー2015-09 号』面白記事メモ: 早く読みたい

買うだけ買ったはいいが, まともに読めていない. さっさと読もう.

2015-09-19 英語とかフランス語の勉強に数学を応用していきたいのでとりあえずメモ: SAT の数学試験を使ってみるのはどうかという話

これ, 今度フランス語でやってみよう. しばらく時間が取れないがフランス語は絶対勉強したい. Serreとか原文で読んでみたい.

2015-09-22 ボルツマン方程式とナビエ・ストークス方程式

物理の話, 基本的に適用限界があるのでただ単にその話というところか.

あとで原文も読んでみよう. とりあえずメモ.

2015-09-22 2015-09-21に武蔵美とドイツのコラボイベントGo publicでパフォーマーデビューしてしまった顛末のまとめ

何と言ったらいいかわからないのだが, 結果的に数学の路上パフォーマンスデビューしてしまったことになったので報告したい.

はじめ武蔵美にいる知人から「イベント来ないかベイベー」的な話が来たので, 時間もあったから行くと答えたところ, 何故か実際に何かやることになっていた.

どういうことなのかよくわからなかったが, 模造紙とマジックを買ってもらい, 谷中墓地の中にある【貸はらっぱ音地】というただの空き地としか形容できない場所で模造紙にマジックで数学の証明とかを書き続けるという謎のパフォーマンスに興じた.

アート系だとこういう路上パフォーマンス的なことはよくやるのだろうか. 本当に全く意味がわからなかったのだが, 模造紙とマジックを買ってもらってしまったので, Brezisの関数解析と偏微分方程式の有名な本の最近新しく出た英語改訂版を元に, Sobolev空間の話としかしていた.

通りすがりのお姉さんと

  • 「何をしているのですか」
  • 「数学です」
  • 「他の方たちは?」
  • 「何かよくわかりませんがアートです」

みたいな会話をしたりした.

この他の人達のアートというのも謎で, 1 人は座りながら落語をやっていた. 「これもアートなの」感溢れる謎のパフォーマンスだった.

他にも光の映像系の人がPCとプロジェクターを使って民家の壁に映像を映していた.

あとまさにパフォーマーという方が何か謎の踊りを踊っていた. 数学していたのでほとんど見ていなかったが, 多分見たらMPを吸い取られていたと思う.

民家とか谷中のお寺がある往来で, 落語・映像作品・ふしぎなおどり・数学が展開される初体験の空間だった.

こういうのよくやるのか, そう思っていたら, 何かこういろいろな方面から混ぜて(路上で?)やること自体は当人的にも割と初の試みらしかった.

どう次に繋げていけばいいのかはわからないが, とりあえずパフォーマーデビューしたということで報告していきたい.

あとその人とも少し話したのだが次に備えて反省をしておきたい.

はじめやる場所や目的などがよくわかっていなかったこともあり, 証明とか見えるように模造紙+マジックで通りすがりの人にも見えるようにした方がいいのだろうかとか思ったが, そもそも18時過ぎで暗くてろくに見えなかった.

あと原っぱというか, 石塊が散乱した地面に模造紙を敷いて書いていたので超書きづらかった.

証明もバンバン書こうと思ったのだが書きづらくて仕方なかったので, 定理のステイトメントだけ書くような形になってしまったのが反省点だ.

これならスケッチブックを買って, ばんばん証明も書いて, 書いたページはその辺に散らかしておく感じの異常な方向にシフトすればよかったのでないかという話になった. 次回はこの方向で行きたい.

とりあえず何か新しいことを模索している. せっかくアート系の人と知り合えたので, またこういうパフォーマンスやってみたい. 次回はスケッチブックを持ち, 座りながら書くのが楽になるよう小さな椅子も持っていきたいと思っている.

2015-09-25 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言を受けて KenSenda さんに語呂のよさや印象に残る言葉の重要性を教えてもらったので

KenSendaさんに思いもがけず大切なことを教わったので記録. 発端はこの辺.

そしてKenSendaさんのこのツイートを受けて少しやりとり.

最近, 受験界隈に本格的に乗り出しているので, 改めて暗記法的なこともいろいろ調べ直したりしているが, 語呂による暗記の威力を改めて思い知らされる結果になった. 語呂による暗記本, もっと徹底的に調べよう.

KenSendaさんはいつもいいことを教えてくれる. それはそれとして, 真面目な話, 鹿児島の異常な県知事 伊藤祐一郎御大は安倍談話

二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

に照らし合わせて厳しく処罰してほしい.

2015-09-26 SEALDsの運動の問題はそのまま数学・物理・学術界隈が抱える問題なのでとても勉強になるし, この不快感を踏まえて今後の活動に活かしたい

安田峰俊さんの「なんかSEALDs感じ悪いよね」の理由を考える ──中国や台湾の学生運動との比較から──という記事が今話題らしい. 明らかに大切なのは次のところで, 数学・物理や大学を取り巻く環境でも大事なことで, 私にとっても他人事ではない.

敗軍の将、兵を語る

そんな王丹氏は、1994年に日本の月刊誌に寄稿した手記(『現代』‘94年7月号。伊藤正氏が編訳)のなかで、天安門の運動が失敗した原因について興味深い考察を残している。王丹氏が述べた「天安門版、失敗の本質」は、大別して以下の4点にまとめられる。

1:思想的基礎の欠如 一人一人の参加者が「民主や民主運動について明確な概念」を欠いていた(つまり、民主主義が何なのかはっきりわからないままデモをおこなっていた)。結果、明確なイシューを打ち出せないまま天安門広場の占拠が長期化。時間とともに運動方針が混乱していった。

2:組織的基礎の欠如 参加者に対するしっかりした指導の中心や指揮系統が存在しないせいで、途中から運動が四分五裂に陥った。

3:大衆的基礎の欠如 学生と知識人だけで盛り上がってしまい、一般国民(労働者や農民)への参加の呼びかけを怠った。また、政府内に存在するはずの改革派と「暗黙の連合」を組む姿勢をとることもできなかった。

4:運動の戦略・戦術の失敗 運動を政治目的を達成するための手段として使うという意識が薄かった。デモ参加者たちは学生運動の“純粋性”をひたすら強調し、当局側への妥協や一時後退といった柔軟な戦術を一貫して否定。結果、ろくな目的もないまま天安門広場の占拠を長期間続け、弾圧を招くことになった。

特に大切なのは次の 2 点だ.

  • 3:大衆的基礎の欠如
  • 4:運動の戦略・戦術の失敗

【いい加減】な記述や説明ができず, かといってきちんとした説明は時間がかかり, 聞いてくれるのは内輪の人だけになってしまう問題, 正確に自分にも跳ね返ってくる.

【いい加減】と言い切った上で薄めのコンテンツを作りつつ, きちんと特濃のコンテンツを作ってみたりとかいろいろ実験してみたいし, むしろやらなければいけない.

これから次のプロジェクトをやろうと思っているし, その運営でも十分にも気をつけたい.

2015-09-26 数学の環の由来, ringがよってたつところに関する数学者トークの収録

記憶しておこう.

2015-09-27 数学の哲学の悲しみ: どんな人達がどんなことをやっているのだろう

とても悲しいことがあった.

Ask.fmから全文を引用してこよう.

数学基礎論と数学の哲学が接続することは今後ないのでしょうか?

昔聞いた「数学の哲学」と称されていたWSでは、フッサールが専門だという発表者が、現代数学において開集合の方が閉集合より基本的な概念だと述べていました。数学の哲学がそういうものであれば、数学基礎論と接続することは今後ないと思います。

数学の哲学, どんな人達がどんなことをやっているのだろう. やはり断片だけでは何もわからない.

2015-09-28 数学をすると格好いいとか, そういうもっと下らない理由から数学をやってほしい: 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言をうけて

先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, その辺の話で適当に話題を拾ってきた.

あとせっかくなので少しやりとりしてきた.

役に立つかどうかではなく, もっと格好いいか格好悪いかとかそういう役に立たない理由で選んでいってほしい.

2015-09-30 学校の先生に期待をし過ぎるのはいい加減やめたらどうか: 三角関数教育事案

サインカーブを描いて、円と対応させて、「sinの位相をずらしたものがcosです」って感じで教えるわけですが、これ、教えてる本人も何を言ってるのか解ってないんじゃないの感が半端ないです。

位相なんて言葉, 数学では出ないだろうとかそういうアレはあるがそれはそれとして.

問題は数学の授業がつまらないということです。

私に関していうなら, 皆が「つまらない」「わからない」という先生の授業が 死ぬほど気に入っていた方なので, お互いに「お前の感想など知るか」事案になってしまう.

もういい加減, 学校に期待するのやめた方がいい. 教師に無限の能力を期待し過ぎだろう. 気にいらないならできる範囲で各自の思うことをやった方が自分の精神衛生にもいい. もちろん, 教員がある程度面倒を見た子供の人生を背負わされるように, 自分自身も子供たちの人生に責任を負う覚悟のもとで.

私も私で引き続きやっていこう.

2015-10-01 Euclid『原論』, Hilbert『幾何学の基礎』, そしてTarskiやAvigadによる文献

まずは鴨さんツイート.

黒木さんツイート.

読む機会なさそうだがとりあえずメモだけはしておきたい. それにしても何でみなこんなにいろいろ知っていニのか.

2015-10-02 齊藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので

齋藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので.

先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, 三角関数に関するコメントも最後の方にある.

こういろいろと思うことはあるが, うまく言葉にまとまらない. とりあえず私も適当に自分好みの教材とか作っていきたい.

2015-10-07 CoKernelはKernelの普遍性図式を逆にして覚えればいい

CoKernel, いい加減に覚えたいし, コホモロジーもきちんと勉強したい.

2015-10-09 【数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト】の動画講義計画の素案を作ってみたので何かご意見あれば頂きたい

やるやる詐欺状態が長く続いていた物理のための数学講座は正式に停止した. 後継プロジェクトとして 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクトをはじめる. 無料版として物理のための数学講座でやろうとしていた分をやっていきたい.

物理のための数学講座が頓挫した理由の 1 つは 完全に体系だった内容で作り込もうとしたことにある. 細かいところは気にせず, がんがん動画講義や その講義資料を作っていく中で緩く体系立って学べる感じにする.

がちがちに体系立ててコンテンツを作ることを 放棄するので私としても作りやすくなる.

基礎コンテンツは定評ある本を勧めることにして, その副読本というか副読コンテンツとして いつも通りでぶっぱなしいくことにしよう. 対象は学部の物理で使うレベルの数学だ. 相対論も一般相対論になると微分幾何入門的な話があるが, これをどこまでやるかは結構悩んでいる. 一般相対論も微分幾何も怪しいからだ. 趣味で勉強ついでにゴリゴリの微分幾何をやってもいいのだが. 「一般相対論のこの本のこの程度で十分だ」 みたいな情報があればぜひ教えてほしい.

