2015¶
2015 東大数理, 平成24年度, 平成25年度, 平成27年度数学講究XAテキスト一覧¶
手元にあった東大数理の平成24年度, 平成25年度数学講究XAテキスト一覧に加えて, 平成27年度の一覧を重複を除いてまとめておこう. まず学部低学年の学生の参考になるだろうし, その他にもこう色々と参考になるだろうから. 私自身, あまりよく知らない分野の勉強をするときに参考にしたいというのもある. 簡単な書評もあるからそれも参考になる.
専門との関係もあるから教官名も添えておく.
石井志保子 教授¶
- Robin Hartshorne, Algebraic Geometry, Springer-Verlag
- 代数幾何は代数方程式の零点で定義された図形で, これを研究するのが代数幾何学です. このテキストは代数幾何学の標準的な教科書で, 世界中で使われています.
中村周 教授¶
- Gerald B. Folland, Introduction to Partial Differential Equations (Second Edition)
- 偏微分方程式論に関する, 比較的レベルの高い入門書. 一般的な局所解の存在定理から始まって, 古典的方程式, つまり, ラプラス作用素, 楕円型の境界値問題, 熱方程式, 波動方程式を説明し, 関数解析的手法, 擬微分作用素の導入までを扱っている. 偏微分方程式に関する予備知識は必要ないが, 積分論, フーリエ解析の知識は必要.
- Methods of Modern Mathematical Physics I. Functional Analysis
- Reed, B. Simon, Academic Press
- 関数解析的数理物理の標準的な教科書. 全 4 巻であるが, 第 1 巻の関数解析の後半から始めて, 第 2 巻のフーリエ解析の部分までをセミナーで行いたい. 基礎知識は, 数学科 3 年生の講義の積分論, フーリエ解析があればよい.
儀我美一 教授¶
- C. Evans, Partial Differential Equations (2nd Edition), American Mathematical Society
- 非線形偏微分方程式の数学解析を目指した良書. 偏微分方程式に対するさまざまな扱いに対して, そのエッセンスのみに絞って解説したもので, アメリカのさまざまな大学の偏微分方程式の入門の講義で行われている.
- Villani, Topics in Optimal Transportation, American Mathematical Society
- 2010 年フィールズ賞受賞者の Villani 氏による最適輸送問題の入門書. ある地域に分布している集団を別の地域に移動させたいとす る. このときの輸送コストを最小にするという問題が最適輸送問題である. この最小輸送コストを距離とすることによりできる距離空間を Wasserstein 距離空間といい, 幾何学的に大変重要な構造を持つ. 一方, 近年流体力学の非圧縮流体また拡散方程式等の偏微分方程式への応用も進ん でいる. 本書は, このように変分解析, 微分幾何学, 偏微分方程式といったさまざまな数学の結びつきを知るうえでも大変興味深い.
- Qing Han, Fanghua Lin, Elliptic Partial Differential Equations (Second Edition), American Mathematical Society
- 調和関数を出発点に, 2 階単独楕円型方程式のハルナックの不等式や, アレキサンドルフの最大値原理の基礎について触れる. 楕円型方程式の入門書.
- Giovanni Bellettini, Edizioni della Normale, Lecture Notes on Mean Curvature Flow: Barriers and Singular Perturbations, 2014
- 平均曲率流方程式は, 微分幾何学で重要な非線形放物型偏微分方程式の典型例であるだけでなく, 材料科学の焼きなまし時の粒界の動きを記述するといった豊かな応用を持つ. 現在さまざまな書籍があるが, 本書は比較的解析学的な立場で書かれた入門書であり, 少ない予備知識で読めるように配慮されている. 平均曲率流方程式を通じて微分幾何学, 偏微分方程式論を俯瞰するのにも便利である.
坪井俊 教授¶
- Danny Calegari, scl, Mathematical Society of Japan, MSJ Memoirs 20
- 群の交換子群の元が, いくつの交換子の書かれるかという素朴な疑問から, 様々な群に対する重要な研究が数多く行われるようになった. このテキストは, この問題の起源から, 現在の研究に至るまでを解説している.
- Brian Bowditch, A course on geometric group theory, Mathematical Society of Japan, MSJ Memoirs 16
- 幾何学的群論と言う現在非常に広く研究されている理論の入門書である. 無限群の性質を考えるときに, その群がどのような作用を持つかを考えることが重要になる. 最も重要な例は定負曲率を持つ双曲空間に等長変換として作用する群である. 有限生成群に対しては, ケイレイグラフへの作用が自然に考えられ, ケイレイグラフが双曲的であると考えられる場合は群の作用の性質は, 双曲空間への作用と非常に似たものになることなどを示す.
吉野太郎 准教授¶
- Joseph A. Wolf, Spaces of Constant Curvature, AMS Chelsea Publishing
- 曲率とは空間の曲がり具合を記述する量である. 空間が定曲率, 即ち各点での曲率が等しいと仮定すると, その大域構造は大きな制約を受ける. この本では, そのような制約について古い結果から最新の結果まで触れている.
- Sigurdur Helgason, Differential Geometry and Symmetric Spaces, AMS Chelsea Publishing, 2001
- 空間内の点 $p$ に対し, $p$ を通る測地線を $p$ で一斉に折り返す変換を「 $p$ における対称変換」という. 任意の点において, その点における対称変換を持つ空間を対称空間という. この本では, このような対称空間の分類を行う. 本書は対称空間に関する入門的な書である. 対称空間のうち既約なものは既に分類されており,その構造もリー群を用いて精密に調べることが出来る. また, 応用上重要な多様体は対称空間の構造を持っていることが多い.
- 大島利雄・小林俊行, リー群と表現論, 岩波書店, 2005
- 群構造を持った多様体をリー群という. リー群は, 上に挙げた定曲率空間や対称空間, その他多くの研究において重要な役割を果たす. この本では, リー群について基礎から応用まで広く解説している.
片岡清臣 教授¶
- Akira KANEKO, Introduction to Hyperfunctions, Kluwer Academic Publishers, 1985
- 1 変数関数論の知識に基づき, 1 変数佐藤超関数の定義から始めて多変数佐藤超関数の性質と演算, および解析的特異性, 特異スペクトラムの基本的性質を解説している. 多変数関数論の基本定理やコホモロジー論を使わずある種の積分変換 (デルタ関数の曲面波展開といわれる) だけを使ってほぼセルフコンテインドに解説しているところが特長的である.
松本眞 教授¶
- David A. Cox,John Little, Donal O'Shea, Ideals, Varieties, and Algorithms: An Introduction to Computational Algebraic Geometry and Commutative Algebra (Undergraduate Texts in Mathematics), Springer New York; 3 版, 2007
- 代数幾何における計算機アルゴリズム (特にグレブナー基底) の標準教科書.
- J. P. Serre, Local Fields, Springer, 1995
- 局所類体論の有名なテキスト.
舟木直久 教授¶
- Williams, D., Probability with Martingales, Cambridge Mathematical Textbooks, 1991
- まず Part A で, 測度論を用いた確率論の基礎付けを行う. この部分は 3 年冬学期の講義と重なる. その上で Part B で, マルチンゲールの理論を学ぶ. マルチンゲールは, 今日では確率解析を使いこなす上で欠かせない道具となっている. 最後に Part C では特性関数と中心極限定理を扱う. 随所に多くの例や応用が書かれている.
- S.R.S. Varadhan, Probability Theory (Courant Lecture Notes 7), American Mathematical Society, 2001
- 特性関数, 確率分布の弱収束, 大数の法則, 中心極限定理など, 3 年の講義で習ったことを復習した後に, マルコフ連鎖, マルチンゲール, 定常過程などの基本的な確率過程について学ぶ.
ウィロックス ラルフ 准教授¶
- Richard Beals & Roderick Wong, Special Functions -- A Graduate Text, Cambridge University Press, 2010
- 特殊関数についての入門書. 前半では, gamma 関数や zeta 関数の基本的な性質や 2 階の常微分方程式論が復習され, それらの方程式と物理との関係が論じられている. その後, 直交多項式と離散的な直交多項式の理論が説明され, 後半では, 超幾何関数の様々な性質が丁寧に解説されている. 少なくとも第 6 章〜 7 章まで読む予定である.
- 三輪哲二, 神保道夫, 伊達悦朗, ソリトンの数理, 岩波書店, 2007
- 著者らによって開発された, ソリトン解を持つ非線形偏微分方程式を統一的に解くための自由フェルミオン場という方法を用いて, ソリトン方程式の数学的構造が論じられている. 数学的準備から始め, 広田の直接法, KdV 方程式や KP 方程式の性質, ソリトン方程式の対称性とそれらの代数的な構造を解説する.
- Saber Elaydi, An Introduction to Difference Equations, Springer, 2005
- 差分方程式についての入門書. 前半では, 1 階の漸化式の一般論から出発し, 一般の高階の線形差分方程式の理論が展開されている. 後半では, 線形の差分方程式だけではなく, 非線形の差分方程式の解の安定性又は漸近的挙動を解析するための数学的手法がいくつか説明されている. 少なくとも第 8 章まで読む予定である.
松本久義 准教授¶
- James E. Humphreys, Introduction to Lie Algebras and Representation Theory, Springer, 1980
- 表現論に関しては, 複素半単純リー環の基礎 (ルート系,ワイル群, 最高ウエイトなど) が基本的な予備知識であり, 現実問題としてこういったことを知ってないと大抵の文献は読めないし,表現論の多くの理論はこう言った古典的な理論をお手本としている. この本はリー代数の教科書としてはもっともオーソドックスなもの. 通年のセミナーで読みきるには丁度よい分量で, 内容も標準的. 予備知識は線形代数だけで読める. ただし, リー群との関係は触れられていない. 標準的なテキストの選択.
- Humphreys, James E., Representations of semisimple Lie algebras in the BGG category $\scr{O}$., American Mathematical Society, 2008
- 上記 Humphreys のリー代数の教科書の続編的な専門書, BGG category とは最高ウエイトを持つリー代数の加群を自然に含むリー代数の加群からなる圏であり, 深い研究がなされている. この本の後半は証明抜きでの概観を与えるものになっているが, セミナーでは前期で前半だけよんで後期は証明の書かれたより専門的な文献をとりあげることも考えられる. 上級者むけ.
- Victor G. Kac, Infinite-Dimensional Lie Algebras, Cambridge University Press, 1994
- 有限次元の複素半単純リー代数の自然な無限次元への拡張として名高い Kac-Moody リー代数の定番的教科書. この本自体は予備知識はあまり必要ないのだが, 何をやっているのかわかるためには, 上記の Humphreys の Introduction to Lie Algebras and Representation Theory などを読んでからの方がよいだろう. 上級者むけ.
- N. Chriss and V. Ginzburg, Representation Theory and Complex Geometry, Birkhauser, 2000
- 幾何学的表現論の教科書である. 夏学期から引き続き使用する. 原則として新規に学生は受け入れないがどうしてもという人はすみやかに私と面談すること.
高山茂晴 教授¶
- Huybrechts, Complex Geometry, Springer, 2005
- コンパクトな複素多様体の基本的な性質について書かれてある. 特にケーラー多様体と正則ベクトルの性質を, 計量を用いて記述してある. 予備知識として関数論, 多様体論, 層の理論の初歩を仮定する.
- R. O. Wells, Differential analysis on complex manifolds, GTM 65, Springer, 1979
- コンパクトな複素多様体の標準的な教科書として良く知られている. 前半では, 層とコホモロジー, エルミートベクトル束, 楕円型作用素などの基本的事項が説明されている. 後半では特にケーラー多様体の場合の調和積分論, ホッジ・小平の分解定理などが詳しく説明され, それらを用いて小平消滅定理, 小平埋込み定理の証明が与えられている. 3 年生の知識があれば十分に読み進むことができる.
齊藤宣一 准教授¶
- 田端正久, 偏微分方程式の数値解析, 岩波書店, 2010
- 本書は, 偏微分方程式の代表的な数値的解法である, 差分法, 有限要素法, 境界要素法に対する数学的な理論の, 基礎の導入から, 収束証明にいたるまでを, 丁寧かつ明快に解説した, 数値解析の入門書である. 計算方法そのものよりは, 偏微分方程式の離散化によって生じる数学的問題の解析に焦点が絞られている.
- 増田久弥, 非線型数学, 朝倉書店, 1985
- 様々な物理現象の記述に現れる非線形微分方程式の, 解の存在・一意性・多重性などを研究する際の基本的な方法である, 不動点定理, 変分法, 写像度理論, 分岐理論を, 具体的な微分方程式を対象に解説した本です.
河野俊丈 教授¶
- James F. Davis, Paul Kirk, Lecture Notes in Algebraic Topology, American Mathematical Society Graduate Studies in Mathematics Volume 35, 2001
- 代数的位相幾何学の基礎である, ホモロジー代数, ホモトピー群, ファイバー束, 障害理論, スペクトル系列などが解説されている. 本書によって位相幾何学を研究する上で必要な代数的な基礎について系統的に学ぶことができる.
- Augustin Banyaga, David Hurtubise, Lectures on Morse Homology, Springer, 2005
- Morse 理論は Morse 関数から多様体の幾何学的情報を抽出する手法である. この本では, Morse 関数の臨界点で生成され, 勾配ベクトル場によって境界作用素を定義する Bott, Witten らによる Morse 複体の手法が解説されている. シンプレクティック幾何学などで重要な役割をはたす Floer ホモロジー理論を学ぶことを目標とする.
- James F. Davis, Paul Kirk, Lecture Notes in Algebraic Topology, American Mathematical Society Graduate Studies in Mathematics Volume 35, 2001
- 夏学期からの継続である. 冬学期は, ファイバー束の幾何学, 障害理論, 一般コホモロジー, スペクトル系列などを扱う. 本書によって位相幾何学を研究する上で必要な代数的な基礎について系統的に学ぶことができる.
- Hansjorg Geiges, An Introduction to Contact Topology, Cambridge University Press, Cambridge studies in advanced mathematics 109, 2008
- 接触幾何学の基礎的な話題と位相幾何学へのさまざまな応用が述べられている. とくに, 3 次元多様体の接触構造の分類に関する Eliashberg の結果, open book 構造などについて詳しく学ぶことができる.
- Helmut Hofer, Eduard Zehnder, Symplectic Invariants and Hamilton Dynamics (Advanced Texts), Birkhauser, 1994
- シンプレクティック幾何学は, 解析力学に由来するが, 現在大域的解析学と関連して, 最も活発に研究されている幾何学の分野の一つである. 本書では, ハミルトン力学系の基礎から始めて, シンプレクティック多様体の概念, さらには, キャパシティ, 周期的ハミルトン系とモース理論などを学ぶことができる.
下村明洋 准教授¶
- Gerald B. Folland, Real Analysis, (Second Edition), Wiley-Interscience, 1999
- このセミナーでは, 実解析の基礎を学ぶ. この本では, 実解析及び関数解析的手法による解析学の基礎となる内容が扱われている. 3 年生の講義「解析学 IV 」 (ルベーグ積分論の基礎) と「解析学 VI 」 (フーリエ解析の基礎) の続きに相当する. 4 年生の講義「解析学 VII 」 (関数解析の基礎) や「解析学 XB 」 (実解析の基礎) とも関係が深い. セミナーは 3 章から始める予定である.
- 宮島静雄, 関数解析, 横浜図書, 2005
- このセミナーでは, 関数解析の基礎を学ぶ. 関数解析を丁寧に学ぶ事が出来ると思われる. 3 年生の講義「解析学 IV 」 (ルベーグ積分論の基礎) と「解析学 VI 」 (フーリエ解析の基礎) の基本事項を理解している事が望ましい. 4 年生の講義「解析学 VII 」 (関数解析の基礎) や「解析学 XD 」 (スペクトル理論の基礎) との関係が深い. セミナーは第 2 章から始める予定である.
- Lawrence C. Evance, Partial Differential Equations, (Second Edition), American Mathematical Society, (Graduate Studies in Mathematics 19), 2010
- 偏微分方程式の様々な基本的話題について, 初歩的な事から丁寧に書かれている本である. この本を読む事によって, 3 年生までに学んできた解析系の科目の内容が偏微分方程式へ応用されていく様子を体験できると思われる. 特に, 数学・数理科学の分野の大学院 (修士課程) への進学を志望していない人に, 4 年生のセミナーでのテキストとして推薦したい.
- Loukas Grafakos, Classical Fourier analysis, (Second Edition), Springer, (Graduate Texts in Mathematics 249), 2008
- このセミナーでは, フーリエ解析・実解析について学ぶ. 概ね 3 年生の講義「解析学 VI (フーリエ解析の歩) 」の続きに位置付けられる. このセミナーに参加を希望する人は, 希望調査票を提出する前に, テキストを見て, 面談に来て下さい.
- 儀我美一, 儀我美保, 非線形偏微分方程式 (共立講座 21 世紀の数学 25), 共立出版, 1999
- 線型及び非線型の偏微分方程式と, それに必要な解析学の基本事項について学ぶ. この本では, 偏微分方程式の学習を通して, 解析学の基礎も身に付く様に, 十分な配慮がなされている様に思う. この本を読む事によって, 3 年生や 4 年生で学ぶ解析学の基礎理論がどの様に役立っているのかを体験できると思われる.
- Gerald B. Folland, Real Analysis, (Second Edition), Wiley-Interscience, 1999
- 実解析の基礎を学ぶ. この本では, 実解析及び関数解析的手法による解析学の基礎となる内容が扱われている. 3 年生の講義で学ぶルベーグ積分論とフーリエ解析の続きに相当する. セミナーは 3 章から始める予定である.
林修平 准教授¶
- Eduard Zehnder, Lectures on Dynamical Systems, European Mathematical Society, 2010
- 副題に Hamiltonian Vector Fields and Symplectic Capacities とありますが前半は一般的な力学系入門です. とりあえずは通年で前半を読了することが目標です. 前半がエルゴード理論も含めた力学系理論入門になっている.
- Morris W. Hirsch, Stephen Smale, Robert L. Devaney, Differential Equations, Dynamical Systems, and an Introduction to Chaos, Academic Press, 2004
- 前半は準備的内容なので, 後半の 7 章から始めて半年で読了することを目標とする. 読了後は相談の上, 次のテキストを決める.
関口英子 准教授¶
- 小林俊行--大島利雄, リー群と表現論, 岩波書店, 2005
- リー群と表現論に関する本格的な教科書です. 数多くある代数的な表現論の本と異なり, 幾何および解析的な考え方を重視して書かれています. 前半ではフーリエ級数論を拡張して, 非可換なコンパクト群の表現論が扱われ, 後半では古典群の表現論, ファイバー束と群作用, 幾何的な表現の構成 (有限次元・無限次元) が順を追って詳しく説明されています. 深い洞察によって, 本質的なことを掘り下げた名著です.
小林俊行 教授¶
- N. M. J. Woodhouse, Geometric Quantization, Oxford Mathematical Monographs, 1997
- シンプレクティック多様体と幾何的量子化に関する入門書である. 幾何的量子化は, 古典力学から量子力学に移行する手法に洞察を与えるだけでなく, 群作用をもつシンプレクティック多様体から, 群の表現を生み出す大きな枠組みに拡張される. 予備知識としては, 多様体の基礎, 微分形式についての正確な理解が必要である. リー群に関しては読みながら知識をつければよい.
- D. Goldfeld, Automorphic forms and L -functions for the group GL (n,R), Cambridge University Press, 2006
- 一般線形群の保型形式に関する入門書.
- G. B. Folland, Harmonic analysis in phase space, Princeton, 1989
- $R^n$ 上の二乗可積分関数のなすヒルベルト空間には, フーリエ変換をはじめ, 重要なユニタリ作用素がたくさんあり, それらの総体は非常に大きな対称性 (ヴェイユ表現, シュレーディンガー表現) として捉える事ができる. この対称性は, フーリエ解析, 偏微分方程式, 無限次元表現論, 数理物理, 保型形式の整数論の基礎としても用いられる. 本書は関数解析やフーリエ解析を基本的な手法としており, 3 年生の必修科目, 特に, 解析系の科目のすべてと多様体論を理解していることが予備知識として必要である.
- 木村達雄, 概均質ベクトル空間, 岩波書店, 1998
- ゼータ関数などが満たす, 美しい関数等式の背後にある「代数群の有限次元の大きな作用」を理論化した概均質ベクトル空間の唯一の教科書であり, 代数や解析に関する入門的な準備の後, 概均質ベクトル空間のゼータ関数の一般論や分類理論まで解説されている.
- R. Berndt, An Introduction to Symplectic Geometry, American Mathematical Society, 2000
- シンプレクティック幾何の入門書.
- Nicole Berline, Ezra Getzler, Michele, Heat Kernels and Dirac Operators (Grundlehren Text Editions), Springer, 2013
- コンパクトリーマン多様体上のディラク作用素に対する Atiyah-Singer の指数定理およびその一般化をテーマとする. これに必要な幾何学および解析学の基礎知識を学びながら, 熱核を幾何的に構成することによって, 大定理の簡単な証明を与えるのが本書の目標である.
- Daniel Bump, Automorphic Forms and Representations (Cambridge Studies in Advanced Mathematics 55), CUP, 1998
- 表現論的な観点からの保型形式の数論をテーマとした定評ある教科書.
寺杣友秀 教授¶
- Hartshorn, Algebraic Geometry, Springer, 1977
- 現代の代数幾何はイデアル論を中心とする可換環を基礎として構成されている. 幾何学的直感を重視しつつ, 可換環論とコホモロジー論を使うことにより, 従来の代数幾何より強力な理論が展開される. この本はそのために必要はことが普くかかれている.
- F. Hirzeburch, Topological Methodes in Algebraic Geometry, Springer, 1962
- 一般次元の代数多様体のリーマンロッホの定理は指数定理群と呼ばれる一連の定理のもっとも典型的な雛形となっている. トポロジー, 複素多様体, 代数幾何が様々な形で交錯した数学的対象の豊かさを感じることのできる一冊である.
- P. Deligne, SGA 4+1/2, Lecture Note in Mathematics, 569, Springer, 1977
- エタールコホモロジーの理論の主なトピックスをまとめたもの.
- D. Mumford, Curves and their Jacobian, University of Michigan Press, 1975
- 曲線のヤコビ多様体についての古典的理論を扱った定本.
河東泰之 教授¶
- William Arveson, A short course on spectral theory, Springer, 2002
- 作用素のスペクトルの理論を扱いますが, 関数解析の基本的な内容はある程度知っている必要があります. 作用素環的な雰囲気があちこちに出ています.
- John B. Conway, A course in Functional Analysis, Springer, 1990
- 関数解析の基本的な内容から始まります. あとの方に $C^*$ 環の話も出てきます.
- Gert K. Pedersen, Analysis Now, Springer, 1995
- 関数解析の本ですが, 抽象的理論展開が好きな人向けです.
- Voiculescu, K.J. Dykema and A. Nica, Free Random Variables, Amer. Math. Soc., 1992
- 自由確率論の基本的教科書. 現在でも使われている重要な技法が初歩から解説されている.
- John B. Conway, A Course in Operator Theory, Amer. Math. Soc., 1992
- 作用素論, 作用素環論の基礎的な教科書. 十分初歩的なところから解説してある.
- W. Arveson, A short course on spectral theory, Springer, 2003
- 抽象的作用素論の教科書. 作用素環のことも少し書いてある.
緒方芳子 准教授¶
- 黒田耕嗣, 樋口保成, 統計力学, 陪風館, 2006
- 古典スピン系とよばれる物理モデルの数学的解析について分かりやすく説明した本です.
- 松井卓, 作用素環と無限量子系, サイエンス社, 2014
- 場の量子論と量子多体系の統計力学, すなわち無限自由度量子系と作用素環という数学との多岐にわたる関わりを紹介した本. 数学的に曖昧さなく扱える無限格子上の量子系の統計力学に関しての基本的な事項, 統計力学, 場の理論を扱う数学的な枠組みから最近の話題についてまで述べている.
足助太郎 准教授¶
- S. Morosawa, Y. Nishimura, M. Taniguch, T. Ueda, Holomorphic Dynamics (revised), Cambridge University Press, 2000
- 複素力学系の入門書.
- Tatsuo Suwa, Indices of vector fields and residues of singular holomorphic foliations, Hermann, 1998
- 特性類の局所化 (localization) に関する入門書である.
斉藤義久 准教授¶
- P. Etingof, O. Golberg, S. Hensel, T. Liu, A., Schwender, D. Vaintrob, Introduction to representation theory, Student Mathematical Library 59 (American Mathematical, 2011
- 表現論に関する基礎的事項を解説した教科書です. 内容は多岐に渡っていますが, リクエストがあれば, 特定の箇所を抜き出してセミナーを行うことも可能です.
- I. Assem, D. Simson, A. Skowronski, Elements of representation theory of associative algebras. Vol.1., London Math. Soc. Student Texts 65 (Cambridge University Press), 2006
- 3 年の輪講のテキストにも挙がっていますが, 有限次元代数の表現論に関する基本的な教科書です. Vol.1 とあるのは, この本がシリーズものの第 1 巻 (2, 3 巻もある) だからで, 場合によっては 2 巻や 3 巻を取りあげることも可能です (要相談).
- I. G. Macdonald, Affine Hecke algebras and orthogonal polynomials, Cambridge, 2003
- その名の通り, affine Hecke algebra の (多変数) 直交多項式の理論への応用を論じた本です. affine root system と affine Weyl group の理論から話が始まっており, セミナーでは最初から読むつもりですが, affine Hecke algebra に関してすでに知っている場合には, 直交多項式への応用の部分を中心にセミナーをすることも可能です.
- Roger Carter, Lie algebras of Finite and Affine type, Cambrigde University Press, 2005
- 主に前半部分 (simple Lie algbera とその表現論, ルート系の理論等) を取り上げる予定ですが, 余裕があれば後半の affine Lie algbera の部分を扱うことも可能です.
- Jens Carsten Jantzen, Lectures on quantum groups, AMS, 1996
- 量子群 (量子包絡環) の表現論に関して, 基礎的な部分から解説してある定評ある教科書です. 行間は少ないので, 何も知らなくても読み進めることは出来ますが, simple Lie algbera に関する知識がないと何をやっているのかがわかりにくいかも知れません. simple Lie algbera に関する知識がない場合は, 適宜それを補いながら読み進んでいくことになると思います.
- S. K. Donaldson and P. B. Kronheimer, The Geometry of Four-Manifolds, Oxford University Press, 1990 年 (ペーパーバック版のリプリントは 1997 年)
- 言わずと知れたゲージ理論の古典的名著. 出版から 20 年以上が経つが, 未だにこの本を超える教科書はない. 通読には時間がかかりすぎるかも知れないので, 途中からより新しい論文やレビューに切り替えることも視野に入れる.
斎藤 毅 教授¶
- Jean-Pierre Serre, Corps Locaux, Hermann, 1997
- 整数論で問題を局所化して考えるとは, p 進体上で考えることになります. 多少詳しすぎるところもありますが局所体についての標準的な教科書です. 基礎理論, 分岐, ガロワ・コホモロジー, 局所類体論が主な内容です. 可換環についてのある程度の知識は前提とされてます.
白石潤一 准教授¶
- 国場敦夫, ベーテ仮説と組合わせ論, 朝倉書店, 2011
- ベーテ仮説法とは, ある種の線形演算子のスペクトルを決定するためにベーテが 1931 年に導入した考え方である. このテキストでは, 非常に強力なベーテ仮説法に立脚し, リー代数の表現論やさまざまな組合わせ論的手法を駆使して可積分系の解析を行う.
- William Fulton, Young Tableaux, Cambridge University Press, 1997
- Part I, II では, Robinson-Schensted-Knuth 対応, Littlewood-Richardson 規則等の表現論の組合わせ論的側面に関する事項を学ぶ. Part III では, Falg varieties, Schubert varieties 等の幾何学について学ぶ.
- 岡田聡一, 古典群の表現論と組合わせ論 (上下), 培風館, 2006
- 複素数体上の古典群及び対称群の表現論を組合わせ的側面とともに紹介した本である. 題材に対する著者の思い入れと深い配慮により, 読者は最小限の準備で古典群の表現論とその組合わせ的美しさへ導かれる.
金井雅彦 教授¶
- Cheeger, Jeff & Ebin, David G., Comparison theorems in Riemannian geometry Revised reprint of the 1975 original., AMS Chelsea Publishing, Providence, RI, 2008
- リーマン幾何に関する古典的な教科書. 記述が密な分すぐに見晴らしが良く感じられるレベルにまで達することができます. それがこの本の最大の特徴でしょう. 長らく絶版でしたが, 最近ようやく再版されました.
- Navas, Andr é s, Groups of circle diffeomorphisms, University of Chicago Press, Chicago, IL, 2011
- 円周への微分可能な群作用に関するモノグラフ. 力学系的要素が比較的強いと言えるでしょう. 英訳が出版されたのはごく最近のこと. お勧めの 1 冊です.
- Bowditch, Brian H., A course on geometric group theory, , Mathematical Society of Japan, Tokyo, 2006
- 幾何学群論の教科書の中でもっとも簡単なのが恐らくこれ. ページ数も百少々, これならば, 半年で最後まで読み切れるかも知れません.
- Peter Frankl, 前原濶, 幾何学の散歩道, 共立出版, 1991
- 幾何学的な味わいに富んだ「短編集」. 好みの章を読み終えたら, テキストから離れ, 関連した他の文献に進んで欲しいと願っている. 詳細に関しては, 面談の際に説明する.
一井信吾 准教授¶
- David A. Patterson and John L. Hennessy, Morgan Kaufmann, Computer Organization and Design: The Hardware/Software Interface, Revised Fourth Edition, 2011
- コンピュータの基本的な構造や動作を基礎から解説したものとして, 世界的に定評がある本です.
- Kevin R. Fall and W. Richard Stevens, TCP/IP Illustrated, Volume 1. Second Edition, Addison-Wesley, 2012
- インターネットの基礎技術である TCP/IP の定番教科書の新版. 書いてあることは読めば分るが, 「なぜそのように作られているのか」を考えたい. 本を読むだけではなく, データを解析したり, プログラムを書くことで内容を自ら確かめることをすすめる.
時弘哲治 教授¶
- W.H.Schikhof, Ultrametric calculus --An introduction to p-adic analysis, Cambridge University Press, 1984
- $p$ 進数を用いた解析の入門書. $p$ 進数体は有理数体のある拡大体であるが, $p$ 進付値により距離が定義されるため, 数列や級数は有理数や実数とは異なる収束性を示す. そのため, 例えば, 整数上での微分を定義できるなど興味深い性質を持つ. p 進数は数論において重要な役割を果たしているが, 最近, 離散可積分系に関連して応用数学上でも注目を集めてきており, 本年度はこのテキストをとりあげた.
- J.D.Murray, Mathematical Biology: I An Introduction (3rd edition), Springer, 2007
- 数理生物学の入門的な著書. 簡単な人口論の問題から始めて, BZ 反応や生化学反応, 伝染病の数理, 生物界におけるパターン形成の数学的モデル を扱っている. FitzHugh-Magumo 方程式などの非線形方程式系の定性的な性質によって, どのようにパターン形成, 自己組織化を生じるかをわかりやすく解説している.
古田幹雄 教授¶
- S.K. Donaldson, Riemann Surfaces (Oxford Graduate Texts in Mathematics), Oxford Univ Pr, 2011
- 近年のトポロジーの観点を踏まえた Riemann 面の教科書. このテキストを取り上げた第一の理由は, 幾何のどんな分野に進むためにも有用な, 具体的なものを扱う経験をくぐるためである. 第二の理由は著者のものの見方に触れるためである. 行間と見える者を埋めることが勉強になると思われる.
- B. Booss, D.D. Bleecker, Topology and analysis: the Atiyah-Singer index formula and gauge-theoretic physics, Springer, 1984
- Atiyah-Singer の指数定理のひとつの証明を紹介してある本
坂井秀隆 准教授¶
- 西岡久美子, 微分体の理論, 共立出版, 2010
- 微分方程式が解けるかどうかを代数を使って判定する. 解けるということに関してもいろいろな意味がある. とくに, 線型の方程式だけでなく, 非線型の方程式も扱っているのが特色.
- 渋谷泰隆, 複素領域における線型常微分方程式, 紀伊国屋書店, 1976
- 変数係数常微分方程式の解の構成や解の解析接続に関する Riemann の問題などが述べられる. 古典的かつ標準的な内容も, 20 世紀の数学の言葉を使って整理されている. 後半は不確定特異点を持つ場合に問題が拡張されていて, 最近の研究においても議論される重要なものを含んでいる.
- David Mumford, Tata Lectures on Theta I, II, Birkhauser, 1983
- テータ関数に関する基本的な文献.
- 渋谷泰隆, 複素領域における線型常微分方程式, 紀伊国屋書店, 1976
- 変数係数常微分方程式の解の構成や解の解析接続に関する Riemann の問題などが述べられる. 古典的かつ標準的な内容も, 20 世紀の数学の言葉を使って整理されている. 後半は不確定特異点を持つ場合に問題が拡張されていて, 最近の研究においても議論される重要なものを含んでいる.
宮岡洋一 教授¶
- Robin Hartshorne, Algebraic Geometry, Springer-Verlag, 1977
- 代数幾何の標準的教科書. Atiyah-McDonald 程度の環論を勉強しておくとよい.
- 渡辺敬一, 後藤四郎, 可換環論, 日本評論社, 2011
- Cohen-Macauley 環に焦点を定めた可換環論の本格的な教科書であり, 代数幾何, 特に特異点論に興味のある人に薦める.
平地健吾 教授¶
- Lars Hormander, An introduction to complex analysis in several variables, North-Holland Publishing Co., 1990
- 多変数複素解析の入門書. 多変数の正則関数は一変数のときとは異なる性質をもち, その解析には偏微分方程式や層の理論が必要になる. この教科書ではこれらの基本事項を全て学ぶことができる (が行間を埋めるのは難しい).
- 多変数複素解析の代表的な入門書です. 多変数の正則関数が存在する自然な領域 (正則領域とよばれる) の幾何的な特徴づけを与えるレビ問題の解決を目標とします. 擬凸性などの複素解析の基本的な道具を学んだあと, 偏微分方程式の理論を用いてレビ問題の解を与えます.
- Klaus Fritzsche and Hans Grauer, From Holomorphic Functions to Complex Manifolds, Springer, 2002
- Hormander の教科書と同じく多変数関数論の入門書であるが, こちらはより幾何学的な側面を詳しく解説している. 複素解析だけでなく微分幾何の基礎も学べる上に Hormander より読みやすい.
- Steven Rosenberg, The Laplacian on a Riemannian Manifold: An Introduction to Analysis on Manifolds London Mathematical Society Student Texts, Cambridge University Press, 1997
- リーマン多様体の上で定義されるラプラス作用素と幾何的な不変量との関係を調べる, 幾何解析学の入門書. ラプラス作用素を用いて定義される熱方程式の解析をとおしてガウス・ボンネの定理を証明するのが一つの目標である.
- William Fulton, Joe Harris, Representation theory: a first course,
- リー群の有限次元表現の入門書. 有限群の表現の具体的な構成からはじめて半単純群とよばれる非常によい性質を満たすリー群の表現までを学ぶことができます. 沢山の例を通して自然に一般論を理解できるよう工夫されています. 読んでいて楽しい本です.
- 大沢健夫, 多変数複素解析, 岩波書店, 2008
- 多変数の正則函数の理論の現代的な入門書. 偏微分方程式を解いて正則函数を作る手法を学ぶことができる.
- Shoshichi Kobayashi, Transformation Groups in Differential Geometry, Springer, 1972
- この本ではリーマン幾何, 複素幾何, 射影幾何, 共形幾何などの幾何構造の自己同型群を微分形式を用いて統一的に調べる. 一冊で色々な幾何を勉強することができ, 微分幾何の基本的なテクニックも身につく.
逆井卓也 准教授¶
- Raoul Bott, Lorinng W. Tu, Differential Forms in Algebraic Topology, Springer, Graduate Texts in Mathematics, 1995
- 代数的トポロジーの有名な教科書. 前半は de Rham 理論を軸として多様体のコホモロジーに関する基本事項を学び, 後半は代数的トポロジーで用いられる道具を一通り学ぶ.
- John Hempel, 3-Manifolds, Princeton University Press, 1976
- 3 次元多様体に関する古典的な教科書. Thurston 以降の双曲幾何的なアプローチは含まれていないが, 3 次元多様体論の基本的な事項を一通り学ぶことができる.
- Jurgen Jost, Compact Riemann Surfaces: An Introduction to Contemporary Mathematics (3rd edition), Springer, Universitext, 2006
- 基本群や被覆空間に関する基本的事項の説明から始まり, 曲面の微分幾何, 調和写像, タイヒミュラー空間の基礎へと続いていく. リーマン面を軸に, 代数, 幾何, 解析が絡み合っていく様子を学ぶことができる.
- Nikolai Saveliev, Lectures on the Topology of 3-Manifolds: An Introduction to the Casson Invariant (2nd Edition, 1st Edition でも可), Walter De Gruyter, 2011
- Casson 不変量を主なテーマとして, 3 次元多様体論, 4 次元多様体論に関する基本的事項が多くの具体例とともに手際よくまとめられている.
- 今吉洋一, 谷口雅彦, タイヒミュラー空間論 (新版), 日本評論社, 2004
- タイヒミュラー空間とは曲面上の種々の幾何構造を「上手に」パラメトライズする空間であり, 現在でも様々な手法を用いて研究が進められている. この本はタイヒミュラー空間に関する代表的な教科書であり, 双曲幾何と離散群, 複素函数論, 微分幾何などを総合的に用いて, タイヒミュラー空間やそのモジュラー群 (曲面の写像類群) の構造を明らかにしていく.
俣野博 教授¶
- Haim Brezis, Functional Analysis, Sobolev Spaces and Partial Differential Equations (Universitext), Springer, 2010
- 関数解析の基礎からソボレフ空間, 偏微分方程式の理論にいたるまでを系統的ににカバーした教科書である. 1983 年に同じ著者が出版した関数解析の教科書 (フランス語) は, 世界各国の言語に翻訳されて広く読まれていたが, 今回は全面的な改訂が加えられており, 扱われている題材も最新のものが増えている.
- Applied Functional Analysis: Applications to Mathematical Physics (Applied Mathematical Sciences) (volume 108)
- Eberhard Zeidler, Applied Functional Analysis: Main Principles and Their Applications (Applied Mathematical Sciences, volume 109), Springer-Verlag,
- 関数解析学の基礎理論を, 豊富な具体例や応用問題を通してわかりやすく解説.
- John L. Troutman, Variational Calculus and Optimal Control, Springer, 1995 (second edition)
- 変分法の入門的教科書である. 主として 1 変数の問題を対象としているが, フェルマの原理や等周問題をはじめ多くの重要な古典的問題をカバーしており, 最適制御問題も扱っている. 本書では, 汎関数が凸である場合に焦点を絞ることにより, 関数解析の高度な知識を用いなくても最小化問題を厳密に論じることができるように配慮されている. 具体例を通して背景の理論を学ぶスタイルなので読みやすく, また, 変分法の発展の歴史に関する記述も充実している.
河澄響矢 准教授¶
- J.-P. Serre, Oeuvres - Collected Papers, Vol.1, Springer, 1986, 2003,
- Serre の初期の代数トポロジーの論文を順番に読む. トポロジーの基本的な道具であるスペクトル系列の習得を目的とする. 学内の PC から原論文の pdf が取得可能なので, テキストを購入する必要は全くない.
- 荒木捷朗, 一般コホモロジー, 紀伊國屋書店, 1975
- かなり古い本である. それにもかかわらず本書を推薦する理由は Brown 函手, K コホモロジー, ボルディズム, スペクトル系列, 一般コホモロジーなどの位相幾何学の一般教養を身につけておくことが, 将来, 役に立つだろうと思うからである.
- Francois Labourie, Lectures on Representations of Surface Groups, European Mathematical Society, 2013
- 曲面の基本群からリー群への準同型の全体の空間は, 低次元多様体を研究するための基本的な道具となっている. 本書では, 曲面, ベクトル束, ねじれ係数コホモロジーなどの基本的な事柄の学習からはじめて, 曲面の基本群からリー群への準同型の全体の空間についての概観をうるところまでを扱っている. なお, テキストは著者本人の website http://www.math.u-psud.fr/~labourie/preprints/pdf/surfaces.pdf からも入手可能.
新井仁之 教授¶
- 藤田宏, 黒田成俊, 伊藤清三, 関数解析, 岩波書店, 1992
- 関数解析学の基礎事項が丁寧に解説されている. その応用として偏微分方程式が取り上げられている. セミナーではこの本の前半を読むことを目標とする.
- Walter Rudin, Functional Analysis, 2nd edition, McGraw-Hill, 1991
- 関数解析学の入門書. 多くの話題がコンパクトにまとめられ, 関数解析に関する基礎事項が組織的に学べる. 主な内容は位相線形空間, 超関数, フーリエ変換, 線形偏微分方程式への応用, タウバー理論, バナッハ環とスペクトル理論, 作用素半群の基礎などである.
- I. ドブシー, ウェーブレット 10 講, 丸善出版, 2012
- ウェーブレットの著名な研究者による有名な教科書. 入門書の決定版といっても過言ではない. ウェーブレットは 20 世紀末期に現れた新しい数学で, 関連応用分野に革命的な進展をもたらせた. たとえばディジタル信号処理などはその典型例である. 本書ではウェーブレットの数学的基礎をしっかりと学べる.
辻雄 教授¶
- A. Weil, Basic Number Theory, Springer, 1992
- 前半は adele, idele の観点からの代数体および有限体上の 1 変数関数体の理論, 後半は局所類体論, 大域類体論を扱っている.
寺田至 教授¶
- 岡田聡一, 古典群の表現論と組合せ論 上・下, 培風館, 2006
- 複素数体上の古典群 (一般線型群・特殊線型群・直交群・シンプレクティック群) の表現, およびその構成に深く関係する対称群の表現と, さらにそれらに関する組合せ論的な結果などを総合的に扱った本. リー環の一般論から入るのではなく, 具体的な群 (やりー環) の特性を生かして表現を考察する視点をとっている.
松尾厚 准教授¶
- Pavel Etigof and Olivier Schiffman, Lectures on quantum groups, Internatinal Press, 2002
- 量子群と関連する様々な話題の概略を広く網羅した講義録である. 主なトピックスとしては, ポアソン代数, ホップ代数とテンソル圏, 量子展開環, ドリンフェルト・ダブル構成法・ KZ 方程式, 擬ホップ代数, ポアソン・リー群の量子化, 多重ゼータ関数などがあり, どれも興味深い. 気に入ったトピックスについては, 本書を離れて原論文等にあたり, 詳しく学ぶのも良いだろう.
- Frenkel-Lepowsky-Meurman, Vertex operator algebras and the Monster., Academic Press, 1988
- Lie 代数への入門から書き起こして頂点作用素代数とモンスターについて詳細に論じている.
- Kassel, Quantum Groups, Springer, 1995
- 量子群と関連するホップ代数・テンソル圏・ KZ 方程式などの豊富な話題について丁寧に解説している.
- W. Ebeling, Lattices and codes, Springer, 2013
- 格子 (lattice) と符号 (code) は代数的組合せ論に位置づけられる概念だが, 有限群論・リー環論・代数幾何・位相幾何などの様々な分野に様々な形で登場し, 非常に興味深い研究対象である. 本書は, 格子と符号について読みやすく丁寧に書かれた定評のある入門書である.
長谷川立 准教授¶
- Herbert B. Enderton, A Mathematical Introduction to Logic, Academic Press, 2001
- 標準的な数理論理学の教科書です. 読みやすく丁寧に書かれていると評価されています. 基本的なところから書かれているので, 初学者であっても読めると思います. 基本的な事項をすでにマスターしている学生であれば, 途中から読むのもよいと思います.
- Saunders Mac Lane and Ieke Moerdijk, Sheaves in Geometry and Logic, Springer, 1992
- 層の概念は, 幾何などではポピュラーですが, 論理学にも緊密な関連があります. また, プログラミング言語のモデルの構成にも用いられたりして, 計算機科学での素養にもなっています. 丁寧に書かれていて, 読みやすいテキストだと思います.
宮本安人 准教授¶
- A. Ambrosetti and G. Prodi, A Primer of Nonlinear Analysis (Cambridge studies in advanced mathematics 34), Cambridge University Press, 1993, (Paperback 1995)
- 非線形楕円型偏微分方程式に関する入門書. 関数解析に関する基礎事項から始まり, 陰関数定理を利用した解の存在証明, 解の個数, 分岐現象の一般論とその応用等を扱っている.
川又雄二郎 教授¶
- Arnaud Beauville, Complex Algebraic Surfaces, Cambridge University Press, 1996
- 代数曲面論は幾何学的代数多様体論の故郷である. 双有理変換, 交差理論, 層の完全列などの基本的手段を通して代数曲面の分類理論を学ぶ. Hartshorne などの教科書で展開されている代数幾何学の抽象論だけではその意味がよくわからないという人に最適.
- Lucian Badescu, Algebraic surfaces, Springer, 2001
- 代数曲面論は代数幾何学の故郷である. エンリケス=小平の曲面論を基礎体の標数に依存しない形に拡張したマンフォード=ボンビエリ理論の解説. 現在欧米で活躍しているルーマニア人中堅研究者は著者の弟子が多い. ルーマニア語からの翻訳.
稲葉寿 准教授¶
- H.L.Smith and H.R.Thieme, Dynamical Systems and Population Persistence, AMS, 2011
- 人口学や生態学, 疫学における数理モデルの多くは個体群の自己再生産と非線形相互作用を表現する力学系として定式化される. そこで基本的な問題は, 個体群が絶滅するか, 存続するかということである. 本書はそこで基本的に重要となるパーシステンスという概念の理論と応用を述べている.
- Hal L. Smith and Horst R. Thieme, Dynamical Systems and Population Persistence, Amarican Mathematical Society, 2011
- 生物個体群モデルの基礎概念に, 存続可能性 (persistence) がある. これは通常の安定性などよりはずっと広い概念で, 最近の個体群力学系研究におけるキー概念になってきている. 本書は個体群力学系理論と persistene theory に関する厳密な数学的解説で, 本格的な数理生物学研究の基礎として非常に有効であろう.
野口潤次郎 教授¶
- L. Hoermander., Introduction to Complex Analysis in Several Variables. (Third Edition), North-Holland, 1990
- $\bar{\partial}$- $L^2$ 法による多変数解析関数論の名著.
志甫淳 准教授¶
- Qing Liu, Algebraic geometry and arithmetic curves, Oxford University Press, 2006
- 代数幾何学, 数論幾何学において必須であるスキーム理論について書かれた本である. 可換環論および位相空間論の基礎的な知識が必要である.
- J.W.S Cassels and A. Frohlich, Algebraic Number Theory, Academic Press, 1967, London Mathematical Society から出版の 2nd Edition (2010 発行) もあり.
- 局所体, 大域体についての基礎から始まり, 群のコホモロジーを通じて局所及び大域類体論を証明している本.
今野宏 准教授¶
- Ana Cannas da Silva, Lectures on Symplectic Geometry, Springer, Lecture Notes in Mathematics 1764, 2001
- シンプレクティック幾何学の入門書です. 前半では基本的な概念, 性質が解説されています. 後半では, モーメント写像の幾何がさまざまな例とともに解説されています. 幾何学 I (多様体), 幾何学 III (微分形式) の基礎的な部分を理解していれば, 無理なく読み進められると思います.
織田孝幸 教授¶
- Marc Hindry and Joseph H. Silverman, Diophantine Geometry. An Introduction (GTM 201), Springer, 2000
- 不定方程式に関する現代的な研究手法の入門書. もちろん, 全部をやろうなどとは思っていない. 同種の別のもっと薄いものに変えることも可能です.
- Branko Grünbaum, Convex Polytopes (GTM 221), Springer, 1967 John Wiley and Sons, 2003 Springer
- Euclid 空間内の凸体に関する古典的なよく知られた本である. 織田の専門とは少し違うが, 現在の研究に使えるかもと読んでみる気になる. 付き合ってくれる人を歓迎します.
高木俊輔 准教授¶
- 宮西正宜, 代数幾何学, 裳華房, 1990
- スキーム論から代数曲面論までの基本的な事項が解説してある, 代数幾何学の標準的な入門書. 学部 3 年生までの知識で読み進められるように配慮されている.
- 樋口禎一, 吉永悦男, 渡辺公夫, 多変数複素解析入門, 森北出版 1980
- 解析空間・解析的特異点論の入門書. 2 次元正規特異点について詳しく述べられている. Riemann 面の知識があることが望ましい.
- Robin Hartshorne, Algebraic Geometry, Springer-Verlag, 1977
- 世界的に有名な, 代数幾何学の標準的な入門書. 可換環論の基礎知識 (Atiyah-Macdonald"Introduction to Commutative Algebra" 程度) があることが望ましい.
大島利雄 教授¶
- 柏原正樹, 河合隆裕, 木村達雄, 代数解析学の基礎, 紀伊國屋書店, 1980
吉田朋広 教授¶
- D. W. Stroock, Probability Theory, Cambridge, 1993
- 確率論の基本的な題材を扱っている.
- I.A. Ibragimov, R.Z. Has'minnskii (S. Kotz 訳), Statistical estimation: asymptotic theory, Springer, 1981
- I-H 理論を確立した著者による教科書.
- Patrick Billingsley, Convergence of Probability Measures (Wiley Series in Probability and Statistics) 2 版, Wiley-Interscience, 1999
- 確率測度の収束の基礎理論とその応用に関して平易に解説している. 本書の主なテーマである C 空間, D 空間の理解は確率統計分野に進む場合は必須である.
寺田至 准教授¶
- 岡田聡一, 古典群の表現論と組合せ論 上・下, 培風館, 2006
- 複素数体上の古典群 (一般線型群・特殊線型群・直交群・シンプレクティック群) の表現, およびその構成に深く関係する対称群の表現と, さらにそれらに関する組合せ論的な結果などを総合的に扱った本. リー環の一般論から入るのではなく, 具体的な群 (やリー環) の特性を生かして表現を考察する視点をとっている.
山本昌宏 教授¶
- L. Evans, Partial Differential Equations, American Mathematical Society, Providence, RI., 2000
- 英語ではあるが, 古典的な偏微分方程式についての包括的な解説であり, 研究者として必要な偏微分方程式の知識を得ることができる.
髙木寛通 教授¶
- Hartshorne, Algebraic Geometry (Springer GTM 52) Springer 1st ed. 1977. Corr. 8th printing 1997 版 (1997/4/1) (日本語版を参照しても構わないが, 英語版で読むのが望ましい).
- 1 章は 4 年生に進学するまでに自習しておくこと. その際, 必要な可換環論の知識も補っておくこと.
- 言わずと知れた代数幾何学の有名な教科書. たぶん, これを志望してくる人に説明は無用と思う.
- デビッド コックス, ドナル オシー, ジョン リトル, グレブナ基底と代数多様体入門, 丸善出版, 2012
- イデアルの生成元を実際に求めるときなどに有効なグレブナ基底という概念を通して, 代数幾何の初歩を, 実際に手を動かしながら学べる. 予備知識はほとんど必要としない. 可換環論についても丁寧に説明してある.
三枝洋一¶
- Ulrich Görtz and Torsten Wedhorn, Algebraic geometry I. Schemes with examples and exercises, Vieweg + Teubner, 2010
- 志村多様体論などで活躍中の数論幾何の研究者によるスキーム論の本. 丁寧な説明と豊富な例が特徴である.
- Armand Borel, Automorphic forms on $SL_2 (\mathbb{R})$, Cambridge University Press, 1997
- 保型形式の現代的な扱い方である保型表現についての入門書.
二木 昭人¶
- 小林昭七, 複素幾何, 岩波書店, 2005
- 複素幾何の標準的教科書. 層, ベクトル束の接続, チャーン類, ホッジ理論, 小平消滅定理など. 調和積分論の証明はないので, Griffiths-Harris で補うと良い.
- Gang Tian, Canonical metrics in Kahler Geometry (Lectures in Mathematics, ETH Zurich), Birkhauser, 2000
- ケーラー多様体に標準計量を与える問題を扱う. 標準計量とはカラビ・ヤウ計量, ケーラー・アインシュタイン計量などのこと.
宮本安人¶
- A. Ambrosetti and A Malchiodi, Nonlinear Analysis and Semilinear Elliptic Problems (Cambridge studies in advanced mathematics 104), Cambridge University Press, 2007
- 半線形楕円型方程式の解析に有効な手法のうち, 位相的方法 (写像度の理論) と変分法について, この方面の研究で著名な Ambrosetti 氏と Malchiodi 氏自身で解説している. 具体例が豊富で記述も明快である. 後半は最前線に近いトピックスも扱われている.
- 宮島静雄, ソボレフ空間の基礎と応用, 共立出版, 2006
- 偏微分方程式の研究で欠くことのできないソボレフ空間を扱った和書. ソボレフの埋め込み定理, 拡張定理, レリッヒの定理, 補完定理, トレース作用素など基本的な定理が解説されている. 応用として楕円型方程式の解の存在や正則性なども扱われている.
不明¶
- Manfred Einsiedler and Thomas Ward, Ergodic theory with a view towards number theory, Springer-Verlag London, Ltd, 2011
- タイトル通り, 整数論への応用を意識したエルゴード理論への入門書です. Chapter 1 で応用例を概観できます. エルゴード理論の抽象的側面についても充実しています.
- Bachir Bekka, Pierre de la Harpe, and Alain Valette, Kazhdan's property (T), Cambridge University Press, 2008
- 群の解析的性質の一つである Kazhdan の性質 (T) についての入門書です. 本の後半では, ユニタリ表現の基礎的事項がまとめられています.
加藤晃史¶
- Pierre Deligne, Pavel Etingof, Daniel S. Freed, Lisa C. Jeffrey, David Kazhdan, John W. Morgan, David R. Morrison, Edward Witten, Quantum Fields and Strings: A Course for Mathematicians, Vol 1 & 2, American Mathematical Society, 1999
- 1996-97 年に米国プリンストン高等研究所で行われた 数学者向けの場の量子論や弦理論の勉強会の報告集. いろいろな話題について, 長短さまざまな講義録や演習問題が集められている. 全部で 1500 ページもあるので, セミナーではいくつかの章を選んで読むことになるだろう.
2015-01-02 数学・物理関連サービスを強化していきたい: 定理の横の QR コードにいろいろな情報つけるのも面白そう¶
定理の横にあるQRコードを読みとるとそれを証明した人の解説ムービーが出る数学書
— 限り無くヘルニアに近い腰痛 (@sholy_1) 2014, 10月 17
以前, 数学書の電子書籍で定理の例や反例追加パックとか そんなツイートを紹介した記憶があるが, そういった追加サービスがあると楽しそうな印象はあるので何かやりたい.
とりあえず現行技術というか私ができるサービスとして, 動画作成なり math-textbook なりをやっている.
ツイートではちょろちょろ流しているが, math-textbook で数学者・物理学者の名前の読み方, 数学記号・式の読み方まとめプロジェクトを立ち上げた ご協力頂ける方はぜひお願いしたい.
2015-01-06 【よくわからない受験科目】も展開していきたい¶
ひでえwwww pic.twitter.com/gzgF0HKCtR
— かめや (@nextstep_ss) 2014, 10月 13
当面は【よくわからない (大学) 数学】という感じの活動を考えているが, そのうち【よくわからない受験数学】みたいなのもやりたいとは思っている.
数学, 物理, 歴史, 日本史, よくわからない数学, 受験, 相転移プロダクション
2015-01-07 勝手に研究会宣伝協力: 第2回 山陰 基礎論・解析学 研究集会 「数学基礎論と解析学」¶
第2回 山陰 基礎論・解析学 研究集会 https://t.co/8GVHVqA96w「数学基礎論と解析学」がテーマの研究集会2回目。今回は数学基礎論、関数解析、微分幾何、偏微分方程式あたりの研究者が参加するらしい。第1回はこちら https://t.co/ouncLLnraX
— Takayuki Kihara (@tri_iro) 2015, 1月 5
一応近隣だから関数解析なら何となく関係ありそうな感覚はあるが, 微分幾何と偏微分方程式だとどういうネタになるのだろう. 読んでみたいのであとで講演資料とか出てこないだろうか.
2015-01-10 今日のいい話: とにかく「数学大好き」と言葉に出して洗脳していけ¶
- 数学, 数学教育, 相転移プロダクション
いまスタバで隣の女子高生が「数学の教科書開く前に毎回『数学大好き、数字は友達!』って言ってたらほんとに数学好きになっちゃった」って言ってる
— tazro inutano (@iNut) 2014, 12月 20
広めていきたい.
2015-01-12 私も統計学の動画を作っているので: 記事紹介『統計学の初心者が入門として最初に読むべき一冊』¶
- 数学, 統計学, 教育, 数学教育
良エントリー.マンガでわかる系は読んだことないから,僕も読んで見ようかな./ 統計学の初心者が入門として最初に読むべき一冊 http://t.co/BXyZd0sYBv
— えふわら (@efuwara) 2014, 12月 23
私も一応統計の動画を作ったので宣伝しておこう.
もっと続きを作りたいとは思ってはいる.
2015-01-15 ツイート・書籍紹介: 『数学の言葉づかい100―数学地方のおもしろ方言』数学セミナー編集部¶
- 数学, 数学書, 数学教育
数学の言葉づかい100―数学地方のおもしろ方言 数学セミナー編集部 http://t.co/WimOdegfy2これで読書会的なのしてみたい
— くらむちゃうだーv(・∀・)v (@kani_m) 2014, 7月 10
記憶にとめておきたい.
2015-01-16 SubfactorとCoxeter群¶
- 数学, 作用素環, Coxeter群, 代数, subfactor
ノルムが小さい自然数成分の行列の分類をしている
— りょう (@ryo_mathOA) 2014, 12月 25
@ryo_mathOAそれは何か面白い話が出てくるのでしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 12月 25
@phasetrsubfactorの分類とかに使いますー! 今 http://t.co/bcs2Nxwxhyを読んでいるのです
— りょう (@ryo_mathOA) 2014, 12月 25
@ryo_mathOAありがとうございます。恐るべし subfactor
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2014, 12月 25
Subfactorも恐ろしいが, Coxeter群とかも恐ろしい.
2015-01-19 サイト紹介: Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics¶
該当ツイートがわからなくなってしまったのだが Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics というサイトがある. 数学の専門用語の初出をわかる限りでまとめたという謎サイトだ.
例えばこんな感じ.
CALCULUS. In Latin calculus means "pebble." It is the diminutive of calx, meaning a piece of limestone. The counters of a Roman abacus were originally made of stone and called calculi. (Smith vol. 2, page 165).
In Latin, persons who did counting were called calculi. Teachers of calculation were known as calculones if slaves, but calculatores or numerarii if of good family (Smith vol. 2, page 166).
The Romans used calculos subducere for "to calculate."
In Late Latin calculare means "to calculate." This word is found in the works of the poet Aurelius Clemens Prudentius, who lived in Spain c. 400 (Smith vol. 2, page 166).
今度じっくり読みたい.
2015-01-23 Bitbucketにあった【ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説】というの記事の記述が気になったので¶
- 数学, 計算機科学, 物理, 圏論, 相転移プロダクション
本文¶
この流れなら出せる! ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説 (鋭意加筆中) > https://t.co/ZXcD5GcSJ4
— tomo (@cocoatomo) 2015, 1月 21
圏は勉強中で全く酷い理解のままだが, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないし, いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずブログにまとめた.
「集合の元」はタブー
整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.
ここがミスリーディングではなかろうか.
念のため書いておくと, スタンスとしてはあくまで数学としての視点を重視してコメントする. まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのはそもそも対象が集合にならないことがあるためだ.
数学としていうなら, 現実問題として対象を直接調べるよりも対象相互の関係を調べることで対象自身への理解を深める手法はよく使う. どういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 例えば素粒子の性質を調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べる. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への理解を深めていく形になっている. それで言うなら【その手法も一風変わっている】という記述にも問題がある.
他にもある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら穏やかな人なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人はそういう人だと理解されるだろう. これもいろいろな対象相互の関係を調べることで元の調べたい対象の性質を調べている.
数学も人間の活動なので, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたと理解している.
だから【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象を扱うからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.
また計算機科学への応用についてあまりよく知らないが少し調べた限りでは自然変換が使われることがあるようだ.
関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないのでは.
貴様の理解も間違っているなどご批判あればご指摘頂きたい.
Qiita 投稿¶
自分のブログにも書いたのだが, ほんの少しだけ首を突っ込んだのでこちらにも転記しておきたい.
この流れなら出せる! ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説 (鋭意加筆中) > https://t.co/ZXcD5GcSJ4
— tomo (@cocoatomo) 2015, 1月 21
圏はまだまだ勉強中ではあるものの, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないうえ, 対応法があまりよくわからないし,いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずここ(と自分のブログ)にまとめた.
「集合の元」はタブー
整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.
ここがミスリーディングではなかろうか.
まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのは そもそも対象が集合にならないことがあるためだ. これはあとで少し説明する.
そして, 現実問題として, 対象を直接調べるよりもいろいろな対象相互の関係を調べることで 対象自身への理解を深めるのは日常的によくあるのだと 意識することが根本的に大事だろう. 圏の言葉でいうなら, 集合の元を直接取らずに射という 相互関係の取り扱いに着目する理由だ.
数学内でも数学外でも一般にどういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 日常の例でいうなら, ある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら その人は穏やかな性格なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人は そういう人だと理解されるだろう. いろいろな対象相互の関係を調べることで 元の調べたい対象の性質を調べている. このくらい日常的によく使う研究手法で, その前提で言うなら次の記述【その手法も一風変わっている】にも問題がある.
そもそも圏論について 圏論は比較的新しい数学の分野であり, その手法も一風変わっている.
他には, 素粒子の性質を実験的に調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べるという物理の例がある. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を 絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への 理解を深めていく形になっている. もう少し具体的にいうと, スピンを持っている中性子を使ったときに どういう散乱データが出てくるかを調べることで, 調べたい物質の磁性を研究するとかそういう感じ.
数学も人間の活動であって, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたのだと理解している. 有名な MacLane の Categories for the Working Mathematician 2nd edition P.18 には自然変換の定式化のために関手を定式化して, 関手の定式化のために圏を定式化したとある. そして応用上決定的に重要なのは自然変換という話だが, この辺は勉強中で全く詳しくないので各自適当に調べてほしい.
話を元に戻すと【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象が重要でそれを扱いたいからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.
また, 計算機科学への応用についてあまりよく知らないが 少し調べた限りではやはり自然変換が使われることがあるようだ.
関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は 対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないはずだ.
2015-01-25 数学はずっと苦手だった: 数学・物理に関するツイート小まとめ¶
- 数学, 物理, 数理物理, 大学受験
個人的に関係するツイートをまとめてみた.
https://t.co/gFEoWVucuF物理が数学というのと数学が哲学というの、本当に意味がわからないのだがそんなことを言う愚鈍な凡夫は本当に存在するの
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrこういう人は、大学入るまでに数学以外で大した計算をした経験がないからこうなるのでは?
— SO(Drmiggy) (@SO880) 2015, 1月 5
@SO880謎としかいいようがありません
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrズレてるかもしれませんが、数学に進んで、Zornの補題が出てくる辺りから議論の抽象度についていけなくなった子は知ってる。計算が得意だから数学に進んだ、というようなタイプもいますからねえ。
— differential_engine (@dif_engine) 2015, 1月 7
@dif_engine計算論を進めることで解決するライフハックを提案
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 7
制限だらけの高校物理, 結構気に入っているのでそのあたり.
https://t.co/V1P3Gk8toe前も書いた気がするが、【微分積分を使わない(高校の)物理が罰ゲーム】だとか制限だとか思ったことは一度もない。高校の範囲でいうなら微分積分が使えると言っても所詮1変数だし、1変数の制限でどこまでできるのかいまだによくわからない
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrこれも前つぶやいていろぶつ先生から早川さんにまで飛び火して教えて頂いた話 http://t.co/b7qXL1wGMZとして、衝突は高校レベルだと瞬間的に起きるという近似で議論されるはずだが、これを杓子定規に言うなら運動が微分不可能になるがその場合とかつらい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrで、それはどうでもよくて、高校の物理で(一応)使えるはずの微積分を使わない「物理」に関して私がとても気に入っている理由は私の専門にある。自分の数学力に見合った数学しか使えない中、それでもその枠内で何とか物理を(数学的に厳密に)やるというの、正に私の専門だ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetr高2-高3で使える枠内で何とか頑張って、どれほどうさんくさく汚く意味不明な「数学」であろうととにかく頑張って証明をやりきるとかその辺とものすごく繋がっている気がして、その無茶さ加減とそれでも何とかねじ込む腕力的なアレを追体験できてとてもいい気分になる
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrちなみに振動・波動は位置と時間の2変数は確実にあって、時々平面内の波の議論もでてくるから3変数までは確実に扱う。とてもつらいだろう。それとは関係ないが、大学受験のとき波の問題が死ぬほど苦手だった。あと数学は全受験科目の中で一番できなかった
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrこれも何度かいっているが、順列・組み合わせ・確率はセンターレベルですら本当に苦戦していたし、センター数II・Bの本番で大失敗したこととかいまでも忘れられない程度に本当に駄目だった
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
数学はずっと苦手だったので.
大学受験、数学が一番駄目でその次に物理が駄目というていたらくだったのに行きたいのは物理学科(数学は天才がやるものだと思っていて自分には無理だと思っていた)で本当に苦労したので、受験周りの嫌な記憶は当分消えてくれそうにない
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetrちなみにこの記憶があった上で大学での物理・数学、特に数学が色々な意味でやたら心の琴線に触れてきたため、大学で「この【数学】なら自分にもできるところがあるかもしれない」的なアレになったという経緯もある。強いて言うなら「大学では数学が【俺にできる数学】になった」感
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
@phasetr大学受験の数学、本当に難しいと思うしよくあんなの難しいのを制限時間内に解けるなと本当に感心する
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 5
今日も明日も数学したい.
2015-01-26 ゼルプスト殿下の作った(反)例ツイートまとめ: 連続な全単射は同相写像になるか¶
面白ネタだったので思わず. あとでhttps://github.com/phasetr/math-textbookの(反)例のところに載せていいか聞いておこう.
【定義】半開区間 [2n, 2n+1) をI_nと書く. I_0からI_{k-1}までのk個の半開区間の和集合を X_n と書く. X_n には数直線 R の部分空間の位相を与えることにする. 【命題】X_n からそれ自身への連続全単射はすべて位相同型写像である。
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon【補題1】半開区間I_nからそれ自身への連続全単射は位相同型写像である. 【補題2】連続写像は連結成分の個数を増やさない. とくに, X_n の連続像は高々n個の連結集合の和集合である.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon f: X_n→X_nを連続な全単射だとする. 像 f[I_n] は X_n の連結部分集合であるから, どれかの I_k に含まれる. X_n から I_n をとり去ると, 残る集合は X_{n-1} である. これは n-1個の連結成分をもつ.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyonもしも, f[I_n]の像が I_k の真部分集合であれば, X_nからf[I_n]をとり去った残りがn個以上の連結成分をもつことになる. ところがfが全単射なのでそれは像 f[X_{n-1}] にほかならず, 補題2に矛盾する.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyonしたがって, I_nの像f[I_n]はI_k全体である. I_0,…,I_{n-1}についてもそれぞれ同様である. すなわち f は各 I_i をどれかの I_j の上に写している.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon補題1によれば, 各 I_i に制限された f は, I_i から I_j への位相同型写像になっている. このことから, f は X_n から X_n への位相同型写像になる.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon補題の証明だが, 補題2は普通の集合と位相のテキストの演習問題程度なので今日のところは略するとして, 補題1の証明. これは [0,1)から[0,1)自身への連続全単射が位相同型写像であることを示せばよろしい.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyonf:[0,1)→[0,1)を連続全単射とする. まず f(0)=0 である. そうでないとすると f(x)=0, 0<x<1 をみたす x が存在することになるが, 中間値の定理によれば x の左右で 0 の近くの値を2度以上とらねばならず単射でなくなる.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon0<s<t<1 としてみよう. このとき f(s)>0 かつ f(t)>0 であるが, もしも f(t)<f(s) であればふたたび中間値の定理により s の左右で f が f(s) の近くの値を2度以上とることになって単射でなくなる.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon要するに, f は単調非減少写像であるが, 単射でもあるので, 狭義単調増加写像であり 0≦s<t<1 のとき f(s)<f(t) となる. また f は全単射であるから逆写像 f^{-1} をもつ. これも狭義単調増加写像で, 全単射である.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyonこの f^{-1}は連続である. 不連続点 x があれば単調性から 0≦f^{-1}(x-0)<f^{-1}(x+0)<1 となるが, このとき f^{-1}(x-0)とf^{-1}(x+0)の間の値が f^{-1}の値域に入らないことになり不合理だ.
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyonこうして f^{-1} も連続であることがわかり, f が位相同型写像であることが示された. 証明おわり(^^)
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 5
@tenapyon「I_0からI_{k-1}までのk個の〜をX_nと書く」は「X_kと書く」ですよね(細かい話)。
— 結城浩 (@hyuki) 2015, 1月 6
@tenapyonここからの議論でI_nの像が上にマップされる話をしていますが、添字が1ずれていると思いました。I_{n-1}ですよね。(また細かい話)
— 結城浩 (@hyuki) 2015, 1月 6
@hyukiですです。
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 6
@hyukiですですです。
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 6
@tenapyon証明っぽいものを書いたんですが採点を… https://t.co/mNDHZUWUNZ
— 結城浩 (@hyuki) 2015, 1月 6
@hyuki(採点ではなく添削をしてしまいました。)
— ゼルプスト殿下なのに、なんとこのお値段 (@tenapyon) 2015, 1月 6
2015-01-29 圏論についての記事をQiitaに書いたので¶
【ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説】に気になる記述を見かけたので [ポエム] on @Qiitahttp://t.co/WGzrIqbqhr
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 24
@phasetr『そもそも集合論的な意味での元がない対象が重要でそれを扱いたいからであり,そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を重視しているのだと理解している.』←同意せざるを得ない。
— differential_engine (@dif_engine) 2015, 1月 29
@dif_engineはじめの 20 ページ位を読んでみて、結局何だかんだで Mac Lane で勉強するのが一番楽なのではと思い始めている方の市民です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 29
@phasetrCWMは色々ごちゃごちゃ書いてるところがライブ感あって非常に好ましいですね。自然変換について触れて、関手圏における射だということを触れた後も、しきりに「~について自然」という形式で自然変換を扱ったりしてるところなんか参考になる。
— differential_engine (@dif_engine) 2015, 1月 29
@dif_engineはじめ 20 ページを読んだ限りですが、これ何が元になっているの、とかどんな具体例あるの、とか集合で対応する概念との違い何なの的なことが書いてあった印象があって結構地に足がついた内容なのではないかという感覚があります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 29
@phasetrそうそう、話が常に具体的ですね
— differential_engine (@dif_engine) 2015, 1月 29
Hormanderを読んだらMac Laneを読もうと思っている.
2015-02-01 Tatsuyoshi HamadaさんによるMathLibre道場GeoGebra編: 九大で行われた数学ソフトウェアチュートリアルの資料¶
- 数学, プログラミング, 相転移プロダクション
九大で行われた数学ソフトウェアチュートリアルの資料にYouTubeの動画を追加しました.GeoGebra を楽しんでもらえると嬉しいです.「MathLibre 道場 GeoGebra 編」Tatsuyoshi Hamada https://t.co/wRWEFrQeGK
— Tatsuyoshi Hamada (@knxm) 2015, 2月 21
これも遊んでみたいと思いつつ全く手がついていない. つらい.
2015-02-03 選択公理と非有界作用素: 市民なので Hilbert 空間全体で定義された非有界作用素というのをはじめて聞いた¶
- 数学, 物理, Hilbert 空間, 非有界作用素, 選択公理, Zorn の補題, Hamel 基底, 量子力学
【All operators on a Hilbert space are bounded】 http://t.co/Vq9XsPbrbZ ?!?!
— alg_d (@alg_d) 2015, 1月 10
Hilbert空間上の非有界線型作用素って選択公理ないと構成できないのか…
— alg_d (@alg_d) 2015, 1月 10
@alg_d定理6はヒルベルト空間全体で定義された線型作用素が有界になると言っています。L^2上で微分作用素は非有界になりますが当然L^2全体で定義できるわけではなく、元の論文は【定義域がヒルベルト空間全体の非有界作用素】に関する言明であって、実用的な設定ではないのでは感
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 11
@phasetrそもそも全体で定義されている非有界作用素ってどういうのがあるんですか
— alg_d (@alg_d) 2015, 1月 11
@alg_d私は考えたことがなく、すぐに思いつきもしません。話はずれますが、同じ微分作用素でも急減少函数の空間上では連続になったりするので、どこを定義域とするかはとても大事な設定です。また定義域が稠密な有界作用素は、有界なまま定義域を空間全体に拡張できるという定理もあります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 11
@phasetrzenaさんがこういう訳の分からない位相空間的なアレ超詳しそう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 11
@alg_dhttp://t.co/jOK0njBFU1ググったら一発目に出てきた mathoverflow のアレで、HamelとかZornが乱舞する例のアレっぽいです
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 1月 11
何だそれ, と思ったらやはり選択公理による構成で, 見たこと・聞いたことないのも当然だった感がある.
p進大好きbotによる謎の現象報告もつけておこう.
@alg_dついでに連続関数環(=Hilbert空間上の有界作用素全体の可換閉部分代数と同型なもの)からBanach代数への不連続C代数準同型はZFC上でも構成できないですよ。(例えばCHを用いる)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 1月 11
2015-02-04 京大・東工大での研究会告知依頼が来たので: 小嶋先生の退官記念と弱値・弱測定の研究会¶
- 研究会, 相転移プロダクション, 小嶋泉, 量子情報, 代数的場の量子論, 量子測定
研究会告知依頼が来たので共有しておきたい.
3/5-6 Symposium on Quantum Fields in Dynamical Nature, on the occasion of Professor Izumi Ojima's retirement @京都大学北部キャンパス北部総合教育研究棟内益川ホール
3/19-20 弱値・弱測定に関する国際研究集会 @東京工業大学大岡山キャンパス http://qm.ims.ac.jp/wmwv2015/
量子情報というか測定というかそちらはともかく, 小嶋先生の退官の方は最近小嶋先生関係の研究にも興味が出てきたことも あって行きたいが, 時間というよりお金がなくて本当につらい. 情けなくて泣きたい.
2015-02-05 Perelmanの消息: 最近モスクワからスウェーデンに移住したらしい¶
モスクワタイムズによると、ペリルマンは最近モスクワからスウェーデンに移住したようです。Eccentric Math Genius Ditches Russia for Sweden: http://t.co/tmUSqQ1bTq
— jin (@jin0801) 2015, 1月 12
Perelman情報だった. 何か切ない.
2015-02-10 Lars Hormander, A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces¶
- 数学, 相転移プロダクション, 多変数関数論, 複素解析幾何, 複素幾何, 関数解析, 偏微分方程式, 場の量子論
学部 2 年で志賀浩二『複素数 30 講』を読んで岡潔の仕事を知って以来, 多変数関数論にはずっと興味がある.
また場の量子論としても公理的場の量子論や代数的場の量子論で 多変数関数論を使うし, 学部 4 年のときに進む研究室選定とも合わせて AQFT についていろいろ調べていたときに Borchers の自己同型群のスペクトル解析の 仕事に興味を持って以来, 余計に勉強の意欲が湧いてきたものの, 結局まともに勉強できていない.
ちょこちょこ勉強しようと思って挫折しまくっているのだが, 今回もちょろっと調べものをしていたら Hormander の論文を見つけたので 少し読んでみた: A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces.
適当にしか読んでいないが, 面白かった部分だけ簡単に抜いておく.
1 変数関数論は Laplacian と Cauchy-Riemann 作用素の解析が重要だったが, 多変数関数論は 1 次元からの帰納的なアプローチではじまり, 偏微分方程式を使うアプローチは 1960 年代にようやくはじまった. $\bar{\partial}$-Neumann 問題は 1950 年代中頃に Spencer がはじめた.
言われてみれば 1 変数の場合, 初等的な範囲では解析学の色彩がかなり強いが, 多変数になると専門的になってくることもあって, すぐ層だの複素多様体だのという話になるので, 言われてみれば感があった.
Spencer は 小平-Spencer の Spencer だと思うのだが やはり Spencer 恐るべし.
あと PDF P.17 からの Bergman とのやりとりが面白い.
He was a rather special person and had a reputation for cornering people to talk interminably about the kernel function for which his enthusiasm was unbounded. For quite a while I managed to avoid him, but at last I was cornered.
Bergman, 遠くから観察してみたかった.
私に必要な関数論は現代的な関数論ではなく, 場の量子論向けにカリカリにチューンされた, 恐らくかなり古いアプローチである一方, 現代的なアプローチも読んでみたいのでつらい.
