2017¶
2017-12-30¶
jun¶
マイナス×マイナスがプラスになることを疑問に思っているのですが, どう思われますか? 便利で矛盾が起こらないという理由ぐらいしか思いつかず, しっくりときていないのですが…
関根良紹¶
何というか, どういうところで疑問なのかが全然わからないのでその上での回答です. よく挙がる疑問であり, 定型の回答もあるのですが, それを個々人がどう納得するかはいろいろありえて, 理解に時間がかかるとか, 理屈はよくても心情的に納得しきれないとかいろいろあって, どこでどう引っかかっているのかこちらも理解しきれていないので, まずはできることをやりましょうということで.
最初に雑感¶
下でいろいろ書きながらいろいろ考えて, まず一番感覚が合わなくて説明に苦慮するのは, 結局, 私は「便利で矛盾が起こらない」という理由こそ一番大事だと思っていて, これでしっくり来ないと言われても説明に困る, というところです.
何というか, ありとあらゆる人が従えて矛盾を引き起こさないルールを決めること自体が恐ろしく難しく, それができた時点で偉業だ, というくらいの感じです. 数学に限らず, 自分で適当に論陣を張ろうと思うともぐら叩きのように問題が湧いて出てくるので, 矛盾なく便利なルール設定ができる遥かな奇蹟を想ってほしいというか. うまくまとまらないのですが.
現実ベースが純数学か¶
で, 私が今まで見聞きしてきた限りでは, 問題は大きく 2 つに分かれます. 純数学的にどう捉えるかという話と, マイナス $\times$ マイナスを算数というか現実ベースでどう捉えるか, という話で考えるべきことが少し変わります. このうち現実ベースの話として実際に質問されたこともあるのは, 「マイナス $\times$ マイナスがプラスになる」ことを「借金と借金をかけると利益になる」と曲解して混乱してわけが分からなくなる, というのもあります. シェークスピアが言ったので有名だそうですが.
純数学的観点¶
すっきり終わるので純数学的な方から: これはマイナスの定義とも合わせてマイナス $\times$ マイナスはプラスになるのだと定義した, それ以上の何かはありません. 純粋に数学としてのルール設定の話であって, 数学内部の話だけで片をつけます. もちろんそう定義することにした発想の源流はあって, それは算数なり現実的な応用なり何なりです.
問題はそもそもマイナスをどう定義するのかという話でもあり, 代数学の適切で面白いセッティングがそれだ, という話です. 数学としてはそう決めると面白い理論が作れて, 具体例もたくさんあって楽しい, という以上の話はしようがないです.
考えると面白い世界をいかにして作るか, その世界でどう遊ぶのか, というところで勝負するのだと思っても構いません. 便利で矛盾が起こらず, そして楽しいことに価値があるので, そもそも議論の土台が全く違います.
現実ベースの観点¶
で, たぶん問題なのは現実の話だろうと思っています. 外れていたらそれはあとでまたやり取りするとして, ここから現実の話.
まずマイナスをどう捉えるか, という話で, これは原点つきの尺度に対して正か負か適当に決める, という程度の意味です. こちらもこちらで究極的にはそう定義すると都合がいいからとしかいいようがないのですが, 他の方も見ているという前提で, とりあえずそう定義したくなる気持ちを説明していきます.
現実的な応用の状況で, マイナス $\times$ マイナスをプラスにしたくなる気持ちの話です.
具体的な状況を設定しましょう. 面倒なのでシンプルな設定で.
- 家から学校に向かう.
- 家から学校への道はまっすぐ.
- 玄関を出て右に学校がある.
この上で, 家から学校に向かうことを考えましょう. 状況その 1 として, 秒速 1m で学校に向かったとして, 5 秒後にどこにいるか, というのを考えると 1 $\times$ 5 で玄関から 5m 学校側のところにいるはずです.
状況その 2 です. 家の左にポストがあって, ポストに郵便物を入れてから学校に行くことにしたと思いましょう. このとき, 寄り道するから急いだとして秒速 2m で左に進んだとして, 5 秒後にどこにいるか, という問題を考えると, $2 \times 5 = 10$m ポストに進んでいるはずです.