数学・物理的専門の関係もあるから, 数学としては解析学, 物理としては量子力学系統がメインになってしまうだろうが 再勉強しつついろいろやりたい.

いまのところ動画の講義計画は次のような感じ. 物理もやりたいがとりあえずは数学に集中する. ついでに math-textbook も充実させたい. ただこれやると時間がかかり過ぎるので とりあえずは講義メモ程度にしかならなそう. スピード上げたいというのもある.

イントロ 1 の【講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門】とか 東工大と津田塾でやったとき 3 時間くらいかかったし, 複素解析のショートコースも 3 時間くらいかかった覚えがある.

いわゆる物理数学の中で複素解析は結構独立している感じはあるし, 留数を使ったテクニカルな計算で使うし, 早めにやってしまいたい.

他にも「これがあった方がいいのでは」というのがあれば ぜひ教えてほしい.

何にしろ超概要なので, そのうちどんどん詰めていく. 適当な手持ちの本のレビュー的な感じに なっていくのではないかと思っている.

普通にやってもつまらないし, 意味もないので がんがん殴りつけていきたい.

  • イントロ 1
  • https://github.com/phasetr/math-textbook の【講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門】
  • 次の数学と物理の関係.
    • 作用素論, 半群理論, Hilbert 空間論, 変分法.
    • 量子力学, 変分原理.
  • イントロ 2
  • 直交関数系, 具体的な偏微分方程式の解法, Fourier 解析, 複素解析.
  • 静電気学, 量子力学, 適当な学問・現象.
  • イントロ 3
  • 固体物理 (スピン系, Hubbard モデル) の数学的ポイント.
  • 極限の順序交換と線型代数.
  • 熱力学・統計力学, 熱力学的極限.
  • 量子力学の数学的ポイント
  • Fourier 解析
  • 作用素論
  • Hilbert 空間論
  • 群の表現論
  • 電磁気学の数学的ポイント
  • 偏微分方程式論.
  • 線型空間論.
  • Fourier 解析.
  • ベクトル解析.
  • 相対論の数学的ポイント
  • 偏微分方程式論.
  • 群の表現論.
  • 線型代数.
  • 論理, 集合
  • 記号・記法の準備
  • 集合を使った数学的議論の練習
  • 関数論
  • 留数定理までのショートコース
  • https://github.com/phasetr/math-textbook の【講演原稿 1 変数関数論】から.
  • 線型代数から見た微分積分
  • 関数空間
  • 線型写像・線型汎関数
  • 固有値・固有ベクトル
  • 汎関数と積分, 超関数
  • 線型代数群とその表現
  • Hilbert 空間論
  • 無限次元の線型代数
  • 完全正規直交系
  • 群のユニタリ表現
  • 線型代数と偏微分方程式
  • 偏微分方程式から出てくる常微分方程式と特殊関数による解法
  • 群の表現論から見た解法
  • 群上の調和解析としての Fourier 解析
  • ベクトル解析
  • 作用素論

2015-10-12 光の数理物理学徒になりたい: 虹と漸近解析とエアリ関数

後者の記事から一部引用.

真島先生は私がお茶大にいた時に同僚でしたが、公開講座の類でよくこのネタを披露されていて、女子大生に「『虹の数学者』なんてロマンチックですね」と言われてました。

虹の数学者, 無駄に格好いいし, 私もQEDを一応やっているから光の数理物理はやっているし, 光の数理物理学徒を名乗っていきたい.

2015-10-13 Moseleyへの数理物理的挽歌: 2015のNobel賞とはあまり関係のない, 100年前のNobel賞クラスの研究をした物理学者の仕事の簡単な紹介とKEKの個人的思い出

今回, Nobel賞はNobel賞だが大分昔のNobel賞に関わる悲喜こもごもについて書いてみる. 自分でも気になったから調べてみたかったのが一番の理由だ. はじめに書いておくとMoseleyの話だ.

まずブログに2015年のNobel物理学賞についての記事を書いた. ただし業績の紹介はせずにその周辺で起こったこと, 特に科学コミュニケーション的な事件についての所見だ.

量子力学・場の量子論 (の数学) とそこそこ近そうなところを研究しておいて何だが, 素粒子・宇宙論は昔から「皆がやっているから自分がやる必要ないだろうし, 何より世間一般が自動的に興味を持つようなことを誰がやってやるか」と思っていた.

そんなわけで素粒子はほとんど知らない事情もあって, 今回はブログで紹介した記事中にあった科学未来館の記事を紹介するだけにしておく.

それだけというのもあまりにもアレなので多少記憶から素粒子, 特にKEKに関する記憶をさらっておく.

学部二年年の頃にKEKに遊びに行ったことがある. ちょっと変な縁があったのだ.

早稲田の物理の同学年の友人が古美術研に入っていたのだが, そこの先輩がKEKの教官の娘さんだったようで, 娘さんが「自分のサークルに物理の後輩がいる」と言ったら連れてこいという話になったらしい.

それでせっかく行くなら皆で行こうぜ! ということになった. 公開日に行った方がいろいろな施設が見られてお得というので公開日に行ってきた.

思い出深かったのはその展示的なやつで実験班の方々が作ったちょっとしたゲームみたいのがあり, やってみた結果ズタボロだった.

それを見たKEKの方々に「君に実験は無理だ. 理論に行きなさい」と言われたのだ. 実験屋さん何て格好いいんだと明後日の感動とともに今でも覚えている.

実際には理論どころかほぼ数学だが.

あと黒川さんに言われたこととして次のことをよく覚えている.

「ニュートリノ振動は質量のうなりを背景にしている. このうなりは調和振動だ. 調和振動は物理の全てを貫く基礎だ. いま二年だと調和振動のありがたみはわからないかもしれないが, ぜひきちんと勉強しておいてほしい」

こう言われた. 印象深かったので今でも覚えているし, KEK の最前線に立っていた方からのアドバイスとしてここでも紹介しておきたい.

ちなみに進入禁止的な看板が立っていたところに娘さん(である先輩)が堂々突っ込んでいて止められたのだが, その先輩が「私, 娘だから大丈夫です」的なことを言っていてそれでいいのかと思ったことがある.

あと二年年で今どんな勉強をしてるの? と黒川さんに聞かれ, 解析力学と答えたら「二年であんなに難しいことしてるの!」と言われたのだが, もちろん講義で必修で入っているからやらざるを得ない.

解析力学で苦戦している方, 解析力学はKEKの人ですらこう言っている程の難易度を誇るのであまり気にせずのんびりやってほしい.

あと印象深かったのは娘さんの対応だ. 黒川さんが先陣を切って張り切って楽しそうに施設の案内をしてくれたので, 後ろの方で娘さんは超つまらなそうにしていて, サークルの後輩でもある友人が必死に対応していた.

一言どころか長文を費やしても書ける気がしないのだが, この親子の姿にこう色々なことを感じたことを昨日のことのように思い出す.

2015年時点ですでに11年前の話と思うと時の流れに驚く.

ちょっと書くだけのつもりだったKEKトークが大分長くなっているが, 一応Nobel賞の話を続ける.

はじめに書いたようにMoseleyの話だ. 今からすると高校で学ぶレベルの「当たり前の話」なのだが, それが決定的な, まさに世紀の大発見レベルだったというのを改めて思い知ったのだった.

しょっぱい情報源だが, とりあえずWikipediaから引用する.

元素の特性X線の波長との原子核の電荷(原子番号)の関係を見出した。 この発見によって原子番号の物理的意味が明らかになり、 周期表の未発見の元素を予測するなどが可能となった。

原子番号, 高校の化学でやる程度の常識になっているが, これでMoseleyにNobel賞が行くレベルの大発見だったのかと改めて驚かざるを得ない. 今の常識がどれ程非常識だったのか.

別のブログからも引用しよう.

1910年、オックスフォードを卒業すると、 マンチェスター大学のラザフォード研究室の門を叩きます。 ラザフォードと言えば、放射性物質の研究からα線β線を発見し、 その功績から1908年にノーベル化学賞を受賞するなど、 当時この分野で最先端を行く研究室の一つと言えるでしょう。 更に、この2010年と(1910年と:8/11訂正)言えば、 ラザフォードの元でガイガー(あの測定器に名を残すその人です)と マースデンによっていわゆる「ラザフォード散乱」の実験がなされていた時期に当たります。

上の引用部にもあるように, 指導教官のRutherfordも物理学史に名を刻む化け物だ.

しかし、1912年に大きな転機が訪れます。 モーズリーは、ドイツのラウエらによるX線の回折現象の発見を知るや、 これを新たなテーマにすることを決め、 ボスであるラザフォードを説き伏せ実験を始めます。

この記述がどこまで信憑性があるのかわからないが, 先見の明は間違いなくあるのだろう.

そもそも「原子番号」は、 このおよそ半世紀前の1869年にロシアのメンデレーエフによって周期表がまとめられた際に、 単に順番を示す量として登場しました。 メンデレーエフは周期表を化学的性質に基づき作成したため、 所々原子量の大きさが逆になることが分かっていましたが、 半世紀を経てもその理由は不明でした (それでも単純に原子量の順に並べなかったことが、 メンデレーエフの慧眼には違いないのですが)。 モーズリーは、 この実験結果から特性X線の振動数の平方根が原子番号の一次関数で表せるという法則を見出だしました。 これは、現在ではモーズリーの法則と呼ばれています。

期せずしてMendelejevの偉業まで確認してしまった. 化学という基盤を持っていたことが原子量を押し切って適切な周期律を作れたことに効いている(らしい)こともなかなか衝撃的ではある.

一つのことを多角的な視点から見ることの重要性も感じるし, 自分の信じる化学に従う決断の重みも感じる.

この法則は、 ラザフォード並びにボーアによって築かれた原子モデルを説明する上でも、 重要な意味を持つこととなります。 まず、師ラザフォードはガイガー、 マースデンの実験から原子の中心には正の電荷を帯びた核が存在するというモデルを示しました。 そして、モーズリーの法則の示す原子番号こそ、 この正の電荷の数すなわち陽子の数に他なりません。 この結果から、単なる並びの序数に過ぎなかった原子番号に、 はじめて物理的な実体が伴ったとも言えるでしょう。 またラザフォードのモデルに続いてこの1913年に提案されたボーアのモデルでは、 この正の電荷を持つ核の周囲を、 一定の軌道で電子が回っているとしています。 モーズリーの法則は、特性X線の振動数(すなわち波長の逆数)が、 電子の軌道間の遷移に依存することを強く示唆していました。

ちなみにここで出てくるBohrもNobel賞を取っている. Geigerは放射線量を測るガイガーカウンターで一躍嫌な方で有名になってしまったGeigerだ. Moseleyはそういう化け物の名前がポンポン出てくる中で仕事をしていたわけだ.