2015-02-14 数学教育に関する記録: 代入法の理解の難しさ¶
こんな時間なのでエアリプ。 中2の連立方程式で、もちろん代入法は習うんだけど、どうしてもそのときは代入法を理解できない生徒が一定数いることは研究上明らかになっています。文字を別の文字や数に置き換えることができない。原因はいくつか想定されていますがいまも追究されているところかと。
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 27
生徒の中で数学に問題が生じていることがわかったとき、つい生徒の不勉強さ或いは教師の指導のまずさに原因を求めがち。確かにそれは多いだろうけど、それだけでなく、認識・理解上どうしても生じてしまう問題のあることがいくつかの研究で明らかにされている。理解研究は数学教育研究の重要な一分野。
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 27
危うく生徒や教師のせいにしてしまいそうだが、どうやらそうじゃないらしいことがわかってくる。それを明らかにしただけでも価値がある研究だと思う。中学数学では、文字式に関わる理解や証明に関わる理解についてはかなりの研究の蓄積がある。それでもわかってないことはまだまだ多いのだけれど。
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 27
@MathEdr突然のリプライ失礼いたします。現在数学を専門にしており、院では数学教育に足場を置いて、理解研究や教育方法研究をしたいと考えているのですが、これは読んでおくべきというような文献があればご紹介いただけませんか。
— かまでぃー@群論の闇 (@mdyxrB809) 2015, 1月 28
@mdyxrB809院で数学教育研究されるのですね!是非頑張ってください。文献ですが、院は時間が限られており、自分の研究内容に即して読むべきものが変わってくるため一概には言いにくいですね。例えば同じ「理解」でも文字式の理解なのか証明の理解なのかで変わります。続
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 28
@mdyxrB809また、数学教育を研究する上で知っておくべき論文や文献となると、海外のものが多くなり、それらはかなり重厚(学部生では読めない)なため勧めづらいです笑。数学教育研究の全体像がわかる日本語文献として『数学教育学ハンドブック』というのがあるのでそこから入ってみては?
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 28
@mdyxrB809この本では数学教育学とは何かということから説明されています。ただし具体的な研究となってくると、ただの集約になっている項目もあります。興味ある内容の引用参考文献をご覧になり、面白そうで信頼度高い学会誌の論文へと進まれるといいかもしれません。以上です。
— MER (@MathEdr) 2015, 1月 28
これか. 読書リストにいれておきたい.
2015-02-18 風狸けん画・中川真脚本『和算に恋した少女』¶
- 数学, 和算, 相転移プロダクション
新刊入荷しました 『和算に恋した少女③風狸 けん 画・中川 真 脚本(小学館) 11艘の船を、二分の一、四分の一、六分の一に分けるには? 千本のワインを十人で毒味して、毒の入ったボトルを特定する方法など、思わず考えさせられる問題が詰まった和算エンターテインメント!
— 書泉グランデMATH (@rikoushonotana) 2015, 1月 30
和算はともかくエンターテインメントというところに興味がある.
2015-02-18 Twitterで頂いた質問への回答: 逆問題と現象数理学¶
- 数学, 物理, 現象数理学, 応用数学, 微分方程式, 関西すうがく徒のつどい
きっかけ¶
@phasetrもしもし相転移Pさん。逆問題というのは「現象から数理的な法則を考える」過程のことで、そこで使われるのが現象数理学という認識で合っていますか? 現象数理学入門 https://t.co/m3S1i77bne https://t.co/m3S1i77bne
— ばんぬ (@sorayana123) 2015, 2月 18
先程Twitterでこのような質問を頂いた. 長くなるのでブログにまとめた. 「定義による」というのが正直なところだが自分用のメモも込めて紹介・記録しておこう.
まず私の理解というところから端的に言えば, 逆問題は応用微分方程式論に端を発する命名で「順問題」に対する「逆」だ. 現象数理学もとりあえずやっていること, 目指すことは従来の応用数学の枠内にはまると思うのだが, 応用数学と言っても広いから, 特に名前づけから特色を出していっただけの身も蓋もないアレという感じ. それぞれ独立した営みという理解.
逆問題に関して¶
順問題と逆問題で対になる. 以前関西すうがく徒のつどいでも拡散方程式の逆問題について話したことがある. その講演原稿はhttp://github.com/phasetr/math-textbookにも収録しているので興味がある向きは参照してほしい.
それはそれとして次のような対応がある.
一般に | 具体的に | |
---|---|---|
順問題 | 入力から出力を求める | 微分方程式の初期値から解の振る舞いを調べる |
逆問題 | 出力から入力を求める | 複数観測地点での震度データから震源地を調べる |
微分方程式で定式化される問題を例にしたが別に何でもいい. 例えば「友達にいつもと同じ感じでちょっかいを出したら物凄く怒られた. 今日は虫の居所が悪いようだ」というとき, 「怒られた」という出力から「今日は虫の居所が悪い」という入力を推測するのも逆問題と言える.
元のコメントにある「数理的な法則」も特に数学で比較的綺麗に書ける・モデル化できるタイプの自然科学・工学的な応用を念頭に置いているのだろうし, 実際に発端もそこにあるが, フレームワークとしては数学で書ける対象に限定する必要はない. その方が「応用」は広い.
現象数理学科¶
まず三村先生の所属する明治大学現象数理学科のページから引用しよう.
モノ・コトから現れる複雑な現象を、数学で解明する。
動物や植物の美しい模様、心臓の拍動や薬の吸収などの医学・生理学問題、交通渋滞や経済不況などの社会的問題、流行やブームといった社会現象まで、私たちの身の回りは、現象であふれています。そうした現象を、数学を用いて解明していくのが現象数理学です。現象を数式に置き換えていくことを「モデリング」といいます。そして実際に導き出した「数理モデル」を使い、コンピュータで高度なシミュレーションを繰り返していくと、これまで目に見えなかった現象の正体が徐々に明らかになってくるのです。
現象数理学, 要は応用数学だ. モデリングも諸科学・工学で標準的な考え方だし, シミュレーションも特に理論工学ではもはや基本中の基本なのではなかろうか. 理論というともっぱらシミュレーションを指すことすらあると聞いている.
応用数学といってしまうと数学の趣が強過ぎるから, 適当な「現象」を扱うのだ, という姿勢を前に出した名称である種の政治的なスタンス表明という感がある. 特に最近は「役に立つ学問」という流れがあるし, 学科新設という意味でも思惑があるだろう感がある.
2015-02-21 教官陣の渡辺澄夫『すぴんはころぶ』に関する思い出話小まとめ¶
- 数学, 物理, 数理物理, 作用素環, 量子統計, 代数的場の量子論, 直積分, 相転移
これ http://t.co/295QmkqLWd か。読んでいなかった。。。この辺りが修士一年の必読だった訳ね。
— 早川尚男 (@hhayakawa) 2015, 1月 24
最初は渡辺の手書き(と手描き)で響子さんのイラストもあって、それが若き日の佐々真一に多大な影響を与えたのであった。 @hhayakawa これ http://t.co/LEE97RDSrl か。読んでいなかった。。。この辺りが修士一年の必読だった訳ね。 @sasa3341
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@Hal_Tasaki@hhayakawaそれから15年くらいたったら、3部作のせいか記憶のつなぎ変えがおこって、その響子さんは田崎さんの記事にあったものだと思い込んでいた。90年代終わりに、違うと言われたものの未確認で、同じ話題が数年前にあがって、niiを確認したのだった。
— 佐々真一 (@sasa3341) 2015, 1月 24
@sasa3341いずれにせよ、最初の手書き+手描き版が佐々さんのところにも回っていたのですね。あれは渡辺が知人だけに配ったのだと思っていた。 @hhayakawa
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@Hal_Tasaki@hhayakawa 確か、素粒子論研究か物性研究か。(最新でなければ)図書室から借り出して、学部生でも生協でコピーできた。
— 佐々真一 (@sasa3341) 2015, 1月 24
@sasa3341 あれ? ってことは活字になってるバージョンですか?? @hhayakaw
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@Hal_Tasaki@hhayakaw別のバージョンがあるのですか?もっとたくさん響子さんがいるとか。。
— 佐々真一 (@sasa3341) 2015, 1月 24
@sasa3341 ぼくがもらった最初のバージョンはすべて渡辺の手書きでした。たぶん、仲間内にだけ配ってたんじゃないのかな? 響子さんは、もっとアップの可愛い絵で「響子さん」って横に書いてあった気がする。 @hhayakaw
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@Hal_Tasaki@hhayakawあぁ、「手書き」の部分の話ですか。当時だと、まだ手書きが主流だったので、それは影響云々ではないです。そもそも、当時の僕のスキルだと手書き以外の選択枝はなかったですし。
— 佐々真一 (@sasa3341) 2015, 1月 24
すっかり昔話に花が咲いてしまった・・・ @sasa3341@hhayakaw
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@sasa3341 あ、いや、イラストのことですけど、佐々さんの修論は見てないので適当に言ったのです。 @hhayakaw
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 1月 24
@hhayakawa渡辺澄夫さん、RIMSで私の3つくらい上でしたか、院生室が同じでした。数理研を出てリコーに就職されたあと、一度、朝日新聞の「人」欄でお見かけしました。
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2015, 1月 24
私も読んでみたが, 何というか判断に困った. Bratteli-RobinsonというよりもIsingの何かを読む前哨戦にはいいかもしれない.
それはそれとしてBratteli-Robinson, 例えば量子統計・代数的場の量子論への直積分の応用に関しては貴重な文献ではあるが, 大事なのにこのパートが死ぬほど読みにくい. そもそも測度論が出てくるのでそこの地獄はあるにせよとにかくつらい.
2015-02-24 書泉グランデMATHからイベント紹介: 3/20-24 明治大学駿河台キャンパス パネル展示 小平邦彦先生の生涯 小平先生とその友人たち¶
《パネル展示 小平邦彦先生の生涯 小平先生とその友人たち》 3月20日(金) 13:00--17:00 21日(土)~23日(月) 10:00--17:00 24日(火) 10:00--12:00 会場:明治大学駿河台キャンパスリバティタワー14階1144号室主催:日本数学会
— 書泉グランデMATH (@rikoushonotana) 2015, 2月 22
これ行きたい. どうしよう.
2016-02-25 (数)式は文章か?¶
あ、なんか文脈理解してない引用リプが来てたw そういうことじゃないw うん、スルーしますw
— hiara (@hiara_tf) 2016年2月25日
文脈読めていなかったらしく, ブロックされたのだがと気になったので.
文章を読む度に頭の中で読み上げる声が聴こえる人って、数式やソースコード読むときもなの?
— ジョージ (@Kiriyama_George) 2016年2月25日
@Kiriyama_George数式は文章ではないのでは…w
— hiara (@hiara_tf) 2016年2月25日
@hiara_tf僕は自然言語で書かれた文を読むときも特に意識しない限り頭の中で音声で読み上げることはないので、数式と同じように自然言語の文から意味を読み取るときも発音を意識する必要はないと思ってました
— ジョージ (@Kiriyama_George) 2016年2月25日
@Kiriyama_Georgeそれもすごいですね。私はどうしても文章読む時は頭の中で音を出して追ってしまうので。数式とかは文章認識してないのでそのまま画像として捕えてますねw あと英語とかも読める単語の場合、やっぱり脳内で声出してるかも
— hiara (@hiara_tf) 2016年2月25日
で, こうつぶやいた.
https://t.co/cPYkhWLq65他はどうか知らないが、英語だと式を文章とみなす。実際に式の最後にピリオドやカンマがついたりする。なんでもいいが例えば https://t.co/S0bUX5yHUOとか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年2月25日
「数式は文章ではない」というから, 文章と認識されるケースは存在するというところに繋げたのだが, 文脈, そんなに違ったろうか.
ちなみに私は式も文章と思うというか, 式を「読んでいく」. 英語で読み下すときのように式を読んでいく. $1+3=4$ を「1 たす 3 は 4 です」という文章の略記だというくらいの気持ち.
けっこう気になるので, いろいろな方のご意見を伺いたい.
追記¶
2 つコメントを頂いたので.
まず 1 つ目.
@phasetr何でブロックされたのかはよくわからないんですが、それはそれとして式は図形に見えることが多いです
— ザード@ (@world_fantasia) 2016年2月25日
@world_fantasia何に見えるかではなく、「式は文章(の代替)か」というところが気になります。ブロックはどうでもいいのですが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年2月25日
@phasetr幾何的イメージで捉えちゃう傾向があるんで、それについてはちょっと意見出せないかなあ。まああえて言うならば文章か否かで言えば文章でしょうけども。式を記号論的に捉え直して意味概念を伝える一定のパターンとみなせばどうのこうのという変な電波を受信した、もうダメだ寝よう
— ザード@ (@world_fantasia) 2016年2月25日
@world_fantasiaこんなところからかなりイメージのギャップがあることを知り、けっこう衝撃です。なかなか面白い。つきあってもらってありがとうございました
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年2月25日
式が図形に見える感覚が全くないが, そういう人もいるのかとちょっと驚いた. 記号というならわかる.
もう 1 つ.
@phasetr@MarriageTheorem「式を文章として認識できない(読めない)人がいる」んじゃ無いかなぁ。我々がトンバ文字やヒエログリフで書かれた文章を見ても文章として読めないように
— いくた♥️なお/SCIS2016参加中 (@ikutana) 2016年2月25日
@ikutanaそうなると1+1=2レベルの誰でも知っている(「文章」と認識できる)式とそうでないめんどくさい感じの式で適当に何かギャップもある気がしますね
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年2月26日
この辺の比較, 言語学的にというか何というか, どこまで適切かは全くわからないが, そういう感覚は何となくわからないでもない.
2016-02-26 ツイート紹介: 『「数学みたいに答えがバシッと決まる世界じゃないからな」を「数学みたいに定義を明確にして議論する世界じゃないからな」に直したら単に「あかんやん」ってなった』¶
「数学みたいに答えがバシッと決まる世界じゃないからな」を「数学みたいに定義を明確にして議論する世界じゃないからな」に直したら単に「あかんやん」ってなった
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 1月 22
哲学とかも割と定義をぐちぐちぐちぐち言い続ける鬱陶しい学問である印象があるが, ろくに勉強したことがないのであまりよくわかっていない. そういう習性を持った人達が理工系のことに関して急に粗雑になるのも不思議という感じはあるが, 数学の人間だって専門外では同じ感じだし, ああ人間か, という感じがある.
2015-03-05 2015/10/3 の久保シンポジウムでは舟木先生が喋るらしいのでぜひ参加したい¶
- 数学, 物理, 数理物理, 統計力学, 非平衡統計, 確率論, 研究会
【久保シンポジウム】まだ先だけれど、理想的な講演者が決まったのがうれしくて告知しちゃった。舟木さんと笹本さんは超一流のガチ数学なんだけど、その間に数値計算と理論でセンスよく多彩な現象を料理する湯川さんが入る。他では聴けない取り合わせ! http://t.co/IgTBsQXMIN
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 2月 16
また行きたい研究会ができてしまった.
2015-03-08 Gigazine記事紹介: 数学の数式・記号のあるページを簡単に検索できる「SearchOnMath」¶
- 数学, 物理, 相転移プロダクション, プログラミング, サービス
数学の数式・記号のあるページを簡単に検索できる「SearchOnMath」 http://t.co/P9vCDqAUBmpic.twitter.com/t6IKmYj6XO
— GIGAZINE(ギガジン) (@gigazine) 2015, 2月 25
何かの役に立つかもしれないのでメモ.
2015-03-10 「私は素数時計で生きています」という変な人がいた!と思ったら広義知人だった¶
- 数学, 素数, 数論, 素数時計, 素数大富豪, 数学者
私は素数時計で生きています 例) 1番目の素数=2 44番目の素数=193 11番目の素数=31 なので1時44分11秒は素数時計では2時193分31秒となります。 この時計で生活していると、素数大富豪が強くなります。 pic.twitter.com/kEE6YLEsQl
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 3月 4
何かおかしな人がいる! と思ったら広義知人だった事案.
2015-03-12 共形場で代数的場の量子論と頂点作用素代数の対応がついたらしいので¶
- 数理物理, 数学, 物理, 代数的場の量子論, 構成的場の量子論
最近忙しくていろいろ滯っているのだが, ちょっと堀田さんとやりとりしたので.
.@theorphysさんの「場の量子論の数学的定式化」をお気に入りにしました。 http://t.co/lgdy4s03fe
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@hottaquこの辺の話でいつも思うのですが、非相対論的場の理論はどういう扱いなのでしょう。こちらは空間三次元のモデルである程度まともなのも何とかやれているのですが、相対論的というか超弦というか、数学的に格好いい方ばかり目立っている感があり、とてもつらいところです
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
一昨年だかその前のサマースクール数理物理で河東先生が、AQFTもVOAも両方ともかなり一般性が高くて完全には対応しないのは明らか、作用素環からは何とか有理性が大事でこれがキーになるはずだが対応するVOAの概念が何かよくわかっていないとか言っていたがその辺の話だろうか。あとで読む
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
@phasetr厳密な数学的取扱いは知らないのですが、物理屋としては(より簡単な)相対論的場の理論をいつも背景に置いて、その理論の中での粒子の質量∞近似をとることで何が問題なのと思っています。非相対論的モデルはより基礎的な相対論的理論から導出されるべきという視点なんですが。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@phasetrただ数学的な難しさや非自明さは、物理屋のそのような"思い込み"とは独立だというのも認識しています。だから非相対論的な物理モデルをきちんと数学化する価値は高いですし、やって頂けるとありがたいです。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@hottaqu論文読んでメルマガにも感想的なことを書くついでに何かまとめて書こうと思っているのですが、まず数学的にいうなら相対論は対称性の制限が強くて「厳しい」です。そのおかげでとりうる範囲が絞り込めて「簡単・単純」になるのだと思っていますが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
@phasetr同感です。=>RTまず数学的にいうなら相対論は対称性の制限が強くて「厳しい」です。そのおかげでとりうる範囲が絞り込めて「簡単・単純」になるのだと思っていますが
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@hottaquあと非相対論での紫外切断除去で時々問題として挙げられることで、紫外切断を除去して、元が非相対論なのに相対論的領域に突撃したりしないか、したとしたらどう扱うべきかというあたり、物理でどういう認識でしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
@phasetrその制限を取り払ったときに出てくる数学的多様性には興味があるわけです。将来ローレンツ対称性が高エネルギー領域で破れていることもあり得ます。対称性は実は創発的であり、低エネルギーで近似的に存在する可能性も。そうだとすると対称性のないモデルの理解も物理として重要。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@phasetrこれは格子場の理論での回転対称性(ローレンツ対称性)のような例でも出てますよね。対称性は低エネルギー領域で創発するというアイデアは物理としても重要であると認識は広がっていると思います。
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
@hottaquそもそも物理としてきちんと理解できていませんが、特に物性関係の、いわゆる階層性の話としてよりミクロの世界、相対論的領域には触れずに成り立つ部分は相対論の参照なく独立に切って考えられるはずで、「導出」を考えずに切り離した思考がどこまでできるかとか考えています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
@hottaqu量子力学から熱力学を導くとか、そういうタイプの導出自体が激烈な難問だろうというのもありますし、いい表現かわかりませんが「(より)ミクロな世界を参照せずに上の層だけで閉じる理論を構築できるか考えよう」というモチベーションが私にはあります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 5
とても面白いテーマだと思います。@phasetr
— Quantum Universe (@hottaqu) 2015, 3月 5
あと立川さんと谷本さんのやりとり.
(代数的場の量子論の兄弟というべきか、構成的場の量子論のほうでも、二次元だと Glimm-Jaffe がスカラー場で勝手な多項式ポテンシャルの理論を構成しているので、まあ二次元はやりやすいのでしょう。これを代数的場の量子論で見た仕事はあるのでしょうか?識者のコメントを求む)
— o-o⇒o-o-o (@yujitach) 2015, 3月 5
@yujitachGlimm-Jaffe が作った例はlinear energy bound を満たしているはずなので、ちゃんとHaag-Kaster のネットが作れます。おっしゃるとおり、3次元までなら彼らの例や、2次元共形場や可積分系(の一部)がネットとして作られています。
— Yoh Tanimoto (@yoh_tanimoto) 2015, 3月 5
ともかく、AQFT と VOA は、双方とも、物理屋がいう二次元共形場理論の場合には、数学的に厳密に適用できるべき枠組みなのだけれど、その間の関係がわかっていなかった、のです。それがとうとう解決した、というのが、さっきの論文に書いてあるはず。
— o-o⇒o-o-o (@yujitach) 2015, 3月 5
@yujitachで、2次元共形場もlinear energy bound を満たす場があればネットもあることがわかっていて具体例もありましたが、そうでない部分代数に関してもきれいにVOAとAQFTが対応する、というのが今回の論文のはずです。今日著者のLongoと話していました
— Yoh Tanimoto (@yoh_tanimoto) 2015, 3月 5
谷本さんは元々河東研で, 博士から本格的にAQFTやりにイタリアに行ったくらいの人で正にバリバリの識者だ.
あとで論文読んでメルマガにまとめたい.
2015-03-15 応用数学での泥縄式学習: 線型代数・微分積分・確率論の力強さ¶
- 数学, 応用数学, 線型代数, 微分積分, 確率論, 代数統計, 代数多様体, 代数幾何
泥縄のしやすさ,それを学ぶのに必要な背景知識の階層で決まるんだけど,応用数学だと大体,線形代数と微積分と確率論の真上に乗ってるから,たいしたこと無いのよね.代数統計 ( https://t.co/xLrl0KQ4e2) でも,代数多様体の初歩的なところしかいらない.
— 前原 (@tmaehara) 2015, 2月 16
いわゆる狭義の応用数学に限らないが, この徒手空拳で挑む感じがとても好きで, 私の専門でもなるべくこの感じを大事にしたい.
2015-03-16 記事紹介: 「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね......」外国人歴史家が体験した3.11¶
- 歴史学, 東北大震災
“「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね......」外国人歴史家が体験した3.11” http://t.co/aaZts4FdIl
— ひよのぽん (@ystt) 2015, 3月 12
歴史家というのがどういう人々なのかよくわかっていないのだが一例として参考にしたい.
2015-03-17 何か最近Lieb-Robinson boundが流行っているらしく夏学でも講義されるらしいという話を聞いたので¶
- 数学, 物理, 数理物理, スピン系, Lieb-Robinson bound, 作用素環, 作用素論, 量子統計
Lieb-Robinson boundsなに
— ぐーつー (@go_o2) 2015, 3月 16
— aki_room (@aki_room) 2015, 3月 16
@aki_room@go_o2割り込んでいいか微妙ですが、http://t.co/P47FboPJhvの証明はかなり読みやすいです。原証明は正方格子の上でフーリエを使ってやっていたはずですが結構読みづらい一方、引いた論文では格子に構造を仮定しないでかなり初等的にやっている感
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 16
詳しいことはさっぱり忘れてしまったが, 最近まるで触れられていないものの, 無限系の Hubbard に集中的に取り組んでいたことがあって, そのときに読んだ記憶がある.
次のような感じで大事そうだと思った記憶がある.
- まずは無限系でのダイナミクスの存在を言わないといけない.
- 作用素論的に言うのは大変そう.
- 作用素環ベースでスピン系ならいろいろある.
- 証明を捻って転用できると嬉しいな.
私の目下の対象はHubbardモデルでの電子とフォノンの相互作用系だが, Hubbardを無限系にすると相互作用を考えなくても一気に数理物理的な研究が減るので, 嬉しいのか何なのかよくわからないが, とにかく何かやりたい.
あと次の情報も教えて頂いた.
ちなみに夏学の講義の参考文献はhttp://arxiv.org/abs/1102.0835とhttp://arxiv.org/abs/1004.2086の予定です
両方ともNachtergaele-Simsだった.
2015-03-18 【線形写像とベクトルはお互いに一対一対応する。これは随伴関手の例にもなってる。】という個人的によくわからない言明をみかけたので意味がわかる方は教えてほしい¶
- 数学, 線型代数, 内積, 内積空間, Hilbert 空間, 線型写像, ベクトル, Riesz の表現定理, 線型汎関数, 有界, 関数解析
https://t.co/ZNeF4nj4b9https://t.co/Ol8ZRtJa5Pベクトルが線型写像というのが今ひとつよくわからない
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
よくわからない言明に遭遇したので. 引用しておくとこれ.
内積はベクトルからスカラーへの線形写像と考えられるので、ベクトルが線形写像だというのを理解すれば、テンソルはベクトルからベクトルへの多重線形写像として理解できます。それだけ。そこからテンソルからテンソルへの多重線形写像は自明。そう書いてある本は少ない気がする。
— Shinji Kono (@shinji_kono) 2015, 3月 17
線形写像とベクトルはお互いに一対一対応する。これは随伴関手の例にもなってる。双対性を理解する機会でもある。微分幾何では当たり前に使われてしまう。
— Shinji Kono (@shinji_kono) 2015, 3月 17
これに関してコメントを頂いたので少しお話しした.
なんとなくn×1行列がベクトルで1×n行列が線形写像と言いたいんだろうけど・・・用語ってむずかしい
— ShimoHi (@anibutsu) 2015, 3月 17
@anibutsuそれなら気分はわかるのですが、行列と線型写像の峻別は線型代数の勘所でもあるのでそれはそれで非常に微妙な気分になります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@phasetrリースの表現定理では?という指摘もありました。説明読んでるとそのような気もしますが、なにぶん函数解析をまともに勉強できてませんので怪しいですが。
— ShimoHi (@anibutsu) 2015, 3月 17
@anibutsu圏がよくわからないので何とも言えませんが、本当に一般にいうなら、リースの表現定理を使うには内積空間(またはヒルベルト空間)の構造が必要で、ベクトルと線型写像の1:1というのは表現が強すぎる感じがします
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@anibutsuまたリースの表現定理は「すべての【有界】線型【汎関数】が内積の片方を潰した<f,・>の形で書ける」という定理なので、線型写像全体ではなく(有界な)線型汎関数全体であって、その意味でもまだ問題があります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@phasetrやはり、あまり話を広げない方がよかったですね。誤解が生じそうなところをありがとうございます。
— ShimoHi (@anibutsu) 2015, 3月 17
こういうのを見ると, 自分も (よく知らないところで) とんでもないことを口走っているのではないかと不安になる. あと圏をフランス語でやってみたい. 何かいい本ないだろうか.
2015-03-19 竹山美宏さんによる新入生向けの数学の良書紹介があったので¶
休憩ついでに数学の本の話でも。大学で数学を勉強する予定のみなさんは、数学を娯楽として消費する本ではなくて、ある程度きちんと勉強できる啓蒙書を読むことを薦めます。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
以下、私の知る範囲でいくつか紹介します。まず易しいところから挙げると、新井先生の『生き抜くための数学入門』( http://t.co/L3rcXSE9JS)。数学がどのような知の営みであるかが分かる。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
次に、遠山先生の『数学入門 上・下』( http://t.co/QgHwFo13yx)。ところどころで高校では習わない内容が出てくる。計算技術ではない数学の「意味」がよく分かる。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
あとはシリーズもの。面白そうな題材のものを選んで読むと良いでしょう。共立出版「数学のかんどころ」( http://t.co/0TeHQOtgHo)。朝倉書店「すうがくぶっくす」( http://t.co/yJmfQuljCj)など。「すうがくぶっくす」はちょっと難しいかな。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
志賀先生の「30講シリーズ」( http://t.co/qsSnlNMKez)。私は「群論への30講」を大学入学前に読んだのが、数学書を読む初めての経験だった。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
最近の本では、嘉田先生の『論理と集合から始める数学の基礎』( http://t.co/5fXpCT4ur4)の前半を大学入学前に読んでおくと、大学での数学の勉強がかなり楽になるでしょう。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
ほかにも初学者がきちんと勉強できる数学の本がたくさんあると思うので、twitter 上のほかの先生方が紹介されることを期待しつつ(笑)、私のつぶやきはこの辺で。では。
— takey_y (@takey_y) 2015, 3月 17
物理のための数学講座はこの辺のために作ろうと思った講座だが, 止まったままなので早く再開させたいとはずっと思っている.
『すうがくぶっくす』はこれだけ見るとちょろそうだが, 時々核弾頭クラスの凄まじいのがあるので気を抜いてはいけない. ひどい本というわけではなく, 恐ろしく深く遠いところにまで連れていかれることがあるのだ. 平井先生の群の表現論の本, 堀田先生の代数の本(最後に$D$加群が出てくる), 岡本先生の本(佐藤超関数が出てくる)とか超パンチがきいている. 平井先生の本はじっくり読めばきちんとわかる本だと思うが, 二巻本ということもあり, 話題は豊富だし著者の伝えたいという気迫を感じるとてもよい本.
数学したい.
2015-03-20 れんまさんに作用素環のいい反例を教えて頂いたので¶
- 数学, 作用素環, 作用素論, 反例
作用素論でも単調なネットが収束ネットしたりしそうだな(夢か本で見た)
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 3月 18
@f_tangent非有界作用素だと色々アレなことが気楽に起こってきそうな感じがありますが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetr非有界作用素こわい…
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 3月 18
@f_tangent弱収束とかなら大丈夫そうだけど、ノルム収束はちょっと無理っぽい気がしますね。
— れんま(88%) (@tononro) 2015, 3月 18
@tononroなんか作用素論の本に書いてあった気がするので見てみます
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 3月 18
@f_tangentそもそも、有界作用素でも単調性があっても有界なネットでない限り収束しないのでは
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetr有界性は必要っすね
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 3月 18
@phasetrそもそも有界であっても収束するとは限らないんだよなぁ。Rで無限遠で0の関数環を考えて、台が大きくなっていく状況を考えてみるといいっぽい。
— れんま(88%) (@tononro) 2015, 3月 18
@tononroそれは超絶基本的で大事な例っぽいのでmath-textbookにも載せておく所存。ありがとうございます。ちなみにそれは非可換の場合でもあり得る話でしょうか。ちょっと自分でも考えてみますがとりあえず
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetrそりゃもう無限遠で消えているRから行列環への関数環とかを考えればいくらでも出てくるんじゃないですかね。
— れんま(88%) (@tononro) 2015, 3月 18
@tononro書き方がアレだったのですが、作用素環(特にvon Neumann環)で出てくるか、というのが気になっている点です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetr私はC*のヒトなのでアレですが、vNの場合はそういうの(自己共役のsup)モリモリ使いそうですね。
— れんま(88%) (@tononro) 2015, 3月 18
@tononro先程聖典 Bratteli-Robinson を確認したら、B(H)の時の言明しかなかったので、もしや一般のvon Neumannでは変なことがあるのか?と無性に不安になりました。正規状態に絡む大事なところとはいえ、ダイレクトに使うことがあまりないもので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetrやや、vNはあるB(H)の強収束(など)について閉じている*部分環なので、収束先もきちんともとのvN環に含まれますぞ。あとはB(H)の場合の証明がパラレルに進むはずです。
— れんま(88%) (@tononro) 2015, 3月 18
@tononroそれはそうだ。ありがとうございます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
滅茶苦茶間抜けなことを言っていて死にたくなるが, 行列環値の(連続)関数環をさらっと出してくるあたり, 何となく$C^*$の人の気配を感じたが, 私は作用素環専攻だったというのにろくに作用素環をやっていなかったので単にその地力の差という感じもある.
あとでmath-textbookにも例として取り込んでおこう. よい勉強になった.
2015-03-21 量子力学の数理: 非有界作用素の和や積の定義と notorious domain problem¶
- 数学, 物理, 数理物理, 量子力学, 場の量子論, 量子統計力学, 作用素論, 非有界作用素, 定義域
清水明『新編量子論の基礎』、エルミート共役に関する等式の導出 - y_bonten's blog http://t.co/5tmgw1aQod
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 3月 17
@y_bontenどこまできちんとやるかという話ではありますが【教科書には「演算子の線形性と内積の性質から明らかに」とある】の段落、数学的には間違った部分があります。作用素A+Bはψに(A+B)ψをあてる作用素でAψ+Bψをあてる作用素ではありません
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@y_bonten量子力学の場合、非有界作用素という面倒なクラスで議論する必要があり、そこではそもそも作用素Aと作用素Bに対して和が定義できるかどうかがまず非自明です(定義域が{0}になることもありえます)
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@y_bonten上の注((A+B)ψどうの、のところ)は有界作用素なら結果的には成立します。notorious domain problem として非有界作用素で時々言及されます。和だけでなく積が定義できるかも分かりません
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
.@phasetrご指摘ありがとうございます。くだんの教科書には作用素の和の定義がないままA+Bが登場したので、有限次元で成り立つ事柄から類推して書いてしまいました。ご教授の続きを理解できるよう努めます。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 3月 17
@y_bontenついでにいうなら、adjointが取れない作用素もあります。物理で有名な所で幅の量子論の生成作用素(の作用素核)です。和が取れない例をすぐに作れなくて今泣いているのですが、積について面倒くさくなる例を次のツイートで紹介します
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@y_bonten微分作用素D(単純に一変数の微分で十分)の自身との積D^2は単純に2階微分ですが、D^2が作用できるためには元の関数が2階微分可能である必要があります。一方Dだけなら当然1回微分できれば十分です。これは例えば「DとD^2の定義域が違う」とまとめられます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@y_bontenDとD^2の和がそのままでは定義できないことも分かります:Dの定義域とD^2の定義域が違うので、適当に定義域を調整する必要があるからです。あと応用上面倒なこととして定義域が変わると作用素のスペクトルがかわります。スペクトルと観測値と結びつくのでとても困ります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@y_bonten物理の本でその辺を気にしている本は無いでしょうし、物理をやるなら気にする必要も無い話です。無限次元で起こる現象で、数学としては病理的とさえ言われることもあるくらいの話で、知らなくて困ることはほぼないでしょう。私は専門上気にせざるを得ないだけなので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@phasetrありがとうございます。個人的には(いま気にならなくても)必ず先で気になることが目に見えているので、そういう問題点が存在するという予備知識があるだけでずいぶん助かります。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 3月 17
非有界作用素という修羅との戦いだった. あとzenaさんとのやりとり.
@zena_mp和が定義できない(定義域が{0}になる)非有界作用素の組の例を(複数個)出せるでしょうか。すぐに作れず思い出せもしなくて号泣しています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 17
@phasetrつまらない例でもよければ,共通部分が{0}になる稠密な部分空間の組を用意して,それぞれの中で適当に非有界作用素を定めれば良いのではないでしょうか.
— zena (@zena_mp) 2015, 3月 18
@zena_mpありがとうございます。あとは何か適当に自分で考えておきます。助かりました
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetr折角なので,ついでに述べておくと 任意の非有界自己共役作用素Aに対して, dom(A+UAU*)={0} となるユニタリ作用素Uが存在します.
— zena (@zena_mp) 2015, 3月 18
@zena_mp証明すぐにできる命題でしょうか。もしくはどこかに証明あるでしょうか。自分でも考えてはみます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 18
@phasetrどこかに載っていいたと思うのですが,ちょっと今思い出せなくて探しています.
— zena (@zena_mp) 2015, 3月 18
あまりにも間抜けで死にたくなった. 仕方がないので粛々と対応していきたい.
あと非有界作用素に関する定理, これはやばい.
2015-03-22 新井仁之先生の『線型代数 基礎と応用』が超面白そうなのに絶版状態らしいので悲しい¶
- 数学, 応用数学, 線型代数, 多変量解析, 離散 Fourier 変換, ウェーブレット
新井仁之先生の線型代数、いつまでたっても抽象的な線形空間に進まずに行列の性質を調べ続けて、多変量解析や離散フーリエ変換やウェーブレットで画像処理などの方向に突進する珍プレーしていて、これはとても良いのではないかと思った
— 足跡45 (@ashiato45) 2015, 3月 1
@ashiato45何か本とかPDFとかにまとまっていたりするのでしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 1
@phasetrこちら(悲しい) http://t.co/HcPmX91YQS
— 足跡45 (@ashiato45) 2015, 3月 1
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 3月 1
これは読みたい. 絶版状態(?)なのをどうにかしてほしい.
追記: いつだか忘れたが絶版状態が解消されたため既に買って手元にある.
2015-03-23 講義ノートリンク: Lurieの謎キャラっぷりがすごいようなので¶
- 数学, 講義ノート, 代数トポロジー, 組み合わせ論, 数論, 作用素環, 幾何学, 多様体論, 代数的 K 理論, 多様体のトポロジー
Lurie のホームページ改めてやヴぁい。講義ノートだけでも、代数的トポロジー、組合せ論、数論に作用素環となんでも有り。高次元および低次元多様体の分類理論のノート、そして最近追加された代数的 K 理論と多様体のトポロジーのノートに注目。http://t.co/X2YUeoeeDS
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 3月 1
Lurie, ホームページがやばいというか何者なのかよくわからなくてやばい.
2015-03-25 【線型代数で殴る】【数学で殴る】という表現がどこまで一般的なのかを知りたい方の市民だった¶
M1で研究する前にもう一度線型代数を講義する計数のカリキュラム,線型代数で殴り続ける強い意思が感じられて好きです. see: http://t.co/2cmaBnbLz6
— TM (@tmaehara) 2015, 3月 21
私も先日, 小学生の女の子に「数学で殴る」という表現を教えてきたが, この表現がどこまで一般的なのかについて非常に興味がある.
2015-04-02 工学部の専門数学で必要な線型代数・線型空間論が何なのか具体的に知りたい方の市民だった¶
- 工学, 数学, 線型代数, 線型空間論, Hilbert 空間論
工学部的には、線形代数の抽象的なところを学んできてほしい。逆行列や固有ベクトルは求められるけど、ベクトル空間の公理、ノルム、内積の公理で決まってくる空間の概念をわかってないと、工学部の専門数学の多くが対症療法的な理解になってしまう。
— 田中(かな入力派)聡久 (@tanaka_toha) 2015, 2月 13
もはや前後が追い切れないので悲しいが, 現実問題として工学的に抽象論の何をどう使うのだろうか.
2015-04-04 ツイート紹介: 「さんすう刑事ゼロ」というのが教育的に素晴らしいらしいので¶
「さんすう刑事ゼロ」はどの回も非常に秀逸で、大学生や大人こそ見るべき内容。20%引きからの20%引きで40%引きを装う詐欺や、小数点以下の数値をちょろまかして比例を見誤らせる話など、これを小学生向け番組として構成できているのは凄い。http://t.co/yXX3ePNRKQ
— kougaku (@kougaku) 2015, 3月 25
近いうちに眺めよう.
2015-04-11 算数教育に関するt2o_yamaさんの連続ツイートが面白かったので¶
- 数学, 算数, 理科, 教育, 相転移プロダクション
面白いとか言って済む話ではないのだが.
例① ぼく「分速60mで歩く人がいる」 生徒「いる」 ぼく「この人が5分で歩く距離は何mだろう」 例② 「分速60mで歩く人がいる。この人が5分で歩く距離は何mですか」
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
算数が苦手、あるいは今は良くても後に躓く子は、この2つの問いを同じように処理しない。能力の問題でなく姿勢や習慣の問題で。①は300mとすぐ答えるのに、②になるとみはじ(はじき)の図を描き始めたりする
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
会話では生きていた「聞かれたことに答える」という機能が、紙に書かれた問題を解く段になると消失するわけだ
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
何度も言うが、算数や理科の問題は解く前から答えが何であるか分かっている。この場合の答えは「分速60mで歩く人が5分間に進む距離」だ。しかし、嘘のような話だが、地方の公立小の生徒は半数以上がそのことを認識していない。答えが何であるかより先に式を考えようとする
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
生徒をよく見ると、単位を書くときに問題文を見る生徒がいる。「何mですか」の部分を見てmと答えているわけだ。60×5=300の時点ではそれがmであることが認識されていないということ。何か気になった、とかkmじゃないか確認した、など他の理由も考えられるが、毎回見る生徒は間違いなくクロ
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
私が一番強調したいのは二番目のツイート。これらは「能力の問題でなく姿勢や習慣の問題」なのだ。もちろん、その積み重ねはそのうち能力の差になってくるが。ではなぜ「姿勢や習慣の問題」がでてきてしまうのか。小中学生を指導する人はその辺をもっと考えた方がいい。もちろん私も
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
算数の文章問題で一番大事なのは「自分が何を求めようとしているのか認識すること」だ。それが認識できていない状態で問題を解くことにはほとんど意義がない。それこそ中教審の嫌いな「暗記重視の受験勉強」だ
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
逆に、自分が何を求めようとしているのかが認識できているなら、それをどう求めるのかは比較的どうでもいい(もちろんその中で「こうした方がなお良い」というものは確かにあるが)。その本末が逆になっている典型が「みはじ」であり「単位のサンドイッチ」であり方程式や比例式であり
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
3x+5=-x-7が解ける生徒のうち、何割が「『xがいくつなら3x+5と-x-7が等しくなるのか』を求めている」という認識を持っているのだろう?
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
計算は、すでに何だか分かっている答えに数字を与える作業にすぎない。その作業が問題の中核であるかのような誤解が「算数(数学)ができなくなる」という現象の諸悪の根源といっていい
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 2月 11
子供たちの詳しい状況はよくわからないが参考にしたい.
2015-04-15 黒木さんのツイート集¶
2015-04-15 黒木さんおすすめ, 大学新入生向け数学アプリ: Wolfram Alpha (のアプリ)¶
- 数学, Wolfram Alpha, アプリ, 数値計算, シミュレーション
大学新入生へのおすすめ有料アプリ。それはWolfram Alphaのアプリ。 http://t.co/9H6yIawGN8 ブラウザで https://t.co/QgFOioneJ3にアクセスすれば無料でも使えるが、スマホにアプリを入れておくととても便利。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
たとえば http://t.co/xD4BATQLNdのように int_{-infty}^infty exp(-x^2) dx とTeXっぽく数式を入力すれば答えを教えてくれます。 数式処理ソフトと違って入力がてきとーでよい点がとてもありがたい。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
Wolfram Alpha 関係リンク集 使い方を検索 https://t.co/k0anvN9MaV 計算サービス「Wolfram|Alpha」の使い方 http://t.co/idNmIh5nqx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
行列を {{1,2},{3,4}} のように入力するとその行列関係の主要な「不変量」をリストアップして教えてくれます。 http://t.co/aw41ntfh1S これを知っていれば大学1年生レベルの線形代数の試験問題の7割程度は答えを簡単に得ることができます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
Wolfram Alphaの素晴らしいところは、数式処理ソフトの文法に沿って「正しい入力」をしなくても、てきとーに入力するだけで有益な情報を返してくれることです。これは本当におすすめ。ぼくもよく使っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
http://t.co/xwlwuDNqC2 Wolpram Alpha https://t.co/t4N4Krpj9gで z=x^2y/(x^2+y^2) と入力すれば「原点で偏微分可能だが微分不可能な函数」のグラフを簡単に見ることができます。百聞は一見に如かず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 4月 5
参考にしたい.
追記¶
黒木さんおすすめ, 大学新入生向け数学アプリ: Wolfram Alpha (のアプリ) - 相転移プロダクション相転移プロダクション http://t.co/zqLiviMHLl Quick Graphも結構便利→ https://t.co/iMdbGqyyIn
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 10月 14
Quick Graph という新たなお勧めが増えたので追記.
2015-07-26 大学数学の理解度を測りたければ「簡単な例を 3 つ挙げられるか」自問自答すればいい¶
黒木さんのツイートまとめ+感想ということで.
数学の理解度を数学を教える側がどのように判断することがあるか? 一つの判断基準は「簡単な(反)例をノータイムで挙げられるかどうか?」 小難しい証明を黒板に書けていても、ノータイムで簡単な(反)例が出て来ない学生は実質的に何も理解していないことが多い。数学もまた厳しい世界。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 7月 21
=p lang="ja" dir="ltr">@genkuroki数学科での教え方と学び方の両方には伝統的に大きな欠陥があるのではないかと感じることがある。この問題意識と「ノタゥムで籡単な(反)例を挙げられるか?」という理解度の測り方は直接に関係がある。簡単な(反)例を知らないままで小難しい定義を理解するのは無理。— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
@genkurokiたぶん、この問題意識もかなり伝統的なもので、昔から数学科では「定義や定理について習ったら必ず例を3つ以上作りなさい」と教える伝統があると思う。「例を3づ以上」とい⁆言い回しを聞いたことがない数学槑卒業生は多いと瀝う。ぼくもどこかで聞いたことがある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki)
順に雑感を書きたい.
数学の理解度を数学を教える側がどのように判断することがあるか?
一つの判断基準は「簡単な(反)例をノータイムで挙げられるかどうか?」 小難しい証明を黒板に書けていても、ノータイムで簡単な(反)例が出て来ない学生は実質的に何も理解していないことが多い。数学もまた厳しい世界。
【実質的に何も理解していない】というところがかなり気になる. 受験生向けの話もいろいろ書いていたときに改めて思った点として, そもそも「理解とは何か」自体がかなり定義の難しい概念という感じがある.
定理の証瘎がまるで追えなかった, または一邨どう⁗てもギャップが埋められなかったところを埋められたというのも理解が進んでいる証なのは間違いない.
五里霧中状態だと(後で見れば)簡単な例も本当に作れないことがあってとてもつらい. もちろん五里霧中なので, 少なくともcrystal-clearな理解に至っていないのは自明ではある. うまいこと言葉にできないのだが, ただ一言つらいとだけは言っておきたい.
越えるべき壁であることは間違いないので, 簡単な例を作る修行をすべきことに異論はない.
@genkuroki数学科での教え方ど学び方の両方には伝統的に大きな欠陥があるのではないかと感じることがある。この問題意識と「ノータイムで簡単な(反)例を挙こられるか?という理解度の測り方は直接に関忂がぃる。簡単な(反)例を知らないままで小難しい定義を理解するのは無理。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
そもそも修士の二年しか数学科にいなかった上, 教える方の経験が段違いなのでいろいろアレだが, 教え方と学び方のギャップは感じないこともない. (反)例を作る大切さに関しては次のDVDを作ったくらいだ.
これも受験生向け情報発信で思ったことだが, 自分自身, 大学に入るまで, 根本的に「学ぶことは誰かに教えてもらうことだ」という姿勢があった. この辺からして既に問題だと認識している. 早いうちから, それも嫌でも本格的に勉強せざるを得ない機会である大学受験からそういう姿勢を学んでほしいし, そのためにブログにまとめた記事をKindleにもまとめたくらいだ.
最後にこれ.
@genkurokiたぶん、この問題意識もかなり伝統的なもので、昔から数学科では「定義や定理について習ったら必ず例を3つ以上作りなさい」と教える伝統があると思う。「例を3つ以上」という言い回しを聞いたことがない数学科卒業生は多いと思う。ぼくもどこかで聞いたことがある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 7月 21
口伝で「三つ以上例を作れ」というのを聞いた記憶はないが, 院でのゼミ中, 定理の言明に関して「そういう例は何かありますか」と聞かれて例を挙げられなくてつらかったことはある. 閉作用素に関する話でもう言明が何だったかも覚えていないが, いまだに例が作れていないことだけは覚えている.
次週のゼミの準備で手一杯で, という言い訳で結局さぼって例を作らなかった苦い記憶がある. 一言でまとめると【つらい】.
2015-10-08 黒木さん発言録: 佐武『線形代数学』と長谷川浩『線形代数』が面白いという話をまとめた¶
好きな教科書と嫌いな教科書。線形代数。個人的に好きなのは、佐武一郎『線型代数学』 http://t.co/zDcRLF5SvA(新装版→ http://t.co/FmgV0Xzigg)と長谷川浩司『線型代数』 http://t.co/Jbj5W8KdGI
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。その二つの教科書は、数学の世界の中から線形代数に関係している部分を自然に切り取って「普通に」解説している点がとても気持ちがよい。しかもその2冊は内容がかぶっていない部分が結構あって両方読むと教養が深まるようになっている。この2冊をぼくはいつもすすめています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。ぼくが嫌いなタイプの教科書は二種類あって、「学生のレベルの低さに合わせて編集しました」という感じの教科書と「線形代数は環上の加群の理論の特別な場合である」という無茶な立場に立とうとしているような教科書です。具体的に書名は挙げませんが、どちらもかなり不快な感じ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。「学生のレベルの低さに合わせて編集しました」という臭いが感じられる教科書は学生に失礼なので採用できません。そして「線形代数は環上の加群の理論の特別な場合である」という認識はひどく間違っていると思うのでそういう立場の教科書も採用できないです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続く。余計なことをせずに、素直に数学の世界を正確に分かり易く説明し、周辺の面白い風景をきちんと見せようと努力している教科書が好きです。佐武さんの本と長谷川さんの本はどちらもそういう立場で読むとき気持ちがよいです。個人的にはみんなにこういう線形代数の教科書を読んで欲しいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。佐武さんの『線型代数学』を読むと20世紀の後半あたりから、大学で教える数学の中に線形代数が標準的に含まれるようになった理由がわかります。そこに書いてある道具をすべてマスターすると多くの問題が易しく解けるようになります。この本を読むと数学的な教養が身に付きます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。佐武さんの本は「おまけ」に見える部分が非常に面白い。たとえば行列式の章には、Sylvesterの行列式、Jacobiの行列と合成函数の微分、行列式の微分、パフィアンなど多数の話題が含まれています。全編、そういう調子で書かれている。つまらない話が一つもない!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。長谷川本で扱っている話題もかなり豊富。しかも、長谷川本の最初の方には2×2行列で解説してある部分が挿入されており、その部分ならよくできる高校生は確実に読めるものと思われます。そういう勉強をしておけば大学受験でも相当に有利になると思うので、よくできる高校生にはおすすめ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。21世紀になっても、線形代数の教科書で重要な応用先である量子力学に何も触れていないのはおかしい。この不満も長谷川本を手に取れば解消されます。多くの人に教養として、量子化された調和振動子くらい知っておいて欲しいと思うのは私だけではないでしょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。まじめに書かれた数学の本を読むには時間がかかります。大学新入生のときに佐武本や長谷川本を手に取った人は3年くらいかけて読めれば良いくらいに気楽に構えた方がよいと思う。3年程度努力すれば論理的スキルが大幅に上昇しているので、ずっと楽に速く読めるようになっているはずです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。ぼくが大学新入生のときには長谷川本は存在してなかった(長谷川さんもまだ学生)。しかし、大学入学直後から、ラグランジアンとハミルトニアンから量子水素原子を解くところまで1時間目の化学の授業でいきなりやらされた。青春時代の良い思い出。あれは大学入学直後の痛快事の一つだった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。大学新入直後に、ラグランジアン、ハミルトニアン、量子力学、井戸型ポテンシャル、調和振動子、水素原子などなどについて勉強しないと化学の単位を取れない状況に追い込まれたことは(ちなみに教科書は英語の本だった)、その後、数学を楽しむためにものすごく役に立った。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。著者独自のスタイルを広めるために書かれた本はつまらない(場合によっては有害な)場合が多いけど、著者が見て来た面白い世界を読者に一所懸命伝えようとしている本は読んでいて気持ちがよいよね。佐武さんの本も長谷川さんの本もどちらも面白い話があることを一所懸命説明してくれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
私の場合, 学部 1 年で実数論, 集合論, 位相空間論の本格的な講義に出会ったことが 今の私を決定づけている感がある.
同じく 1 年のときにあった物理学研究ゼミナールというやつで Brown 運動の数学パートを担当させられて, そこでいろいろ発表するために わけもわからず手に取ったブラウン運動のしっかりしていそうな本が 飛田武幸『ブラウン運動』だったり, 数学の関数解析バリバリの偏微分方程式の本を読んで挫折しまくったり, Hilbert 空間論の本に手を出してみたりしたことも かなり強く効いている.
あと線型代数については次の企画でもちょろっとまとめているが, 関数解析・半群理論を意識したような構成でいろいろ書いてみたい.
Hubbard・Heisenberg あたりとか, 学部 3 年の量子力学のトンネル効果周辺の練習問題で $2 \times 2$ 行列で遊んだことがあるので, そういうネタも突っ込んでみたい. あとやはり量子情報まわりだと行列で本質的に遊べそうな 気配を感じるので, その辺も気になって仕方ない.
2015-10-09 黒木さんツイートと飯高茂先生のページから: 飯高先生自身の学業・研究の記録¶
http://t.co/gnA5q1MlKm のFirst lecture released on 2014/2/2 http://t.co/CbTRi4NYq6 のp.76にHartshorneさん自身からのHartshorneの等式に関する問い合わせのメールが載っていた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。残念なことに Second Lecture released on 2014/2/2 はリンク切れになってしまっているが、 http://t.co/gpAw9d7We8に見付かる。余計なjが入っていた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。で、そのsecond3.pdfには飯高さんの高校時代の先生のHさんの話が書いてある。添付画像はそのHさんの発言らしい。現在の受験産業的にもこういうことまで気を配れば生徒は助かると思う。 pic.twitter.com/IypcONHGyd
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。それに限らず、昔の思い出話がたくさん書いてあった。first6.pdfの方は円錐曲線と射影変換の幾何のより高次の曲線とクレモナ変換の幾何への一般化という流れが書いてあり、second6.pdfは思い出話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
飯高先生ページのPDFは学生の頃に読んだ記憶がある. 代数幾何も一度はそれなりにやってみたい. 特に小平先生の論文はいろいろ読んでみたい.
2015-10-10 黒木さんツイートまとめ: 数学とプログラミング的なところで Singular, REDUCE¶
数学とプログラミング的なアレで参考になりそうだったので.
@genkuroki7-ZipとREDUCEを入れた。 https://t.co/K0o5RBfirK http://t.co/goeLZL2wu7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 2
@genkurokiまだやっている新パソコンの設定。Cygwinの設定(より正確に言えばemacs内で数式処理ソフトのsingularを走らせるための設定)に苦労している。まず、環境変数 CYGWIN に winsymlinks nodosfilewarning をセット。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
@genkuroki旧パソコンから引き継いだ .bashrc やら .zshenv から DISPLAY 変数の設定の行をコメントアウトした(こうしなければいけないことに気付くために小一時間ほどかかった)。さらに cd してから ESinguler を起動する~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
@genkuroki続き~shell script を書き、リンク先が C:\cygwin\bin\run.exe bash -c -l "そのスクリプト &" のショートカットを作成。これでそのショートカットをクリックするだけでsingularが使える。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。Windowsで数式処理のSingularを使うためには32bitの方のCygwinのMathやEditorsなどを入れてESingularを起動するとよいです。個人的に色々都合があってちょっと困っていた。それも一応解決。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。検索したい人の手間を減らすためのリンク 数式処理ソフトのSingularのウェブサイト http://t.co/oYNEyuP10O Cygwinのウェブサイト https://t.co/mLUVOQEhIT 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。Singularでは非可換環を扱うためのパッケージはPluralと呼ばれています。洒落のつもりでそういう名前にしたのだと思いますが、検索すると英単語の解説ばかりが大量にヒットして不便この上ない。(^_^;) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
続き。Singularでは yx=axy+b 型の交換関係を扱えます。Lie環やClifford台数や微分作用素環や量子群などを扱えます。(無限次元Lie環の類は扱えません(REDUCEならVirasoro代数の交換関係の類を扱える)。) 非可換環の厳しい計算を試すのに便利です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
メモ http://t.co/En2YfnQKLc Library: ratgb.lib Purpose: Groebner bases in Ore localizations of noncommutative G-algebras
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
メモ続き。もっと一般的なlocalizationを扱えると便利なんだよなあ。互いに非可換な元たちの逆元を同時に使用したいことが結構多い。扱いやすいOre整域の分数斜体全体が扱えると便利なんだけどねえ。非可換な場合の分数の計算は死ぬほど大変。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 3
中高の数学, 大学入試あたりをネタにして いろいろプログラミングやりたいのだが時間がない. つらい.
2015-10-25 黒木さんツイートまとめ: ベクトルの内積の話¶
ベクトルの内積の話:黒木玄せんせーと高校数学を復習する を naverでまとめました。 http://t.co/avv7ZKeVVR
— 天むす名古屋 (@temmusu_n) 2015, 9月 5
あとで読む.
2015-10-31 ツイートまとめ: 数学系魔法少女アニメセリフ集¶
さあ、みんな!有限生成アーベル軍を撃退するわよ!>数学系魔法少女アニメ, プロデュースしたい http://t.co/ju1owY4doc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
今度の敵は空手踊りするから気を付けて!>数学系魔法少女アニメ, プロデュースしたい http://t.co/ju1owY4doc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
しまったタグを付けておくべきだった。 #数学系魔法少女 https://t.co/dsj5En4TtF https://t.co/zOmqIgxxOa https://t.co/NdiICqrCQj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女関連情報 https://t.co/fx57VbMArs https://t.co/B2QVxAvmfx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 米田のレンマで埋め込んじゃうわよ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 さあ!みんなで心をひとつにして、広義一様絶対収束するわよ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 敵はまだ行列と行列式を混同しているわ。トレミーの定理とクラスター代数の関係に気付かれる前に、早くプリュッカー関係式をぶちこみなさい!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 ハイパーケーラーなエビラ多様帯にのみこまれないように気を付けて!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 実験系でもないのに「研究ノート」の管理を強制しようとするおバカさんたちがいるから気をつけて!管理されてない計算用紙を束ねて殴りつけるわよ! https://t.co/AdHsrsJsW7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 ここから先は計算用紙とボールペンの枯渇に注意して!暗闇にのみこまれるわよ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 体力が続く限り、なんぼでもネタが出て来る感じ。そろそろ寝る。だれか、続きをよろしく。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 数日前に使い切ったボールペンの写真 pic.twitter.com/AIcvekPt0V
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
@genkuroki#数学系魔法少女 敵がジェネリックでつまらない互いに非可換な行列の組み合わせにこだわっている隙に、わたしたちは互いに可換な行列たちを分類してヒルベルト多用帯に突入するわよ! (眠れない。困ったな)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 16
.@genkuroki#数学系魔法 ラグランジュアンはラグランジアンのにせものだから注意して!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 17
.@genkuroki#数学系魔法少女←このタグを使い始めたのはこれ→ https://t.co/UVn72PIJba 相転移P経由で知ったネタ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 17
#数学系魔法少女 マザーテレサがノーベル賞パワーで女性から選択の権利を奪うつもりらしい!ツェルメロ・フレンケル集合論の平等の公理(axiom of equality)に、選択の公理を付け加えて対抗するわよ! これじゃあ、数学系じゃなくソーカル系魔法少女でんがな。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 17
@genkuroki#数学系魔法少女 物理的に同一の状況であっても、立場によって波動函数が違っていても矛盾しないのよ!線形代数の仕組みは偉大よね。 つっこみ:それ、量子系魔法少女ですから。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 9月 17
これは一体何だったのだろう.
2015-11-14 『NHK数学ミステリー白熱教室 ラングランズプログラムへの招待』第1回に関する東北大助教 黒木玄さんの感想・コメントツイートまとめ+私のコメント少々¶
#数学NHK 数学ミステリー白熱教室 https://t.co/620wq55q3W
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 13
先日とりあえず緊急速報を出したが, 時間が取れなくてまだ見られていない. とりあえず東北大数学の黒木さんが色々言っていたので, それをいったんまとめておく. 何となくまだ追記されていきそうな感じもするが.
数学者からどう見えているのか, どんな風に突っ込んでいくと純数学的に面白いのかといったことが 見えて楽しい人には楽しいだろう. 私が子供の頃に知りたかったことでもあるし, この記事更新を流す Twitter には同じような気持ちを持つ中高生もいる. 少しでも楽しんでもらえれば, ということで.
前書きはこのくらいにして, バンバン張っていく.
#数学昨晩、エドワード・フレンケルさんによるラングランズ・プログラムの解説の第一回目が放送されたようなので (ラングランズ OR Langlands) since:2015-11-13 until:2015-11-14 を検索。 https://t.co/20srtTXSVP
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 13
#数学 続き。近い分野にイーゴリ・フレンケルさんという有名な数学者もいるので(I.フレンケルさんはアイデアを出しまくったすごい人)、単にフレンケルさんと呼ぶことに心理的抵抗があるのだが、以下では、簡単のために、単にフレンケルさんと言ったら、エドワードさんのことだとします。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 13
#数学続き。二十数年前に日本人のとても「悪い」数学者がI.Frenekelさんと混同しないように「こっちはいいフレンケル(E.Frenkel)さんだ」と(「いい」=「良い」という意味をこめて)紹介したのを見たことがあるような気がする。誰だったかな?○輪さんだったっけ?続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 13
#数学続き。二十数年前に所謂ソ連が崩壊しました。ソ連でフレンケルさんがどのように苦労し、ソ連崩壊の時期に米国に移住することについてどのように悩んだかについては著書 https://t.co/UhUoEz3FzFに詳しく書いてあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 13
#数学続き。二十数年前にはロシア(ソ連)の数学者達が京大の数理研にたくさん滞在しており、ロビーのテレビでロシアのことが報道されるとロシア人数学者たちが悲痛な表情で見ていた。そういう時代。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。数理研のロビーの前の廊下付近で、若いフレンケルさんとその師匠のフェイギンさんが仲良く空手ごっこをしているのを見たことがあります。フレンケルさんだけではなく、フェイギンさんまで回し蹴りをしていた。こういうことを書いちゃうとまずいかな?続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。昨晩日本のテレビに出演したフレンケルさんは若いときに日本の京都にある数学の研究所(京大数理研)に滞在していて、師匠と空手ごっこもしていた(もちろん数学がメイン)というような知識があれば、別世界の人ではないと感じて、親しみ易くなるのではないでしょうか?続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
こういうのかなり大事で, もっと前面に出す機会があった方がいいとは思う. 他はどうかは本当にわからないが, 数学者, 異常なくらいフランクな感じがある. すぐに探し出せないがJonesのFields賞の授賞式に関する河東先生の記録で, 「普段は半袖短パンのJonesがさすがにそれではまずいと思ったのか, 授賞式のときは(半袖短パンで)ネクタイをつけていた」 というのがあった気がする. これ, 私が見たときは河東先生のホームページに置いてあった記録なので, 興味がある人は探してみてほしい. そして私に教えてほしい.
#数学続き。フレンケルさんが直接関わっているタイプの「ラングランズ双対性」の雰囲気にできるだけはやく近付きたい人は別の人達が書いた論文 https://t.co/4qeGgfRi1kを参照するのがよいと思う。(今ならもっと良い文献があると思いますが知らない。) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。その論文を読むために必要な予備知識は2次元量子共形場理論の周辺の数学です。個人的に山田泰彦さんの『共形場理論入門』 https://t.co/FqBH18dpzU が世界最高の教科書だと思うのですが、絶賛品切れ中で古本に24470円の値段がついている!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。培風館さん、お願いします!!! 山田泰彦さんの著書『共形場理論入門』を出して下さい。昨晩エドワード・フレンケルさんの講義がNHKで放送されたのですが、そのフレンケルさんの数学を理解するためにはその本の知識が必要です。古本で2万円超えはつらすぎ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。 https://t.co/4qeGgfRi1kを読めば、ルート系に付随する自由ボソン場を用いたW代数の実現を考えると、あるパラメーター(その論文ではa)の逆数を考える操作がルート系のラングランズ双対を考える操作と一致しているということがわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。しかもそのようなラングランズ双対性が成立する理由は、「スクリーニング作用素があるパラメーターに対応するものとその逆数に対応するものの対で現れる」という単純な事実と「どちらを使っても同じW代数」(Virの表現論!)が得られるという事実にあることもわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
頂点作用素代数の話が(も)書いてあった気がするが, 頂点作用素代数は作用素環での代数的場の量子論とも深い関係があり, 上記の河東泰之先生 (私の指導教官) も研究している. 時々「頂点作用素代数の研究集会に行きましたが, 作用素環の研究者は私だけでした」 みたいなことも言っている.
共形場とその周辺は数学だとホットな話題で Fields 賞も割とよく出ている魔界. Borcherds はまさに頂点作用素代数関係で仕事をしているし, 代数幾何まわりでもいろいろな話題があると聞いている. Wernerも確率論と共形場という話題で重要な仕事があり, それも含めてFields賞を取っている.
頂点作用素代数は恐ろしく複雑な公理を持つ代数系で, 勉強・研究するうちに勝手に覚えるのだろうが激烈うんざりする.
もちろん共形場は物理の方でも大事(らしい). 超弦理論でのAdS/CFTとかある(名前しか知らない)し, 相転移でもIsingからの接続とかいろいろある. 超弦理論の物理がまだいろいろ議論があるとかそういうのはいったん置いておく. そもそも全く知らないので触れようがない.
#数学続き。フレンケルさんの講義は一般向けなのでこういうナマの複雑な数学の話は出て来ないと思います。あと物理寄りではなく、数論や群論寄りの話から出発していると思います。そして、全然違うように見えていても「同じ話だ」と言い切ることがフレンケルさんの講義の目標なのだと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。NHKの番組紹介ページ NHK 数学ミステリー白熱教室 https://t.co/620wq55q3W
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。フェルマーの最終定理のような数論の話とスーパーストリングのような理論物理の数学の話が繋がる理由を理解するためには、鋭い高校生ならすでに気付いているはずの次の事実に注意するとよいと思う。 数と函数に同じ形容詞が使われている。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。たとえば、 有理数 -2/3 ←→ 有理函数 (x-1)/(x^2+1) 無理数 √30 ←→ 無理数 √(x^3+x+1) 超越数 π ←→ 超越函数 sin x などなど。数の世界と函数の世界はとても似ているのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学訂正。 https://t.co/8h1nYi5KEXの2つめの「無理数」は「無理函数」が正しい。訂正後: 有理数 -2/3 ←→ 有理函数 (x-1)/(x^2+1) 無理数 √30 ←→ 無理函数 √(x^3+x+1) 超越数 π ←→ 超越函数 sin x
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。数論はもちろん数側の理論です。理論物理の話は函数側の理論だとみなせます。それらの世界のあいだに類似があるなら、数論と理論物理のあいだにも類似があるということになります。このように見れば、数論と理論物理の話が繋がるのは不思議ではありません。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
ここの話とはあまり関係がないが, 場の理論から数論の中心的なテーマの一つ, Riemannの$\zeta$を導出していろいろ調べるという話がある. 北大の新井朝雄先生の次の論文はとても読みやすい.
読みやすいとは言っても無限次元Hilbert空間のテンソル積からなる 無限直和とその上の第二量子化作用素とかそういう数学に耐えられる必要はある. 収束とかその辺はあまり気にしなくてもいいのだが, こういうのを見て「ウッ」と思うようだとかなりつらい. 要望があるようならYouTubeに動画でも出そうとは思っている. 優先順位の問題があるのでずっと上がってこなかったのだが, 要望があるならもちろん優先度をあげていく.
#数学続き。19世紀の段階では以上の「数」と「函数」の類似性は明瞭に意識されていたと言って良いでしょう。20世紀に入ってそれらの中間的な世界とみなせる「有限体上の幾何」も活発に研究されるようになりました。所謂「ヴェイユのロゼッタストーン」。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「ヴェイユのロゼッタストーン」のヴェイユさんはアンドレ・ヴェイユさんでフランス出身の20世紀の大数学者です。世間的には妹の哲学者シモーヌ・ヴェイユさんの方が有名かもしれません。自伝がおすすめ→ https://t.co/w1flvoXhKp
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。アンドレ・ヴェイユさんの写真→ https://t.co/DU5KRdtUHq 上から二段目の左側の写真は子供のときのお兄ちゃんアンドレと妹ちゃんシモーヌです。かわいいです。しかし、アンドレ・ヴェイユさんの自伝を読むとこの時点でおそらくこの二人はすでに神童。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。『アンドレ・ヴェイユ自伝』にはお兄さんのアンドレさんがブルバキの若い数学者達の集まりに妹のシモーヌさんを連れて行った(もしくは妹がついて行った)ときの写真が掲載されています(1937)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。写真に写っているのは、シモーヌ・ヴェイユ、アンドレ・ヴェイユ、J.デュドネ、C.エーレスマン、J.デルサルト、C.シャポーティ、H.カルタン、S.マンデルブロー、S.シュバレー。数学を知っていれば結構びびるメンバー。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「ヴェイユのロゼッタストーン」の話もお兄さんのアンドレ・ヴェイユさんから妹のシモーヌ・ヴェイユさんへの有名な手紙(1940)の中に書かれています。その手紙の英訳→ https://t.co/lQ2HIHorVN
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。全然数学に興味がない人であっても、「戦争はろくでもない」とか「人種差別はろくでもない」というようなことに興味があるなら、『アンドレ・ヴェイユ自伝』やE.フレンケル著『数学の大統一に挑む』を読む価値があると思います。理由は読んでみればわかる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
全く関係ないが, 以前東大の数学科に論文だか教科書を読んでいてわからないことがあったとかでWeilに電話した人がいると聞いた. それも(確か)大学院くらいのときの話と聞いた気がする. 時代もあるので手紙やメールならわかるが, 電話とかパンチ力高い.
#数学数学者も各国の政策失敗や混乱に翻弄されながらも楽しいことを見付けながら暮らして行こうとしている自分と同じような普通の人たちであるということ、その「普通の人たち」がどれだけ親しみを持って数学的概念を扱っているかを知ってもらえたらいいなと思いました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学本当に親しみを持てればその世界の統一性も自然に見えて来ると思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
この辺で有名な話だと, やはり徴税人をしていたからという理由で フランス革命でギロチンで処刑された話題がある. 最近嫌な方向で話題に挙がることも多い La Marseillaise をも想起する.
#数学続き。フレンケルさんが解説しようとしている数学の世界における数論側での21世紀の発展として、Sato-Tate予想の解決が重要なのですが、どのようにしてその予想が出て来たかについては難波莞爾さんによる詳しい解説(非常に面白い)があります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。『佐藤幹夫の数学』に掲載されているものよりも https://t.co/o5VXAhQqWuの方が色々面白いです。佐藤幹夫さんは難波完爾さんにコンピューターで計算してもらっているのですが、「難波完二様」と書かれた葉書のスキャン結果も掲載されています(笑)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。集合論の本では西村・難波共著の https://t.co/ZGXu3RgagZが個人的に好きです。その解説のスタイルが好き。数学全体に統一的感覚が通用することを著者達が読者に伝えようとしていることがよくわかる。分野を分断するようなスタイルは好きじゃない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
少し話がずれるが, von Neumannが有名な『量子力学の数学的基礎』で, わざわざ$\delta$関数は関数として存在しないことを示した (いま早稲田の小澤徹先生が言っていた) という話を聞いた. (その当時の)数学では異常にしか見えないところが物理では普通に出てくるところで, そこに切り込んでいくタイプの話, 超好きなのでそういうのがやりたい.
あとWeilに関しても, 相対論的場の量子論での表現論で, 数学的に難し過ぎてWeilですら太刀打ちできなかったところを 物理でどうしても必要だからということで Wignerが先鞭をつけDiracがさらに切り開いた Lorenz群の無限次元ユニタリ表現とかの話も凄く好き. これについては平井武先生の『線形代数と群の表現 II』P.453-454 とかを読んでみよう.
こういう真っ当な数学者が近寄ってくれなくて, 業を煮やした物理学者が自分達で何とかしたみたいな話がすごく好き. 出てくる名前がNobel賞, Fields賞クラスなので, 爆笑するが, かといって夢は夢だし小さくても自分でも何かしたいし, 大人のそういう姿を子供達にも見せたいとずっと思っている. (正しい)努力をやめてはいけない.
#数学続き。適当に思い付いたことを脈絡もなく書いています。「数の世界」「有限体上の幾何の世界」「函数の世界」と言う言い方で数学における「ロゼッタストーン」の話をしたのですが、それぞれの世界に得手不得手があります。しかし、一般に極端に難しいのが「数の世界」。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「数の世界」における元来のリーマン予想(素数がどれくらいあるかに関する精密な予想)はまだ証明されていません。証明すると100万ドルもらえるらしいのですが、人間の一生の値段としては安すぎると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「有限体上の曲線」に関するリーマン予想(の類似)はヴェイユさんによって一般的に証明されました。曲線の場合に限らない「有限体上の幾何」一般の場合に関するヴェイユ予想はグロタンディークとドゥリーニュによって解決されました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「複素数体上の幾何」(函数の世界)におけるヴェイユ予想の類似(のリーマン予想に対応する部分)もきちんと定式化されており、「解けている」と言えます(齋藤盛彦さんの混合ホッジ加群の理論)。それはD加群の代数解析の発展形です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。リーマン予想が解けていないのは元来の数の世界における予想の部分だと言えます。続くがずっと後になる予定
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「フェルマーの最終定理」=「フェルマーの定理」=「ワイルス・テイラーの定理」とは「nが3以上の整数のとき(X,Y)に関する方程式X^n+Y^n=1の有理数解は自明なものしか存在しない。ここで自明な解とはXまたはYが0になるような解のことである」という結果。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。フェルマー予想そのものの証明は大変なのですが、その函数版の証明は易しいです。abc予想の多項式版は「多項式は微分できる」ということを使えば容易に証明でき、フェルマー予想の多項式版をそこから導くことができます。詳しくは→ https://t.co/rO6Af9krDF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。多項式版フェルマー予想はトポロジーを使った証明もできます。「g≧1のとき、2次元球面によってg人乗りの浮き輪型の曲面を分岐被覆できない」という直観的に明らかに感じられる位相幾何学の結果を使えば次のツイートで説明する複素多項式版のフェルマー予想を証明できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
トポロジーも数論に負けず劣らずいろいろな数学が交錯する分野という印象がある. 非線型偏微分方程式までぶっこめるとか尋常ではない. 微分幾何関係であるのはそれは普通だろうが, 位相的な性質まで微分方程式で議論するとか無茶にもほどがあると思っている.
#数学続き。複素多項式版フェルマー予想(容易に証明可能)とは「nが3以上の整数のとき(X,Y)に関する方程式X^n+Y^n=1の複素有理函数解は自明なものしか存在しない。ここで自明な解とはXとYが定数になるような解のことである」という結果。位相幾何的には直観的に自明に近い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学数の世界と違って函数の世界では微分やら位相幾何やら使える道具が豊富なので多くの問題が易しくなります。しかし、数の世界にもよい点があって、「函数全体に渡る"積分"」(Feyman積分)にあたるものが数の世界では「数全体に渡る積分」(普通の積分)として自由にできます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
全くお勧めしないが, 数学的に何とかなっているFeynman積分(経路積分, 汎関数積分)については, 例えばLörinczi-Hiroshima-Betzの『Feynman-Kac-Type Theorems and Gibbs Measures on Path Space: With Applications to Rigorous Quantum Field Theory』とか新井-江沢の『場の量子論と統計力学』あたりがある.
前者は非相対論的場の量子論に関する割と最近の発展までをカバーしている. 後者はちょっと古いが相対論的場の量子論レベルの話をカバーしている. ここで関係のある超弦理論レベルの話には全く追いついていなくて, その意味では使いものにならない. 両方とも私より数学ができるなら読めるだろう.
上の本で厳しいがもう少し簡単なところを数学的に厳密に見てみたいという 奇特な方は新井朝雄先生の『量子数理物理学における汎関数積分法』を勧めておく. これなら私と同程度にしか数学ができなくても読める.
#数学「有限体上の函数」の世界ではリーマン予想の類似が簡単に証明できる場合があります。素数がどれだけたくさんあるかに関するリーマン予想は解けていないのですが、有限体上の1変数既約多項式がどれだけたくさんあるかに関するリーマン予想の類似は簡単に証明できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。有限体上の1変数既約多項式がどれくらいあるかに関するリーマン予想の類似の証明を学生に紹介するために書いたノートを次の場所に置いてあります→ https://t.co/2cTV2gGPsi
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学元来のリーマン予想についてパソコンを使って遊んでみたい人は→ https://t.co/5HlGRU3OTF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/2AQ5FI4wQD 数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 第1回 11月13日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/620wq55q3W 全体的に「対称性」の話を強調している感じになるのかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学おすすめの本。ぼくは学生時代から次の本の大ファン。 https://t.co/sSganP0I5L ガロアの夢―群論と微分方程式 久賀道郎 面白おかしく数学的本質が分かり易く書かれているすんごい本。大学1年生でも十分に読めるように書かれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
何かいかにも後が続きそうだが, あったらあとで追加する.
2015-11-21 『NHK数学ミステリー白熱教室 ラングランズプログラムへの招待 第2回 数の世界に隠された美しさ ~数論の対称性~』に関する東北大助教 黒木玄さんのコメントツイートまとめその 2 Galois 理論¶
やはりまだ番組を見られていないが, とりあえず黒木さんのツイートまとめ.
この辺YouTubeに補講的な動画とか上げるの需要あるだろうかとふと思う.