もう 2 つ状況を考えます. 状況その 3: 秒速 3m で学校に向かっていたとして, 5 秒前にこの人はどこにいたか, という状況: いまいる位置を基準にすると, これは $3 \times 5 = 15$ で 15m 分, ポスト側にいたはずです.
状況その 4: 秒速 4m でポストに向かっていたとして, 5 秒前にこの人はどこにいたか, という状況: いまいる位置を基準にすると, これは $4 \times 5 = 20$ で 20m 分, 学校側にいたはずです.
ここで時間の前後と学校側とポスト側を機械的に処理することを考えましょう. 機械的に処理できるようにルールを決めます.
- 空間的に右側, つまり学校側に進むことをプラスの方向に進むとする.
- 空間的に左側, つまりポスト側に進むことをマイナスの方向に進むととする.
時間に関しても同じです.
- ある時刻より後のことを時間的にプラスの方向に進むとする.
- ある時刻より前のことを時間的にマイナスの方向に進むとする.
これで先程の計算を機械処理します.
- 状況その 1: $+1 \times (+ 5) = 5$ で $+5$m の位置にいる.
- 状況その 2: $-2 \times (+ 5) = -10$ で $-10$m の位置にいる.
- 状況その 3: $+3 \times (- 5) = -15$ で $-15$m の位置にいる.
- 状況その 4: $-4 \times (- 5) = 20$ で $20$m の位置にいる.
$\pm$ を学校側とポスト側に正確に対応させるには, いわゆるふつうの符号計算ルールを取るのが合理的です.
いちいち具体例を挙げるのは大変なので, 必要なら具体例を自分でいろいろ考えてみてほしいのですが, 支出と収入, 地上何階と地下何階のように, 適当な原点が設定できてそれより多い・少ない, 大きい・小さいという視点が導入できて, その計算に意味がある場合は同じルールを導入すれば, 余計な頭を使わなくて便利です. この省エネのためのルールです.
右の方に向かうことをプラスで表現
この状況で, 家の前を原点にして, 距離に関しては右を正に取ります. 7:00 に家を出たとし
2017-12-26 「方程式を解く」というときの「解く」の意味的なアレ¶
本文¶
イケメンエリートのあさみさんとの対話が面白かったので記録しておく.
といいつつそもそも「ナビエ-ストークス方程式に一般解がある」という状態がピンとこないというか, あったら逆に困るような気がする程度には数学が不自由
@adonis_fish 「ナビエ-ストークス方程式に一般解がある」というのはどういう意味で使っていらっしゃるのでしょうか
@phasetr 失礼しました, ミレニアム問題的な意味です. 困るという言葉もアレだったと思いますが, どうも水とか大気とか物理的な流体でしか捉えられないせいか近似で解くほうがしっくりくるといいますか, えっ解けるの, みたいな感覚がぬぐえませんで, 存在して全然構わないのは承知しています
@adonis_fish はじめの言明で気になったのは「一般解」というところです. 「解ける」と言う言葉の使い方も気になります. 解の存在・一意性証明を「解く」とは (特に非数学関係者は) あまり言わない気がすると言う程度の感覚的な話です.
@phasetr なるほど. 個人的には非数学関係者のほうが「解の存在・一意性証明」という (一見して) 難解な言葉遣いを避けてたんに「解く」と言い下してしまっているような (特にミレニアム問題の文脈では). これもただの印象ですが…普段接している言葉の領域が違うのかもしれませんね.
@adonis_fish 「解く」というと厳密解・近似解に限らず, 数値計算含めて適当に具体形を求める・求めようとすると言う感じで使われる印象がります. 数学で存在や一意性問題を考える場合「解の存在問題を解く」と言う感じで適当に限定するような印象です
@phasetr 仰る意味は理解しますが, こう, いわゆる「社会的」にはかなり厳密な使い分けかもしれません… 方程式を解いて具体形を手に入れる必要のない人にとっては, 解が存在するかどうか, ということとそれを具体形で手に入れられるかどうか, ということの区別にあまり意味はないので
@phasetr なんかあんまり上手く説明できていませんが, その程度の非常に分解能の悪い意味で「解く」を使ったとお考え頂ければと思います. 今後はより精確な言葉遣いに努めさせていただきます. .