モーズリーは更に実験を重ね、 より多くの元素から同様な結果を得ます。 この結果は、モーズリーの法則が普遍的法則であることを示す見事な直線を示しただけでなく、 当時未発見であった元素の存在をも示唆していました。 まさに、歴史に残る美しい成果だと言えるでしょう(グラフは次のリンクを)。

「実験を重ね」という記述, それだけの資金力もあったということだろうし, こう色々なことを考えざるを得ない.

当時X線分光学自体も先端装置だったと思うし, 実験, 本当に修羅の道という感じする.

素粒子だとカミオカンデのような馬鹿みたいにでかい施設が必要だし, 実験データの処理にスパコン必要だったりするとかも聞いた記憶ある.

少し話がずれるが, 梶田さんは重力波検出のKAGRAにも関わっているそうで, そこでも相当お金かかるだろうし, 眩暈がする.

うるさいことを言えばもちろん色々あるが, 博士進学を断念して 1 人で勝手気儘にやっている今となっては, 気楽に勉強・研究できる数学または理論物理を専攻していて良かったという感はある.

梶田さんの素粒子とは少し違うが, ミクロ領域の謎に切り込んだ人達の話をちょろっと紹介してみた.

私の専門に少し近い感じでいうと原子の安定性がある.

原子の安定性の確立そのものは量子力学の大きな目標だったが, そこでも出てきたBohrが大きな貢献をしている.

量子統計力学, 物性論にも関わるが, ある意味次の話題として原子集団の安定性の話題がある.

Hamiltonianの単純なオーダー評価をすると 原子集団の安定性には怪しいところがある.

N体系を考えよう. 正のエネルギーを持つ運動量項は当然粒子の数だけ, つまりN項ある.

一方で負にもなりうるCoulombポテンシャルの項は$\frac{1}{2} N(N−1)$項ある.

どういう風に考えるかは結構微妙だが, 原子集団全体としては中性だとしておこう. 各原子で見るなら当然正負の電荷がある.

そうするとオーダー評価でCoulombポテンシャルから 来るエネルギーを見るとどういう振る舞いをするかはかなり非自明だ. Coulombポテンシャルから$N^2$の寄与があるから, これが負になると運動エネルギーだけでは相殺しきれない.

有限粒子系や原子核物理で考えていれば問題にはならないが, 統計力学や物性論では特に相転移の議論で熱力学的極限を取る. そこで (平均) エネルギーが負になってしまって洒落にならない.

エネルギーがいくらでも低くなれるのでは古典論の破綻と同じになるので, 原子集団に対する安定性は別の問題として立ち上るのだ.

そんなこんなでエネルギー評価問題が出るのだが, とても困ったことにboson単独の系だと基底エネルギーが$N^{5/3}$のオーダーになる. 平均エネルギーで見ると$N^{2/3}$になるから, 熱力学的極限で平均エネルギーが負の無限大に発散してくれる.

正確な言明は専門書に譲るが, 系にfermionがあるときちんと$N^1$のオーダーになることが示せる.

物性のレベルで言うなら系に電子がある自明の条件に落として考えていいので, 無事物理としての問題がなくなる, とかそういう話が出てくる.

今回の内容, 大分長くなっているがもう少し書く. ここから一応素粒子に繋がるので.

実際には原子レベルでも確か鉄くらいになると最内殻軌道の電子が相対論化してくるそうだし, 放射性同位体のような不安定な原子の議論もしなければいけない.

その辺の数学的に完全な精密な話はまだできていなかったはずだし, レーザーあたりも視野に入れると量子電磁場とのカップルを考えたりしないといけなくて, そうすると発散の困難の処理も入る.

この辺, いまのふつうの物理がどのくらい気にしているのかは全くわからないが, 数学的にはまるでけりがついていない. 超弦ではけりがついているそうだが, 物理の階層性を考えるなら非相対論的場の量子論のレベルで片をつけたい.

ここまで来ると私の研究目標と素粒子の関係が出てくる. 関係というか, むしろ物性レベル・非相対論的領域の問題は素粒子と無関係に決まるべきという無関係性の証明みたいなところだが.

まとまりは全くないが, ブログに書いたことも含め, そんなこんなを色々思った今回のNobel物理学賞だった.

2015-10-16 小学生時代にゼロ除算ができない理由を誰も説明してくれなかったことから算数への興味を失った検事の話

妙に感銘を受けたので.

$0$の割り算で解がたくさん出てくるとか 面倒な感じが割とわかりやすいのではないかという気がする. 参考にしたい.

2015-10-18 鴨さんの事例紹介: 『高校の数学IIIはとばして数学IIから微分積分学と線形代数学につなぐことは可能です』

あと次のやりとり.

参考にしたい.

2015-10-18 Hamiltonian周りの場の量子論の数理: $p$進大好きbotさんに絡んできたので

またも$p$進大好きbotさんに絡んできたので. もっときちんとまとめたいが後日動画にするときにその辺を丁寧にしよう. まずは忘れたり流れる前にまとめだ.

分岐から戻る.

また戻る.

また戻る.

また戻る.

最後のところ物理だと$\delta$関数の積が出てきても平然と計算して最後丸く収まるならそれでいいや的な発想をするので, 数学の人が見たらどうしてくれるのこれ, みたいな感じになるのだろうか.

だいたい素直な正当化は全然駄目で, 相当紆余曲折していかないといけないか, その上でさらに鬼のような収束の議論が必要になる. 九大の原隆さんのD論は下書きで2000ページ, 提出版で500ページとか言っていたのでそういう話になる. ハードアナリシスもいいところだ.

紆余曲折というところについては, 以前深谷先生が何かの文章で, 「はじめの素直なアイデアはなかなかうまくいかず, 問題に当たっては遠回りしていくから本質的なアイデアはそのままでも, その姿が段々見えなくなってくる」 みたいな話をしていたので, 数学的な議論あるあるなのではないかとは思う.

他の分野の人が数学の本を読むのが嫌になる理由の一つでもあるだろう. 物理なり自分の専門の中心的なアイデアを議論したいのに, 全くそれを許してもらえず専門から見れば瑣末な数学的議論しかできないのでは本末転倒だ.

この辺のギャップ, 教育レベルでは何とかして埋めたいと思っている. その辺は最近本格的にスタートさせた.

興味がある方はぜひ連絡してほしい.

見れば見る程まともに答えられているのか不安になってくるが, こうしたコミュニケーションも地道に積んでいって, 勘所をおさえた展開を少しでもできるようにしていこう. 道は長い.

後で動画にするとき, もう少し細部は詰め直したい.

2015-10-19 動画制作メモ: 四元数は制御系で需要があるらしい

動画作成を検討する.

2015-10-20 記事紹介: 『教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」』

教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」という記事を見かけた. いくつか引用する.

YouTubeのMicrosoft in Educationのチャンネルで公開された、「My World My Math!」。SurfaceとGeoGebraを使って、数学をこんなふうに勉強していますよ、という動画です。

これだけの数があれば、自分で制作したいけど時間がかかるな…というものを探せるかもしれませんし、黒板ではなかなか説明しにくいものをわかりやすく見せられるものを探せるかも知れません。  世界共通言語である、数学のすごさを感じます。算数・数学の先生方、「あ、これ使ってみたい」「あ、これおもしろそう」とか、感想をお知らせいただければと思います。

世界共通言語としての数学, やはりこれを基盤にして何かしていきたい. プログラム関係もいろいろやりたいのだが, なかなか力が及ばない.

2015-10-23 機械学習と数学: 本当に年収に直接関係してくる数学, 確率論・統計学, 線形代数, 微分・積分

年収とか殺伐としていて怖い.

2015-10-26 Chebyshev多項式の応用: 弾性体論, 航空力学, 特異積分方程式

こういう話, 物理学科だとほとんどやらない気がする. 難し過ぎて物理の人間には扱いきれないという感じもある. 何にせよ参考になった.

2015-10-29 簡単な問題を難しく解け: 具体と一般と抽象

発言に何か背景があるのだろうがよく意味がわからなかったので.

「[竹崎先生の80歳記念のワークショップに行ってきて, 広義諸先輩方と久し振りに会ってきて楽しかった]」の記述も参考にしてほしい.

2015-11-03 記事紹介: 『(可算性を外した)一次元多様体の分類』

以前山元さんのlong lineの話を聞いたことがあり, 勉強したいと思っていたがこんなところで出てきた.

一次元がこんなに魔界だなんて知らなかった. 二次元だとどうなるのだろう. 一気に面倒になりそうだが.

2015-11-07 数学関係ツイートまとめ:ネットの極限で書いた位相空間論コンテンツ作りたい

いくつか参考になった・なりそうなのでメモ.

あと次のあたりの話は動画作りたい.

具体的な問題を解くところならともかく, 特殊関数を使うところが想像できない.

PDE, もう少し自分の知っているところから何とかできないかとずっと思っている. 興味があるところからPDE自体もきちんとやっていきたいとは思うが. 非線型波動とかBoltzmann方程式とかやりたい.

Analysis Nowかどうかは忘れたが, ネットで書かれた関数解析の本を眺めたことがある. いつもやっている点列スタイルがそのまま使えるし, これで位相空間の動画講義作りたいと思ったが, ネットで位相空間やるときの注意点をあまりよくわかっていない. 勉強しないと.

Riesz-Markov-Kakutaniが好きなのでその方向での証明楽しい. Glimm-JaffeのBochnerの無限次元版であるミンロスの定理の証明に 有限次元のBochnerからネットのリミットで議論するのがあって, ほうほうと思った記憶がある.

この辺, きちんと書いてある本ないだろうか. 数学の普通の開集合のスタイルで書いてある本はたくさんあるが, 非数学向けには多分わかりづらいので, まだ多少は馴染みがあるであろうネットのリミットスタイルで説明した位相空間のコンテンツを作りたい.

2015-11-09 本・動画紹介: Sidney A. Morris, Topology Without Tears

私もこういうことやりたい. 次のプロジェクトでの目標の一つだ. 頑張ろう. やりたいことは無限にたくさんある.

2015-11-10 ツイート紹介: 田崎晴明さんによるメルセンヌ・ツイスター考案者松本眞さん評

松本眞さん, 確か元々広島大で2年くらい東大数理に来てすぐにまた広島大に戻ったとかいう話だった気がする. メルセンヌツイスターも動画作りたい. やりたいことがどんどん増えていく.

2015-11-11 ツイート・記事紹介: 下手に数学を学んでしまうと Taylor 展開の剰余項が求められない場合に死ぬ可能性があることが判明した

ブログからも引用.