#数学昨晩放送された第2回目の数学ミステリー白熱教室はn次方程式のガロア理論に関する結構素直な解説だったみたいですね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学おとといのE.フレン系さんの白熱教室では algebraic number field についても説明したようですね。数学用語としての field は体と訳されるのですが、フレンケルさんの講義については片仮名英語でフィールドと訳した方が〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き〜ニュアンスが伝わりやすい感じもしました。number field を数体と訳すのではなく、「数のフィールド」と訳せば、「数たちが集う場所」のような意味として数学的定義を知らない人達にも伝わるかなと思いました。以下、そういうやり方で説明。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学フレンケルさんは有理数たちが集うフィールドに√2を付け加えて新たな数のフィールドが作られるという話をしていました。これは中学生でも本質的に知っていることです。α=√2を有理数のフィールドに付け加えても、加減乗除が自由にできる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学しかも、中学生であっても、√2を含む加減乗除の計算で√2を-√2で置き換えても同じ計算が成立することに気付いてしまう人は多いと思う。ガロアさんもきっとそうだったのでしょう。 眠いので続きは後で
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。たとえば、 1/(1+√2)=-1+√2 の両辺の√2を-√2で置き換えて得られる等式も成立しています。有理数フィールドに√2を付け加えてできるフィールドは√2を-√2で置き換える対称性を持っているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。一般に、a_iたちがフィールドKの数であるとき、方程式x^n+a_1 x^{n-1}+…+a_1 x+a_0=0のすべての解をKに付け加えてできるフィールドLのK上でのすべての対称性の集合をその方程式のガロア群と呼びます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。一般に二次方程式は判別式Dの平方根√Dを-√Dに置き換える対称性を持っています。三次方程式x^3+q+px=0の場合はどうなるでしょうか?q=y^3+z^3, p=-3yzと置くと高校1年の最初に習う見たことのある式が出て来ます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学最近 #掛算や #輪環で話題になった x^3+y^3+z^3-3xyz が出て来ます!それが(x+y+z)(x+ωy+ω^2z)(x+ω^2y+ωz)、ω=(-1+i√3)/2と因数分解されることを使えば、三次方程式の解の公式も得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。高1の最初で習う特別な三次式の因数分解の公式は実は三次式方程式の解の公式を作るためにもろに役に立つ公式だったわけです。こういうことはガロア理論入門では定番のネタになっており、数学的教養のひとつだと言ってよいと思います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。三次方程式の解の公式を書き下すよりも、x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x+ωy+ω^2z)(x+ω^2y+ωz)、ω^2+ω+1=0という綺麗な因数分解の公式をそのまま使った方が対称性がよく見えます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。因数分解の公式の両辺は文字x,y,zを入れ替える操作で不変です。たとえばyとzを交換する互換と、x→y→z→xという巡回置換をしても変化しません。後者の巡回置換を右辺で見れば(y,z)→(ωy,ω^2z)という対称性がみえます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。この結果から、一般の三次方程式のガロア群が「3つの文字の置換全体の集合」=「3次の置換群」になっていることと、その具体的作用がどうなっているかがわかります。高1で習う因数分解の公式はこれだけのパワーを持っているわけ!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。約200年前のパリに住んでいたガロア少年は方程式を解くことと方程式の対称性のあいだに深い関係があることを見抜きました。対称性の観点から方程式の構造を記述するというガロア少年のアイデアはその後の数学と物理学を完全に塗り替えることになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。x^3+y^3+z^3-3xyz=x^3+px+qの左辺の因数分解とy^3,z^3をp,qから二次方程式を解くことによって求められることを使えば一般の三次方程式の解の公式が得られる。別の因数分解の公式を使えば四次方程式も解ける!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学四次方程式を解くためには(x+y+z+w)(x+y-z-w)(x-y+z-w)(x-y-z+w)=x^4+px^2+qx+rを使うのが便利。左辺は文字x,y,z,wの置換で不変なので、p,q,rはy,z,wの文字y,z,wの置換で不変な多項式。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki続き。y^2,z^2,w^2をp,q,rから求める方程式は三次方程式になります。三次方程式の解き方はすでにわかっているので、四次方程式の解き方もわかるわけです。以上の議論から四次方程式の解の世界の対称性もよく見えます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学続き。四次方程式の4つの解は三次方程式と平方根を用いて求められたy,z,wでα=-y-z-w, β=-y+z+w, γ=y-z+w, δ=y+z-wと表されます。これらはy,z,wのうち2つを-1倍する対称性とy,z,wの置換の対称性を持ちます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学続き。それらの対称性を全部合わせると4つの解のすべての置換を実現できる。これで一般の四次方程式の対称性が4次の置換群になることと、その作用の具体的な様子もわかりました!本質的にすべて高校1年レベルの話です。計算ですべてを確認できる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#掛算一般のn次方程式にはn個の解を自由に置換するn次の置換群の対称性を持つのですが、3次と4次の場合には特別なことが起こっていることが、以上の高校1年生レベルの計算からわかります。その特別なことのおかげで方程式が解けてしまったわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#掛算一般の三次方程式の3つの解はα=-y-z, β=-ωy-ω^2z, γ=-ω^2y-ωzと書けて(ω^2+ω+1=0)、解達の置換対称性は、(y,z)→(ωy,ω^2z)で生成される位数3の巡回群の対称性とyとzを交換する対称性に分解されている!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学すでに解説したように、一般の四次方程式の場合には、4つの解の置換対称性は、3つの文字のうち2つを-1倍する対称性と3つの文字の置換対称性(さらにそれは2つのものの交換対称性と位数3の巡回群の対称性に分解される)に分解されるのでした!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。まとめると、一般の4次方程式の4つの解の置換対称性は「3つの文字のうち2つを-1倍する対称性」「2つのモノの交換対称性」「位数3の巡回群」の3種類の対称性に分解されます。これらの対称性は群の言葉で言えばどれも可換群(アーベル群)になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。平方根と立方根を含むべき根を取る操作によって数のフィールドを拡大する場合の対称性はアーベル群になります。だから、べき根を取る操作と四則演算だけで解ける方程式の対称性はアーベル群の積み重ねに分解されることがわかります(この辺は総合的には大学3年レベルの話)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。n次方程式がべき根と加減乗除だけで解けるための必要十分条件はその方程式の対称性(ガロア群)がアーベル群の積み重ねになっていること(可解群)になっています。4次以下の方程式は実際にそうなっているので(これは高1レベル)、べき根と加減乗除だけで解けるわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。4次以下までは特別に良いこと(4次以下の置換群がアーベル群の積み重ねになっていること)があるので方程式が解けた。しかし、一般の5次以上の方程式ではそういうことが起こらない(5次以上の交代群は単純群)ので、べき根と加減乗除だけで方程式が解けないことがわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。以上は11/20(金)に放送されたE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室への補足。フレンケルさんが説明を省略していた部分を埋めたつもり。方程式の対称性が、アーベル群の積み重ねになっているか、そうなっていないかで、べき根と加減乗除で解けるかどうかが決まります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。数学の話はお話を聞いただけでピンと来ることはほとんどないと思います。最低でも高校1年レベルの計算をある程度やっておかないと、フレンケルさんが何を言いたいかは理解できないと思いました。数学ネタを一般向けに話すときには色々つらいところがあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。4次方程式の計算よりも、3次方程式の計算の方がやさしいので、まずそちらをやっておくべきだと思います。高校1年の最初の頃に習うx^3+y^3+z^3-3xyzの因数分解の公式を使えば一般の3次方程式の解の公式を作れます。返答連鎖をたどれば解説がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学YouTubeでここ1週間の「数学ミステリー白熱教室」を検索→ https://t.co/SpIDZNPAgJ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。本当に面白くて深いのは、一つひとつの方程式を別々に考えるのではなく、「与えられた数体上のすべての代数方程式全体の世界がどうなっているか?」を考えること。数と函数(もしくは幾何)との類似によって「コンパクト・リーマン面の分岐被覆全体の世界はどうなっているか?」を~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続~考えることができます。(コンパクト)リーマン面の(分岐)被覆は位相幾何(トポロジー)の話になるのですが、位相幾何的な被覆の理論は代数函数体(リーマン面上の有理型函数全体のなす体)の拡大の理論と同値になります。この場合には「位相幾何=代数」となる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。たとえば、最近みんな知っているような感じになっている楕円曲線は y^2=(xの3次または4次式) という方程式で定義される曲線のことです。複素数の範囲内でグラフを描けば実2次元の曲面になり、非自明なリーマン面の最も易しい場合にもなっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。一般にy^2=(xの多項式)という方程式で定義される複素曲線(Riemann面)は楕円曲線の一般化なので超楕円曲線と呼ばれています。y^2=f(x)をyに関して解くy=±√f(x)になり、√f(x)と-√f(x)を交換する対称性があるということになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。超楕円曲線という名の曲面は見た目の形的にも「√f(x)と-√f(x)を交換する対称性」に対応する対称性を持っていることになります。図を描けるが面倒なので描かない。こういう感じで、数に関する方程式論の直観を曲面の幾何の直観に置き換えることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。曲面の位相幾何の立場でガロア理論を理解しておくことは、2次元量子共形場理論とラングランズ・プログラムの関係を理解するためには必須。そういうことを学びたければ久賀道郎著『ガロアの夢』という名著がおすすめ。 https://t.co/sSganP0I5L
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学y^2=105 と y^2=x(x-1)(x-2) は似ています。前者は簡単な二次方程式の話ですが、後者は楕円曲線(曲面の幾何)の話になります。この二つは明らかに似ています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
2015-11-26 『NHK数学ミステリー白熱教室 ラングランズプログラムへの招待 第2回 数の世界に隠された美しさ ~数論の対称性~』に関する東北大助教 黒木玄さんの数学的に突っ込んだコメントツイートまとめ+私のコメント¶
第二回どころか第一回もまだ見ていないが, 黒木さんのツイートがあったので, 数学者サイドからの数学的面白さへのコメントとしてまとめておく. 文献もいろいろ紹介されているので興味がある人はぜひアタックしてほしい.
まるで畑違いなので答えられることは絶望的に少ないだろうが, 何か疑問があれば私で答えられることは答えていきたいとも思う.
#数学https://t.co/2AQ5FI4wQD 数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 第1回 11月13日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/620wq55q3W 全体的に「対称性」の話を強調している感じになるのかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学おすすめの本。ぼくは学生時代から次の本の大ファン。 https://t.co/sSganP0I5L ガロアの夢―群論と微分方程式 久賀道郎 面白おかしく数学的本質が分かり易く書かれているすんごい本。大学1年生でも十分に読めるように書かれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
この本, 有名だが読んだことがない.
#掛算https://t.co/620wq55q3W NHK 数学ミステリー白熱教室 第2回目 今晩午後11時からEテレで 第1回目→ https://t.co/tIZf7Rl6Me
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算https://t.co/ihDulGHVMx【数学界の“天才ハッカー”とも呼べるガロアの驚異のアイデアを紹介していく。】 数学界の“天才ハッカー”!!!(^_^;) ガロアさんのアイデアは画期的だったよね。その後の数学と物理学を支配する基本アイデアの一つになった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算ラングランズ・プログラムについて一般大衆に分かり易く説明することは正直「むりげー」だと思う。フレンケルさん、一体どうするつもりなんだろうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算E.フレンケルさんの数学的仕事を理解するためには2次元量子共形場理論の数学の知識が必須。世界的に見ても最高の教科書である山田泰彦著『共形場理論入門』が絶賛品切れ中(古本で24466円!)。培風館さん、品切れを何とかして! https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
いろいろなしがらみで難しいっぽい感じもするが, PDFでの販売とかできないのだろうか. 印刷だとか取次だとか流通の分を考えなくてもいいから, その辺のコストは切れると思うのだが, 素人の浅慮は当然あるだろう.
サイエンス社が別冊数理科学でPDF販売しているし, できないことはないと思っている.
#掛算←このタグ付けは誤り。正しくは→ #数学 面倒なので修正しません。ごめんなさい。指が勝手に。 個人的におもしろおかしく複数の分野をまたぐ形でガロア理論を勉強したいなら久賀さんの有名な名著がおすすめ。 https://t.co/sSganP0I5L
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算#数学ラングランズ・プログラムの進展によってどのように不思議な数学的結果が証明されるかについてはSato-Tate予想=佐藤sin^2予想について調べるとよい。佐藤幹夫さんのもとで計算機で計算したのが難波完爾さん。 https://t.co/o5VXAhQqWu
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
この話, 『佐藤幹夫の数学』にも載っている.
#掛算#数学数学ミステリー白熱教室関係の連続ツイートは以下の2つのリンク先でまとめて読める。 https://t.co/0dQ1UQYll2 https://t.co/xP4CulVwLF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学どうしてこの件で山田泰彦さんの『共形場理論入門』 https://t.co/KPfnnyP5nzを絶賛しているかについて、数学的にテクニカルな話をします。山田泰彦さんのこの本は数学的内容の圧縮率が高く、しかも細部の定式化や構成に独自の工夫が多数盛り込まれています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんの共著の有名な仕事に任意の単純リー環に関する脇本表現の構成があって、ラングランズ双対性の証明にも本質的に使われています。フレンケルさんたちの脇本表現の構成ではリー環のある種のコホモロジーの計算が必須なのですが、~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き~、山田泰彦さんの本では単なる計算だけで構成できることが示されています。リー代数のコホモロジーの計算を使う方法を共形場理論における常套手段である遮蔽カレント(screening current)を用いた計算で置き換える方法が書いてある(p.157)。クリアです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
具体的な内容わからないのでアレだが, コホモロジーの(面倒そうな)計算を楽な方法に叩き落とせるの凄そう.
#数学続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんは一般の単純Lie環に対してW代数を定義して、そのラングランズ双対性を示しました。W代数は結果的に自由ボソン場の実現を持つことがわかり、そして、その実現も遮蔽カレントを用いた解釈が可能です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
自由boson場, 物理的にはほとんど何も起こらないからあまり面白そうに感じないが共形場まわりの数学だと何か面白いことがあるのだろう.
上のように書くとアレなので補足しておくと, (非相対論的)統計力学では自由bosonでのBose-Einstein凝縮(BEC)があるので, その範囲ではめちゃくちゃ面白い. 相対論的bosonを議論するときのBECというのを聞いたことがないが, 統計力学の文脈でこういう話しないのだろうか. 今回の話と多分全く関係ないが, 専門に近い話なのでこういうところが自然と気になる.
#数学そして、自由ボソン場で書かれた遮蔽カレントが、あるパラメーターκについて、κとその逆数に対応するものがペアになって現われ、どちらを使っても同じW代数が得られることをVirasoro代数の表現論を使って証明できます。κとその逆数の関係がラングランズ双対性になっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学そういう事情になっているので、E.フレンケルさんたちのW代数のラングランズ双対性の仕事を理解するための近道は遮蔽カレントの使い方を習得することだということになるわけです。山田泰彦さんの本ではちょうどそういうことを説明してくれています。品切れなのでとても残念です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学自由ボソン場ですでに実現されているW代数のラングランズ双対性については→ https://t.co/4qeGgfRi1k
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学ラングランズ・プログラムおよびその幾何学版(D加群版)との関連に関する文献については→ https://t.co/t3jUziIewU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
解析数論と場の量子論関係に関して去年のRIMSの構成的場の量子論の会議の休憩中にも少し話題が出たが, 自由bosonでこれだけ面白いことがあるなら 相互作用がついたときにはどうなのだろう, という問題がある. 共形場まわりの相対論界隈ではどういう話があるのだろうか. 少なくとも物理の人が自由bosonで満足するとは思えない.
#数学W代数に付随する共形場理論はRiemann面上の線形常微分方程式論の量子化だと考えてよい。W代数には2つの古典極限の取り方がある。κ→0と1/κ→0の2種類。パラメーターκの逆数を取る操作でW代数のラングランズ双対性が得られ、その古典極限でも双対性が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き。古典極限での双対性を使うと、Riemann面X上のG主束のモジュライ空間上のある種のD加群(保型形式の類似物)とX上のD加群(線形常微分方程式)が得られます。この対応が期待されるラングランズ対応になっていると考えられているわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学Riemann面の場合のラングランズ双対性にきちんと数学的証明がつけられているかどうかは知らない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
@genkuroki最近は、Gaitsgory の周辺の人たちの活躍が目立つように思います。 https://t.co/jzsbxL4dxo私個人的には、技術的に新しいことを勉強してついていく時間がないので、かなり遠い印象です。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
@genkuroki遠くから眺めている印象ですが、圏論的なGLの定式化のためには、G^\vee平坦束のモジュライ空間上の連接層の導来圏を「正しく」定義することが必要で、そのために技術的な準備に時間がかかっているようです。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
全然関係ないが, 連接層に関しては日本人数学者の岡潔の大きな業績がある. そもそも定義して使い込んで, 多変数関数論の大きな問題を解決したというレベルの根本的な業績だ. 読みたいと思って細部まで読み切れていない, 野口先生の本『多変数解析関数論 学部生へおくる岡の連接定理』がある. ハードなところまできっちり解説されていつつ, 複素多様体の話もところどころで盛り込まれていて, 学部生が読めば好奇心をかきたてられるだろう.
2015-12-06 『NHK数学ミステリー白熱教室 ラングランズプログラムへの招待』黒木玄さんのツイートを主に適当にまとめ¶
いまだに番組見られていない. あとさぼっていたらもうどれがどれやらよくわからないので 適当にまとめる. 数学的には専門から遠過ぎてよくわからない・知らない話題も多いので, 私自身勉強になるから.
まず一番気になっているところといえばこの辺.
数学ミステリー白熱教室、理解は出来ないけど面白いから見ちゃう
— カサ (@achromJP) 2015, 12月 4
最近この時間に帰って数学ミステリー見るのがお決まりになってる。見たところでなにをゆーとるんかまるでわからんけどなんかすごい
— たたたっちゃん (@K2Allian) 2015, 12月 4
Eテレの数学ミステリー白熱教室だかいうやつ、何言ってるのかさっぱり分からなくて楽しい
— たゆり (@39_yura) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室を観ているんだけど、スゲェ難しいけど大学の授業よりクソwktkなのは確か
— いっちー@14716270/V穴難! (@BEMANIST2000) 2015, 12月 4
Eテレの「数学ミステリー白熱教室」を観て童心に帰っている。純粋なものに触れると心が洗われるのだな。 #NHK
— S. Yoshi (@Yoshi_720) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室の数学者がイケメン過ぎて内容が入ってこない(’-’)カリフォルニア大学のエドワード・フレンケル教授だそうですよ。
— サイチョモチ (@Saimochi) 2015, 12月 4
Eテレ「数学ミステリー白熱教室」全4回は、ミステリーと謳っているけれど語られる内容はほぼSFの領域に突入する素晴らしさ。数式は限りなく少ないのでちょい首ひねるところもあるけれど、そんなの誤差レベルの凄さだった。 https://t.co/g8kzQUHNt2
— 最上直美 MOGAMI Naomi (@mgmnom) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、毎週すごく楽しみにしてただけに終わってしまうのが寂しい。学生の頃から数学苦手だったけどこういう講義ならいくらでも受けたいって思える
— ます (@mass137) 2015, 12月 4
全体を通して。フレンケル教授の話は「みんなが納得良くわかりました」って話じゃない。講演の中で出てきた断片や話者の情熱から「想像力を掻き立てられて」自分で勉強してみたくなるタイプの話なんだと思っている。そういう意味で、素晴らしい講演だったし、今めっちゃ勉強したくなっている。
— tsujimotter (@tsujimotter) 2015, 12月 4
@genkuroki#数学続き。せっかく、数学研究の最先端がテレビで4回シリーズで紹介されるのに、「わからない。だからつまらない」という感想が大量に出て来ることを恐れた。それは杞憂だった。わからないことの面白さをフレンケルさんと共有して楽しんだという感想が大量に出て来た!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういうことを言うと再放送を要求する人が減ってしまうかもしれないのですが、フレンケルさんのような話を聞くことに適正があるのは、「わからないこと」に耐性を持っているだけではなく、「わからないこと」を楽しめる人達の方だと思う。「わからなさ」を楽しめた人は勝ち組!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
私もニコニコで大概無茶苦茶な動画を作っているが, かなり研究界隈の人々とはいえ 非数学・物理の系の人でも学部どころか院レベルの内容を 楽しんでくれているっぽいし, 子供の頃そういうのに触れたくて仕方なかった過去もある.
こういうのを私ももっとやりたい.
あぁ今日白熱教室か。フレンケルかっこいいって人、やっぱりいた(笑) 毎回面白い。そもそもラングランズプログラムが圧倒的に興味を惹く。数学史を絡める数学講義は増えているかも。(前からあったかもしれない。) そして毎回、数学を芸術として突き付けられる。美術館での衝撃の感覚と同じだ。
— 16年 (@__pknt) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱白熱教室録画して見てるけどエドワードフレンケル教授がマイケルJフォックスそっくりのイケメンで内容が頭に入ってこないにゃー pic.twitter.com/TSFJTQ2QEN
— ロマ猫ンティ (@Rika1966) 2015, 12月 4
イケメンとかアートとしての数学とか, そういうのも大事だなと思うが, どうしようというところ.
あとメモ. - http://sci.tea-nifty.com/blog/2015/11/nhk-1127-41d4.html
以前のと被っているツイートもあるかもしれないし, 漏れもあるかもしれないがもう気にせずガンガンやる.
#数学(η(q)η(q^{11}))^2には楕円曲線y^2+y=x^3-x^2が対応していた。 https://t.co/o5VXAhQqWuによれば(η(q)η(q^5))^2にはy^2=x(x^2+x+1)が対応するらしいのでそちらも確認してみると面白いと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学注意:以上の話はわざと細かいところを雑に説明している部分があるので注意すること。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学フレンケルさんが例に使ったのと同じ楕円曲線y^2+y=x^3-x^2を例に用いたSato-Tate予想に関する解説が、黒川信重「佐藤-テイト予想の歴史」数学のたのしみ2008最終号pp.23-34にあります。 https://t.co/vAMO7TCaF2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学Sato-Tate予想について例で説明します。素数位数pの有限体をF_pと書きます。フレンケルさんは楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2のF_pでの解(x,y)全体の個数をS(p)と書いていました。各素数pごとにS(p)をコンピューターで求めることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続く。アイヒラーさんの証明によって、a_p=p-S(p)は保型形式(η(q)η(q^{11}))^2の展開のq^pの係数としても計算できるのでした(コンピューターで計算するときにはこちらの方法を使った方が圧倒的に楽)。続く。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。おおざっぱには、楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2のF_pでの解全体の個数は「p個±誤差」になっていると考えられます。なぜならば、F_pの元の組(x,y)全体の個数はp^2個あり、方程式が1本あるので点の個数は大体1/pに減るはずだからだ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。実際には方程式が非線形で複雑なので、ぴったり1/pにはならず、期待値からのずれが生じる。だからa_pの絶対値は|a_p|=|p-S(p)|=(予想される解の個数の期待値と実際の解の個数の違い)=(期待値からのずれ)と解釈されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。解の個数の期待値からのずれ|a_p|はハッセによって |a_p|<2√p を満たすことが知られています。期待値からのずれに平方根が出て来ることはギャンブル(統計学)をやっている人にはお馴染みの現象なのですが、ヴェイユさんがどこかでそういうことを言っていたと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。不等式 |a_p|<2√p は後にヴェイユさんによって一般化され、有限体上の任意の多様体でも同様のことが成立していると予想されました。これは有名なリーマン予想の有限体上の多様体バージョンになっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。a_p の分布については不等式 |a_p|<2√p 以上のことが知られています。それが次のSato-Tate sin^2予想です:a_p=2√p cos θ (0<θ<π)と書くとき、素数pの個数を増やすときθの分布関数は(sin θ)^2の定数倍に収束する。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。ただし、楕円曲線が特別な対称性を持たない(虚数乗法を持たない)と仮定しておかなければいけません(その仮定が成立しない楕円曲線は例外的)。楕円曲線の有限体F_pでの点の個数の期待値からのずれの分布函数が分かるというのは実は数学的に極めて深い結果。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。もしかしたら、コンピューターが得意なアマチュア数学者が新しくて深い数論的予想を発見するというようなことがこれからあるかもしれませんね。数学に詳しい人が増えれば、コンピューターが身近になっているのできっとそういうことが起こると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室関連の私のツイートは https://t.co/ghXnSPMjU6でまとめて読めます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学https://t.co/ghXnSPuIvw 自分の手を動かしたり、コンピューターをぶんまわしたりして、自力で遊べるE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室関連の話題を集めたつもり。数学は話を聞くだけだと本当の所はよくわからず、何かを自分でやってみた方が楽しいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。言い忘れていましたが、佐藤・テイト予想もラングランズ哲学の範疇で証明されました。ラングランズ哲学的に佐藤・テイト予想はフェルマー予想よりも一段深い場所に位置付けられ、そこまで数学は進んだということです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。y^2+y=x^3-x^2のような「いつものあれ」を使えば、リーマン予想の有限体上での類似、佐藤・テイト予想、楕円曲線と保型形式の対応などなどに関する数値計算を誰でもできますね(コンピューターを使わないと大変だろうけど)。そういうブログ記事が現れると信じたい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。ブログの類で数式を見せるにはMathJaxが便利です。LaTeX方式で数式を「普通に」書けばそのままブラウザで数式が表示されるようになります。私が数年前に書いたMathJaxの解説→ https://t.co/A7AkPV52Zc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学「数学ミステリー白熱教室」をGoogleで動画検索 https://t.co/Cn95IBmc8c 反応を検索してチェックすると、講師のエドワード・フレンケルさんが大人気ですね。わからなくても面白いという反応も多い!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室 https://t.co/620wq4NPcoは4回中3回がすでに放送され、残り1回になってしまいましたね。来週の金曜日に放送されます。最終回にラングランズ・プログラムと理論物理の数学との関係について話すらしい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学ラングランズ・プログラムと理論物理の数学との関係の探求はE.フレンケルさんのガチ専門そのものなので、今まで以上に熱のこもった講義になることが期待されます。放送が終った第1~3回目を見逃した人であっても来週金曜日12/4の午後11時からの放送はチェックした方がいいかも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第1~3回の詳しい紹介を https://t.co/tQMrINd2EPに見付けた。内容を知りたい人は以下の検索も参照 https://t.co/BL7RgA6K3P https://t.co/OMK6xLLw6n
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学ラングランズ・プログラムのGL_1の場合(すなわち類対論)の話をしようと思ったのだが、大変そうなのでその一部分である平方剰余の相互法則の話をしようと思ったのだが、さらに話を簡単にして素数分の1の小数展開の話をする。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学用意して欲しいのは、必要な精度で小数を計算してくれるソフトです。たとえばMaximaは無料で使える数式処理ソフトで結構便利です。以下の作業を実際にやってみた人は算数レベルの計算で数の世界で不思議な現象が起こっていることを確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学 1. まず素数表を用意します 2. 次に7以上の素数pに対して1/pの小数展開を小数点以下第p桁目より少し先まで計算して表にします。 3. すべて循環小数になり、循環節の長さはp-1の約数になっていることもわかる。(フェルマーの小定理の応用) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学 4. 循環節の長さが偶数のとき、その前半と後半を足すと999…9になる。たとえば、1/7の循環節は142857で142+857=999となる。1/11の循環節は09で0+9=9となる。1/13の循環節は076923で076+923=999となる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学 5. 1/pの小数点以下第(p-1)/2+1桁目の数字をマルで囲む。 6. p=7を除いてマルで囲まれた数字は0または9のどちらかになる。 7. マルで囲んだ数字が0と9のどちらになるかはpを40で割った余りで決まることが確かめられる。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学平方剰余の相互法則というとてもキュートな数論の結果から7の結果が導かれます。マルで囲んだ数字が0になるのはpを40で割った余りが1,3,9,13,27,31,37,39のときで、9になるのは7,11,17,19,21,23,29,33のときです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学この話は以前オープンキャンパスでしました。 問題のみ→ https://t.co/ug3u5ZPNJV 解答を含む→ https://t.co/272TFoLI7b
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学素数pに対する1/pの小数展開という算数レベルの話の中に平方剰余の相互法則というキュートな結果がびょこっぴょこっとかわいく顔を出している感じです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学平方剰余の相互法則は類対論に一般化され、類対論の非可換な場合への一般化がラングランズ・プログラムです。数論の話の良いところは算数レベルの話の中にも深い数学に繋がる現象が垣間見えていることを、誰でもたくさん計算すれば確かめられることです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学今週の金曜日に放送のE.フレンケルさんの授業はラングランズ・プログラムと理論物理の数学の関係の話になるはずなのですが、一体どうするつもりなのかとても楽しみです。今までの話題は算数からせいぜい高校1年生レベルの数学を知っていれば計算を楽しめる話でした。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。数論の話題は深い話題であっても、現象として見えている部分の解説の多くは算数の範囲内で処理できる計算ですむものがものすごく多い。実際には高校1年生レベルの数学は必要でしょうが、せいぜいそのレベルの数学を知っているだけで「何が起こっているか」を直接見ることができる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。それに対して理論物理の場の理論の数学だと「何を見せるか」が大問題になると思う。今週の金曜日の午後11時から放送されるフレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第4回目(最終回)が楽しみです。毎回独立に見れも面白い話になっているのでこの回だけでも見る価値があります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。第3回目のフレンケルさんの話には出て来なかった話題なのですが、物理サイドではなく、数論サイドでのラングランズ・プログラムの進展に興味がある人は、フェルマー予想や谷山・志村・ヴェイユ予想だけではなく、佐藤・テイト予想(sin^2予想)についも調べた方がよいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。フレンケルさんが数学ミステリー白熱教室第3回目で使った「いつもあれ」である楕円曲線y^2+y=x^3-x^2はそのまま佐藤・テイト予想の解説でも使えます。フレンケルさんの講義を聴いていれば誰でも佐藤・テイト予想の数値的確認で遊べます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。『数学のたのしみ2008最終号』は「佐藤-テイト予想の解決と展望」特集号なのですが、黒川信重さんも伊藤哲史さんもリチャード・テイラーさんもエドワード・フレンケルさんと同じy^2+y=x^3-x^2を例に用いて解説を書いています。まさに「いつものあれ」という感じ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。『数学のたのしみ2008最終号』は https://t.co/vAMO7TkzNuでまだ購入できます。フレンケルさんの授業の第3回目を視聴して、さらにその先にあるものを見てみたいと思った人にはおすすめ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。「証明」となると滅茶苦茶大変過ぎるのですが、y^2+y=x^3-x^2のような「いつものあれ」な例について様々な数値を計算して数学の世界で何が起こっているかを見て確認することであれば、算数レベルの計算をコンピューターで実行すれば誰にでも可能です。つ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。私による佐藤・テイト予想の解説連ツイは→ https://t.co/sCKr2utYj9 佐藤幹夫さんが計算機による計算から予想を発見した経緯については計算を実行した難波完爾さんの解説が次の場所にあります→ https://t.co/o5VXAhyQ4W
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学難波さんの https://t.co/o5VXAhyQ4Wを見れば帰納的に数学の世界を調べるという数学研究のナマの様子がわかります。複素根のプロットのためにアルバイトで佐藤幹夫先生に雇われた2人の学生は数学史に名を残すチャンスを逃している(pp.102-103)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。もしもバイトの学生2人が複素根のプロット作業を最後までやり遂げてさらにそれがどのような分布になっているかを見抜いて「佐藤先生!すべてがsin^2分布になっています!」と報告していたら、現在、佐藤・テイト予想と呼ばれている予想が別の名前になっていたかもしれない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。難波完爾さんによる計算の貢献がどのくらいであったかについては https://t.co/o5VXAhyQ4Wを見ればわかります。そこには佐藤幹夫さんから「難波完二」さん宛の手紙の画像も載っています(p.114)。名前間違っているし。これがナマの数学史。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。昔の人達の「コンピューターへの飢え」は最近の人達には想像できないと思う。コンピューターは人類が開発した最高のおもちゃの一つなのですが、昔はそのおもちゃを使い放題の立場に立つこと自体が大変だった。その世代の人達は年寄になっても飢えた感覚を忘れていないように見える。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学佐藤・テイト予想に現われる0≦θ≦πでの確率分布 (2/π) (sin θ)^2 dθ は3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1で x=cos θ とおいたときにθをdθだけ微小に動かしたときに得られる面積(を球面全体の面積で割った値)です(図を描け!)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1の点に対して、z=x+iy,w=u+ivとおき(1,1),(2,1),(1,2),(2,2)成分をそれぞれz,w,-(wの複素共役),(zの複素共役)と定めてできる2×2の複素行列全体の集合はSU(2)という名の群になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学これによって群SU(2)は3次元球面と同一視できます。 3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1(x,y,u,vは実数)の「3次元」は「表面が3次元」という意味で、中身も考えたx^2+y^2+u^2+v^2≦1は4次元の物体になります。だから想像にし難い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元の球体x^2+y^2+u^2≦1の表面が2次元の球面になるのと同じように、4次元の球体x^2+y^2+u^2+v^2≦1の表面が3次元の球面になると考えてよいです。3次元球面は我々が日常生活でよく見る2次元球面と違って自然に群になっているとみなせる所がすごい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面の群SU(2)は実は実3次元空間の回転群SO(3)をさらに深くとらえたものであることが分かっています。電子のスピンは通常の3次元空間の回転群SO(3)では記述できず、SU(2)を使わないと理解できない。通常の3次元空間の回転を表現するためにもSU(2)は便利。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面の群SU(2)はハミルトンの四元数を用いた実現も持ちます。3次元球面上の点に対応する四元数x+iy+ju+kv全体の集合を考えても同一の群が得られます。3次元空間の回転を扱っている文献の多くで3次元球面の群が使われています。SU(2)に関する数学的教養は大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学1次元の円周x^2+y^2=1上の点に対応する複素数z=x+iyの掛算が複素平面の回転になっていることは高校で習います。3次元球面の点に対応する複素2×2行列(または四元数)によって3次元空間の回転を記述できることはその拡張になっているともみなせます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元の回転の記述は、ゲームプログラミングで基本的なだけではなく、人工衛星の制御などにも必要なことです。本屋で立ち読みした人工衛星の本では本質的に3次元球面の群SU(2)が使われていました。 そういう群の話が佐藤・テイト予想のsin^2分布の起源になっているわけ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学sin^2分布は群SU(2)の立場では、3次元球面の面積としてSU(2)上に自然に入る測度から誘導されるSU(2)の共役類全体の集合に入る測度だと解釈されます。k
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学ある仕組みで各素数pごとに群SU(2)の共役類C_pが決まる仕組みがあって、C_p達の分布の仕方が3次元球面上への引き戻しで見たときの一様分布に対応していれば、自然にsin^2分布が出て来るわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学線形代数。SU(2)の共役類はSU(2)の元の特性多項式と一対一に対応しています。SU(2)の元の行列式は定義より1なので、特性多項式はトレースだけで決まることになる。SU(2)の元のトレースはその2つの固有値exp(±iθ)の実部x=cos θの2倍になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。-1≦x≦1に対してxをdxだけ微小に動かすときできる3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1上の領域の微小面積は(半径√(1-x^2)の2次元球面の面積のdx/√(1-x^2)倍)=4π√(1-x^2) dx になることがわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。4π√(1-x^2) dx を-1≦x≦1で積分すれば単位3次元球面の面積が得られるはずなのですが、√(1-x^2) dxの積分は単位円盤の上半分の面積π/2なので、結果は2π^2になります。これが正しい結果であることは別の方法でも確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。2つ前のツイートの4π√(1-x^2) dxを出す計算の途中でdx/√(1-x^2)倍が出て来る理由は高校数学IIIで習う経路の長さを積分で表わす公式を導くための考え方を使えば出ます。高校数学IIIまで習っていて基本的考え方を習得していれば大抵のことで困らない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学4π√(1-x^2) dxの全体での積分結果が1になるように正規化するためには3次元球面の面積(体積)の2π^2で割って (π/2)√(1-x^2) dx を考えることになります。x=cos θで変数変換すれば sin^2 分布が得られます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学4次元空間内の3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2上に一様に分布している点列が与えられていれば、その点列をx座標に射影した結果の分布はsin^2分布になります。佐藤・テイト予想は虚数乗法を持たない楕円曲線からこのような状況が自然に得られることを意味しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学y^2+y=x^3-x^2の場合の佐藤・テイト予想の数値的確認の手続きは以下の通り。 (1)楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2の解(x,y)の素数位数pの有限体F_pでの解の個数S(p)を数えて、p-S(p)の表を作成する。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き (2)η(q)=q^{1/24}(1-q)(1-q^2)(1-q^3)…とおく。(η(q)η(q^{11}))^2をqについて展開し、p次の係数をa_pの表を作る。 (3)a_p=p-S(p)が成立していることを確認できる。 ここまではフレンケルさんの講義の話。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。(3)までの結果はアイヒラーさんの結果。 (4) |a_p|<2√pの成立を確認できる。 これはハッセさんの結果。リーマン予想の有限体上での類似。 (5) a_p=2√p cos θ_p, 0<θ_p<πでθ_pを定める。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き (6) 0からπのあいだを適当に分割して、θ_pがどこに入るかを調べて個数を数えて、グラフにする。 (7) sin^2のグラフでよく近似されているように見える! これが佐藤・テイト予想の数値確認の手続きです。どのステップも明瞭。 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き 実際今から50年前に佐藤幹夫さん・難波完爾さんたちは以上のような計算を実際に実行して、佐藤sin^2予想が発見されることになったわけです。詳しくは→ https://t.co/o5VXAhyQ4W(これを見れば他の例の計算の仕方もわかる)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学『数学のたのしみ2008最終号』の立ち読み1 楕円曲線y^2+y=x^3-x^2で保型形式との対応とハッセの定理(リーマン予想の有限体上での類似)の数値的確認。 pic.twitter.com/s3oCjBHw9j
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学『数学のたのしみ2008最終号』の立ち読み2 楕円曲線y^2+y=x^3-x^2で佐藤・テイト予想を数値的に確認。 この楕円曲線はE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第3回目でも使われています。「いつものあれ」! pic.twitter.com/ktJs62yWSv
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学 https://t.co/c2R5IwazcL 数学ミステリー白熱教室第3回目 楕円曲線 y^2+y=x^3-x^2 を例に楕円曲線に保型形式が対応するという「志村・谷山・ヴェイユ予想」について解説。フェルマー予想はその帰結。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学続き。フレンケルさんが最後に触れている1955年に日本で開催された数論の研究集会の情報は https://t.co/M1JDH9sOkqにあります。問題のpdfファイルを開いて問題12を見てください。そこに歴史的な予想の原型が書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学続き。ヴェイユさんの『ゼータ函数の育成について』はとても有名な名文で、これの翻訳も谷山豊さんが担当しています。何度読み直しても面白い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学訂正 https://t.co/Xoo1gmOX9N の「(π/2)」を「(2/π)」に訂正します。分子分母がひっくり返っていた。こういう自明な誤りはよくある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#掛算#数学数学ミステリー白熱教室第3回の終わりの方でエドワード・フレンケルさんが重要な人物の1人として名を挙げている志村五郎さんは https://t.co/VdndoFNbABに登場する志村五郎さんと同一人物です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
その他の連続ツイートその 1.
#数学Re:RT みんな、イケメン、イケメン、言い過ぎ(笑)。 東洋経済オンラインでもイケメンと→ https://t.co/ITdz2AlTn2【イケメン教授のエドワード・フレンケル氏が、「心も頭もしびれる究極の数学」(ツイッターより)を白熱講義するこの番組は〜】
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き。 https://t.co/UhUoEz3FzFの翻訳者までイケメンと言っている→ https://t.co/uZFq2hzMVK【番組が始まってまず思ったのは、「やっぱり、フレンケルってイケメンだわぁ」ということだった】
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学個人的な意見では、数学を結構知っていて、かつ、難しい数学の話の高校などでの出前授業の経験もある人であれば、E.フレンケルさんがそんなに上手に話しているようには見えないと思う。本音を言えば私自身もそう感じた。だから結構心配した。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学個人的な意見では、数学を結構知っていて、かつ、難しい数学の話の高校などでの出前授業の経験もある人であれば、E.フレンケルさんがそんなに上手に話しているようには見えないと思う。本音を言えば私自身もそう感じた。だから結構心配した。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き。E.フレンケルさんが話した数学的最先端の結果の多くは「確かにそうなることは一応わかったが、どうしてそうなるかはよくわからない」という類の話ばかりなのです。数体、有限体上の曲線、リーマン面、理論物理の場の理論をすべて繋ぐ数学的現象が存在する。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
場の理論といっても相対論的で綺麗な世界だと思うし, 私や物性の人達がやっているような 対称性も微妙な汚いところ (深谷先生ならダーティーな物理とでもいうだろうか) を 繋いでくれそうな数学あるだろうか.
@genkuroki#数学続き。どこで起こっていることも、どうしてそうなるかはよくわからないのですが、複数の世界を比較することによって、少しずつわかるようになって来ている。数論におけるガロアサイドと保型サイドの関係はミステリアスなのですが〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き〜、「数体→有限体上の曲線→リーマン面→4次元の物理で2次元の物理を理解すること」という道をたどると、理論物理の世界で主要な研究対象の1つになっている「異なる場の理論のあいだの同値性」で「ガロア・保型対応」が理解できそうだという話になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学そういう話が数学者以外に大規模に宣伝されたのは今回が初めてだと思う。E.フレンケルさんは、ラングランズ・プログラムそのものを解説しようとしたのではなく、ラングランズ・プログラムを1つのネタとして利用して数学の世界の様子を説明しようとしたのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学おそらく、数学者内でも、E.フレンケルさんが説明しようとした数学の世界の話を知らなかった人達は多いと思う。複数の数学の分野だけではなく、理論物理の場の理論まで関係しているので、それら全体でどういう世界になっているかを認識することは難しい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学あと、E.フレンケルさんの話でよかったのは、すごそうに見えるが理解不能な「お話」だけですませることを絶対にしなかったこと。フレンケルさんは地道に誰にでも取り扱える易しい数学的具体例を必ず挿入しようと努力していました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
この辺をどこまでどう頑張るか, 今後それが試される感がある.
@genkuroki#数学あと、フレンケルさんは、実験・観察によって現実の物理とまだ関係がついていない理論物理の結果を利用するときには、実証されていないことにきちんと触れていました。数学の話がメインであっても、そういう点できちんとしているのは、ものすごく印象がよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学今回、E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の講義を見ることができた人達はラッキーだと思う。 NHKは再放送を急ぐべき。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学E.フレンケルさんはクォークと群論の関係を説明していましたが、次のような高校生向けの解説もあります。 https://t.co/RinqYBCrZj https://t.co/9CMYjlmSyT 林孝宏さんによる2008年度公開講座 : 正多面体と群。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学クォークの話は https://t.co/9CMYjlmSyTの第2回講義資料 https://t.co/oG2A28zoztのp.9以降に出て来ます。でも、第1回講義資料から順番に読んだ方が面白いと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
仕方ないといえばそうだが, 順番に読まないといけないのはかなりストレスになるという感じもある. 本当にどうしよう.
#数学林孝宏さん(よく知っている(^_^))は簡単のためにGL(3)で説明しているのですが、SL(3,C)でも同様で、さらにその極大コンパクト部分群SU(3)に制限しても同様です。E.フレンケルさんは物理学者の流儀にしたがってSU(3)で説明していました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学数学的なことをまじめに勉強したことがある人であれば、数学的内容は同じなのに記号が違っていたり、同値だが異なるように見える話になっているせいで、理解が困難になる場合が多いことを知っているはずです。そうならずにすむ確率を高めるためには「抽象化」が大事になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学実際に目に入る記号操作のパターンに頼り切らずに、背景にある数学的現象そのものに肉薄するような直観的理解をするように努力することが「抽象化」です。正しく抽象的に理解していると、ものすごく具体的な事柄を楽に理解できるようになります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
話ずれるがいま企画を練り直している『物理のための数学』では, そういうところをきっちりやりたい.
#数学SO(3)は(実)3次元空間の回転のさせ方全体の集合とみなせ、SU(2)は3次元空間の回転を2重に持ち上げたものになっていて図形的には3次元の球面(内側は4次元)になっていること、そしてそららは互いにラングランズ双対になっているという事実についてはすでに説明しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学さらにU(1)は2次元平面の(原点を中心とする)回転のさせ方全体の集合で、図形的には円周になります。これで、E.フレンケルさんの話に出て来たU(1),SU(2),SO(3)の説明は簡単にしたことになります。残りのSU(3)はクォークを記述する群として登場しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学添付画像は数学ミステリー白熱教室第4回より。図の左半分は「SU(3)のウェイト格子の原点付近の様子」の図になっています。そして右半分は「最高ウェイトΛ_1+Λ_2の8次元既約表現のウェイトたち」の図と同一視できます。続く pic.twitter.com/jzmNL0DJWK
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学SU(3)の定義は「複素3次正方行列でその転置の複素共役が自身の逆行列になり、行列式が1であるもの全体の集合」なので、初めて見た人は行列のことを知っていても何のことやらわからないと思います。実は、細かい条件は重要ではなく3×3行列全体を考えてもほぼ同じ話になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学3次正方行列の全体は3次元の縦ベクトル全体に左から行列の積によって作用しています。第i成分だけが1で他の成分が0の3次元の縦ベクトルをe_iと書くと、e_1, e_2, e_3は3次元の縦ベクトル全体の空間の基底になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。物理的にはこのe_1,e_2,e_3が3つのクォークです。3×3行列は3次元の横ベクトルに右から行列の積で作用しています。第i成分だけが1で他の成分が0の3次元横ベクトルをe'_iと書くと、e'_1,e'_2,e'_3は物理的には3つの反クォークだと解釈される。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ただし、横ベクトルには行列が右からの掛算で作用してしまっているので、それを「リー環の左作用」とみなすために、行列を-1倍してから右からの掛算で作用させると約束しておきます。この「-1倍」が反粒子の「反」を意味しています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。以上の説明は行列の掛算について知っているだけで理解できるはずです。今の大学2年生以上は高校のときに行列について習っているので、高校生の時点で知らないうちに3つのクォークの数学的表現と出会っていたと言えます。大学1年生も線形代数の授業ですでに習っている。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。さらに、高校や大学で習っていなくても、3Dプログラミングで3×3の行列と3次元の縦もしくは横ベクトルの積を扱ったことがある人達も、知らず知らずのうちに3つのクォークとそれらの反粒子の数学的表現に出会っていたことになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。数学的な理解は大体においてこんな感じで、身も蓋もないものです。どんなに複雑であっても、細かく分解すれば身も蓋もないほど単純な話になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
その細かい分類が涙が出るほどつらい.
#数学たとえば、3つのクォークと3つの反クォークが組み合わさって様々な中間子ができる様子は数学的にはe_iたちとe'_iたちの「テンソル積」という名の掛算によって理解できます。3つのe_iと3つのe'_iのテンソル積全体は3×3=9個あります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。それらを基底とする9次元のベクトル空間ができる。その9次元のベクトル空間がリー環の表現として1次元と8次元に既約分解し、その様子がそのまま中間子の記述になっているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルとベクトルのテンソル積の数学的定義の仕方は単純なおかげで面白いやり方になっていて、行列の積やベクトルの内積のように何か特別な演算規則によって定義されるのではなく、「(双線形性以外の)演算規則を考えないこと」によって定義されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学テンソル積a⨂bの扱いは、スカラーαとベクトルa,b,cについて(a+b)⨂c=a⨂c+b⨂c, a⨂(b+c)=a⨂b+a⨂c, (αa)⨂b=α(a⨂b), a⨂(αb)=α(a⨂b)が成立していることを知っていれば十分で、これ以外の関係式を使ってはいけない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学テンソル積a⨂bの扱いは、スカラーαとベクトルa,b,cについて(a+b)⨂c=a⨂c+b⨂c, a⨂(b+c)=a⨂b+a⨂c, (αa)⨂b=α(a⨂b), a⨂(αb)=α(a⨂b)が成立していることを知っていれば十分で、これ以外の関係式を使ってはいけない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学2つのベクトルを掛算したいと思えばテンソル積によっていつでも掛算できます。そして、テンソル積は「掛算」と呼ぶに値するための必要最小限の条件しかみたしていないと考えるので、テンソル積は他の様々な種類の掛算の「親玉」になっています。専門用語では「普遍性を持つ」という。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学ちょっと脱線しましたが、テンソル積のような自明でつまらない事柄でひっかあkるのはアホらしいので、少し説明してみました。数学ではテンソル積のような専門用語が出て来ても、多くの場合、身も蓋もないほど単純な話に過ぎないのでびびらないことが大事。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。たとえば2つの文字x,yのテンソル積x⨂yと他の掛算の関係について説明しましょう。文字の積xyは可換性xy=yxを満たしていますが、テンソル積は可換ではありません。しかし、x⨂yをxy=yxに対応させる自然な写像を考えることはできる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。数学ではよく掛算の順序を交換すると-1倍になる積を考えることがあります。文字xとyの外積はx∧y=-y∧x (交代性)を満たす積として定義されます。テンソル積は交代的ではないのですが、x⨂yを外積x∧yを対応させる自然な写像を考えることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。脱線しましたが、3つのクォークの複合粒子たちの数学的記述は3つのe_iたちを3つテンソル積たちで記述されます。より詳しくは、3^3=27個のテンソル積から得られる27次元の空間の1次元+8次元+8次元+10次元への既約分解で説明されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。その8次元の既約成分のうちの片方の基底(8個ある)が数学ミステリー白熱教室で使われた添付図の右半分にある8個のハドロンに対応しています。そしてその図は3×3行列のリー環の8次元既約表現のウェイトダイアグラムとして数学的にはよく知られていたわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。3×3行列の話をちょっと拡張(そのちょっとの部分が最初は大変)した話に過ぎないので、その話自体はわかってしまえば身も蓋もないほど単純な話です(テンソル積の既約分解はちょっと複雑)。大学1年生できちんと勉強していれば少し勉強するだけで理解できると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。たとえば佐武一郎著『線型代数学』 https://t.co/zDcRLF5SvA(古本で買えば安い!この本のコスパ高過ぎ!)の第V章の終わりの「定理(Weyl)」に"3⨂3⨂3"の既約分解の大幅な一般化について書いてあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。 pic.twitter.com/jzmNL0DJWK数学ミステリー白熱教室に出て来た添付図をどうやって「身も蓋もない」ほど単純なやり方で描けるのかについて知りたい人もいると思います。完全には説明できませんが、簡単に説明できそうな部分について説明してみましょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学対角成分が(1,-1,0), (0,1,-1)の3×3の対角行列をそれぞれh_1, h_2と書き、それらを3次元空間中のベクトル(1,-1,0), (0,1,-1)と同一視しておきます。それらの通常の内積は(h_i,h_i)=2, (h_1,h_2)=-1になる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学ベクトルα_iとΛ_iをα_i=h_i, Λ_1=(2,-1,-1)/3, Λ_2=(1,1,-2)/3 と定める。(3×3行列ではなくn×n行列の場合にはΛ_i=(n-i,…,n-i,-i,…,-i)/n (n-iはi個)とおきます。)続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。このとき内積(h_i,Λ_j)はi=jのとき1、i≠jのとき0になります。さらに、α_1=2Λ_1-Λ_2, α_2=2Λ_2-Λ_1も成立しています。以上は地道に紙の上で計算してチェックして下さい。内積の計算は本質的に高校レベル(対応する成分の積の和)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。少し前に第j成分だけが1で他の成分が0の3次元縦ベクトルをe_jと書いてましたが、ある理由があってこれ以後はv_jを書くことにします。ベクトルv_jたちに行列としてのh_iを作用させた結果を計算しましょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。結果は h_i v_1=(h_i, Λ_1)v_1, h_i v_2=(h_i, -Λ_1+Λ_2)v_2, h_i v_3=(h_i, -Λ_2)v_3 とまとめられます。これも地道に計算すればチェックできます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。一般に「h_i u= (h_i,λ)u」が成立しているとき、「uはウェイトλを持つ」と言います。1つ前のツイートの結果は、v_1,v_2,v_3のそれぞれがウェイトΛ_1,-Λ_1+Λ_2,-Λ_2を持つと言い変えられます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルのウェイトたちを平面にプロットしたものをウェイトダイアグラムと呼びます。3×3行列が3次元の縦ベクトルの空間に作用しているケースでのウェイトダイアグラムは添付画像のようになる。 pic.twitter.com/xwKb5DHybl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。Λ_iの整数倍たちの和全体の集合をウェイト格子(ウェイトラティス)と呼びます。我々が扱っているケースでのウェイト格子は正三角形がたくさん並んでいるような図になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学表現のテンソル積の既約分解の説明はしんどいのでしません。ごめんなさい。目標とする8次元表現は直接的には以下のようにして作れます。(i,j)成分だけが1で他の成分が0の3×3行列をE_{i,j}と書き、e_i=E_{i,i+1}, f_i=E_{i+1,i}とおく。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルwに関する関係式 e_i w=0, h_i w=(h_i,Λ_1+Λ_2)w, f_i^2 w=0 (i=1,2)を仮定します。すると w に f_1, f_2 任意有限回かけて得られるベクトルたち全体で8次元のベクトル空間ができることを確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。そしてウエイトたちは8つになり(そのうちの2つは0)、ウェイトダイアグラムは添付画像のようになることを確認できます。これが数学ミステリー白熱教室で出て来た図と本質的に同じものです。 pic.twitter.com/fqizYbKLbf
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学表現の作り方の別の方法。天下り的ですが、変数x_1,x_2,x_3で生成される多項式環を考え、x_iに関する偏微分を∂_iと書きます。多項式環にh_i,e_i,f_iたちを h_1→-2x_1∂_1+x_2∂_2-x_3∂_3+λ_1, 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き h_2→x_1∂_1-2x_2∂_2-x_3∂_3+λ_2, e_1→∂_1, e_2→∂_2+x_1∂_3, f_1→-x_1^2∂_1-x_1x_3∂_3-x_3∂_2+x_1x_2∂_2+λ_1x_1, f_2→x_3∂_1-x_2^2∂_2+λ_2x_2.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。多項式環の元1にこのようにしてh_i,e_i,f_iたち(実はf_iたちだけで十分)をどんどん作用させていくとリー環sl_3の最高ウェイトλ_1Λ_1+λ_2Λ_2の既約表現が得られます。λ_1=λ_2の場合には8次元の既約表現が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。添付画像は以上の方法による8次元既約表現の計算結果とウェイト・ダイアグラム。(1に微分作用素を作用させる計算をするだけ) pic.twitter.com/YLs2QX192M
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学実は以上の計算はE.フレンケル著『数学の大統一に挑む』 https://t.co/UhUoEz3FzFのpp.223-224の【旗多様体はたしかにうまくいきそうだった~「ユウレーカ」】の部分の3×3行列の場合(sl_3の場合)の話になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学h_i,e_i,f_iたちの微分作用素による表示は実は旗多様体へのリー環の無限小作用をオープンセル上で具体的に書き下したものです。計算のアルゴリズムを知っていれば誰にでも機械的に計算できる類のものです。旗多様体はリー環の表現論で基本的な役割を果たしています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学答えを知っていれば偏微分の計算法を知っているだけですべてを紙の上の計算で確認できるはずです。こういう類の計算をおそらくE.フレンケルさんも実際にやっていたと思う。そしてそういう計算の例は偏微分の計算さえできれば誰にでも手が届く所にあるということです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
話めっちゃずれるが, 構成的場の量子論, 具体例を作ることそれ自体を目的とする分野なので, 具体例で遊べる分野, 本当に羨ましい. 私も遊べる具体例がたくさんほしかった.
#数学数学っぽい話を聞くときには、「自分には永久に手が届かないことをやっている」と感じていたら、どこかで間違った道に入り込んでしまったと思う方がよいと思う。実際には身も蓋もない単純だが地道な議論の先で「手が届きそうもないように感じられること」に手が届くようになっているのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学拡散! https://t.co/MYu5SDtfuZのy^2+y=x^3-x^2関連情報→ https://t.co/t6cFsjwI72素数pを法とする解の個数のScratchでの計算→ https://t.co/5fm9XFjDSV
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。素数pに対する解の個数は大体pになります。解の個数とpの差は2√p未満になるというのがハッセの定理。ハッセの定理はリーマン予想の有限体上での楕円曲線での類似になっています。こういうことからも一般化されたリーマン予想の世界が見えます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き https://t.co/5fm9XFjDSVy^2+y=x^3-x^2の素数pを法とする解の個数をp=59で計算させてみた。時間がかかりましたが、結構楽しかった。 pic.twitter.com/eAcKEUa3Gz
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学 実際にやってみた。 https://t.co/wdMnwQgKlF
— A級3班国民 (@kankichi573) 2015, 12月 6
連続ツイートその 2.
#数学エドワード・フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室がらみの私のツイートは https://t.co/ghXnSPuIvwでまとめて読めます。一部reply-to連鎖を遡る必要あり。ごめんなさい。2015年11月13日から。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学エドワード・フレンケルさんの話に関連している論文は誰でも無料で読める場所にあります→ https://t.co/Hq4VInPoNP。個人的にこれはとても素晴らしいことです。さらに個人的な意見を言わせてもらえれば、科学のあらゆる分野で論文を無料公開するべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学たとえば「ウィッテン フレンケル」(Witten Frenkel)をarxivで検索すると→ https://t.co/kVSVuagSZx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学昨晩のフレンケルさんの話で主要な例として使われた、SO(3)とSU(2)の定義であれば大学1年生レベルの行列の話を知っていれば理解できます。集合SO(3)の定義は「実3次正方行列Aで、その転置がそれ自身の逆行列になり、行列式が1になるもの全体の集合」です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。集合SU(2)の定義は「複素2次正方行列Aで、その転置の複素共役がそれ自身の逆行列になり、行列式が1になるもの全体の集合」です。どちらも行列の積について群になる。こういう説明の仕方をすると何のことやらわからなくなるので、フレンケルさんの説明の仕方は正解だと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SO(3)のような行列群を直観的に理解するためには、行列が一次変換を表現しているという事実を思い出す必要があります。そして一次変換を直観的に理解している必要があります。一次変換の典型例の一つは「原点を中心とする回転」です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。そういうことがわかっていれば、SO(3)に含まれる3×3の行列は、実3次元空間の回転(を表わす一次変換)と一対一に対応しています。これは3Dゲームプログラミングの基礎。3次元の物体の回転を数学的に表現する方法を知るためにはSO(3)について勉強する必要がある。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SO(3)の定義との関係。実正方行列Aの転置がAの逆行列になるという条件はAが「長さを保つ一意変換であること」の代数的な言い変えになっています。長さを保つ一次変換の中には鏡映変換(x,y,z)→(x,y,-z)も含まれています。これは回転ではありません。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。長さを保つ一次変換の全体は実は回転と鏡映変換((x,y,z)→(x,y,-z)以外を含む)で構成されています。そこから回転だけを取り出すための条件が(Aの行列式)=1です。鏡映変換を表現する長さを保つ一次変換を表わす行列は(Aの行列式)=-1を満たしています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。一般に実3×3行列Aの行列式の絶対値をaと書くと、行列Aによる一次変換で体積がa倍になることを計算で確認できます(立方体をAで写した場合にのみを計算すれば十分)。高校レベルの計算で確認できます。行列式と体積の関係は行列式を直観的に理解するために非常に重要です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。問題は行列式の正負が何で決まっているかを直観的に理解すること。行列Aによる一次変換が右手系を右手系に写すとき行列式は正になり、右手系を左手系に写すとき行列式は負になることを示せます。これを理解するのは大学1年レベルだとちょっと手間がかかると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。行列と一次変換の関係、転置と内積の関係、内積と長さの関係、行列式と体積の関係、行列式と右手系・左手系の関係、などなどについて健全な直観を十分に身に付けていれば、SO(3)の定義をよく理解できます。健全な直観を身に付けるためには地道に数学の世界を散歩するしかない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
最近そういう健全な直観を作ることを「器を作る」と呼ぶことにしている. 正しい器を作るの, 大変だがとても大事.
#数学続き。フレンケルさんの話の良かった所は数学の内容そのものにも触れる話もきちんとしていて(寝る聴衆がw)、数学の世界を散歩して健全な直観を地道に身に付けて行けば何が起こっているかがまだ分かっていない数学の世界に近付ける予感が得られるような構成になっていたことだと思います。続
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういうことを言うと再放送を要求する人が減ってしまうかもしれないのですが、フレンケルさんのような話を聞くことに適正があるのは、「わからないこと」に耐性を持っているだけではなく、「わからないこと」を楽しめる人達の方だと思う。「わからなさ」を楽しめた人は勝ち組!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。計算してもわからないものはわからないのですが、計算さえできそうもないことばかりだと「何も見えていない」ということなので、数学の話を聞いたことにはなりません。フレンケルさんの話は難しかったのですが、計算で確認や理解をできる例が多数出て来ました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。最初に出て来た √2 と -√2 を交換する対称性が有理数に√2を付け加えた数の世界(数学者は数のフィールド(number filed、数体)と呼ぶ)に存在することは、中学校レベルで多くの人がすでに体験していることです。ガロア理論はこの話の拡張になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。しかし、個人的な意見では、√2と-√2を交換する対称性は簡単過ぎてガロア理論がどういう世界かをイメージするためには不十分だと思う。2次方程式x^2=aの対称性だけではなく、3次と4次方程式の対称性の様子を見ればイメージがかなり豊かになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。高校1年生レベルの数学の知識があれば、x^2=aと同様の感覚で3次と4次方程式の対称性を観察することができます。3次方程式の対称性の観察はほとんど「高校1年で習うx^3+y^3+z^3-3xyzの因数分解の公式の話」そのものになっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。4次方程式の対称性も観察もほぼ同様の感覚で行うことができます。詳しくは以下のツイートから始まる連続ツイートを見て下さい。 https://t.co/TQ2xJEXTbA
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。フェルマーの最終定理(フェルマー予想)自体は整数に関する予想なのですが、フェルマー予想の多項式版は高校数学レベルで容易に証明できます( https://t.co/rO6Af92Qf5)。フレンケルさんの話でも数の世界と函数や幾何の世界の類似が扱われていました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
勉強不足というのもあるが, 多項式だと簡単なことが整数で難しくなるの, 本当に謎.
#数学続き。エドワード・フレンケルさんの研究は、数論由来のラングランズ・プログラムの函数・幾何・理論物理の数学への拡張に関する仕事になっています。だから、数論の話を数の世界限定の話だと思ってしまうとフレンケルさんの話を理解できなくなってしまいます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。数学の世界の異なる場所で同じような法則に支配されているように見える「どうしてそういうことになっているのか」がわかっていない事柄が存在する。この事実を納得できた人はフレンケルさんの話の重要な部分を理解できたと言ってよいと思います。詳細はわかっていなくても。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学フレンケルさんの著書の翻訳のタイトル『数学の大統一に挑む』もよく考えて付けられていると思います。原題の"Love and Math"よりも邦題の方が本の内容がよくわかる。 https://t.co/U70nUj4Egn
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。フレンケルさんは内容の難解さについて言い訳を色々書いているのですが、「はじめに」のp.19には「この本は数学の知識がなくても理解でいるように書いた」とはっきり書いてあって笑ってしまいました。無理です(笑)。でも、数学の知識がなくても楽しめるように書かれています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。回転群SO(3)とラングランズ双対SU(2)の解説。SU(2)は複素2次元ベクトルの複素一次変換による回転で行列式が1になるもの全体の集合です。これは図形的には3次元球面(内側は4次元)になります( https://t.co/7Pc8yJagVS)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)は3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1の点に対してz=x+iy,w=u+ivとおき(1,1),(2,1),(1,2),(2,2)成分をそれぞれz,w,-(wの複素共役),(zの複素共役)と定めてできる2×2の複素行列全体の集合に等しい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)は図形的には3次元球面と同じものだとみなせるので、SU(2)の図形としての次元は3です。SO(3)の次元も3です。続きで訂正。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。あ、テキトーに説明し過ぎて大嘘を書いてしまいました。ごめんなさい。長さを保つ実一次変換で行列式が-1のものが鏡映変換になると言ってしまいましたが、単純に誤りです。xy平面の回転とz軸の向きを反転させる鏡映変換の合成は鏡映変換になっていません。アホすぎ。よくある。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。回転の行列による取り扱いについては、佐武一郎著『線型代数学』の第IV章がおすすめ。IV§6にSO(n)の連結性の証明が書いてあります。そこを読めばxy平面の回転とz軸反転の鏡映変換の合成は行列式が-1のO(3)の元の典型例になっていることもわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。大学1年で習う線形代数の基本は「よい基底を選ぶ方法」です。線形写像の定義域と値域で別々にうまく基底を選ぶことは本質的に連立一次方程式を解くことと同じ(これは簡単)。面白いのは一次変換に相性がよい基底を選ぶ方法です。最も基本的なのは行列の対角化。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。固有値が基礎体に含まれなかったり、対角化可能でなかったりすると、単純な行列の対角化のテクニックだけでは足りなくなるのですが、基本的な考え方のほとんどが行列の対角化の話の中に出て来ます。佐武一郎『線型代数学』が数十年前からの定番の教科書。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)とSO(3)の関係は、フレンケルさんが実演していた「マグカップまわし」でよく説明されます。数十年前からそのように説明されていたと思う。計算でそれを確認するためにはSU(2)に含まれる2×2の複素行列から3次元空間の回転を作り出す方法を知れば十分です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。実3次元空間の点(x,y,z)と2×2行列X= [ ix, -y+iz] [y+iz, -ix] を同一視して、SU(2)の行列AによってXをAXA^{-1}に移す変換を考えると実3次元空間の回転が得られます。Pauli行列を考えてもよいです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学SU(2)はα=a+bi+cj+dk, a^2+b^2+c^2+d^2=1 (a,b,c,dは実数)の形の四元数全体の集合とも同一視できるのですが、ξ=xi+yj+zkをαξα^{-1}に移す変換を考えれば3次元の回転が得られます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学回転の行列による表現はものすごく基本的なことなので、本当はできるだけ早く学んでおいた方が得なのですが、みっちり教わる機会はなかなかないと思います。自分で数学の世界を散歩するときに、「回転の行列による表現」にしばらく滞在するのはよいことだと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
回転群, 数学が詰まりすぎて消化不良を起こすこと, かなりよくあるのではないか感がある. Lie 群で代数多様体で群上の調和解析できて無限次元表現あって, とか魔界以外の何者でもない. 私がぎりぎり知っているところを上げただけで, もっと色々なことが詰まっているだろう.
#数学実数θに対してe^{-iθ},e^{iθ}を2つの対角成分とする対角行列AはSU(2)の元です。3つ前のツイートの方法でAから3次元空間の回転を作ると(x,y,z)はx→x, y+iz→e^{2θi}(y+iz)と変換されます。これはyz平面の角度2θの回転です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。行列の掛算についてちょっと知っていれば以上の計算は複素数について知っていれば実行できます。SU(2)内での角度θの回転は3次元空間の角度2θの回転(SO(3)の元)を与えます。これがフレンケルさんが実演していた「コップまわし」の数学的解釈です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学で、フレンケルさんは「ラングランズ双対群」の定義の説明を避けて、最も簡単な場合であるSU(2)とSO(3)を例に挙げるだけですませています。一般の場合については「ルートデータ」という対称性の構造を決める「遺伝子」の話をする必要があります(それ自体が非常に面白い話)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(n)は単連結という「これ以上たくさん被覆できない」という位相的に単純な性質を持っています。そのような単連結なSU(n)のラングランズ双対はそれを中心で割ってできる随伴群になります。SU(n)の随伴群はPSU(n)=SU(n)/{1のn乗根×単位行列}です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)とSO(3)=PSU(2)=SU(2)/{±E}は互いにラングランズ双対。より一般の場合にはここまで単純ではなくて、ルートデータの双対でラングランズ双対群を定義します。あと、コンパクト群ではなくて、その複素化を考えた方が便利なことが多い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)、PSU(2)の複素化SL(2,C)とPSL(2,C)も互いにラングランズ双対であると言います。この場合の幾何学的ラングランズ対応は、リーマン面上のPSL(2,C)接続にSL(2,C)主束のモジュライ空間上のD加群(線形微分方程式)が対応するという~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
いきなり $D$ 加群ぶっ込んでこられたので びっくりした. 柏原さんの Riemann-Hilbert 対応とかやはり何か関係あるのだろうか.
#数学続き~話になります。リーマン面上のPSL(2,C)接続は局所的に(d/dz)^2-p(z)のように表示できるのですが、座標変換での貼り合わせはちょうどVIrasoro代数から来るエネルギー運動量テンソルT(z)と本質的に同じになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういう形でリーマン面のガロアサイドがVirasoro代数と結び付くことになります。PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)の局所的展開の係数からSL(2,C)に付随する共形場理論の仕組みを利用して主束のモジュライ上のD加群を作れる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。その対応が欲しい対応(ヘッケ固有D加群の構成法)になっているというのが、その場合の「幾何学的ラングランズ予想」なのですが、どこまで解決しているかについては知りません。遊ばないといけないので離脱。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学E.フレンケルさんは数学ミステリー白熱教室第3回で楕円曲線y^2+y=x^3-x^2という「いつものあれ」を題材に色々説明していました。計算のアルゴリズムは明瞭。パソコンなどでテレビと同じ結果を再現したければついでに別の深い事実についても確認した方がよいと思います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学いつもの楕円曲線y^2+y=x^3-x^2の素数位数pの有限体での解の個数の表を作るだけで、ヴェイユ予想のリーマン予想の類似部分、谷山・志村・ヴェイユ予想、佐藤・テイト予想の3つの予想の特別な場合をこの特別な場合に数値的に確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。実際の確認の仕方は https://t.co/MYu5SDtfuZ以降の連ツイで詳しく説明しておきました。きれいでわかりやすいグラフが描けたら教えて下さい。グラフの情報を拡散します。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。佐藤sin^2予想(=佐藤・テイト予想)を佐藤幹夫さんが発見するために必要になったコンピューターによる計算をやった難波完爾さんによる数学史的に貴重な証言を https://t.co/o5VXAhQqWuで読めます(これは非常におすすめ)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。難波完爾さんは楕円曲線y^2=x(x^2+x+1)とη(x)^2 η(5x)^5を例に色々説明しています。E.フレンケルさんが使った「いつものあれ」以外の例を計算してみたい人はこちらもやってみるとよいと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。添付図は https://t.co/o5VXAhQqWuより。複素根をすべてプロット。素数pが4万未満の場合のプロットなので、半径200の円内に入っていることがリーマン予想に類似のハッセの定理の特別な場合。 pic.twitter.com/b7iAhf9Hkc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。偏角θで見た分布は(sin θ)^2分布になっていそうな感じ(佐藤・テイト予想が成立している感じ)も根のプロット結果を見ればわかります。 pic.twitter.com/b7iAhf9Hkc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
数値実験で遊ぶの, 私ももっとやってみたいし, コンテンツも作りたい.
#数学PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)dz^2の変換性が共形場理論のT(z)dz^2の変換性と同じなのでガロアサイドのPSL(2,C)接続とVirasoro代数(sl(2)のW代数)が結び付くという話を少し前にしました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学保型サイドの局所版はsl(2)のアフィン・リー環の臨界レベルでの表現論です。sl(2)のW代数は、Virasoro代数であり、臨界レベルではアフィン・リー環の普遍展開環(の完備化)の中心と同一視できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学さらにsl(2)のW代数は、自由スカラーボソン場を使う実現があります。2つある遮蔽カレントの片方に保型サイドのsl(2)のW代数としてのVirasoro代数が対応しています。もう一方にはラングランズ双対のW代数が対応している。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学そして、2つの遮蔽カレントに対応する2つのラングランズ双対W代数(Virasoro代数)は一致することをVirasoro代数の表現論を使うと示せる。臨界レベルの極限で、保型サイドとガロアサイドのVirasoro代数はそれぞれ~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き~「臨界レベルではアフィン・リー環の普遍展開環(の完備化)の中心」と「PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)を展開した係数で生成される代数」になります。それらは一致するのでPSL(2,C)接続から臨界レベルの表現が得られるわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。局所的な表現が得られれば、後は共形場理論の方法(=アデールを使った保型表現の理論のリーマン面版)を使えば保型表現の類似物が得られます。その表現にはSL(2,C)主束のモジュライ空間上のD加群が対応しており、これが欲しいものだろうというのが私が昔聞いた予想です。つ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。もしかしたら、今現在では非臨界レベルでも1パラメーター族として存在しているW代数のラングランズ双対の物理的もしくは幾何学的理解があるのかもしれませんが、私は現時点では全然知らない。その方面の論文もまじめにチェックしていない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学エドワード・フレンケルさん、ほんと大人気。説明内容の難易度は過去のテレビ放送の中で最高レベル。それにもかかわらず、大受けしまくっている。NHKは絶対に再放送するべき。 放送内容とほぼ同じ話が著書にもある→ https://t.co/UhUoEyM4I7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
@genkuroki#数学 エドワード・フレンケル著、 青木薫訳、 『数学の大統一に挑む』 https://t.co/UhUoEyM4I7 文藝春秋 2015/7/13 文藝春秋社はいい仕事をしたと思う。この本、ベストセラーにならないかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
@genkuroki覚えておられないかもしれませんが、昔、黒木さんの掲示板や表現論の西山亨さんにネット上でお世話になった板垣志朗(しろうくん)です。とねさんの数学&物理系の濃厚ファンサイト紹介… とね日記『数学の大統一に挑む』 https://t.co/T6YNOzkeoD
— 板垣志朗 (@bunnkanokokoro) 2015, 12月 4
@bunnkanokokoroおひさしぶりです。とねさんのサイトが熱いですね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
あと黒木さんが RT していたいろいろな人の感想を.
数学ミステリー白熱教室であんなに谷山豊の話をするとは思わなかったな。びっくりしてうるうるしてしまった。
— 七千夜叉 (@volantverba) 2015, 12月 4
23時から 数学ミステリー白熱教室だ 最終回は数学と物理学の関連性的な回か 前回のフェルマーの最終定理めちゃおもしろかったから楽しみ(((o( ˙-˙ *))o))) pic.twitter.com/3EjeZOgaGf
— makun (@sone_makun) 2015, 12月 4
今夜で数学ミステリー白熱教室が終わりなのが残念。 https://t.co/l90h0QJLPD
— Sonahawk (@Sona_cam) 2015, 12月 4
あぁ今日白熱教室か。フレンケルかっこいいって人、やっぱりいた(笑) 毎回面白い。そもそもラングランズプログラムが圧倒的に興味を惹く。数学史を絡める数学講義は増えているかも。(前からあったかもしれない。) そして毎回、数学を芸術として突き付けられる。美術館での衝撃の感覚と同じだ。
— 16年 (@__pknt) 2015, 12月 4
本日23時よりフレンケル様の白熱教室の最終回です。エド様による軽快な語り口で現代数学の深み/楽しみ/凄味がほんとに感じられます。前回までの放送を見てなくても楽しめると思います。
— jwufujita (@jwufujita) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱白熱教室録画して見てるけどエドワードフレンケル教授がマイケルJフォックスそっくりのイケメンで内容が頭に入ってこないにゃー pic.twitter.com/TSFJTQ2QEN
— ロマ猫ンティ (@Rika1966) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、理解は出来ないけど面白いから見ちゃう
— カサ (@achromJP) 2015, 12月 4
最近この時間に帰って数学ミステリー見るのがお決まりになってる。見たところでなにをゆーとるんかまるでわからんけどなんかすごい
— たたたっちゃん (@K2Allian) 2015, 12月 4
Eテレの数学ミステリー白熱教室だかいうやつ、何言ってるのかさっぱり分からなくて楽しい
— たゆり (@39_yura) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室を観ているんだけど、スゲェ難しいけど大学の授業よりクソwktkなのは確か
— いっちー@14716270/V穴難! (@BEMANIST2000) 2015, 12月 4
Eテレの「数学ミステリー白熱教室」を観て童心に帰っている。純粋なものに触れると心が洗われるのだな。 #NHK
— S. Yoshi (@Yoshi_720) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室の数学者がイケメン過ぎて内容が入ってこない(’-’)カリフォルニア大学のエドワード・フレンケル教授だそうですよ。
— サイチョモチ (@Saimochi) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、毎週すごく楽しみにしてただけに終わってしまうのが寂しい。学生の頃から数学苦手だったけどこういう講義ならいくらでも受けたいって思える
— ます (@mass137) 2015, 12月 4
知的興奮はあっても何も身にならないこと, 実際の講義やら何やらで対応するのは極めて難しい感じがある. その辺何とかしたいと思ってやってはいるが.
Eテレ「数学ミステリー白熱教室」全4回は、ミステリーと謳っているけれど語られる内容はほぼSFの領域に突入する素晴らしさ。数式は限りなく少ないのでちょい首ひねるところもあるけれど、そんなの誤差レベルの凄さだった。 https://t.co/g8kzQUHNt2
— 最上直美 MOGAMI Naomi (@mgmnom) 2015, 12月 4
全体を通して。フレンケル教授の話は「みんなが納得良くわかりました」って話じゃない。講演の中で出てきた断片や話者の情熱から「想像力を掻き立てられて」自分で勉強してみたくなるタイプの話なんだと思っている。そういう意味で、素晴らしい講演だったし、今めっちゃ勉強したくなっている。
— tsujimotter (@tsujimotter) 2015, 12月 4
(数学ミステリー白熱教室) ちゃんとやろうとすれば多くの時間と論文・教科書を費やさないといけないことでも、その一部を垣間見るのなら「さわれる形」に、特に数論ならしやすいけど、その取捨選択と説明が見事としか言い様がないわ。素敵。しかもイケメン。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
数学ミステリー白熱教室でフレンケル教授がイケメンイケメンと話題になっていますが、わしは日本にも、例えば関東あたりに若手数学者にイケメンが何人か存在するとゆいたいです。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
数学ミステリー白熱教室 第3回はフェルマーの最終定理だったけど、この話題がテレビで出るときは谷山・志村・ヴェイユ予想のステートメントを単に「難しい言葉で書かれていてすぐは分からない話」として紹介されることが多い気がするけど、フレンケルさんはその帰結として解の個数という具体的…
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
…な目に見える形で、モジュラーフォームの係数とのつながりを1例だけで「ちゃんと」紹介されていた。この方法は本当に感心して素晴らしいとうなったわ。しかも「ここで奇跡が起きた」というセンセーショナルな言い方で感動的に紹介。なぜかはわからないがすごく神秘的だということははっきり伝わる。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
フレンケルさんのNHK数学白熱教室(ラングランズプログラム) 全四回のまとめ:https://t.co/w8RRA9VX8Nhttps://t.co/Au2dm23HoJhttps://t.co/Japng85hkGhttps://t.co/UukTWWlhlS
— tomo (@tonagai) 2015, 12月 4
引き続きいろいろ頑張ろう.