@adonis_fish それは初めて知りました. そして衝撃です
@phasetr たぶん, これが使ってる言葉のフェーズが違うということだと思います. 方程式, うんあの $x$ とか $y$ とか出てくるやつね, というレベルを引き合いに出すのは妥当ではないかもしれませんが.
@adonis_fish 単純な疑問で, あさみさんも同じ感覚で「解く」という言葉を使っているという事でしょうか. あとその感覚, おつきあいのあるどんな人たちで見られる感覚でしょうか. 理工系の人間の感覚ではない, という漠然としたアレはあるのですが証拠は何もないので私, 気になります!
@phasetr まず 1 つ目のご質問ですが, 私は文脈や媒体, 話している相手によって言葉の意味, 定義の厳密さ (分解能という単語を先ほどは使いました) を変える, ということを日常的にやっている人間ですので, 簡便のために区別しない使い方をすることはあります (続く)
@phasetr 「同じ感覚で使うこともできるし, 使わないこともできる」というのがお答えですが, 数学に限らずツイッターにおける私の言葉の選び方はかなり感覚的なものなので, もしかしたらそっちがべースなのかもしれません. 理屈で区別しているだけなのかも.
@phasetr あと「その感覚はどんな人たちのものか」というご質問については, 仰るとおり理工系の方にはないですし, 文系ですらないというか, そもそも抽象的な思考をする習慣がないような方です. 結構います.
抽象的な思考というの, どんなものなのか今一つ分かっていない. 一般論と抽象論の区別もいまだにつかないしよく分からない.
追記¶
かもひろやすさんから次のようなコメントを頂いた.
解に実効的に収束する計算可能列を見つけたら解けたという感覚で仕事をしています。
— Hiroyasu Kamo ((φ→ψ)→φ)→φ (@kamo_hiroyasu) 2017年12月26日
実効的に収束するというのを適当に調べた上で追記しておきます
— 相転移P (@phasetr) 2017年12月26日
実効的な収束について、Mathtodonに書いておきました。https://t.co/Wkxmrqkz91
— Hiroyasu Kamo ((φ→ψ)→φ)→φ (@kamo_hiroyasu) 2017年12月26日
距離空間上の点列 $(a_n)_{n \in \mathbb{N}}$ が $\alpha$ に収束することは、 $\forall \varepsilon >0 \exists N \forall n \geq N [d(a_n, \alpha) < \varepsilon]$ で定義されます。これを離散化してスコーレム化すると、 $\exists \phi \colon \mathbb{N} \to \mathbb{N} \forall k \in \mathbb{N} \forall n \geq \phi(k) [d(a_n, \alpha) < \varepsilon]$ と同値になります。ここで、 $\phi$ として計算可能関数が存在するとき、$a_n$ は $\alpha$ に実効的に収束するといいます。
当然、実効的な収束は単なる収束よりは強い条件になります。
私が知らない収束概念がまた 1 つ増えてしまった. 楽しい.
2017-12-22¶
関根良紹¶
こつち, 割と単純に中高数学へのリベンジ目的なのか, 各種大学レベルの議論や, 適当に発展的なところを見たいのかによって意識がかなり変わりそうですが, まずはふつうの中高の数学にフォーカスして進めましょう.
特に遊べるネタとコンテンツが多いので, 大学受験まわりはかなりいいのではないかと思っています. あとは物理あたりの応用を見てもらってイメージつけてもらうこと. 大きなことをやろうとすると疲弊するので, 日々小ネタを紹介して, 後でまとめて大きく出そうと思っていて, そのための小さなコンテンツ提供していこうと思っています.
2017-12-21¶
かもさんがいいことを言っていたので共有.
長い間放置で申し訳なかったのですが, そろそろこちらも復活させます.
2017-12-18¶
今井敏正さんから¶
量子論の数理とリーマンのゼータは、大変興味深く拝見しました。 物理にゼータ関数が使われるということになるでしょうか。 また、物理と数学が違うということでしょうか。 現実的に、数学と物理が違うということは絶対にありえなく、 どこかに必ず問題がある筈ですが、興味深いと思います。
関根から¶
コメントした気になっていたら, できていなくていま衝撃を受けながら急ぎコメント書き直しています.