ロシアの物理学者でIgor Tamm(イゴール・タム)さんという方がいる。チェレンコフ効果の説明により、ノーベル物理学賞を1958年に取った方。

そのタムさんがロシア革命のさなか、食糧が不足していたので近くの村まで出かけて行って食料調達に出かけた(当時大学の教授だったのにそんな状況、、、)。

その村で、反共産主義者たちにつかまってしまった!特に都会から来たので服が立派だったので疑われた。

絶体絶命、今にも殺されそうとしたときに、そのリーダーが

”何?お前は数学の教授だって?怪しい、、、じゃあ、マクローリン展開をn項で打ち切った時の剰余項を言ってみろ。出来たら放免してやる。出来なければ銃殺だ”

と言われたとのこと。もちろん、タムさんは出来て、生き延びてノーベル賞を獲った。

生きるために数学が役に立つ, と書こうと思ったが何か微妙な感じがしたのでやめた.

あとその当時の状況とかいろいろあるのでよくわからないが, なぜ物理の教授ではなく数学の教授という肩書だったのだろうか. 当時のロシア情勢とかいろいろ気になる.

2015-11-11 東大数理の河東研のセミナー用に使うテキスト紹介ページをメモしておいたので

東大数理の河東先生のセミナーニュースページに 河東研B4用のセミナーの教科書紹介のページが出ていたので, とりあえずメモも兼ねてリンクしておく.

せっかくなので知っている本は簡単に紹介する. まずは実際に第一候補として挙げられている本から.

Analysis Now

  • 書名: "Analysis Now" (Graduate Texts in Mathematics 118)
  • 著者: Gert K. Pedersen
  • 出版社: Springer
  • 発行年: 1989

関数解析の入門書ですが,抽象的アプローチが好きな人向けです.基本的なことからていねいに書いてあります.Conway の本より易しいです.最初の部分はわかっていれば飛ばしてもいいです.

読んだことない.

A Course in Functional Analysis

  • 書名: "A Course in Functional Analysis" (Graduate Texts in Mathematics 96)
  • 著者: John B. Conway
  • 出版社: Springer
  • 発行年: 1990

普通の関数解析入門から始まる本です.工夫して分かりやすく書かれていると思います.いろいろなことが書いてあり, 最後の方では作用素環の話も出てきます.

読んだことない.

Mathematical Theory of Quantum Fields by H. Araki, Oxford University Press, 1999.

代数的場の量子論を全開でやっていて, 作用素環だけの本ではない. ちょろちょろと多変数関数論 (楔の刃の定理) とかも出てくる. 死ぬ程どぎつい本で私は根をあげた本なのだが, 読める人いるのだろうか.

確かこの本, 1950 年代後半から 1960 前半あたりに 荒木先生がスイスの ETH で講義した有名なレクチャーノートの 出版だとか何とか聞いたことがある. 当時の人, これで理解できたということだし, 社会の学力低下はどうなのかは知らないが, 自分の出来の悪さは激烈痛感する.

An Invitation to C*-Algebras by W. Arveson, Springer 1976.

読んだことない.

K-theory for Operator Algebras by B. Blackadar, Cambridge University Press, 1998.

作用素環の K-理論の有名な本. 読んだことない.

Operator Algebras by B. Blackadar, Springer, 2005.

読んだことない.

Wavelets through a Looking Glass: The World of the Spectrum by O. Bratteli and P. E. T. Jorgensen, Birkhauser, 2002.

これ作用素環なのかとずっと思っていたが, さっき目次を見たら一応$C^*$-algebraはあった. O. Bratteliは作用素環と量子統計の本(次の本)で超有名.

Operator Algebras and Quantum Statistical Mechanics, Volumes I, II by O. Bratteli and D. W. Robinson, Springer, 1987-2002. (a pdf file supplied by the author) (a pdf file supplied by the author)

全部ではないが読んだ. 量子統計で使うネタを割と雑多に突っ込んだ本で全部読むような本ではないし, これだけ読んでも作用素環の基礎は身につかない. 私もこの本で勉強しているが, 必要なところのつまみ食いだ. 完全なバージョンではないが, 基礎から冨田-竹崎理論まで速習したいなら役に立つ. あとは作用素環の勉強にはならない.

Noncommutative Geometry by A. Connes, Academic Press, 1995.

ConnesのサイトにPDFが置いてある. 個人的には読めたものではない. 難し過ぎる. 誰か読み切れる人いるのだろうか.

C*-Algebras by Example by K. Davidson, Amer. Math. Soc., 1996.

大学院当時, 先輩に聞いたところ「最初は割と丁寧だったが後半どんどん雑になる」とのことだった. 「基本丁寧だが, 時々めちゃくちゃ雑になる」だったかもしれない.

Quantum Symmerties on Operator Algebras by D. E. Evans and Y. Kawahigashi, Oxford University Press, 1998.

分厚い. ぱらぱらと眺めたことはある.

Local Quantum Physics by R. Haag, Springer, 1996.

河東先生に「これはHaagが哲学を語った本で教科書, 勉強する本ではありません」と言われた記憶がある.

Fundamentals of the Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III, IV by R. V. Kadison and J. R. Ringrose, Amer. Math. Soc., 1997.

学部4年のときとりあえずこれでも読んでおけばいいのでは河東先生にお勧めされて, これの3章から5章までを読んだ. そのあと実用性を考えてBratteli-Robinsonにすぐ行ってしまったのだが, 作用素環としての基礎がほしいならもっと読んだ方がいい. 富山先生いわく「彼らの教育熱心さを反映してとても良く書かれた本」とのこと. 3章の話はBanach環だが割と気にいっている.

An Introduction to K-Theory for C*-Algebras by M. Rordam, F. Larsen and N. Laustsen, Cambrige University Press, 2000.

読んだことない.

Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III by M. Takesaki, Springer, 1979-2003.

Iは1-2度参照したことがある. 作用素環の聖典の1つではある. 興味はあるが大部過ぎてさすがにつらい.

2015-11-11 社団法人作用素環後援会という謎の会ができていたので

ページはここだ. 代表理事が河東泰之先生で, セミナーニュースを久し振りに見たら見つけたので, とりあえず宣伝協力的なアレだ.

法人の目的だとか事業について紹介がてら引用しておこう.

・本法人の目的

当法人は,作用素環論に関する研究・論文の発表を通じて知的財産権の取得を行うと共に,その成果が地域社会の発展に貢献することを目的とする.

・本法人の事業

  • 作用素環論を用いた研究及び論文の発表
  • 作用素環論に関するセミナーの開催
  • 作用素環賞の授与
  • 前各号に掲げるもののほか、当法人の公益目的の達成に必要な事業

小谷元子先生が入っているのが割と謎だが, 以前早稲田で磁場つきHarper作用素の講演を聞いたときに$C^*$の話を出していたので, ご専門の離散幾何解析でそれなりによく使っているということなのだろう.

私ももっとこういうのやりたいし, マネタイズ真剣に頑張らないと.

2015-11-15 自戒せずにはいられないTogetterメモ:『“算数教育が安心できないのだから、理科教育も安心できるはずがない” - 並列回路の表記をめぐって』

とてもつらいまとめがあったのだ.

これ, 自分が専門分野に関してすらゴミのような死にたくなる変な勘違いをしている可能性が高いことを 示唆してくるので, 割と本気で戦慄するし, 全く笑えない.

きちんとJISの規格の記述を確認しきれていないのだが, http://tinyurl.com/neyybx7あたりでは『実務に役立つシーケンス制御入門』という「実務で役立つ」という明確な触れ込みで黒丸なしのシーケンス図を紹介している. ちなみに私はシーケンス図と回路図という言葉をどう使いわければいいのかといった基本的なところから理解ができていない.

また次の高知工科大学の講義資料によると, 十字を書くとき, 交差は黒丸をつけない, 接続は黒丸をつけるとかいう規格(規則?)のようだ.

ここでは表現の統一という目的のため, 「黒丸が不要なところでもつけた方がいい」と推薦する形にはなっている.

十字の接続でない Fig.2.2(b) のような T 字配線型の接続の場合には,黒丸を省略しても問題ないと思われるが,表現を統一するために Fig.2.2(a) のように黒丸をつけたほうが良い.

実務で紛れがなくミスを起こさないようにしたいという現場の要求もあるのはわかるが, 規格でどうかという根本的なところをクリアしているっぽいので, とてもつらい事案だ.

糞ニート@TNCTHaraPanさんはこのまとめを見たっぽいツイートをしているが, いまどういう風に考えているのかが割と知りたかったりする. 規格上問題ないし上で引いた本のように (回路図一般かシーケンス図限定なのか私は判断つかないが)「現場」でも黒丸なしでよく, 大学の工学部教育でも推奨レベルのことをまだ次のように考えているのかどうかはとても気になる.

何にせよ自らへの戒めとしてもきちんと記録しておきたい.

2015-11-15 nolimbreさんプロトタイプの電子数学書の新たな形:自分でもちょっとやってみたい, gitbook もあり?

YouTube講義と合わせてちょっと試しに作ってみるか感もあるので, とりあえずメモ.

ここがやはり気になる. gitbook調べておこう. 何にしろYouTubeの動画講義は作る予定だし, 原稿をどう公開するか考えないといけない.

何というか, 実際に雑な話してから 少しずつ突っ込む的なことをしていきたいので, それに合わせた形としてやっていけばむしろ最適なのかという感じはある.

ちょっとやってみたいことがあって, gitbook 改修してやるのも大変そうだし, まずは適当に元ファイルを変換するスクリプトを組むところから はじめるのが必要か. めんどいが, とりあえずいろいろやってはみよう.

2015-11-21 記事紹介: 『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』

東洋経済で『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』という青木薫さんの記事があった. 大事なコメントもあったので引用しつつコメントしたい.

11月13日(金)からNHK Eテレで放送の始まった「数学ミステリー白熱教室 ラングランス・プログラムへの招待」。イケメン教授のエドワード・フレンケル氏が、「心も頭もしびれる究極の数学」(ツイッターより)を白熱講義するこの番組は、中学数学を終了程度の知識で、現代数学のもっとも心踊るプロジェクトの神髄にふれさせようという意欲的な試みだ。

よく『美人~』というのが話題になるし, 『ガリレオ』あたりでの『イケメン物理学者』みたいなやつ, どの程度効果があるのか本当に知りたいし, イケメンかどうかはともかく適当な清潔さなどはきちんと気をつけないといけないとは 思っている.

楽譜の読めない人だって、すばらしい音楽には胸を揺さぶられる。油絵なんてただの一度も描いたことがない人だって、ゴッホの「月星夜」の前に立てば、その不思議な迫力に心を捕まれるのではないだろうか。それと同じように、数学の美しさとパワーは、きっとみんなに感じてもらえる、と彼は信じているのだ。

この辺, スポーツとかでもあるし, アニメや漫画でもそうだが, 数学ははじめから強烈なバリアーがある場合が多いので, どう一歩目を踏み出してもらえるかが鍵で, 割とつらい.

「やっぱり、フレンケルってイケメンだわぁ」ということだった。ド・アップに絶える端正な顔立ち。チャーミングな笑顔に思わず引き込まるし、手指の動きにふと目を奪われてしまう。いやあ、静止画像で見るより、動くフレンケルの方がずっと素敵だわぁ……。

こういう感想, 私には書けない.