2016-03-25 応用数学・数学史メモ: 第二次世界大戦期に於ける日本人数学者の戦時研究¶
細かいことを全く覚えていないが, 何かを探しているときに見つけたのだ.
しょっぱなの表の一部だけとりあえず引用しておく.
No | 課題と科学研究費 | 研究目的 |
---|---|---|
1 | 統計数学 | 製品の統計学的制御 |
保存と配給の数学的計画 | ||
軍使用の見積もり | ||
特性検査と人的配置 | ||
統計学の原理 | ||
統計表と特殊関数表の準備と作成 | ||
2 | 特殊な統計学 | 陸軍により要求される特殊課題の統計学的研究 |
3 | 家庭経済の数学的研究 | 家庭の生活費と栄養との調査による国民の生活水準の決定のための研究 |
4 | 特殊な代数解析 | 主として暗号法の研究 |
5 | 等角写像 | 飛行機の珍しい形の研究 |
6 | 特殊な微分方程式 | 振動と電波回折の現象についての研究 |
7 | 航空方程式の再考察 | 各種の航空方程式の再調査 |
8 | 特殊な機械と道具の幾何学的研究 | 伝動論その他の幾何学的研究 |
9 | 視覚 | 武装機械その他の幾何学的研究 |
当然だがここでの「代数解析」は佐藤幹夫や柏原正樹たちによる現代的なalgebraic analysisではない. 特殊関数表の準備・作成という時代を感じる項目もある.
当たり前といえば当たり前だが, 統計はともかく数学というより工学的応用の感じが強い.
ひとまずメモ.
2016-03-26 ツイートまとめ: 東北大に佐藤幹夫が来たときの市民講演会に関する黒木さんの記憶を記録¶
羨ましい黒木さんの記憶を記録.
#数楽https://t.co/tnewFgsKkG 私が学生時代、佐藤幹夫先生が東北大学に普遍グラスマン多様体に関する集中講義に来たときに、サイエンス・セミナーと題された市民講演会も開かれた。最先端の研究を仙台近郊の市民に知ってもらおうという理学部の企画であった。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
めっちゃ無理筋の市民講演会ですごい. さすが Tohoku は格が違った.
#数楽続き。記憶が定かではないが、佐藤先生はまず「チルンハウス変換」の話をしたと思う。そしてD加群や非線形微分方程式系の代数的定式化について話し、KdVに代表されるソリトン方程式の話もしたと思う。市民講演会でそういう話になったのだ!(非常に面白かった!) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽続き。「質問のある人はいらっしゃいませんか?」の時間に私は質問した!「非線形微分方程式の代数的一般論の話とKdV方程式のような具体的な方程式のあいだの関係がよくわからなかったのですが…」のような質問をした記憶がある。私は虎の尾を踏んでしまったらしい(違う!)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
田崎さんの日記で, 飯高先生のスイッチを押してしまったという話があった記憶がある.
#数楽続き。佐藤先生は何かのスイッチが入ったかのように「何か」を説明し始めた。私は何も理解できなかった。しかし、私が何かのスイッチを押してしまったことだけは理解できた。今の知識を持ってあの場に行ってみたい。 という、楽しい学部生時代の思い出があります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽あれは最高の市民講演会だった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽ドラマ『ガリレオ』の湯川学先生による「さっぱりわからない」は福山雅治さんの演技込みで最高の名言だと思う。「さっぱりわからない」は「じつに、興味深い」の別の表現でもある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
「さっぱりわからない」が「じつに、興味深い」の別の表現かどうかは微妙なところだが, 少なくとも質問が出たら相手を興味深いと思わせたと一応思ってもいい. 変に意地悪な質問をネチネチとしてくるのもいるが, 全く興味がなければ無視するのが普通だし, 一応興味を引いたといえば引いた形にはなっている.
よく考えてほしいのだが, 興味が持てなければ聞いていても話は右から左へ通り過ぎるだけで, 頭には全く何も入ってこない. 引っかかることがないから当然質問も浮かばない.
何度もしつこく聞いてくるということは, それだけそれについて聞きたい・知りたいということだ.
時々その辺が全く通じなくて, 質問を嫌がらせと勘違いされることがあって衝撃を受けたことがあるので あえて特記しておきたい.
2016-08-13 平坦加群などの平坦(flat)という名前の由来¶
平坦加群、何で平坦っていうのアレ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年3月1日
@phasetr#数楽「どうしてflatっていうの?」については https://t.co/2SvTko8l6eが面白いです。Serreさんは自身はどうしてflatという用語を採用したのか覚えていないと言っているようです。数学的な解説もそこにあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月1日
まだきちんと読み切れていないが, 1 つだけ引用しておこう.
A lot of people will tell you that flatness means "continuously varying fibres" in some sense, and that flatness was invented to have correspondingly nice consequences, which is true. But there is a way to expect this (vague) interpretation a priori from an alternative, equivalent definition:
軽く眺めた限りではflatという感じは全くしなくてそれ自体はさっぱりわからない. 量子力学の「波動関数」のように名前に固執すること自体がよくないのだろうとも思う.
とりあえず教えて頂いのでメモだけはしておく.
2016-08-31 堀田良之『線型代数群の基礎』に関する黒木さん雑感のまとめ¶
参考になると思ったので.
#数楽昨日購入した本
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
堀田良之著『線型代数群の基礎』朝倉書店2016
ほとんどの項目について入門に適した具体例の説明があり、とても読みやすそう。Grothendieck-Springer resolutionの周辺についてざっと知りたい人にとってもありがたい教科書。
これだ.
続きも引用する.
@genkuroki#数楽https://t.co/G6nZoMgwoZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Ben-Zviさん曰く【Beilinson-Bernstein対応のsemiclassical shadow】
Humphreysさんの回答もある。
@genkuroki#数楽https://t.co/0hICF7EfQo
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
G/N上のBB対応(元のBB対応はG/B上)すなわちGrothendieck-Springer同時特異点解消の量子化の話。
@genkuroki#数楽https://t.co/X0FYNwzLRE
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
谷崎さんによる量子群のBeilinson-Bernstein対応の証明。
@genkuroki#数楽量子群由来の「多様体」は座標環が非可換環になる。座標環の貼り合わせを素直に非可換分数環を作って実行しようとすると、平坦な非可換分数環を作るためのOre条件に煩わされる。これ、相当にうざい。しかし〜→続きは先の谷崎さんの論文とその参考文献へ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽本当は私自身がやっている座標環が非可換環なアフィン空間へのWeyl群双有理作用を座標環が非可換環な多様体への正則作用に拡張しなければいけないのだが、よくわからない。おそらく量子群版のG-S resol.の話が関係している。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/7TMNU0VfE5
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Quantum groups, quantum tori, and the Grothendieck-Springer resolution
G.Schrader, A.Shapiro
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/g3WIvNmWn7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Poisson geometry of the Grothendieck resolution of a complex semisimple group
S.Evens, J.-H. Lu
@genkuroki#数楽量子群の群としての古典極限版を扱っているEvans-LuのPoisson構造を見ると、量子群版のG-S resol.の構成ではA_q(G)の非可換性をそのまま使ってはいけないことがわかる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽所謂τ函数の普及しているバージョンではPoisson構造がごっそり軽視されているという印象がある。Poisson構造は量子化された場合の古典極限の重要な情報を持っている。Poisson構造や量子化を無視すると大事なことを見逃す気がして仕方がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽ありゃ?この論文を見逃していた?https://t.co/CYeucl0jdI
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Dual pairs of quantum moment maps and doubles of Hopf algebras
G.Schrader, A.Shapiro
@genkuroki#数楽これはいかんな。本当に見逃していたみたいだ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽https://t.co/Z5dXN9aIX9についてはお絵描きで量子群的構成を理解できることを教えてもらった某Hさん案件のような気がする。もしもそのスタイルでG-S resol.の量子群版を理解できるなら非常に喜ばしいことなのだが、どうかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽簡単な例を計算できるところまで理解できればうれしい。結構、例を書いていない文献が多いんだよね。素朴な例が書いてあるだけで、理解のし易さは大幅に上がると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
だいぶ対象というか何というか変わる感じするが, これ, 本当に感じる. 自分で何か作るときもきちんと意識しなければ.
引用を続けよう.
#数楽堀田良之著『線型代数群の基礎』のp.168で引用されている文献Lusztig[L3]はこれ→ https://t.co/AzrnkXI50l
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
実際にはZ-formだけではなく、量子展開環版のZ[v,1/v]-formを扱っている。
#数楽堀田良之著『線型代数群の基礎』はこの本のことです→ https://t.co/l9CmxxeWP1
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
#数楽再投稿。その本ではMumfordの"The Red Book" https://t.co/fcWwybwJAi が頻繁に引用されています。 20年前に私的に作った"The Red Book"の索引→ https://t.co/SL7Ta9yRLb (改変再配布可!)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
#数楽Mumford, The Red Book の私製索引への直接リンク
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
PDF→ https://t.co/UorMdGYHwI
ソースファイル一式→ https://t.co/VhgjvLesLs
これらは改変再配布可。誤りについては自力で修正して再配布して下さい。
楽しそう.
2016-09-05 無限可積分系に関係する代数幾何や代数解析に関する黒木さんの数楽メモ¶
よくわからないが何となく気になるのでメモしておく. 他の人もこういうのをどんどん出してくれると嬉しいが, こういろいろ厳しいのだろうとも思う.
#数楽無限次元化すると、プリュッカー関係式は外積代数版の微分作用素のΣ_i ∂/∂v_i⊗v_iの作用でw⊗w消えるという条件で書き直せるのですが、外積代数版の微分作用素がすべてt_i達の微分作用素で書き直せるので、結果的にt_i達の函数τひとつだけですべての条件を書き下せる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽肝腎のボゾン=フェルミオン対応の証明は単なる計算なので簡単なのですが、どうしてそのように具合のよい理論が可能になっているかについて実は数十年間ずっと理解できていない。理解していそうな人の名前を挙げよと言われても挙げることができないくらいわかっていない。誰か教えて。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽Σ_i ∂/∂v_i⊗v_i がVの基底v_iによらないことは、v_iに関する偏微分∂/∂v_iたちがv_iたちの双対基底の変換性を持つことを使えば容易に証明できます。もしくは外微分df=Σ∂f/∂x_i dx_iの座標不変性を知っていても証明できるはず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽τ函数の理論をリーマン面の幾何と相性が良いように綺麗に定式化するには共形場理論の言葉が必須だと思う。τ函数は共形ブロック(アデール的な定式化の話の共形場理論の言葉での実現)の特別な場合であり、BA函数(波動函数)はフェルミオンを1つ挿入した相関函数になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
@genkuroki#数楽で、τ函数としてのSchur多項式の話。部分空間の基底の外積を作る話と、exp(t_1 z+t_2 z^2+…)型の時間発展を組み合わせれば自然にSchur多項式が出て来る。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽1,z,z^2,…を基底とする1/zの形式ローラン級数全体の空間の部分空間は最も簡単な佐藤グラスマン多様体の点。その基底の先頭の有限個のzのべき指数をずらしたものからも佐藤グラスマン多様体の点が得られる。それらに対応するτ函数がSchur多項式。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽続き。たとえば、1/z,z,z^2,…に対応するSchur多項式はヤング図形が箱1つのやつ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
1/z^2,1,z^2,z^3,…は箱が3つのL型のヤング図形が対応。
佐藤ゲームでのマヤ図形とヤング図形の対応の話を知っていれば、その話になります。
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体の点(部分空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z+…)=Σp_m z^m をかけて、全部の外積をとったときの、1∧z∧z^2∧…の係数が佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数の定義です。定数倍を除いて一意に定まる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽@genkuroki#数楽先の例1/z^2,1,z^2,z^3,…のような基底を持つ佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数はp_mたちを成分に持つ行列式で書けます。その式がSchur多項式のヤコビ・トゥルディ公式による表示そのものになっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽以上の話はSchur多項式の行列式表示(ヤコビ・トゥルディ公式)を知っていれば自明。知らない人はそうやって出て来た行列式をSchur多項式の定義だと思って問題無し。単なる計算なので何も深い話はありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽単なる計算としては自明な以上の話の中に一ヶ所だけ「え?そんなことをしたら、グラスマン多様体の点(部分空間)の情報が失われるでは?」と疑ってしかるべきステップが含まれています。それは1∧z∧z^2∧…の係数だけを拾って他の項の情報を捨てるステップ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽一般に部分空間Wに対して、その基底w_1,w_2,…を取って外積w_1∧w_2∧…を作っても、もとのWの情報は失われません。τ函数を作るときにはそれだけとは違うことをやっているように見えます。しかし実際にはそうではないのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体を埋め込む先の外積の空間の基底としてz^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…を一般化した単項式達を取れます。これにそのτ函数=Schur多項式を対応させる写像は一次独立性を保ちます(∵Schur多項式達は対称多項式環の基底)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽半無限外積空間と無限変数の対称多項式の空間のあいだの同型が得られた!ボゾン・フェルミオン対応が得られた!τ函数を作る手続きで佐藤グラスマン多様体の点とその時間発展の情報は失われていないので、すべてをτ函数から作り直すことができる。たったこれだけの話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽https://t.co/meTH2VXs6Rの補足。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおく。
z^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…に対応するτ函数の定義は(e^ξz^{-2})∧e^ξ∧(e^ξz^2)∧(e^ξz^3)∧…における1∧z∧z^2∧…の係数。
#数楽補足続き。x_iの対称多項式の関係は1/Π(1-x_i z)=e^{Σt_m z}の両辺をzについてベキ級数展開で得られます(t_m=Σx_i^m/m)。iもmも正の整数全体を動きます。この辺のことは対称多項式について色々計算の経験を積めばピンと来る話になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽中学高校でx,yの対称式が基本対称式x+y,xyの式で書けたり、ベキ和x+y, x^2+y^2の式で書けたりすることを実質的に習っていて、そういうみんなよく知っている話を無限変数まで広げるだけで、KPやKdVのようなソリトン方程式が代数的に解けてしまうわけ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月9日
ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
こういう話, 適当に開いて 中高生向けの現代数学入門みたいな小冊子にまとめてKindleとかに載せていきたい.
一般の中高生はもちろん受け付けないだろうが, 受け付けるというか大喜びする中高生, 存在はするはずだから.
引用は続く.
@genkuroki深夜の #数楽https://t.co/iJSbhj8oVD佐藤グラスマン多様体の点(ある種の1/zの形式ローラン級数の空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかけてそれら全部の外積をとる操作のところで「それでいいの?」と〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜思った人は鋭い。コンパクトリーマン面X上の直線束Lの貼合せ方をz=∞の近傍でexp(t_1 z+t_2 z^2+…)で変える操作と、H^0(X,L(*∞))の元のローラン展開にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかける操作は〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜一致していないように感じられるからである。その謎を解くには、直線束の切断のアデール的な理解とボゾン・フェルミオン対応の合わせ技で解けることになる。リーマン面上の直線束からτ函数を作る方法を復習しよう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽Xはコンパクトリーマン面であるとし、∞はその点でzはz(∞)=∞を満たす局所座標であるとし、LはX上の直線束で∞近傍での自明化があたえられているとする。それによって、W:=H^0(X,L(*∞))⊂C((1/z))とみなす。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽H^0(X,L)=W∩C[[1/z]]は自明。H^1(X,L)=C((1/z))/(W+C[[1/z]])が成立することもわかる。佐藤グラスマン多様体の点の定義はこれらが有限次元にのることなのだで、Wは佐藤グラスマン多様体の点である。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き。L^{-1}とΩ^1のテンソル積をL'と書き、H^0(X,L'(*∞))⊂C((1/z))dzとみなす。H^0(X,L(*∞))の元とH^0(X,L'(*∞))の元の積はH^0(X,Ω^1(*∞))の元(1-form)になり〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜、その∞における留数は留数定理より0になる。実は、留数によるC((1/z))とC((1/z))dzのペアリングに関するH^0(X,L'(*∞))の直交補空間はW=H^0(X,L(*∞))に一致する(アデール的な見方)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽Wの基底f_1,f_2,f_3,…で十分大きなkについてf_k(z)=z^{k-χ}+(zに関する低次の項)をみたすものが取れる。ここでχ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)である。以下こういう基底しか考えない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおき、時間発展w(t):=(e^ξ f_1)∧(e^ξ f_2)∧…を考え、その中のz^{1-χ}∧z^{2-χ}∧…の係数をτ(t)と書きτ函数と呼ぶ。時間発展させる前のwをτ(t)に対応させる線形写像は単射。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽w=f_1∧f_2∧…はf∈W=H^0(X,L(*∞))についてf∧w=0を満たし、g∈W':=H^0(X,L'(*∞))との留数ペアリングによる「微分」でもwは消える:g・w=Res(g f_1)f_2∧…-Res(g f_2)f_1+…=0.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽上のf,gの作用はクリフォード代数(フェルミオン)の作用をWとW'に制限したものになっている。クリフォード代数の作用はτ函数への作用として具体的に書けます(ボゾン・フェルミオン対応、単なる計算問題で証明できる)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
g・τ(t)=Res(g e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))と書ける。g∈W'=H^0(X,L'(*∞))のときその作用の結果は0になる。続く
@genkuroki#数楽そのことは
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))
がW=H^0(X,L(*∞))を係数とするt_mたちの形式べき級数になっていることを意味しています。直線束Lのe^ξによる変形が自然に得られたことになります!
@genkuroki#数楽続き。Baker-Akhiezer函数(波動函数)はΨ(t,z)=e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))/τ(t)によって、τ函数から復元されます。ボゾン・フェルミオン対応の具体的な公式の部分だけが計算を要する場所で他は自明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽2つ前のツイートでは、C((1/z))の部分空間としてのW=H^0(X,L(*∞))が留数ペアリングに関するW'=H^0(X,L'(*∞))の直交補空間になっていることを使いました(1つの点しか参照してないですが、アデール的な話)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽ボゾン・フェルミオン対応の計算は中途半端に以上の記号体系でやるのではなく、山田泰彦著『共形場理論入門』でボゾンとフェルミオンの計算の仕方を学んだ方が良いと思う。しかしその本は絶賛品切れちう😭→ https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽https://t.co/uDqdlFtqCo訂正。zのべきの部分を忘れていた。g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
g・τ(t)=Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)
と書けます。
#数楽訂正続き。任意のg∈W'に対して
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
g・w=(Res(g f_1)f_2∧f_3∧…)-(Res(g f_2)f_1∧f_3∧…)+…=0
なので
Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)=0
となります。続く。
#数楽続き。これは z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ がW=H^0(X,L(*∞))係数のt_m達の形式べき級数であることを意味しています。このようにして直線束Lのe^ξによる変形が出て来る。BA函数はそれをτ(t)で割れば得られる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽続き。直線束Lの指数χ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)は0を選ぶことが多いです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽t_m達の多項式F(t)を
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
e^ξ z^χ F(t_1-1/z, t_2-1/(2z^2), t_3-1/(3z^3),…)
に対応させる写像が共形場理論でψ(z)=:e^{φ(z)}:と書かれるフェルミオンの片割れ。もう一方はψ^*(z)=:e^{-φ(z)):
#数楽ψ(z)の一変数版類似
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
A=e^{zt} e^{-z^{-1}∂/∂t}:F(t)→e^{zt} F(t-z^{-1})
は[∂/∂t,A]=zA, [t,A]=z^{-1}Aで大体特徴付けられます。ボゾン・フェルミオン対応の計算でも同じ計算を実行します。
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/IY5Yo0kukG
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
マンフォード、互いに可換な作用素達および戸田格子やKdV方程式などのソリトン系の特殊解の両方の代数幾何的構成、1977.
なつかしの古典的論文のpdf
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/EF9G3KaMXg
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
GAGA, formal GAGA, rigid GAGA にちょっと詳しい。
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/4hwvo9Uhvw
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Brylinskiさんの「中心拡大と相互法則」
コンパクトにまとまっていて読みやすい。佐藤グラスマン多様体によるtame symbolの解釈についても解説あり(pp.202-203)。
@genkuroki#数楽ベクトル空間の複体0→A→B→0の行列式はA,Bが有限次元なら
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Λ^{top}A⊗(Λ^{top}B)^*
で作れますが、無限次元でもコホモロジー(この場合には核Kと余核C)が有限次元なら
Λ^{top}K⊗(Λ^{top}C)^*
で作れる。
@genkuroki#数楽典型例はコンパクトRiemann面X上の直線束Lのコホモロジーの開被覆X=(X-P)∩Dによる計算(PはXの点でDは点Pを中心とする無限小開円盤Spec C[[z]])。得られる複体A→BはA=C[[z]]⊕H^0(X-P,L)、B=C((z))。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽やっぱ、行列式も含めた線形代数は大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽https://t.co/4hwvo9UhvwこのBrylinskiさんの論文のpp.202-203を読むときには以上の複体の行列式とか佐藤グラスマン多様体などに関する背景を知らないとアイデアの出処がわかりにくいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系を作るための基本パターンや共形場理論に類には無限次元群Gに二つの部分群G_±でGが無限次元多様体として「ほぼ」(ぴったりでなくてよい)直積G_-×G_+に一致する状況がうまく使われています。正方行列の下三角×上三角へのガウス分解の一般化。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽数論では、Gがアデール群で、G_+がそのほぼ極大なコンパクト部分群で、G_-が大域体から来る離散部分群の場合が典型的。Lie群とコンパクト部分群と離散部分群の三つ組は数論における基本的対象。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
以上はどれも1次元の話。高次元版はよくわからない。
@genkuroki#数楽類対論の方は高次元化されている(数論側)。C((z))((w))のタイプの局所体が出て来る場合に佐藤理論を拡張するという試みもあったが、現在どうなっているかは知らない。色々バラバラになってしまった話を現代の視点からまとめ直すことが必要かも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽1984-1985佐藤幹夫講義録を見直して思ったのだが、代数幾何のような非線形偏微分方程式の代数的一般論を建設するというプログラムは現在どうなっているのだろうか?30年前より使える道具が相当に増えていると思うのですが。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/DgDhaT0QuW
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
数理研講究録No.694
非線型積分可能系の代数解析学
1989/01/17~1989/01/20
@genkuroki#数楽メモ 一つ前のツイートの講究録よりhttps://t.co/XjnqkAfb0Z
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
高次元可積分系のhierarchyについて
大山 陽介
ソリトン方程式の佐藤理論の高次元化のある設定での可能な時間発展の形が非常に限られるという話。
@genkuroki#数楽その限られた型の時間発展について解説しよう。まず最もシンプルな場合の佐藤グラスマン多様体の設定の復習。Rは時間変数t_i,s_iと変形パラメーターyの「函数」の環であるとする。実際にはそれらの変数による偏微分が作用しているC上の環ならなんでもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽時間変数t_1だけは特別でxと書くことがある。D=R[∂/∂x]とおく。スペクトルパラメーターと呼ばれる変数zを用意し、V=R((z^{-1}))exp(ξ)とおく。ここでξ=t_1 z+t_2 z+…。Vは自然にD加群とみなされる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#掛算exp(ξ)はコンパクトRiemann面上の設定では直線束の変形を記述しているのであった。佐藤グラスマン多様体のR上の点はVのあるR部分加群として定義される。ここでは簡単のためgenericな場合だけを扱うことにする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ここでは簡単のため、佐藤グラスマン多様体の点Wとして、あるΨ=(1+w_1 z^{-1}+w_2 z^{-2}+…)e^ξ∈VからD加群として生成されるW=DΨのみを考える。WのVの中での「サイズ」はR[z]と同じになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体上の点のKP階層と呼ばれる時間発展は「∂/∂t_iの作用でWが閉じている」という条件で定義される。この条件は、ある微分作用素B_i∈D=R[∂/∂x]が存在して、∂Ψ/∂t_i=B_iΨとなることと同値になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽以上の設定は極めて簡明。こんなことでKP方程式(2次元KdV)のような非線形偏微分方程式を理解できてしまっていいのかと感じられるくらいです。KdVの時間発展の定義はKPの時間発展をB_2Ψ=z^2Ψという条件で特殊化したものです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽B_2はB_2=(∂/∂x)^2-uの形をしているので、B_2Ψ=z^2Ψはエネルギーがシュレーディンガー作用素の固有値問題の形をすており、λ=z^2がそのスペクトルになります。このようにしてKdVとシュレーディンガー作用素の〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽続き〜の関係がKP階層に関する佐藤理論から自然に復元される。最も単純な場合の復習終。以上の話の「高次元化」(2次元化)はKdVに次の時間発展の条件を課すだけで得られます→「Wは∂/∂s_i+λ^i∂/∂yの作用で閉じている」。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽続き。その条件は、ある微分作用素C_i∈Dで∂Ψ/∂s_i+λ^i∂Ψ/∂y=C_iΨとなることと同値になります。このタイプの時間発展がどうも基本的らしい。この話とは違うバージョンの本質的に同じ話が『1984-1985佐藤幹夫講義録』にあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki数楽 続き。例えばそのp.403を見て下さい。そこでは自己双対Yang-Millsを例に使ったに説明があります。KP階層やKdV階層には変種がたくさんあります。(変種の作り方にもシンプルな代数幾何的原理があるのですが余り知られていないという印象がある。)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽https://t.co/IY5Yo0kukG
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Mumfordさんによる互いに可換な作用素の作り方の方法を使えば、具体的な表式に頼らずに曲線の代数幾何を用いたシンプルな方法でKPやKdVの特殊解(応用上重要な多ソリトン解を含む)を大量生産できます。
@genkuroki#数楽先の私が説明した2次元化の例でも同様。ただし、出発点になるのは単体の代数曲線ではなく、パラメーターy関する曲線族になる。時間変数t_iは直線束の変形パラメーターになるのでした。時間変数s_iは曲線の族の変形パラメーターになります。大して難しくない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽単体の曲線は1次元(変数zは曲線のある点での局所座標)。曲線の(変数yに関する)1パラメーター族は曲面なので2次元。こういう意味で2次元化と言っていたわけです。私の立場だとzとyで2次元ということになります。yの個数は自明なやり方で幾らでも増やせる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
佐藤幹夫京大講義録については、(1)京大レポジトリで公開するのが筋 (2) 講義録を出版する計画がある という2点がありためらっています。佐藤さんと記述者の梅田さんからの許諾は得てますので私がもうWebで公開しても良いのですが https://t.co/ZpZXcL9UNI
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽佐藤幹夫講義録を読み直したら、やっぱりめちゃくちゃ面白かった。https://t.co/60meuLNyue
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
公開希望。
@genkuroki#数楽Contou-Carrere symbol(CC記号)は符号部分を除けば共形場理論のボソン自由場表示を持つのですが(これは簡単な計算問題)、符号部分はどうなっているのでしょうかね?知っている人がいれば教えて下さい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽CC記号についてはググるもしくは私が最近公開したノート https://t.co/b3DqlCEflPを見てください。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
ボソン頂点作用素の計算でlog(1-x)のTaylor展開を使ったことがある人には符号部分を除いたCC記号の自由場表示は自明。
@genkuroki#数楽CC記号のよくある説明では、f=z^λ b_0 Π_{i≠0}(1-b_i z^i) という表示から出発しますが、ボソン自由場表示と結びつけるには f=exp(λ log z+Σ β_i z^i) という表示から出発した方が楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽もう1つのgをg=exp(μ log z+Σ γ_i z^i) と書く。交換関係[a_i,a_j]=iδ_{i+j,0}、[a_i,q]=δ_{i0}を仮定し、i≧0に対するa_iを右に持って行く積を: :で表す(正規順序積)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽続き。たとえば:a_1 a_{-1}:=a_{-1}a_1や:a_0 q:=q a_0とa_1やa_0を右側に持って行く。この場合には非可換なので掛算の順序を気にしなければいけない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽先のf,gの中のlog zを-qで、z^iをa_iで置き換えて、全体を正規積にしたものをそれぞれΦ,Ψと書く。すなわち、Φ=:exp(-λq+Σβ_i a_i):、Ψ=:exp(-μq+Σγ_i a_i):とおく。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽このとき、CC記号〈f,g〉のよくある定義をf,gの先の表示に基づいて書き直すと、〈f,g〉=exp(πiλμ+μβ_0-λγ_0-Σ_{m≠0}β_m γ_{-m}).ゆえに容易な計算によって(ΦΨ)^{-1}ΨΦ=(-1)^{λμ}〈f,g〉.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽以上の計算を"well-defined"にするためには色々細かい注意が必要なのですが、「うまく行く計算」を正当化する作業に慣れていれば大したことはないです。もちろん正当化の場面では抽象的一般論を程度知っていた方が圧倒的に楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽以上の話も先のノートに追加しておいた方がよいかな。以上で説明したような計算の仕方については山田泰彦著『共形場理論入門』(培風館)の第2章が定番の解説だと思うのですが、その本は絶賛品切れ中。正直、とても不便している。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽もっと「抽象的に」ボソン自由場の共形場理論とtame記号やCC記号の関係を明瞭にした方が良さそうな感じ。Lie代数の範疇で「加法的」記述に関する共形場理論の仕組みはよく整備されていますが、「乗法的」な場合はそうじゃないと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽tame記号やCC記号は曲線だけではなく、高次元の場合についてもたくさんの仕事があるのですが、共形場理論の高次元化はまだないと思う。そういう意味でもsymbolsの共形場理論での理解は重要かも。ボソン自由場の高次元化のヒントが得られるかも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
長くて途中で心が折れそうになった. つらい.
2016-09-11 かけ算順序固定派先生に教育目標を確認する質問チャート: 大事なので画像も転載¶
#掛順https://t.co/Qw4rZtmVMZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
かけ算順序固定派先生に教育目標を確認する質問チャート
私はこれのQ4まで進めない人はそれだけで論外だとみなして問題ないと思う。論外だと言われて困る人達が実際には論外だということをあばくことは結構大事。
#掛順https://t.co/v5AKVPI0sj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
掛算順序固定強制指導の実態を分析すると、リンク先のような子供を生産するような教え方であることがよくわかる。これは本当に怖い。リンク先は理解しているかどうかを確認するための問題の出し方についても参考になります。
#掛順他人のうちの子の答案について「これは保護者の言い分とは違って絶対にバツだ」などと言うことは、普通なら相当に勇気がいることだと思う。しっかりした準備してから、保護者とその子供を傷付けないように慎重に指摘するものだと思う。実際には不用意なクズ反応が沸きまくっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
#掛順まず、他人のうちのことを心配する前に、自分の頭の堅さと無知無能、さらに保護者と子の関係への配慮の無さを反省するべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
チャートが激烈大事なので転載させてもらうことにしよう.
ちなみに私の掛け算に対するスタンスは次の記事にまとめている.
- 【掛け算問題の悲しみ: 嘘は後々禍根を残す】: TODO あとでリンク張り直し
嘘を教えるのは人間関係にひどく悪い影響を残すから, 本当にやめた方がいい.
数学の理解のためにできること: 黒木メモ¶
「小学生が算数の時間にやるようなことをやらなくなるから大学で数学が分からなくなる」と実は何度か言ったことがある。理解するために絵を描いたり、数表作ったり、グラフ描いたり、地道に計算したり、…と全部算数でやっているはず。いずれにせよ、時間だけは確実に消費することになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。もしかしたら、中学生になったときに、算数で普通にやっていたことを自分でやらなくなってしまったせいで、数学が分からなくなるということがあるのかもしれない。これ、実は数学の話にしてしまっているが何でも同じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。ぼくが実際に算数の教科書を複数社分チェックして、実際にそういうことを算数でやっていることは確認済み。問題なのは、算数でやらないで欲しいことを結構たくさんやるようになっているようにも見えたこと。あれはマジに困る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。新しい概念を導入したり拡張したりすること、絵を描いて理解すること、直観と論理を結び付けようとすること、数表を作ること、グラフを描くこと、計算をたくさんすること、などなど、全部算数でやる。数学者の研究集会でもよく見る。体全体の動きで直観を表現しようとする講演者も少なくない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
「数学者の研究集会でもよく見る。体全体の動きで直観を表現しようとする講演者も少なくない」の続き。添付画像はとある研究集会でぼくがとったノートより。実際の体の動きもノートにとった。 pic.twitter.com/F20AUJOKYt
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
数学は非論理的な説明を聞くだけで論理的に理解しなければいけない分野である。誰も論理に説明してくれない。説明している本人だけが論理的な説明になっていると本気で思っていたりする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
以前, 「特異点解消ってどんな感じなんですか?」, 「こんな感じでぐるっと回しながら持ち上げる」みたいな感じで, ジェスチャーを交えて説明している姿を見かけたことがある.
何ヶ月かしてたまたまそれっぽい図をネットで見かけて「あのとき言っていたのはこれか」という感慨を覚えたことがある.
特にどうということもないがそんなことを思い出した.
『無料で入手できる本格的(紙なら高額)な理数系専門書15選』からの共形場理論: 黒木さんのツイートメモ¶
#数楽再掲おすすめ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
檜山正幸のキマイラ飼育記 2016-07-05
無料で入手できる本格的(紙なら高額)な理数系専門書15選https://t.co/n3PRZTICh5
⊗圏関係が多い感じ。Moore-Seibergの論文以降のトレンドの一つだと思う。
@genkuroki#数楽共形場から来るモジュラー圏は複素代数曲線の代数幾何にまだ十分に応用され尽くしていないように思われる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
長谷川浩司さんが証明したキャラクターレベルでのレベル・ランク双対性は楕円曲線の場合の共形ブロックの双対性とみなせ、それを〜続く
@genkuroki#数楽続き〜そのまま一般のリーマン面に拡張するための自然な枠組みはモジュラー圏だと思う。モジュラー圏には多くの対称性があって(組紐群対称性を含む)、それを利用すれば一般的な双対性を示せると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
共形場だから当然なのかもしれないが, 作用素環での共形場のフォーミュレーションでもbraid群が出てくるようなので, braid群やばいという感じがある.
@genkuroki#数楽「楕円曲線+点なしの共形ブロック(キャラクター)のレベルで双対性があれば、他のすべての場合に共形ブロックの双対性が拡張される」という予想が立てられます。これはある意味、レベル・ランク双対性の究極の一般化。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkuroki#数楽Verlinde予想は「楕円曲線+点なしの共形ブロック(キャラクター)のモジュラー変換性のデータだけで、すべての場合の共形ブロックの空間の次元を具体的に書ける」という予想。本質的にMoore-Seibergによって証明された。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokihttps://t.co/hBI4lOtdmBと違うのですか?
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajimaその手の話の一般化の話です。レベル・ランク双対性だとGKOのコセット構成によるヴィラソロ代数の表現の構成から来る共形ブロックの双対性が含まれないのですが、上の話はそういう場合も含む話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima複数の共形ブロックのシステムのあいだにペアリング(もしくは写像)があるときに、それらがmonodromyやらfusionとコンパチブルでかつキャラクターへの制限が非退化(もしくは同型)ならばシステム全体でもそうなるだろうというのが予想の概略です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima「共形ブロックのシステム」とは安定曲線のモジュライ上の層としての共形ブロックのこと。長谷川さんは「キャラクターレベルで双対性が成立している」という型の複数の結果を示しているのですが、それが全部一般のリーマン面上に拡張されるだろうというのが予想です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiヴィラソロの双対性の文献は、何ですか? いっぱいあるなら、読みやすそうなのを希望です。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajimaアフィンsl(2)からのコセット構成の共形ブロックとVirasoro代数から直接作った共形ブロックのあいだの同型で直接的な計算で証明できるケースについては https://t.co/IM2NEoMEcPに書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiコセット構成は知りたいと思いながら、読める文献を知らなかったので、教えてもらった論文は役に立ちそうです。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajima文献は書いてない。GKO構成は表現=キャラクターレベルでのaffine sl(2)とVirasoroのあいだの双対性で、その双対性から同型だと予想される共形ブロック間の写像を作れます。片方はコセット構成に付随する共形ブロックでもう一方はBPZ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima長谷川さんの論文で証明されている表現=キャラクターレベルでの双対性のすべてが共形ブロックレベルでも成立していると予想するのは自然で、共形ブロックレベルでの同型と予想される写像の構成はそう難しくないという話です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajimaぼくが一般的な場合について何か書いておけば良かったのですが、書いてなくてごめんなさいの世界。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiちなみにsl のレベルランク双対性は、アファインA型のクーロン枝 https://t.co/zLgM9isPX9と関係しています。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajima#数楽
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
ググってhttps://t.co/Ocp0APwgt3
共形場理論におけるコセット構成と双対性
於京大会館1994年9月
を発見。22年前。「予想」の一般的な証明のためにはモジュラーテンソル圏が適切な枠組みじゃないかなと思っています。
@genkurokihttps://t.co/hBI4lOtdmBも、その一つ前のhttps://t.co/ImXEmOkjZ3も、グラスマンの量子コホモロジーとの関係を使っているはず。Bさんに[NT]と同じように表現論だけで証明できないのですか? と質問したら
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月8日
@genkuroki[NT]と同じ議論ではモゴモゴの困難がある、との答えだった。モゴモゴは説明されたが、忘れた。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月8日
@hirakunakajima[NT]の方針では「KZ→組紐群の表現→その表現は既知のもの」という経路で組紐群の表現論を本質的に使うので、その経路をそのまま一般化するのは大変。そのままではなくbraiding,fusionのシステムを系統的に利用する方針ならたぶん有望。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
@hirakunakajima共形ブロックのbraiding,fusionの仕組みを系統的に利用するための仕組みがmodular tensor圏。典型的応用例が「任意のRCFTでVerlinde予想が成立していること」に関するMoore-Seibergによる証明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
@hirakunakajimaMoore-Seibergによる(一般的な)Verlinde予想の証明については、古本が1万円近くもする山田泰彦さんの共形場理論の教科書に書いてあります。 https://t.co/ieUL7CuQdi
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
山田泰彦さんの『共形場理論入門』には昔の基本的結果の証明が多数紹介されていて(超高密度)、しかも、山田泰彦さんによって再構成されてわかりやすくなった証明が紹介されている。かなりすごい本。 https://t.co/ieUL7CuQdi#数楽
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
たとえば、アフィンLie環の脇本表現の構成を、ある種のLie環のコホモロジーの計算を使わずに、screening作用素と「可換」になるという条件による特徴付けによる計算だけで行っていたりする。これは論文にしても良さそうな結果。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
自由場表示におけるもっとも重要かつ基本的な場はscreening作用素。screening作用素を中心に計算を整理するのは自然。VirasoroやW代数だけではなく、アフィンLie環の自由場表示(脇本表現)でもその方針ですべてを計算し切ることができるという話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
よくわからないが山田泰彦さんの『共形場理論入門』, 英訳した方がいいのではないかという気がする.
層とコホモロジーとRiemann面: 黒木さんツイートまとめ¶
#数楽私が大学数学科2〜3年生に「層とかコホモロジーとかを勉強したいのですが?」と聞かれたとき、最も易しい教育的な参考文献として紹介するのは
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)
@genkuroki#数楽続き。https://t.co/zuysAHfBg2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)
の最初の50頁程度を読むと、層とコホモロジー入門になる。
@genkuroki#数楽LaTeXではなく、タイプ印刷での50頁なので分量的には相当に少ない。しかも後でさらに進んだ定式化の仕方に繋がるような話ですぐに使える話が厳選して書いてある。あと、リーマン面くらい知らないと困るのでそういう意味でも非常によい本です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽私は学生時代にこの本でSchwarzian derivativeの話を勉強しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽層とかコホモロジーの類は、何の役に立つのか何も理解せず、わけもわからず勉強するのは効率が悪く、Gunningさんのリーマン面の教科書のような易しい応用から入った方が得だと思う。一度勘所がつかめて怖くなくなればそこから先は普通のお勉強。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽勘所が全然掴めていない話をいちから勉強するのは非常に大変。楽な入り方があると思う。自分にとって易しく感じられる「わかる話」から順番に積み重ねて行かないと結局のところ何も理解できずに終わる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽GunningさんのRiemann面の本の特徴はできるだけ層のコホモロジーを使ってコンパクトRiemann面に関する基本定理を証明しようとしていることです。コンパクトRiemann面の話なのでそうする必然性はないのですが、そういう方針になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽普通なら「たかがコンパクトRienann面のために層のコホモロジーの理論の準備をするのは重過ぎる」となってしまうと思うのですが、層とコホモロジーの話をタイプ印刷で35頁ほどにまとめるという凄技を見せてくれました!非常に教育的な本だと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽というわけで、"Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)" のGoogleでの検索→ https://t.co/zuysAHfBg2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽続き〜、答えはGunningさんの本に書いてあった。現在ではウィキペディアまである→ https://t.co/0BETxxOhVt
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
参考にしたい.
「y.さんのLaTeX解説が非常に良い」黒木メモ¶
#数楽https://t.co/jekTICNUP5
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
y.さんのLaTeX解説が非常に良いので拡散→ https://t.co/uBibZ6Mb44
amsthmでtheoremstyle definitionを使うと定理環境の中が斜体でなくなります。しかし〜続く
@genkuroki#数楽続き〜、「定理3.5 (主定理)」の「(主定理)」の部分が太字にならなくなる。amsthmでそこも太字になるようにする方法を https://t.co/CVrzjY2xgIで紹介しておきました。ただしその文書は時代遅れの部分があるので注意!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
@genkuroki#数楽定理環境で斜体を使わずにかつ「定理3.5(主定理)」の「(主定理)」を太字で印刷する方法。https://t.co/CVrzjY2xgIより pic.twitter.com/R3JtKvibey
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
@genkuroki#数楽再宣伝https://t.co/hReJY48Pj9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
で紹介して下さっているhttps://t.co/uBibZ73LVC
が非常にいいです。日本語LaTeXを使い始める人が読むと無駄な時間を大幅に減らせると思う。
@genkuroki#数楽日本語の定理環境で斜体になるのが嫌だから\theoremstyle{definition}にすることは私自身も昔からすすめていました(ちょっと汚いやり方)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
\newtheoremstyleしても手間は大して変わらないのでそうした方がいいかも。
@genkuroki#数楽再宣伝https://t.co/hReJY48Pj9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
で紹介して下さっているhttps://t.co/uBibZ73LVC
が非常にいいです。日本語LaTeXを使い始める人が読むと無駄な時間を大幅に減らせると思う。
私もy.さんのPDFを読んだ. 確かにかなりよく書けているし, 早速反映した内容もある.
これは初学者必読感ある.
代数統計: 黒木玄さんのツイートまとめ¶
#数楽広中の特異点解消や佐藤のb函数などの統計学への応用https://t.co/wGEOzKG2QMhttps://t.co/BI0bF6nVNDhttps://t.co/kCjCYxBawr
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月17日
この手の話も計算機にのせるためにはグレブナー基底が必要になる。
#数楽しばらく前の資料メモの続き。渡辺澄夫さんによる学習理論のまとめ解説には簡単な例による説明が欠けていることが多い。それを補うのに良さそうな易しい解説→ https://t.co/BK0C1bl8Ca
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
コードの例があるのはありがたい。
#数楽しばらく前のリンク紹介続き。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
代数幾何や代数解析に似た用語として代数統計という用語があることを皆さんご存知でしょうか?https://t.co/atE2lAKTrf
motivic氏によるスライド「幾何を使った統計の話」のうしろの方が代数統計の話。
@genkuroki#数楽結構気になるのはKullback-Leibler divergence(以下KL情報量)が天下り的に「2つの確率分布の距離のようなもの」という形で導入されがちなこと。Sanovの定理に触れてそれが何なのかをはっきり説明してくれた方がわかりやすい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkurokiKL情報量D(p||q)は大雑把に言うと「確率分布qの独立試行をn回繰り返したとき経験分布pが得られる確率の対数のn分の1のn→∞での極限の-1倍」を意味している。その極限を計算するとD(p||q)=∫p(x) log(p(x)/q(x))dx となる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽つまり、KL情報量D(p||q)は確率分布qのもとでの経験分布pの生じ難さを表わす量なのである。p=qのときpの生じ難さは最小になり、D(q||q)=0となる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
これを知っているとKL情報量が出て来る式を納得しながら眺めることができるようになる。
@genkuroki#数楽以上で述べた数学的結果はSanovの定理と呼ばれており、確率論における易しい大偏差原理の典型例のひとつになっている。私が書いた解説は→ https://t.co/40sUnHaUCD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽X_iは独立同分布な確率変数で未知の確率密度函数p(x)を持つとする。q(x)は未知の確率密度函数p(x)の推定値だとする。p(x)は未知だが、独立試行によって(1/n)Σ_{i=1}^n log q(X_i)は測定可能な量になる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き。そのn→∞での極限は大数の法則より∫p(x) log q(x) dxになる。さらに、D(p||q)=∫p(x) log p(x) dx - ∫p(x) log q(x) dx で、前者の項は未知であるがq(x)の取り方によらない定数で、続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き、後者の項は測定可能な量である。q(x)を動かしてD(p||q)を小さくすることと、測定可能な後者の項を小さくすることは同じことになる。こういう話が学習理論(機械学習)の話に出て来る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き。そのケースで、KL情報量D(p||q)は推定された確率分布qのもとで知りたい未知の確率分布p(x)の経験分布としての生じ難さを表す。そして、Σ_{i=1}^n log q(X_i)=log(q(X_1)…q(X_n)) は所謂尤度の対数。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽どう読むのかすぐにはわからない「尤度」は「ゆうど」と読むようですが、英語ではlikelihood (確からしさ)です。尤度は推定された確率分布のもとで観測結果が生じる確率の大きさを意味し、確率分布の推定値のもっともらしさの指標としてよく使われます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽尤度そのものではなく、その対数をとってnで割って標本平均の形にするとn→∞で大数の法則が使える形になり、KL情報量と結び付くわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
#数楽階層ベイズモデルとWAIC - StatModeling Memorandum https://t.co/6T7aAuqVo3
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
WAISは所謂「代数統計」(代数幾何、代数解析と似た意味)の話。
#数楽メモ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
「代数統計」についての入門的解説は→ https://t.co/kCjCYxjz7Rにある。代数幾何と代数解析の学習理論へのかなり必然的に見える応用。統計学諸分野や広いので、代数幾何や代数解析などとの間に橋が架かることは歓迎するべきこと。
#数楽「代数統計」関連の連続ツイート
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
・ https://t.co/0x3vcHD7oD
・https://t.co/dpmDXtS11N
・あとこのツイートの返答連鎖
#数楽自明な誤植https://t.co/pZRk72o18n
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
×WAIS→◯WAIC
赤池情報量基準AICの導出には伝統的な「正規分布による近似」を用いるが、そうできない非正則モデルでも使えるのがWAIC。正規分布による近似が有効でない場合に代数幾何と代数解析が役に立つ。
代数解析勉強したい. したいしたい言っていまだに全くできていないし, ミニ講座を作る体で勉強するしかないのかもしれない.
黒木さんのツイートまとめ: 熱浴と数学¶
発端のツイート.
#数楽https://t.co/9YSyonXQYLの続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月14日
奥村晴彦著『Rで楽しむ統計』 p.55より【ランダムにお金をやりとりすると、指数分布に近づき、貧富の差は増す】
指数分布の確率はe^{-βE}に比例(β>0)。Eはランダムに選んだ個人が保有するお金の量。
これの解説ツイート群.
#数楽https://t.co/tWgy5CuAWD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
リンク先のツイート以後の解説を難しくし過ぎた。初等的な議論で示せるので以下で解説します。
設定:nは大きいとし、n人のそれぞれがお金を保有しており、n人分の合計金額は一定であり、ランダムにお金をやり取りしまくる。
続く
#数楽続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
帰結:そのn人におけるお金の分布は指数分布で近似されるようになる。(各人がE円のお金を保有している確率はe^{-βE}に比例するようになる。)
#数楽訂正版。続き。証明の概略。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
n人が保有する金額の合計をnUと書く。n人が保有する金額は0以上で、総和はnUになる。可能な場合全体は集合Ω_n(nU)={(E_1,…,E_n)∈Z_{≧}|ΣE_i=nU}で表現される。あとは場合の数を評価する計算になる。続く
#数楽続き。i番目の人が金額Eを保有することと残りのn-1人が保有する金額の合計がnU-Eであることは同値なので、その場合の数は集合Ω_{n-1}(nU-E)の元の個数に等しい。その個数をΩ_n(nU)で割ればその場合の確率が得られる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽Ω_n(nU)の元の個数はほぼnUのn-1乗に比例し、Ω_{n-1}(nU-E)の元の個数はほぼnU-Eのn-2乗に比例するので、i番目の人が金額Eを保有している確率はほぼ(nU-E)^{n-2}/(nU)^{n-1}に比例する。これで本質的に議論終了である。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽nが大きくて、EがnUよりずっと小さいならば
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
(nU-E)^{n-2}/(nU)^{n-1}
=(nU/(nU-E)^2) (1-E/(nU))^n
≈(1/(nU)) e^{-E/U}.
i人目が金額E保有する確率はほぼ e^{-E/U} に比例することがわかった。
#数楽Uは1人あたりが保有する金額の期待値なのだが、確率密度函数 e^{-E/U}/U の確率分布(指数分布と呼ばれる)の期待値もUなのでつじつまは合っています。Uは統計力学における絶対温度に対応しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
個人が保有するお金の平均値←→統計力学における絶対温度
#数楽以上のような話は統計力学の教科書に書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽現実の資産分布はどうなっているか?このツイートの添付画像は https://t.co/uwohBb7TAjより。 pic.twitter.com/5xgUv0Z5Nf
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽もう1つ。このツイートの添付画像は https://t.co/DeM4igpoWe より。 pic.twitter.com/xxPC2vkVZj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽指数分布のグラフは添付画像のような感じになる。 pic.twitter.com/98bCTCi2cx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽指数分布の普遍性を理解してもらうために授業時間に次のような実験をすることが考えられる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
(1)出席者におもちゃのお金を配る。全員に同じ金額を配ってもよきし、偏りがあってもよい。
(2)ランダムに相手を変えながら、じゃんけん勝負をしてお金をどんどんやりとりしてもらう。
続く
#数楽適当な時刻に、保有しているおもちゃのお金を集計して分布を記録する。十分時間が立つと分布は指数分布に落ち着くことが確認できるはず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
物理の授業時間にやってもらえると助かる。
#数楽上の方で説明した指数分布を出す計算と、R^n内の原点を中心とする半径√(nU)のn-1次元球面上の一様分布を1次元部分空間に射影して得られる分布はn→∞で正規分布に収束するという計算は本質的に同じです。両方の計算をやってみればわかる。「熱浴」の話の簡単な場合。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽T=σ^2とおく。R^n内の原点を中心とする半径√(nT)の球面上の一様分布を1次元部分空間への射影で得られるR上の確率分布はn→∞で平均0、分散Tの正規分布に収束し、分散Tは統計学における絶対温度に対応します。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
この話がお金の指数分布の話とほぼ同じなのは明らか。
#数楽半径√(nT)のn-1次元球面を考えることは、R^nの座標をT=(x_1^2+…+x_n^2)/nと球面上の座標に分解することをやっていると考えられます。以前紹介しましたが、その分解は、PerelmanさんのRiemann幾何的熱浴のアイデアのTaoさんによる解説にも〜
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽続き〜にも登場します。 https://t.co/xnyY3CdgABにおける(9)式を見て下さい。そして(15),(16)式以降の議論を見れば、一様分布の射影の話はラプラス方程式+熱浴から熱方程式を出す議論の一部だと解釈されるべきであることがわかります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽総量一定のお金をランダムにやり取りする話(現実世界の貧富の差の問題と関係がある)とポアンカレ予想を解くためのに使われたアイデア(純粋数学の最深部)は地続きで繋がっているのです。下世話に感じられる話は実は下世話ではない。高尚に見える話も単に高尚なわけではない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽「熱浴+注目系でのエネルギー保存則より確率がe^{-βE}に比例する」という話は統計力学の教科書に書いてあります。しかし、既出の https://t.co/xnyY3CdgABにおける熱浴+注目系上のラプラス方程式から注目系上の熱方程式を出す議論は見たことがない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽続き。どこかに書いてあるならば教えて欲しいです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽大数の法則と中心極限定理はすでに実用的な統計学を習得した人たちにとって空気のようなものになっているのですが、大偏差原理から出て来る話(先の総量が一定のお金のランダムなやりとりで指数分布が自動的に出て来たりする話がその最も簡単な例)についてはそうではないと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽大偏差原理の取り扱いを知っていれば、統計力学における熱浴のアイデアで、所謂指数型分布族(統計力学におけるカノニカル分布の一般化、正規分布や指数分布を含む)がどのような場合に普遍的に出て来るかがわかります。これも空気のごとくみんなが使えるようになると素晴らしいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽総量一定(より正確には1人あたりの量の平均値一定)のお金をたくさんの人たちの間でランダムにやりとりするケースでは、注目する個人意外の人たちが「熱浴」の役目を果たします。奥村さんの新著でも紹介されていたようにこの例は基本的で分かりやすいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽注目する個人(もしくはより一般に注目する系)が集団(熱浴)とやりとりするものはお金である必要はなく、なんでもよい。ただし、指数型分布族を出すためには、注目する個人と集団の全体でやりとりするものの総量は一定でなければいけない。たったれだけの条件から〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽基本定理:ベースになる個人の制限がない場合の分布密度をq(x)とするとき、個人が函数f(x)で表される量をサイズn-1の集団とランダムにやりとりするとき、全体でのf(x)の合計がnUのとき、n→∞で分布密度はe^{-βf(x)}q(x)に比例するようになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽ただし、U≦∫f(x)q(x)dxであるとき、β>0は、Z=∫e^{-βf(x)}q(x)dx、(1/Z)∫f(x)e^{-βf(x)}q(x)dx=Uという条件で決まる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例:総量nUのお金をn人でランダムにやりとりする場合にはM≧Uに対する[0,nM]区間上の一様分布を個人の制限なしの保有するお金xの分布密度と考えます。そして、f(x)=(注目する個人が保有するお金)=x. 結果的に得られる確率分布の密度函数はe^{-βx}に比例。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例続き。このとき、Z=∫_0^∞ e^{-βx}dx=1/β、β∫_0^∞ x e^{-βx}dx=1/β=Uなので、β=1/Uとなり、平均Uの指数分布の密度函数e^{-x/U}/Uが得られる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
指数分布が普遍的に現れて来る様子がわかります。
#数楽積分範囲が0から∞になっているのは、q(x)として[0,nM]区間上の一様分布を選び、nを大きくしたときの様子を見ているから。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例:個人ではなく粒子達がエネルギーf(x)=x^2をランダムにやりとりしている場合。n個の粒子全体でエネルギーの総和はnUであるとし、制限を付けないxの分布密度q(x)dxは区間
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
[-√(nU),√(nU)]
上の一様分布とする。続く
#数楽例続き。nを大きくすると注目する粒子のエネルギーの確率密度函数はe^{-βx^2}に比例するようになる。ガウス積分の計算を実行すると、β=1/(2U)、Z=√(2πU)となり、確率密度函数は平均0、分散Uの正規分布になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
他にやりたいことがガンガン増えてきて全く触れられていない話題として, 大偏差原理の勉強がある. 統計力学でいろいろ関係あるらしいし, 前からずっとやりたいとは思ってはいるが全く何もできていない.
準素イデアルの定義と代数幾何・代数解析への誘い: 黒木さんツイートまとめ¶
見やすくするため勝手にPDFにもまとめた.
- http://phasetr.com/members/myfiles/file/kuroki_primary_ideal.pdf
以下ツイート引用.
#数楽準素イデアルの定義がピンと来てない人をどこかで見たような気がするのでちょっとその話。Qは可換環Aの真のイデアルであるとします。「a,b∈Aかつab∈Qかつnot a∈Qならばある自然数n>0でb^n∈Qとなるものが存在する」とき、QはAの準素イデアルであると言います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。たぶんこの定義そのものだけを忠実に理解しようとしてピンと来なくなっている。同じ問題はもっと易しい素イデアルや極大イデアルの定義について教えているときにもよく出会います。イデアルについている形容詞の定義を理解するためには、そのイデアルで割ってできる剰余環について〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、考えてみるとよいです。同じことですが、零イデアルがその性質を満たしているのはどういうときかについて考えてみるとよいです。Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、考えてみるとよいです。同じことですが、零イデアルがその性質を満たしているのはどういうときかについて考えてみるとよいです。Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。個人的には教育現場では最初からそれを極大、素、準素イデアルの定義に採用したいくらい。環の準同型定理の具体例での使い方を知っていれば、剰余環を計算して極大、素、準素イデアルであることを判定してもらうことも気軽にできるし。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
こういう易しい話も需要がありそうな感じ。
#数楽「aの7乗しなければ0にならないが、bの6乗は0なので、aよりもbの方が『微小』である」とか。たとえば、Z/128Zにおいて(0⇔128で割り切れる)、14は7乗しなければ0にならないが、12の4乗は0になる。Z/128Zにおいて14よりも12の方が「微小」。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。この話における128=2^7の7を無限に大きくする極限を考えれば、2の大きなべきで割り切れるほど「微小」となる「2進整数環」の世界が得られわけです。2を別の数に変えてもよい。個人的には無限小の直観があった方がp進数入門が楽になると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽超大脱線。体や整域の定義の中に「零環でない」という条件を忘れずに含めている代数学入門書は注意深く書かれています。その条件は「素数に1を含めない」ことの一般化なので要注意なのですが、数学に強くなると細かい部分はどうにでもなるので書くのを忘れるようになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽あと剰余環の定義についても教科書に書いてある定義のみを忠実に理解しようとしてはまるパターンもよく見かける感じがします。(似たようなはまり方を多様体の定義でも見かけたことがある。) 剰余環Z/12Zは有理整数環Zの中で12を0とみなしてできる環であるとかを知らないと困る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。M/Nで「Mの中でNの元をすべて0とみなしてできるもの」を意味することがよくある。この「〜とみなしてできるもの」という曖昧な言い方を避けると教科書に書いてあるような定義になる。教科書的定義を出発点にするのではなく、「定義を自分で出す」という発想が大事。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽易しい話の続き。数学科学部レベルの代数を習ったら、中高で習った「方程式」の定義について考えてみるとよいかも。例えば勝手に剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]を「方程式x^2=2」と呼ぶと定義してよい。任意の環Aにおける方程式x^2=2の解全体は〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]から環Aへの環の準同型写像φ全体と一対一に対応しています(α=φ(x)が解になる)。中学校レベルの方程式x^2=2とその解を環と環の準同型の言葉で完全に定式化できたわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽x^2+y^2=1のような図形の定義になっている方程式も剰余環R=Z[x,y]/(x^2+x^2-1)Z[x,y]として定式化できる。方程式x^2+y^2=1の実数解全体はRから実数体への環の準同型写像全体と一対一に対応している。これで円の方程式も環論で扱える。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽で、環論のよくある演習問題に「Kが実数体の部分体であるときK[x,y]/(x^2+y^2-1)K[x,y]は整域だがUFDではないことを示せ」があります。Kが複素数体ならUFDになることは易しい(Laurent多項式環に同型になる)。単位円の方程式への新たな出会い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽超易しい話という文脈では1つ前のツイートの問題は難しい方に分類されます。UFDでない例としてはK[x,y]/(y^2-x^3)K[x,y]≅K[t^2,t^3] (x=t^2, y=t^3)の方がずっと易しい。これはカスプy^2=x^3の特異点解消の例でもある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽x=t^2, y=t^3は「x=f(t), y=g(t)の軌跡を考える。f(t)もg(t)も滑らかな函数なのに軌跡は滑らかではない例を挙げよ」の例になっています。 https://t.co/KO2X9n55vl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
y^2=x^3は退化した楕円曲線の例にもなっている。
#数楽https://t.co/WPY6yaW7rS
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
parametric plot x=t**2, y=t**3, z=t
xyz空間内の曲線としてこれは滑らかだが、xy平面に射影すると尖がる。
#数楽以上の例は多くの教科書でよく見かけるものです。教科書的例はやはり重要で知らないと様々な場面で理解に困ることが多い。具体的な例も一般的な概念もどちらも大事。具体例にはどの一般論に関係あるかを必ず要求し、一般論では具体例を必ず要求する。答えに詰まる人は大して理解していない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽でも見栄をはって完璧に理解するまで誰にも話さないのは楽しみのかなりの部分を失うと思う。まだよくわかっていないことを説明しているうちに理解がすすむ方が普通だと思う。だから理解していないことの説明を聞いてくれる友人は貴重。単に聞いてもらうだけでありがたい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽今だとパソコンで無料の数式処理ソフトが使い放題だし、スマホからWolframAlphaにアクセスすれば気楽にグラフを描いたり、計算したりできる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽M/Nの話で代数方程式だけではなく、線形微分方程式も定式化できる。ただし非可換環が必要。正準交換関係x∂-∂x=1で定義される常微分作用素環論D=C[x,∂]を考える(∂=d/dx)。常微分方程式(∂^2+1)u=u''+1=0をD加群で定式化するには〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、ランク1の自由D加群Duの剰余加群
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
M=Du/D(∂^2+1)u
=(Duの中で(∂^2+1)u=0とみなしてできる左D加群)
を考えます。これが微分方程式u''+1=0のD加群としての定式化。Dが作用している任意の函数空間Fにおけるu''+1=0の解と〜続き
#数楽続き〜、MからFへのD加群準同型φは一対一に対応している(φ(u)が解になる)。たとえば、F=C^∞(R)の場合:φ(u)=e^{±ix}, cos x, sin xを満たすD加群準同型φ:M→C^∞(R)が一意に存在する。これで線形微分方程式も剰余加群で定式化できた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽一般に微分作用素P∈Dについての微分方程式Pu=0はD加群M=Du/DPu=(Duの中でPu=0とみなしてできる左D加群)として定式化できます。NからD加群FへのD加群準同型全体の集合はHom_D(M,F)と書かれます。Fが具体的な函数空間ならこれはPu=0の解空間。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽線形微分方程式をこのように定式化することの御利益はホモロジー代数を使えることです。すなわちPu=0の解空間のHom_D(M,F)だけではなく、Ext^i_D(M,D)も使える。先の例ではMの自由分解0←M←Du←DPu←0でExtを計算できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。実際に計算すると、Ext^0_D(M,F)≅Hom_D(M,F)≅Ker(P:F→F)=(Pu=0のFでの解空間)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
Ext^1_D(M,F)≅Coker(P:F→F)=F/PF=(Pu=fの解がF内に存在しないf∈Fがどれくらいあるか)
となります。
#数楽続き。たとえばP=x=(函数xをかける作用素)でF=C[x]のとき、xu=0の解空間は自明にHom_D(M,F)=0となり、Ext^1_D(M,F)≅C[x]/xC[x]≅Cとなります。この例は基本的。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
デルタδ函数はxδ(x)=0をみたしているのでxu=0の解。
#数楽https://t.co/bqqEN04aDB
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
訂正NじゃなくてMです。自明な誤り。
まあとにかく、中学校から大学にかけて習う方程式たちは、環や加群として定式化でき、解と具体的な環や加群への準同型は一対一に対応しているということです。
#数楽よくわからない何かは「方程式」とみなせ、そこから具体的な何かへの「射」は「方程式の解」とみなせるという話は単なる再定式化ではなく数学的に意味のある形でうまく行っているということです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽https://t.co/SjSbjpJbu2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
訂正:∂=d/dxに関して、x∂-∂x=1ではなく、∂x-x∂=1が正しい。これも自明な誤り。
#数楽https://t.co/VuyF5XSuGY
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
準素(prinary)イデアルの定義がピンと来ない人をどこかで見かけたような気がするという話から、方程式の概念を環や加群で定式化する話に脱線したのでした。その話の続き。必要な脱線であったことがわかるようにしたい。
#数楽復習1:可換環Aの真のイデアルIが準素(primary)であるとは剰余環A/Iのすべての零因子が冪零になることであった。だから準素イデアルの概念を理解するためには零でない剰余環でその零因子がすべて冪零になるようなものについて理解すれば良さそうだ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽復習2:有理整数環をZと書く。中学校で習う方程式x^2=2は剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]=(Z[x]の中でx^2=2とみなしてできる環)として定式化できる。可換環Aにおけるx^2=2の解はRからAへの環準同型φと一対一に対応している(φ(x)が解になる)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽ここから新しい話。素イデアルとはそれで割ってできる剰余環が整域になるようなイデアルのことであった。I=(x^2-2)Z[x]はZ[x]の素イデアルである。証明は環の準同型定理を使って、Z[x]/IがZ[√2]={f(√2)|f∈Z[x]}に同型であることを示せばよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽中学校では重解を持つ方程式x^2-2x+1=0についても習う。その方程式とx-1=0の実数解の集合は一致している。実数解の集合で重解を持つ方程式とそうでない方程式を区別することは不可能である。しかし、方程式を剰余環として定式化すればそれらを区別できる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽続き。x^2-2x+1=0は剰余環R_2=Z[x]/I_2、I_2=(x^2-2x+1)Z[x]として、x-1=0は剰余環R_1=Z[x]/I_1、I_1=(x-1)Z[x]として定式化できる。環の準同型定理によって、R_1はZ[1]=Zと同型になり、続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽続き〜、R_2はランク2の自由Z加群Z+Zεにε^2=0というルールで可換環の構造を入れたもの(Z[ε] with ε^2=0)に同型なことがわかる(x-1にεを対応させる)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽環の準同型定理を使えない人は次のように考えてもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
R_1の定義はZ[x]/(x-1)Z[x]で、それはZ[x]の中でx-1=0すなわちx=1とみなしてできる環のことなので、xが1で置き換えられて、R_1≅Zとなる。
続く
#数楽続き。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
R_2の定義はZ[x]/(x^2-2x+1)Z[x]=Z[x]/(x-1)^2Z[x]で、それはZ[x]の中で(x-1)^2=0とみなしてできる環なので、x-1が2乗すると0になる無限小量εに置き換えられて、R_2≅Z[ε] with ε^2=0となる。
#数楽重根を持つ方程式(x-1)^2=0を環論的に定式化するときには、xを1+ε (ここでεは2乗すると0になる無限小量)で置き換えるという操作をするわけです。単根と重根の違いは冪零元(無限小量の一種)の有無で区別されます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽で、以上に出て来た重根を表現するイデアルI_2=(x-1)^2Z[x]がZ[x]の準素イデアルになっていることもわかります。準素イデアルの話は中学校のときに習った重根の話の一般化になっているわけ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
数学科の学部レベルでの代数は義務教育レベルの話をやり直している感じ。
#数楽冪零元εは「それ自体は0ではないがそのある冪が0になるほど微小な無限小量の一種」とみなせます。このようなスタイルによって純代数的に無限小量を扱えるわけです。それによって純代数的に解析学(逐次近似が重要)の真似事ができる。冪零元を排除しないことは結構大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽残念なことに、大学の数学科の先生の中には、「高校以下の数学と大学数学科での数学は違う」と強調し過ぎて、学生が数学を「普通に」理解する道から離れてしまう原因を作っている人達がいるように思えます。実際には高校以下の数学と数学科での数学は内容的にダイレクトに繋がっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽内容的に高度になっているという違いは確かにあるのですが、同じ数学。本質的に変わったと感じる人は高校以下の数学を正しく理解していなかっただけなのだと思う。そこには運で決まっている部分が膨大にある。運の良さを奢ることなく、運の悪さに負けることなく楽しみたいものだと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
これ相当参考になるのでは.
イデアルについている形容詞の定義を理解するためには、そのイデアルで割ってできる剰余環について考えてみるとよいです。
そしてこれ.
Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。
途中, 代数解析的な話も出てくる. ふつうは代数幾何の範疇なのだろうか? 私は代数解析の文脈で先に見たのでそう思ってしまうけれども.
黒木さん筋の情報: 佐藤の$b$函数(Bernstein-Sato多項式)が学習理論に応用される様相¶
全部載せるの面倒だったので一部だけ. 代数解析と統計を勉強する取っ掛かりになれば, と思いとりあえずシコシコ記録していく.
#数楽佐藤のb函数(Bernstein-Sato多項式)が学習理論に応用されている話を直接的に確認したい人は https://t.co/Yy6pgxhPTeからPDFファイル https://t.co/FgnNSfh43x(2頁)をダウンロードして読めばよいと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽続き。b函数はKL情報量K(w)=∫p(x|w)log(p(x|w)/q(x))dxと事前分布φ(w)が定めるゼータ函数∫K(w)^s φ(w)dwの極を得るために使われ、その情報から分配函数Z_n=∫p(X_1|w)…p(X_n|w)φ(w)dwの漸近挙動を導出します。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽続き。一般に統計学諸分野において分配函数と呼ばれるものの様子を調べることはめちゃくちゃ大変なのですが、上の場合には、分配函数を直接攻めるのではなく、別の母函数であるゼータ函数の解析接続の極を調べることによって分配函数の漸近挙動を導いています。極の情報はb函数から得られる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽佐藤幹夫先生由来の代数解析がもろに役に立っている感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
ベイズ学習マシンへのインプットのサイズを大きくしたときの漸近挙動の解析には代数解析の仕組みがもろに使われている。
黒木さんツイートまとめ: 割合概念の理解と質, そして教授法: 吉田甫『学力低下をどう克服するか―子どもの目線から考える』¶
#掛算https://t.co/yEFMChdXNKhttps://t.co/OENmrxp5GD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
例の800円の50%を800÷2と解くことを減点したがる人達は単純に無知無能なのだと思う。無知無能と決め付けることが正しい証拠とみなせる文献を紹介します。続く
#掛算それは何度も紹介している吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003) https://t.co/uAX9pFpYbBです。児童が日常生活ですでに得ている知識を大事にしながら、優れた大人と同じように考えることができる方向に誘導するのが良いことがわかっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算その本では
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
(1)児童がすでに得ているやり方や直観を大事にし、
(2)大人と同じように大雑把な見積もりを直観的にできるようになるように工夫して教えることによって、
教科書通りの教え方に対して、教科書的問題の正答率でも割合概念の理解の質でも圧勝できることを示しています。
#掛算続き。教科書通りに教わると、教科書的なパターン化された問題の正答率は悪くなり、児童は「AはBの130%で、CはBの80%とする。大きな順に並べよ」のような問題を十分に解けるような理解の質に達することが難しくなるという結果も示されています。教科書的教え方には問題あり。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算実験的な授業を受けたE群が割合概念をよく理解しているのに対して、教科書的教え方をされたT群の結果はかなり悲惨。その様子を「立ち読み」したい人はリンク先の連続ツイートの添付画像を見て下さい。https://t.co/uTCNMjxy5r
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算そのリンク先の連続ツイートで紹介していない部分で、吉田甫氏は割合について習う前に児童はすでに大人がよくやる大雑把な見積もりをかなりできるようになっていることも紹介されています。ところが教科書的な割合授業を受けるとそれが*で*き*な*く*な*る*!ひどい教え方。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算以下に添付画像で引用するのは吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003)pp.106-123です。1/9 pic.twitter.com/76ABoQj0Ch
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算2/9 pic.twitter.com/ATIBMJAOG1
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算3/9 pic.twitter.com/rWIMaot8et
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算4/9 赤枠の内側だけでも読んでおくと、児童が割合について習う前にどのような予備知識を持っているかがわかります。 pic.twitter.com/wiTP5PIVUl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算5/9 たとえば、割合について習う前の5年生の段階ですでに50%が直観的に半分であることを理解している児童が3人中2人もいる。さらに割合について習う前に40人の90%を35人に大雑把に見積もることができている児童がかなりたくさんいる!これは素晴らしいこと! pic.twitter.com/GJwS8TjEyH
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算6/9 ところが、割合について習ってしまうと、習う前にできていたことができなくなっている!大雑把な見積もりが直観的にできるままであれば大人と同様の直観的で柔軟で誤りを犯し難い割合概念の運用ができるようになるはずなのに、教科書的教え方が悪いせいでそうなっていない。 pic.twitter.com/q1abvAts9o
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算6/9 ところが、割合について習ってしまうと、習う前にできていたことができなくなっている!大雑把な見積もりが直観的にできるままであれば大人と同様の直観的で柔軟で誤りを犯し難い割合概念の運用ができるようになるはずなのに、教科書的教え方が悪いせいでそうなっていない。 pic.twitter.com/q1abvAts9o
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算8/9 熟達した大人と同じ大雑把な概算を利用している子の正答率は100%!教科書に忠実な公式を使っている子の正答率は67%でしかない。吉田甫氏達はこのような観察に基いて教科書的公式中心の教え方とは異なる実験的な教え方をしてみたら、正答率も理解の質も大幅に向上した。 pic.twitter.com/daoXJh4PVU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算9/9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
まとめ:児童は割合について習う前に50%が半分であることや大雑把な見積もりを結構できている。教科書の公式中心の教え方には、児童がせっかくできるようになっていた大雑把な見積もりをできなくする悪しき教え方である。 pic.twitter.com/tj8wWoutnt
#掛算吉田甫氏達は、教科書的な割合の授業の欠点をあげつらうだけではなく、その欠点を解消する教え方を設計し、実践してみて、教科書通りの教え方とは異なり、児童に割合の概念を理解してもらえることをきちんと示しています。これ以上何か議論することってある?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算その吉田甫氏達による教科書とは違う優れた教え方では、児童が割合について習う前に得た知識(50%は半分であるなど)や能力(大雑把な見積もり)を大事にするものです。児童が「800の50%を800の半分だから800÷2」とすると減点するような教え方とは正反対。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算児童が「800の50%を800の半分だから800÷2」とすると減点するような教え方を支持する発言をしたい人達が、事前テストなどによって条件を揃えた授業の比較研究の結果を引用してくれるまで、まじめに相手をする必要はないと思う。単に否定すれば十分。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算まあ、吉田甫氏達による条件を揃えた授業の比較研究がなくても、児童がすでに知っている正しい知識や優れた能力を否定するような評価をする教師がまともだとする理由はまったくないと思う。おまえら教育に関する議論をしたいなら、少しは生身の子供のことを考えろや。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算きちんと科学的な研究を引用しながら証拠に基いた議論をできないだけではなく、生身の子供への配慮にも欠けているとなると、ほぼあらゆる面で屑そのものだと評価されても仕方がないよね。教育に関する議論ではその手の人達が堂々と発言して来るので驚く。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算やれやれだぜ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算吉田甫氏達による条件を揃えた授業の比較研究の結果についてはリンク先の連続ツイートで紹介してあります。https://t.co/lrOcBABZ9q
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
条件を揃えた授業の比較研究で有用なものが他にあるならば紹介して欲しいです。私は大学図書館の閉架で吉田甫氏の本を発見した。
#掛算https://t.co/2BCYhIJL33
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
【大雑把な概算を使った生徒が「7%」と少ないのは、概算自体が小学生には高度すぎるとも考えられるのではないでしょうか。】
これはひどい誤解。何度も繰り返し述べているように、教科書通りの教え方のせいでそうなってしまっている。続く
#掛算上で引用した吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003)pp.106-123の部分は、教科書通りの教え方が引き起こす有害な効果の分析です。リンク先で引用したpp.162-171に実験的授業が成功した話がある。https://t.co/uTCNMjxy5r
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算1つ前のツイートで紹介した連続ツイートはこの返答連鎖の範囲内ですでに3回目。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
リンク先の図6-13は教科書的問題の正答率について教科書通りに教わった側(T群)が劣っていることを意味するグラフです。https://t.co/yMxIrDZnzh
#掛算リンク先の図6-14のグラフを見れば(大雑把な)見積もりを使う子がいなくなるのは教科書通り(T群)に教えているからだとわかります。https://t.co/12sa3fmeso
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算https://t.co/12sa3fmeso
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
図6-15のグラスを見ると「AはBの130%であり、CはBの80%である。大きな順に並べよ」の型の問題の正答率は
教科書通りの教え方(T群)→3割
実験的な教え方(E群)→8割
と大きな差がついている。
#掛算教科書通りに割合について教わると「AはBの130%であり、CはBの80%である。大きな順に並べよ」のような問題を3割の児童しか解けなくなる。実験的なより適切だと思われる教え方であれば8割正解する。クラス内でできない子も解けるようになっている。この差は大きい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算教科書通りの教え方だと過半数の児童が割合の概念を習得できない感じ。(適切に教えれば平均以下の子でも大丈夫なのに!)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
それどころか、割合の授業の前にはできていた見積もりができなくなる。これはさすがにひどすぎると思います。保護者の立場としてはまったくシャレにならない話です。
#掛算「比べられる量」「基にする量」という用語を聞いた瞬間に「なにそれ」とか「わすれた」と感じる割合の概念を完璧に理解している科学的な理解力の高い人達は相当に存在すると思われます。そういう類の用語を子供相手の授業で使うように教科書は編集されているわけ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算続き。そして、「比べ(られ)る量」「もとにする量」という用語の理解について大多数の子供が困難を覚えていることを、高学年を担当したことのあるすべての小学校教師が気付いていると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
長くて面倒になってきたのでここで切る. 上のツイートからTwitterに飛んでリプライツリーを追えば読めるので, ご興味のある方は読みに行ってほしい.
あと本を改めて張っておこう. そのうち買って読みたい.