物理にゼータ関数が使われるということになるでしょうか。
今回の話に関して, というところで言うなら, 物理に由来する, 物理に近いところでゼータの話が展開できる, というだけで別に物理にゼータが使われているわけではありません.
全く期待しているのと違うだろうとは思いますが, 固体物理では計算の中でゼータの特殊値が出てくる, という話はあります. http://home.hiroshima-u.ac.jp/ino/lecture/SSP1note3_ino2017.pdf の P.17 あたりに出てきます. 単に計算していたらその値がゼータで書ける, というだけです.
また、物理と数学が違うということでしょうか。 現実的に、数学と物理が違うということは絶対にありえなく、 どこかに必ず問題がある筈ですが、興味深いと思います。
意図がよくわかりませんが, 私はこういうところに, 何というか「夢」は持っていなくて, 物理は物理, 数学は数学で, 私の感覚としては全くの別物ですね.
お互いに都合のいいときに 都合よく道具にし合っているという感じはあります.
数学と物理が違うということは絶対にありえなく、
「絶対にありえない」というのが何なのか よくわかりませんが, 見たいものが全然違うので, 同じと思う方がどう考えても無理でしょう.
数学者は数学したいのであり, 物理学者は物理がしたいし, 自然現象が知りたいのであって, 数学したいわけでも数学のことが知りたいわけでもないので. もちろん逆もまたしかりで.
2017-11-28¶
もとの問題¶
数列 $\seqnats{a}$ の上極限は, $\inf_{n \geq 1} \sup_{k \geq n} a_k$ もしくは $\limntoinfty \sup_{k \geq n} a_k$ で定義されているとする. $\alpha$ が数列 $\seqnats{a}$ の最大の集積値ならば, $\alpha$ は $\seqnats{a}$ の上極限であることを示せ. 逆に $\alpha$ が数列 $\seqnats{a}$ の上極限ならば $\alpha$ は $\seqnats{a}$ の最大の集積値であることを示せ.
挙げられた解答例¶
\begin{proof} 最大の集積値 $a$ に収束する部分列を $\seqnatkin{a_{n_k}}$, $\seqnats{a}$ の上極限を $a$ とする. $\alpha = \infty$ ならば, $\seqnats{a}$ は上に有界ではないので, 上極限 $a$ も $\infty$ である.
$a = - \infty$ ならば, 仮定により $\alpha$ 以外に集積値はあり得ず, $\seqnats{a}$ は $- \infty$ に発散し, 上極限 $a$ も-∞である.
以降 $\alpha$ は有限とする. $\alpha$ に収束する部分列 $\seqnatkin{a_{n_k}}$ に対して, $a_{n_k} \leq \sup_{i \geq n_k} a_{i}$ だから, $n_i$ を十分大きく取れば $\alpha \leq a$ である. $a$ も $\seqnats{a}$ }の集積値の一つだから (上極限が集積値の一つであることは明らかであるが, 下に述べる逆命題の証明のところでも触れるので, それを参照のこと), $\alpha$ の最大性により $\alpha = a$ でなければならない. よって, $\alpha$ が上極限であることが示された.
逆に $\alpha$ が上極限であるとする. $\alpha = \infty$ ならば, $\seqnats{a}$ は上に有界ではないので, ある部分列 $\seqnatkin{a_{n_k}}$ は $\infty$ に発散する. この場合 $\alpha = \infty$ が最大の集積値である.
$\alpha = - \infty$ ならば, $\seqnats{a}$ は下に有界ではないのだから, ある部分列 $\seqnatkin{a_{n_k}}$ は $- \infty$ に発散する. 別の部分列 $\rbks{a_{m_l}}{l \in \bbN}$ が有限値 $a$ に収束するとする. 任意の正の数 $\varepsilon$ に対して, $a - \varepsilon < a < a + \varepsilon$ となり, $a - \varepsilon < \sup_{k \geq m_l} a_l$ が成立する. $m_l$ を十分大きくすると, $a - \varepsilon \leq \alpha$ となるが, 今の場合 $\alpha = - \infty$ だから矛盾する. よって, 有限な集積値 $a$ は存在しない. 部分列 $\rbks{a_{m_l}}_{l \in \bbN}$ が $\infty$ に発散するなら, 上極限も $\infty$ でなければならないが, $\alpha = - \infty$ だから矛盾する. よって, 今の場合 $\alpha = - \infty$ が唯一の集積値である.