そのためにフレンケルが持ち出したのは、ありふれたデンタルフロスだ。そして彼は、フロスを指に巻きつけていく。ぐるり、ぐるり、ぐるり、と巻きつけていくと、1回、2回、3回、と巻きの回数を定義でき、それゆえ1、2、3という自然数の概念を把握できる。そればかりが、この方法では、逆向きに巻きつけていくことにより、-1、-2、-3、という負の数の概念が、ごく自然に得られるのだ。

いまだ見ていないのだが, これは面白い.

番組の冒頭に置かれたこの「糸巻き法」のエピソードは、身近な材料を使った、誰にでもわかる、ごく簡単な話である。しかし、このエピソードはきっと、全4回の講義のなかで、通奏低音のように響き続けるのではないだろうか。そんな予感がする。

トポロジーのwinding numberだし, 後でも出てくるだろうと思ってちょろっと見てみたら, Wikipediaで正に次の記述があった.

回転数は代数トポロジーにおいて研究の基本的な対象であり、ベクトル解析、複素解析、幾何学的トポロジー、微分幾何学、弦理論を含む物理、において重要な役割を果たす。

本当に弦理論出てきた.

というのも、もしもそんなつながりがあれば(すでに証明されているものもある)、あちらの領域では超難問だったものが、こちらの領域ではエレガントに解決される、といったことが起こるのだ。そちらの領域では、どんな意味があるのかわからなかった問題が、別の領域で、やおら重要性を発揮することもある。ミステリアスなつながりの存在を明らかにし、「数学の大統一」を目指すことには、現実問題として、途方もなく大きな意義があるのだ。

ミラー対称性とか谷山-志村予想だ.

ところが20世紀の初め頃から半ばを過ぎる頃まで、両者の関係は冷めていた。物理学者は、過去の数学者の仕事から、自分の仕事に使えそうな道具を借りてくるだけ。数学者は、自然相手に苦闘している物理学者を尻目に、我が道を爆走していた。

冷めていたというのはよく聞くが, 科学史的にきちんと調べた上で実際どうなのか非常に気になっている. 実際に 1950 年代からの場の量子論界隈の動きについては 多少知っているが, その前の動きに関してはほとんど知らない.

2015-11-21 川又雄二郎伝説の検証: 学部の複素解析の講義でのエピソード

川又雄二郎伝説が一部検証された.

貴重な情報なので記録しておきたい.

2015-11-22 教育問題の悲しみ: とある方の小二の頃の悲しい記憶

H_Hさんからのタレコミを受けたので.

次の連続ツイートだ.

今考えるとこれこそが生徒の個性を潰し画一化させる義務教育の本質だったんじゃないかって思っている

というのは過剰な一般化で妥当性があるのか全くわからない. この教員の能力の問題とも言えるし, 義務教育というよりも大衆による大衆に向けた教育の限界という感じもある.

教育に湯水のように金と時間をつぎ込めるのなら, メインの教員(クラス担任?)+専門の教員のような配備を していくとか色々方法はあるだろうが, 厳しいだろう.

何度かこのサイトでも取り上げているが, 個々の教員に無限の期待を載せていくのは極めて筋が悪い.

もちろん, 子供が学校であった「嫌なこと」を親なり適切な指導者なりに逐一的確に報告できるのなら いいのだが, 当然そんなことは期待できない. 【適切な指導者】ということになると, そもそも身近にいるかどうか, 身近にいたとして【利用】できるかどうかという問題すらある.

とにかく, 簡単に諦めたり他人や社会のせいにしたりせず, 私は私にできることをやっていく.

やや別件だが次のようなやり取りもあったので 一応記録しておきたい.

2015-11-23 京大RIMSの星裕一郎さんによる宇宙際 Teichmüller 空間論に関する概説が出たので

IUTTはInter-universal Teichmüller theoryの略だ. もちろん望月新一先生の理論. 何はともあれメモしておく.

2015-11-23 ツイート紹介: 梅村浩先生『楕円関数論』の中の代数幾何的記述が面白そうなので

何これ面白そう. 読んでみたい.

わけのわからないコメントと返答

5次方程式の冪根は存在しませんよ 誤謬の流布はやめてくださいね

どういう意味でしょうか. 引用したツイートは「五次方程式の解の公式」としか言っておらず冪根とは言っておらず, ここの五次方程式の解の公式もガロア理論的な四則と根号だけを使った公式ではなく, 許す操作を増やす話なのでは.

2015-11-26 ツイートまとめ: 『$x$の$x$乗の話』最近記事が出て $0^0$ の話題が再燃したようだがきちんと解説ページと本があるので

以前も呟いたのだが$0^0$に問題が再燃したっぽいので.

さて, 『$x$の$x$乗の話』だ.

Amazonのレビューにもある通り, お話として雰囲気を楽しむ本であって, ガチガチに読み込んでいく本ではない. 機会があればぜひ読んでみてほしい. 上にリンクがある著者のページを眺めるだけでもいいだろう.

2015-11-26 (小中高校生向け)学術系イベントの情報収集中

今も絶賛情報収集中だ.

鍵アカウントの方から次のサイトも教えて頂いた.

これも本サイトに転記しておこう.

2015-11-26 ツイートまとめ: 工学に役に立つ微分方程式論, どういう内容になるのか工学関係者に聞いてみたい

工学にとって役に立つことしたいなら, やはり工学者が引き取るしかないと思うのだが, 実際工学部ではどう教育するのだろう. それが無性に気になる.

必要なら自分でもそういう教材を作ってみたいので, 本当にぜひ教えてほしい.

2015-11-27 数学科卒であることを見抜くたった一つの質問の仕方: 巨悪のツイート紹介

相変わらず巨悪が悪いことを言っているので記録.

読めないのではなく使わないから忘れただけなのでは, という気もする.

逆に物理の人間と一発で見抜く質問とか, 化学の人間と一発で見抜く質問とか, 医歯薬理工に限らず, 大学の学科レベルくらいで各分野の専門であることを 見抜ける面白い質問みたいなのが知りたい.

2015-11-28 数学・物理関係でYouTubeに上げる動画を楽に出費を少なく撮る方法の検討

動画を撮るときの参考にしたい.

これから数学・物理関係の動画を撮ろうと思っているが, 他の人にも真似しやすい方法を探している.

今はiPadのアプリを使っている. 次のようなメリット・デメリットがある. - メリット - 書いたページを保存しつつ一気に次のページへ遷移できる. - iPad(とスタイラスペン)さえあれば追加の出費なし. - デメリット - スタイラスペンは書きづらい. - iPadがいる.

iPad(タブレット)がいるというのが 極めてハードルが高いので他にも次のような方法を検討していた.

  • 紙とペンとwebカメラ
    • 知人がやっていた方法.
    • 導入が楽.
    • 紙とペンなので書きやすい.
    • 紙を大量に消費するので継続的に雑費がかかる.
    • カメラの置き方を工夫する必要あり? 追加の光源も必要?
  • 黒板・ホワイトボードと(web)カメラ
    • 黒板だと雰囲気が出る.
    • 小さい黒板(100均で売っている)だとチョークを使う関係であまり一枚に多くの字が入らない.
    • 大きい黒板だと場所をとるし, 顔も入ってしまう可能性があり嫌な人はいるだろう.
    • 黒板に関する初期投資とチョークの継続出費が入る.
    • ホワイトボードでもいいが, ペンの継続出費がチョークより遥かに高い.
  • PCとWacomなどのペンタブレット.
    • 追加の雑費なし.
    • iPadとスタイラスペンよりは書きやすい.
    • タブレット導入のために最初にどかんと出費が出る.
    • 「新たなページ」に行きたい場合に全部消すか新たなファイルを開く必要があって面倒.

このうちの【紙とペンとwebカメラ】のところにカメラとしてスマホ・タブレットを使うイメージで, さらに導入が楽になりそうだ. 光源問題は少し研究する必要がありそうだが. これ, 試してみたい.

2015-12-05 リングさんの関西すうがく徒のつどいでの講演: 楕円関数とおもしろい応用

つどいの講演. 原稿やTogetterへのリンクはここにある.

読みたい.

2015-12-05 掛け算・足し算問題: 子供 (人間) が持つ凄まじい一般化・抽象化能力

大事な話があったので.

算数の難しさと数学の難しさがちょうど重なるところとして まさにこの問題があると思っている. 小学校一年で同じ個数あるものを線で結ぶみたいなことをした記憶があるがまさにそれ.

数という概念は本来めちゃくちゃに抽象的で, 上の線を結ぶことは学部 1 年の集合論でやる集合の個数の定義, 濃度への拡張と直接に繋がる. 数学の本質的なところに触れつつ, 実生活への応用でもよく出てくる凄まじい例で, とてもとても大事.

使うところなんて本当に山程あるどころか 上の例よりももっと凄い形で使う.

例えば三人兄弟におやつあげるときのこんな感じ.

おやつ 3 つあるから仲良く食べなさい. ケーキが 2 つあって, プリンが 1 つ. ケーキはショートケーキとチーズケーキがあるよ.

これ, 抽象度を凄まじいレベルで行き来している. どちらからでもいいが, 下から考えよう.

まずここにはショートケーキ, チーズケーキ, プリンと 三つのおやつがある. それぞれ違うと思っていては数としては足せない.

ここでケーキとプリンとして一般化してまとめる. そうすればケーキが 2 つ, プリンが 1 つとしてケーキに関して足し算できる.

最後, おやつとして一般化してまとめればケーキとプリンを足し算できる.

普段から大人はもちろんのこと, それを見て育つ子供も自然にこの一般化と抽象化, その上での足し算を自然にやっている.

うるさいことをいうなら(切り方のせいで)「大きなケーキ」や「小さなケーキ」もあるのに, それを無視してケーキとくくることだってある.

全く違う対象を適当に一般化・抽象化して足し引きするのは凄まじいことだ. 算数と数学が深く深く繋がっていることを示す事例でもある.

これ, 本当に凄まじい抽象化能力だと思うのだが, 何故子供も自然にできるようになるのか本当に不思議でならない. 教育学とか心理学とかの知見もあるのだろうと思っている. どんな本読むと書いてあるのだろう.

2015-12-08 (数学・物理の)読書はお金を使わないいい趣味であると書こうと思ったがネット代とPDFとか見られる端末が必要だったという話

最後のやつ, 物理の前の数学学習でもやはり数年かかるし, 物理でも永遠に遊べるし, 英語だとPDFとかもバンバン落ちているのでPDFが読める端末があれば, ネット代くらいでかなり遊べる. 永遠にPDFが読める保証がないので, そう思うと紙への印刷も必要なのかな, という気もしてくる.

あとヨハネの福音書, ヘブライ語原文だと思っていたがギリシャ語だったのか. 原典が何語だったのか何でどう調べればいいのかすらわからなくて, 自らの情弱さを感じる.