掛け算順序固定メモ: 1993 年のある数学者のコメントと黒木元さんの指摘¶
小学校のかけ算順序問題で、ついガチで小学校の先生に反論した上で丁寧に「何をしっているべきか」を論じた数学者の短い論文が流れてきた。https://t.co/mrqBUdDkdy
— kazy (@gakeau) 2016年11月23日
@gakeau大学で物理教えてる僕にも一見では全く理解不能な「説明」ですね(*^ω^*;;)。こんな上から目線で誰かを説得出来る訳が無いと思うんですが。
— タナカシンイチロウ (@Shin_Ichiro_Z) 2016年11月23日
@gakeau大変申し訳ありません。すでに別twで述べましたが、この小論文、発表は1993年であり、20年以上前のものでした。近年の議論とは全く関わりがなく、遥かに先駆けた問題提議というべきものでした。従って僕の批判は全く見当違いでした。見落としすみません。
— タナカシンイチロウ (@Shin_Ichiro_Z) 2016年11月24日
「批判が検討違いというかその人に言ってどうするの」感がある. そして黒木さんがアタックする.
その前に.
@gakeauこのPDFはかけ算順序問題に対して反論しているわけではなく、むしろ加群を使ってかけ算に順序が重要なことを示しています。
— liinter7 (@liinter7) 2016年11月24日
著者の関わった小学校教諭の数学レベルの低さを指摘しているだけかと。
@gakeauこれは理系(数学系?)には分かりやすい説明
— きり (@kiri8128) 2016年11月24日
???????????????????????????????????
何はともあれ黒木さんのツイート.
#掛算@gakeau以下のリンク先の連続ツイートで件のPDFの内容がダメすぎる理由を説明しておきました。参考になれば幸いです。https://t.co/MetC0qEo4e
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
これはダメな反論ですね。この教員個人はやり込めることが出来たでしょうが、掛算順序論を熟知している教員や本尊の指導書執筆者には通じないでしょう。かれらは「交換則は成り立つがそれでも順序は固定」説なので。 https://t.co/5RSAuY5GOC
— 齊藤明紀 (@a_saitoh) 2016年11月23日
@a_saitoh#掛算ほんとその通り。批判の仕方のレベルが低過ぎ。 @gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
#掛算@a_saitoh@gakeauさらにその批判の仕方がダメな理由の解説。掛算順序固定強制のごときトンデモは私が何度も強調しているように小学校2年生レベルの完璧な知識があれば完全に粉砕できます。そういう常識レベルの話に抽象代数系の話は関係ありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
#掛算@a_saitoh@gakeau掛算順序固定強制のごときトンデモの批判には小2レベルの常識があれば十分。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
私は行列を学んだことがないと述べていた小学校の先生から掛算順序固定強制の問題について正確な批判の仕方を教わりました。教科書出版社に問題がある。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
小学校の先生になる人達が現在よりも広く深い数学的教養を身につけることになれば素晴らしいと思います。
しかし掛算順序固定強制問題は小2レベルの常識の問題に過ぎないので、特別な数学的教養抜きに容易に全否定できてしかるべきです。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
掛算順序固定強制問題は理系高学歴者達の中に考えの足りない人達が結構たくさんいることも証明したと私は考えています。掛算順序固定強制を擁護する論外な理系高学歴者達だけではなく、批判している人達の生ぬるさは余りにも情けな過ぎ。続く
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
まるで数学的教養が無ければ掛算順序固定強制を否定できないかのように語る人達はその分だけ掛算順序固定強制問題を不当に「高級」だとみなしていることになり、生ぬる過ぎです。
これは小2レベルの話。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
さらに、掛算順序固定強制の正当性を主張する困りものな教師個人を主な批判のターゲットにすることは、別のもっと重要な意味で生ぬる過ぎ。
教師達を矢面に立たせて、世間的にほとんど非難されずにすんでいる人達がいる。算数の教科書出版社。続く
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
算数の教科書出版社の件については繰り返し書いています。最近ではリンク先の連続ツイートで簡単に説明しました。https://t.co/couRt9IiH5
#掛算https://t.co/iXhoJtGadS
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
その通り!教師達に算数の教え方を指導している算数教育の専門家と社会的にみなされている人達、そして教師全体に大きな影響を与えている算数の教科書とその教師用指導書に問題がある。
#掛算まとめ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
(1)掛算順序固定強制批判はその根拠が高級そうでなければないほど厳しくなる。この件について批判は厳しい方がよい。高級そうな数学的教養が根拠として必要であるかのように語るたびに批判は生温くなる。
続く
#掛算まとめ続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
(2)現場教師を矢面に立たせておきながら、自分自身は世間的にほとんど非難されていない人達がいる。それは、現場教師に算数の教え方を指南する社会的地位についている人達である。特に算数の教科書の教師用指導書の内容にはひどく問題がある。
#掛算最近特に気にしていること。教師になる人は大学生の段階で小2レベルの学力があれば粉砕できるはずのかけ座右重要固定強制の方針が正しいと学んでしまっている場合は少なくないと思われます。小学校の教員免許を取るための教育実習で現場の教師に洗脳されている可能性がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算私がツイッターで出会ったナマの例が2つある。まだ学生の若い人達の将来をつぶすようなことはしたくないので、リンクははりません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
掛算順序固定強制が正しい教育方針だと信じていると公言してしまった学生の人はできるだけ早く自分自身が誤りを訂正するべきだと思います。
#掛算昔から現在にかけて、大学での教員養成課程における教育実習や教師になった後のon-the-job trainingなどで、掛算順序固定強制を氷山の一角とするおかしな考え方を学んでしまう人達が再生産される仕組みが稼働し続けています。それをどのようにしたら止められるのか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算再生産の仕組みが稼働し続けて来たことは確かなのですが、その実態の詳細はよくわかっていません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
小学校での教育実習や教師になってからの勉強の過程で何が起こっているのでしょうか?
#掛算生ぬる過ぎという話に補足。掛算順序固定強制を擁護している文系的な教養を持っていないと恥ずかしい立場の人物を見付けたら、「掛算順序固定強制を氷山の一角とするおかしな算数の教え方が子供達から読解力を奪っていること」を指摘すると、批判をより厳しくできて好ましいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算続き。「あなたは文系的な教養があるかのようなふりをしているが、掛算順序固定強制が子供達から読解力を奪っていることさえ見抜くことができないのか!文系のくせに!」と責めるのは非常によいことだと思います。この方向に関しては→ https://t.co/6VMTr8RdeZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
先日もそれで混乱して算数が大の苦手になったというあまりにもむごい話があった.
掛け算順序固定, こういう子をどう救うのかの対策を示してほしい.
大学新入生向け解析学はどのように進めるべきか: 黒木玄さんツイートから¶
深夜に起きてしまって、もう朝なんだが、この勢いで「自分のことは棚に上げた話」をしてみたいと思う。それは大学新入生向けの解析学(微分積分学)の講義の内容の話。数学科向けの講義ではなく、理学部他学科や工学部向けの講義の内容を念頭に置いた話をしたいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiよく話題になるのは「ε-δで教えなくなった」という話。私は大学新入生のときに実数論とε-δで微積分を習いました。高木貞治『解析概論』のスタイルを大学新入生向けに完璧に整理してまとめた内容の講義でした。そのときのノートを紛失してしまったことが悔やまれる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki実数論からε-δへという「伝統的」なやり方はスタイルが決まっており、一貫した思想もあり、そういう意味で教養として十分に価値ある内容だったと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
問題にしたいのはそのスタイルを止めた後の話です。続く
@genkuroki続き。ε-δを止めた後の大学新入生向けの微積分の教科書を幾つか眺めると、どこが面白いのかわからない内容になってしまっていると思います。思想と一貫したスタイルは消えているのに、中途半端に昔の伝統的スタイルの影響が残っている感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiε-δは消えても、中間値の定理→ロルの定理→平均値の定理→…というような進み方はそのまま維持されていたりする。それらの定理を教えることに異存はないのですが、各々の結果の位置付けはどうなっているのかなどがぼやけてわかり難くなっているように見えて仕方がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki大学新入生のときに初歩的な解析学を習ってどのようなメリットがあるのかについて明瞭なビジョンがないまま中途半端に伝統に従っているだけに見えて仕方がないのです。これだと講義をやっている側がつまらなくて仕方がないのではないか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki数学を好きな人がつまらないと思いながら数学の講義を単なるやっつけ仕事としてやることは精神的に不可能に近いことなので、実際の講義は「教科書」とは違って特色のある個性的で面白い内容になっている場合が少なくないと思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiしかしつまらない教科書の問題は深刻かも。ε-δを外した後もε-δ時代の伝統的流れを(中途半端に)維持することは、数学を教わる側にとってのメリットよりも、惰性の方を優先していることにならないだろうかと思うのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki具体的には、工学部などの学生にとって有用な一貫した普遍的な考え方を大学新入生向けの微積分の授業は提供できているのだろうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
多くの教科書は「シラバスに沿った授業」をこなし易くするために工夫されてしまっていて、そういう感じではなくなってしまっている。
@genkurokiそれじゃあ代わりに何をやればいいのか、「一貫した普遍的考え方」とやらの具体的中身を教えて欲しい、という疑問にある程度答えないと以上の不満は単なる愚痴で終わってしまいます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiε-δで解析学を習うと「近似」の概念を様々に精密に考えることの重要性を理解できます。三角不等式のような簡単な不等式の評価方法、Taylor展開に代表される漸近展開、よい等式から有用な不等式が得られること、函数の凸性の利用、などなど。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki新入生以後もまじめに勉強を続けると、新入生のときに習った「計算の例」が普遍的に役に立つツールの入り口になっていることにも理解できる。たとえば ∫_{-∞}^∞ e^{-x^2/2} cos(px) dx は超普遍的ツールのFourier解析の入口。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiこういう話であればいくらでも続けられるのですが、少し仮眠を取りたいので止めておきます。当然知っておくべき基本的な考え方まで戻って、普遍的ツールについて系統的に教えられたらいいだろうなと私は思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki新入生レベルの解析学において、ε-δを外しても、評価したい量を(主要な大きな項)+(無視しても害がない小さな項)に分解することおよびそのように分解したと認識することは重要です。そういう考え方は科学全体でも普遍的に重要であり、強調されてしかるべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki数学の授業の利点は「自分でいじれるおもちゃ」を気軽に提供できることだと思います。「(主要な項)+(無視しても害のない小さな項)に分解すること」の例をいくらでも提供できる。自分の手で色々計算して感じをつかめる例を提供できます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki大学新入生のとき(もしくはそれよりずっと前に)Taylor展開について知ったときには感動するべきだと思う。Taylor展開は、科学全体で普遍的に重要な「(主要な項)+(無視できる項)への分解というものの見方」の数学的な例になっているからです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki微積分がどう使われているかについて無知だと、中途半端に伝統を引きずった教え方で終わってしまう可能性が高いと思う。教える側は様々なことについてたくさん勉強する必要がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
https://t.co/OA4jBtppKv
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
今日見つけた!とてもうれしい!
https://t.co/x4Sl1uWoDL
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
私のような大学で数学を教えている人は数学がどのように使われているかについて知らないとまずい、という話をしていた。算数教育についても私はこういうことを言っている。数学を教えるためには応用先についても知らないとダメという当たり前の話。
大交わす1年のときの微積分のノートが見つかってうれしいという話をしましたが、そのノートは縦に半分折りになって大量のノートの山に挟まっており、山の外から見えなくなっていました。今日、山を全部崩す機会があって偶然見つけた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
私もこういろいろと遊んでみよう. とりあえずは中高数学駆け込み寺からだ.
黒木さん発言録: 掛け算にみる数学探求¶
本文¶
黒木さんが今回もいいことを言っている.
#掛算算数(実際には数学的なこと全般)について勉強するときに注意した方がよいこと(超一般的な話)について書きます。「算数の(もしくは数学的な)何かについてよく理解していること」と「ある街についてよく理解していること」は似ています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。たとえば自分が住んでいる街について「○○市役所に行って××の手続きをする」とか「キャベツと豚ばら肉を買って来い」というような問題が解けることは重要です。算数でも簡単な練習問題は解けないと困ります。しかし、与えられた問題と解くだけでは街を理解することはできない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。街について理解するためには、街の中を自分のセンスでうろうろ歩き回ってみる必要があります。様々な発見をすることでしょう。街の様子を十分に知っている人はその街で暮らすために解かなければいけない問題は当然のごとく容易に解いてしまうことでしょう。これは算数でも同じ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。たとえば街の中を十分に散策した人は「ああ、それはこの辺にある××という店に行けば売ってますよ」のように容易に答えられる。それと同様の感覚で掛算の街で十分に遊んでみた子供は結構にぎやかな掛算の世界のどの辺に3×7=21が住んでいるかを直観的に理解sすることになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。ときどき、算数だけではなく、国語もわかってなさそうな人が、「3×7=21」の話をすると、「子供を単なる九九の計算マシンにするつもりなのか」のような馬鹿丸出しの反応を示すことがあるのですが、にぎやかな掛算の街を散策すれば決してそんなことにはならない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。街を十分に散策した人がその街におけr「おつかい」を効率的にかつ楽しくこなすことができるのと同じように、掛算の街を十分に散策した子供はつまらない計算問題でさえ効率よく多彩な方法でしかもイメージ豊かに解くことができるようになっているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。「○○市役所に行く」ためには多彩な方法があるのと同じように、算数でちょっとした計算をする場合であっても多彩な方法があるのです。街の様子を理解している人にとってはおつかいをすることは超簡単。算数の世界の様子を理解していれば計算も当然易しくできるようになっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。そして、街の様子を理解していなくても、ある決められたパターンのおつかいを効率良くこなせるようにはなれます。そのある決められたパターンのおつかいの解決方法だけをおぼえればよい。でも、これは楽しくないし、効率も悪いやり方なんですね。止めた方がよいです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。もちろん、「××の手続きは○○市役所の△△でやる」というようなことを教えてくれるマニュアルを利用するなと言っているのではありません。自分が知らないことは何かで調べないとダメ。そして、街の様子を理解するためには自分の足で歩き回る経験がないとダメ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。街の様子を理解したければ、すでに街のことをよく知っている人の話を聞くことも重要です。これは算数(および数学的なこと全般)でも同じ。何か算数(や数学)だから理解のために特別なことがあるとは思わずに、普段我々が街の様子を理解するためにやっている通りのことをやればよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算街のなかをぶらぶら歩くと一日まるごと時間を取られることは少なくありません。実はこれ算数でも同じ。もっと難しい数学だとなおさら時間がとられまくり。これだけはどうしようもない。自分の足で歩くんだから、時間は大量に必要。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
参考にしたい.
ラベル¶
数学, 算数, 数学教育
線型代数は体上の加群を越えた何かである: 黒木さんツイートまとめ¶
はじめに¶
次のツイートに対する Paul のコメントに引き続き黒木さんコメント.
A「線形代数は、和とスカラー倍について保存するような構造である『線形性』を扱う数学です」
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
「なんだ数学オタクの数遊びか…」
B「線形代数は数の表から重要なデータを取り出したりする、人工知能や統計学にも応用のある数学です」
「人工知能とか日経で読んだ!実用的!」
もちろん日経とか出して半分冗談なのですが、ぼくのなかでは「線形代数は数表から重要データを取り出せる」というの、すごい大事な一面な気がしています
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月15日
数の表から重要データを取り出す、嘘はついていないはず(固有値は線形代数の重要概念だし)
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
@ashiato45 人工知能どころか画像処理を含めてロボットの制御等は線形代数を使わずには成立しないので問題無いかと
— OZ-Rick_mover (@J7_Revolution) 2016年9月14日
黒木さんツイート¶
#数楽 https://t.co/AExOg70LgB
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
少し進んだ数学の視点から線形代数について理解しようとしているように見える学生にときどき言うこと→社会的に線形代数という名のもとで教えられている数学の中には「環上の加群の理論」の特別な場合に含まれない大事な項目が含まれている。
#数楽 科目名の「線形代数」というラベルに「線形」という単語が含まれていても、実際に教えられる内容には単純に線形とは言えない項目が多数含まれている。佐武一郎著『線型代数学』を見ればそのことは明らか。ラベルに含まれている単語に騙されずに数学的に大事なことを素直に勉強する方がお得。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 「体上の加群」という特殊なアイデアにこだわらずに大事なことを含める努力をしている教科書として、長谷川浩司著『線型代数』もよい(よくすすめている)。「行列の指数函数」「行列式と体積の関係」などなどはとても基本的な話なので線形代数の名のもとで触れておくべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、幾何的な回転を具体的な線形変換で表現できることだけではなく、3次元の回転全体SO(3)が3次元実射影空間に同相であることなども「線形代数」として知っておいて損がない知識。「体上の加群」という見方は1つの特殊な見方に過ぎないという理解はとても大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ラベルが主になって、数学的内容が従になってしまってはつまらない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
少し進んだ数学の存在を普及している「ラベル」経由で知ってしまった人達は注意しないとかなりの時間を無駄にしてしまうので要注意。
ラベル選択は数学的事情ではなく、社会的・歴史的事情で決まっていることが多い。
#数楽 そうそう、内積の話も「線形代数」では重要。線形代数の名で教えられているまさに「線形」っぽい結果はなんらかの適切な意味で「よい基底が存在する」という形式になることが多いのですが、特殊函数論などでは「よい基底の構成」が「よい内積の構成」を経由することが多い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 教養の一部として教えられている数学については、ひとことでこれだと要約することはちょっと無理だと思う。特に特定の特殊なアイデアのもとで一般化・抽象化された数学の視点からの要約には無理がある。線形代数しかり、微積分しかり、…。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 もっと簡単な話として、3次元空間の回転全体を2×2の複素行列で表現できること(SU(2)の話)とか、SU(2)は3次元球面に同相だとか、SU(2)はハミルトンの四元数体の絶対値が1の元全体と同一視しできるとか、こういう話も線形代数の名のもとで知っておいて損がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、SU(2)の共役類全体の集合とその元のトレースの2分1全体は同一視でき、SU(2)から共役類全体への全射はR^4内の単位3次元球面から1次元部分空間への射影と同一視できるとか、3次元球面上の一様分布の1次元部分空間への射影は佐藤・テイト予想に出て来るとか。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 より進んだ数学の視点からも「線形代数はおおむね環上の加群の理論の特別な場合である」という発想はきちんと「捨てるべき」だと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 個人的な意見→ある特定のアイデアの下で一般化・抽象化された理論に基いて要約できないという状況は教養科目の場合に限らず数学ではむしろ普通であり、数学科での一部の授業の方が「異常」なのだと思う。しかし、「異常」なやり方で情報を選択・圧縮しないと講義で知識を伝えることは困難。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
佐武一郎『線型代数学』¶
次のツイートを見ると佐武一郎『線型代数学』を読んでみたくなる.
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
線型代数の攻撃力は高い.
黒木さんによる某 S 先生の追憶と量子化された $\tau$ 関数とかけ算と¶
はじめに¶
引用¶
学部 3 年~4 年のときに某 S 先生が二年続けて集中講義に来たのだが, $1,2,...,n$ ではなく常に $0,1,...,n-1$ とする主義を徹底していることにびっくりした. ぼくは $1,2,...,n$ がいいと思う. ぼくはいまだに $\tau$ 函数 (ただし量子化 (←超重要) されたやつ) を研究している.
無限自由度可積分系 (ソリトン系) の $\tau$ 函数の量子化は場の量子化なのでを現時点では大変過ぎに感じる. しかし, ソリトン系の有限自由度への簡約のいちパターンであるパンルヴェ系の $\tau$ 函数であればとても綺麗に量子化できる場合がある. (俺しかやっていないのでできていない場合も多い. 謎だらけ!)
現時点で量子化できているパンルヴェ系の $\tau$ 函数は対称化可能 GCM に付随する野海・山田 arXiv:math/0012028 の $\tau$ 変数への Weyl 群作用の量子化. $\tau$ 変数への Weyl 群作用の結果の正則性 (従属変数 $f_i$ について多項式になること) の量子化も証明できている.
パンルヴェ系のパラメーターはコルート $\alpha_i^{\vee}$ に, $\tau$ 変数 $\tau_i$ は基本ウェイトの指数函数 $\exp (\Lambda_i)$ に, 従属変数はシュバレー生成元 $f_i$ に対応している. 量子化するためには全部適切に非可換にしなければいけない. シュバレー生成元の非可換性はセール関係式. 続く
続き. 問題は基本ウェイトの指数函数 $\exp (\Lambda_i)$ に対応する $\tau$ 変数 $\tau_i$ にどのような非可換性を入れるのが正しいのか. これがなかなかわからなかった. わからなかった理由はパラメーター $\alpha_i{\vee}$ たちがすべてと可換 (中心元) だという先入観である. 続く
続き. 基本ウェイトはコルートの双対基底である: $\Lambda_i, \alpha_j^{\vee} = \delta_{ij}$. 普通の量子力学ではこういう場合は $\Lambda_i$ は $\alpha_i^{\vee}$ の共役運動量だということになる. 素直に考えれば $\Lambda_i$ の量子化は $\partial / \partial \alpha_{i}^{\vee}$ である. これで正解. 続く
中略
続き. ある種の $q$ 差分版の Weyl 群双有理作用の量子化は長谷川さんの http://arxiv.org/abs/math/0703036 で構成されている ($q$ 差分化と量子化を厳密に区別していることに注意). ぼくの量子展開環版の Weyl 群双有理作用は長谷川さんの作用をそのままでは再現しない. しかし, 続く
中略
続き. なんとなく, ツイッターでするべきではない話をがんがん大量に書いてしまっているような気がしないでもない. ぼくのツイートを掛算順序関係の話題しか読んでいない人は, ぼくが掛算が交換不可能な場合の専門家であることは知っておいた方がいいかも. 分数の計算が死ぬほど大変. 続く
中略
続き. 以上のような話を来週の 2/15 (土) にする予定です. 詳しい情報はリンク先にあります. https://sites.google.com/site/seminaratkomaba/ …
かけ算¶
続き. なんとなく, ツイッターでするべきではない話をがんがん大量に書いてしまっているような気がしないでもない. ぼくのツイートを掛算順序関係の話題しか読んでいない人は, ぼくが掛算が交換不可能な場合の専門家であることは知っておいた方がいいかも. 分数の計算が死ぬほど大変. 続く
ラベル¶
数学, 数学者, 可積分系
2015-04-16 t2o_yamaさんのツイートから: 処理速度と教育・学習の関係¶
- 数学, 教育, 算数, 理科, 物理
言われてみればそうなのかもしれないが, ほとんど考えたことがなかった事案なので, いくつかツイートを転記して記録しておきたい.
こういうのは実際に大量に色々な子供を見ていないとわからない. 参考にしたい.
その1¶
こういう例を結構たくさん見ているので、「丁寧に正確に」は好まないのですよ。「じっくり考える」は良いとしても。 https://t.co/9RfRT56ctR
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 5
引用¶
引用されているのはこれ.
吹奏楽部に夏休みを破壊され、夏を過ぎてから来た5教科7科目の高3(国公立進学80名程度の自称進学校)がいたのだが、計算が非常に遅く、半年足らずでは何をどうすることもできないので丁重にお断りした。非常に真面目そうな子で勉強も可能な範囲でやってはいたのだと思うが…
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2014, 10月 8
あの様子では、計算のみならずすべての処理が遅いだろう。英文なども逐語訳しているに違いない。「模試とかで時間間に合う?」と聞いたら「全然間に合わないんです。第6問だけで何十分もかかっちゃって」と言っていた
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2014, 10月 8
彼女の問題点は ①部活動によって日常の学習時間が大幅に削減された ②部活動によって受験への始動が大幅に遅らされた ③計算その他処理が馬鹿丁寧すぎるせいで非常に遅い という3点に集約される。では、誰が彼女をそうしたのか
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2014, 10月 8
たぶん、本人は自分の問題点を人に指摘されたことがない。むしろ周囲の推奨する通りに生きてきたはずだ。だから、彼女は自分の学力が足りないことや試験時間内に終わらないことを自分の能力が低いせいだと思っているだろう
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2014, 10月 8
「部活も一生懸命やろう」「ゆっくりでもいいから丁寧に解こう」というイメージ優先かつその場の(自分の)都合しか考えていない無責任な言説が、真面目な学生の本業を破壊した。破壊した無数の張本人たちにその自覚はゼロだろう。本人も何によって破壊されたかを知らず、自分の責とするだろう
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2014, 10月 8
その2¶
例えば同じテストで生徒A,Bが同じ得点だったとします。Aはミスが多いものの時間内に解答欄を全て埋めて見直しまでできました。Bは時間内に解き終わらず解答欄に空白が目立ちますが答えを出した問題はほとんど正解していました。同得点だから実力は同じと判定されますが、皆さんならどう見立てる?
— 根岸 大輔(ねぎちゃん先生) (@negi_chang) 2015, 4月 3
僕はこの場合、Aを高く評価し、Bを低く評価する傾向が強いです。解答欄が空白では点にならないし、何より考え方・論理把握の粗さよりスピードを上げる方が指導しにくいと思っているから。教えられる部分が少なく、個人の取り組み、意識の改革がスピードアップには必要。その意識が低い子は厳しい。
— 根岸 大輔(ねぎちゃん先生) (@negi_chang) 2015, 4月 3
典型的な「同じ点なのは今だけ」の例ですね。仮にABが中学生だとすると、大学受験する頃には絶対に覆らないくらい差がついていてもおかしくない。単位時間あたりの勉強量が違いすぎるからね
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
もちろん程度問題ですが
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
「処理の速さ」って誤解されている気がするな。算盤的な「計算の速さ」だけイメージされているのではないか
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
処理が速いってのは単位時間あたりに考えている量が多いという意味であって、「何も考えずに適当に書いているから速い」みたいのは処理が速いとは言わない
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
その3¶
ただ、処理の速さを生徒に仕込むのは結構大変で、単に急かすだけだとブレーキが壊れた車みたいになって複雑な問題も急いで解こうとして×だらけになったりする。ヤベエと思ったら腰を落ち着かせて行を増やす必要もあるし、そういうブレーキの踏み方も教えていく必要はある
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
行を減らせと言ってもそのために手が止まって考える時間が長すぎれば逆効果だし、結局は「手を止めずに処理できるギリギリの範囲」まで行を減らしていって、その範囲を少しずつ拡張するという話になる。これは指導者が定期的に補助しないと難しい
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
処理が速くなるためには多面的な理解と抽斗の多さが必要になるので、解き終わったあとでその問題に対して考察を加える一手間は結構重要。いわゆる確かめのことではなく、「つまりどういうことよ」的な。例えば×10を筆算して解いた後「0つけるだけで良かったんじゃね?」みたいな
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
特に物理はこれがないとアウトと言ってもいいと思う
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 4
その4¶
とりあえず処理の速さというものがだいぶ甘く見られていることが分かった
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 5
平均以上の生徒なら数解いてるうちに正確性は勝手に上がってくしこっちであれこれすれば更に上がるけど、速度はほっといても上がらんし指導者が補助してすら上がらんことも多い
— ヤマグチ (@t2o_yama) 2015, 4月 5
2015-04-17 p進大好きbotから: 「任意の素数pに対してp+1元集合に入る位相全体の集合の濃度はmod pで7」とかいう謎の結果が載っているプレプリントがあるらしいので¶
- 数学, 素数, 数論, 位相空間論
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 4月 4
「任意の素数pに対してp+1元集合に入る位相全体の集合の濃度はmod pで7」ってやばい。その7って数字はどこかから来たのさ感が異常。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 4月 4
ちなみに「任意の素数pに対してp+3元集合に入る位相全体の集合の濃度はmod pで634」だそうです。これがスカイツリーの高さ634mの元ネタだとか何とか。 https://t.co/0HmMZNDiiy
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 4月 4
やばい. あとで論文きちんと読みたい.
2015-04-28 Elsevierの数学や情報系のジャーナル論文が四年以上前の分が全部無料で公開されるようになったらしいので¶
- 数学, 物理, 論文, 相転移プロダクション, Elsevier
http://t.co/4weHhawop1Elsevierの数学や情報系のジャーナル論文4年以上前のは全部無料で公開されるようになったんだ。今日気づいた。ありがたすぎる
— kinaba (@kinaba) 2015, 4月 9
本当か. これはありがたい.
2015-04-19 メモ: 一般化Riemann積分としてのKurzweil-Henstock integral¶
- 数学, 積分, Lebesgue 積分, Riemann 積分, Denjoy and Perron 積分, Kurzweil-Henstock 積分
@y_bontengeneralized Riemann integral(http://t.co/4choxtTHlG)もうまいことやってますよ。Lebesgue積分と同等もしくはそれ以上なんですから。
— カオナシ(T.MATSUMOTO) (@CharStream) 2015, 4月 9
Kurzweil-Henstock integral, 名前をずっと忘れていたのでとりあえず記録.
2015-04-20 外注のとき用メモ: 記事紹介 『面倒なデータマイニング作業を時給200円ぐらいでバングラデシュ人に発注してみた』¶
- 数学, 物理, 外注, アウトソーシング, 相転移プロダクション
いちおう #ニコニコ技術部#ニコニコ学会関連だと思う 面倒なデータマイニング作業を時給200円ぐらいでバングラデシュ人に発注してみた http://t.co/ZS148Fg67K
— TAKASU/ Pepper超会議 (@tks) 2015, 4月 13
自分の楽しみも合わせて数学名言を集めてつぶやくみたいなアレをやろうと思っていたのだが, こういうのを使うといいのかもしれない. 検討しよう.
2015-04-22 いろぶつ先生の新刊査読募集があったので宣伝協力: ★「ヴィジュアルガイド・自然科学のための数学(仮)」の査読者募集¶
- 数学, 物理, 相転移プロダクション, いろぶつ, 書籍, 自然科学のための数学
web日記に ★「ヴィジュアルガイド・自然科学のための数学(仮)」の査読者募集 http://t.co/YPks2V6uyL を出しました。 「いろぶつの新刊の間違い見つけてやろうじゃないか」という有り難い御心をお持ちの方は、リンク先を参照の上御連絡ください。
— 前野[いろもの物理学者]昌弘 (@irobutsu) 2015, 4月 10
楽しそうだし私も似たことをやろうと思っているので, 参考にもするべく参加した. 楽しそうなので皆でやろう.
2015-04-23 論説紹介: 斎藤恭司 一般weight系の理論とその周辺 特異点理論, 一般Weyl群とその不変式論等との関係¶
- weight 系, 特異点, 一般 Weyl 群, 不変式論, 楕円積分, 周期
30年前の数学会の総合講演で使ったという正規weight系の解説を頂いたので読んでいるのだけど、これが実に面白い(^^)(^^)(^^)
— 宇宙賢者 (@the_TQFT) 2015, 4月 17
.@the_TQFT大島さんが彌永賞受賞した、1985年春の都立大ですね。雑誌「数学」の論説になったのが https://t.co/yCOPftx109 https://t.co/iy21CA17Ja です。30年たってもいまだに色あせない。
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2015, 4月 17
@Paul_Painleveネット上にあったんですね(^^)(^^)(^^)今読んでも面白くて重要な問題意識にあふれています(^^)(^^)(^^)
— 宇宙賢者 (@the_TQFT) 2015, 4月 18
いま読んでも面白いということなので私も読んでみたい.
2015-04-27 書籍紹介: Joel David Hamkins, A Mathematician's Year in Japan¶
購入した: Joel David Hamkins著 A Mathematician's Year in Japan http://t.co/3O1gXjVOYe
— Takayuki Kihara (@tri_iro) 2015, 4月 16
これ面白そう. ほしい. 私もこういうの作りたい.
2015-05-07 私もニコニコ学会出てみたい¶
数学セッション,リーマン予想講演の簡単な解説/他の方のトークも実に面白そうなのでタイムシフトで見よう / “#ニコニコ学会数学セッションに出演しました - tsujimotterのノートブック” http://t.co/shXx3xkX6f
— どせい (@xr0038) 2015, 5月 6
私もニコニコ学会で話す方やってみたいが何話せばいいだろう. ちょっとネタを考えておきたい. 前に動画も作った女性胸部の話とかアレだがアレっぽいのでアレ.
2015-05-15 ツイート・プログラム紹介: mathjaxのようなtexベースの数式組版ライブラリKaTeX¶
mathjax のような tex ベースの数式組版ライブラリだそうです.-- katex使ってみた - Firespeed http://t.co/DgmhEbokTX
— Tatsuyoshi HAMADA (@knxm) 2015, 4月 21
このサイトもMathJax利用だが, ネットワークが通じない状況でのローカルでの記事執筆時に困ることがないではない. 期待したい.
2015-05-16 SGL (Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory)の話¶
丸山善宏さんの「圏論的双対性の理論入門」と understanding conferrability http://t.co/NLlPQqEYho
— HIYAMA, Masayuki (@m_hiyama) 2013, 11月 8
少なくとも一部界隈では有名なMacLane and Moedijk, Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory, 通称SGL関連の話.
次の記述がとても気になる.
古典論理のストーン双対性を圏論的な双対性の有限的/コンパクトな典型的事例として位置付け、無限的/非コンパクトなケースとしては幾何的論理を対比させています。幾何的論理(geometric logic)は、「SGL読書会」のテキストである"Sheaves in Geometry and Logic"の主要なテーマでしょう(たぶん、僕は最終回だけしか出てないので半分憶測)。
古典論理のストーン双対性が、代数幾何の枠組であるスペクトルやスキームと類似であることも詳しく解説されています。ここらへんの話題は、2005, 2006年あたりに僕も取り上げたことがあります。具体的な計算も書いてあるので、多少は参考になるかもしれません。
研究したいこと, 勉強したいことが無限にある.
2015-05-17 鈴木 貴, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広, 『数理医学入門』が面白そう¶
【5/27発売予定】 『数理医学入門』(鈴木 貴 新井 仁之 小林 俊行 斎藤 毅 吉田 朋広 : 共立出版 :C3341 )@近刊検索β http://t.co/tgpvkfddvE ▼本書は最新の研究に基づいて,解析学と医学との直接の協働と融合を紹介したユニークなもの!
— Phantom_Works (@sutohKADAA_SYA) 2015, 4月 21
執筆陣から言っても超ほしい.
2015-05-19 ツイート紹介: Amazon で岩波オンデマンドが続々と値下げされているそうなので¶
なんか、amazonで岩波オンデマンドが続々と値下げされてる…。全部ではないみたいだけど。トポロジー入門とかはそのまま。 http://t.co/Ihkbr7JASy@amazonJPさんから
— たみ〜たみゅたみゅ (@tatatatatamiya) 2015, 4月 10
値下げされているかどうかとはまた別に, 何かほしい本がありそう. 読みたい本が日増しに増えていく.
2015-05-20 ツイート・記事紹介: 河川の石はなぜ丸いのか?数学者が地質学における長年の謎の解明に成功 - ScienceNewsline¶
石塊表面の曲率に拡散方程式を適用して解いたそうです。RT河川の石はなぜ丸いのか? 数学者が地質学における長年の謎の解明に成功 - ScienceNewsline http://t.co/NkKMJlTGAV
— SUZUKI Jiro (@szkjiro) 2015, 4月 5
具体的な方程式が知りたい. 出版社が入ってお金も絡んでいるから難しいのはわかるが, 論文はもっと見やすくなってほしい. arXiv に論文あると嬉しいのだが, あれにしたって 凄まじい維持費がかかっているようだし, 世知辛くつらい.
数学, 地質学, 微分方程式, 拡散方程式
2015-05-21 ツイート紹介: 1が数と考えられてなかった時代があるらしい 『数学文化 023』山本義隆「小数と対数の発見 第3章 数概念の転換」¶
みなさん、1は数であることなんて当たり前だと思ってると思うんですけど、実際僕も1は昔っから数だったんだろうと思ってたら、なんと1が数と考えられてなかった時代があるそうなんですよ。びっくりですね。『数学文化 023』山本義隆「小数と対数の発見 第3章 数概念の転換」
— Ryusei (@mandel59) 2015, 5月 11
ちょっと『数学文化』読みたい. 読書希望リストと積読ばかり増えていて最近本当に困っている. さっさと読んで文章にまとめて動画にして頭にインストールしていきたい.
2015-05-22 ツイート紹介: 高校生向けの数学のジャーナルがあるという: JOURNAL AND PROCEEDINGS of YOUNG ARCHIMEDES¶
高校生向けの数学のジャーナルを教えてもらいました.ネタを持っている高校生はぜひ投稿を. NowBrowsing: http://t.co/UFR2LBUC8u
— Seiichi Tani (@sei1tani) 2015, 4月 5
これ, あとで動画とかメルマガでも紹介しよう.
2015-05-23 クックパッドのデータを研究者に公開するという情報を見つけたので宣伝協力する¶
クックパッドのデータを研究者に公開します というすごい話があったので. ちょっと引用する.
大学の研究者にお会いすると、「クックパッドのデータを研究に使用したいんですが...」と相談されることがあります。料理に関する研究をしているけれど、実際のデータがないため、なかなか研究が進まないという相談です。
料理に関する研究が進まないのは、クックパッドにとっても残念なことです。これらの研究は、クックパッドのサービスを改善するための「芽」でもあります。データがないだけで芽が育たないのは、非常に悲しい話です。
このような現状を打破するため、本日から、クックパッドのデータを研究者に公開します。このエントリでは、我々が準備してきたデータ公開の仕様について QA 形式で解説します。
こういうのはどんどん応援したい.
2015-05-24 夏の思い出: 白血病闘病記と私にとっての数学・学業¶
Twitter で呟いたのを多少編集してまとめておこう. 他の白血病患者の方達にも参考になるかもしれないから. スタートはこれ.
いま「夏の思い出」というのを聞かれたのだが, 高校以降は基本的に数学をしていた以外の記憶がないし, そういうのを聞かれているわけでもなかろうから返答にすごい困ったのだが, それ以外に思いついた思い出がもっとひどかったのでどうしようか迷ったもののとりあえずそれを答えた
— 相転移 P (市民) (@phasetr) 2015, 7 月 1
いま「夏の思い出」というのを聞かれたのだが, 高校以降は基本的に数学をしていた以外の記憶がない. そういうのを聞かれているわけでもないだろうし, 返答にすごい困った. 数学以外に思いついたのが白血病ネタで どうしようか迷ったけれどもとりあえずそれを答えた. 以下いろいろ書いていく.
思い出は高校 1 年時の白血病治療のための骨髄移植での入院だ. 高校入学後初の夏休みが無菌室, 外出できない状態で体調が少しよくなってきた頃に 窓越しに夏の日射しを呆然と眺めて「何でこんな所にいるのだろう」と思った遠い記憶.
このときちょうど機動戦艦ナデシコの劇場版がやっていた頃で, 看護師さん達から「この子飛び出していかないかしら」と 心配されていたとか何とか聞いた. どうしても見に行きたかったのだ.
白血病になった原因などはよく分からないが, 中 3 での発覚後, 中学では何か先生が泣きながら 「万が一彼にぶつかったりしたら大変だから決して廊下は走らないように」という 厳命が下ったらしい.
慢性の骨髄性白血病だったのだが, これは白血球を作り過ぎてしまう病気だ. 普通 4,000-10,000 程度で風邪などの病気のときも 数万程度のところが 40 万とかあった. 白血球 1 つ 1 つはポンコツなのだが数だけはあるため, とりあえず抵抗力などは問題なかった. ただ血を作りまくっている関係上, 造血系がアップアップしていて, 脾臓が馬鹿みたいに腫れていた.
普通肋骨の下に隠れている程度なのが, 臍のあたりまで張りだしていたようで, もし脾臓が破裂したら病院の前であっても 助からないというようなことを言われた.
脾臓破裂というと綾波レイと同じだな, などとしょうもないことを考えていたことも思い出す.
治療の甲斐あって私は何とか完治したが周囲でいろいろあった. 白血病の治療中, 骨髄移植からありえないくらいの早さで 元気になって退院した人がしばらくしたら戻ってきた. 相当状態が悪くなったようで個室に入ったあと しばらくしたら個室が綺麗になっていて, 集中治療的な病棟に移ったのかと思ったら亡くなっていたこともあった. 同じ病室の前のベッドにいた人でもあり, 人の命, 意外と儚いな, という感慨も得た. 子供だったのであまり深く考えずに適当に過ごしてはいたが, 忘れていないので何がしかの影響があったのだろうなとは思う.
白血病の当時の生存率はどのくらいだったろうか. もうよく覚えていない. ちなみに初期症状はおそらく猛烈に体がだるかったことで, マラソン大会でそれまで 2 年間真ん中くらいの順位だったのが 後ろから 3 番目になるくらい体力が落ちた.
あと家に帰ってから昼寝をする機会が増えたり, 意味不明に足にこぶのようなものができて, 3 回くらい治ってはまたできる, みたいなことを繰り返した. 中 3 の一月に柔道の道場, 接骨院の先生が 「それはおかしいから血液検査を受けてこい」と言われて発覚したのだった.
命の恩人だった先生だが, 2014/12 に亡くなった. ちょうど 2014/6 から運動不足解消, 体力涵養, 精神面の不調の解消のため柔道を再開したのだが, もっと早く再開していればもっと恩返しできたのかと思うとたまらなくなる. もちろん, 下の子達に返していくのが世の筋なのだろうが, それでも直接先生にもっと恩返ししたかった.
ちなみにそのときの記事. - 子供の頃と今もお世話になっている柔道の先生が昨日亡くなったのだが業の深い柔道家兼数学徒なので数学をする - 今日も明日も畳に上がりながら柔道と数学と物理をやる
話を戻して. 白血病とわかってから半年後に体調が急変して入院, 即骨髄移植となったので割と危なかった. あとで聞いたところによると, この入院時 「あと一週間もたないかもしれない」とか言われたらしい. 聞いていなかったとはいえ子供は呑気なもので高校では死んだふりして遊んでいたりした. 友達に「洒落にならないからやめろ」と超怒られた遠い記憶.
あと治療費については都の補助金を受けられたので何とかなった. うちが貧乏だったので大丈夫なのかとむしろそちらの方が不安だったのだが. 貧乏ということについては大学受験で浪人して私立に入ったというのもかなり大きい負担で, どうしようもないドラ息子であった. いまでもいろいろなことを思うし, それは最近はじめたこの活動 にも繋がっている.
細かな思い出は他にもいろいろあって, 採血時, 朝早いのでいったん採られたあと止血でおさえる代わりに 肘を曲げたままにしておくことで止血としていたのだが, 骨髄移植後は血小板も少なく, 1-2 時間後に起きると腕に内出血の斑点ができていた.
はじめは「何だこれ」と思ったがあとで「血小板がないからか」と思い至った. 血小板, 黄土色のような色だったのだがあれは何の色なのだろうとふと思う. 白血球も 0 まで下がったことがあるので, 外に出たらありとあらゆる病気にかかれる状態だった.
白血病で鼻血はなかったが, 抗がん剤を使ったので髪の毛がぼろぼろ抜けた. もともと坊主頭およびスキンヘッドだったので特に問題はなく面白がって抜いていた. 抗がん剤はまあきつかったが, それよりも副作用をおさえる薬がきつかった.
精神を落ち着かなくさせる副作用があったようで, そのせいで無性にいらついていてモニタで様子を見ていた看護師さんなどが気づいたのか, 調子はどう? と言われて「いらいらする」といった記憶がある. そうしたら使っている薬の副作用かもしれないから変えてみようと. 変えたらすぐ治った. さすがプロはきちんといろいろなことを考えていると感心した.
夏の思い出というとこんな感じだろうか. とりあえず薬がやめられるようになるまで 9 年かかったが, 再発がなくてよかった感がある. 数学という支えがなかったら心が折れていた可能性もあるのかと思わないではない.
あと夏ではない気がするが, ベージェット病にかかっていた従兄弟が来て「たまには病気に負けてあげるんだよ. そうすればここぞというところで (病気が) 言うことを聞いてくれるからね」と言われた思い出もある. 生粋の病人は言うことが違うと感銘を受けた.
病気に負けてあげなかったからか, 浪人の受験直前期に体調を崩して 1 週間くらい寝込んだこともある. 病気に負けてあげても何とかなる活動として数学を積極的にあげていきたいところもある.
高校の頃, 体力なくて数学するかアニメ見るか漫画読むかくらいのことしかしておらず, お小遣い面の問題もあるから数学が一番お金のかからない娯楽だった方の市民としては, やはりもっと数学, さらには学業一般を推していきたい.
最近の活動的に塾とか予備校とか, その辺の教育関係ビジネスは自分がお金がなくて受けられなかったのを 自分で再生産かと思うと矛盾も感じてつらいところだが, 活動資金がないと何ともならないことがあるのでとてもつらい.
病気の人向けの教育ビジネスが何か展開できないかと思っている. 例えば Kindle で出した【独学のすゝめ 大学受験勉強法 あなたが大学受験で失敗・後悔しないために】でも 独学の仕方を説明したので, そのアウトプット練習として 下の子に Skype チャットで講義するネットワークを作り, 維持・管理するとか.
やりたいことはたくさんあるが, やはり資金不足が深刻だ. 本当に何とかしたい. 活動資金がほしい.
2015-05-25 ツイートメモ: 8/5はAbelの誕生日. あと楕円関数の論文の英訳があるらしい¶
(科学者列伝)1802年の今日8/5 Niels Henrik Abelが生まれた.5次以上の代数方程式に解の公式が存在しないことを証明.26歳で結核で死亡.彼の楕円関数の論文 http://t.co/ClrYoS8SXf←ここに英訳がある.
— ryugo hayano (@hayano) 2015, 8月 4
早野さんが示したリンク先, NOT FOUND だった. あとで探して読みたい.
読みたいのががんがん増えていくの, 本当につらい. 精神と時の部屋がほしい.
コメントで正式なリンクを教えて頂いた. http://www.maa.org/sites/default/files/images/upload_library/1/abeltranslation.pdf 嬉しい.
2015-05-26 経営分析に見る統計学とデータ解釈の難しさ: 統計学的推論と人文・社会学への応用¶
因果推論、科学哲学・統計哲学の面から見て「因果ってそもそも存在するのか」が強い疑問である(因果とはこれであるという定義がない、数々の定義は直感に沿わない反例が挙げられてる)、因果があったとして統計的手法で解析できるかという疑問、更に解析するデータに因果情報を落とし込めるかも難問
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
特に3つ目は相当しんどくて、仮に因果があって仮にそれを解析する手法があったとして、収集したデータに因果情報が含まれてるか否かを判定する問題について(私が知る限り)全く解決されてないし、これの怖いところは因果含まれてないのに因果解析手法は動作することで誤った因果関係を描くところ
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
あと論理的証明と統計的な説明って全然違うくて、例えば前者の三段論法は論理的に正しいけど後者で三段論法すると確度がどんどん下がっていく(確率の積になるので1から遠ざかっていきますね)ので、因果の系列(系列データの因果ではないよ)を統計的手法で解析するの、何をどうすればいいのかな?
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
データに因果が入ってない事例、てんやの持ち帰りが急増した件(http://t.co/zzP3Hw1jPi)や、古い有名な例では農作物の出来をデータ(雨量や肥料、気温など)で分析しても全くわからなくて現地調査したら近くの子供が学校長期休みにバイトで草むしりするからだと判明した話など
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
データだけ見てたら「気温で見ると28度から急激に作物が成長し出すぞ?でも雨が続くと成長悪化するぞ、気温が28度未満だとむしろ成長良くなるはずなのに?28度付近で何が変化して雨が成長要因/成長阻害要因になるんだ?」って首傾げると思う(28度くらいで夏休み、雨の日はバイトしないから)
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
「各種要因を含むようにデータを用意するに決まってるだろ」と考えるかもしれないけど、てんやや草むしりの件みたいに、いったい何がどう影響するのかわからない分析前の時点では各種要因を含むデータとは何かわからないし、それを明らかにするためには分析しないとだけど分析にはデータが必要で卵鶏話
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
なので実験計画をしっかり立て、この仮説を検証するにはこのデータが必要で、このデータで言える範囲はここまでで、分析失敗した場合は統計的アプローチを諦める・あるいは次にどのような仮説を立て新データを取得するか決めることが大切ですとデータ解析の実務プロセス入門に書いたので買ってくれ頼む
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 8月 6
てんやの事例について少し引用する.
不思議なのはビーンズ赤羽店でテイクアウト客が急増したのは、つい最近ということ。同じランキングを少しさかのぼると2013年は全国9位だったが、2014年に2位へと一気にジャンプアップ。今年、1位に躍り出た。
店内で食べれば味噌汁が付き、おしんこも食べられる。何よりできたてだし、それこそが外食店で食事する醍醐味。にもかかわらず、なぜそこまでテイクアウト客が多いのだろうか。
これが問題. そして答え (と推測されるもの).
答えは自転車の撤去だ。赤羽駅周辺は自転車で移動している人が目立ち、ビーンズ赤羽店も自転車で訪れているお客が多い。
一方、赤羽駅周辺は放置自転車がひどい地域だ。2012年までは3年連続で東京都内のワーストという不名誉な記録がある。行政側はこの問題に対処するため放置自転車を回収して、別の場所に移送するという措置を取っている。移送された自転車の返還には移送手数料が必要だ。 テイクアウト急増のカラクリが判明!
この移送手数料がポイント。以前は3000円だったがあまりにひどい状況を改善するため、行政側が都内最高の5000円に引き上げた。自転車を置いてゆっくり食事をしている間に持っていかれて、その引き取りに5000円もかかってしまってはたまらない。ビーンズ赤羽店のテイクアウトが急増したのは、こういうカラクリだったワケだ。
赤羽の放置自転車問題がめぐりめぐって、天丼てんや赤羽ビーンズ店のお客の流れを大きく変えた。局所的ながら行政による法律や制度の改正が、経済現象に大きく影響を及ぼすことの端緒である。
これ, 移送手数料というより, 監視が厳しくなって短時間置いただけでも 持っていかれるようになってしまったということではないのだろうか.
やはり統計学は本当に難しいし, 人文・社会学はこんなことまで気にしながら研究しないといけないし, どれだけ厳しい世界なのかと戦慄する.
数学とか物理の方がよっぽど楽だと思うし, 数学はもっと楽なのでみんなもっと数学しよう.
2015-05-25 ツイート・記事紹介: 阪大 植田一石さんの数学科に入る人へのアドヴァイス¶
植田さんの数学科に入る人へのアドヴァイス。Via @suzuki__r http://t.co/t7BEY8dZLZ
— o-o⇒o-o-o (@yujitach) 2015, 5月 9
印象的な文章があるのでPDFからいくつか引用したい.
直前まで素粒子か物性の分野に進むものだと思っていた私の進路を大きく変えたのは、教員と話をしているうちに抱くようになった、物理学者は数学に対してある種の"敵意"を持っている一方、数学者は物理に敬意を払っているという印象です。物理に進学すると数学の勉強ができなくなる一方、数学に進めば物理も勉強できると思ったので、これは単に決断を先延ばしにするだけのはずだったのですが、今思うと実際にはここが人生の分かれ道でした。
ある種とついているのでアレだが, 敵意というか, 嫌悪感のようなものは時々感じる. 実際, 実験系の教官で「元々理論をやりたかったのだが複素関数論が駄目で諦めた」とかいうのを実際に聞いたことがある. 関係ないが, 物理だとよく複素関数論というが, 数学だと関数論や複素解析という気がする. このギャップがどこで生まれたのかとても気になる. 物理でLie代数と(正式に)呼ぶのに数学ではLie環と呼ぶのも面白いと思っている.
研究者同士の関係はある意味で対等(真理の前では平等、と言ってもいいかも知れません)なので、研究を志して大学院に進学する人は、誰かの弟子になるのではなく、同僚になるのだという気概を持つべきでしょう。
学部の頃はいまひとつ分からなかったが, 修士で実際にいろいろやっているうちに少なくとも理想はこう, というのは掴めた気はする.
何らかの事情で数学ができなかった日の夕方には禁断症状で手が震えるようならなお良いです。
手が震えたことはないがふとしたときに「数学やりたい」と言っていることはよくある.
最初は問題が解けるのか半信半疑なのですが、そういう時には解けません。そのうち、実は解けるんじゃないかと思い始めます。いいアイデアを思いついて天にも舞い上がる心地になったかと思えば、ちゃんと書き下そうとしてギャップに気付いて落ち込むということを繰り返します。気持ちのアップダウンが激しくて、精神衛生上良くありません。後一歩で解けそうなときは特に危険です。こういう時は車の運転などは控えたほうがいいですね。また、そうでなくても運転中に助手席の人と数学の話をするのは、ナビを操作したり電話を掛けたりするよりも明らかに危険なので、法律で禁止すべきです。やがてアップダウンの周期が徐々に短くなってきて、遂に証明を書き下してもギャップが見つからなくなります。
法律で禁止するのはいいとして, その状態をどう判定するのかが難しそう. 法学部の教官に相談して何とかしてほしい.
そして目玉はこれ.
ドラゴンボール現象
少年漫画にしばしば見られる強さのインフレーションは、数学では日常茶飯事です。あるシーズンでは手の届く遥か彼方にある最強の敵だったものが、次のシーズンには一撃で倒せる雑魚キャラになります。典型的な例としてはAtiyah-Singer の指数定理があります。これは Chern-Gauss-Bonnetの定理やHirzebruch-Riemann-Rochの定理などを特別な場合として含み、位相的な指数と解析的な指数が一致することを主張します。証明された当時は代数、幾何、解析に跨って聳え立つ現代数学の到達点と位置付けられましたが、今ではモジュライの幾何を研究する際の出発点に過ぎません。
インフレが進む最大の原因は、何かを最初に成し遂げるのは難しくても、それを学ぶのは遥かに容易であることにあります。スポーツだと、誰かが100mを9秒台で走っても、別の人が9秒台で走るには(たとえ全く同じではないにしろ)はじめの人に近い努力が必要です。数学なら、ある日誰かが9秒台を達成した翌日には皆が9秒台で走っていて、8秒台への到達を競うようになります。
Twitterでいくつか反応があって, スポーツの例示は適切かといった話があったが, 非常にキャッチーでうまいと思ったので特に記録しておきたい. 女性から見るとどういう印象を受けるのかはよくわからない. ちょっと聞いてみたい.
2015-05-26 サイト紹介: 街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざして¶
私の学部時代の友人の父君が街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざしてというサイトを運営している 数学と共に生きる男だといういい話を聞いたので宣伝していきたい.
算額にご興味があるとのことで, サイト内に次のような素敵な一文がある.
街角を曲がると、そこには・・・! そんな街づくりに参加してみませんか
その知人にも改めて連絡したのだが, 以前数学をテーマにした美術: 方程式のある風景という記事を書いて, 次の本を紹介した. 現代アート的に数学関係の変なのがある町並みとか異常っぽくてとてもよいのでぜひ実現させたい.
数楽カフェというのも福島でやっているとのことだ.
福島近郊, 特に二本松市市民交流センター近くの方でご興味のある方は参加されるとよいと思う.
2015-05-26 数学者の訃報: Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashが亡くなった¶
【訃報】ジョン・ナッシュ氏=ゲーム理論確立した米数学者 ( #読売新聞) #googlenewsjphttps://t.co/vSibcQPTLQ
— googlenewsjp (@googlenewsjp) 2015, 5月 25
Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashがなくなったとのこと.
Twitterで見かけた情報を探っていたら見つからなかったので, 代わりにWikipediaから取ってくる. 見かけたツイートに相当する記述を引用する.
ナッシュは博士課程をプリンストン大学ですごすこととなるが、カーネギー工科大学での指導教官がプリンストン大学へと送った推薦書は「この男は天才である。」と書かれただけの一行の文章であったという。
他にもいくつか引用しよう.
専門分野は微分幾何学でありリーマン多様体の研究に関して大きな功績を残している。
1994年、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニとともにゲーム理論に関して大きな功績を残したとしてノーベル経済学賞を受賞しており、彼の証明したナッシュ均衡の存在が非常に有名であるため、ゲーム理論がナッシュのライフワークと思われていることもあるが、ナッシュがゲーム理論の研究をしていたのは博士課程在学中とその後のわずか数年間だけである。2015年にはアーベル賞を受賞した。
あとゲーム理論の人とばかり思っていて専門が微分幾何というのを知らなかった.
しかし、ナッシュ自身も「私の業績として特に注目するものではない」と評しているように、ゲーム理論に関する研究はナッシュの数学者としての評価を高めることには余り寄与していない。ナッシュに数学者としての名声をもたらしたのは後のリーマン多様体への埋め込み問題に関する仕事であり、以下の重要な論文を発表している。
- "Real algebraic manifolds"(1952年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
- "C1-isometric imbeddings"(1954年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
- "The imbedding problem for Riemannian manifolds"(1956年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
- "Analyticity of the solutions of implicit function problem with analytic data"(1966年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
誰かこれの意義について解説してほしい. 自分でやれればいいのだが, 幾何の歴史的流れを理解していないといけない部分もあろうし, そもそも幾何がわからな過ぎるのでつらい.
本当はこういうのをタイムリーに動画にできるといいのだが. 今後の検討課題としよう.
2015-05-29 Kiwamu_Kさんの数学セミナー2015/6【微分積分の質問箱】に関するツイートを見て反省したので¶
うっ… 今月の数セミ記事「ε-δがわかりません」にある証明…
— Qちゃん@先生と呼ばれるほどの馬鹿である (@Kiwamu_K) 2015, 5月 14
@Kiwamu_Kこういう「証明」を板書する数学教員って,一般に(多く?)存在するのでしょうかね.
— Qちゃん@先生と呼ばれるほどの馬鹿である (@Kiwamu_K) 2015, 5月 14
定期購読で買ったまま積読になっている数学セミナー2015/6の該当記事を読んでみた. あとで動画にでもしたいのだが, 確かにきちんと丁寧に議論した方がいいところで, 私も反省した.
自分の理解の杜撰さを指摘されているようで戦慄する.
2015-05-30 IPMUのDysonインタビュー記事が面白かったので¶
Dyson http://t.co/m2UzJKGTsh
— 宇宙賢者 (@the_TQFT) 2015, 5月 13
Dyson, 私の分野の魔人である. よくわからないが, 世間的に有名なのはQEDなのだろうか. Dyson-Lenardの物質の安定性やDyson-Lieb-SimonのHeisenberg反強磁性など, 凄まじい結果を持っている数理物理の神々のうちの一人だ.
上記PDFによると元々ケンブリッジの数学科で, それから理論物理に移ったとのこと. この辺の経歴は知らなかった.
PDFを読んでいるとサッチャーの話とか出てきて楽しい.
私はベシコヴィッチのスタイルに影響を受けました。 構成的なスタイルです。 ベシコヴィッチは単純な構成要素から彼の数学的証明に使われた美しい構造を創る能力に長けていました。 私は物理の計算に同じスタイルを用いました。
構成的場の量子論だとかその辺の話を想起する.
ダイソン 子ども達は、学校で、どの国も特に得意とするものが一つあるというイメージを教わります。 ドイツは音楽、フランスは絵画、そしてイギリスは科学です。 イギリスでは才能のある若者がこれに刺激を受けてケンブリッジに入学し、科学者になります。 有名なケンブリッジ大学の最終的な優等学位の試験(トライポス)によって、この傾向が更に高まりました。
こういうのを考えたことなかった. 日本だと何だろう.
私は1948年にバークレーを訪問した時、化学者のメルヴィン・カーヴィンに強い感銘を受けました。 彼は炭素原子の分子間の移動を数秒間追跡することにより、 光合成、すなわちどのようにして二酸化炭素が吸収され、糖に変換されるか、を理解するため、 初めて炭素の短寿命放射性同位元素を利用しました。 1秒毎に化学反応がどのように進むか。 生物学に対して、初めて原子核物理学が応用されたのです。 その時以来、放射性のトレーサーを用いて生物学は急速に発展しました。 オッペンハイマーは、生物学に対する原子核物理学の応用は原爆よりも重要であると述べました。
この辺を生物・化学に対する原子核物理の応用と認識したことなかったので, ちょっと面白かった. 自分もあまり目が見えていないな, という感.
私がプリンストンに行った時、アインシュタインがいました。私は彼がプリンストンに来たのは大間違いだったと思います。 後略
その当時いた人しか言えない話だった. Einsteinだけではなく, 朝永, Pauli, Diracなどの話もある.
私は量子電磁力学の摂動展開の収束について研究していましたが、パウリは発散すると断言しました。 私はその級数が収束することを説得しようとしましたが、彼は同意しませんでした。 結局、今は彼が正しかったことが分かっています。 私はその級数の発散について論文を書くことができたので、パウリの手助けに感謝しており、不満はありませんでした。
魔人同士の会話だ.
福来 ディラックについてはいかがですか?
ダイソン ディラックは頻繁にプリンストンにやってきました。 彼は若い時の寡黙で近寄り難い性格から、 年を取って話し好きで親しみやすくユーモアのセンスにあふれた性格に変わりました。 アインシュタインと同様、彼は自分好みの理論―うまくいかないことが分かった「大数仮説」、 それから私には全く理解できなかった「負計量の場の理論」―に固執しました。 年を取ってからは、何が正しく何が間違っているかを直感的に推測する能力を失ったように見え、 どんどん普通の人になっていきました。
どんどん酷い話が出てきて楽しくなってくる.
ハイゼンベルクもまた晩年には自分の理論である「スピノル場の理論」に打ち込みました。 彼は自分の助手にその研究をするように要求しました。 私の知っている助手はハンス-ペーター・デュールですが、 彼のキャリアはこの仕事で台無しになってしまいました。 ハイゼンベルクは死ぬまでスピノル場の理論をあきらめませんでした。
ダイソン 私がプリンストンに来た直後、 ヘルマン・ワイルはチューリッヒに、カール・ジーゲルはドイツに、それぞれ移りました。 私は有理数による代数的数の近似に関するジーゲルの定理を強めたため、彼は私のことを知っていました。 ヘルマン・ワイルもなぜか私のことを知っていたようで、私が高等研の教授に採用されるように助力してくれました。
この前のヤン・ミルズのところではランダム行列をやっていたという話も出てくる. Dyson, 本当に何やってるんだ感ある.
ハートランド・スナイダーと一緒に彼の学問的成果として最も重要な、ブラックホールを理解する研究をしました。彼らは、内部圧ゼロの重い物体はアインシュタイン方程式の帰結として永久自由落下状態となることを示しました。彼らはアインシュタイン方程式に従う宇宙にはブラックホールが存在することを予言したのです。
中略
アインシュタインは全くブラックホールを信じていませんでした。それどころか、ブラックホールは存在できないという論文を書いたのです。オッペンハイマーも二度とこの問題に立ち戻ることはありませんでした。宇宙でブラックホールの候補が複数個発見された後でさえ、彼はブラックホールについて語ることを拒否しました。私は彼とブラックホールについて話をし、なぜそれが面白いのか説明しようとしましたが、そうすると彼はいつも話題を変えてしまいました。どうしてなのか、私には分かりません。ブラックホールは、その父からも祖父からも嫌われた息子でした。
悲しみのブラックホール.
ツヴィッキーとは違い、ホイーラーは難しい人間ではありませんでした。多くの学生をもち、非常に寛大でした。彼が示唆した問題についてファインマンが上げた研究成果については、完全にファインマンの業績としました。彼は極端な愛国者で、極右で、150%アメリカ人といった人間で、政治的にはオッペンハイマーと正反対の立場でした。
150%アメリカ人という表現に笑う.
福来 数理物理学者として、数学と物理学の関係をどのようにお考えですか?
ダイソン 本当に溝があったのは純粋数学と応用数学の間です。純粋数学者は違う言葉を話していました。ブルバキが流行の純粋数学でしたが、私はそんなに興味はありませんでした。「脆弱層」についての講演を思い出します。誰かが脆弱層とは何なのか質問しました。座長のアンドレ・ヴェイユがこう言いました。「それは既にクラシックな専門用語になっているので、説明する必要はありません。」私はそれが何のことか全然理解していませんでした。私はファイバー束は理解するようになりましたが、そこから先には進みませんでした。どうも純粋数学は極端に抽象的になってしまっていました。私にはそれが稔りの多い方向とは思えません。私は応用数学に留まる方を好みました。
応用数学とは, という感.
ダイソン 物理はスピードが遅くなりました。 60年前は6ヶ月で実験が終わり、結果は6週間で説明されました。 今は実験に20年かかります。 高エネルギー物理以外では、まだすることが数多くあります。 小規模な研究はまだ盛んです。 素粒子物理は特殊なケースです。 素粒子物理でさえ、ハーバード大学のガブリエルスによる電子の電気双極子モーメントの測定のような小規模実験は、最先端研究の一例で、新しい発見のチャンスもあります。
自分が場の理論・量子統計をやっているのにアレだが, 古典論まわりいろいろやることありそうで楽しそう. しかしめっちゃ難しそうなイメージが死ぬほどある.
一般的に実験研究者は予期せぬことが起きることに備えておかなければなりません。 これは理論研究者にも当てはまります。 一つのことに固執するべきではなく、多くの研究テーマを考えるベきです。 一つの研究に飽きたら、さっさと別の研究に取りかかるべきです。 私は長い研究生活でずっとそうしてきました。
早く研究が再開できるようにいろいろ整えているところだ. あと一年で形にしたい.
2015-05-30 ミンネ, メルカリで数学アクセサリの出品をはじめてみたので¶
ミンネで数学アクセサリの出品をはじめてみた.
露出を増やすべくついでにメルカリでも販売している.
作れる記号一覧もアップしておいた.
ふだん私もつけているし, 高知工科大学での講演時, 出席していた学生さんに無料であげるといったら女性だけでなく男性にも人気があったので, 男女関係なく少なくとも理工系には受けるのだと思っている.
コンセプト「数学を身につける」をどんどん展開していきたい.
2015-06-01 パソコンを買ったらこれを入れておけ 数学・物理編 お役立ちソフト・サイト¶
お役立ち情報まとめみたいなこともしようと思ったので, ちょっとTwitterで募集してみた.
物理とか数学やる上でこれは入れておくべきPCのソフト(とその使い方メモ)やスマホのアプリ、または知っておくべきサイトとかまとめたい。ブログの記事も見直すが、TeXとか数式エディタ+Wordとか、arXivとか河東先生のセミナーのやり方まとめとかそういうの。お勧めあれば教えてほしい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 4月 26
YouTubeに動画でまとめるが, 教えて頂いたツイート自体はこちらにも転載しておきたい.
@phasetrhttp://t.co/aBt3BVZeLT
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 4月 26
@Yusuke_Ishizukaありがとうございます。ちなみに特に何がお勧めでしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 4月 26
@phasetrEarliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics ですね。何か気になるたびにまず開いています。あと前にもブログに載せられたようですが http://t.co/faQwUIOljW(数学的史跡案内)も
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 4月 26
@phasetr最近みつけたものでは表現論リンク集というのがあります。 https://t.co/ay5Z9ZFzze
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 4月 26
@Yusuke_Ishizukaそういうのもいいですね。ありがとうございます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 4月 26
@phasetr http://t.co/brBErZA7oJ http://t.co/D1MPHz0Bjm http://t.co/4vxOF2AlDU http://t.co/Bv9Pu9eBKD 自分のtwitterをさかのぼってみたらこのあたりが出てきました。
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 4月 26
@phasetr質問意図から外れるかもしれませんが、AMSの公式サイトではTransactions of American Mathematical Society等の既刊数学誌の膨大なfree archiveを見ることができます。 http://t.co/VRigkSLles
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 4月 26
動画を作ってYouTubeにも上げよう.
追記: 動画作って上げた.
2015-06-02 とある大学ではコーヒーカップに「注意!これはドーナツではない」と注意書きがあるらしいので¶
ここの大学の数学科の給湯室、コーヒーカップに「注意!これはドーナツではない」と注意書きがあるので、トポロジストがドーナツと間違えてコーヒーカップを食べる事案が続出していたのであろうと予想される
— Takayuki Kihara (@tri_iro) 2015, 5月 14
https://t.co/yUYX1eNESYその大学にトポロジストがいたのかというのが気になるが、ゲストでくることもあるだろうし、そういう配慮だろうという認識に至った
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 5月 19
トポロジーよくわからないし, 何かの機会に勉強したいと思っているのだがなかなか機会がない. 動画を作るとかそういうので強制的に学ぶ機会を作りたい.
2015-06-05 終結式メモ: いろいろ教えて頂いたので¶
緩募 終結式についてどんなことができてどんなときに大事で、とかそういうポイントがまとまった文献
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 5月 17
これについて二つコメントを頂いたので記録.
https://t.co/EQnH1RmhZf わたしの場合は計算機代数が主な利用先。 https://t.co/b9eBybgWJ4 この方面の書籍だと Cox Little Oshea http://t.co/75BzUjcqYn に、いくらか書いてあったあったはず。
— Ͳakanori Ɱaǝhara (@tmaehara) 2015, 5月 17
Cox-Little-O'sheaは本を持っているというか, ある程度読んで見つけたタイポをお送りして「報奨金」を頂いた. 本やサイトに「タイポを報告してくれた人には一つにつき1ドルあげる」みたいなのがあったのだ. あとでまた見直そう.
もう一つ頂いたコメント.
@phasetrYann Bugeaud "Approximation by algebraic numbers"のAppendix Aに終結式の応用的なことが書いてあります。どんなことができるか簡単に述べますと、2つの異なる代数的数の差の絶対値を評価するときに使えたりします。
— なれ (@nareO7) 2015, 5月 18
代数的整数論, 本当に何でも使うなという感がある.
2015-06-06 かわず語録: 『考えればわかることでも記憶するべきことはある、ということと、話を聞いただけでわかった気になるのは非常に危険である』¶
前にも言ったかもしれないけど、中学生のとき、数学の授業でお勉強する内容が全部ウルトラ当たり前に感じたので「これ当たり前のことからスタートして常識で演繹してるだけだしノートとかとる必要なくね???」と思ってその通りにしたら次第に何言ってるか分からなくなったということがあった
— かわず (@kawazu1147) 2015, 5月 23
当時は演繹という言葉を知らなかったと思うけど、まあそういうアレはそういうアレだ
— かわず (@kawazu1147) 2015, 5月 23
そのことでわたくしが学習したのは、考えればわかることでも記憶するべきことはある、ということと、話を聞いただけでわかった気になるのは非常に危険である、ということでしたので、ご報告いたします。
— かわず (@kawazu1147) 2015, 5月 23
私も高校の頃, ある数学の先生が「ノートを取らないで授業中に全て理解しなさい」とか何とか言われて物理の授業をノートを取らずにやってみたことがある. よかったのかどうかはよくわからないが, 少なくともいまの時点では記憶すべき点くらいはきちんとメモを取るであるとは思う. 適当に参考にしたい.
2015-06-08 Twitterメモ: 学者的な意味での難読外国人名¶
Albert Nijenhuis ナイエンハンス(蘭) Charles Ehresmann エーレスマン(仏) Heinz Hopf ホップ(独) Alfred Frölicher フローリッヒ(澳) Newlander ニューランダー Nirenberg ニレンベルグ
— パウリ (@neutralino_) 2015, 5月 25
Schouten スハウテン(蘭) Goudsmit ハウトスミット(オランダ生まれ、米国に帰化) Ångström オングストローム(スウェーデン) なんて人もいますよ。@neutralino_
— TANIMURA Shogo (@tani6s) 2015, 5月 25
.@tani6sオングストロームは,物理屋は読める気がしますが,Goudsmit,Schoutenは普通は読めないですね…
— パウリ (@neutralino_) 2015, 5月 25
私の分野でNachtergaeleという有名人がいるのだが名前の読み方を忘れてしまった. 田崎さんも知っているようなのだが, 前に集中講義で九大の松井先生が名前を呼んでいたときにきちんとメモを残しておくべきだった.
math-textbookの数学・物理の英語パートに数学者・物理学者の名前の読み方と業績などの簡単な紹介をつけているが, そこも拡充したい.
やりたいことがたくさんある.
2015-06-09 業績紹介: 東大数理 小林俊行先生が2015年JMSJ論文賞を受賞¶
2015/3/20づけで 小林俊行主任研究員が2015年JMSJ論文賞を受賞というニュースがあった. ちょっと気になるところがあったので引用する.
根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。
【シュレディンガー・モデルとして具体的に構成】というのが何を言っているのかとても気になる. これっぽいので論文読んでみたい.
同じくメインパートを引用しておこう. 毎度小林先生の多産性には驚かされる. ただ1000ページ書くだけでも大変だというのに, 他の人に伝わるように, 明快になるように工夫を凝らした1000ページを執筆する力も凄まじい.
受賞対象となった論文は、JMSJ 66 巻 2 号に掲載された、J.Hilgert、J.Möllers 両氏との共著による「ベッセル作用素による極小表現の理論」です (JMSJ 66 (2), (2014), pp.349-414: Minimal representations via Bessel operators)。
「無限次元表現」は対称性を代数的に広く捉える数学的概念で、量子力学とも深く関連する一方、解析が難しいことで知られています。近年の代数的表現論の進展により、“根源的な表現”は、無限の次元とはいえども、ある意味で“小さい空間”に実現されることがわかってきました。「極小表現」と呼ばれる無限次元表現が、その最も重要なものです。 小林氏は、「表現の空間が小さい⇔空間から見ると対称性が大きい」と視点を逆転させることによって、極小表現をモチーフとした解析学の豊かな将来性を予言し、新たな数学の道を切り拓いて数学に画期的進展をもたらしました。同氏は、ドイツ、フランス、アメリカ、デンマーク、日本等の研究者グループを主導し、「極小表現の大域解析学」というテーマに関して、2003年以来、1000頁以上の論理の積み重ねによって、表現論のみにとどまらず、共形幾何学、シンプレクティック幾何学、フーリエ変換の変形理論、偏微分方程式の保存量、4階の微分方程式に対する特殊関数論など様々な分野の研究に影響を与えてきました。根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。
2015-06-10 ページ・活動紹介: 京都数学グランプリ2015 ~めざせ!国際数学オリンピック入賞~ (第57回IMO香港大会)¶
知人が関係しているとのことなのでとりあえず宣伝協力.
当面の自分の目標として, やはり数学関係の活動をマネタイズに結びつけるところを強化していきたい.
2015-06-11 2015-7中旬に『数学まなびはじめ3』が出るらしいので皆買おう¶
7月中旬新刊予定 『数学まなびはじめ 第3集』数学へのたのしみ編集部(日本評論社) どんなふうに数学と出会い、どのように数学の道を歩んできたのか。第一線の研究者13名が青春の日々をいきいきと回想する。
— 書泉グランデMATH (@rikoushonotana) 2015, 5月 31
購入必須事案だ. 数学まなびはじめについてはいくつか書評を書いている. 例えばここを参照してほしい. 皆も買って「こんなのを求めていた」という要望を形にしていこう.
2015-06-13 ツイート・イベント紹介: 2015年モデル理論夏の学校は8/22-24に法政大学で決行¶
@各位 今年のモデル理論夏の学校は8/22-24に法政大学で行われるそうです。 https://t.co/YTmpi9YsDM
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 6月 3
@piano2683数学基礎論サマースクールとは被らなかった様子。 [サマースクールは8/18-21]
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 6月 3
@piano2683まだ詳細未定なんですけど,8/18-21なんですか?
— サンタマリア・玲於奈 (@reonaarticle) 2015, 6月 3
@reonaarticle出典です https://t.co/yJIK7wEIKC http://t.co/CeyJqNTUz8
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 6月 3
@piano2683ありがとうございます!
— サンタマリア・玲於奈 (@reonaarticle) 2015, 6月 3
非専門もはなはだしいが, こういうのも一度は参加してみたい. 都合合うだろうか.
2015-06-15 ツイート紹介: 初学者向けの解析学教材を作ろうメモ¶
うっ… 今月の数セミ記事「ε-δがわかりません」にある証明…
— Qちゃん@先生と呼ばれるほどの馬鹿である (@Kiwamu_K) 2015, 5月 14
@Kiwamu_Kこういう「証明」を板書する数学教員って,一般に(多く?)存在するのでしょうかね.
— Qちゃん@先生と呼ばれるほどの馬鹿である (@Kiwamu_K) 2015, 5月 14
(とほほ。。。) https://t.co/pGkP00UMDH
— 嘉田 勝 (@kadamasaru) 2015, 5月 14
@kadamasaru初めまして。学部1年生です。同級生が数セミ6月号の「ε-δが分かりません」を読んでいてこりゃいかんと思いました。代わりにこれを読んだ方がいいとおすすめできる本はないでしょうか
— fujidig (@fujidig) 2015, 5月 22
@fujidig初めまして。それを私にききますか、うーむ… 変化球の回答として、松井知己「だれでも証明が書ける」(日本評論社)を suggest しておきます。あとは手前味噌ながら拙著「論理と集合から始める数学の基礎」も。
— 嘉田 勝 (@kadamasaru) 2015, 5月 22
@kadamasaruありがとうございます。「だれでも証明が書ける」読んだことがあります。早速友人に紹介してみました
— fujidig (@fujidig) 2015, 5月 23
そして黒木さんのツイート.