以降, $\alpha$ は有限とする. 任意の正の数 $\varepsilon$ に対して, ある自然数 $N$ が存在して, $\alpha - \varepsilon < \sup_{k \geq N} a_k < \alpha + \varepsilon$. よって, ある自然数 $n_k \geq N$ が存在して, $\alpha - \varepsilon < a_{n_k} < \alpha + \varepsilon$ が成り立つ. 任意の $\varepsilon$ に対応して, このような $n_k$ が必ず存在するのだから, $\seqnatkin{a_{n_k}}$ は $\alpha$ に収束する部分列である. すなわち, $\alpha$ は $\seqnatk{a}$ の集積値の一つである. $\alpha < a$ となるような集積値 $a$ が存在すると仮定しよう. $0 < \varepsilon < (a - \alpha) / 2$ となるような $\varepsilon$ に対して, $a - \varepsilon < a_{m_l} < a + \varepsilon$ を満足する $a_{m_l}$ が存在しなければならない. $\alpha < \varepsilon < a - \varepsilon$ だから, $\alpha + \varepsilon < \sup_{k \geq m_l} a_k$ となる. ここで $m_l$ を十分大きくすれば, $\alpha + \varepsilon \leq \alpha$ となって $\varepsilon \leq 0$. これは $\varepsilon$ の取り方に矛盾する. よって, このような $a$ は存在せず, $\alpha$ が最大の集積値であることが示された. \end{proof}
解答に関して¶
まずは適切な問題の定式化と解答に関する参考 URL.
こういうのはだいたい英語で探せばすぐ見つかります. このページでは数列を有界に限っているところがポイントです. 無限大になる場合に最大値という言葉を使うのはたいていの場合不適切だからです. 参照したページで命題の中では $\sup$ を使っていて, 最大という言葉は使っていません. トップのコメントで「maximum limit point」と言っている部分は怪しいですが.
有界に限っている場合の証明は上記ページを見ればすぐわかるので, 詳細は省略. 気分的には解答例で正しいです. あくまで気分的には.
もとの問題と解答例へのコメント¶
問題と解答例は雰囲気的にそれっぽいですが, 細かいところでいろいろな配慮に欠けていて, ちょっとな, というのが第一印象です.
まず文章が読みづらいし, コメントもしづらいので TeX 覚えて TeX で書いてほしいですね. そういうコンテンツも作らないといけなさそうという気はしますが. $\sup$ 書くところで「ani≦supk≧niak」というの, 区切りがついていないので最初意味わからなかったし, 読む側への配慮なくて本当に厳しい.
で, 解答例というかそもそも問題に対して. まず「最大の集積値」が存在するかどうかが気になります. 最大値と言うとふつう確定値を指しますし, 何より数列の話題を出すとき, 最大最小がないからこそ苦しみ抜いて上限下限という概念を切り出したのだし, 実数論という面倒な議論を組み上げたわけで, そういうところに対する認識が欠けている感. 有界な数列に限っても, まずは最大の集積値が存在すること自体がそもそも気になります.
同じ話ではあるものの, 最大と言っているのに, 最初に発散するケースを議論しているのもおさまり悪いですね. 無限大に発散するとき, ふつうは最大値の議論をしないです.
どういう勉強されたいのかよくわかりませんが, 数列の議論をするなら実数論のかなりどぎついところに踏み込まざるを得ないし, そこへの認識がまだかなり弱いようなので, やるならもっとちゃんとやらないと, 微妙な匙加減が必要になるところでどハマりします.
証明も必要性とか十分性とか, 今何を示そうとしているのかきちんと書いてほしいですね. ぱっと見で今どこにいるのかわからないし, ただでさえ TeX ではないのに, ろくな改行もない証明でものすごい読みづらいです.