2015-12-08 コンピュータ上で表現できる数とexactに扱える数の差異を魔法少女が教えてくれたので

次のようなことを呟いたら魔法少女がいろいろ教えてくれた.

鍵アカウントだがとりあえず引用しておく.

@phasetr 代数的数は計算機でexactに表現できて, 四則演算, 大小比較, 原理的には順序環の言葉で書かれた一階の論理式の真偽などがエフェクティヴに計算できる. 幾つかの操作がエフェクティヴにできなくてもよいなら, 計算可能数の成す体も扱える.

@phasetr その意味で「浮動小数点数のような方法では実数をexactに扱えない」「いかなる表現方式でも全ての実数を表現することはできない」は正しいが「コンピュータでは無理数などの実数をexactに扱う方法はない」は正しくない.

@phasetr 記憶領域は可算通りの状態しか取れないので, どれだけ上手い表現方法であっても実数体の可算部分しか尽くせない, という意味では全ての実数を取り扱えるような方法はない.

とりあえずきちんとメモだ.

2015-12-10 数学徒が代数弱者を人助けする様子を記録しておく

非常に間抜けなことを言ったら速攻指摘してもらえて助かったので, 数学徒が人助けをする様子を記録して後世に伝えていきたい.

途中ツイートが消えていて抜けているが, $G$が群にならないだろうとか, $H$が群にならないとかそういう馬鹿みたいな指摘を受けている.

あと別のやりとりも記録しておく.

岩永-佐藤の『>環と加群のホモロジー代数的理論』で環の場合の話があって, それとぐちゃぐちゃになっていた.

どれだけ代数できないのかと絶望的な気分になったが, 不勉強なのは不勉強なので仕方ない. また一つつ賢くなったと思っておこう. 群と環でまた事情がいろいろ違う話的な感じで きちんと認識しておきたい.

2015-12-11 研究者どころか修士くらいの学生であっても身元特定は簡単という話

今日のいい話だ.

最近でこそ名前も出して活動しているが, 出さなくてもほぼ筒抜けレベルの発言ばかりだったので, それはわかる人にはわかるだろう感ある.

あとまた少し別の話だが, 以前東大での田崎さんの集中講義に出て, その後の懇親会で清水研のM1の人に「相転移Pさん知ってます」と言われたこともある.

2015-12-12 (丸善の)分子模型のように数学でも遊べるやつないと思ったがチャートを貼り合わせて多様体を作るとかしか思いつかなかったのでさめざめと泣いた

化学とか物理, こういうので遊べるのが羨ましい. 数学でも手で遊べるの何かないだろうか. パソコンとかタブレット上ならそれなりにある気はするが.

チャートを貼り合わせて多様体を作るとか, そういう無茶なのを真っ先に想起したの, 本当によくない.

2015-12-13 数学科の院生が物理関係者相手に物理の部分がザルな発表をして猛烈に突っ込まれたというがもっとガンガン殴り合ってほしい

hiroki_fさんとSO880さんとの会話録.

ここで書いたこととしてはとりあえず

だろうか. あとは一応次のプロジェクトもだ. - 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト それぞれ地道に頑張ろう.

2015-12-14 教科書紹介: Quantum Information Meets Quantum Matter

気になる. とりあえずメモだ.

2015-12-15 コミケ情報: 3日目東ホ07b「石貫會」量子コンピュータについて理論的側面から解説した「Effective量子コンピュータ」

ちょっとほしい. とりあえずメモ.

2015-12-16 『いまだに人類は微分形式を十分に使いこなしていないと思います』

引用された部分もパンチ力があるが, 最初の問とその回答もなかなか面白い.

2015-12-16 深谷賢治・斎藤恭司対談『現象との関係とか、物理として何が大事かということを見てとるのは、物理学者の一番大事な能力、その人の物理学者としての根源を作っている能力だと思うんです。』

逆もまた然りという感じはあるが, そもそもどのくらいそういうのが必要なのかとかそういうのになるとまた別だ.

私のような数学でも物理でもない半端者は本当につらいことだけは常に感じている.

2015-12-17 Lipschitz連続な関数と$u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$のほとんどいたるところの微分可能性

今ちょっと微分方程式をもう少しきっちりやってみよう月間で EvansのPartial Differential Equationsを読んでいる.

流し読みして様子を見ているのだが, P.280 からの Sobolev 空間の元の可微分性の特徴づけのところで メモしておきたいことがあったのでブログにもメモをしておく.

それは P.280 Theorem 5 と P.281 Theorem 6 (Rademacher) だ. 次元 $n$ が十分大きいとき (Sobolev 不等式で決まる定数だったはず), $u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$ はほとんどいたるところ微分可能であること,

特に Lipschitz 連続な関数はほとんどいたるところ微分可能であることだ.

いったんメモとして証明は書かずにおくが, そのうち動画にして証明もまとめたい.

2015-12-18 宣伝: 東大数理の動画公開『Grothendieckの学生だったIllusieさんの駒場での講演が視聴できます』

よく算数で「たかしくん」が出てくるが, 世界でも最強レベルの「たかしくん」として著名な坪井俊先生のツイートだ.

動画はYouTubeに上がっている. こういうのも増えてきたがやはり個別の大学とかそういうレベルでしか まとまっていないのがつらいところ.

一応簡単にページから講演について引用しておこう.

Speaker Luc Illusie (Université de Paris-Sud)

Title Grothendieck and algebraic geometry

Abstract Between 1957 and 1970 Grothendieck deeply and durably transformed algebraic geometry. I will discuss some of his revolutionary contributions.

2015-12-19 Uffe Haagerupの訃報を知る方の市民: 数学, 作用素環で著名な研究者

衝撃の事実.

AMS noticeでのPDFは次.

  • http://www.ams.org/publications/journals/notices/201601/rnoti-p48.pdf

PDFでも紹介があるが, 冨田-竹崎理論での貢献はもちろん, Haagerup propertyは私ですら名前を知っているレベルの作用素環まわりの基礎という感じがある.

簡単だがとりあえず記録しておく.

2015-12-19 京大RIMS望月新一さんの宇宙際Teichmüllerの普及の2015-12での現状

数学のわけのわからなさ, どこにあるのかと考えてみるとあまりよくわからない. 抽象的だから, とか何とかいう通り一遍の説明はあるが, それはそれであるにせよ, ならそれだけか, といわれると当然他にもあるはずで.

全く考えはまとまらないがふと思ったのでとりあえずメモ.

2015-12-19 論文紹介: 関数解析を使った有界コホモロジーの研究, Matsumoto-Morita Bounded cohomology of certain groups of homeomorphisms

面白そう. 「有界コホモロジー何ぞ」とかそもそもコホモロジーよくわからないとかいろいろあるが, 興味をそそられる. 動画作るついでに勉強したい.

2015-12-23 Solovayでの解析学: 衝撃的な定理がいろいろ成り立つらしいので

面白そうで少しコメントしたので.

あとこれ.

これ割と衝撃感ある. $W^{1, \infty}$ だとどうなのだろう.

そして面白そうだったのでコメントしたのがこれ.

すごい世界もあるものだ.

2015-12-27 Springerから本が色々無料DLできるようになったらしい: 例えばMacLane-MoerdijkのSheaves in Geometry and Logic (SGL)とMarkerのModel TheoryがSpringerのサイトからPDFダウンロードできるようになっている

MacLane-Moerdijk の Sheaves in Geometry and Logic (SGL)と, MarkerのModel Theoryがダウンロードできるようになっている.

他にもいろいろあるみたいなのでとりあえずツイートはっておく.

いつまでダウンロードできるのかはわからないが, SGL は読んでみたいと思っていたので超嬉しい. 早速ダウンロードした. いつ読めるかは相変わらず不明なのが悲しい.

関係ないが, ありとあらゆる学問分野でマイナー分野世界一決定戦とか開いてほしい. 何で測るといいかが微妙だが, 尺度ごとの世界一が測定できるとなお楽しい.

追加情報

ブルブルエンジン兄貴がまとめてくれた.

そのうちお勧めをまとめたい.

追記その2

汎関数積分系統の構成的場の量子論の論文で, ロシア語の文献が引用されたことがある. 念のためダウンロードしておいた.

2015-12-29 数学アクセサリに関するやり取りメモ: 気に入って頂けているようなので

数学アクセサリはhttps://minne.com/phasetrにこれまでの作品を出しているので, 興味がある方は見てみてほしい. http://math-accessory.com/もあるのだが全然更新していない. これももう少し動かしたい.

2015-12-31 『殴っていいのは殴られる覚悟のある奴だけだ』: 研究者への追憶

研究者であるytb_at_twtさんからご指摘頂いたのでメモ.

最近研究できていないのでつらい.

2016-01-01 数学・物理でも同じことがある気がする件: 『レシピ本じゃなくて、調理用具や食材をどう選んでどう使ってどう管理すれば良いか書いてある本は無いものか』

数学・物理でも似たような話ある気がする. 工学的応用みたいな感じなのかもしれない. よくわからないが.

2016-01-02 女装とイラストレーターの関係に学ぶ数学と物理の活動展開

この話, 数学や物理でも参考になると思うし, とりあえず数学アクセサリ方面ではリアルに参考になるだろう. 最近あまり買っていないが, 一時期本当にセブンティーンあたりは買っていた.

今後はアクセサリ関係も買ってみるか.

2016-01-03 tri_iroさんが小林昭七先生宅に伺ったときのいい話を勝手に記録

羨ましい.

小林昭七先生と言えば, 『数学まなびはじめ』の昭七先生分の感想をブログに上げたら弟でいらっしゃる久志先生から「それは知らなかった. 今, 兄の仕事を取りまとめているのでぜひ詳しく教えてほしい」との問い合わせを頂いたことがある. ブログやっててよかったと思う瞬間だった.

そういえば最近昭七先生のサイトを見ていない.

文献紹介が充実してきているっぽい.

2016-01-05 ツイート紹介: 『Kahle先生達の代数統計の続編』

よくわからないがとりあえずメモ.

2016-01-06 『数学は何の役に立つの?』を Kindle 出版したのでぜひ買ってほしい: 買ってほしい理由は宣伝に協力してほしいから

また新たに本を書いた.

数学は何の役に立つの?---納得して数学を勉強するために: 年収との関係から応用の現場, モチベーションの上げ方, 今後の行動の指針まで (よくわからない数学)

ブログやらサイトやらでいつも言っていることをまとめたので, 私の言動を追いかけている方に目新しい話はないと思うが, きちんとまとめて形にした方がいいと思ったのでやってみた.

比較ということもあって, 今回は無料のキャンペーンをやらず, 値段もちょっと高めだが 500 円にしてみた.

これは先日の Springer 祭りを見ての反省に基づく. あのとき「無料だからといって落とすだけ落としても読まないだろうな」という 声があった. 私もいくつか落としたが, 読む時間が取れそうにない.