Re: RT ぼくもあれはいかんと思いました。おそらくメインの対象読者はまだわかっていない大学一年生あたりだと思うが、∀や∃という記号を並べられまくって理解できるはずがないし、それ以前の問題として、続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 5月 31
@genkuroki続き、「任意の◯◯について△△で条件◇◇を満たすものが存在する」でひとかたまりの命題について述べることと、「任意に◯◯を取る。そのとき△△で条件◇◇を満たすものが存在するので、そのうちの一つを取る」と述べることの区別をしないのは教育的に有害。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 5月 31
@genkuroki続き。経験的に、∀と∃の記号を無用にかつ不用意に使いたがる学生は述語論理の基礎的なことがまったくわかってないし、一つ前に述べた区別を明瞭にしておくべきであることも認識していない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 5月 31
@genkuroki続き。実はこういう事柄ひついてきちんと認識してなくても、数学の内容をよく理解していることはよくあることなのだが(←この注意はとても重要)、他人に述語論理の使い方を指南する立場に立った場合にもそういうことを認識できていないのはちょっと問題があると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 5月 31
この辺もきちんと教材作りたい. TODOリストに入れておこう.
2015-06-16 ツイート紹介: 簡単に靴紐がほどけなくなる結び方「イアンノット」¶
簡単に靴紐がほどけなくなる結び方に 「イアンノット」という結び方がある。 慣れれば2秒で結べ、かつ強力に解けない最強の結び方だ。 結び終わりの見た目は蝶々結びと同じ。 ちなみにプロスポーツ選手もこの結び方にしてる人多いらしいぞ。 pic.twitter.com/o7M3SgdOLq
— 銀さんの学校では教わらないムダ知識 (@gin_knows) 2015, 5月 31
数学的に何か意味あるのだろうか. とりあえず記憶しておきたい.
2015-06-20 ツイート・論文紹介: ドラクエなどのゲームのトーラス世界とその実三次元での実現¶
良く言われているようにRPGの世界は上に行けば下から、右に行けば左から出てくるから地球のような球面ではなくドーナツ型(トーラス)なのだが、世界が平坦だとすると、その平坦トーラスを3次元空間で「実現」しようとするとフラクタルになる http://t.co/FrGqA3YFMB
— 非線形 (@_mod_p) 2015, 5月 28
この「実現」(埋め込みのこと)は先日亡くなったNashによる結果から言えるが、存在は知られていても構成はされていなかったそうだ。
— 非線形 (@_mod_p) 2015, 5月 28
平坦でなければ普通に3次元空間に放り込めてドーナツになるが、平坦でありながらもっと「滑らか」な埋め込みをしたければ4次元にせざるを得なくなる
— 非線形 (@_mod_p) 2015, 5月 28
@_mod_pよくやりましたねこれ…
— ɐʇǝɯ/めたはらいもり (@meta_a1) 2015, 5月 28
論文読めないので悲しい. こういうとき市民であることがとてもつらい.
追記¶
今見たらリンク先ページのPDFのところから論文ダウンロードできた. ざっとは目を通したのだが, まだあまりよくわかっていない.
読書メモ: 2015/6/5発売予定『プロの数学』松野陽一郎(東京図書)¶
6/5発売予定 『プロの数学』松野陽一郎(東京図書) 現役開成高校の数学プロフェッショナルの著者が厳選された東大・京大のプロフェッショナルな入試問題を素材として「プロの数学」(=プロ数学者が考えていること=大学数学で躓かないためのポイント)を語る。
— 書泉グランデMATH (@rikoushonotana) 2015, 5月 26
最近受験まわりもカバーしようと画策しているのでとても気になる. ほしい.
2015-06-25 ツイート紹介: 先日なくなった伝説のNashの推薦状をPrincetonが公開していたので¶
プリンストン大学がジョン・ナッシュの推薦状(「この男は天才である。」としか書かれていないアレ)をウェブ公開していた。https://t.co/lApwVIjnNU
— KM (@kosuke64) 2015, 6月 5
話は本当だったのか. Facebookに上がっていた画像は保存しておいた.
2015-06-27 【0は自然数】に対するオタ向け説明を思いついたので適切性について諸賢のご判断を仰ぎたい¶
0は自然数という時々話題になるネタがまた降ってきたので. 適切かどうかわからないのだがオタの人向け回答を思いついたので, 残しておいて諸賢の判断を仰ぎたい. もちろんより良い説明を求めているのでご指摘頂ければ幸い.
0が自然数だったかどうか不安になる程度の文系。(多分自然数ではない)
— こんぽた (@cornpt) 2015, 6月 5
自然数の代わりに非負整数または正整数と言い換えることによりこの問題を避けることもある。 http://t.co/zDPyv1J1U6
— こんぽた (@cornpt) 2015, 6月 5
なお、日本における初等中等教育では「自然数は 1 から始まる」と指導される。 http://t.co/zDPyv1J1U6
— こんぽた (@cornpt) 2015, 6月 5
もともと1以上の整数を自然数と呼んでいたのに急に0以上の整数を自然数と呼ぶ人が出始めて、「お前何様のつもりなの?ふざけんなよ」感を抱かざるをえない。
— AQN@ヮ<)ノ◆ (@aqn_) 2015, 6月 5
そして回答編.
マジレスすると0が自然数かは流派による。Twitterで学んだことのひとつだ。
— AQN@ヮ<)ノ◆ (@aqn_) 2015, 6月 5
@aqn_<.a>そ〆なん。でも確かに、なんで「そう」不安になるかというと、大体の場合「nは1以上の自然数」とかって1以上を明記してある場合が多いんだよね。諘校レベルしか知らないけどw
&meash; げんぽ〟 (@coropt) 2015, 6月 5
@cornpt@aqn_流派というのもまた少し違う感じがあります。同じ人でも書いている本や論文によって1を入れたり入れなかったりしますが、ある本や論文それ自体の中では一貫しています。具体的な人・本・論文を忘れましたが、そういう人がいた記憶はありますし、いてもおかしくありません
— 相転移P(市汑) (@qhasetr)!2015, 6月 6
<blockquoue class<"twittes-tweet" lang="ja">
@cornpt@aqn_流派というか、分野や話題によって0を入れるか入れないかで都合の良し悪しがあって、その分野をまたいだ文章を書くとき、変えた方が都合よければ変えるという感じでしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 6@cornpt@aqn^自然数〧はない例になってしまいますが環という異学皅対象があります(例:整数全体、ある次数の正方行列全体)。整数のように積の順番が関係ない場合を可換環というのですが可換瓰しか䇺てこない場合、「本書では環といえば可換環を指す」と書いたりします
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 6
@cornpt@aqn_一方、行列は非可換環なので行列を例として出したい場合に環の議論をするなら「環といえば可換環を指す」というのは使えません
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6有 6
@cornpt@aqn_いい例かわかりませんが奧学受訓生はオタ「話をしていて「こころ」ときたら「こころぴょんぴょん」をイメージする(人たちがいる)でしょうが、国語の問題を解いているときに「こころ」ときたら夏目漱石の作品をイメージするでしょう。何となくそんな感じだと思っています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 6
説明する技術の不足を感じるので日々鍛えていきたい.
2015-06-28 ツイート紹介: 位相幾何学型同値変形ゲーム 「ライデマイスター¶
よくわからないがとりあえずメモしておく.
「今話題の”紐”やりましょう!青い紐のやつ!」と言われてホイホイ卓上に移動した我々が目にしたものは。 位 相 幾 何 学 型 同 値 変 形 ゲ ー ム 「 ラ イ デ マ イ ス タ ー 」 ガチで紐だコレ!!! pic.twitter.com/nZIe7Lcn2T
— 磨伸映一郎@氷室8巻発売中! (@eiitirou) 2015, 5月 22
@eiitirouライデマイスター作者でっす。あらぬ方向から時代がライデマイスターに追い付いてきた感じでありがたいかぎりですw 前はもっと難しかったので、これでも難易度下げてますね。
— 支部長@全ファミ協会 (@koi_shibucho) 2015, 5月 23
@koi_shibuchoおお、作者の方ですか!面白いゲームありがとうございます!!なんかもう「青い紐」とか言われるとすっかり特定キャラを思い出さずにはいられない昨今ですが、機運高まっていると言えば機運高まっているということで!w
— 磨伸映一郎@氷室8巻発売中! (@eiitirou) 2015, 5月 23
@eiitirou先生の発言により、ダンジョン内のお宝を紐で獲得する「女神さまの青い紐(仮称)」というボードゲームを思いつきましたw いいアイデアをありがとうございます!
— 支部長@全ファミ協会 (@koi_shibucho) 2015, 5月 25
@koi_shibuchoおおお、完成したら是非プレイしてみたいですね!!こちらこそ何かのお役に立てたのなら幸いです!
— 磨伸映一郎@氷室8巻発売中! (@eiitirou) 2015, 5月 26
2015-07-03 ツイート紹介: $n$番目の素数を$n$で表す式はいくらでも見つかっている¶
単純に知らなかったのでメモ.
「素数をnで表す式は発見されてない」みたいなの見る度に別にイライラはしないがnで表す式はいくらでも見つかっている。リーマン予想が解かれたわけではない。素数の分布の難しさを正確に表現するには舌足らずすぎる。 pic.twitter.com/h4TKeq5UYf
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 2
@shinchan_primeこんな式があること自体知らなかったのですが、「n番目の素数を表す式はあるけど、素数がどう分布しているかはわかっていない」ということですか?
— キグロ (@kiguro_masanao) 2015, 6月 3
@kiguro_masanao大体そういう感じですね。こうゆう式があるからといって欲しい素数の性質がわかるわけではない場合が多いです。twitterで語るにはスペースがなさすぎますが、「素数が難しいとはどういうことか?」というのをしっかり認識するのは割と難しく
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 3
@kiguro_masanao「n番目の素数を表す式はない」では全然問題が明確ではなくていくらでも反論できるというわけです。「素数がわかるとはどういうことか?何故、わかっていないとされているのか?」ということをしっかりと考えなければなりません。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 3
@kiguro_masanaoちなみに上の公式は一例ですが、実は構造は素数の定義を言い直しただけのようなものです。だから殆どなんの役にも立ちません。ただ、有限回の四則、ガウス記号、自然対数だけで書けるのは知っておいてもよいというか、これはふつうの人は「式」と認めますよね。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 3
@kiguro_masanao式があれば素数がわかったことになるわけではないということがよくわかります。ただ、一つだけ重要なことがあって、どこまで計算すればn番目の素数が見つかるかは定義からは明らかではありません。和の範囲の上限がlogで書けてるところだけは非自明です。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 3
@kiguro_masanaoここに大きな定理を使っていて、証明にはリーマンの素数公式研究およびゼータ関数の大量の零点の情報を利用する必要があります。つまり、実は深い内容を利用した定理でもあったわけです。単にどこまでに素数が現れるかを知りたければベルトランの仮設でも十分ですが。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 3
あとで動画にしよう.
追記¶
「n番目の素数を表す式」をRTで見た人の中で証明が気になった方がおられたので, 解説記事を書きました. https://t.co/gSNJIBvp3p 第5回関西数学徒のつどい「素数定理の初等証明」のまとめも付録として載せています. pic.twitter.com/aP8ZNYYbzj
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 10
素数Tシャツ@shinchan_primeさんが証明を上げてくれた. あとできちんと見よう. 本当にありがたい.
2015-07-06 ニュース紹介: 「東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明」というのでついつい Lebesgue 積分論のアレを想起してしまう方の市民¶
次のニュースを見かけた. 東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明
私も物理としては磁性(強磁性)の人間なので気にならないこともないが, それ以上に目を引いたのが「悪魔の階段」だ.
数学ではCantorによるCantor関数を「悪魔の階段」と呼ぶ. 測度論・Lebesgue積分論で必ずお目にかかる関数だ. 積分論は私の専門の基礎でもある. その部分について英語版Wikipediaから引用しよう.
In mathematics, the Cantor function is an example of a function that is continuous, but not absolutely continuous. It is also referred to as the Cantor ternary function, the Lebesgue function, Lebesgue's singular function, the Cantor-Vitali function, the Devil's staircase, the Cantor staircase function, and the Cantor-Lebesgue function.
物理での命名者, これを知って命名したのかとかそういう物理としてどうでもいいところが無性に気になった.
2015-07-07 たいちょうさんと宇宙賢者から頂いた評が面白かったので記録する¶
人からそう見られているのか, というのかちょっと驚きだったのでメモ.
http://t.co/HgaEFXvpZt 私は相転移Pは研究者であろうと思いこんでいたのだが違ったのか!
— たいちょう(かぜぎみ) (@8taicyo) 2015, 6月 7
そもそも私は相転移Pは女性だとばかり思いこんでいた過去もあった。ものの言い方とかがフラットでやさしいので、男性だと気づかなかったのであります。よく男性と間違われる私と反対と申せましょう。
— たいちょう(かぜぎみ) (@8taicyo) 2015, 6月 7
女の人みたいな、人当たりのやさしい男の人は好きである。美点だと思う。
— たいちょう(かぜぎみ) (@8taicyo) 2015, 6月 7
Twitter ではかなり苛烈な物言いをしている自覚があるので, 人当たりが優しいというの, 割と衝撃的だった. 女性と思われていたというのもはじめびっくりしたし, 研究者ではないというのについてはそうではないと何度も言っているので結構驚く.
追加のやりとりもある.
@8taicyoTwitter上ではかなり苛烈で厳しい言い方をよくしているつもりなので、特に女性という評価には本当に驚きました
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 7
@phasetrちょっと抽象的な物言いになってしまうのですが、みじめさや心細さの深さがわかることを隠さないところがとてもよいと思うのです。虚勢を張って共感を隠したりしないのでてっきり女性だと…思い込みですね。
— たいちょう(かぜぎみ) (@8taicyo) 2015, 6月 7
人によって見ているところ, 感じ方は本当に違うのだと改めて認識させられる一件だった.
あと宇宙賢者からの評.
大学院に入ってからのいくつかの講義で、いつも前の方にいて熱心に話を聞き質問している留学生がいて感心していたんだけど、後の相転移Pだった(^^)(^^)(^^)日本人だったwwwww
— 宇宙賢者 (@the_TQFT) 2015, 5月 9
目がよくないというのもあるし眼鏡をするのもめんどいので大体いつも前にいる. あと研究会でもよく質問しているのだが, 実際にこう見られているというのを目にすると, なかなか面白い.
2015-07-09 大学数学いい話: 本格的な数学を学びたいなら足もつかず荒波もある海で泳ぐための練習をしていこう¶
数学教官良い話です http://t.co/aDSRxNVYTZpic.twitter.com/xalQefxsc8
— (あんちべ! 俺がS式だ) (@AntiBayesian) 2015, 6月 11
何というか, この辺で何かできないかと前から思っている. とりあえずは大学受験回りでこの辺に関わる活動をしてみよう.
2015-07-10 素数が無限個存在することのよく知られた「新たな素数を作る」方法に関する未解決問題とその難しさの片鱗を知ったので¶
@nekosamoon素数ってのは自身と1以外で割れない数だから素数を掛け合わせたもの+1すりゃなるのよ こうすると無限に素数が作れる 例えば2×3×5×7+1=211でちゃんと素数なってるべ
— KMR (@NeruTheWorld) 2015, 6月 13
2×3×5×7×11×13+1は素数なのか。ふーん。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 13
https://t.co/Yybditjk6Fを見てふと思ったのだが【小さな順に並べた素数の積+1】で合成数はやはり無限に現れるのだろうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 13
@phasetr少し調査したところ、どうやら未解決のようです。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 13
@shinchan_primeこういうの割と未解決っぽいのではと思っていたのですが、本当にそうでしたか。ありがとうございます。数論やばい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 13
@phasetr 難しさの理解の一助になればと思い、初等的に解決できる次の命題を書いておきます。 [命題]2×5×7+1の様な【3を除いて小さな順に並べた素数の積+1】の形の合成数は無数に存在する。 [証明]3を除いて小さい順に素数を並べるとき、3で割った余りが2となる素数がち
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 13
@phasetrょうど偶数個現れるようなところで区切ることにする。 例)2, 5, 7, 11 2, 5, 7, 11, 13 2, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23 そのような素数達を掛け合わせて1足して出来る数は3の倍数である。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 13
@phasetr例) 2×5×7×11×13×17×19×23+1=74364291=3×24788097 そうして、3で割った余りが2であるような素数はDirichletの算術級数定理によって無数に存在することからこのような3の倍数が無数に存在することがわかる。
— 素数Tシャツ (@shinchan_prime) 2015, 6月 13
@shinchan_prime何て小粋な命題
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 13
ぱっとこれだけのことを返してくる力量, 格好いいことこの上ない.
2015-07-13 ツイート紹介: 周転円とFourier級数¶
— uncanny wally (@ehthayer) 2015, 6月 20
周転円でうまくFourier級数が書けるという話らしいが, 単純に見ていて楽しいのがすごい. こういうのをどんどん作りたいとは思っているがなかなかうまく勉強の時間も取れない. せめて紹介くらいはしていきたい.
2015-07-14 量子力学の連続スペクトル周辺の話: 田崎さんと全さんのトークまとめプラス私の雑感¶
大枠¶
量子力学の連続スペクトル周辺の話は数学でよくわかっていることをふまえて書くべきだと思う。もうディラクの時代じゃないんだから。 ぼくの教科書でのスペクトルの定義は近似点スペクトルを使う。これは標準の定義より物理の人に馴染むと思う。 pic.twitter.com/EUGIIPNZ9u
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 16
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaおや、self-adjoint extension 方面にまで話が拡張したんですか。その無限壁を無邪気に¥psi(端点)=0で無邪気にやって離散スペクトルを出す、って部分からやめてR-{0}上で運動量演算子(というかラプラ思案)
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaが事故協約になるように波動関数空間の方を考えてて、ってまじめにやって、スペクトル分解を回復してくってやると、初歩的な設定でself-adjoint extension theoryが導入できて、さらにデルタ関数ポテンシャルそして
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaその一般か、って風に非自明なものを導入していけると思うんですよ。っていうかそんな風な教科書にしようかとも考えてます。田崎先生のはもう脱稿済みなんですか? I like the yurui expression「固有値的な量」
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Quantum_Zen自己共役拡大にまで話を広げてしまったのはぼくです。 といっても無関係ではなく、「なんでも有限次元のアナロジーでやっていれば OK」という姿勢の落とし穴(の一つ)だと思っているからです。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
@Quantum_Zen といっても、ぼくには耳学問程度の知識しかないので、全さんのご本に期待します。 物理の学生にどこまで教えるかというのは悩ましいですが、あまり「秘術っぽい」のも困るなあと。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
>@Hal_Tasaki@ayumu_sugita自己共役拡大は確かに秘術的、マニアックな感じなので、普通の教科書にはつらい部分も多いですが、一番簡単な例のR-{0}空間上の量子力学はとても直感的なんですよ。「一点でのみで作用するポテンシャルって何だ。そこで何がおこる?」って
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Quantum_Zen あ、すみません。「秘術っぽい」というのは普通の教科書のことです。「エルミートならオッケー」と言いつつ「端でゼロのときの運動量は物理的じゃないからやめとこ」とかやるから。 (しかし真面目に量子力学の数学を教えるのは大変) @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
>@Hal_Tasaki@ayumu_sugita いう質問すると、「デルタ関数ポテンシャル。そこで波動関数は連続だけど、導関数にとびが出る」って答が通常返ってくるきますが、ご存知の通りそれはごく一部で、実際は波動関数にとびがあって導関数が連続になるポテンシャル とか、各種ある
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
>@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaそれが全部事故協約拡大から導ける、って話なら、初心者でも受け付ける、って思うんですよ。
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Quantum_Zenきれいな話ですよね。H の自己共役拡大を探すというのは要するに「エネルギーがちゃんとした物理量になるのはどういうときか」を調べることだからきわめて物理的な話でもあると思います。 さて、初心者にわかるかは難しいですが。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaデルタ関数(とその一般化)にからんで、入門レベルの量子力学で自己共役拡大を導入しようと少し書いてみたけど、こおりゃたしかに無理ですわ。ソボレフ空間(2、2)なんてどうにも。。自己共役=>流速保存=>一般的接続条件てのがせいぜい。
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 19
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaこれだと事故協約拡張の導入というか、密輸。。。普通の教科書でこういう話題に口をつぐむ理由があらためてわかった。しかしでも、ディラックから量子力学(の数学だけ)は進歩してるんで、そういうのは出来るだけ反映させたいってのは全くです。
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 19
@Quantum_Zen やっぱり難しいのですね。 あまりこの問題特有の ad hoc なやり方にしてしまうと、せっかくの枠組みの威力が見えなくなるし難しい。いずれにせよ「文化」として、そういう安心できる理論的基盤があるということだけでも伝えたいです。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 19
別枠1¶
@Hal_Tasaki@ayumu_sugitaこれだと事故協約拡張の導入というか、密輸。。。普通の教科書でこういう話題に口をつぐむ理由があらためてわかった。しかしでも、ディラックから量子力学(の数学だけ)は進歩してるんで、そういうのは出来るだけ反映させたいってのは全くです。
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 19
@Quantum_Zen「普通の教科書でこういう話題に口をつぐむ理由があらためてわかった」というのは一般の物理学者を高く買い過ぎだと思います。みなさん(ぼくも含めて)そんな教養はないですよ。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 19
別枠2¶
おお、それはすごい!そういうのはなかったですよね。ぼくのは「エルミートと自己共役は違うよ」レベルです。 "@Quantum_Zenその一般か、って風に非自明なものを導入していけると思うんですよ。っていうかそんな風な教科書にしようかとも考えてます。" @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
@Hal_Tasaki@ayumu_sugita研究者レベルの「教科書」には Albeverio先生Exner先生たちの「solvable models in quantum mechnaics」http://t.co/pNlvUxg5tb ってのがあるんですが、これを
— 全卓樹 (@Quantum_Zen) 2015, 6月 17
@Quantum_Zen おお、これは知りませんでした。さっそく注文しました。 ありがとうございました。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
@Quantum_Zenありがとうございます。講義では「固有値っぽい量」と言ってます。 本の草稿はまだほんのちょっと書いただけです。できるのは早くて数年ごと思っています。 @ayumu_sugita
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 6月 17
コメント¶
全さんの話, 滅茶苦茶面白いし何か協力したいくらいなのだが, 量子力学の物理があまりにも何もわかっていないし, Sobolev に耐える力が私にないしであまりにもつらい. 引用されている『Solvable Models In Quantum Mechanics With Appendix Written By Pavel Exner』, Albeverio, Hoegh-Krohn, Exner とバリバリのその筋の人達ではないか. AlbeverioとHoegh-Krohnは相対論的場の量子論の頃からいる重鎮だと思う: 相対論的場の量子論は難しすぎて手に負えなかったのでほとんど名前しか知らないのだが, 面子がすごい.
こういうのを何かのんびり勉強したいとは思うのだがなかなか思うに任せない.
日記から¶
あと田崎さんの日記. メモがてらいくつか引用しておこう.
その間、物理学者が量子力学の応用の幅を広げ理解を深めているあいだ、数学者たちも量子力学の数学を徹底的に深く追求して行った。 そして、特に自己共役作用素とスペクトル分解についての美しく有用な(ただし、あいかわらずかなり難しい)体系ができあがったのだ。 これは、「量子力学において確定した値をとりうる量とはなんだろうか?」という物理的な問への確固たる解答だと言ってもいい。 物理学者が、有限次元の線形代数とのアナロジーでなんとか作り上げた体系に、きわめてしっかりとした論理的な基盤が与えられたのだ。
ところが、悲しいことに、こうやってせっかく完成した数学の成果が物理のサイドにはほとんど浸透してきていない。 もちろん、量子力学の数学はかなり難しいし(←ぼくも圧倒的に不完全な知識しかない)、数学の定式化を学んだから物理の問題がすらすらと解けるようになるわけでもない。 そうはいっても、人類の文化として考えたとき、量子力学の基礎概念がどこまでしっかりと理解されているかくらいは、やはり多くの人が共有しなくてはいけないと思うのだ。 そこまで大げさにならなくても、「習うより慣れろ」的にいい加減に物事を進める方向に流れないためにも、基礎をしっかりと学ぶのは重要なはずだ。 それは、量子力学の学部での入門的な教育についても(あるいは、入門的な教育についてこそ)言えることではないかと考えている。
量子力学に限らないが, 物理の具体的な問題をきちんと数学的に議論するために必要なハードルの高さは尋常ではないし, 量子力学の数学的基礎だけ特別扱いするのも難しいとは思いつつ, (私個人の思いとしても)物理的な意義が十分あるとは思っているのでつらい.
ていうか、今の場合は露骨に「物理的にやばい」とわかったけれど、もっと複雑な問題になったら、果たして考えている演算子が「やばい」か「やばくないか」など簡単にはわからないではないか。
これはよく感じるのだが, 物理ができない私がいってもまるで説得力ないのでつらい. 「まずはもっと物理やれ」という話になってしまう.
そして、素晴らしいことに、自己共役演算子については(この表現はかなり不正確だけど)
固有状態(および「固有状態もどき」)をすべて集めたものは正規直交完全系をなす
という(本当の)定理が知られているのだ。
きちんと書いてわかる人ははじめから知っている人だけなのでこれがどう不正確かということだけ説明しておこう. 例えば$\mathbb{R}^3$全体での自由粒子のHamiltonianを考えると$H = - \triangle$で, スペクトルは$[0, \infty)$だ.
そしてこれの固有関数もどきは$\psi_k (x) = e^{ikx}$になるが, 今$\mathbb{R}^3$全体で考えているからこの$\psi_k$は規格化できない(無限大になる). 数学的には Hilbert 空間 $L^2$ (または Sobolev 空間 $H^1$) に入っていないということだ. しかし $H \psi_k = k^2 \psi_k$ で形式的に固有関数になっている. 話が少しずれるが, この $\psi_k$ は緩増加超関数ではあり, そこで考えれば確かに固有値なので, 超関数までいけば一般固有値展開という形で正当化できるとか何とかいう話は聞いている. 相対論的場の量子論の人達はこういうことを地道にやっていた人達だ. とてもつらい分野なので常人には決しておすすめしない.
少なくとも数学・物理の双方で私を遥かに越える程度の力はないと無理だろう. やったからといってそのあとの業績に結びつくような展開が あるかどうかも微妙な情勢ということもある. そういう状態ではベテランも若手も, 物理の進展や自分の学者としての生存ににとって どれほど意味があるかも微妙なこの辺の話題に手は出せないだろうな, という気はする. いつもの「気になるなら自分でやるしかない」事案だった.
2015-07-16 計量幾何における双曲線関数: 和算もあるよ¶
自分を含むほとんどの一般人は双曲線関数に関して、「三角関数に関する受験生のレベル」に至ることなく死んで行くと思うと胸熱
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 6月 23
@y_bonten意外なところに双曲線関数が出てきたので、arXiv に投げておきました。http://t.co/ki11SAkeqD
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 6月 23
@kamo_hiroyasuありがとうございます。楽しみが増えました。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 6月 23
鴨さん, そもそも何でこんな問題考えたのだろう. 数学史か何かをやっていて辿り着いたのだろうか.
2015-07-17 モンテカルロ法と次元の呪い¶
モンテカルロ法は、一見並列計算に向いてそうなのだが、高次元空間だと次元の呪いにかかってしまう。 http://t.co/tC2baDE0PG
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 7月 26
次元の呪いはこれだ.
次元の呪い(じげんののろい、英: The curse of dimensionality)という言葉は、リチャード・ベルマンが使ったもので、(数学的)空間の次元が増えるのに対応して問題の算法が指数関数的に大きく(英語版)なることを表している。
例えば、単位区間をサンプリングするには100個の点を等間隔で、かつ点間の距離を 0.01 以上にならないように配置すれば十分である。同じようなサンプリングを10次元の単位超立方体について行おうとすると、必要な点の数は 1020 にもなる。したがって、10次元の超立方体はある意味では単位区間の1018倍の大きさとも言える。
高次元ユークリッド空間の広大さを示す別の例として、単位球と単位立方体の大きさを次元を上げながら比較してみればよい。次元が高くなると、単位球は単位立方体に比較して小さくなっていく。したがってある意味では、ほとんど全ての高次元空間は中心から遠く、言い換えれば、高次元単位空間はほとんど超立方体の角で構成されており、「中間」がない。このことは、カイ二乗分布を理解する上で重要である。
あと一応モンテカルロ法も引用しておこう.
モンテカルロ法 (モンテカルロほう、Monte Carlo method, MC) とはシミュレーションや数値計算を乱数を用いて行う手法の総称。元々は、中性子が物質中を動き回る様子を探るためにスタニスワフ・ウラムが考案しジョン・フォン・ノイマンにより命名された手法。カジノで有名な国家モナコ公国の4つの地区(カルティ)の1つであるモンテカルロから名付けられた。ランダム法とも呼ばれる。
万能薬はない.
2015-07-19 数学者の数学史と哲学者・歴史学者の数学史の食い違い: WeilとUnguruの戦い¶
Paulといい木村さんといい, 数学者は本当に面白い情報を教えてくれる.
教養の講義で取りあげたので,昨晩ネッツ・ノエル「解読!アルキメデス写本」をぱらぱらと読み返していた.ネッツはテルアビブでウングルに師事したそうな. http://t.co/xeMZYAUKrn
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
ウングルと言えば,"On the need to rewrite the history of Greek mathematics"という論文で激震を引き起こした研究者. http://t.co/huPSQpHXfE
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
A. Weilが激怒のあまり,なんかちょっといわくいいがたいものを書いてしまったり http://t.co/yOqiyYRMaZ
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
「トーンやスタイル,そして内容に於いても,通常の貴誌の水準を大きく下回る」とか「すでに十分丁寧(すぎるほど)に反論されているので,ここで引用する必要はないだろう」とか「ここで著者をZと呼ぶことにする」とか,最初の半ページだけでWeil先生すごい勢い.
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
Unguruは,それまでの古代ギリシャ数学史研究がWhig史観に侵され,古代の数学を現在の数学の代数的な記法や論法で翻案することに甘んじていると難じた.更に,数学を書くスタイルと数学的内容とは不即不離だとも言う.そこらへんに,数学者の数学史と乖離があったのだろう.
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
たとえば古代美術史の研究と称して,現在の画材や画法・技法で,紀元前の絵画や彫像を再現しても,それは新たな創作としか言えないだろうし.
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
数学者はだいたい,素朴なプラトニズムを(そう意識せずに)信奉していて,「数学」というものが実在して,それは万古不易だけど,それを表現する仕方は時代の関数だと思っている(のではないでしょうか).
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
なので,古代の数学も現代の数学も,適切に翻訳することで相互に理解し合える.例えばユークリッドやアルキメデスが現代によみがえっても,ちょっとの訓練で相互に理解し合える,と(プラトニズムの系として)信じている.
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
それどころか,宇宙のどこに行っても,まったく関わりがなかった知的生命体とも,数学は通じ合える,と.これが素朴なプラトニズムの系.それは余談としても,そういう信念に「?」をつけられて,一部数学者は激高したのでしょう :)
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
Unguruの論文から始まる論争について日本語で書いたものは,齋藤憲先生の「ユークリッド『原論』とはなにか」の3章 http://t.co/iceQw0iYAgの他はみたことがないのですが,どんな風にとらえられているのでしょうね.
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
ちょっと前に,Mathematics without Apologiesで取りあげられてましたね: https://t.co/0Ulveb2Or7
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 7月 7
読みたい本リストがたまる一方で本当に困っている.
2015-07-21 動画・PDF紹介: 線型圏の導来同値と被覆理論¶
こんな動画があるとは…。もっと見られても良さそうなものだが、知られていないんだろうな。 「線型圏の導来同値と被覆理論」浅芝秀人 教授 理学部数学科 - 静岡大学 https://t.co/AabgOfnFjw
— 私は私 (@Tsukasa_YUMI) 2015, 7月 6
@Tsukasa_YUMI本論はこっちか。我々の研究に関係がありそうだけど読むのが大変そうだなぁ…。誰か解説してくれないだろうか…。http://t.co/gAtNAeccMp
— 私は私 (@Tsukasa_YUMI) 2015, 7月 6
あとで動画もPDFも見ておこう. 楽しそう.
2015-07-23 イベント宣伝: 2015/11/28-29 第 16 回高木レクチャー @東大数理¶
イベント告知ということで高木レクチャーだ.
講演者などを引用しておこう.
平成27年11月28日(土)-29日(日) 東京大学大学院数理科学研究科 大講義室 招待講演者: • Fabrizio M. E. Catanese (Universität Bayreuth)
• Jean-Pierre Demailly (Université de Grenoble I)
• 柏原正樹 (京大数理研)
• Shing-Tung Yau (The Chinese University of Hong Kong and Harvard University)
Cataneseは今回はじめて知った. 代数幾何・複素解析の人らしい.
Demaillyは複素解析幾何とかその辺の人だ. その筋で有名な仕事をした人というのだけ知っている. multiplier idealだったか.
柏原先生はあの柏原先生だ. 修論がいまだに引用されるとか何とかいう, 学生の頃から意味不明なクラスの化け物だった人で, SKK(佐藤-柏原-河合)など専門がまるで違う私でも知っている. 結晶基底や表現論の周りで異常なくらいいろいろやっている.
Shing-Tung YauはFieldsを取ったYauだ. 以前東大であった講演会に来ていて, 就活のとき, 面接の日をずらしてもらってまで講演に参加した記憶がある. もちろん何が何だか全くわからなかった. 業績は当然Fields関係のCalabi予想の解決がある. いまCalabi-Yau多様体は物理の超弦理論で 使われるという事情があって, 超絶基礎理論となっていると聞いている. 他にも正質量予想(名前しか知らない)の解決などいろいろやっている. 非線型偏微分方程式の激烈にハードな計算を完遂しきって, 微分幾何の難問を解いていった部分が主要な業績なのだと勝手に思っている.
これも行きたい.
2015-07-28 【必読書】『数学まなびはじめ 第3集』が出たので数学関係者は必ず勝って読もう¶
【新刊】『数学まなびはじめ 第3集』(数学の楽しみ編集部/編)好評発売中!どんなふうに数学と出会い、どのように数学の道を歩んできたのか。第一線の研究者13名が青春の日々をいきいきと回想する。http://t.co/8dx6sse530pic.twitter.com/gA9Po2wBuL
— 日本評論社 (@nippyo) 2015, 7月 24
問答無用で買う. どの人の文章も本当に面白い. 2集までで終わりではないのは知っていたので他の人の分も読みたいとずっと思っていたが, ようやく出てくれた.
皆も買って読もう. 応援しないとこうした本の第二弾・第三弾が出てこない. 市民との約束だ.
2015-08-05 文献紹介: 導来圏・非可換幾何の基礎文献っぽい Kock, Pitsch, Hochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemes¶
気になる分野・文献の話だったので.
【Hochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemes】セミナーの予備知識として非可換幾何の基本的な考え方とか出来たら既知にしたいのです。鍵となるのは空間をどう描写するか?続
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 7月 31
続 世の中には(然るべき)位相空間と等価な概念が様々あって、それは然るべき位相空間の圏と圏同値になる、という形に纏められます。それを利用して今迄空間とは思えなかった導来圏なども空間の一つの表現形態であると思ってしまう。こう言った原理をかなり初等的な準備で解説してるのがこの論文
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 7月 31
【Lectures on dg categories】Toenによるdg 圏入門、彼の草案したdg圏の局所化とdg-圏のhomotopy圏を記述する理論を学部程度の予備知識でself containedで解説したノート。ググれば出て来ます。モデル圏なども手短に解説してます。
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 7月 31
Joachim KockとWolfgang PitschによるHochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemesのarXivへのリンクはここだ.
非可換幾何・非可換微分幾何, ちゃんと勉強してみたいのだがそもそもどんな本を読めばいいのかからしてよくわからないのでつらい.
まずこれを読んでみたい.
確か前田先生か誰かの非可換幾何の本が出るというのを以前見かけたが, あれはどうなっているのだろう.
2015-08-06 京大, 藤野修さんの【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】が面白かったので¶
京大数学の藤野修さんのサイトに置いてある, 第50回代数学シンポジウム報告集 p151--p162 (2005)の【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】を紹介してもらったので読んでみた. 全体的に教科書や論文のようなかちっとした体裁ではなく, 苦労している部分も含めて数学者が数学している感じがとても楽しい.
直接のリンクはこれだ. ぜひ読んでみてほしい.
2015-08-21 黒木さんのツイートまとめ: $\sin x / x$の極限に関する循環論法ネタは実は循環論法ではないという話¶
三角関数の極限扇形の面積に関する循環論法疑惑がある. 私も以前見かけたことがあり, 適当に読み流して「あらそうなの」くらいに思っていたが, 黒木さんが発見したようでいろいろ書いている. せっかくなのでまとめてみた.
ツイートだと見づらいので勝手に編集して PDF にした: 改めて書いておく. 黒木さんにも報告して怒られていないので大丈夫だろう. PDF の方が見やすいはずだから, よほどこだわりがある人以外は PDF を見よう.
以下, ツイートまとめ.
#掛算sinθ/θと扇形の面積に関する循環論法疑惑は、『マンガ・微積分入門』岡部恒治らhttp://t.co/DueItZXRylにある。今見ると94年に初版の本。ネット上で「高校 循環論法」で検索すると2000年以前にはほとんど見当たらないので、岡部氏がネタ元の一つか?
— 天むす名古屋 (@temmusu_n) 2015, 8月 21
#掛算マンガの当該箇所http://t.co/NUmo4Mws9C。√(1 - x^2)の定積分で円の面積を求めようする。ここで注意しなければいけないのは、岡部氏は循環論法をさける方法に触れていることである(229頁下段)。また循環論法批判は直接教科書に向けられたものではない。
— 天むす名古屋 (@temmusu_n) 2015, 8月 22
#掛算岡部恒治氏は三角関数の微分を円の面積とは独立に計算することができることには触れるが、【比較的面倒】だとして詳述しない。かわって積分すべき別の対象を提示する。つまり円の面積を半径xの関数S(x)とすれば、その導関数S'(x)=2πxが円周だという。
— 天むす名古屋 (@temmusu_n) 2015, 8月 22
.@temmusu_n#掛算ああ、なるほど。私が https://t.co/r37Bi9E3qp で否定しておいたのは添付画像に http://t.co/6k9UyUONcS から孫引きしたタイプの循環論法都市伝説です。 pic.twitter.com/37cc4GgrNw
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 22
@genkuroki#掛算訂正 https://t.co/W0lD9K0HIG 【扇形の面積も θ(s) になる】 本質的なことではないですが、正しくは「扇形の面積の2倍もθ(s)になる」です。「の2倍」を書き忘れていた。頻繁に1=1/2になる(^_^;)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 23
@genkuroki#掛算三角関数に関する循環論法都市伝説ネタをインターネット検索で色々読みましたが、経路の長さを速さの積分であっさり定義しても問題ないのに、折れ線近似で曲線の長さを定義することにこだわって、高校レベルの簡単な議論を無駄に難しくしている傾向が結構ある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 23
@genkuroki#掛算直線経路が最短になることについても、難しく考えている人達が結構見付かる感じ。「直線経路が最短になるのは証明できることではなく、公理だ」みたいなトンデモないことを言っている人も見つけた(リンクははりません)。証明した方がよいです。本質的に三角不等式。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 23
@genkuroki#掛算ベクトル値函数v(t)についてa≦bのとき ||∫_a^b v(t) dt||≦∫_a^b ||v(t)|| dt が成立することを示せれば、直線経路が最短であることもわかります。その不等式はノルム|| ||の三角不等式の積分版に過ぎません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 23
@genkuroki#掛算三角不等式とは ||v_1+…+v_n||≦||v_1||+…+||v_n||という「和を|| ||の外に出すと大きくなる」というタイプの不等式のことです。極限を取れば無限和でも成立しています。積分はある種の和の極限なので積分でも成立しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 23
@genkuroki#掛算「和を|| ||の外に出すと大きくなる」という三角不等式と「積分はある種の和の極限になっている」ということから、ほぼ自明に「積分を|| ||の外に出すと大きくなる」というタイプの不等式が導かれるわけです。≦型の不等式は極限を取っても成立しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算直線経路が最短であることは、v(t)が速度ベクトル(dx(t)/dt,dy(t)/dt)の場合に積分版三角不等式を適用すればただちに導かれます。 一般のノルムという高校数学には登場しない概念を出しましたが、内容的には完全に高校数学の範囲ですよね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算積分版三角不等式は一般のノルムについて成立しています。直線経路が最短であることは、ユークリッドノルムの場合に成立しています。そして、一般のノルムに関する積分版三角不等式の証明の方が「簡単」なわけです。積分版三角不等式は有限和版三角不等式の単なる極限。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算インターネットで検索すると、いきなり高校数学教科書の範囲内でがんばろうとしてはまっているパターンが多い感じ。そういう無用なこだわりを捨てて、素直に簡明な議論を探せば自然に高校数学の範囲内におさまるのになと思いました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算素直にすっきりした簡明な議論を探すのではなく、「高校数学教科書の範囲内または大学以上の高級な数学」という悪しき発想から出発しているからおかしなことになる。 数学は数学に過ぎず、高校数学も大学数学も全部同じ数学です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算大学の数学の先生達が「高校の数学と大学の数学は違う」と連呼しているのは悪しき伝統に過ぎず、「ああ、またバカなことを言っているな」と見ておけば問題ないです。本当に言いたいことはきっと「問題を解くためだけに特化した訓練と普通の数学は違う」ということ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算実数の掛算の可換性についても変に難しく考えている人がよく見つかります。積分版三角不等式が有限和版三角不等式の単なる極限に過ぎないという考えて方をできる人であれば、実数の掛算の可換性も自明に感じられるはずです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算ab=ba型の等式は極限を取っても保たれます。そして任意の実数は有理数もしくは有限小数の極限になっている。だから、有理数や有限小数の掛算の可換性の極限として、実数の掛算の可換性がほぼ自明に導かれるわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
@genkuroki#掛算極限操作はそこそこ難しい概念です。しかし、極限操作でどのような性質が保たれるかをきちんと認識していれば、すでに知っている結果の極限として一見非自明に見える結果を大量生産できます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算https://t.co/DzvQMZrEz3の件、どこで「循環論法」の環が切れているかを明確にしましょう。添付画像は新たな引用。件の本のpp.226-227です。左下の「腕に自信のある方はやってください」の部分に注目。 pic.twitter.com/v0pDbONT75
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。これは円周率の定義 π=(単位円周の長さ) から積分 ∫_0^1 √(1-x^2) dx をどのように計算するかという問題です。「循環論法になる」という説の根拠は「三角函数による置換積分を行なうときに三角函数の導函数を用いるから」ということになっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。しかし、その置換積分が本質的に三角函数の定義そのものだとしたら、その置換積分は三角函数の導函数を使わなくても可能だということになります。本質的に、そういう仕組みで「循環論法」の環が切れているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。そういうことは、単位円周の弧の長さの定義と三角函数の定義を明確にすれば明らかになります。ラジアンの意味での角度を単位円周の弧長で定義しているので、そこを明確にしないと何をやっても不明瞭な議論になってしまうことが確定しています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。単位円周はx^2+y^2=1で定義されます。その第一象限におけるyが0からsまでの弧長θ(s)はθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)になることが、高校数学の範囲内でわかります。このことに気付けば後は高校レベルの計算問題。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算高校の教科書には y=f(x) のグラフのxがaからbまでの部分の長さは ∫_a^b √(1+f'(x)^2) dx になると書いてあります。そのxとyの立場を交換した結果を f(y)=√(1-y^2) に適用すれば、一つ前のツイートの結果が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。単位円周の弧長が θ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2) になることは高校数学の範囲内で出る。I=∫_0^s √(1-y^2) dy, c=√(1-s^2) とおくと、扇形の面積は I-cs/2 になります。だから積分Iをどのように計算するかが問題になる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。「積分 I=∫_0^s √(1-y^2) dy を y=sin θ の置換積分で計算すると、sin θ の導函数を使うので循環論法になる」というのが循環論法説の肝なわけです。しかし、sin θがθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)の逆函数であることに、~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き~、気付いて、かつ、I=∫_0^s √(1-y^2) dyがθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)で表せることに気付けば、Iの計算でy=sin θと置換積分することは、本質的にsin θがθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)の逆函数であることを~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き~使っているに過ぎないことにも気付くわけです。Iをθ(s)で表わすための高校数学レベルの最も素朴な方法は部分積分です。Iの被積分函数に1=dy/dyを挿入してd/dyを√(1-y^2)の側に移す部分積分を実行すれば、~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き~、I=cs+∫_0^s y^2/√(1-y^2) dy になる。右辺の積分の被積分函数の分子をy^2=1-(1-y^2)と変形すると、右辺の積分がθ(s)-Iになることがわかる:I=cs+θ(s)-I. ゆえにI-cs/2=θ(s)/2. これが欲しい式です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算I-cs/2は角度θ(s)で単位円盤を切り取った扇形の面積だったので、I-cs/2=θ(s)/2は(角度θの単位扇形の面積)=θ/2というよく知られている結果を意味しています。その結果は弧長の長さの公式を部分積分するだけの単なる計算だけで得られるわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。繰り返しますが、ややこしい複雑な論証ではなく、部分積分を使った単なる計算に過ぎません。よくできる日本の高校生はそういう計算をかなり得意だという印象があります。そういう意味でもこの議論は典型的に高校レベルだと言ってよいでしょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。複雑な論証を含まない単なる計算ですむという話の出発点は単位円周の弧長がθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)と書けることでした。この手の積分は楕円積分に一般化され、一般のRiemann面上にも一般化されます。円周率も周期積分に自然に一般化される。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算続き。θ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2)という積分はそのような意味でもとても素性がよいものです。数学的に素性がよいものを考えれば、「循環論法」というデマを否定するに足る議論が高校数学の範囲内で得られるという仕組みになっているわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
#掛算https://t.co/NNxACCH6RY【数学は数学に過ぎず、高校数学も大学数学も全部同じ数学】とか【無用なこだわりを捨てて、素直に簡明な議論を探せば自然に高校数学の範囲内におさまるのにな】というのは以上で述べたような具体的な議論を念頭に置いてのことです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 24
あとこれ.
#掛算「lim_{θ→0} sin θ/θ=1 の高校数学教科書における証明は循環論法だ」というデマの拡散元として、ウィキペディアの三角関数の項目も無視できないと思います。 https://t.co/BbgNa7SJGB 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。その項目を見ると、根拠となる文献として、川中宣明さんのこれ→ http://t.co/lHEAYwRcrvが引用されています。おそらく、川中さんは高校数学IIIの教科書に「曲線の長さが速さの積分で表示されること」の解説があることを知らないのだと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き http://t.co/lHEAYwRcrvの最初の段落に書いてあることは、私も概ね正しいと思います。そこには「循環論法である」という主張が発生する理由が書いてあります。循環論法であるか否かとは別にそういう主張が発生する理由について語ることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。しかし、添付画像の形式で引用したその次の段落は誤りです。川中さんは高校数学IIIの教科書に曲線の長さを速さの積分で表示する話がきちんと書いてあるという事実を完全に無視しています。続く pic.twitter.com/FNIP6b9T68
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。高校数学IIIの教科書には以前から曲線の長さが ∫_a^b √((dx/dt)^2+(dy/dt)^2) dt や ∫_a^b √(1+(dy/dx)^2) dx と表示できるという事実が書いてあります。この事実を見逃している議論はすべて不十分です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。川中さんは【円弧の場合、これ[引用者註:円弧の長さ]は三角関数の積分ということになり、ここで既に sin x の微分を使わざるを得ないように見えます】と述べていますが、「見えます」の主語は川中さん自身ではないのでしょう。川中さん自身にはそう見えていないはず。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。円弧の長さはたとえば函数 f(x)=√(1-x^2) のグラフの一部分の長さとして積分で表わされます。三角函数を出さずにその積分は書けます。こういう事実を川中さんが知らないはずがない。おそらく「高校数学の範囲内で」ということに気を使いすぎたのでしょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。高校数学IIIの教科書を最後まで読み込めば、高校数学において、sin θ の定義は実質的にθ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2) の逆函数であり、cos φ の定義は実質的にφ(c)=∫_c^1 dx/√(1-x^2) の逆函数であるとみなせます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。一つ前のツイートに出て来た積分はそれぞれ x=√(1-y^2) と y=√(1-x^2) のグラフの一部分の長さです。高校数学IIIの教科書に載っている曲線の長さの積分による表示の公式を単純に用いればよいだけのことです。完全に高校数学の範囲内です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。しかも現在では学習指導要領によって、高校数学IIIで曲線の長さの積分表示を扱わなければいけないことになっています。学習指導要領に書いてあるのだから、高校数学の範囲内だと言って誰にも文句を付けられずにすみます。(くだらない話ですが、こうなっている。) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。大学入試でも数学IIIまで範囲に入っているならば、楕円の弧長の積分による表示を扱う入試問題(実質的に楕円函数が関わる問題)が出されても、学習指導要領的には文句が言えない状況になっているわけです。数学者は楕円函数大好きですから、受験生は覚悟しておいた方がよいかも。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。最後に三角函数を天下り的にべき級数の形式で定義するスタイルについても簡単にコメントしておきます。 それ、単なる一つの方法に過ぎないですから!!!!! インターネットで検索すると、妙にその方法が「権威」を持っているように感じられました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。あと、論理的に厳密な議論をするためだけに、天下り的なべき級数による函数の定義を試みるわけでもないことは強調しておきたいと思います。べき級数による天下り的な定義は係数の部分を変えれば容易に一般化可能です。それによって「役に立つ函数」の世界を広げることができる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。高校で習う初等函数に限っても滅茶苦茶役に立つわけで、同じように役に立つ函数をたくさん見付けることができればうれしい。定理を定義として採用して一般化するのは数学では常套手段です。べき級数による天下り的な定義もその一例だとみなせます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。高校数学と大学数学を「論理的厳密性」の観点で比較することを強調されると、「すでによくわかっている話を単に論理的に厳密にするためだけに面倒な議論を導入する」という話に見えてしまいがちなので、とても残念なのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。「まだよくわかっていない数学の世界を調べるために新たな方法を導入する」ということがわかるような説明をした方が楽しいと思うのですが、どうでしょうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。「微積分を習ったのに経路の長さが速さの積分になっていることさえ知らないとしたら、微積分を勉強する意味ってあるの?」という疑問が出るのは当然なので、数学IIIの教科書に以前から曲線の長さの解説を入れていた教科書出版社には数学的良心を感じます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。以前の数学IIIの教科書では「発展」として曲線の長さが扱われており、現在では学習指導要領で正式に採用されたので、普通に数学IIIの教科書で曲線の長さが扱われています。これを無視して、「循環論法になっている」というようなケチを付けるのはとてもまずいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。せっかく数学IIIの教科書で曲線の長さをずっと扱って来てくれていたんだから、ありがたく、「三角函数がある種の不定積分の逆函数として定義されることは高校の数学の範囲内で説明できることだよね」と言わせてもらった方がよいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算添付画像は https://t.co/piXXOjQsnkからの孫引き。もちろん【弧の長さを求めるために積分を用いるのだが、ここに三角関数を用いる】という決め付けは誤り。三角関数を使う表示も使わない表示もある。続く pic.twitter.com/Ioxo0KUGWT
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算何度も繰り返しているが、数学IIIの教科書に書いてある公式を使えば、θ(s)=∫_0^s dy/√(1-y^2) が単位円弧の長さであることがわかる。その逆関数として sin θ を定義できる。弧の長さの表示にも三角関数の定義にも三角関数は一切用いられていない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算メモ https://t.co/v6nxexT9ek https://t.co/gpwDs2UfNQ 高校の数学教科書の範囲内で三角関数の導入を閉じさせるためには数学IIIの教科書に書いてある曲線の長さの積分表示に触れる必要があるよね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算色々検索してみての印象ですが、三角函数をある種の不定積分の逆函数として自然に(高校数学での定義の焼き直しとして)定義できることを知らないまま、べき級数による天下り的な定義をするスタイルだけを学んでしまった不幸な人が日本には大量にいるような感じです。これはまずいよなあ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算積分について習っても、面積や体積が積分で計算できることや速さの積分が経路の長さになることなんかを知らないままだと、何のために苦労して積分を勉強したのかわからなくなってしまいます。しかし、数学IIIの教科書はその辺にきちんと配慮してある。かなり以前からずっと!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算そういう歴史があるのに、ある種の人達は高校数学の範囲内では三角函数の取り扱いが論理的には循環論法にならざるを得ないかのように言ってしまっている。これはとてもまずいと思います。「循環論法」とケチを付ける暇があったら「数学IIIの教科書を最後まで勉強してね」と言うべき。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。せっかく高校数学の範囲内での三角函数の導入の仕方について議論するならば、「循環論法云々」のようなつまらない話をするのではなく、「ついでに数学的に重要なアイデアについて説明してしまう」という形を取るべきだと思います。特に論理的厳密性だけにこだわっても益は小さい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。大学数学科向けの数学の教科書に書いてあるような「厳密な」議論の仕方をマスターするためにはかなり努力しても数年間の時間が必要になります。これはぼく自身がそうだっただけではなく、ぼくが教えているような極めて優れた学生たちであってもそうなので間違いありません。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。そのような能力を身に付けた後であれば、論理的に厳密な議論を常に要求することは苦ではなくなり、とても役に立ちます。なぜならば、いつでも論理的に明晰な議論に戻れるので、自由に「なんでもあり」の世界を謳歌できるようになるからです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。何が明晰な議論で何が曖昧な議論なのか区別が付かないままだと、完全に自由に自分自身の直観を使うことが困難になります。なぜならば、曖昧な議論と明晰な議論を区別できないせいで、間違った議論をしていても気付かずに終わってしまう可能性が高くなるから。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。間違うこと自体は単に訂正すればよいだけのことなので怖くないのですが、間違いに気付かないのは怖い。そういう恐怖を払拭できないままで、直観を自由に使用することができるはずがありません。数年間の努力はこの自由を手に入れるために必要なのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。ぶっちゃけた話をすると、数学的に厳密な議論を空気を吸うがごとくできる能力には高い価値があると思いますが、数学的に厳密な議論をすること自体を目標にするのは誤りだと思います。それだと目標が低過ぎる。厳密な議論は道具に過ぎず、その先を目標にしないとまずい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。私が高校数学における「循環論法だ」というタイプの指摘がつまらないと思うのはこのように考えているからです。わかり切ったことを再度厳密にやり直すだけであればまったくつまらない話だと思います。実際には全然そういう話ではないのに、つまらない話にしてしまっている。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。たとえば三角函数を天下り的にそのべき級数展開で定義するというスタイルは有名なのですが、三角函数というよく知っている数学的対象についてわざわざそういう手間をかける価値があるのはどうしてなのか? 「論理的に厳密な議論になるから」 それは良い答えではない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。べき級数で天下り的に定義して三角函数論のすべてを論理的に厳密に再構成することはできる。しかし、単に論理的に厳密な三角函数論を展開するだけなら他にも方法がたくさんあります。特にべき級数で定義することのメリット(とデメリット)が何なのかがわかるように答えるべきだ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。こういう問いに適切に答えるためには、三角函数論以外の数学的知識が必須になります。三角函数をべき級数で天下り的に定義して三角函数論の全体を再構成するときに使われる数学的テクニックは、未知の函数を定義して調べるときにもそのまま役に立ちます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。そのおかげで、べき級数による天下り的な定義から出発して三角函数論のすべてを再構成する手間をかけたことのある人は、べき級数で表される未知の函数を自分の力だけで調べる方法を手に入れたことになります。こうい話なのに、数学的厳密性の面に焦点をあてられてしまうのはつらい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。三角函数をある種の不定積分の逆函数と定義(この定義はべき級数による天下り的な定義と違って高校の数学の教科書における三角函数の定義を自然に焼き直したものになっている)についても、同様のストーリーを述べることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。他にも微分方程式を用いた三角函数の定義の仕方も有名だと思います。どれでやっても結果的に同じ世界ができあがることになりますが、それぞれ方法が違うので、数学の世界における未知の領域を調べるための道具を複数手に入れたことになってうれしいわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
#掛算続き。遊びでも数学でも自分自身の意志で自由に選択できる楽しい事柄が多い方がうれしいと思います。数学を教わるたびに教わった人の選択肢が拡大されるようになれば、どんなに初歩的な数学であろうと教える価値は極めて高いと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
関係ないが, 坪井先生だかと話をしていたとき, 「高校数学の教科書にあるベクトル方程式というのは (言葉づかいが) 気持ち悪い」 みたいな話をして「いろいろあるんです」みたいに苦笑していたのを思い出した.
あとこれも何度か言っているが, 私にとって高校数学と大学数学の違いがあって, 高校までは好きではあるが (大学受験を前提に) 問題が解けなくて苦しんでいたが, 大学に入ってから数学ではそんなに苦しんでいなかったであろう物理学科の同期が 「数学 (実数論とか集合とか位相) わけわからないしつらい」と言っている中で ただただめちゃくちゃ楽しく, 「いや, 自分わりと数学への耐性・適性あるのでは?」と 思えたという個人的な導入時の心の有り様という感じがある.
何というか, 問題解けなくてもいいと思えたというか何というか, まだ明確な言葉にできていないのだが, とにかく大学の数学でようやく救われた, というような感覚がある.
このへんももっと明晰に言葉にしたい.
#掛算←このタグを一回だけつけます。続けて #函数タグだけを付けて三角函数について書きます。最初に、高校数学III全体以上の知識を仮定して、高校数学教科書のスタイルの三角函数の定義はある種の不定積分の逆函数による定義と一致していることを説明します。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数xy平面における原点を中心とする単位円周を考え、点(1,0)を始点とする長さθの弧(ただし長さは時計回りなら負の値を取ると考える)に対して、弧の終点のy座標を sin θ と定義します。これは高校の教科書に書いてある定義と本質的に同じです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。(説明の仕方がちょっとひどいのですが、許して下さい。) しかし、高校の教科書で円周上の弧の長さを微積分で表すためには、数学IIIの教科書を終わりの方まで読まなければいけません。そこまで読んで初めて弧の長さの概念が明確になったと考えるべき。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。数学IIIの教科書の終わりの方に曲線の長さが∫_a^b √((dx/dt)^2+(dy/dt)^2) dtと表示できることの解説がある。これを曲線の長さの定義だと思ってもよいし、別に曲線の長さが定義されていてこれは定理だと思ってもよい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。xy平面上の単位円とは方程式x^2+y^2=1で定義される多様体のことです。多様体を知らない人は適当にこの手の用語を無視して下さい。多様体は大した話ではないです。単位円上の弧の長さは単位円上の微分形式の積分としてきちんと定義されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。あ、微分形式という用語も適当に無視して下さい。微分形式の話も大したことないです。以下の話は数式を見れば必要なことは全部わかります。単位円の右半分に含まれる弧の長さは〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き〜 dy/√(1-y^2) の積分で書けることが、高校数学IIIの教科書を全部読んでいればわかります。弧をパラメータt=yによって(x,y)=(√(1-y^2),y)とパラメトライズして、曲線の長さの公式を使って下さい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。単位円の上半分に含まれる円弧についてもxとyの立場を取り替えれば同様です。ただし、時計と反対回りに積分すると正の値が得られるよう平方根の正負を選んで下さい。単位円の右半分と下半分も同様です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。これによって、単位円の右半分、上半分、左半分、下半分に含まれる弧の長さが積分で書けることがわかりました。どれか一つの◯半分に含まれ切らない弧の長さは積分を繋ぎ合わせれば計算できます。(微分形式の積分とは要するにこういうこと。)続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数以上において多様体とか微分形式とか口走ってしまいましたが、実質的な内容は高校数学IIIの教科書の終わりの方に書いてある曲線の長さを単位円に含まれる弧に適用しただけです。単位円に巻き付くような「弧」の長さも積分をつなぎ合わせれば計算できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数これによって、点(1,0)を始点とする単位円上の経路にわたる積分(必要なら積分を繋ぎ合わせる)によって、弧の長さを表すことができることがわかります。長々と書きましたが、高校数学IIIを理解していればすべて自明な話に過ぎません。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。以上によって、単位円上をまわる(逆行しない)経路の長さを積分で表す方法がわかりました。これによって、ラジアンの意味での角度の概念を微積分を使ってきちんと定式化できることがわかったことになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。ここまでたどり着けば後は高校の数学の教科書通りに三角函数を定義できます。そして、角度θが積分で書けていることから、三角函数がある種の不定積分の逆函数になっていることがすぐにわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数sin θ を例に説明しましょう。s=sin θ とおくと、θ=∫_0^s dy/√(1-y^2) が成立します。正確に言えばこの等式は-π/2<θ<π/2のときにのみ正しいのですが、積分をつなぎ合わせれば一般の場合も同様の結果が成立しています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。(積分の繋ぎ合わせのような説明の仕方が嫌な人は、微分形式の積分の概念を使うと一発ですべてを明瞭に書き切れます。) そして、θ=∫_0^s dy/ √(1-y^2) のとき、sin θ=s となることは sin θ の定義そのものです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き。要するに、高校数学における sin θ の定義は、sin θ はある種の不定積分の逆函数であるという主張とほぼ同じことを言っているとみなせるのです。これは弧の長さが積分で書けることからの必然的な帰結です。わかってしまえば全部自明な話。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数まとめ。「円弧の長さで角度θを定義し、単位円上の点のx,y座標としてcos θ,sin θを定義する」という定義は、円弧の長さが積分で表されることより、三角函数をある種の不定積分の逆函数として定義するのと同じことをやっているとみなせる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数要するに、高校の教科書にある三角函数の定義は、曲線の長さが積分で表されることより、円弧の長さを与える不定積分の逆函数として三角函数を定義しているのと同じことをやっているとみなせるのです。二つに見える定義は実は一つの定義になっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数というわけで、よく使われている三角函数の定義には、(1)単位円の幾何を使って、弧の長さを意味するある種の不定積分の逆函数として定義(本質的に高校数学での定義の仕方そのもの)、(2)べき級数で定義、(3)微分方程式の解で定義などがあるわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数昨晩書いた話の中には「積分 θ=∫_0^s dy/√(1-y^2) の被積分函数が y=±1 で発散することが心配だが、どうするのか?」という疑問にも答えている。一言で言えば「被積分函数は単位円上の微分形式としてはy=±1でも発散していない」だ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数単位円x^2+y^2=1上の函数 1/√(1-y^2) はy→±1で発散しているが、単位円上の微分形式 dy/√(1-y^2) はそうではない。そのことは単位円x^2+y^2=1上でdy/√(1-y^2)がy→1でどのようにふるまうかを〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 26
@genkuroki#函数続き〜調べるために、単位円上の座標をyからxにy=√(1-x^2)と変数変換してみればよい。y=1はx=0に対応している。微分形式を直接扱いたくなければ、高校で習う置換積分の話だと思ってよい。同じことである。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#函数続き。置換積分をやるときの計算と同様にして、dy/√(1-y^2)=-dx/√(1-x^2)となることがわかる。左辺の分母はy=1で0になるが、y=1に対応するx=0で右辺の分母は0にならない。多様体上の微分形式とはこういうもののことである。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#函数続き。多様体とか微分形式のような言葉を知らなくても、座標を必要に応じて取り替えて、以上で述べたような座標変換でよい振る舞いを示すものの具体例を幾つか知っていたら、「そういうものが多様体上の微分形式だ」と理解しておけばよい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#函数単位円上の弧の長さを積分で表せることがわかっていれば、ラジアンの意味での角度θを単位円上の座標として使えるようになる。そのとき、先の微分形式は dθ に等しい。dy/√(1-y^2)=dθ の右辺には「0になる分母」はない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#函数θ=∫_0^s dy/√(1-y^2) だから dθ=dy/√(1-y^2) となると考えてもよいし、y=sin θ と変数変換して dy/√(1-y^2) = cos θ dθ/cos θ=dθ と計算(高校数学的には置換∫の計算を)してもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#掛算Googleで検索して過去の分だけは「高校数学の範囲内では lim_{θ→0} sin θ/θ=1 の証明は循環論法になってしまう」というデマを誰が流しているかはすでに確認済みです。大学の数学の先生は注意するべき。関連情報の交換は #函数タグで!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
@genkuroki#函数高校の数学IIIの教科書には以前から曲線の長さが速さの積分で表せることが解説してありました。だから数学IIIまでやれば単位円上の弧の長さを三角函数を使わない積分で表せます。ラジアンの概念さえ微積分を使って定義できてしまえば循環論法になりようがない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 27
微分形式とかかなり参考になる気がする. ツイートだと見づらいので勝手に編集して PDF にした: 改めて書いておく. 黒木さんにも報告して怒られていないので大丈夫だろう.
勝手に編集して勝手に使うのもアレだが, そのうち YouTube にこの解説の動画も上げたいと思っている.
2015-08-30 ツイート・論文紹介: 可算パラコンパクトでない正規空間の具体例¶
先日淀川の花火大会に行ったんですが、浴衣を着た女が隣の浴衣を着た男の耳元に背伸びして口を寄せて「好き」って言ってるのを見ました。僕は可算パラコンパクトでない正規空間ってどんなのがあるんだろうって思いました。調べるとすぐ出てきました。 pic.twitter.com/NDnEMw61xU
— 不等式bot (@Inequalitybot) 2015, 8月 9
@Inequalitybot補足しておくと、このスクショの題名は「X×Iが正規でない正規空間X」というものですが、「正規空間Xについて可算パラコンパクト⇔X×Iが正規」というDowkerの特性化定理があるので、これは可算パラコンパクトでない正規空間の例にもなっているわけです。
— 不等式bot (@Inequalitybot) 2015, 8月 9
覚えておきたい. あと論文はここから落とせる.
2015-09-02 ツイート紹介: 次元論のPDFと位相次元論¶
次元論 PDF はこちらのページから→https://t.co/UQ9IevBq5J 位相次元論についてはこちらのページもどうぞ→https://t.co/H2PTKOSUE5
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 8月 14
とりあえずメモ. 後で読みたい.
2015-09-03 名古屋大学がネットで講義を公開しているらしいので: 梅村浨先生の最終講義PDFを読んでみた¶
名大が講義をネット上で公開しているらしいのでとりあえずメモ.
多元数理のページはここ.
梅村浩先生の最終講義資料, 『射影極限と帰納極限』が気になったのでとりあえず落としてみた.
最後の方, Paul (Painleve)が出てくるので何故か笑った.
微分Galois理論は人間の 情熱を駆り立てる
という謎の1ページがあった. あと無駄にカラフルに強調された次の名言も紹介しておきたい.
世の中には面白いものが多すぎる.
春の夜は 櫻に明けてしまいけり 芭蕉
最近ろくに数学できていなくてつらく悲しい.
2015-09-05 読書メモ Brezis, Functional Analysis Sobolev Spaces and Partial Differential Equations¶
HuybrechtsのComplex Geometryに飽きてきたので気分転換に読んでみる. あまりよくないかもしれないが, プロでもないしいいだろうという方向で.
P.92 H\"{o}lder¶
Youngの不等式の証明をいつも覚えていられないのだが, ここにあるようにlogの凹性なら覚えていられそう. 助かる. Remark 2. に結果の一般化と interpolation も書いてあった. Interpolation 周辺は PDE だと大切らしいのでとりあえずメモ.
P.93 Riesz-Fischer¶
(L^{p}) は (1 \leq p \leq \infty) で Banach 空間. (L^{1}) と (L^{\infty}) のペア, 特に (L^{\infty}) の双対空間がいまだにあまりよくわかっていない. 特に (L^{\infty}) は可分でもないし, めっちゃ魔界だと思う.
この前後の結果, きちんと証明つきで覚えた方がいいのだろう. 解析学での修士だというのに反省している.
P.97 Riesz representation theorem¶
愛してやまない.
少し話がずれるが, Sobolev 力が低過ぎるので, Sobolev に行ったときの話が全くわかっていない. 特に自分自身を dual にするかどうかのあたり, そのメリット・デメリット.
P.102 (L^{\infty}) の双対空間¶
(L^{\infty}) を可換 von Neumann 環と思って Gelfand-Naimark を使う話を説明している. Radon 測度の話をしているが, いまだに Radon 測度の定義を覚えていないし, Borel 測度との区別もついていないのが本当に恥ずかしい.
というわけで復習.
定義: Borel 測度¶
Borel 集合の (\sigma)-代数上で定義される任意の測度 (\mu) を Borel 測度という. Borel 測度が内部正則かつ外部正則なら正則 Borel 測度と呼ぶ. (\mu) が内部正則かつ局所有限なとき Radon 測度と呼ぶ.
定義: Radon 測度¶
任意の Borel 集合 (B) の測度 (m(B)) が (B) に含まれるコンパクト集合 (K) の測度 (m(K)) の上限として得られるとき, 測度 (m) は内部正則 (inner regular) もしくは緊密 (tight) であるという. 各点が測度有限な近傍を持つとき, 測度 (m) は局所有限 (locally finite) であるという. 内部正則かつ局所有限な測度 (m) をラドン測度と呼ぶ.
P.103 (L^{\infty}) の非可分性¶
証明はわかるが気分的にいまだによくわかっていない. (L^{\infty}) と言えば私の魂たる von Neumann 環の可換版でもあるのだが, 考えてみれば von Neumann 環もいまだにまるでわかっていなかった. 酷使するだけして何もわかっていないというの, 本当につらい.
P.104 たたみ込みと正則化¶
明らかに超大切な節. Young, きちんと証明で使われる式変形の技巧を 覚えておかないと本番で使えない.
P.106 Proposition 4.18.¶
前, 日本語でこの本読んだのに たたみ込みの台特性をすっぱり忘れていたのでつらい.
P.106 Proposition 4.19.¶
たたみ込みによる正則化の基礎. とても大切: Proposition 4.20. では実際に (C_{c}^{k}) で証明する. (C_{c}^{\infty}) でたたみ込んで, 滑らかな関数に対して証明してから density argument で全体に持ち上げるのは基本戦略だ.
P.108 Mollifiers¶
我等が軟化作用素. 幾何でも使うし愛してやまない. 昔, 音だけ聞いて modifier だと思っていた. 意味として大きく外しているわけでもない.
P.111 4.5 Criterion for Strong Compactness in (L^{p})¶
細かいことは忘れたが, 修士のとき, ゼミで河東先生に Ascoli-Arzela について 何か突っ込まれたときのことを思い出してヒヤっとした.
P.111 Theorem 4.26 (Kolmogorov–M. Riesz–Fréchet)¶
部分領域への制限は (相対論的) 構成的場の量子論や統計力学での基本戦略だが, 私はその辺ほとんど触っていないのでこの定理の使いどころがよくわかっていない. Corollary 4.27 も使いどころわからない. 多分あとで出てくる感があるので楽しみにしておく. useful と書いてあるが, 判定条件としての Corollary 4.28 は確かに有能感漂う. こういう感触, 【素人】には通じづらいだろうなというのを最近よく感じる.
2015-09-06 暗号と数学と勉強: みどりのらいおんさんとのやり取り用取りまとめ¶
はじめのメモ¶
改めて考えをまとめておこうと思ったので, ちょっといろいろ書く. まずは発端のやりとりから.
弟の勉強、うちも見てみたけどあの人九九が怪しいや…。本気で覚えてない・わかってないってより集中力の無さが敗因っぽいけど。逆に言えばある程度の集中力がなきゃ何を暗記しても勉強してもテストでその結果を発揮できないんですが…
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
√とか久し振りに見たので、これ何だっけ??ってなって妹のスマホのsiriさんに「るーとってなんですか?」って聞いたんだけど「道順のことですね。目的地はどこですか?」ってなって人工知能の限界を思い知った。
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
素因数分解とか…うちはぶっちゃけこの辺で数学脱落した気がする。今、教科書読みながらなら簡単なやつ教えるのはギリギリできるけど…
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
素因数分解なんかやったって何の役にたつの?って言われてもうちとしてはゲーム作るときのプログラム組むのに役立つとかしか思いつかないけど他にもっと日常っぽいことで素因数分解って使うかな…
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
とにかく素因数分解わからないよりわかった方が人生の自由度があがるんじゃい!うちは素因数分解とかあんまりよくわからないけど!
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
勉強ってなんか確かに変なことにはなってるんだよな…。本当はわからない・できないことがある→そのための知識、公式を欲するっていう順番であるべきなのに怒涛の勢いで先回りしてこれいつか必要になるやつだから覚えとけや!って迫ってくる。しかも目前の成果物としては受験合格しか見えない。
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
でも大人になった今、ほんと中高くらいの勉強は穿った見方しないでもっと素直に真面目にやっとけば良かったって思うよ…。わかんなくても死なないけどわかれば大体それなりに良いことがある。
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
で, ちょっとやりとり.
@greenlion1987https://t.co/Utojt6E9Om素因数分解は暗号理論への応用があります。通信の秘匿とも関係していて、買い物ページや問い合わせページ、ログインページでのhttpsにも使われているので、一応超がつくほど日常的ではあります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 5
@phasetrそんな日常に潜んでいたんですね(別に潜んでないけど)。暗号ってワードは厨二心をくすぐるかもしれないです。素因数分解が理解できれば暗号サイトを一から作れるんだぞ!とか言えばちょっとは魅力的ですかね…
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 5
とてもつらいところがいくつかある.
素因数分解が理解できれば暗号サイトを一から作れるんだぞ
まず悲しいお知らせだが, 現代的にやるのなら 使う数学は学部上級から大学院レベルの数学科の数学だ. 理工学部の人間にすら忌み嫌われる数学科の数学なので, とてもつらいことになる. もちろん適当に簡略化させれば暗号化することはできるだろうが, その簡略化をするために既に知らないといけないことがたくさんある. 適切な指導者がいればともかく, 暗号の詳しい知見を持つ人が身近にいる環境, そうはないだろう.
サイトを作るというのでどこまで想定しているかによるが, プログラムも組まないといけないので, プログラミングの技術も必要だ. それなりにハードルは高い. サイトを 1 から作ること自体にもハードルは高いだろう.
暗号の歴史を含めた概要については 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.
最後にも少し紹介する.
ちょっとは魅力的ですかね…
そしてこれがまた厳しい. 何が魅力的でどう導けばやるかという段になると 個々人の興味・趣味・性向に合わせてやる必要があって, 基本はそれぞれに向けてチューニングがいる. 同じく指導者の力量も問われる.
理学系の『楽しい』『美しい』が好きな勢は放っておけばいい. 私と同族だから扱い方は熟知している: とても簡単で, 適当な専門書でも渡しておけば 勝手にやり続ける. ただし世間から『役立たずで気持ち悪い』と蛇蝎のように嫌われる. 理工系キモオタに育つと思って頂ければいい. それで良ければ, という条件つきになるので社会は厳しい.
数学をやっていて嫌なことはたくさんあるが, 良かったことは数学をやっているときくらいしかない. 学生の頃に何をしていたのかとか, 普段何をしているのか と言われて『数学です』と言うと, 『学生の頃, 数学は大嫌いだった』とばかり言われる. 自分がこよなく愛することに対して否定的な意見ばかり 聞かされるのでただひたすらにうんざりする記憶ばかりだ.
いろいろあってよく『役に立つことを教えてほしい』という人がいるが, これはまだ扱いやすい. 役に立つことを伝えておけば勝手に動いてくれる (はずだ) から.
そして大多数の人が一番扱いが難しい. 『何の役に立つ』と聞いてくるが, 役に立つことは求めていないことが多い. 実際に何を求めているのかは本当にわからないが, 具体例には事欠かない.
まず『英語は役に立つ』と言われるし, 実際にどうかはともかくこの意識は浸透している. かといってきちんとやる人は少ない. むしろ英語を嫌がる人の方が多いくらいではないか. 嫌がるに至る経緯もいろいろあるけれども.
数学が役に立つ系の話だと, Google の検索アルゴリズムのページランクで 連立一次方程式を使うと浪人生に説明したことがある. そしたら返答で『自分は Google のページなんて使わない』と来た. 『これこれこういう理由で貴方も使っています』と言っても 聞きはしなかった.
こういう感じの絶対多数に対してどうするかというと, 個別の話しかない. そもそも結果的に数学的な成果を使っている人というわけではなく, 積極的に数学を使いにいく人, 相当のエリートだろう. 皆が皆必要なわけではないし, 実際に数学よりも優先度が高い学ぶべきことがある人もいるはずだ. その中で数学を頑張らせる理由をどう作るか, 作るべきなのかとかいろいろ面倒なのでとてもつらい.
Twitter でもいろいろな意見が出ているが, 数学を頑張らせる積極的な理由, 私はいまだに見つけられない. むしろ地歴公民をはじめとする人文・社会学系を きちんとやる方が一般にはよほど大切ではないかと ずっと思っている.
サイモン・シンの『暗号解読』がお勧め¶
いろいろと否定的なことばかり言ってきたが, 歴史を含めて暗号に関していろいろ知りたいなら 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.
昔からどんな暗号がどのように使われてきたのかわかる. 簡単な暗号については方式も説明されている. 情報戦への利用もあるから, 第二次世界大戦で本格的に数学が使われはじめたことや, 現代のネットワーク時代の情報セキュリティでも 数学が使われていることも説明されている.
市民の生活の情報保護にも使われていて役には立っているが, 情報戦含めた戦争利用もされていて, 役に立つから嬉しい, 皆もやろうとかはいいづらい. とてもつらい.
追記¶
そのあとやり取りが追加されたのでそちらもまとめておく.