中盤で「以降 $\alpha$ は有限とする」と書いておきながら, 最後の方でまた「$\alpha = \infty$ のとき」というのがあるので, そういうのもやめてほしいです. 段落分け (?) でその仮定が切れる, というつもりのようですが, ぱっと見てそんなのわからないですし.
さらに, 上にも書いたようにふつう無限大を最大値と呼ばないので, 「この場合 $\alpha = \infty$ が最大の集積値である.」というのは気持ち悪いですね. ぱっと思いつきませんが, 無限大を最大値としてしまうと, ふとしたときに変な例が出てきて困りそうですし.
雰囲気に関しては十二分に掴めているのだろうと思います. あとの細かい部分はどれだけドツボにはまって苦しんだか, という経験由来の部分です. 目的によるのですが, 数学科の数学に興味がないなら, 今のままで十二分でしょう. 数学科の数学がしたいなら, いまでなくても構いませんが, もっとギチギチな議論が展開できるようにならないと足元をすくわれます.
2017-10-21¶
こっち書くの忘れてた. 高次元を目で見る系の話をもう少し. 名前ど忘れしたんですが, 4 次元以上のデータを 2 次元, 特に紙などに表現したいときにどうするか, という問題もあります.
幾何というより, 最近はやりのデータアナリシスみたいな方向です. この意味で, 紙の上で高次元を表すにはどうするかというと, 例えば色を使います. プログラミングなど RGB をご存知の方もいるでしょう. プログラミングの文脈では 0-255 の整数が 3 つ, という趣の評価である一方, これを整数刻みにしないで形式的に実数刻みで考えることもできます. 必要なら濃度の議論, 集合論を叩き込むことで全実数も表現できるので, これでもう 1 次元表せます. 人間の目の色の分解能がそこまで追いつかないもののもう一つ表現できる次元が増やせることはわかります.
他には点を表す図形をいろいろ変えることでもう 1 次元増やせます. こういう感じで高次元を視覚的に表現することはできます.
こういうの, 中高生や数学に憧れを持つ人たちが思い描き憧れる「4 次元を見る」ではないでしょう. しかし多数のデータを一つにまとめて表示したい, という現実的な要求に応える文脈では一つ確実な方法論です. 名前忘れたのですが, インフォグラフィックみたいな適当な名前が付いています. 知っている方や調べてみてわかった方は名前教えてください.
ベクトルと言って最初書こうとしていたことを忘れてしまいました. 何にせよまた何か書きます.
2017-10-18¶
五分間数学的何かを試験的に. ベクトルの話をちょっとしてみます. 結構やっかいですが, その分射程距離も長くて役に立つので.
高校だと良く矢印で表されます. 単なる矢印で視覚的な対象と思うと一気に適用範囲が狭くなります. 見える世界だけ触っていればいいものではないからです.
例えばシミュレーションとも関わるところ. 微分方程式を解くとき, 気分的には関数を無限個の要素を持つベクトルと思い, それを微分方程式というルールに沿って近似計算していくのがシミュレーションです. 数学のような理想の世界にでも行かない限り無限個の要素は扱えないので, 有限個で我慢します. ただ有限といっても何百万とかいう要素数が必要です. 用途によるものの, 最近のいわゆる「綺麗なグラフィック」のためにはそれだけの細かさが必要です.
昔のプレステのカクカクのポリゴンと最近のゲームの 3D 表現での絵の滑らかさを想像すれば, それが有限個といえど細かくしないと綺麗にならないことがある程度「見える」のではないかと思います.
直接高次元のベクトルが見えるわけではありません. しかしこういう形で 3 以上の次元のベクトルを「見ている」のだということは一つ意識しておいても良さそうな気がしています.
2017-10-17¶
ファイルをアップロード¶
ちょっとこちらに流すにはマニアックすぎる気もしますが, 現代数学探険隊で流す微分積分学の基本定理に関するコンテンツをお見せしておきます.
中高数学の枠の中では一つの大きな目標になっている話だろうと思うので.
これ, 実はけっこうな厄介な定理で, 1 次元限定の話という側面もいくつかあります. 高次元化するにはストークスの定理のような, 特殊な微分を担ぎ出す必要もあるので.