変な話, 人は無料のものに価値を感じない. ダウンロード数だけは伸びても読まれないのでは意味がないから, あえて出た直後の無料キャンペーンはやめにした.

ご覧の方はぜひ買ってほしい. これも言っておくと売れたからといって儲けなどほとんどない.

何故買ってほしいかというと, 「これを買った人はこれも買っています」的なアレをもとに Amazon からのメールで宣伝される機会が増えるからだ. 少しでも多くの人に届いてほしくて, そのために Amazon に出している. ぜひ協力してほしい.

Amazon の内容紹介に書いた内容を転記して終わる.

「数学は何の役に立つの?」 数学を苦しみながら勉強している子どもはもちろん, 大人からもよく言われます. 大学で数学を研究していたというと, 「数学なんて全然わからなかったよ」と, 東大卒の方々からも言われます.

実のところ, 似たような本はいくつかあります. ただ値段から言っても語り口からいっても, 中高生自身が探しやすいところに 買いやすい値段帯で売っている本は見つかりません. はじめの疑問に答えつつ中高生がお小遣いで気楽に買える, そんなことを目指してこの本を作りました.

またこれまでの本によくある語り口とはずらして 書くことも考えました. 数学が好きな人にありがちなのは 「数学は楽しい・美しい. だからやろう」という感じの語り口です. 数学を応用する人たち (ほとんど全ての人たち) にありがちなのは 「数学は役に立つ. だからやろう」という感じの語り口です.

これまでいろいろな人と話してきたところ, 前者はともかく後者も論外だとわかりました. 本当に数学したくない人は役に立つかどうかなんてどうでもよくて, とにかく「嫌」なのです. それを考えずに「役に立つからやろう」と言われても, 全然意味がありません.

そうしたことにも配慮しながら書きました. もっとはっきり「数学したくなら無理にしなくてもいい」とまで書いています.

もちろんなるべく興味を持ってもらえるような内容も入れています. 純粋な数学の人だと書きたがらないだろう「数学と収入の関係」も書いています. 応用に興味がある人向けに物理を中心に関係ある分野の話も書きました.

読んだあと数学に興味を持ってくれる方もいるでしょう. そうした方がすぐに次の行動に移れるよう, アクションプランもいくつか提案しています. 購入者特典として, 私が早稲田・東大で学んできた勉強法をまとめたコンテンツをつけてもいます.

読んで「いい話を聞いた」で終わってほしくなくて, 数学をするにしろしないにしろ, 読んで得た知識を活かして 行動に移し, 結果を出してほしいと思っています. ぜひ読んで終わるのではなく, 読んでからあなたの行動を加速させていってください.

2016-01-07 ツイート紹介: H. Hosakaさんによるコホモロジー解説

H. Hosakaさんによるコホモロジー解説というtogetterがあったのでメモ. 今回はそれだけ. 『コホモロジーのこころ』, いまだにきちんと理解しきれていないのでその辺を読みたい. 多変数関数論もやりたい. やりたいことばかりたまっていくの, 本当につらい.

2016-01-08 四元数に関するSkypeやりとりの記録

四元数に関してちょっとSkypeでやりとりしたのでその記録. 多分にプライベートな部分もあるSkypeでのやりとりなので, 適当に編集して内容にフォーカスした形にする.

四元数の動画講義需要あるの, 的な話からはじまって, 意外とその周辺の人のポジショントークっぽくないか, 必修にするほど重要ではないだろうとかいう話.

ついでに他の話もメモ代わりに入れておく.

次の自動ツイートまわりの話だ.

四元数からの幾何, 解析力学

  • 四元数は数学出来ない知人のプログラマー界隈が全員知ってたレベルにメジャーなものではありそう
  • 3D でよく使うらしい.
    • 行列だと特異点周りの挙動がめんどいのが楽に書けて嬉しいとか何とか.
  • 特異点とは
  • http://www015.upp.so-net.ne.jp/notgeld/quaternion.html
    • オイラー角を使うと極での振る舞いが鬱陶しいとかそんな感じのアレ
  • ロールピッチヨーはよく聞く
  • ジンバルロックが起きないのは変数のとりかた (軸方向と回転角) が賢いからでは.
    • 行列でも同じ変数で記述すれば問題は起きないのでは?
  • ちゃんと考えていないがジンバルロックが起きるのは角度の取り方をオイラー角で固定しているのが問題のはず.
    • 本格的な幾何学, 多様体論よろしく適切に座標 (角度の取り方) を考えれば普通の行列でも全く問題ないはずで,
    • 極近くでの振る舞いのロジック (極近くでは角度の取り方を変える) をきちんと組もうと思うとバグの温床にもなるでしょうしかなり面倒っぽい.
    • その辺の面倒な考察なしにすっきり書けるのが四元数の有り難みではなかろうか.
  • 変数のとりかたが問題なら, 四元数はあくまでテクニックに過ぎないので制御系の人にとっても重要ではないのかなとか思うなど
  • 純粋にプログラムとして 3 次正方行列より四元数のほうが占有するメモリ少なそう
  • プログラムに入れる上では四元数のほうが良さそう
  • http://tinyurl.com/otmyox5
    • 【今, 3D モデルやロボット工学で必要な数学なのですが, 各大学で教えていません.】
    • これを見てモニョモニョした.
    • 何かというとテクニック的なものより, 制御系だったらラプラス変換とか線形代数みたいな理解しておかないとコード書く書かない以前の (制御の問題自体に深く関わる) 数学がある
    • そういう意味で四元数はカリキュラムからオミットされているのではないかと
    • 「マトラボにおまかせできる」内容に属しているのではないか
  • そういう観点があったのか
    • 勉強したことないのでアレだが, わざわざレクチャー必要なほど内容があってつらい話なのかという感じもする
  • 制御系だと四元数では足りないのでは
  • 足りないというのはどういう意味?
  • 次元が足りない
    • 剛体一個なら十分.
    • 剛体 n 個を「つなぎ合わせた」系だと多分足りない.
    • 学生当時拘束付の 6n 次元系で計算してたような覚えあり.
  • 発言元の人のポジショントーク的なアレの可能性が示唆されつつある
    • あと剛体だと二次系 (x'' = ax' + bx) なので, 行列式にすると各々「速度 + 位置」がパラメータになる
  • 解析力学きちんとやった方がよほど役に立つのではないか説だ
  • 自分の身の回りだと, 制御系は「非線形」とか「区分的線型」とか「非ホロノミック」とかが数学的にホットなトピックだった.
  • 拘束系の力学は量子重力とかその辺でも必要とか何とか聞いた遠い記憶
  • 四元数はかなり使い方が限定された (特定の場合は有用な) ツールであると思っている.
    • 大学でもそう見られているなら大学で教える優先度は下がる
    • そういうのも補完していくというスタンスならテーマとしてとりあげる意味もあるだろう
  • もともと物理っぽいところしかカバーできないので, 今の所工学ゴリゴリっぽそうなところは優先度低い
  • 工学でもツール以上の意味をもつ数学 (鶏卵さんは微分幾何がそうだと言っていましたが) を狙っていくのが多分相転位 P 的に狙っているところに近いのでは
    • 非ホロノミックとかそうなのかな? と思ったり
  • 非ホロノミック系にしても区分的線型系にしてもそっち方向な気がする.
    • 古典制御系 (+ 初歩の現代制御系) だと, 「とりあえず線形 + ノイズに近似して考えれば何とかなるんじゃね」がまかり通っている () ので
    • まかり通っている=実用的
    • しかしながら, (多分計算機の進歩に伴って), 倒立振子制御などの古典的なヤツについても, 「非線形」なる線形で近似しないアプローチが有力となってきた
    • 数学力が問われる世界になりましたという歴史.
    • 微分幾何の「安定論」とか「多様体論」とかがベースのアプローチ.
  • 山本義隆・中村孔一の解析力学の本に「力学系」として非線形動力学の話が紹介されている.
    • 学部 2 年くらいで初めて読んだとき, 何から何までわからなくてつらかった遠い記憶
    • いっそ解析力学を幾何の復習も兼ねてきちんとやるか熱の高まりを感じる

量子力学関係の動画作りたい

  • 専門家から量子力学・量子情報とかの文献を教えてもらったので勉強して動画作る

ニコナレ

2016-01-11 大学院生YouTuber: arXivの論文レビュー動画とか作ろう

ちょっとテストとして近いうちに一つはやってみる予定だ.

2016-01-11 2016-01新刊: 戸田幸伸 『連接層の導来圏に関わる諸問題』 数学書房 シリーズ 問題・予想・原理の数学

何これ楽しそう. 読みたい. シリーズ名がまたいい.

2016-01-11 小澤徹先生の文章集がなかなか面白かったので

早稲田にいる非線型偏微分方程式がご専門の小澤徹先生の方だ. 今RIMSにいる小澤登高さんではない. ちなみに次のページ.

まず中西賢次氏の日本学術振興会賞受賞を祝うから.

最近ではW. Schlagとの共同研究によって、非線型シュレディンガー方程式や非線型クライン・ゴルドン方程式の基底状態の近傍の初期データのクラスを 9 つに完全分類し、対応する解が、正負の時刻で「散乱」「爆発」「基底状態近傍内の閉じ込め」の三種類の何れも実現し得る事を証明した。これは実に画期的な成果であり、「非線型波動方程式」と称する分野に於いて、数学が物理を真に超越した事を示す金字塔である。その一部は Kenji Nakanishi and Wilhelm Schlag "Invariant Manifolds and Dispersive Hamiltonian Evolution Equation" として European Mathematical Society から出版されている。

【数学が物理を真に超越した事を示す金字塔である】というのが気になる. 本当に不勉強で知らないのだが, 非線型 Klein-Gordon は物理のどんなところで出てくるのだろう. 線型の Klein-Gordon はもちろん相対論的量子力学の基本的な方程式だが.

次は2015年度日本数学会解析学賞授賞報告から.

竹村彰通氏は,統計的多変量解析についてこれまで多くの研究を行ってきた.近年は計算代数統計という新しい分野において,グレブナー基底に基づく計算代数手法の統計学への応用研究に著しい業績をあげてきた.特に,D加群の理論に基づくホロノミック勾配法の提唱は,統計学における標本分布論の新たな手法として特筆すべきものである.

代数統計は @tmaehara さんのツイートや RT で見かけたことがあるから名前くらいは知っていたが, まさか D 加群が統計学に使われているとは思いもよらなかったので衝撃を受けた. 本当, 何がどこで出てくるかわかったものではない.

今回の最後は2013年度物理学及応用物理学専攻修士課程ガイダンス大学院担任挨拶.