@phasetrまず「わかりやすいご褒美(=目に見える成果)」がなきゃやりたくない状態ってのが不健康なんですよね…。数式を解いてると癒される、とても楽しいと感じられるという状態が一番良いというか…。自分もわかってた頃はある程度楽しかったというか単純に問題を解くことに爽快感を(続
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@phasetr覚えていた気がします。でも難易度が上がってってすごく頑張らないと答えが出せなくなって、頑張っても解けなくなっていって…こんな数式なんてテストでしか使わないだろ!という言い訳を作って「別にこんなことできなくたっていいんだ」と自己正当化に走ってしまい…結果自分も(続
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@phasetrたいして勉強を頑張らずに大人になってしまったので、今振り替えるとやっといた方がいいと思うみたいな話をしても説得力があまり無いんですよね…。(自発的にやる気がでない場合は)無理に「こんな風に役立つ」というご褒美をぶら下げるよりも、相性の良い先生と出会って(続
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@phasetr数学は楽しいかもって気持ちを引き出してもらうとかそういう方が良いのかもしれません。(難しいことですが)
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@greenlion1987定義によるのですが、「わかりやすいご褒美」があればやるならそれでも問題はないのです。問題なのは子供・生徒ごとにそのわかりやすいご褒美を把握して提供してあげることの難しさです。お金がかかるご褒美は準備しきれず役に立つ系は親・教師の幅広い知識が必要なので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 6
@greenlion1987そうは言っても必要な情報は提供する必要があると思うので、できる範囲でその辺のコンテンツを地道に作って配布したり、いいものは宣伝協力しています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 6
@phasetrそうですね。「わかりやすいご褒美」の方も難しいんですよね…。今のところは、具体的にこうやるみたいな話まで進めず(実践的な話は自分はできないので)こういう風に使われてるらしいよということをせっかく相転移Pさんに教えてもらったので、話してみようと思います。
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@greenlion1987結局のところ、ご褒美は自分で自分に与えられるか他人から与えられるかで、自分で自分に与えられた方が楽で、やっていて楽しいというのが一番お手軽で長続きしやすいという所に落ちます。そうはいっても指導の一番つらく大変なところですが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 6
@greenlion1987何かあれば相談して頂ければ知っている範囲の情報は出せるのでお気軽にどうぞ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 6
@phasetrありがとうございます!とりあえずテスト範囲は素因数分解だけに留まらないので、弟は数学だけやりに学習塾に通わせられる様です…
— みどりのらいおん (@greenlion1987) 2015, 9月 6
@greenlion1987次のページで書いたのですが塾の使い方も結構難しく自分できちんと復習しないとダメで通っているだけでは意味がありません。http://t.co/5BLNnJsWVXhttp://t.co/66heNqaO04受験関係で説明していますがそれ以外でも同じ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 6
楽なことはないな, ということで.
2015-09-06 Qiitaの『【統計学】初めての「標準偏差」(統計学に挫折しないために)』という記事読後の覚え書き: 標準偏差, まずは単純に【平均からのずれ】と思えばいいのではないか事案¶
統計学の基本的な知見に関するとてもつらい記事を見かけたので.
http://t.co/kMMwW8wCxcこれで詰まる人が統計やらないといけないのか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetrhttp://t.co/kMMwW8wCxc【統計をこれから学ぼうという方にとって、非常に重要な概念ですが理解が難しいものに「標準偏差」があると思います】この一文でまず絶望するし、ルートとシグマがでたくらいでつらくなる人がなぜ統計をやらないといけないのだろう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetrぐだぐだといっていないで大雑把に単純に「平均からのずれを見る量だ」といえばいいだけで、計算式とかとりあえず放っておけばいいのではないかと思うのだが、何をどうしたいのかがわからない
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetr言い出したら平均だって十二分に難しい。「受講者の得点分布を見る上で0点と100点がちょうど同じ数だけいたとき、平均点は50点になるがこの時の平均に何の意味があるか」とか綺麗な正規分布を仮定しない時の話とか面倒事は多い
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetr本当に【「平均」くらいまでは馴染みもあるし、「わかるわかるー」という感じ】なだけで、そこの根本からやらないとデータの解釈間違うだけでテクニカルに操作できるだけの地獄しか待っていないのでは。
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetrこういうの、実際のビジネスに叩きこむのだろうし半端な理解の方がよほど厄介なのではないかという気しかしない。学生気分の適当な理解が一番危険な領域だと思うのだが大丈夫なのかと気がかりでならない
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetrこれ、役に立つ数学こそ地獄の底から湧き上がってきたような激烈な難易度を誇る事案だと思うので、役に立たない簡単な数学で地ならしをしてほしいと心の底から思っている
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 19
@phasetr統計学よくしらないので、当然ながら私が知らない地獄のような様相があると思うし、知っている範囲でも平均・分散の意味をどう取るか事案があるくらいなのだから統計は血を吐くほどつらい役に立つ数学事案だし、数学つらいとかそれどころの騒ぎではないし、むしろ些末なことでは事案
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@phasetr統計学を必要とする企業、研修でもOJTでも何でもいいから統計学を教育カリキュラムに組み込むべきなのでは。ふだん散々文句を言っている学校教育に期待している暇があったら自前で教育するべきだろう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@phasetrふと思ったのだが、プログラマ界隈、そんなに最低限の数学にも苦労するひと多いの
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@mitsuomi_miyata根本原因は適切な素養のある人に適切な仕事が回っていない方だとは思います。なぜ統計学の素養がない人が統計関係のプログラミングをやらなねばならないのか本当に理解に苦しむので。素養ある人を適切な評価の上で採るなりしない理由が割と真剣に理解不能
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@phasetr圏論勢がいる一方、統計学はズタズタだったとかそういう話か。実用的な言語の話をしている的な方向で、実用的なプログラミングと実用的な素養とかそういう地獄に首を突っ込んでいそうな印象を受けた
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@phasetr一般的には数学なんてしなくてもいいし、統計学もしたくないならしなくてもいいが、必要ならきちんとやれよ、ということだけ思っている
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
@phasetr数学が必要なのにやっていない・素養を持っていないという人に対する態度、不当かつ著しく厳しいという自己認識がある
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 20
平均に関する話で有名なのは, 例えば【正規分布が二つあった場合】の話.
こういうのもアレだが, ある模試を学力的に大したことがないA高校と灘高の2高だけが受けたとしよう. そのときの得点を見ると, A高校と灘高校とで得点分布がきっぱり別れるはずだ. 両校ともに正規分布で分布しているとすると, 普通の模試とは違ってグラフに山が二つできるはず. こういう状態で全体の平均を取っても意味はなくて, 学校ごとに見ないと意味がないはずだ, という感じの話.
ちなみにこのような評価も頂いている.
相転移Pさん、プログラマのイメージが現実とズレ過ぎだと思う。> RT
— tomo@脇道寄り道遠回り (@cocoatomo) 2015, 8月 20
2015-09-09 神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』¶
神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』
淵野先生の書評が公開されている。http://t.co/ppW20g7qbb
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 18
私もそんな本が読みたい:「……, もっと純粹に現代の数学の視点から数学の定理としての不完全性定理やその現代における様々な改良や関連する他の結果などをエレガントに細説する日本語の本があってもいいようにも思える」http://t.co/ppW20g7qbb
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 18
とりあえずダウンロードしておいた. 後で読む.
無限に本が読みたいし, 研究したい. 時間と資金がほしい.
2015-09-15 読書メモ: 『数学セミナー2015-09 号』面白記事メモ: 早く読みたい¶
月刊誌『数学セミナー』最新号の、銅鏡における同位体分析のハナシ、キレッキレ。(はあと)
— ほしくずっ (@s_hskz) 2015, 8月 24
月刊誌『数学セミナー』最新号の、「エレガントな解答求む」、なぜハノイの塔に、2進と3進のグレイコードのハナシをかまさないのかなあと思ったけど、全然関係ないのかもしれないし。
— ほしくずっ (@s_hskz) 2015, 8月 24
言語学クラスタの皆様におかれましては、読み物として、月刊誌『数学セミナー』最新号の、数詞と序数詞との、比較言語学的な、歴史言語学的なお話が、すんげー面白いと思います。
— ほしくずっ (@s_hskz) 2015, 8月 24
買うだけ買ったはいいが, まともに読めていない. さっさと読もう.
2015-09-19 英語とかフランス語の勉強に数学を応用していきたいのでとりあえずメモ: SAT の数学試験を使ってみるのはどうかという話¶
関係あるか分からんけど、英語の勉強にはSATの数学の過去問が良いよと聞いた。アカデミックな英語の書き方が学べる上に、中学レベルの数学なので自分の理解が間違ってないか確認出来ると。
— ぼり (@bori_so1) 2015, 8月 24
これ, 今度フランス語でやってみよう. しばらく時間が取れないがフランス語は絶対勉強したい. Serreとか原文で読んでみたい.
2015-09-22 ボルツマン方程式とナビエ・ストークス方程式¶
ボルツマン方程式からナビエ-ストークス方程式を導くというヒルベルトの課題は、ナビエ-ストークス方程式自体が正しくない、という驚きの結果だったとのこと。 Famous Fluid Equations Are Incomplete https://t.co/E3OQyC1lm4
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 26
@tani6s@kz_itakura紹介させていただいた記事 https://t.co/XULOASX6bzの最初のホワイトボードの写真に KdV という文字が見えますから、何か関連があるか、KdVのことかもしれません。
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 27
@kz_itakura@tani6s巻き込みすいません、inoueian さん、本件の元論文を何かご存知ですか? @Inoueianあ、Toyさんのリンクしてるの知り合いの記事だw
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 27
@QuantumToyあ、紛らわしくてすみません。Quanta Magazineの記事を書いた人が知り合いです。
— Satoru Inoue (@Inoueian) 2015, 7月 27
ナビエ-ストークスのこの記事がまだRTされていますが、kz_itakura さんらに下記が関係する論文かもしれない、と教えて頂きました https://t.co/lky67wiYwG http://t.co/Nh1z7ywNWa https://t.co/kbdU9zX0IC
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 27
という認識で合ってるかな?違ってたらすいません https://t.co/kbdU9zX0IC
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 26
@tani6sそうですね、僕の訳が完全ではありませんでした。ありがとうございます。もう少し正確には、ナビエ−ストークスの方程式はほとんどのケースで成立するが、例えば高真空中では正確でなくなる、など、「完全ではない」という言い方の方が正しいですね。
— Quantum Toy (@QuantumToy) 2015, 7月 26
物理の話, 基本的に適用限界があるのでただ単にその話というところか.
あとで原文も読んでみよう. とりあえずメモ.
2015-09-22 2015-09-21に武蔵美とドイツのコラボイベントGo publicでパフォーマーデビューしてしまった顛末のまとめ¶
何と言ったらいいかわからないのだが, 結果的に数学の路上パフォーマンスデビューしてしまったことになったので報告したい.
- http://www.rikaaa.org/go_public/index.html
- http://eizou.musabi.ac.jp/topics/2015/09/michael-bielicky-lecture-go-public.php
- http://www.oguginza.com/all/明日は、第三土曜日恒例のふれあい夕市です。/
はじめ武蔵美にいる知人から「イベント来ないかベイベー」的な話が来たので, 時間もあったから行くと答えたところ, 何故か実際に何かやることになっていた.
どういうことなのかよくわからなかったが, 模造紙とマジックを買ってもらい, 谷中墓地の中にある【貸はらっぱ音地】というただの空き地としか形容できない場所で模造紙にマジックで数学の証明とかを書き続けるという謎のパフォーマンスに興じた.
アート系だとこういう路上パフォーマンス的なことはよくやるのだろうか. 本当に全く意味がわからなかったのだが, 模造紙とマジックを買ってもらってしまったので, Brezisの関数解析と偏微分方程式の有名な本の最近新しく出た英語改訂版を元に, Sobolev空間の話としかしていた.
通りすがりのお姉さんと
- 「何をしているのですか」
- 「数学です」
- 「他の方たちは?」
- 「何かよくわかりませんがアートです」
みたいな会話をしたりした.
この他の人達のアートというのも謎で, 1 人は座りながら落語をやっていた. 「これもアートなの」感溢れる謎のパフォーマンスだった.
他にも光の映像系の人がPCとプロジェクターを使って民家の壁に映像を映していた.
あとまさにパフォーマーという方が何か謎の踊りを踊っていた. 数学していたのでほとんど見ていなかったが, 多分見たらMPを吸い取られていたと思う.
民家とか谷中のお寺がある往来で, 落語・映像作品・ふしぎなおどり・数学が展開される初体験の空間だった.
こういうのよくやるのか, そう思っていたら, 何かこういろいろな方面から混ぜて(路上で?)やること自体は当人的にも割と初の試みらしかった.
どう次に繋げていけばいいのかはわからないが, とりあえずパフォーマーデビューしたということで報告していきたい.
あとその人とも少し話したのだが次に備えて反省をしておきたい.
はじめやる場所や目的などがよくわかっていなかったこともあり, 証明とか見えるように模造紙+マジックで通りすがりの人にも見えるようにした方がいいのだろうかとか思ったが, そもそも18時過ぎで暗くてろくに見えなかった.
あと原っぱというか, 石塊が散乱した地面に模造紙を敷いて書いていたので超書きづらかった.
証明もバンバン書こうと思ったのだが書きづらくて仕方なかったので, 定理のステイトメントだけ書くような形になってしまったのが反省点だ.
これならスケッチブックを買って, ばんばん証明も書いて, 書いたページはその辺に散らかしておく感じの異常な方向にシフトすればよかったのでないかという話になった. 次回はこの方向で行きたい.
とりあえず何か新しいことを模索している. せっかくアート系の人と知り合えたので, またこういうパフォーマンスやってみたい. 次回はスケッチブックを持ち, 座りながら書くのが楽になるよう小さな椅子も持っていきたいと思っている.
2015-09-25 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言を受けて KenSenda さんに語呂のよさや印象に残る言葉の重要性を教えてもらったので¶
KenSendaさんに思いもがけず大切なことを教わったので記録. 発端はこの辺.
鹿児島県知事「女の子にサイン、コサイン・・・を教えて何になるのか」 https://t.co/LuV1mTRAlL 女性差別と、学問に対する理解の無さと、ふたつ明らかにまずい。三角関数は、幾何学で最も大事な数学の道具だ。これが無ければ、波がわからない。
— 山猫 だぶ(育児中) (@fluor_doublet) 2015, 8月 28
https://t.co/piPmIzSkQ5の実例を鹿児島県知事が。 https://t.co/ihp3PmoM8o
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 28
@irobutsu特に女の子相手にこれをやる大人が多くて困ります。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 26
理科離れをなんとかしたい、みたいな大それた事は言わんから、せめて 「子供が『理科が好き』と言ったときに周りの大人が『あんなつまらんもんが好きって、おまえおかしいなぁ』と言わない世界」 の夢ぐらい見たいね(いやこれも結構大それてるんだ)。
— 前野[いろもの物理学者]昌弘 (@irobutsu) 2015, 8月 26
そしてKenSendaさんのこのツイートを受けて少しやりとり.
あんま関係ないんだけど、数学嫌いな人が「何の役に立つっていうんだ!」って槍玉にあげるのが、大抵三角関数とか微積分っていう、実用されてる例が僕にも思い浮かぶ単元なのはなぜだろうか。
— Ken Senda (@KenSenda) 2015, 8月 28
@KenSendaサインコサインタンジェント、微分積分は語呂が良くて覚えやすいからではないかと推測しています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
@phasetrなるほど、キャッチーな単元ということですね
— Ken Senda (@KenSenda) 2015, 8月 28
@KenSenda印象に残る言葉、言葉遣いの重要性を改めて感じました。語呂による暗記の重要性、こんなところで思い知ることになろうとは
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
最近, 受験界隈に本格的に乗り出しているので, 改めて暗記法的なこともいろいろ調べ直したりしているが, 語呂による暗記の威力を改めて思い知らされる結果になった. 語呂による暗記本, もっと徹底的に調べよう.
KenSendaさんはいつもいいことを教えてくれる. それはそれとして, 真面目な話, 鹿児島の異常な県知事 伊藤祐一郎御大は安倍談話の
二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。
に照らし合わせて厳しく処罰してほしい.
2015-09-26 SEALDsの運動の問題はそのまま数学・物理・学術界隈が抱える問題なのでとても勉強になるし, この不快感を踏まえて今後の活動に活かしたい¶
安田峰俊さんの「なんかSEALDs感じ悪いよね」の理由を考える ──中国や台湾の学生運動との比較から──という記事が今話題らしい. 明らかに大切なのは次のところで, 数学・物理や大学を取り巻く環境でも大事なことで, 私にとっても他人事ではない.
敗軍の将、兵を語る
そんな王丹氏は、1994年に日本の月刊誌に寄稿した手記(『現代』‘94年7月号。伊藤正氏が編訳)のなかで、天安門の運動が失敗した原因について興味深い考察を残している。王丹氏が述べた「天安門版、失敗の本質」は、大別して以下の4点にまとめられる。
1:思想的基礎の欠如 一人一人の参加者が「民主や民主運動について明確な概念」を欠いていた(つまり、民主主義が何なのかはっきりわからないままデモをおこなっていた)。結果、明確なイシューを打ち出せないまま天安門広場の占拠が長期化。時間とともに運動方針が混乱していった。
2:組織的基礎の欠如 参加者に対するしっかりした指導の中心や指揮系統が存在しないせいで、途中から運動が四分五裂に陥った。
3:大衆的基礎の欠如 学生と知識人だけで盛り上がってしまい、一般国民(労働者や農民)への参加の呼びかけを怠った。また、政府内に存在するはずの改革派と「暗黙の連合」を組む姿勢をとることもできなかった。
4:運動の戦略・戦術の失敗 運動を政治目的を達成するための手段として使うという意識が薄かった。デモ参加者たちは学生運動の“純粋性”をひたすら強調し、当局側への妥協や一時後退といった柔軟な戦術を一貫して否定。結果、ろくな目的もないまま天安門広場の占拠を長期間続け、弾圧を招くことになった。
特に大切なのは次の 2 点だ.
- 3:大衆的基礎の欠如
- 4:運動の戦略・戦術の失敗
【いい加減】な記述や説明ができず, かといってきちんとした説明は時間がかかり, 聞いてくれるのは内輪の人だけになってしまう問題, 正確に自分にも跳ね返ってくる.
【いい加減】と言い切った上で薄めのコンテンツを作りつつ, きちんと特濃のコンテンツを作ってみたりとかいろいろ実験してみたいし, むしろやらなければいけない.
これから次のプロジェクトをやろうと思っているし, その運営でも十分にも気をつけたい.
2015-09-26 数学の環の由来, ringがよってたつところに関する数学者トークの収録¶
一年生の頃誰かに「このringってのは実はボクシングとかのringで、ほぼfieldと同じニュアンスで名付けられたんだけど、日本語は誤訳で環になった」って聞いたんだけど本当だろうか
— ワヘイヘイ (@waheyhey) 2015, 7月 2
@waheyheyフランス語でも、指輪と同じ anneau だから、なんか違う気もしますね
— Y. Nagai (@pugnari) 2015, 7月 2
@pugnarianneauって指輪って意味だったんですね。ありがとうございます。
— ワヘイヘイ (@waheyhey) 2015, 7月 2
@waheyhey普通に輪っていう意味です。ドイツ語の Ring は違うニュアンスみたいですね。 https://t.co/50ZIaJMsIK
— Y. Nagai (@pugnari) 2015, 7月 2
@pugnariドイツ語読めないんですが、Google翻訳に入れてみたらぼんやり分かりました。勉強になりました。ありがとうございます。
— ワヘイヘイ (@waheyhey) 2015, 7月 2
数学用語 ring の由来については(究極的には Hilbert に聞かなきゃ分からないかもしれないが)この説明が説得力ありそう (H. Cohn "Advanced Number Theory" Dover, 1962, p.49) pic.twitter.com/k663Sg83xy
— のらん※る (※は「ふ」に濁点) (@nolimbre) 2015, 7月 2
記憶しておこう.
2015-09-27 数学の哲学の悲しみ: どんな人達がどんなことをやっているのだろう¶
とても悲しいことがあった.
数学基礎論と数学の哲学が接続することは今後ないのでしょうか? — 昔聞いた「数学の哲学」と称されていたWSでは、フッサールが専門だという発表者が、現代数学において開集合の方が閉集合より基本的な概念だと述べていました。数学の哲学がそ… http://t.co/a7ZKDPAg9f
— ytb (@ytb_at_twt) 2015, 8月 27
Ask.fmから全文を引用してこよう.
数学基礎論と数学の哲学が接続することは今後ないのでしょうか?
昔聞いた「数学の哲学」と称されていたWSでは、フッサールが専門だという発表者が、現代数学において開集合の方が閉集合より基本的な概念だと述べていました。数学の哲学がそういうものであれば、数学基礎論と接続することは今後ないと思います。
数学の哲学, どんな人達がどんなことをやっているのだろう. やはり断片だけでは何もわからない.
2015-09-28 数学をすると格好いいとか, そういうもっと下らない理由から数学をやってほしい: 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言をうけて¶
先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, その辺の話で適当に話題を拾ってきた.
三角関数の件が話題ですが、植物の名前も男女関係なくある程度は知っておいたほうがいいよ…たまに全然知らない男の人がいてびっくりするときある
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
高校数学はさっぱりだったけど、実際三角関数がどの分野でどう使われているのか具体例を教えてくれたら、もう少しやる気を出せたのではないかとも思っている(責任転嫁)
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
実は三角関数や微積分は洋裁や和裁に使えるんでええねんけどな。
— えぼり (@eboli_ef) 2015, 8月 28
三角関数大事だよー。鹿児島知事も記者会見はマイク使ってるよね? マイクって空気振動を電気振動(信号)にする変換装置なんだよ。そのあとアンプで音を大きくしたり、よそに伝送したりするよね。そんな装置を作るのにも三角関数が必要なんだよ。
— 田中聡久(かな入力) (@jeonjung_tanaka) 2015, 8月 28
三角関数って凄いんだなあ…!わからないの悔しいなあ
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
高校時代の私よ…「私はギリシャ神話を学びたいから、サイン・コサインとか難しい数学は要らないな」などと思うな…いずれ「そうだ、神殿建てよう」と思う時が来る…美しい黄金比の神殿、完璧なカーブのエンタシスの柱を建てるためにはそれが必要だ…その時切り捨てた全ての学問が神話のために必要だ…
— 藤村シシン 10/15発売古代ギリシャ本 (@s_i_s_i_n) 2015, 8月 28
あとせっかくなので少しやりとりしてきた.
@kaoliine信号以外にもいわゆる波を扱うならだいたい全部三角関数を使います。電磁波(携帯の電波)も波で三角使いますし、地震波の解析にもいろいろな形で波を使います。油田探査にも波を打ち込んでその反射を見る形で波を使いますし、漁の魚群探査にも使います。他にもいろいろあります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
@phasetr今日1日だけで三角関数の活用法がたくさんツイートされていて、まさに目から鱗で感激しています。波に使う、というのは具体的にどういうことなのでしょうか?波のうねり部分の角度とかそういうことでしょうか。不勉強で申し訳ありません
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
@kaoliinehttps://t.co/beNXWXOuFbの「基本形・一般系」に y= A sin (kx - ωt + φ) みたいな式がありますが、これがある時刻 t、ある場所 x での波の変位を表しています。(続)
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
@kaoliine小学校のとき友達と二人で両端を持って、縄跳びの縄の端を上下に揺らして波を作ったことがないでしょうか?あの波の形が三角関数で書けると思ってください。大雑把にいうと一般の波はこれ(たくさんの三角関数)をバンバカ足して作られている、という話です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
@phasetrご丁寧にありがとうございます…!角周波数というのがわからず既に挫折しかけておりましたが、三角関数を覚えると波状のグラフが描けるという事ですよね。跳び縄を揺らす際に、ビシッとやる時の高さと、その後の経過時間によって波の形状が変わる…ということで合ってますか?
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
@kaoliine角周波数とかその辺の専門用語は適当でいいです。波の高さが時間によって変わるという理解で問題ありません。もちろん正確に言い始めると細かいことはいろいろありますが、そういうのは、それ以上知りたくなった時に、あとから少しずつやればいいので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 28
@phasetrそうですね、高校生のときも無理に詰め込もうとしてパンクしてしまったのだと思います。波状のグラフを描く際に三角関数が有効で、そのとき三角形がどこかに出てくるわけではない、ということですね。
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 28
@kaoliinehttps://t.co/CeiAMJg8EUhttp://t.co/RxqEjnNbLnのあたりを見てもらうとわかりますが、円周・等速円運動を仲介して直角三角形が出てきます
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 29
@phasetrあれ、やっぱり出てくるのですね!飲み込みが悪く恐縮です。出先なので、後で見てみたいと思います。2日に渡ってご丁寧にいろいろ教えていただきありがとうございます!三角関数は私に関係ないものとして見てきましたが、分かると楽しそうです。希望が見えてきました
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 29
@kaoliine何かあればお気軽にご質問いただければ。一応いま http://t.co/oYKGQrykSqな感じで学習支援とか最近いろいろ本格的に展開しはじめたので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 29
@phasetrどうもありがとうございます!とりあえず自分で挑戦してみて、それから考えさせてください
— かおりーぬ (@kaoliine) 2015, 8月 29
役に立つかどうかではなく, もっと格好いいか格好悪いかとかそういう役に立たない理由で選んでいってほしい.
2015-09-30 学校の先生に期待をし過ぎるのはいい加減やめたらどうか: 三角関数教育事案¶
学校の三角関数は教え方が悪い(shi3zの長文日記) http://t.co/B0VermBoX5”僕がプログラミングを子供に教えたほうがいいと思うのは、少なくとも数学の実用的な使い方や楽しみ方、三角関数がどれだけ便利で素晴らしいものであるかという感動が手軽に得られるからです”
— celsius220 (@celsius220) 2015, 8月 30
俺も元計算機屋だから引用の部分には全面的に賛同したい。プログラミングを覚えたことで「三角関数がどれだけ便利で素晴らしいものであるか」を知ったことはもちろん「学校の三角関数は教え方が悪い」ということまで知ってしまった(笑)
— celsius220 (@celsius220) 2015, 8月 30
もっとも、こういうことはほとんどすべての計算機屋が昔から主張してきたことだと言っても過言ではないことである。いいかえれば昔から、いくら主張しても通ったためしのない主張だということである。学校や教師がイケズだからというだけではない。計算機屋以外のほとんど誰もが拒否することなのである
— celsius220 (@celsius220) 2015, 8月 30
サインカーブを描いて、円と対応させて、「sinの位相をずらしたものがcosです」って感じで教えるわけですが、これ、教えてる本人も何を言ってるのか解ってないんじゃないの感が半端ないです。
位相なんて言葉, 数学では出ないだろうとかそういうアレはあるがそれはそれとして.
問題は数学の授業がつまらないということです。
私に関していうなら, 皆が「つまらない」「わからない」という先生の授業が 死ぬほど気に入っていた方なので, お互いに「お前の感想など知るか」事案になってしまう.
もういい加減, 学校に期待するのやめた方がいい. 教師に無限の能力を期待し過ぎだろう. 気にいらないならできる範囲で各自の思うことをやった方が自分の精神衛生にもいい. もちろん, 教員がある程度面倒を見た子供の人生を背負わされるように, 自分自身も子供たちの人生に責任を負う覚悟のもとで.
私も私で引き続きやっていこう.
2015-10-01 Euclid『原論』, Hilbert『幾何学の基礎』, そしてTarskiやAvigadによる文献¶
まずは鴨さんツイート.
『原論』に実は深刻な飛躍が多数隠れていることは、19世紀にさんざん指摘されていて、ヒルベルト『幾何学の基礎』で全部埋められています。#初等幾何
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 30
ヒルベルト『幾何学の基礎』は、ユークリッド幾何の公理化としては、『原論』を救うことが可能であることを示す用途を除いて不便です。#初等幾何
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 30
ユークリッド幾何の公理化としては、タルスキーのもののほうが便利です。https://t.co/ewHTS1rU8r#初等幾何
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 30
.@kamo_hiroyasu情報補足。鴨さんによるリンク先はpsファイルなのですが、以下にアクセスすればpdfファイルも手に入ります。良い時代になったものだ! Tarski's system of geometry https://t.co/tcaxK5IouZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
#初等幾何タグを付けて再掲。以下にアクセスすればpdfファイルも手に入ります。良い時代になったものだ! Tarski's system of geometry https://t.co/tcaxK5IouZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
ヒルベルト『幾何学の基礎』では、「点」「直線」「平面」が無定義で、「線分」「半直線」は点の集合。そのため、線形な図形をまとめて処理するときは無定義な直線の上にある点全体の集合としての「直線」が別に必要になって面倒。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 8月 30
黒木さんツイート.
#初等幾何メモ https://t.co/mJTxQDFI4s [PDF]Project Gutenberg's The Foundations of Geometry, by David Hilbert ヒルベルトの『幾何学の基礎』のProject Gutenberg版
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
@genkuroki#初等幾何メモ http://t.co/cnFzYOZG58 [PDF]Proving Hilbert's axioms in Tarski geometry Michael Beeson
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
@genkuroki#初等幾何メモ http://t.co/zSjeEDD3li Tarski's system of geometry Alfred Tarski , Steven Givant
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
ユークリッドの幾何の現代的公理化について、こんなのもあります http://t.co/oZmcwfro2B 2009年のアヴィガドによる形式化です。 日本語の解説はこちら: https://t.co/idAThBViDs @genkuroki@kamo_hiroyasu
— ytb (@ytb_at_twt) 2015, 8月 30
@genkuroki#初等幾何メモ https://t.co/J0mUwhWDtN The thirteen books of Euclid's Elements
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
@genkuroki#初等幾何タグを付けて拡散 ytbさんからの情報 https://t.co/KlSuBMkr9F
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 8月 30
読む機会なさそうだがとりあえずメモだけはしておきたい. それにしても何でみなこんなにいろいろ知っていニのか.
2015-10-02 齊藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので¶
齋藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので.
先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, 三角関数に関するコメントも最後の方にある.
こういろいろと思うことはあるが, うまく言葉にまとまらない. とりあえず私も適当に自分好みの教材とか作っていきたい.
2015-10-07 CoKernelはKernelの普遍性図式を逆にして覚えればいい¶
CoKernelの定義がいまだに覚えられないし、何か2つくらい定義がある気がする
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 31
@phasetrKer の普遍性を表す図式で、矢印を全部逆にすれば良いだけでは
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 8月 31
@H_Hありがとうございます。愚鈍でつらい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 8月 31
CoKernel, いい加減に覚えたいし, コホモロジーもきちんと勉強したい.
2015-10-08 PDF紹介: 確率変数の可測性と条件つき期待値の意味¶
確率変数の可測性と条件つき期待値の意味についてまとめました.https://t.co/rvrSbIthuB
— Καῖνος (@derived_kai) 2015, 10月 8
@derived_kai参考文献を忘れていた.あした書き足す.これ (http://t.co/YnZ4ivUc0p測度と確率-小谷-眞一-x/dp/4000056107) とこれ (http://t.co/0A2DuwlBi4).
— Καῖνος (@derived_kai) 2015, 10月 8
確率も汎関数積分との絡みで参照することがあるのでもっときちんとやりたいと思って幾星霜. Lorinczi-Hiroshima-Betz, もっとちゃんと読みたい.
2015-10-09 【数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト】の動画講義計画の素案を作ってみたので何かご意見あれば頂きたい¶
やるやる詐欺状態が長く続いていた物理のための数学講座は正式に停止した. 後継プロジェクトとして 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクトをはじめる. 無料版として物理のための数学講座でやろうとしていた分をやっていきたい.
物理のための数学講座が頓挫した理由の 1 つは 完全に体系だった内容で作り込もうとしたことにある. 細かいところは気にせず, がんがん動画講義や その講義資料を作っていく中で緩く体系立って学べる感じにする.
がちがちに体系立ててコンテンツを作ることを 放棄するので私としても作りやすくなる.
基礎コンテンツは定評ある本を勧めることにして, その副読本というか副読コンテンツとして いつも通りでぶっぱなしいくことにしよう. 対象は学部の物理で使うレベルの数学だ. 相対論も一般相対論になると微分幾何入門的な話があるが, これをどこまでやるかは結構悩んでいる. 一般相対論も微分幾何も怪しいからだ. 趣味で勉強ついでにゴリゴリの微分幾何をやってもいいのだが. 「一般相対論のこの本のこの程度で十分だ」 みたいな情報があればぜひ教えてほしい.
数学・物理的専門の関係もあるから, 数学としては解析学, 物理としては量子力学系統がメインになってしまうだろうが 再勉強しつついろいろやりたい.
いまのところ動画の講義計画は次のような感じ. 物理もやりたいがとりあえずは数学に集中する. ついでに math-textbook も充実させたい. ただこれやると時間がかかり過ぎるので とりあえずは講義メモ程度にしかならなそう. スピード上げたいというのもある.
イントロ 1 の【講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門】とか 東工大と津田塾でやったとき 3 時間くらいかかったし, 複素解析のショートコースも 3 時間くらいかかった覚えがある.
いわゆる物理数学の中で複素解析は結構独立している感じはあるし, 留数を使ったテクニカルな計算で使うし, 早めにやってしまいたい.
他にも「これがあった方がいいのでは」というのがあれば ぜひ教えてほしい.
何にしろ超概要なので, そのうちどんどん詰めていく. 適当な手持ちの本のレビュー的な感じに なっていくのではないかと思っている.
普通にやってもつまらないし, 意味もないので がんがん殴りつけていきたい.
- イントロ 1
- https://github.com/phasetr/math-textbook の【講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門】
- 次の数学と物理の関係.
- 作用素論, 半群理論, Hilbert 空間論, 変分法.
- 量子力学, 変分原理.
- イントロ 2
- 直交関数系, 具体的な偏微分方程式の解法, Fourier 解析, 複素解析.
- 静電気学, 量子力学, 適当な学問・現象.
- イントロ 3
- 固体物理 (スピン系, Hubbard モデル) の数学的ポイント.
- 極限の順序交換と線型代数.
- 熱力学・統計力学, 熱力学的極限.
- 量子力学の数学的ポイント
- Fourier 解析
- 作用素論
- Hilbert 空間論
- 群の表現論
- 電磁気学の数学的ポイント
- 偏微分方程式論.
- 線型空間論.
- Fourier 解析.
- ベクトル解析.
- 相対論の数学的ポイント
- 偏微分方程式論.
- 群の表現論.
- 線型代数.
- 論理, 集合
- 記号・記法の準備
- 集合を使った数学的議論の練習
- 関数論
- 留数定理までのショートコース
- https://github.com/phasetr/math-textbook の【講演原稿 1 変数関数論】から.
- 線型代数から見た微分積分
- 関数空間
- 線型写像・線型汎関数
- 固有値・固有ベクトル
- 汎関数と積分, 超関数
- 線型代数群とその表現
- Hilbert 空間論
- 無限次元の線型代数
- 完全正規直交系
- 群のユニタリ表現
- 線型代数と偏微分方程式
- 偏微分方程式から出てくる常微分方程式と特殊関数による解法
- 群の表現論から見た解法
- 群上の調和解析としての Fourier 解析
- ベクトル解析
- 作用素論
2015-10-12 光の数理物理学徒になりたい: 虹と漸近解析とエアリ関数¶
虹と漸近解析とエアリ関数、という記事です: http://t.co/d2dSPBWV0Jvia http://t.co/k1GbWv0Skr
— o-o⇒o-o-o (@yujitach) 2015, 8月 31
後者の記事から一部引用.
真島先生は私がお茶大にいた時に同僚でしたが、公開講座の類でよくこのネタを披露されていて、女子大生に「『虹の数学者』なんてロマンチックですね」と言われてました。
虹の数学者, 無駄に格好いいし, 私もQEDを一応やっているから光の数理物理はやっているし, 光の数理物理学徒を名乗っていきたい.
2015-10-13 Moseleyへの数理物理的挽歌: 2015のNobel賞とはあまり関係のない, 100年前のNobel賞クラスの研究をした物理学者の仕事の簡単な紹介とKEKの個人的思い出¶
今回, Nobel賞はNobel賞だが大分昔のNobel賞に関わる悲喜こもごもについて書いてみる. 自分でも気になったから調べてみたかったのが一番の理由だ. はじめに書いておくとMoseleyの話だ.
まずブログに2015年のNobel物理学賞についての記事を書いた. ただし業績の紹介はせずにその周辺で起こったこと, 特に科学コミュニケーション的な事件についての所見だ.
量子力学・場の量子論 (の数学) とそこそこ近そうなところを研究しておいて何だが, 素粒子・宇宙論は昔から「皆がやっているから自分がやる必要ないだろうし, 何より世間一般が自動的に興味を持つようなことを誰がやってやるか」と思っていた.
そんなわけで素粒子はほとんど知らない事情もあって, 今回はブログで紹介した記事中にあった科学未来館の記事を紹介するだけにしておく.
それだけというのもあまりにもアレなので多少記憶から素粒子, 特にKEKに関する記憶をさらっておく.
学部二年年の頃にKEKに遊びに行ったことがある. ちょっと変な縁があったのだ.
早稲田の物理の同学年の友人が古美術研に入っていたのだが, そこの先輩がKEKの教官の娘さんだったようで, 娘さんが「自分のサークルに物理の後輩がいる」と言ったら連れてこいという話になったらしい.
それでせっかく行くなら皆で行こうぜ! ということになった. 公開日に行った方がいろいろな施設が見られてお得というので公開日に行ってきた.
思い出深かったのはその展示的なやつで実験班の方々が作ったちょっとしたゲームみたいのがあり, やってみた結果ズタボロだった.
それを見たKEKの方々に「君に実験は無理だ. 理論に行きなさい」と言われたのだ. 実験屋さん何て格好いいんだと明後日の感動とともに今でも覚えている.
実際には理論どころかほぼ数学だが.
あと黒川さんに言われたこととして次のことをよく覚えている.
「ニュートリノ振動は質量のうなりを背景にしている. このうなりは調和振動だ. 調和振動は物理の全てを貫く基礎だ. いま二年だと調和振動のありがたみはわからないかもしれないが, ぜひきちんと勉強しておいてほしい」
こう言われた. 印象深かったので今でも覚えているし, KEK の最前線に立っていた方からのアドバイスとしてここでも紹介しておきたい.
ちなみに進入禁止的な看板が立っていたところに娘さん(である先輩)が堂々突っ込んでいて止められたのだが, その先輩が「私, 娘だから大丈夫です」的なことを言っていてそれでいいのかと思ったことがある.
あと二年年で今どんな勉強をしてるの? と黒川さんに聞かれ, 解析力学と答えたら「二年であんなに難しいことしてるの!」と言われたのだが, もちろん講義で必修で入っているからやらざるを得ない.
解析力学で苦戦している方, 解析力学はKEKの人ですらこう言っている程の難易度を誇るのであまり気にせずのんびりやってほしい.
あと印象深かったのは娘さんの対応だ. 黒川さんが先陣を切って張り切って楽しそうに施設の案内をしてくれたので, 後ろの方で娘さんは超つまらなそうにしていて, サークルの後輩でもある友人が必死に対応していた.
一言どころか長文を費やしても書ける気がしないのだが, この親子の姿にこう色々なことを感じたことを昨日のことのように思い出す.
2015年時点ですでに11年前の話と思うと時の流れに驚く.
ちょっと書くだけのつもりだったKEKトークが大分長くなっているが, 一応Nobel賞の話を続ける.
はじめに書いたようにMoseleyの話だ. 今からすると高校で学ぶレベルの「当たり前の話」なのだが, それが決定的な, まさに世紀の大発見レベルだったというのを改めて思い知ったのだった.
しょっぱい情報源だが, とりあえずWikipediaから引用する.
元素の特性X線の波長との原子核の電荷(原子番号)の関係を見出した。 この発見によって原子番号の物理的意味が明らかになり、 周期表の未発見の元素を予測するなどが可能となった。
原子番号, 高校の化学でやる程度の常識になっているが, これでMoseleyにNobel賞が行くレベルの大発見だったのかと改めて驚かざるを得ない. 今の常識がどれ程非常識だったのか.
別のブログからも引用しよう.
1910年、オックスフォードを卒業すると、 マンチェスター大学のラザフォード研究室の門を叩きます。 ラザフォードと言えば、放射性物質の研究からα線β線を発見し、 その功績から1908年にノーベル化学賞を受賞するなど、 当時この分野で最先端を行く研究室の一つと言えるでしょう。 更に、この2010年と(1910年と:8/11訂正)言えば、 ラザフォードの元でガイガー(あの測定器に名を残すその人です)と マースデンによっていわゆる「ラザフォード散乱」の実験がなされていた時期に当たります。
上の引用部にもあるように, 指導教官のRutherfordも物理学史に名を刻む化け物だ.
しかし、1912年に大きな転機が訪れます。 モーズリーは、ドイツのラウエらによるX線の回折現象の発見を知るや、 これを新たなテーマにすることを決め、 ボスであるラザフォードを説き伏せ実験を始めます。
この記述がどこまで信憑性があるのかわからないが, 先見の明は間違いなくあるのだろう.
そもそも「原子番号」は、 このおよそ半世紀前の1869年にロシアのメンデレーエフによって周期表がまとめられた際に、 単に順番を示す量として登場しました。 メンデレーエフは周期表を化学的性質に基づき作成したため、 所々原子量の大きさが逆になることが分かっていましたが、 半世紀を経てもその理由は不明でした (それでも単純に原子量の順に並べなかったことが、 メンデレーエフの慧眼には違いないのですが)。 モーズリーは、 この実験結果から特性X線の振動数の平方根が原子番号の一次関数で表せるという法則を見出だしました。 これは、現在ではモーズリーの法則と呼ばれています。
期せずしてMendelejevの偉業まで確認してしまった. 化学という基盤を持っていたことが原子量を押し切って適切な周期律を作れたことに効いている(らしい)こともなかなか衝撃的ではある.
一つのことを多角的な視点から見ることの重要性も感じるし, 自分の信じる化学に従う決断の重みも感じる.
この法則は、 ラザフォード並びにボーアによって築かれた原子モデルを説明する上でも、 重要な意味を持つこととなります。 まず、師ラザフォードはガイガー、 マースデンの実験から原子の中心には正の電荷を帯びた核が存在するというモデルを示しました。 そして、モーズリーの法則の示す原子番号こそ、 この正の電荷の数すなわち陽子の数に他なりません。 この結果から、単なる並びの序数に過ぎなかった原子番号に、 はじめて物理的な実体が伴ったとも言えるでしょう。 またラザフォードのモデルに続いてこの1913年に提案されたボーアのモデルでは、 この正の電荷を持つ核の周囲を、 一定の軌道で電子が回っているとしています。 モーズリーの法則は、特性X線の振動数(すなわち波長の逆数)が、 電子の軌道間の遷移に依存することを強く示唆していました。
ちなみにここで出てくるBohrもNobel賞を取っている. Geigerは放射線量を測るガイガーカウンターで一躍嫌な方で有名になってしまったGeigerだ. Moseleyはそういう化け物の名前がポンポン出てくる中で仕事をしていたわけだ.
モーズリーは更に実験を重ね、 より多くの元素から同様な結果を得ます。 この結果は、モーズリーの法則が普遍的法則であることを示す見事な直線を示しただけでなく、 当時未発見であった元素の存在をも示唆していました。 まさに、歴史に残る美しい成果だと言えるでしょう(グラフは次のリンクを)。
「実験を重ね」という記述, それだけの資金力もあったということだろうし, こう色々なことを考えざるを得ない.
当時X線分光学自体も先端装置だったと思うし, 実験, 本当に修羅の道という感じする.
素粒子だとカミオカンデのような馬鹿みたいにでかい施設が必要だし, 実験データの処理にスパコン必要だったりするとかも聞いた記憶ある.
少し話がずれるが, 梶田さんは重力波検出のKAGRAにも関わっているそうで, そこでも相当お金かかるだろうし, 眩暈がする.
うるさいことを言えばもちろん色々あるが, 博士進学を断念して 1 人で勝手気儘にやっている今となっては, 気楽に勉強・研究できる数学または理論物理を専攻していて良かったという感はある.
梶田さんの素粒子とは少し違うが, ミクロ領域の謎に切り込んだ人達の話をちょろっと紹介してみた.
私の専門に少し近い感じでいうと原子の安定性がある.
原子の安定性の確立そのものは量子力学の大きな目標だったが, そこでも出てきたBohrが大きな貢献をしている.
量子統計力学, 物性論にも関わるが, ある意味次の話題として原子集団の安定性の話題がある.
Hamiltonianの単純なオーダー評価をすると 原子集団の安定性には怪しいところがある.
N体系を考えよう. 正のエネルギーを持つ運動量項は当然粒子の数だけ, つまりN項ある.
一方で負にもなりうるCoulombポテンシャルの項は$\frac{1}{2} N(N−1)$項ある.
どういう風に考えるかは結構微妙だが, 原子集団全体としては中性だとしておこう. 各原子で見るなら当然正負の電荷がある.
そうするとオーダー評価でCoulombポテンシャルから 来るエネルギーを見るとどういう振る舞いをするかはかなり非自明だ. Coulombポテンシャルから$N^2$の寄与があるから, これが負になると運動エネルギーだけでは相殺しきれない.
有限粒子系や原子核物理で考えていれば問題にはならないが, 統計力学や物性論では特に相転移の議論で熱力学的極限を取る. そこで (平均) エネルギーが負になってしまって洒落にならない.
エネルギーがいくらでも低くなれるのでは古典論の破綻と同じになるので, 原子集団に対する安定性は別の問題として立ち上るのだ.
そんなこんなでエネルギー評価問題が出るのだが, とても困ったことにboson単独の系だと基底エネルギーが$N^{5/3}$のオーダーになる. 平均エネルギーで見ると$N^{2/3}$になるから, 熱力学的極限で平均エネルギーが負の無限大に発散してくれる.
正確な言明は専門書に譲るが, 系にfermionがあるときちんと$N^1$のオーダーになることが示せる.
物性のレベルで言うなら系に電子がある自明の条件に落として考えていいので, 無事物理としての問題がなくなる, とかそういう話が出てくる.
今回の内容, 大分長くなっているがもう少し書く. ここから一応素粒子に繋がるので.
実際には原子レベルでも確か鉄くらいになると最内殻軌道の電子が相対論化してくるそうだし, 放射性同位体のような不安定な原子の議論もしなければいけない.
その辺の数学的に完全な精密な話はまだできていなかったはずだし, レーザーあたりも視野に入れると量子電磁場とのカップルを考えたりしないといけなくて, そうすると発散の困難の処理も入る.
この辺, いまのふつうの物理がどのくらい気にしているのかは全くわからないが, 数学的にはまるでけりがついていない. 超弦ではけりがついているそうだが, 物理の階層性を考えるなら非相対論的場の量子論のレベルで片をつけたい.
ここまで来ると私の研究目標と素粒子の関係が出てくる. 関係というか, むしろ物性レベル・非相対論的領域の問題は素粒子と無関係に決まるべきという無関係性の証明みたいなところだが.
まとまりは全くないが, ブログに書いたことも含め, そんなこんなを色々思った今回のNobel物理学賞だった.
2015-10-16 小学生時代にゼロ除算ができない理由を誰も説明してくれなかったことから算数への興味を失った検事の話¶
妙に感銘を受けたので.
気にしておられる王がいると仄聞したので、併せて申し述べておきますが、私は、地上の王国の建設について検事と相談していたのであり、そもそも「真っ当な対応」をすればその日のうちに帰ってこられるような案件でありますので、つまりそういうことです。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
発達障害への対応が検察においても課題であることを確認・共有し、自らを語りえぬ障害者たちの代表として、少なくともその検事における初めて自らを説明的に語る者として、ASDに関する初歩的な知識の交換を行い、今後の王国建設に関する意見を頂戴したという次第です。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
検事からは、理性(合理)の光によって、今後起き得る(社会秩序の崩壊によるものを含む)数多の個人的悲劇を減少するよう努めてほしいと要望がありました。私は、それに対し、それは不可能だが、社会秩序の維持に最低限必要と思われる条件を外してご覧にいれるよう努めたいと約束しました。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
この約束の前提には、検事と数学の話をしていたことがある。検事は、小学生時代にゼロ除算ができない理由を誰も説明してくれなかったことから算数への興味を失ったそうだ。その理由を問われたので「ゼロを除かないと乗法で群にならな…」と説明するのをやめ、次のようにお茶を濁した。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
割り算するには逆元(nに対する1/n)が存在してほしい。0の逆元は無限大だが、これは直接扱う数ではない。ところが、超準代数というのがあって、0と無限大みたいなものを実数に付け加えた体系としてちゃんと成立している。つまり、数学というのは色々あるんですよ、といった具合。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
要は群、モノイド、半群といった概念の説明を断念し、数学は自由であるという社会的言辞でお茶を濁したわけですが、それは時間と相手を参照した上でのことで、それで終わっては検事に対し失礼になってしまいます。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
それ故、私は、その場で検事に対して数学の説明をしない代わり、ゼロ除算ができないことの意味を社会的に誰の目にも明らかに顕現させることで、わかりやすい説明を心掛けようと思いました。つまり、それが「社会の条件を外す」行為にほかなりません。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
ゼロ除算に悩む小学生は、わかりやすい数学の説明を求める人々の象徴でもあります。そこで、逆元や単位元を条件から外す直接の説明をする代わりに、何かの条件というかタガが外れた「半社会」を示すことが、迂遠なようで最良の近道ではないかと愚考する次第です。(おわり)
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
(物分かりの良い方々へ)これはラングランズ・プログラムの理念的な拡張です。数学の説明を数学外に引きずり回し、再び数学に戻ってくるための、数学を含むより広大な一連の事実体系の構築を期待しています。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
また、一連の発言からご理解いただきたいのは、私は数学の信者であるということです。言うまでもなく数学者ではありません。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
数学者の社会的側面は、数学を人々に示すことであり、そこに信ずるという行為は必要されません。一方で、私は数学を信じることを必要としています。私の生活は細部にいたるまで数学に依らなければなりません。
— 非人 (@Im_Weltkriege) 2015, 9月 1
$0$の割り算で解がたくさん出てくるとか 面倒な感じが割とわかりやすいのではないかという気がする. 参考にしたい.
2015-10-18 鴨さんの事例紹介: 『高校の数学IIIはとばして数学IIから微分積分学と線形代数学につなぐことは可能です』¶
高校の数学IIIはとばして数学IIから微分積分学と線形代数学につなぐことは可能です。うちの学部のカリキュラムで実証済み。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 9月 15
なので、数学の好きな高校生には大学一年レベルの教科書を買ってきて読むことをお勧めします。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 9月 15
大学一年レベルの数学の教科書の選び方がわからなければ、シラバスをWWWで公開している大学の該当科目の指定教科書から選ぶと無難です。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 9月 15
あと次のやりとり.
@kamo_hiroyasu数3のあと微積飛ばして複素解析いきました。今のところ支障なし。(線形代数はやった)
— Yuko Murakami (@yukoim) 2015, 9月 15
@yukoimその発想はありませんでしたが、いわれてみればそのコースが可能なことは理解できます。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 9月 15
@kamo_hiroyasu文系向けのしっかりした線形代数の授業があって助かりました。
— Yuko Murakami (@yukoim) 2015, 9月 15
@kamo_hiroyasu経済学向けとそれ以外に分けてあり、後者は線形空間みっちりでした。ラッキー。
— Yuko Murakami (@yukoim) 2015, 9月 15
参考にしたい.
2015-10-18 Hamiltonian周りの場の量子論の数理: $p$進大好きbotさんに絡んできたので¶
またも$p$進大好きbotさんに絡んできたので. もっときちんとまとめたいが後日動画にするときにその辺を丁寧にしよう. まずは忘れたり流れる前にまとめだ.
量子力学で物理量が「基底状態付近では離散スペクトルを持つ」という想定をするときに暗に「基底状態から大きく外れると連続スペクトルが現れても良い」ということを含意しているような気もするが、実際そういうものなんだろうか?(全体が代数的離散スペクトルならヒルベルト空間ではなくp進で良い)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 17
物理量が、とかいうと一般の話になるのでハミルトニアンが、にしよう。(位置と運動量がxとd/dxとか言い出すといっぱい固有値出るやんな。その場合そもそも座標が実数なのかp進数なのかの違いになって、そっちは代数的なものをp進に埋め込むというよりは実数とp進をアデールに埋め込む感じ。)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 17
要するに物理量のアデーリックスペクトルの実素点での特殊化が実観測値か、という1つの話題とは別方向の話題で、物理量のスペクトルが周期を持つ(超越数で割って規格化すれば代数的数に収まる)かどうかと、そうした時にp進スペクトルが自然に考えられるが何かしらの整合性はあるか、という話。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 17
@non_archimedean大雑把にいって散乱は連続スペクトルに対応する(本当は散乱理論で絶対連続スペクトルとかそういう言い方)ので散乱が欲しいなら連続スペクトルが必要です。量子系は基本的に散乱を使って観測するので散乱がない系は実験が厳しい感じします。その辺詳しくないですが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrなるほど、実験や観測で色々と裏付けやすいのが連続スペクトル由来の現象なんですか。物理学的な要請そのものではないんですね。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean数学・物理対応でうるさいことを言い出すといろいろあって、現実の空間は有界ですがハミルトニアンは大雑把に楕円型で、有界領域上の線型楕円型作用素のスペクトルは点スペクトルだけだから形式的に無限体積取るとかそういう話も必要です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
分岐から戻る.
@non_archimedeanちょっと話はずれますが、場の量子論で質量のない粒子(の場)を議論するとき、ハミルトニアンのスペクトルにギャップが無くなることがあります(スペクトルの下限から全て連続スペクトル)。また下限が固有値になるかもわかりません。その辺が赤外発散と関係します
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetr基底状態付近でも連続になりえるんですね。連続スペクトルは基本的に固有値にはならなさそうなイメージがありますが、下限以外ならちょくちょく固有値になるのでしょうか。(単に基底状態が存在するとは限らないという指摘でしょうか)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean場の量子論の比較的簡単で現実味も多少はあるモデルで連続スペクトルの中に固有値が現れることがあります(埋蔵固有値)。この辺、レーザーの原理とも関わります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanレーザーとの絡みでいうなら、下限以外に固有値はなくなって欲しいのですが、埋蔵固有値の摂動論という面倒な話があって、現在研究進行中です。電子が1つくらいなら何とかなっていますが、多電子系では多分証明がありません。
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedean【レーザーとの絡みでいうなら、下限以外に固有値はなくなって欲しい】というのが物理的な要請で、数学が本当にそうなっているか(物理的に適切と思われている数学的モデル、作用素がそういう性質を持つか)は完全には示せていないという状態です。
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedean基底状態については面倒な話があって、作用素環のある表現(フォック表現)で基底状態がない(下限が固有値ではない)ときでも別の非同値表現では基底状態が存在する(下限が固有値になる)ことがあります。これは熱核のt \to 0 極限と似た状況です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanいきなり示すのは大変なので基底状態が存在する近似をつけてからその極限をとることで基底状態の存在を示す戦略をとるのですが、熱核がδ関数に収束してL^2の極限ではまともに捉えられないようにヒルベルト空間内での弱極限が0になる現象が起き得ます(赤外発散
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanこのとき、ヒルベルト空間の状態ベクトルΨから(表現をとった)作用素環 ψ(A)=<Ψ,AΨ> をさらに元の大きな作用素環にまで拡張してから極限とるとうまくいく話があります。場の理論だと下限が固有値になるかは物理的にも発散の困難に対応しまて大変です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedean面倒な話をしましたが、要は基底状態以外に固有値があるかはモデル(作用素)に強く依存すること、量子力学ならスペクトルの下限と連続スペクトルまでギャップがあることは多いですが、(質量のない)場の理論だと物理的に許されなくなり数学的にもそう、という感じ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrなるほど、モデルを取り替える場合は作用素というか入れ物の作用素環が変わるということでしょうか?状態ベクトルから作用素環を作っていたなら、状態ベクトルを別の純粋で重ねたものか何かを考えているのでしょうか。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedeanちょっと違います。モデルをハミルトニアン作用素とすると一般に非有界なので表現取らないとうまく書けません。問題なのはこの表現固定です。表現を取った後の作用素ではなく、それを生成子にする表現前の作用素環の自己同型群とそれに対する基底状態で議論したい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanここで表現前の作用素環自体はモデルや温度などによらず全て同じとして構いません。(ただしふつう、非相対論か相対論かは問題にします。)モデルごとに基底状態が変わり、それは作用素環上の汎関数としての状態としてはきちんとあると想定します(無論要証明)
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanGNS表現はあるのでそこでの状態ベクトルはありますが、適当な表現を取ったときにそこにはいっているかは分からなくて、そこが問題になるのが赤外発散です。デルタが超関数ではあっても任意のソボレフ空間にいるわけではないというようなイメージです
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrあまり良く分かっていませんが表現を取らずに作用素環Aが構成され(それは通常の意味のC^*環ではない何かで)、何らかの標準元h∈Aがあって、モデルを指定することは表現A→B(H)を決めること(例えばhの行き先をハミルトニアンにする)でδ∈Hは不明という感じですか。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean標準的なアプローチは場の作用素という(フォック表現で自己共役になる)非有界作用素を指数の肩に乗せてユニタリにして有界化し、これで作用素環を作ります。線形群の抽象化のように、フォック表現での代数的関係式を調べて抽象的有界作用素環もそれで定義します
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrあ、あー、、なるほど。有界にするということは単純に指数の肩に乗せるのではなくRをS^1\{-1}に同相で送ってeの肩に乗せる類の変換でしょうか。確かに関数解析さえできれば色々な方法で有界に押し込められますね。(以前伺った内容な気もしてきました。すみません。)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedeanこれはふつうのC*です。あくまでこの上で考えるのが河東先生や私がやっているタイプの作用素環の量子論への応用です。非有界作用素環を使っている人達はいるようですが、私はそちらの動きはわかりません。物理よりの動きがあるのかもわかりません
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
また戻る.
@phasetrうまく書けない、というのは非有界だから環構造が入らない、ということでしょうか?(作用素∂^2/∂x^2は連続関数環上非有界だが色々な部分空間のフレッシェ完備化には有界に作用するのでそこへの表現を考える、みたいな。)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedeanそちらの話ともまた違います。まず物理としてハミルトニアンは物理的なモチベーションから定義するもので、表現取った前提で書くので、一般の作用素環上ではどう書いたらいいか自体よくわかりません。
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetr確かにハミルトニアン(と言うかエネルギー)って何なのか知ってませんでした・・それは根本的な問題ですね。(物理学が違う世界の人に、数学だけ共有してたとしてハミルトニアンを説明するの難しそうですね。)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean数学で対応しそうな話だと、多様体上で議論するとき、例えば偏微分方程式書きたいとき、座標系に依存しないように書きたいですが、めっちゃ変な座標系で書いたつらい方程式をどう多様体上意味を持つ方程式にに持ち上げようかみたいな話でしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetr何となく分かった気がします。偏微分方程式はよく知りませんが座標に依存する作用素をうまく(人工的でない意味付けを持たせて)記述したい状況はよくありそうですね。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
また戻る.
@non_archimedean紫外発散を考えるなり物理からすると、杓子定規にはエネルギーはいくらでも大きくなれるのでハミルトニアンのスペクトルは非有界になるべきであり、有界になる位相や空間で考えてしまうとまともな物理が引き出せるかわかりません。研究あるのかも知らないのですが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrところで脱線してしまいますがついでなので伺わせていただきますと、事象の地平面内の領域って有界(同時に存在する有質量物質数も有限)なので全有質量物質が備えているエネルギーは固有値をどう総和取っても有限、というわけではないのでしょうか?(物質意外の寄与がありますか)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean面倒な話があります。はっきりさせるため(相対論的)電子としますが、電子間の相互作用を記述する必要があって、それは質量がない場である電磁場が担当します。形式的に全エネルギースケールで相互作用させるのでいくらでも大きいところと相互作用して形式的発散
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@non_archimedeanこれを避けるために適当な近似(紫外・赤外切断)してからその切断を取りますが、このときにうまく切断を外さないといけません。気分的というか時々上がる例としてオイラーの定数γがあります。無限大-無限大から有限のところをうまく抜くという処理です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetrなるほど、いくら粒子数と質量総和が有限でも、相互作用自体はいくらでも大きいエネルギーが考慮されるものなんですか。ちなみに紫外と赤外を排除する近似は可視光領域であることに人間本位な事情以上の物理学的意味付けがあったりしますか?
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
@non_archimedean返答抜けていました。紫外・赤外排除の近似は単純に数学的な操作です。物理のレベルですらいきなりカットなしを扱うのが難しいので、クッションを挟んだだけです。非相対論ならはじめから低エネルギーの理論と思って紫外はつけたままでもそれなりに妥当性があります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
また戻る.
@non_archimedeanそれは(初期の)繰り込みの話です。元の話に戻すと、色々な量を計算するときは全空間(全エネルギー・運動量)で積分しないといけないのでなかなかつらいです。超弦に行くとまた違うようですが、場の理論だと素粒子は点として扱うのでδ関数的な嫌な計算もあります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 18
@phasetr相対論は特殊かつ非量子(ほぼ古典?)でしか勉強したことがなかったので色々と想像の及ばない現象が多そうですが、とにかくつらそうだということが伝わってきました・・(聞いておいて全然理解が追いついていなくて申し訳ないです)。いずれにせよありがとうございます。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 18
最後のところ物理だと$\delta$関数の積が出てきても平然と計算して最後丸く収まるならそれでいいや的な発想をするので, 数学の人が見たらどうしてくれるのこれ, みたいな感じになるのだろうか.
だいたい素直な正当化は全然駄目で, 相当紆余曲折していかないといけないか, その上でさらに鬼のような収束の議論が必要になる. 九大の原隆さんのD論は下書きで2000ページ, 提出版で500ページとか言っていたのでそういう話になる. ハードアナリシスもいいところだ.
紆余曲折というところについては, 以前深谷先生が何かの文章で, 「はじめの素直なアイデアはなかなかうまくいかず, 問題に当たっては遠回りしていくから本質的なアイデアはそのままでも, その姿が段々見えなくなってくる」 みたいな話をしていたので, 数学的な議論あるあるなのではないかとは思う.
他の分野の人が数学の本を読むのが嫌になる理由の一つでもあるだろう. 物理なり自分の専門の中心的なアイデアを議論したいのに, 全くそれを許してもらえず専門から見れば瑣末な数学的議論しかできないのでは本末転倒だ.
この辺のギャップ, 教育レベルでは何とかして埋めたいと思っている. その辺は最近本格的にスタートさせた.
興味がある方はぜひ連絡してほしい.
見れば見る程まともに答えられているのか不安になってくるが, こうしたコミュニケーションも地道に積んでいって, 勘所をおさえた展開を少しでもできるようにしていこう. 道は長い.
後で動画にするとき, もう少し細部は詰め直したい.
2015-10-19 動画制作メモ: 四元数は制御系で需要があるらしい¶
@hyuki 結城先生、「数学ガール」で「四元数」を取り上げてもらえませんか。今、3Dモデルやロボット工学で必要な数学なのですが、各大学で教えていません。以下のPDFで説明していますので、興味をもって頂ければ御一考お願いします。 http://t.co/1fLZFPg0aR
— 白井豊(Yutaka Shirai) (@suzume43) 2015, 9月 15
@suzume43ありがとうございます。四元数は私も大好きです (^^)
— 結城浩 (@hyuki) 2015, 9月 15
@hyuki制御系の人にはぜひ知っていてほしい概念なのですが、大学で教えられていなかったということで、40代の人に私の自宅に通ってもらったこともあります。
— 白井豊(Yutaka Shirai) (@suzume43) 2015, 9月 15
動画作成を検討する.
2015-10-20 記事紹介: 『教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」』¶
教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」という記事を見かけた. いくつか引用する.
YouTubeのMicrosoft in Educationのチャンネルで公開された、「My World My Math!」。SurfaceとGeoGebraを使って、数学をこんなふうに勉強していますよ、という動画です。
これだけの数があれば、自分で制作したいけど時間がかかるな…というものを探せるかもしれませんし、黒板ではなかなか説明しにくいものをわかりやすく見せられるものを探せるかも知れません。 世界共通言語である、数学のすごさを感じます。算数・数学の先生方、「あ、これ使ってみたい」「あ、これおもしろそう」とか、感想をお知らせいただければと思います。
世界共通言語としての数学, やはりこれを基盤にして何かしていきたい. プログラム関係もいろいろやりたいのだが, なかなか力が及ばない.
2015-10-23 機械学習と数学: 本当に年収に直接関係してくる数学, 確率論・統計学, 線形代数, 微分・積分¶
機械学習は基本的には数式が飛び交う領域。確率論・統計学。線形代数、微分・積分。このあたりの勉強をしておくと役に立つ。このあたりは本当に年収に直接関係してくる。こういう話を学生のときに聞きたかったが、言ってくれる先輩がいなかった。学生でなくなってから苦労した。#tmutalks
— Mamoru Komachi (@mamoruk) 2015, 9月 9
年収とか殺伐としていて怖い.
2015-10-26 Chebyshev多項式の応用: 弾性体論, 航空力学, 特異積分方程式¶
やはりChebyshev多項式の物理での実用性はほとんど知られていない様子…弾性体中の有限長の亀裂が開いたり滑ったりするときの変位量と力の関係、あるいは飛行機の翼の上下の気流による気圧差を記述する、特異積分方程式の解の近似に有用です https://t.co/WXjHDdqc6s
— らの (@Bimaterial) 2015, 9月 8
こういう話, 物理学科だとほとんどやらない気がする. 難し過ぎて物理の人間には扱いきれないという感じもある. 何にせよ参考になった.
2015-10-29 簡単な問題を難しく解け: 具体と一般と抽象¶
発言に何か背景があるのだろうがよく意味がわからなかったので.
具体的な掛け算が出来なくても抽象数学は出来るかもしれないけど、物理はちょっと難しいかもなぁ。まぁ学部の座学だけならなんとかごまかせるかも?
— Takashi Miyamoto (@tmiya_) 2015, 9月 16
@tmiya_先輩に抽象論こそ理解しやすい(抽象論がないと理解しづらい・できない?)人がいて、他の先輩・教官含め「それはお前だけだから他人に話すときには気を付けろ」と散々言われていたのに学生相手の講義で凄まじく抽象的な話をしたせいで講義の理解度が極めて低くなった例を聞いています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 16
@phasetr「済みませんが,もう少しわかり易く抽象的に説明して頂けませんか」 http://t.co/R0e2Y8IvZfって笑い話もありますね。
— Takashi Miyamoto (@tmiya_) 2015, 9月 16
@tmiya_数学に関していうなら「簡単な問題を難しく解け」という話もあります。簡単な問題は問題特有の特殊事情を使っているから簡単になるので、その特殊事情を使わない証明を考えればそれが成り立つ深い理由がわかり、一般性・ほ共通性が見えて来るという話でした
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 16
@tmiya_細かなことは忘れましたが、講義を聞いた学生が演習問題の有限集合の間の全単射を作れないくらいに具体的なことがぽっかり空いた講義だったようです。膨大な具体例の蓄積なしに抽象論が理解できるのは相当異常な例でしょう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 16
@tmiya_その先輩も具体例は当然いろいろ知っている人でした。具体・(適当な意味での)応用なしの抽象論、空理空論とかそういうのはともかく、腹の底から理解できる人間はレアというか異常といってもいいと思っています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 16
「[竹崎先生の80歳記念のワークショップに行ってきて, 広義諸先輩方と久し振りに会ってきて楽しかった]」の記述も参考にしてほしい.
2015-10-29 $SO(n)$の連結性を示すお手軽な方法は何?¶
SO(n) の連結性を示すお手軽な方法って、何があるだろう?
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 29
@H_Hまず、GL^+(n) の点が {1⊕g | g∈GL^+(n-1) } の点に結べることをいう(まず、どんな GL^+(n) の点も基本変形のホモトピーにより 1⊕g or (-1)⊕(-g), g∈GL^+(n-1) の形の点に結べる。後者の場合は半回転する。)
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@H_Hこうして帰納法で GL^+(n) が弧状連結であることをいい、最後にグラム・シュミットの連続性を使って path を SO(n) に落とし、SO(n) も弧状連結とわかる。…って、手軽じゃないですね(笑)
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@H_H(-g) は (-1)^{n-1}(g) に直してください
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@yamyam_topoああーなるほど。基本変形のホモトピーで先に GL+ の中で path 作っちゃうんですね。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 29
@yamyam_topo…と思ったのですが、「det > 0 ならば、基本変形で行列を表すときに置換行列を使わずに済む」ってそんな簡単に示せます? ( ´・ω・`)
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 29
@H_H第1行に非零成分があることから、第1行を (1,0,..,0) にするのは「ある列の c 倍を別の列に足す」変形の繰り返しでできます。(c を 0 から望みの値まで変化させると道ができる)。そのあと第1列を掃き出すのも同様で、結局 1⊕g の形になります。
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@H_H(-1)⊕[(-1)^{n-1} g] は不要だった気がしました。
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@yamyam_topo確かに。ありがとうございます。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 29
@H_H予備知識少なめで頑張ってみましたがグラム・シュミットのこのような使い方がどれだけ初等的といえるかは分かりません。
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 10月 29
@H_H縦ベクトルの基底1本1本を標準基底に回転で移動させてけばパスつくれるんでない
— monae (@monae) 2015, 10月 29
@monaeやっぱ地道にそうやって path 作るのが簡単かねえ
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 29
あまりよくわかっていないがとりあえず記録.
2015-10-30 「使う定理は全て証明する」という数学徒の主張について思ったことをつらつらと¶
本文¶
時々「自分が研究で使う定理は全て証明する. そうしないと怖くて使えない」という人がいるようだ. それはそれで素晴らしいことだが, 例えば強く分野に依存することではないかという気がしたので, 思ったことをメモしておきたい.
私の周辺の解析学はかなり上記の行動は徹底できると思うが, 例えば代数幾何などはどうだろう. 気になったのは特異点解消定理の扱いだ. ここによると廣中先生の原論文は 400 ページあるようだ. 今では証明が改良されてもっとすっきりしているかもしれないが, その辺りは分からない.
具体的な多様体に対して具体的な特異点解消を考える上では, むしろ上記定理によらずにきちんと構成した方が便利だろうから その意味で特異点解消定理のお世話にならずとも済むだろうが, 一般論を展開するときはどうしてもお世話にならざるをえないだろう. そういうときにきちんと証明を追いかけるのだろうか.
より極端なケースは未証明の予想の成立を仮定して議論する場合だ. 谷山-志村予想 (Wiles の定理) は志村が虚数乗法を持つときに予想が正しいことを 証明して予想の正しさをある程度確立したあと, どんどん数論界隈では信頼性が高まっていったようだが, 完全に証明されていない状態でそれ仮定した場合を問題にしている. 最初に挙げたケースは「証明されている命題は自分でもきちんと証明を確認する」という話だが, この場合はやはり絶対に使わないのだろうか. もちろんそういうスタンスはありうるし, もっといえば谷山-志村予想を正しいと思っていても 証明されるまで自分の仕事には使わないというスタンスもありうる.
全くまとまらないまま今回はここで終えるが, まあ色々あるということでご勘弁頂きたい.
追記¶
次のコメントがあったので追記しておく.
【◯◯予想と◯◯予想の強弱関係】その分野で一つの予想が解けない時に研究過程から派生したのか色んな予想が立ち上げられ此方の予想から此方の予想が出る、とか逆もこれだけ仮定すれば出るとか予想間の主張としての強弱についてのステートメントが出回る。暫くして大本の予想が解けると芋蔓式に発展
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
【定理の証明の仕組みを理解する事とその定理の面白い応用を思い付く事は別の事】定理の証明を理解する事で何か応用的なアイデアを思い着く事はあるかもしれないが基本的にはこの二つは別件と考えられるのでは? 例えば四色問題とか
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
【コンピューターが査読する時代が来たら?】コンピューターが査読する時代が来たら人は数学書の何を読むようになるのか?正しい定理が何かを知る事? 数学好きな人の中には証明を読むのが好きな人とか公式を使って色々計算して見るのが好きな人とかそれぞれのタイプがある。証明読の娯楽性が高まる?
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
証明知らない定理が使えない、は数学的な問題でなくて、潔癖性みたいな個人の体質の問題な気もしますが。 教員が学生に何で定理の証明知らないのに使おうとするな!と罪悪感を植え付ける様に指導してる光景は何度となく見ているのでそういう風潮のせいもあるかもしれない。これには一理あると思う 続
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
続 もう少しマイルドに使ってる全ての定理の証明はおえなくても正しい事はものの本によって保障されてるけど自分は証明を知らない定理と何と何から何が証明されるのか?その論理関係ははっきりさせておこう!というアドバイスも聞いた事ある。
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
それはどういう状態を数学を理解したというのか?とも関係してる気がする。岩波の「数学の学び方」で小平先生がπの無理数性の初等的でロジックは簡単におえるけどかと言ってロジックをおっても何故πが無理数か?(無理数論のプロなら別かもしれないが)釈然としない証明を紹介しながら解説してる
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
基本的には証明には定理が成立する理由が書いてある筈なので証明をよく読む事が定理の成立理由を理解する道のようにも思えるけれど。証明を書いた人の直観と数学のルール、文法に乗せる為に文章化したものの懸隔が甚だしいものもあって証明のロジックをおえたからといって何か感触がなかったり
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
ならば証明は知らないが沢山例を計算して見た方が分かった気になれる事もあるし。 ここからは私の持論だけど分かるという状態に終わりはないけど、ある程度分かった気にならないと使いこなせないる気がしない。それは数学の問題というよりも数学を扱う人の気分の問題で人それぞれに解消の仕方がある
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 30
雑感¶
少し話がずれるが, 個人的に証明読んだこともないのにものすごい実感がある定理として Haar 測度の存在がある. 以前はよく使うのだし証明読まないと, と結構真剣に思っていたが, 適当な位相群には存在するというのを何度となく聞き, しかもずっと使っているうちに当たり前のものになってしまった. もはや疑うべくもない実感としてある. 使ったのは相対論的場の量子論界隈での Poincare 群とか Lorenz 群あたりの本当に少ない具体例でだけなのだが, 不思議なものだ.
2015-11-03 記事紹介: 『(可算性を外した)一次元多様体の分類』¶
久々にブログ更新しました! 「1次元多様体の分類」https://t.co/bDoBuPBB2A 長い直線などを含んだ分類定理の証明 PDF あります
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2015, 9月 16
以前山元さんのlong lineの話を聞いたことがあり, 勉強したいと思っていたがこんなところで出てきた.
一次元がこんなに魔界だなんて知らなかった. 二次元だとどうなるのだろう. 一気に面倒になりそうだが.
2015-11-07 数学関係ツイートまとめ:ネットの極限で書いた位相空間論コンテンツ作りたい¶
いくつか参考になった・なりそうなのでメモ.
位相群上の積分とその応用とかいう本が出てるけど、 私はポントリャ−ギン双対とか、SNAGの定理とか、 ペーター-ワイルの定理とかはGerald Follandの A Course in Abstract Harmonic Analysisで学んだ。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
Rudinの本で測度論を学んだから、Riesz-Markov-Kakutani の表現定理に慣れてたし、PedersenのAnalysis NowでGeneral topologyや可換なC*環のGelfand変換を知ってたので、読み易か った。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
局所コンパクト可換群の指標は、そのC*群環の指標 と同相だから、C*群環のゲルファンド変換と群のフ ーリエ変換が同じになる。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
局所コンパクト群上のL^1とL^pの合成績は L^p空間値のボホナー積分として捉えると、 とてもすっきりする。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
あと次のあたりの話は動画作りたい.
最近、フォンノイマンの一意性定理の証明がこれ読んで簡単 だということが分かった。 https://t.co/P52yBm1k8n 関数解析勉強してたとき、新井先生の本読んでもCCRの意味 がイマイチよく分からなかったが、
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
有限自由度のワイル型のCCRの表現はハイゼンベルグ群の ユニタリ表現としてとらえればよかったようだ。 BHJ(ボルン-ハイゼンベルグ-ヨルダン)表現が生成するフォ ンノイマン環は、掛け算作用素とユニラテラルシフトから 生成されるフォンノイマン環だわ。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
だからBHJ表現が既約なのは明らかで、フォンノイマンの 一意性定理よりシュレーディンガー表現と同値となる。 恥ずかしながら、ようやく量子力学の基本原理としての CCRの見通しが少しついた。 できるだけ特殊関数とか使いたくないんで、表現論でどう にかなることは表現論でやりたい
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
具体的な問題を解くところならともかく, 特殊関数を使うところが想像できない.
Strotcchiの https://t.co/FByeHpcAJ8 読んだら水素原子型のハミルトニアンの離散スペクトル構造 もSO(3)の表現でほとんどどうにかなるみたいだということ もわかったしめ。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
偏微分方程式は嫌いだけど、境界条件付き波動方程式とか ラプラス方程式とかポアソン方程式はヒルベルト空間上の 作用素論的に扱える。 超関数論はRudinの本で知っている。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
滑らかでコンパクトな境界のあるソボレフ空間の拡張定理 やトレース作用素、楕円型正則性、ソボレフの埋め込みは 宮島先生の本とBruce Driverさんのレクチャーノートで学 んだ。ソボレフの埋め込みとかレーリッヒの定理はL^2ソ ボレフだと簡単。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
Bruce Driverさんのレクチャーノートには3次元の全空間 での波動方程式のヒルベルト空間論的な解き方も載って いて参考になる。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 5
PDE, もう少し自分の知っているところから何とかできないかとずっと思っている. 興味があるところからPDE自体もきちんとやっていきたいとは思うが. 非線型波動とかBoltzmann方程式とかやりたい.