こんな話ができる人が増えると私が嬉しい, ということで.
その 2¶
現代数学探険隊, もちろんいま作っている最中で, 最新でもルベーグ積分のところまでです. 集合, 実数論, 位相, ルベーグの流れで.
なんでいま関数論やっているかというと, ルベーグのラストに向けて先行して次の関数解析も作っていて, 量子系の数理として大事な作用素論も意識しているからです. で, 作用素論の中で一点, 有界作用素のレゾルベントの決定のために関数論の結果を使いたいところがあり, やはり関数解析の後に即作用素論とは行かず, 関数論挟まないといけないな, と思っています. そこの様子見で念のためリーマン面まで見ているところですね. そうなると線積分が必要でベクトル解析も見ておかないといけないし, そもそもルベーグと変数変換で線型代数をいつどこまでやるか, という話もあってここからの流れの組み方, 頭が痛い状態です.
自己完結的にするため, 必要なことは全部ちゃんと示すのですが, 講座全体があまり長くなってもな, というところで余計なところは切りつつ, 必要なところは拾う, というのが難しい
その 3¶
マニアックスに比べてこっちあまりコメントしていないので, 後々通信講座にも流用する下心前提で, 五分間数学講座みたいな軽いのを作りたいですね. 気の赴くまま, とするとマニアックスのネタにしかならないので, 自分を縛り付ける拘束が必要で.
こっちだと「受験勉強ネタで遊ぶ」と言う方向が, 世間に有り余っているコンテンツも使えてよさそうなので, そういうことしたいですね. 何か考えましょう.
2017-10-13¶
関根良紹¶
ちょっとした小ネタを.
南アフリカの貧民街は衛生面が悪く感染症で年間数千人も亡くなっていた. でも予防である手洗いを子供達はやりたがらない. だから石鹸の中におもちゃを入れたら皆早く溶かしたいから毎日手洗い, それだけではなく顔や体を洗い感染症が 70%抑えられたそう. 物を渡すだけじゃない, ひと手間が素晴らしい
数学やら物理でもこういう工夫しないといけないのだろうな, といつも思うのですが, 具体的にどうしたものか, というのをずっと考えています.
FROM workstation RE 関根良紹さん¶
Math power は最初の関さんのグリーン, タオの話と各出版社による数学書の紹介まで見ました. 残りはニコ動で後日見ようと思っています. 確かにプログラミングやアルゴリズムがらみの話なら需要はありそうですし, 最近はやりのディープラーニングにからめて確率論や測度論の話があれば面白いのかもしれません. 数学を一般の人に話すというのは実はとてつもなく難しいことではないかと思うので, 関根さんのように普段からそういう活動をしておられる方の話は楽しみです.
FROM 関根, RE workstation¶
関さん, 実は関西すうがく徒のつどいというイベントで 2 回会ったことがあって, リアルに知り合いです.
学部が物理で修士は解析系の研究室だったので, 「素数が本当に好き」という人, リアルに会って話したのは関さんが初めてでした. 彼の話は本当に面白くて, 本当にいいです.
2017-10-11¶
FROM 関根良紹, RE timmy さん¶
発表するなら内容も考えないといけないですね. 何話しましょうか?
グレブナーは計算代数幾何, 計算代数解析あたりでもよく使われているようです. プログラミングやアルゴリズムがらみの話と相性良くて, コックス, リトル, オシーの本にいろいろ書いてあります.
この本, 誤植を見つけて報告すると一つ一ドルだかもらえるのですが, 私も誤植発見してお金送ってもらいました.
2017-10-10¶
FROM workstation, RE: 関根良紹¶
そうですね, 高校数学, 教養の線形代数, 微積, 関数論, 群論から先の数学がない感じですね. 数式はいじっていても数学をやっていないといった感じでしょうか. 数学の方に言わせれば算数なのかもしれません. そのあたりのギャップを独学で少しづつでも埋めていければと思っています. 週末は Math power というイベントに行きました.
FROM 関根良紹 RE workstation さん¶
Math power どうでした? どうなっているのかよくわかっていないのですが, 今度, できるなら話すほうで参加してみようかと思っていて.