私も皆様に「次の並木美喜雄は、次の田崎秀一は誰かね?」と問いかけ、ご挨拶と致します。

並木先生はご縁がなくお会いしたことがないが, 田崎 (もちろん秀一. 学習院の田崎さんではない) 先生は, 熱力学と統計力学を教わった先生であり, 私も微妙に絡んでいないこともない (少なくとも非平衡統計の数理物理の論文くらいは読んだことある) 分野, 非平衡統計をリードする研究者で 極めて優秀だったのに若くして (といっても 50 代だが) 亡くなってしまった. 見た瞬間「あー」という何とも言えない感じになった. 悲しい.

今日からまた数学と物理をがんばろう.

2016-01-15 サイト紹介: 手書きでTeXコマンドをサジェストしてくれるサイト http://detexify.kirelabs.org/classify.html

参考にしたい.

$SO(n)$の連結性を示すお手軽な方法は何?

あまりよくわかっていないがとりあえず記録.

「わたしはついにモース理論がわかりました」:かの有名なWitten・SmaleのBottへの言葉

前にも紹介した記憶があるが, 改めて記事を抜き出し, 引用しておく. 橋本義武さんの回想録みたいなやつ. 元記事はこれ.

まず Bott への Witten・Smale の有名な言葉, 「わたしはついにモース理論がわかりました」

4.印度土産

さて,ADHM とほぼ同時に物理学者の方でも BPST の一人 Schwartz が同様の結果に達していたらしい.Atiyah は物理学者の世界の競争の激しさにとまどいながらも,今自分がおかれている状況にかつてないスリルをおぼえていた.

ちょうどそのころ,そんな Atiyah たちをよそに,所は変わってインドのタタ研究所,木陰にデスクを出してもらってのんびり海をながめる毎日を送りながら,一人の数学者が sabbatical year を満喫していた.われらが Bott 先生である.愉快なインド滞在を終えた Bott はオクスフォードに盟友 Atiyah をたずねた. Bott はこのときのことをふりかえって,「Atiyah はすっかり舞い上がっていて "mathematical high" の状態だったんだ」と述懐している.どうやら知らぬ間に大きな事件がおこっていたらしい.ところが,興奮しながらインスタントンの説明をまくしたてる Atiyah の声が,インドで聞いたリーマン面上の正則ベクトル束のモジュライの謎を語るバラモンの数学者 Ramanan の静かな声に不思議と響きあうのであった.こうして Atiyah-Bott のリーマン面上の Yang-Mills ゲージ理論が生まれる.それは,Bott が若いときから追い求めてきたモース理論の新局面を切り開くものであった.

Bott は各地の物理学者たちの前で,Atiyah と彼とのゲージ理論について講演して回ったのだが,その反応は熱いものではなかった.しかしそんな中にあって一人の男が鷹のように Bott のことばを追ってきた.Witten である.彼は Bott の講演から,後に言う Witten のモース理論を着想する.後日,Bott は彼から一通の手紙を受けとる.そこには,「Bott 先生,わたしはついにモース理論がわかりました!」と記されていた.それは奇しくも,かつての弟子 Smale が直伝のモース理論にさらに磨きをかけついに高次元ポアンカレ予想を解決したときに Bott に告げたのと同じことばだったという.

【Atiyahの子どもたち】というのがなかなかツボなのでこちらも.

5.あれでもなくこれでもなく

DonaldsonやKirwanといった"Atiyahの子どもたち"は, Bottの来訪を毎回サンタを待つように楽しみにしていたという. Donaldsonの論文"An application of gauge theory to four dimensional topology"の題がBottの若い頃の論文の題と似ているところに,そのあたりの雰囲気が表れているように思う.Donaldson のこの論文は,ADHM とも Atiyah-Bott とも違う道を切り開くものであった.すぐ近くで誕生した ADHM も Atiyah-Bott も深い理論であり,また当時できたばかりだからやることはたくさんあったはずである.事実 Donaldson はそれぞれに関連する仕事もしている.しかし彼は,それとは別に 4 次元トポロジーへの応用という思いもよらぬ方向へと一歩を踏み出した.彼の理論は,Rochlin の定理しかなかった 4 次元トポロジーの状況を打開しただけでなく,異種 4 次元ユークリッド空間という存在をわれわれに示してくれた.こんなものがあると知っただけでも数学を勉強した甲斐があったというものではないか.Witten はこう言っている,「Donaldson 理論は時空の幾何を理解する鍵である.」

2016-01-18 奈良女子大の鴨さん筋の情報:数IIIなしでも大学初年次相当の線型代数と微積分に対応できるという現場からの報告

嘉田さんの本これか.

やはり買うか.

2016-01-21 スペクトルが内点を含む非正規作用素の例, その他にもちょっとした作用素とスペクトルの例

あとでhttps://github.com/phasetr/math-textbookにまとめるが, とりあえずツイートメモ.

こういう例も愚直に収集していきたい.

あと内点を含まない作用素の例としてはコンパクト作用素がある. 原点が集積点である以外, 全て離散的で縮退度有限な固有値になっている. コンパクトなRiemann多様体上のLaplacianもこういう性質を持つ. 量子力学で出てくるような例は大概が非有界で自己共役だが 大雑把に言って連続スペクトル部分で内点を持つ.

2016-01-25 ツイートメモ: かつての東大後期の問題はめちゃくちゃ心が踊ったしそういうことをしなければいけないのかという回想録+決意

MarriageTheoremさんと心温まる会話をしたので.

私がするべきこともやはりこの辺なのかと再確認した. 地道に頑張ろう.

2016-01-30 記事紹介, 学習の喜びとは: Paul Lockhart, A mathematician's lament

私の実感に合うことを書いている方がいらっしゃるようで, さらにJunInoueさんそれを適当につまんで解説してくれていたので まとめておく.

メルマガに書くというモチベーションで, あとできちんと読んでまとめたい.

2016-01-31 圏論との付き合い方: infinitytopos.wordpress.com の記事と関連ツイート紹介

http://infinitytopos.wordpress.comは前も紹介した気はするが, ぴあのんさんのツイートが改めて発掘されたので.

現状, 私は仮に使うとしてもライトユーザーなので, Awodeyくらいでいいのだろう感がある. いっそ『コホモロジーのこころ』くらいでいいだろう感もある. 小嶋先生の論文を読めるくらいの圏論がどの程度なのかよくわかっていないが.

あとこんなツイートも.

2016-02-04 論文メモ: Yasuyuki Kawahigashi, A remark on gapped domain walls between topological phases

気になる.

論文タイトルは『A remark on gapped domain walls between topological phases』. 概要は次の通り.

We give a mathematical definition of a gapped domain wall between topological phases and a gapped boundary of a topological phase. We then provide answers to some recent questions studied by Lan, Wang and Wen in condensed matter physics based on works of Davydov, M\"uger, Nikshych and Ostrik. In particular, we identify their tunneling matrix and a coupling matrix of Rehren, and show that their conjecture does not hold.

これ, 後で読もう. ついでにメルマガとかでも配信しよう.

2016-02-12 可積分系で著名な廣田良吾先生の訃報

今さらだが, メールを掘り返していたら見つけたので.

逆散乱法とか可積分系で有名な教官だ. 全くの畑違いの私ですら名前を知っているレベル.

2016-02-14 ツイート紹介: 数の実在について最高の証明, メタ存在論の論文, J. SCHAFFER, On What Grounds What

kentz1 さんのツイートからだ.

写真の言葉を引用しておこう.

the existence of numbers:

  1. There are prime numbers.
  2. Therefore there are numbers.

1 is a mathematical truism.

謎い.

2016-02-19 記事紹介: 時枝正博士(Dr. Tadashi Tokieda)のおもちゃと応用数学

時枝正さんの話.

時枝さん, 田崎晴明さんですら絶賛していたレベルの講演巧者らしいし, ずっと気になっている. とりあえずメモ.

2016-03-07 芝浦工業大学 横田研究室 数理情報研究室 数学・プログラミング学習教材

これは気になる. とりあえずメモ.

2016-03-15 スライド紹介: 素数大富豪に関する自由研究まとめ

ページは次のリンクから.

ちょっと引用.

今最も熱い数学トランプゲーム「素数大富豪」について、簡単なルールを紹介した上で、「ゲームの中で出せる素数の個数」に関する自由研究の成果をまとめました。 54枚のカードの組み合わせから広がる素数の世界。始まりは2から、しかし一歩進むごとにぐんぐんスケールアップしてゆく素数大富豪の可能性に、あなたはどこまで食らいついていけますか? 札幌の科学勉強会での発表用に作成したスライドです。

素数大富豪はちょっとしたサポートアプリを作ったので, 興味がある方は使ってみてほしい.

2016-03-20 教育学部での数学への認識問題: 鹿大教育学部某教授「道徳は,公式を覚える数学のように決まった方法では教えられない(南日本新聞から)」

とてもつらく切ない.

2016-03-22 高校の数学カリキュラム: 初等幾何 (平面幾何) と行列, どちらの方が「大事」?

今見ると話が全く噛み合っていなくて申し訳なくなる. ただ一つだけ思うのは次の二点が前提になっていることだ.

  • 大学に進学すること.
  • 大学で行列を学ぶこと.

行列は入るとしても数学IIIという感じだし, 平面幾何は数学IAIIBだろう. 大学で数学・数学の応用をする場面では行列必須だし, 統計学との関係で人文・社会学でも大切ではある.

高校で何を教えるべきかという問題もある. 無理にあとで役立つことを教えても, その役に立つ場面や有用性が伝わらないのなら意味ないだろう.

ちなみに私は「数学が何の役に立つかどうでもいいし, 勉強するかどうかも勝手にすればいいが, もし必要な場面で使えないなら役に立たないのはお前の方だ」とか言い放つ方なので, その辺に関しては堀畑さんよりも遥かに厳しいだろうと思っている.

他にもいろいろあるが, とりあえずこのあたりで.

2016-03-23 Freeman Dyson自身によるStability of matterに関する動画

以前も紹介したと思ったら紹介した動画は一次元強磁性体の動画だったので, 改めて物質の安定性に関する動画を紹介し直す.

今のマストではないから見る時間を取らないでおくが, そのうちきちんと見たい.

2016-08-15 時枝正さんの講義が大量に投下されている YouTube チャンネル African Institute for Mathematical Sciences (South Africa)

時枝正さん, あの田崎晴明さんですら圧倒されたと言ってしまうほどの 圧倒的に面白い講義・講演をするらしいので, 何はともあれ記録しておく.

2016-03-28 小平邦彦先生の『解析入門』がとても面白そうな本だというのを知ったので

小平先生の『解析入門』, そんな面白そうなこと書いてあるのか.

俄然気になってきた.

ポストモダン解析学は学部の頃から気になっていて全く読んでいない. 幾何解析的なこととか興味あって, Jostもその辺の人らしいので読んでみたいとはずっと思っている.

2016-03-31 関孝和, 建部賢弘, 有馬頼徸, 安島直円の著作を読みたいなら古文漢文きちんとやろうの会

今のところあまり読む気はしないがとりあえずはメモだ.

2016-04-01 とある教育学部の数学での地獄のようなひどいカリキュラム報告事案