私は関数解析好きですが、 https://t.co/eV4fYeKg50 の第一章の手短かなGeneral Topologyはネットのありがたみが 分かり易く書かれていていいと思います。 https://t.co/67WkTtIhmC
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 6
Analysis Nowかどうかは忘れたが, ネットで書かれた関数解析の本を眺めたことがある. いつもやっている点列スタイルがそのまま使えるし, これで位相空間の動画講義作りたいと思ったが, ネットで位相空間やるときの注意点をあまりよくわかっていない. 勉強しないと.
確率論で基本的なボホナーの定理というのがありますが、 あれは確率論の本ではごちゃごちゃして結構大変な証明 になってますが、フーリエ変換をC*群環のゲルファンド 変換とみなすことによって、ゲルファンド変換の等長同 型性より自明になります。 リース-マルコフ-角谷は使いますが。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 6
Riesz-Markov-Kakutaniが好きなのでその方向での証明楽しい. Glimm-JaffeのBochnerの無限次元版であるミンロスの定理の証明に 有限次元のBochnerからネットのリミットで議論するのがあって, ほうほうと思った記憶がある.
ネットがあれば、点列を用いることが有効な議論と同じ 議論を任意の位相空間でできる。 連続性は収束ネットを収束ネットに写すことと同値だ し、点が集合の閉包に属することはその点に収束する その集合内のネットがあることと同値。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 6
位相空間がコンパクトであることは任意のネットが 収束する部分ネットを持つことと同値。
— nardzewski (@nardzewski1) 2015, 11月 6
この辺, きちんと書いてある本ないだろうか. 数学の普通の開集合のスタイルで書いてある本はたくさんあるが, 非数学向けには多分わかりづらいので, まだ多少は馴染みがあるであろうネットのリミットスタイルで説明した位相空間のコンテンツを作りたい.
2015-11-09 本・動画紹介: Sidney A. Morris, Topology Without Tears¶
Topology Without Tears - Video 1 - Pure Mathematics https://t.co/aSqyARflrX
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 9月 21
著者本人がアップロードしている教科書はこちら。facebook上の読者グループ(3100人以上!)の協力のもとで内容がアップデートされ続けているらしい。 Sidney A. Morris(2012), http://t.co/JqVi1UHF8o
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 9月 21
もとは英語だが、有志の手で他7言語(アラビア語・ペルシャ語・中国語・ギリシャ語・ロシア語・スペイン語・トルコ語)へ一部翻訳されているというのだからすごい。
— 石塚(無所属) (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 9月 24
私もこういうことやりたい. 次のプロジェクトでの目標の一つだ. 頑張ろう. やりたいことは無限にたくさんある.
2015-11-10 ツイート紹介: 田崎晴明さんによるメルセンヌ・ツイスター考案者松本眞さん評¶
先日、CREST(数億円規模の研究助成)の選考のための面接と会議から戻ったぼくは「自分にはそれなりに才能があるし、それ以上に、やりたい研究を常識に縛られずガンガン進める情熱があると思ってた。でも、今日、面接に来た人はぜんぜん別格だったんだ」と妻に語った。
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
妻は「あなたがそんなことを言うのを聴いたのは初めてだわ」と驚いたけど、そうだと思う。ぼくも驚いた。 その「別格な人」というのは、広島大の数学者・松本眞。たぶん、本当に天才なんだと思う。めたくそ難しい数学世界を歩きながら、そこから現実世界に落ちる影をみて実用的なこともやっちゃう人。
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
「メルセンヌ・ツイスタ」というすごい乱数生成法 https://t.co/wi1VH5BnNU が有名だけど、これもめたくそ抽象的な数学が背後にあるらしい。
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
で、そんな天才な人なんだけど(たぶん、ガチの国際会議での)発表スライドがこんなの。 まったくわかんないわけだけど、まあ、2 ページ目とか、9 ページ目とか、最後のページとか見てください。ぼくがショックを受けるのもわかるでしょ? http://t.co/tmPOgwkXHd
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
@Hal_Tasaki松本さんのお連れ合いは漫画家ですね。ついでにMTの記事の初出はぼく書いたんです。
— 内村直之 (@Historyoflife) 2015, 9月 24
おお、それは素晴らしい。松本さんにインタビューされたんですか?? "@HistoryoflifeついでにMTの記事の初出はぼく書いたんです。"
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
@hal_tasakiこの記事です。 pic.twitter.com/usF3ZFBIMD
— 内村直之 (@Historyoflife) 2015, 9月 24
@Hal_Tasaki詳しくは松本先生のこれをご覧ください。http://t.co/hoqZnupr0L ぼくが書いたのは20年くらい前のこと。
— 内村直之 (@Historyoflife) 2015, 9月 25
そして、これが、その天才数学者の松本さんのアカウントだと思うのだ・・・ https://t.co/eyyAj5fDh0
— Hal Tasaki (@Hal_Tasaki) 2015, 9月 24
松本眞さん, 確か元々広島大で2年くらい東大数理に来てすぐにまた広島大に戻ったとかいう話だった気がする. メルセンヌツイスターも動画作りたい. やりたいことがどんどん増えていく.
2015-11-11 ツイート・記事紹介: 下手に数学を学んでしまうと Taylor 展開の剰余項が求められない場合に死ぬ可能性があることが判明した¶
「ソ連かどこかで軍につかまって、『職業はなんだ』『数学者だ』『お前が本当に数学者ならTaylorの定理の剰余項を答えろ。できなければ殺す』ということになって剰余項書いて無事だったので数学のおかげで生き延びた」という逸話って誰のだっけ
— 足跡45(一段落) (@ashiato45) 2015, 9月 24
@ashiato45これですかね http://t.co/7u4gloMs7Z
— 明月 (@quotient_moon) 2015, 9月 24
@quotient_moonそれです。ありがとうございます。
— 足跡45(一段落) (@ashiato45) 2015, 9月 24
@ashiato45ぐぐったキーワードは[Taylor 剰余項 殺す]です。問いただした人物も不明というところが恐い……。
— 明月 (@quotient_moon) 2015, 9月 24
ブログからも引用.
ロシアの物理学者でIgor Tamm(イゴール・タム)さんという方がいる。チェレンコフ効果の説明により、ノーベル物理学賞を1958年に取った方。
そのタムさんがロシア革命のさなか、食糧が不足していたので近くの村まで出かけて行って食料調達に出かけた(当時大学の教授だったのにそんな状況、、、)。
その村で、反共産主義者たちにつかまってしまった!特に都会から来たので服が立派だったので疑われた。
絶体絶命、今にも殺されそうとしたときに、そのリーダーが
”何?お前は数学の教授だって?怪しい、、、じゃあ、マクローリン展開をn項で打ち切った時の剰余項を言ってみろ。出来たら放免してやる。出来なければ銃殺だ”
と言われたとのこと。もちろん、タムさんは出来て、生き延びてノーベル賞を獲った。
生きるために数学が役に立つ, と書こうと思ったが何か微妙な感じがしたのでやめた.
あとその当時の状況とかいろいろあるのでよくわからないが, なぜ物理の教授ではなく数学の教授という肩書だったのだろうか. 当時のロシア情勢とかいろいろ気になる.
2015-11-11 東大数理の河東研のセミナー用に使うテキスト紹介ページをメモしておいたので¶
東大数理の河東先生のセミナーニュースページに 河東研B4用のセミナーの教科書紹介のページが出ていたので, とりあえずメモも兼ねてリンクしておく.
せっかくなので知っている本は簡単に紹介する. まずは実際に第一候補として挙げられている本から.
Analysis Now¶
- 書名: "Analysis Now" (Graduate Texts in Mathematics 118)
- 著者: Gert K. Pedersen
- 出版社: Springer
- 発行年: 1989
関数解析の入門書ですが,抽象的アプローチが好きな人向けです.基本的なことからていねいに書いてあります.Conway の本より易しいです.最初の部分はわかっていれば飛ばしてもいいです.
読んだことない.
A Course in Functional Analysis¶
- 書名: "A Course in Functional Analysis" (Graduate Texts in Mathematics 96)
- 著者: John B. Conway
- 出版社: Springer
- 発行年: 1990
普通の関数解析入門から始まる本です.工夫して分かりやすく書かれていると思います.いろいろなことが書いてあり, 最後の方では作用素環の話も出てきます.
読んだことない.
Mathematical Theory of Quantum Fields by H. Araki, Oxford University Press, 1999.¶
代数的場の量子論を全開でやっていて, 作用素環だけの本ではない. ちょろちょろと多変数関数論 (楔の刃の定理) とかも出てくる. 死ぬ程どぎつい本で私は根をあげた本なのだが, 読める人いるのだろうか.
確かこの本, 1950 年代後半から 1960 前半あたりに 荒木先生がスイスの ETH で講義した有名なレクチャーノートの 出版だとか何とか聞いたことがある. 当時の人, これで理解できたということだし, 社会の学力低下はどうなのかは知らないが, 自分の出来の悪さは激烈痛感する.
An Invitation to C*-Algebras by W. Arveson, Springer 1976.¶
読んだことない.
K-theory for Operator Algebras by B. Blackadar, Cambridge University Press, 1998.¶
作用素環の K-理論の有名な本. 読んだことない.
Operator Algebras by B. Blackadar, Springer, 2005.¶
読んだことない.
Wavelets through a Looking Glass: The World of the Spectrum by O. Bratteli and P. E. T. Jorgensen, Birkhauser, 2002.¶
これ作用素環なのかとずっと思っていたが, さっき目次を見たら一応$C^*$-algebraはあった. O. Bratteliは作用素環と量子統計の本(次の本)で超有名.
Operator Algebras and Quantum Statistical Mechanics, Volumes I, II by O. Bratteli and D. W. Robinson, Springer, 1987-2002. (a pdf file supplied by the author) (a pdf file supplied by the author)¶
全部ではないが読んだ. 量子統計で使うネタを割と雑多に突っ込んだ本で全部読むような本ではないし, これだけ読んでも作用素環の基礎は身につかない. 私もこの本で勉強しているが, 必要なところのつまみ食いだ. 完全なバージョンではないが, 基礎から冨田-竹崎理論まで速習したいなら役に立つ. あとは作用素環の勉強にはならない.
Noncommutative Geometry by A. Connes, Academic Press, 1995.¶
ConnesのサイトにPDFが置いてある. 個人的には読めたものではない. 難し過ぎる. 誰か読み切れる人いるのだろうか.
C*-Algebras by Example by K. Davidson, Amer. Math. Soc., 1996.¶
大学院当時, 先輩に聞いたところ「最初は割と丁寧だったが後半どんどん雑になる」とのことだった. 「基本丁寧だが, 時々めちゃくちゃ雑になる」だったかもしれない.
Quantum Symmerties on Operator Algebras by D. E. Evans and Y. Kawahigashi, Oxford University Press, 1998.¶
分厚い. ぱらぱらと眺めたことはある.
Local Quantum Physics by R. Haag, Springer, 1996.¶
河東先生に「これはHaagが哲学を語った本で教科書, 勉強する本ではありません」と言われた記憶がある.
Fundamentals of the Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III, IV by R. V. Kadison and J. R. Ringrose, Amer. Math. Soc., 1997.¶
学部4年のときとりあえずこれでも読んでおけばいいのでは河東先生にお勧めされて, これの3章から5章までを読んだ. そのあと実用性を考えてBratteli-Robinsonにすぐ行ってしまったのだが, 作用素環としての基礎がほしいならもっと読んだ方がいい. 富山先生いわく「彼らの教育熱心さを反映してとても良く書かれた本」とのこと. 3章の話はBanach環だが割と気にいっている.
An Introduction to K-Theory for C*-Algebras by M. Rordam, F. Larsen and N. Laustsen, Cambrige University Press, 2000.¶
読んだことない.
Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III by M. Takesaki, Springer, 1979-2003.¶
Iは1-2度参照したことがある. 作用素環の聖典の1つではある. 興味はあるが大部過ぎてさすがにつらい.
2015-11-11 社団法人作用素環後援会という謎の会ができていたので¶
ページはここだ. 代表理事が河東泰之先生で, セミナーニュースを久し振りに見たら見つけたので, とりあえず宣伝協力的なアレだ.
法人の目的だとか事業について紹介がてら引用しておこう.
・本法人の目的
当法人は,作用素環論に関する研究・論文の発表を通じて知的財産権の取得を行うと共に,その成果が地域社会の発展に貢献することを目的とする.
・本法人の事業
- 作用素環論を用いた研究及び論文の発表
- 作用素環論に関するセミナーの開催
- 作用素環賞の授与
- 前各号に掲げるもののほか、当法人の公益目的の達成に必要な事業
小谷元子先生が入っているのが割と謎だが, 以前早稲田で磁場つきHarper作用素の講演を聞いたときに$C^*$の話を出していたので, ご専門の離散幾何解析でそれなりによく使っているということなのだろう.
私ももっとこういうのやりたいし, マネタイズ真剣に頑張らないと.
2015-11-15 自戒せずにはいられないTogetterメモ:『“算数教育が安心できないのだから、理科教育も安心できるはずがない” - 並列回路の表記をめぐって』¶
とてもつらいまとめがあったのだ.
https://t.co/934QJioNYU14時間前に紹介したお笑いネタのまとめ→ https://t.co/rCbsP37isW“算数教育が安心できないのだから、理科教育も安心できるはずがない” - 並列回路の表記をめぐって。再度、大笑いできた。このトンデモ感すごすぎ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 15
続き。このまとめが秀逸過ぎ→ https://t.co/rCbsP37isW 見逃していた「各種ご意見。」が結構あった。 このネタ本当に可笑し過ぎ。笑える。こういうお笑いネタが消え去るのはさびしいけど、やっぱり教育は大事だと思った。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 15
続き。この手の話題の基本パターンは、明瞭に表現された具体的な事柄について、適用することが不適切な一般論を語る人達が大挙して押し寄せること。 考え方がダメな人ほど一般論を語りたがる傾向があると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 15
続き https://t.co/rCbsP37isWのまとめのコメント欄にも「地獄」が発生していた。「この秀逸なまとめによって結果的にどういう人達が笑い者になるか」を理解できなかったらしい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 15
続き。ほとんどの人は普通にまともな反応をしていて、誰がどのように笑い者になっているかも理解していて、危険に近付かないようにしているが、なぜかわざわざ特攻して来るやつがいる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 15
これ, 自分が専門分野に関してすらゴミのような死にたくなる変な勘違いをしている可能性が高いことを 示唆してくるので, 割と本気で戦慄するし, 全く笑えない.
きちんとJISの規格の記述を確認しきれていないのだが, http://tinyurl.com/neyybx7あたりでは『実務に役立つシーケンス制御入門』という「実務で役立つ」という明確な触れ込みで黒丸なしのシーケンス図を紹介している. ちなみに私はシーケンス図と回路図という言葉をどう使いわければいいのかといった基本的なところから理解ができていない.
また次の高知工科大学の講義資料によると, 十字を書くとき, 交差は黒丸をつけない, 接続は黒丸をつけるとかいう規格(規則?)のようだ.
ここでは表現の統一という目的のため, 「黒丸が不要なところでもつけた方がいい」と推薦する形にはなっている.
十字の接続でない Fig.2.2(b) のような T 字配線型の接続の場合には,黒丸を省略しても問題ないと思われるが,表現を統一するために Fig.2.2(a) のように黒丸をつけたほうが良い.
実務で紛れがなくミスを起こさないようにしたいという現場の要求もあるのはわかるが, 規格でどうかという根本的なところをクリアしているっぽいので, とてもつらい事案だ.
糞ニート@TNCTHaraPanさんはこのまとめを見たっぽいツイートをしているが, いまどういう風に考えているのかが割と知りたかったりする. 規格上問題ないし上で引いた本のように (回路図一般かシーケンス図限定なのか私は判断つかないが)「現場」でも黒丸なしでよく, 大学の工学部教育でも推奨レベルのことをまだ次のように考えているのかどうかはとても気になる.
同じ事柄について、現場や専門分野の人が注目する部分や「正しい」「間違い」と言う部分と、教育分野(特に初等教育?)で教える「正しい」「間違い」やその基準がズレてるってことにも気づいて考察してもらえるとなお良かった。
— 糞ニート (@TNCTHaraPan) 2015, 11月 14
何にせよ自らへの戒めとしてもきちんと記録しておきたい.
2015-11-15 nolimbreさんプロトタイプの電子数学書の新たな形:自分でもちょっとやってみたい, gitbook もあり?¶
YouTube講義と合わせてちょっと試しに作ってみるか感もあるので, とりあえずメモ.
電子的な数学書で,「はじめは証明の概略だけ書いてあって,必要に応じて詳しい説明が表示される」ものがあれば面白いのに,と以前から妄想だけしてたんだけど,とりあえず小さくても触れるものを作ろうと思って作ってみた.感想リプ歓迎. https://t.co/ThRJNv788z
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 8
最初は概略だけ読んで,必要に応じて詳しい説明が読める電子的な数学書のサンプル https://t.co/ThRJNv788zを見て,(操作や表示法に改良の余地があることは度外視して)このような形式の数学書は
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 8
「伸縮する数学書」の仕様を変えてみました.「伸びた」テキストをクリックすると元に戻る,本文中で説明されていない用語にマウスを乗せると説明がポップオーバーする,などの変更点があります.感想リプ歓迎!(夜遅いので明日またツイートします) https://t.co/ThRJNv788z
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 8
【再掲】詳しい説明を必要に応じて表示できる「伸縮する数学書」があったら面白いな,というかねてからの妄想を,とりあえず小さいけれど触れる形にしてみました.一応「参照システム」も備えています.まだ詰めが甘々ですが感想リプなど歓迎です. https://t.co/ThRJNv788z
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbre正直なところ,本文が動いたり一部でも隠れるのは読みにくいです. 本文は変化しないでほしいですね.本文に重ならないように別ウィンドウが開くほうがよいです(ノートを脇に置くイメージ).
— きえだ ゆうすけ (@p_typo) 2015, 11月 9
@p_typoありがとうございます.別ウィンドウはあまり乗り気でないのですが,あらかじめ画面内に「脇に置いたノート」の領域を確保しておいてそこに追加情報を表示するようにするのもいいかもしれないです.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbre表示スペースをある程度固定して考える必要がありそうですが,予め存在しているスペースを利用するのなら,そんなに気にならないかもしれません.
— きえだ ゆうすけ (@p_typo) 2015, 11月 9
@nolimbre行間を埋めてくれるの良いですね…!定義については、ポップアップよりも、初版(?)の挿入されるアクションの方が個人的には好みです。自分の場合知らなかった定義は何度も見返しそうですし、残っていて欲しいなぁと。(今日、現所属研究室でも話題になっていました)
— sho_yokoi (@sho_yokoi) 2015, 11月 9
@nolimbreはじめまして。個人的にはこんな感じに本文がぬるぬると伸びていくのは良いと思います。簡潔にまとめられた定義は有用だけれども、理解するために具体例が欲しいという時に、展開したものを一つの文章として読んで、段階的に理解していけるのは良いと思います。
— あえとす (@aetos382) 2015, 11月 9
@nolimbre細々した点についてコメントさせて頂くと…まず、何かアクションができるところは最初からわかると良いと思います。色が違うとか下線が引いてあるとか。アクションの種別(伸縮、ポップアップ、リンク等)によって、最初から見た目が違う方がわかりやすいかな、と思いました。
— あえとす (@aetos382) 2015, 11月 9
@nolimbreそれから、ポップアップはあまり使いやすいと思えませんでした。ポップアップの中にも定義や説明を見たい語句があると思うのですが、現状はマウスを少しでも動かすとポップアップが消えてしまいます。
— あえとす (@aetos382) 2015, 11月 9
@nolimbreというより、ポップアップの中に説明が必要な語句は書くべきではないのかも。これはシステムではなくコンテンツの作り方の話になると思いますが、ポップアップは、例えば「今、a = 0 と仮定していることに留意せよ」のような簡単なメモ程度が良いのかな、と。
— あえとす (@aetos382) 2015, 11月 9
@aetos382丁寧にありがとうございます.参考になります.ポップアップについては確かに使いづらいですね.閉じるボタンがないことと,デフォルトで反応する箇所がどこか分からない点は本としての読みやすさを意識してのことだったのですが,それ自体がまだ不徹底なのと,
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@aetos382たしかに「閉じてしまう」事故が起きやすい弊害があります.悩ましいところですが,マージンの部分に作るなら気になりにくいかもしれないです.考えてみます.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbreこれ、すごく良いですね。 TeX(或いはTeXの拡張言語)からこのようなHTMLにコンパイルする仕組みがあれば、著者にとっても手軽になりそう…
— Yb@体調不良 (@kunio_Yb) 2015, 11月 9
@kunio_Ybありがとうございます.形式だけあっても著者がいないとしょうがないので,たとえば LaTeX から自動生成された HTML に対して何か処理をしてこの形式にするような仕組みは必要ですよね.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbre実用的にするには必要ですよね。追加で書くのはcss程度で、TeXソース自体は使い回せると良いなぁ、などと夢見ております(自分でも無茶言ってるとは思いますけども)
— Yb@体調不良 (@kunio_Yb) 2015, 11月 9
@nolimbreLaTeXで書かれた文書からワンボタン、あるいはそれに近い労力でこれに近い形にするというのは技術的にかなり無理があると思います。論文として書かれた文章をこの形式にしたいという需要はそんなにないと思うので、(つづく)
— あなちゃん (@anairetta) 2015, 11月 9
@nolimbre新たに(雑誌に投稿するのではない程度の、むしろ新規性より分かりやすさを重視する)文章を手軽に書きたい、という需要に答える、という方が目的に叶うのかな、と思います。(つづく)
— あなちゃん (@anairetta) 2015, 11月 9
@nolimbreそのような(ことに使える)プラットフォームとしては、(たぶん)gitbookというのがあるようです。これのpluginにどれくらい拡張性があるのかは存じませんが、可能な範囲で実装するということも含めて、検討しても良いかもしれません。
— あなちゃん (@anairetta) 2015, 11月 9
@anairetta情報ありがとうございます.LaTeX から HTML に変換する技術はいろいろありますが,更にそれを基に変換するとなると,仰る通り現状では「何も考えずにボタンを押せばできる」レベルは無理で,LaTeX で書く段階から変換のことを気にする必要がありそうです.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbreはい、それならば、LaTeXで書くことに拘るよりは、既存の技術を使える方がよいのでは、という意図でした。数学者の方が、TeX以外の技術にハードルを感じる可能性があるということももちろん考慮すべきとは思いますが。
— あなちゃん (@anairetta) 2015, 11月 9
@anairettagitbookは初めて知ったのですが,markdown形式で書くということであれば,結局 pandoc とかの「LaTeXもHTMLもmarkdownも扱える」変換ツールに割り込むことを考えるのも一案かと思います.先の心配ではありますが覚えておきます.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 9
@nolimbregitbookのよいところのひとつは、配布(販売すら)もセット、というところだと思います。なんか宣伝みたいになってしまいましたが、(著者として)使ったことがあるわけではないので勝手な感想にすぎません。
— あなちゃん (@anairetta) 2015, 11月 9
ここがやはり気になる. gitbook調べておこう. 何にしろYouTubeの動画講義は作る予定だし, 原稿をどう公開するか考えないといけない.
@nolimbre素晴らしいです.定理や定義の相互参照が出来るようになれば,世界がとれそうですよ :)
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 11月 8
@nolimbre@iwaokimura学部レベルの教科書だと「後から出てくる定義・定理を参照する」することは禁止なので書きにくいこともありますが、電子書籍だと後方参照やってもよさそうなので、面白い本になるかもしれません。
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2015, 11月 8
@nolimbre説明に「閉じる」ボタンがほしいなと思った。複数回現れる語の説明の出現箇所をどうすべきかは悩ましいね。
— Yoshihiko Matsumoto (@ymatz) 2015, 11月 8
@ymatz「開いた部分をクリックすると閉じる仕組み」は単に実装をサボってしまった(痛恨).今回の例にはないけど,「ステートメントに現れなかった概念の定義を調べたとき」にどうするかは問題かなー.その場にポップアップにする,定義は別ページに遷移で OK という意見も.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 8
@nolimbreそうか、今回は概念の定義の出現箇所は「ステートメント直後」で統一されていたんだ。わかりました。普通の本の脚注を参考にして「ウィンドウ下部にポップアップ」というのもありそうだけど、「数学書が伸縮する」という面白さは捨てがたい。
— Yoshihiko Matsumoto (@ymatz) 2015, 11月 8
@nolimbreすっごく良い感じです!!!!!定義の表示はそのときだけ見えれば十分なことが多そうなので、短く書けるものであればツールチップ(マウスを単語の上に乗せるとふきだしが出てくるやつ)くらい簡単でもいいかな、と思いました。行間が補足されるのはかなり好きです!!!!!!!
— かわず (@kawazu1147) 2015, 11月 8
@nolimbreいいですね!「クリックして開く部分」がインデントされたらなお嬉しいと思いました。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 11月 8
@nolimbre素晴らしいね、これは。スマホのブラウザからでも快適に読めました。この形式の文章で、掘り進めた深さによって結末の解釈が変わるミステリー作品とか出来たら面白いな、なんて思いました。数学じゃないけど。
— 鋭意原稿中 (@miurror) 2015, 11月 8
@nolimbreFF外から失礼します。数学書を読んでいると、後の方になって単語を混同してよく分からなくなってしまったりするので、常々「こんなのがあったら良いのに」と思っていたところでした。かなり良い物だと思います。
— 水毒@つつくとドス黒いナニカが染み出す (@DHMO_toxin) 2015, 11月 8
@nolimbreすごくイイですね! ただ、有限整域など一部だけ定義を提示するのであれば、定義内の言葉の定義…と、いくらでも遡れるようにしたほうがいいのかなーとも。 例) 有限整域を開く→台集合を開く→… ってな感じで。
— お嬢ちゃん (@BOTCH_an) 2015, 11月 8
@nolimbreこういうの欲しいと思っていました!電子教科書ってただただスキャンするだけじゃなくってこういう機能が欲しいですよね。
— [(2)(G)(W)(U)]sct (@mont_blank) 2015, 11月 9
@nolimbreこういう数学書があるといいなと思ってました。究極の夢としては、wiki的に読者が「誰かここ説明して」とリクエストできるといいですね。(最初見たときは、どんどんクリックするとカイジが「圧倒的単射」とかいいながら証明がどんどん長くなっていくギャグかと思いました。)
— とおろ (@tooro88) 2015, 11月 8
@nolimbre「定義や自明の事項は折りたたまれている」数学書、大変面白い試みだと思います。のらんぶるさんの試行錯誤を心から応援しております。
— 私物@春待ち研究忙殺奇譚 (@4butu) 2015, 11月 9
@nolimbre既出の命題にリンクを張るなどしてもよさそうです。
— Flying Penguin(フラペン) (@AMApicco) 2015, 11月 8
@tatuyan_edsonあー,それも確かにありですね.ありがとうございます.
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 11月 8
@nolimbre 読まさせていただきました。 非常に分かりやすいつくりをしていると感じました。 ただ、内容が体に関してだとある程度数学が好きな人のみしか好さが分からないと感じたので更にわかりやすい内容で同じ様に作成してみたらもっと食いつきがいいと思います。
— ハザマ(西高東低) (@noplan05sona03) 2015, 11月 8
何というか, 実際に雑な話してから 少しずつ突っ込む的なことをしていきたいので, それに合わせた形としてやっていけばむしろ最適なのかという感じはある.
ちょっとやってみたいことがあって, gitbook 改修してやるのも大変そうだし, まずは適当に元ファイルを変換するスクリプトを組むところから はじめるのが必要か. めんどいが, とりあえずいろいろやってはみよう.
2015-11-21 記事紹介: 『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』¶
東洋経済で『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』という青木薫さんの記事があった. 大事なコメントもあったので引用しつつコメントしたい.
11月13日(金)からNHK Eテレで放送の始まった「数学ミステリー白熱教室 ラングランス・プログラムへの招待」。イケメン教授のエドワード・フレンケル氏が、「心も頭もしびれる究極の数学」(ツイッターより)を白熱講義するこの番組は、中学数学を終了程度の知識で、現代数学のもっとも心踊るプロジェクトの神髄にふれさせようという意欲的な試みだ。
よく『美人~』というのが話題になるし, 『ガリレオ』あたりでの『イケメン物理学者』みたいなやつ, どの程度効果があるのか本当に知りたいし, イケメンかどうかはともかく適当な清潔さなどはきちんと気をつけないといけないとは 思っている.
楽譜の読めない人だって、すばらしい音楽には胸を揺さぶられる。油絵なんてただの一度も描いたことがない人だって、ゴッホの「月星夜」の前に立てば、その不思議な迫力に心を捕まれるのではないだろうか。それと同じように、数学の美しさとパワーは、きっとみんなに感じてもらえる、と彼は信じているのだ。
この辺, スポーツとかでもあるし, アニメや漫画でもそうだが, 数学ははじめから強烈なバリアーがある場合が多いので, どう一歩目を踏み出してもらえるかが鍵で, 割とつらい.
「やっぱり、フレンケルってイケメンだわぁ」ということだった。ド・アップに絶える端正な顔立ち。チャーミングな笑顔に思わず引き込まるし、手指の動きにふと目を奪われてしまう。いやあ、静止画像で見るより、動くフレンケルの方がずっと素敵だわぁ……。
こういう感想, 私には書けない.
そのためにフレンケルが持ち出したのは、ありふれたデンタルフロスだ。そして彼は、フロスを指に巻きつけていく。ぐるり、ぐるり、ぐるり、と巻きつけていくと、1回、2回、3回、と巻きの回数を定義でき、それゆえ1、2、3という自然数の概念を把握できる。そればかりが、この方法では、逆向きに巻きつけていくことにより、-1、-2、-3、という負の数の概念が、ごく自然に得られるのだ。
いまだ見ていないのだが, これは面白い.
番組の冒頭に置かれたこの「糸巻き法」のエピソードは、身近な材料を使った、誰にでもわかる、ごく簡単な話である。しかし、このエピソードはきっと、全4回の講義のなかで、通奏低音のように響き続けるのではないだろうか。そんな予感がする。
トポロジーのwinding numberだし, 後でも出てくるだろうと思ってちょろっと見てみたら, Wikipediaで正に次の記述があった.
回転数は代数トポロジーにおいて研究の基本的な対象であり、ベクトル解析、複素解析、幾何学的トポロジー、微分幾何学、弦理論を含む物理、において重要な役割を果たす。
本当に弦理論出てきた.
というのも、もしもそんなつながりがあれば(すでに証明されているものもある)、あちらの領域では超難問だったものが、こちらの領域ではエレガントに解決される、といったことが起こるのだ。そちらの領域では、どんな意味があるのかわからなかった問題が、別の領域で、やおら重要性を発揮することもある。ミステリアスなつながりの存在を明らかにし、「数学の大統一」を目指すことには、現実問題として、途方もなく大きな意義があるのだ。
ミラー対称性とか谷山-志村予想だ.
ところが20世紀の初め頃から半ばを過ぎる頃まで、両者の関係は冷めていた。物理学者は、過去の数学者の仕事から、自分の仕事に使えそうな道具を借りてくるだけ。数学者は、自然相手に苦闘している物理学者を尻目に、我が道を爆走していた。
冷めていたというのはよく聞くが, 科学史的にきちんと調べた上で実際どうなのか非常に気になっている. 実際に 1950 年代からの場の量子論界隈の動きについては 多少知っているが, その前の動きに関してはほとんど知らない.
2015-11-21 川又雄二郎伝説の検証: 学部の複素解析の講義でのエピソード¶
川又雄二郎伝説が一部検証された.
川又先生、本質をついた解説をしすぎて東大数理の学部生の複素解析の講義で一致の定理のステイトメントを「f=g」とだけ書いたり、3回で普通の複素解析の範囲を終わらせてリーマン面をかなりのところまで突っ込んでやったとかいう話、どこまで本当なのか割と真剣に知りたい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 30
@phasetr聞いた限りでは桂利行先生は「彼の講演は本質をついていて非常にわかりやすい」とおっしゃっていた。リーマン面の話はリーマンロッホまでは行ったとか何とか聞いている
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 9月 30
@phasetr前者はわかりませんが後者は実際に体験しました。ちなみにその翌学期に複素解析学の続編を担当した別の先生が「これは先学期にもう習った内容でしょうけど復習しておきます」的な発言を連発されていたのも良い想い出です
— MarriageTheorem (@MarriageTheorem) 2015, 9月 30
@MarriageTheorem数学科以外の理学部の授業で川又の消滅定理を5回目あたりで証明してた記憶が。RT @phasetr川又先生、…学部生の複素解析の講義で一致の定理のステイトメントを「f=g」とだけ書いたり、3回で普通の複素解析の範囲を終わらせてリーマン面をかなり…
— {白,黒}のカピバラの左随伴右随伴 (@ainsophyao) 2015, 9月 30
貴重な情報なので記録しておきたい.
2015-11-22 教育問題の悲しみ: とある方の小二の頃の悲しい記憶¶
H_Hさんからのタレコミを受けたので.
悲しみ。相転移 P 氏 @phasetrにこの RT を見ていただきたい
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 1
次の連続ツイートだ.
あれは確か小2の頃。授業で1cm×1cmの方眼に面積が12cmの長方形を描こうという問題があって、当時のぼくは何かと目立ちたがりだったので下のようなものを描いた。 これが悲劇の始まりであった。つづく pic.twitter.com/g1I4wHntAW
— 浮名先輩 (@u_ukinaa) 2015, 9月 30
教師が誰か描けた人はいますか?と尋ねたのでぼくは満を持して手を挙げた。 教師「○○(ぼく)くんはどうやって描いたかな?」 ぼく「ななめです」 どよめく教室 教師「ななめですか、それは予想してませんでした。でもななめってよく見たら1cmじゃなくないですか?」 ぼく「えっ違…」
— 浮名先輩 (@u_ukinaa) 2015, 9月 30
教師「みなさんもななめの長さを定規で測ってみてください。1cmよりも大きくなりませんか?」 次々と測りだす生徒達。反論させる暇さえ与えない。 教師「○○くん、何cmになりました?」 ぼく「いっ……1cmより……大きいです……」 教師「そうだよね、だからななめだと大きくなるんだ」
— 浮名先輩 (@u_ukinaa) 2015, 9月 30
当時のぼくはチキンだったので、黙って座ることしかできなかった。あまりの理不尽さに泣いていたかもしれない。 今考えるとこれこそが生徒の個性を潰し画一化させる義務教育の本質だったんじゃないかって思っている
— 浮名先輩 (@u_ukinaa) 2015, 9月 30
今考えるとこれこそが生徒の個性を潰し画一化させる義務教育の本質だったんじゃないかって思っている
というのは過剰な一般化で妥当性があるのか全くわからない. この教員の能力の問題とも言えるし, 義務教育というよりも大衆による大衆に向けた教育の限界という感じもある.
教育に湯水のように金と時間をつぎ込めるのなら, メインの教員(クラス担任?)+専門の教員のような配備を していくとか色々方法はあるだろうが, 厳しいだろう.
何度かこのサイトでも取り上げているが, 個々の教員に無限の期待を載せていくのは極めて筋が悪い.
もちろん, 子供が学校であった「嫌なこと」を親なり適切な指導者なりに逐一的確に報告できるのなら いいのだが, 当然そんなことは期待できない. 【適切な指導者】ということになると, そもそも身近にいるかどうか, 身近にいたとして【利用】できるかどうかという問題すらある.
とにかく, 簡単に諦めたり他人や社会のせいにしたりせず, 私は私にできることをやっていく.
やや別件だが次のようなやり取りもあったので 一応記録しておきたい.
@H_H自分も1年生の時、方眼紙に斜めで書いたけど褒められたな〜
— Takuo Kihira (@tkihira) 2015, 10月 1
@tkihiraそれはよかったですねえ
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 1
@H_H別の話で「なぜ昼と夜があるのか」という問題の正答が「太陽が地球のまわりを回っているから」というのを「地球が太陽のまわりを回っているから」と書いてバツだったことはあります。たしかに公転ではなくて自転しているのが昼夜の存在につながっていますが、当時はひどいもんだと思いました
— Takuo Kihira (@tkihira) 2015, 10月 1
@tkihira二重にひどいですね ^^;
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 1
2015-11-23 京大RIMSの星裕一郎さんによる宇宙際 Teichmüller 空間論に関する概説が出たので¶
ついにIUTTのバイブルが出た。 https://t.co/3yAzHQAzQEpic.twitter.com/hdBLbTwyGC
— math_jin (@math_jin) 2015, 11月 21
IUTTはInter-universal Teichmüller theoryの略だ. もちろん望月新一先生の理論. 何はともあれメモしておく.
2015-11-23 ツイート紹介: 梅村浩先生『楕円関数論』の中の代数幾何的記述が面白そうなので¶
続 梅村先生の楕円関数論の教科書でも五次方程式の解の公式に触れてて、ブリング ジェラードの標準形を導く迄が現代的な代数幾何的考察に置き換わってるので読み比べると面白い。
— 原子心母 (@atomotheart) 2015, 10月 2
何これ面白そう. 読んでみたい.
わけのわからないコメントと返答¶
5次方程式の冪根は存在しませんよ 誤謬の流布はやめてくださいね
どういう意味でしょうか. 引用したツイートは「五次方程式の解の公式」としか言っておらず冪根とは言っておらず, ここの五次方程式の解の公式もガロア理論的な四則と根号だけを使った公式ではなく, 許す操作を増やす話なのでは.
2015-11-26 ツイートまとめ: 『$x$の$x$乗の話』最近記事が出て $0^0$ の話題が再燃したようだがきちんと解説ページと本があるので¶
以前も呟いたのだが$0^0$に問題が再燃したっぽいので.
TLに0^0がちらほら流れてくるな。
— aki_room (@aki_room) 2015, 11月 21
@aki_roomつらいですね……
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 11月 21
@H_Hちなみに、どういう文脈なのか全く把握してないのですが、どういう文脈なんでしょうか…?
— aki_room (@aki_room) 2015, 11月 21
@aki_roomhttps://t.co/y1oarC23x7こんな記事が出たからかと
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 11月 21
@H_H@aki_roomこの記事は数学としてへんなことは言ってない気がするのですがどうでしょうか?
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 21
@hiroki_f@H_Hざっと眺めたら思ったよりもまともそうでびっくりしてるんですが、それよりも、どうしてこの記事が子育ての達人というサイトにのっているのかが気になってしまってしょうがないです。
— aki_room (@aki_room) 2015, 11月 21
@aki_room@hiroki_f@H_H専門的なところについては次のxのx乗の話に記述があります。元記事をきちんと読み込んでいないのですが、この本では最後、リーマン面レベルにまで切り込んで色々な話を展開しています https://t.co/toGsVjOj3H
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 11月 21
@phasetr@aki_room@H_Hまとめ以下の結論はまあそうだろうなという気がしたのですが、この話は突き詰めるとlog 0 をどう定義するかという話に行き着くんですね。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 21
@hiroki_f@phasetr@aki_roomそりゃ、複素数の複素数乗を考える文脈では、x^y := exp(y log x) ですからね。真性特異点だから普通は定義しないと思います。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 11月 21
@H_H@phasetr@aki_room実数の実数乗を考える場合は、0^0 をどうするかは定義できたりするんですか?複素数の複素数乗を定義するのと状況は変わらないきがしますが。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 21
@phasetr@aki_room@H_H図書館で借りて読んでみました。これはおもしろかったです。すぐポチッとけば、800円で買えたのに…
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 25
@hiroki_f@phasetr@aki_roomこれと同一のものでしょうか? https://t.co/HnY6JZV79d
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 11月 25
@H_H@phasetr@aki_room本のほうが図が加えられたり、説明が丁寧になっていますが、基本的には同じものですね。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 25
@hiroki_f@H_H@aki_room著者は非可換代数幾何学の人で、作用素環、作用素論方面の知識もあり、本の後半の記述で実数のユニタリ表現とテイラー展開の関係的な、量子力学と表現論方面の私の趣味バリバリのコメントがあったり、内容多彩で刺激的です
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 11月 25
@phasetr@H_H@aki_roomこの本は名著ですね。前半は高校生向けに書かれているようですが、随所に示唆的な記述があり、刺激的でした。手元に置いときたい本ですね。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 11月 25
さて, 『$x$の$x$乗の話』だ.
Amazonのレビューにもある通り, お話として雰囲気を楽しむ本であって, ガチガチに読み込んでいく本ではない. 機会があればぜひ読んでみてほしい. 上にリンクがある著者のページを眺めるだけでもいいだろう.
2015-11-26 (小中高校生向け)学術系イベントの情報収集中¶
今も絶賛情報収集中だ.
@dlithttps://t.co/BEkgOQmtEl最近こんなのを始めて色々考えていてアンケートも取ったりしていますが、言語学に興味がある中高生も勿論いて、そういう情報も出したいと思っています。何処見ると(小中高校生向け)イベント情報とかわかるでしょうか?
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 11月 23
@phasetrありがとうございます。言語学もその中に入れてもらえるととても嬉しいのですが、独立した活動が多く、あまりそういう情報が集まるところというのはない印象です…ひとまずリツイートしてみてよいでしょうか。私のフォロワーやそのつながりの中にいい方法を知っているかもしれません
— Takumi TAGAWA (@dlit) 2015, 11月 24
@dlitリツイートお願いします。何はともあれ、これからせめて各大学レベルくらいは実際にリスト化して問い合わせてみようと思っています。それなりに専門の訓練を積んだ大人でさえ自分の専門でも探しづらくてたまらないので、やはり良くないだろうと思っています
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 11月 24
鍵アカウントの方から次のサイトも教えて頂いた.
これも本サイトに転記しておこう.
2015-11-26 ツイートまとめ: 工学に役に立つ微分方程式論, どういう内容になるのか工学関係者に聞いてみたい¶
http://t.co/blLyXyffpB理学出身といっても数学でない限りどこも扱いたいして変わらないのでは
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 3
これ、むしろ理学と工学で扱いがどう変わるのかを教えて欲しい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 3
「理学系のための偏微分方程式」よりも「工学系のための偏微分方程式」のほうが売り上げが上がりそうな気がします。 https://t.co/nYb4t25crf
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 10月 3
@kamo_hiroyasu本の内容というか教え方というか、何か違いが出るのか、出すべきなのかとかとにかく色々なことが気になります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 3
@phasetr「理屈はいらんから解き方だけ教えろ」圧力をひしひしと感じております。「その風潮に迎合しています」の婉曲表現として「工学系のための」が使われることがあるようです。現実の理学系・工学系とは無関係です。(一般論であって、話題の本とも無関係です、念のため)
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 10月 3
@kamo_hiroyasu解ける方程式だけ解いているのが許されるのは可積分系の数学者くらいだと思うのですが、応用勢はそのように愚劣な姿勢で大丈夫なのか本当に気になります。むしろ近似解法の地獄のような手計算やらプログラムやらやらせる方がまだ役に立つような
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 3
@phasetrというと、「じゃあ、理屈はいらんから近似解法のプログラムの書き方だけ教えろ」が返ってくるのです。#愚痴
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2015, 10月 3
@kamo_hiroyasu「てめえが将来的に解きたい方程式にまで対応できるような方法なんて知らねえよ張り倒すぞ」というスタンスでいきましょう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 3
工学にとって役に立つことしたいなら, やはり工学者が引き取るしかないと思うのだが, 実際工学部ではどう教育するのだろう. それが無性に気になる.
必要なら自分でもそういう教材を作ってみたいので, 本当にぜひ教えてほしい.
2015-11-27 数学科卒であることを見抜くたった一つの質問の仕方: 巨悪のツイート紹介¶
相変わらず巨悪が悪いことを言っているので記録.
京都大学の物理の教員から以前面白い話を聞いた。京都大学の数学科のそばの喫煙所には、物理などの人々も来る。彼らを見つけるために、数学の人々は簡単な質問をすることがある。それが数学を学んで初めに読む本の中頃にあるコンパクトの定義だという。よそ者は一冊目の本を読むことすらできないのだ。
— {白,黒}のカピバラの左随伴右随伴 (@ainsophyao) 2015, 10月 3
コンパクトの定義を述べることができる人は、ほぼ数学科卒に限られると聞き試したが、確かにそうだった。なぜ難しいのを考えてみたところ、有限、無限、すべて、ある、の4つが組み合わさっているからだという結論に至った。教養学部1年生の授業でもコンパクトは教えられていたが、虐殺が起きていた。
— {白,黒}のカピバラの左随伴右随伴 (@ainsophyao) 2015, 10月 3
読めないのではなく使わないから忘れただけなのでは, という気もする.
逆に物理の人間と一発で見抜く質問とか, 化学の人間と一発で見抜く質問とか, 医歯薬理工に限らず, 大学の学科レベルくらいで各分野の専門であることを 見抜ける面白い質問みたいなのが知りたい.
2015-11-28 数学・物理関係でYouTubeに上げる動画を楽に出費を少なく撮る方法の検討¶
動画を撮るときの参考にしたい.
アナログ絵撮る時になんで家にこんなに便利な物があるのに使わなかったんだろう……私はまた一つ学習した。 pic.twitter.com/pgBbvme5il
— ボボンバ (@sikimiiii2) 2015, 10月 8
これから数学・物理関係の動画を撮ろうと思っているが, 他の人にも真似しやすい方法を探している.
今はiPadのアプリを使っている. 次のようなメリット・デメリットがある. - メリット - 書いたページを保存しつつ一気に次のページへ遷移できる. - iPad(とスタイラスペン)さえあれば追加の出費なし. - デメリット - スタイラスペンは書きづらい. - iPadがいる.
iPad(タブレット)がいるというのが 極めてハードルが高いので他にも次のような方法を検討していた.
- 紙とペンとwebカメラ
- 知人がやっていた方法.
- 導入が楽.
- 紙とペンなので書きやすい.
- 紙を大量に消費するので継続的に雑費がかかる.
- カメラの置き方を工夫する必要あり? 追加の光源も必要?
- 黒板・ホワイトボードと(web)カメラ
- 黒板だと雰囲気が出る.
- 小さい黒板(100均で売っている)だとチョークを使う関係であまり一枚に多くの字が入らない.
- 大きい黒板だと場所をとるし, 顔も入ってしまう可能性があり嫌な人はいるだろう.
- 黒板に関する初期投資とチョークの継続出費が入る.
- ホワイトボードでもいいが, ペンの継続出費がチョークより遥かに高い.
- PCとWacomなどのペンタブレット.
- 追加の雑費なし.
- iPadとスタイラスペンよりは書きやすい.
- タブレット導入のために最初にどかんと出費が出る.
- 「新たなページ」に行きたい場合に全部消すか新たなファイルを開く必要があって面倒.
このうちの【紙とペンとwebカメラ】のところにカメラとしてスマホ・タブレットを使うイメージで, さらに導入が楽になりそうだ. 光源問題は少し研究する必要がありそうだが. これ, 試してみたい.
2015-12-05 リングさんの関西すうがく徒のつどいでの講演: 楕円関数とおもしろい応用¶
つどいの講演. 原稿やTogetterへのリンクはここにある.
先日のつどいでの楕円関数に関する発表内容をスライドにまとめました◎tex打ちしていただいた某氏に圧倒的感謝! 20150922_楕円関数とおもしろい応用 #math#mathematicshttps://t.co/0j0W57AYvk@SlideShareさんから
— リング (@matsumoring) 2015, 11月 28
読みたい.
2015-12-05 掛け算・足し算問題: 子供 (人間) が持つ凄まじい一般化・抽象化能力¶
大事な話があったので.
#掛算算数関連で「みかんとりんごは別のものだから足せない」って話題があるらしい。「特賞から残念賞まで、二次会参加者に行き渡る数の景品を用意する」ってシチュエーションならディズニーペアチケットと神戸牛とルンバとうまい棒が足せるよね。脳トレ。
— kanako taniyama (@tanikan84) 2015, 11月 27
算数の難しさと数学の難しさがちょうど重なるところとして まさにこの問題があると思っている. 小学校一年で同じ個数あるものを線で結ぶみたいなことをした記憶があるがまさにそれ.
数という概念は本来めちゃくちゃに抽象的で, 上の線を結ぶことは学部 1 年の集合論でやる集合の個数の定義, 濃度への拡張と直接に繋がる. 数学の本質的なところに触れつつ, 実生活への応用でもよく出てくる凄まじい例で, とてもとても大事.
使うところなんて本当に山程あるどころか 上の例よりももっと凄い形で使う.
例えば三人兄弟におやつあげるときのこんな感じ.
おやつ 3 つあるから仲良く食べなさい. ケーキが 2 つあって, プリンが 1 つ. ケーキはショートケーキとチーズケーキがあるよ.
これ, 抽象度を凄まじいレベルで行き来している. どちらからでもいいが, 下から考えよう.
まずここにはショートケーキ, チーズケーキ, プリンと 三つのおやつがある. それぞれ違うと思っていては数としては足せない.
ここでケーキとプリンとして一般化してまとめる. そうすればケーキが 2 つ, プリンが 1 つとしてケーキに関して足し算できる.
最後, おやつとして一般化してまとめればケーキとプリンを足し算できる.
普段から大人はもちろんのこと, それを見て育つ子供も自然にこの一般化と抽象化, その上での足し算を自然にやっている.
うるさいことをいうなら(切り方のせいで)「大きなケーキ」や「小さなケーキ」もあるのに, それを無視してケーキとくくることだってある.
全く違う対象を適当に一般化・抽象化して足し引きするのは凄まじいことだ. 算数と数学が深く深く繋がっていることを示す事例でもある.
これ, 本当に凄まじい抽象化能力だと思うのだが, 何故子供も自然にできるようになるのか本当に不思議でならない. 教育学とか心理学とかの知見もあるのだろうと思っている. どんな本読むと書いてあるのだろう.
2015-12-08 (数学・物理の)読書はお金を使わないいい趣味であると書こうと思ったがネット代とPDFとか見られる端末が必要だったという話¶
昔、「ああ読書はいい趣味ですね。お金も使わないし」とぼくに言った人がいた。 ええと、平均を仮に1500円として、たとえば100冊買うといくらかな? とか大人気ない追求はもちろんしなかった。 彼に罪はない。毎月何十冊も本を買い続ける人種が存在することをただ知らないだけなのだから。
— みつき (@rich_twt) 2015, 10月 10
https://t.co/WKEoqvgV3j数学書や物理学書を買うと2000円で1年遊べる可能性もあるから、そういう読書を勧めていきたい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 10
ヨハネ福音書をギリシア語原文で読むと軽く1年は遊べる(その前にギリシア語学習で3年は遊べる)。
— cogitans_sum(好褥的) (@aenigma_aka_bck) 2015, 10月 10
最後のやつ, 物理の前の数学学習でもやはり数年かかるし, 物理でも永遠に遊べるし, 英語だとPDFとかもバンバン落ちているのでPDFが読める端末があれば, ネット代くらいでかなり遊べる. 永遠にPDFが読める保証がないので, そう思うと紙への印刷も必要なのかな, という気もしてくる.
あとヨハネの福音書, ヘブライ語原文だと思っていたがギリシャ語だったのか. 原典が何語だったのか何でどう調べればいいのかすらわからなくて, 自らの情弱さを感じる.
2015-12-08 コンピュータ上で表現できる数とexactに扱える数の差異を魔法少女が教えてくれたので¶
次のようなことを呟いたら魔法少女がいろいろ教えてくれた.
コンピュータで実数が表現できない(浮動小数点だか何かで表現できない)とかその辺、適当なことを言ったら前に何かで突っ込みを受けたような記憶があるのだが、それが何だったか思い出せなくてつらい。とりあえずまずは単純にコンピュータで実数表現できないと言って何がまずいか知りたい方の市民
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 12月 7
鍵アカウントだがとりあえず引用しておく.
@phasetr 代数的数は計算機でexactに表現できて, 四則演算, 大小比較, 原理的には順序環の言葉で書かれた一階の論理式の真偽などがエフェクティヴに計算できる. 幾つかの操作がエフェクティヴにできなくてもよいなら, 計算可能数の成す体も扱える.
@phasetr その意味で「浮動小数点数のような方法では実数をexactに扱えない」「いかなる表現方式でも全ての実数を表現することはできない」は正しいが「コンピュータでは無理数などの実数をexactに扱う方法はない」は正しくない.
@phasetr 記憶領域は可算通りの状態しか取れないので, どれだけ上手い表現方法であっても実数体の可算部分しか尽くせない, という意味では全ての実数を取り扱えるような方法はない.
とりあえずきちんとメモだ.
2015-12-10 数学徒が代数弱者を人助けする様子を記録しておく¶
非常に間抜けなことを言ったら速攻指摘してもらえて助かったので, 数学徒が人助けをする様子を記録して後世に伝えていきたい.
「群(G,・)の部分集合Hが演算・について群をなすとき、Hの単位元とGの単位元は同一であることを示せ」という問題がとても好き
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 4月 7
@y_bontenGが二次正方行列でHが(1,1)要素だけの行列で積を演算にしたとき、Hは部分群になりますが単位元が(1 0 \\ 0 0) になるのでGとHの単位元は一致しないのでは
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 12
@Jelly_in_a_tank@y_bonten超不安になってきたのですがGを二次の正則な行列に制限すればGとHの単位元ずらせます?
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 12
@Jelly_in_a_tank@y_bontenこれは割と死にたいレベルのミス
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 12
@Jelly_in_a_tank@phasetrモノイドにはなっているので、(1 0\\0 0)みたいな冪等元があるわけですか、なるほど。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 10月 12
@phasetr@Jelly_in_a_tank(1 0\\0 0) 自体が非正則なので、少なくともこのままではダメですね。それが一般的に不可能であることを、もとの定理が保証していると理解しています。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 10月 12
@phasetr@Jelly_in_a_tank@y_bonten正則なやつに絞るとそのHは(行列式0なので)全部弾かれますね
— 石塚 (@Yusuke_Ishizuka) 2015, 10月 12
@Yusuke_Ishizuka死にたいレベルの勘違いなので死にたい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 12
途中ツイートが消えていて抜けているが, $G$が群にならないだろうとか, $H$が群にならないとかそういう馬鹿みたいな指摘を受けている.
あと別のやりとりも記録しておく.
@y_bontenより一般に,環の直積 A×B の中の A×{0} や {0}×B で同様のことが言えますよね(A, B は零環でないとして).
— shu (@LT_shu) 2015, 10月 12
@y_bontenむしろ、単位的環(この場合は行列環)の部分環の単位元が全体の単位元と異なっている例として使えますね。
— のらんぶる (@nolimbre) 2015, 10月 12
岩永-佐藤の『>環と加群のホモロジー代数的理論』で環の場合の話があって, それとぐちゃぐちゃになっていた.
どれだけ代数できないのかと絶望的な気分になったが, 不勉強なのは不勉強なので仕方ない. また一つつ賢くなったと思っておこう. 群と環でまた事情がいろいろ違う話的な感じで きちんと認識しておきたい.
2015-12-11 研究者どころか修士くらいの学生であっても身元特定は簡単という話¶
今日のいい話だ.
そういえば半年ほど前、セミナーにちょっと変わった (確かミドルネームがあった) 名前の方がいらしたのが話題になったとき、その名前を手早く Google / arXiv / researchmap で検索して特定して見せたら「ネトスト力高いっすね」と言われたのを思い出した
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 13
事の本質は僕のネトスト力が高いことではなく、研究者相手なら一瞬でネトストができるということだと思います。はい。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 13
研究者は最初から、つまりM1くらいから芸名に相当するような名前を使ったほうがいいと思う。特に女性。ググればいつどこにいるか即座にわかってしまうし結構怖い。
— Aki (@astroaki) 2015, 10月 13
この流れでもう一つ面白いこと思い出しました。過去に友人の Z 君が、相転移 P 氏の正体を研究内容だけから特定したことがあります。
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 13
@H_H当人いわく、「新井朝雄先生に著書の誤植訂正表を送ったというのが動画でもあったし、そうなると奴以外いるはずがない」というアレもありました
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 13
@phasetrその手の筋の者からすれば、わざわざネトストするまでもないということですね
— H. Hosaka (@H_H) 2015, 10月 14
@H_H日本どころか世界レベルでどマイナーなので
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 14
最近でこそ名前も出して活動しているが, 出さなくてもほぼ筒抜けレベルの発言ばかりだったので, それはわかる人にはわかるだろう感ある.
あとまた少し別の話だが, 以前東大での田崎さんの集中講義に出て, その後の懇親会で清水研のM1の人に「相転移Pさん知ってます」と言われたこともある.
2015-12-12 (丸善の)分子模型のように数学でも遊べるやつないと思ったがチャートを貼り合わせて多様体を作るとかしか思いつかなかったのでさめざめと泣いた¶
小社では分子模型も販売させていただいています。高校・大学の有機化学、無機化学などの分野で「かたち」がわかる教材として、ご利用いただいています。全国の書店様を通じて購入可能です。ご興味のある方は下記HPをご覧になってください。(KY) http://t.co/WQ20gKAqGq
— 丸善出版営業部 (@maruzenpub) 2015, 1月 23
@maruzenpub懐かしいです。学生時代に買った記憶があります。ずいぶん以前から販売なさっていますよね?
— 結城浩 (@hyuki) 2015, 1月 23
@hyukiいつもありがとうございます。取り扱いがいつからかは分からないのですが、相当古いことは確かです。少しずつですが、新商品も出ております。引き続きよろしくお願いします。
— 丸善出版営業部 (@maruzenpub) 2015, 1月 24
化学とか物理, こういうので遊べるのが羨ましい. 数学でも手で遊べるの何かないだろうか. パソコンとかタブレット上ならそれなりにある気はするが.
チャートを貼り合わせて多様体を作るとか, そういう無茶なのを真っ先に想起したの, 本当によくない.
2015-12-13 数学科の院生が物理関係者相手に物理の部分がザルな発表をして猛烈に突っ込まれたというがもっとガンガン殴り合ってほしい¶
hiroki_fさんとSO880さんとの会話録.
数学科の院生が物理科のところに飛び込んで発表したら、物理の部分で猛烈なツッコミを受けて、「コミニュケーションが大事と言っといて、そんなに厳しくてはコミニュケーションとれないよ」と最後に言い放ったのは、そりゃそうだと思った。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 15
@hiroki_fそれどんな分野でどんな話だったのでしょうか
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@phasetrBose-Einstein 凝縮の話をしていたかと思います。じ詳細は忘れましたが、問題設定から間違えていたようです。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 15
@hiroki_fそれは数学の人といえど擁護できない感があります
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@phasetrしかし、数学の人の中には物理ガン無視の問題を作って、物理に関係ある問題といって研究をしている人は普通な気がするので、 まだ、そうやって物理の人のところに飛び込んだのは誠意があるかと思います。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 15
@hiroki_f学部の頃、固体物理の講義で内積をベクトルで割って、その結果をベクトルと言った教官もいましたし、理工系でも数学しょっちゅう馬鹿にされているので、その辺はお互い様感があります。普段は適当に対処していてもやはり目の前にわざわざ来たら互いにタコ殴りでしょう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@phasetr@hiroki_fそれは物理サイドから見てもちょっと…
— SO(Drmiggy) (@SO880) 2015, 10月 15
@SO880@hiroki_f工学の教官に常微分方程式の解法で「解をこのように仮定する」の一文がないだけでいい加減だと言われて意味不明で衝撃を受けましたし、数学の人が物理や工学の文献が本当に読めなくてそれで理解が阻害されているのもあるとは思っています。
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@SO880@hiroki_f結局、出会ってしまったら互いに殴り合うのが一番早く正確なコミュニケーションになると思っているのでどんどんやれと。私は私は間を埋めるようなコンテンツ色々作る方で頑張ります。今は数学寄りすぎと思いますが、少しずつ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@SO880@hiroki_f実際、昨日 https://t.co/pW7pceldkuというのがあったので改めて http://t.co/I7vQiSXsxiとか作ってみました。好き放題言ってもいいが当然こちらも好き放題言うのがやはり健全という感
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 15
@phasetr@SO880 少年漫画よろしく互いに容赦なくボコボコやりあったあと、マブダチになるのが理想ですね。
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 16
ここで書いたこととしてはとりあえず
だろうか. あとは一応次のプロジェクトもだ. - 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト それぞれ地道に頑張ろう.
2015-12-14 教科書紹介: Quantum Information Meets Quantum Matter¶
「Quantum Information Meets Quantum Matter」 量子情報理論のアプローチで物性論の問題に取り組む方法についてまとめたもの http://t.co/vzFgh2pN17
— Toshihiko Shirakawa (@candidusflumen) 2015, 9月 26
気になる. とりあえずメモだ.
2015-12-15 コミケ情報: 3日目東ホ07b「石貫會」量子コンピュータについて理論的側面から解説した「Effective量子コンピュータ」¶
【#C89お知らせ】量子コンピュータについて理論的側面から解説した「Effective 量子コンピュータ」を、3日目東ホ07b「石貫會」にて頒布します。よろしくお願いします! https://t.co/2gSRxye8Xopic.twitter.com/Qn69CT4AnH
— 蟷螂@C89三日目東ホ07b (@kamakiri_ys) 2015, 12月 14
@kamakiri_ys超いい表紙ですね!Gottesman-Knillの定理(Pauli basis状態のconvex mixture)及びマジック状態が描かれている。
— Keisuke Fujii (@fgksk) 2015, 12月 14
@fgkskありがとうございます!Gottesman-Knillの定理とマジック状態には本文でも触れていて、キャラクターと関連付けて描いてもらいました。
— 蟷螂@C89三日目東ホ07b (@kamakiri_ys) 2015, 12月 14
ちょっとほしい. とりあえずメモ.
2015-12-16 『いまだに人類は微分形式を十分に使いこなしていないと思います』¶
>いまだに人類は微分形式を十分に 使いこなしていないと思います. http://t.co/ZiFMzYVZDn
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 11
引用された部分もパンチ力があるが, 最初の問とその回答もなかなか面白い.
2015-12-16 深谷賢治・斎藤恭司対談『現象との関係とか、物理として何が大事かということを見てとるのは、物理学者の一番大事な能力、その人の物理学者としての根源を作っている能力だと思うんです。』¶
物理のトレーニングをしてない数学者がこれを持つのは難しいと思う。>現象との関係とか、物理として何が大事かということを見てとるのは、物理学者の一番大事な能力、その人の物理学者としての根源を作っている能力だと思うんです。http://t.co/GB80Omxh7K
— Hiroki Fukagawa (@hiroki_f) 2015, 10月 15
逆もまた然りという感じはあるが, そもそもどのくらいそういうのが必要なのかとかそういうのになるとまた別だ.
私のような数学でも物理でもない半端者は本当につらいことだけは常に感じている.
2015-12-17 Lipschitz連続な関数と$u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$のほとんどいたるところの微分可能性¶
今ちょっと微分方程式をもう少しきっちりやってみよう月間で EvansのPartial Differential Equationsを読んでいる.
流し読みして様子を見ているのだが, P.280 からの Sobolev 空間の元の可微分性の特徴づけのところで メモしておきたいことがあったのでブログにもメモをしておく.
それは P.280 Theorem 5 と P.281 Theorem 6 (Rademacher) だ. 次元 $n$ が十分大きいとき (Sobolev 不等式で決まる定数だったはず), $u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$ はほとんどいたるところ微分可能であること,
特に Lipschitz 連続な関数はほとんどいたるところ微分可能であることだ.
いったんメモとして証明は書かずにおくが, そのうち動画にして証明もまとめたい.
2015-12-18 宣伝: 東大数理の動画公開『Grothendieckの学生だったIllusieさんの駒場での講演が視聴できます』¶
Grothendieckの学生だったIllusieさんの駒場での講演が視聴できます。『 Grothendieck and algebraic geometry 』 http://t.co/CSuZ0WILvI
— つぼいたかし (@Tsuboi_Takashi) 2015, 2月 26
よく算数で「たかしくん」が出てくるが, 世界でも最強レベルの「たかしくん」として著名な坪井俊先生のツイートだ.
動画はYouTubeに上がっている. こういうのも増えてきたがやはり個別の大学とかそういうレベルでしか まとまっていないのがつらいところ.
一応簡単にページから講演について引用しておこう.
Speaker Luc Illusie (Université de Paris-Sud)
Title Grothendieck and algebraic geometry
Abstract Between 1957 and 1970 Grothendieck deeply and durably transformed algebraic geometry. I will discuss some of his revolutionary contributions.
2015-12-19 Uffe Haagerupの訃報を知る方の市民: 数学, 作用素環で著名な研究者¶
衝撃の事実.
Haagerupさんお亡くなりになってたのか...
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 12月 19
@phasetrhttps://t.co/fzqBDOdjNWここで知りました
— たんじぇ (@f_tangent) 2015, 12月 19
AMS noticeでのPDFは次.
- http://www.ams.org/publications/journals/notices/201601/rnoti-p48.pdf
PDFでも紹介があるが, 冨田-竹崎理論での貢献はもちろん, Haagerup propertyは私ですら名前を知っているレベルの作用素環まわりの基礎という感じがある.
簡単だがとりあえず記録しておく.
2015-12-19 京大RIMS望月新一さんの宇宙際Teichmüllerの普及の2015-12での現状¶
ABC予想を証明したと主張する宇宙際タイヒミュラー理論の現状。第一線の数学者が望月新一さんのセミナーに集まったが、難しすぎてイラついているようですね。証明に理論全部はいらないとか、言葉遣いが変とか、あまりに抽象的すぎるとか… https://t.co/GlDHmORkr4
— Yuta Kashino (@yutakashino) 2015, 12月 17
@yutakashino一流の数論研究者に「なんでこんなに抽象化するのか意味不明」と言わしめるわけですか,宇宙際タイヒミュラー….
— Yuta Kashino (@yutakashino) 2015, 12月 17
数学のわけのわからなさ, どこにあるのかと考えてみるとあまりよくわからない. 抽象的だから, とか何とかいう通り一遍の説明はあるが, それはそれであるにせよ, ならそれだけか, といわれると当然他にもあるはずで.
全く考えはまとまらないがふと思ったのでとりあえずメモ.
2015-12-19 論文紹介: 関数解析を使った有界コホモロジーの研究, Matsumoto-Morita Bounded cohomology of certain groups of homeomorphisms¶
松元-森田(敬称略)のBounded cohomology of certain groups of homeomorphismsを逃避行動で最近読んだのだけど、めっちゃ面白いと思った。 函数解析を大量に使って有界コホモロジーを研究している文献。
— מורינומיציה גודזילה (@morinomichi_311) 2015, 10月 13
函数解析を勉強仕立ての学生にすごく薦めたい文献。 函数解析=微分方程式の道具、という先入観を崩すのに良い刺激になると思う。
— מורינומיציה גודזילה (@morinomichi_311) 2015, 10月 13
大雑把に説明すると、(R加群の)チェイン複体にl^1ノルムを導入してノルム空間とみなして函数解析をする話。 函数解析を使ってホモロジー代数の非自明な結果がどんどん導出されていくので、慣れてない方には刺激になるように思う。
— מורינומיציה גודזילה (@morinomichi_311) 2015, 10月 13
Bavardの双対定理の証明でHahn-Banachを使う議論は元からフォローしていた私でも、松元-森田の徹底した函数解析の活用には度肝を抜いた。 これを読むとフォローしてても自然に思えなかったBavardの双対定理の証明が自然に思えてくる。
— מורינומיציה גודזילה (@morinomichi_311) 2015, 10月 13
昨日紹介した松元-森田だけど、公式に無料入手可能らしい。 http://t.co/lBOa0ke2hp
— מורינומיציה גודזילה (@morinomichi_311) 2015, 10月 14
面白そう. 「有界コホモロジー何ぞ」とかそもそもコホモロジーよくわからないとかいろいろあるが, 興味をそそられる. 動画作るついでに勉強したい.
2015-12-11 Serreへのインタビュー: $p$-進整数環が多様体に忠実に作用するか?¶
これかな。 https://t.co/VwVDbkG5Vg
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 12月 11
P進整数環が多様体に忠実に作用するか?はSerre先生がインタビューの中で、Hilbert第5問題のとの関連で挙げていたので覚えていた | https://t.co/ygy9f91aC1#springerlink
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 12月 11
このインタビューは邦訳があります| 数学を語ろう!2 代数・数論・数学史篇 : https://t.co/ejnd6BGvjF
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 12月 11
このインタビューの中で、Hilbertの第5問題は、「中心的な問題が解決されることで、ひとつの理論が死ぬことがある」例としてSerre先生が挙げているもの。
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 12月 11
この問題(第5問題)の解決後、この線で残っている、興味ある問題として、さっきのZpの忠実作用の問題を挙げ、非常に難しいだろうが解けても特に応用はないだろう、としている。
— Iwao KIMURA (@iwaokimura) 2015, 12月 11
流れも何もかもよくわからないが, とりあえず自分の心に従って記録しておく.
2015-12-23 Solovayでの解析学: 衝撃的な定理がいろいろ成り立つらしいので¶
面白そうで少しコメントしたので.
Solovayモデルの中での関数解析を調べてるんですけど、今のところ「任意の実数の集合が可測」「任意の実数の集合がBaireの性質を持つ」「任意の完備Banach空間の間の線型汎関数は連続」「可分なBanach空間に対するHahn-Banachの定理」あたりがわかっている
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
それで、関数解析とか作用素環とか確率解析とかのひとに訊きたいんですけど、選択公理が成り立たなくてもこんな結果が成り立っててくれると嬉しいなあ、みたいな定理ないですかね
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
因みに完備性を落として「可分なノルム空間に対するHahn-Banach」にするともう成り立たない
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
あ、あとL^∞* = L^1 っていうのもあった。
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
特に選択公理とか気にせずに、なんかこんな定理をよくつかうよみたいなのを教えて貰えればその弱形について考えたい感じです
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
σ-有限な測度空間 S に関しては L^1(S) が回帰的になるらしい
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
しかしとてもかなしいことに、ここまでの結果には別に Solovay のモデル必要ないんだよな……(ZF+DC+任意の集合がベールの性質 くらいの無矛盾性があれば十分で、これにはSolovayモデルの要といえる到達不能基数は不要)
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
@mr_konnHahn-Banachの定理、Baireのカテゴリー定理、Alaogluの定理、Banach–Steinhausの定理辺りリクエストします。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 16
@mr_konnヤッター(体の制約もなるべく広めにお願いします)
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 17
あとこれ.
Baire Thmは完備距離空間のならDCあればいけるな
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 17
@mr_konn距離化不可能かつ局所コンパクトでない完備局所凸空間とかでどの程度言えるのか(どの程度の範囲で言えることを課しても問題がないのか)とかも少し気になります。
— p進大好きbot (@non_archimedean) 2015, 10月 17
あ、あとL^∞* = L^1 っていうのもあった。
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 16
これはある特定の世界を想定していて、従属選択公理は成り立つけどACは不成立で、任意の実数の集合がLebesgue可測でBaireの性質を持ち、可分なノルム空間に制限してもHahn-Banachが成り立たず、完備ならOKで、L^1が回帰的、線形なら連続、みたいな世界です。
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 17
これ割と衝撃感ある. $W^{1, \infty}$ だとどうなのだろう.
そして面白そうだったのでコメントしたのがこれ.
@mr_konn関数解析ならHahn-Banach, Banach-Steinhaus, 閉グラフ定理、アラオグルの定理などいわゆる基本定理群が成り立ってくれないと困る感はあります。作用素環だと単位元があるときの状態空間の汎弱コンパクト性とかGNS構成定理はやはりほしい
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 17
@phasetrふむふむ……!ありがとうございます!
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 17
@mr_konnあと関数解析というより偏微分方程式・実解析でしょうが、ソボレフの埋め込みで領域が有界・非有界で埋め込みが連続なだけかコンパクト埋め込み(埋め込み作用素がコンパクト作用素になる)になるかというのはそれなりに実用度も高いのではないか説。AC関係あるのかわかりませんが
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 17
@phasetrほうほう……!これは、通常は成り立つ性質ですか?
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 17
@mr_konn非常に基本的な性質で通常成り立つ性質です。偏微分方程式の本には必ず書いてあるはずです。「領域が非有界だとコンパクト埋め込みにはならないから注意しろ」という注意が必ずあるので、ACなしでこれが壊れるとそれなりにつらいことになるという認識
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 17
@phasetrなるほどなるほど。成り立つのか、成り立たないならどの程度条件を課すと成り立つのか、調べてみたほうがよさそうですね。どうもです!
— induction hypotheses (@mr_konn) 2015, 10月 17
すごい世界もあるものだ.
2015-12-27 Springerから本が色々無料DLできるようになったらしい: 例えばMacLane-MoerdijkのSheaves in Geometry and Logic (SGL)とMarkerのModel TheoryがSpringerのサイトからPDFダウンロードできるようになっている¶
SGL https://t.co/nIr7qJNQzF Model Theory (Marker) https://t.co/AMDlbSBBzj なるほど
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
MacLane-Moerdijk の Sheaves in Geometry and Logic (SGL)と, MarkerのModel Theoryがダウンロードできるようになっている.
他にもいろいろあるみたいなのでとりあえずツイートはっておく.
【Introduction to Cyclotomic Fields - Springer】 https://t.co/HLq3hk5WT2
— alg_d (@alg_d) 2015, 12月 27
Jech, Set Theory https://t.co/uz6TzKwWVU Kanamori, The Higher Infinite https://t.co/BAY1PWjspF
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
Kechris, Classical Descriptive Set Theory https://t.co/sPpW3M4GGQ
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
Poizat, A Course in Model Theory https://t.co/gsDbOeuMg6
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
CWM (2nd ed.) https://t.co/FQuD0qn342 Iversen, Cohomology of Sheaves https://t.co/o4dQ08CO1Q
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
GTM一覧(たぶん) https://t.co/IMCSGnki6a
— なれ (@nareO7) 2015, 12月 27
@nareO7こちらの方がいいかと https://t.co/mmAVeHPkqE
— ぴあのん (@piano2683) 2015, 12月 27
いつまでダウンロードできるのかはわからないが, SGL は読んでみたいと思っていたので超嬉しい. 早速ダウンロードした. いつ読めるかは相変わらず不明なのが悲しい.
関係ないが, ありとあらゆる学問分野でマイナー分野世界一決定戦とか開いてほしい. 何で測るといいかが微妙だが, 尺度ごとの世界一が測定できるとなお楽しい.
追加情報¶
ブルブルエンジン兄貴がまとめてくれた.
そのうちお勧めをまとめたい.
追記その2¶
【超朗報】「数学者のためのロシア語」ダウンロード可能! I'm reading Russian for the Mathematician https://t.co/9pdLWbX4F5#springerlink
— のらんぶるん (@nolimbre) 2015, 12月 27
汎関数積分系統の構成的場の量子論の論文で, ロシア語の文献が引用されたことがある. 念のためダウンロードしておいた.
2015-12-29 数学アクセサリに関するやり取りメモ: 気に入って頂けているようなので¶
髪の毛を切ろうかと思ったけど、私が女子トイレで手を洗ってたときに入ってきた淑女がこちらを見るなり焦った様子で入口の標識を確認しに行く事案に本日遭遇してしまったので、切りに行く機運が下がってしまった
— ばんぬ (@sorayana123) 2015, 10月 23
@sorayana123そんなときこそ相転移Pイヤリング!
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 10月 23
@y_bontenあっ ε 持ってます!!そうかあれを装着すると女子力アップ...w
— ばんぬ (@sorayana123) 2015, 10月 23
@sorayana123あれはやっぱりショートのときに着けないともったいないですね。実際にお見かけしたとき、本当によく似合っていましたよ。
— ぼんてんぴょん(Bontenpøn) (@y_bonten) 2015, 10月 23
@y_bontenあれまぁありがとうございます...!ちょっと元気が出てきましたw 普段はアクセサリーとか全く着けないんですけど、相転移Pのイヤリングは楽しみながら抵抗なく着けられるので大事にしていますねぇ
— ばんぬ (@sorayana123) 2015, 10月 23
数学アクセサリはhttps://minne.com/phasetrにこれまでの作品を出しているので, 興味がある方は見てみてほしい. http://math-accessory.com/もあるのだが全然更新していない. これももう少し動かしたい.
2015-12-31 『殴っていいのは殴られる覚悟のある奴だけだ』: 研究者への追憶¶
研究者であるytb_at_twtさんからご指摘頂いたのでメモ.
何かよくわからないし正確な情報もわからないが、個人的に数学者は数学で世界を殴れる人で、研究者は(数学に限らず)研究そのもので世界をぶん殴れる人くらいの大雑把なイメージがある。いい加減なことを言っている異常者を殴れるだけの知力・精神力・武力があるなら数学者認定したい気持ちがある
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 24
誤:数学者は数学で世界を殴れる人で、研究者は(数学に限らず)研究そのもので世界をぶん殴れる人 正:数学者は数学に殴られ続け、研究者は(数学に限らず)研究対象に殴られ続ける人、というかサンドバック。 https://t.co/eYAVC7LEhz
— ytb (@ytb_at_twt) 2015, 10月 24
https://t.co/t8U5Dr3LNkコードギアスのルルーシュよろしく、殴っていいのは殴られる覚悟がある奴だけだ、を本歌にしたのだが、やはりきちんと明示した方が実際の現場に合うようなので深く反省している。あとでブログにも記録しておこう
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 10月 24
最近研究できていないのでつらい.