FROM timmy, RE 関根良紹¶
横やり失礼します. Math power, ぼくもニコ動で少しですが, 観ました. 関根さんが発表されるなら凄い楽しみです! 今使ってるわけではないんですが, その Math power でやっていた, グレブナー基底は興味あります. 研究でもいろいろ使われているらしいので, 道具として身につけられたらなあって思います.
2017-10-08¶
RE timmy さん
Hebb 則が使われてる奴です. たしか物性とも少し絡みますよね.
初耳です. 全然何にも知らないです. やはり分野違うと常識が一気に変わりますね.
知的好奇心だけでもいいのですが, こんなのやってくれると助かる, みたいなのありますか? 次何しようかとは思いつつ, 作りためている基礎コンテンツはあるのですが, 要望に合わないことやってもな, と思ってなかなか本腰を入れて進められていない, という状況です. 有料の通信講座の展開という最優先タスクがあって, それに押されてしまっていて.
やはり何かを提案してみて, それに対してどうですか? という形でしか反応取れないんですよね.
2017-10-07¶
FROM timmy
関根さん, お返事が遅くなってスイマセン. 数理医学のその本は知ってますが, お恥ずかしながら私も読んだことがありません. 今やってるのは, 脳のシナプス可塑性っていうのを研究対象にしてます. Hebb 則が使われてる奴です. たしか物性とも少し絡みますよね. いまは単に微分方程式の近似解を求めてるだけで数学とは言えないかもですW 研究が進んで必要になったら, さっきの本も是非読みたいです.
2017-10-06¶
TO timmy
数理医学がご専門という話ですが, どんなことをされていて, どんな数学が必要なのでしょうか?
数理医学というと次の本を名前だけは知っていますし, CT とラドン変換という話題も聞いたことはあるものの, 私は名前しか知らない分野です.
もちろんご自身の研究の話だとせっかくの匿名だというのに, 身元がわかってしまうのでそうしたところに突っ込むつもりはないのですが, 今後コンテンツを作っていく上で, イメージしやすい数学の具体的で身近な応用というところで1 つの切り口にはなりそうだと思っていて, 何かいい本あれば教えて欲しいです.
2017-10-06¶
To: workstation さん
数学・物理のゴリゴリの内容がある一方で, 中高数学があり, 間がすっぽり抜けていて申し訳ないです. もっといろいろ作る予定と構想だけはたくさんあります.
何かコメントくれてそこから話を少しずつ発展させる形で新たなコンテンツが生まれるだろうとも思っているので, ぜひ積極的に発言してもらえると嬉しいです.
2017-10-02¶
直近何もできなくて申し訳ないです.
誰も書かないので, まずはお互いを知ろうということで, 自己紹介用のスプレッドーシート作りました.
参加している方は自己紹介書いておいてください. 私も実際にどんな人が何を目的に参加されているのか知りたいです. サンプルで適当に私の文を書いておいたので, 適当に書いてください.
2017-10-05¶
通勤しながら現代数学探検隊の原稿書いています. いまはソボレフ空間論の基礎が一通り終わって, ラプラス方程式の解, グリーン関数, ディラックのデルタのあたりを書いています. ベクトル解析はまだやっていないので, その応用や重要性の説明も兼ねて.
こっち向けの話も少しずつ進めたいですね. いくつか進めてはいますが, 他に手を取られて思うように進めていません.
2017-09-29¶
レベル感よくわからないので, とりあえず, 以前, お手伝いで塾の高三生向けに指導していた時の原稿をもとにした Kindle 本の冒頭部に書いた勉強法的なファイルを共有しておきます.
受験に特化した書き方をしていますが, 中高の数学, そしてもちろんそれ以上の学問レベルに関する話でも使えることを書いているので, ぜひ眺めておいてください.
通信講座の候補やメモも含めた全部の参考文献が入っているせいで参考文献だけで 14 ページあるせいで, 見かけ 20 ページもありますが, 本編 5 ページしかありません.
ひとまず数学や物理の勉強をする時に役に立つと言うよりも, 確実に必要なことなので.
勉強する時間が取れず, また数学をやりきるだけの知的・肉体的体力もない, とかいう話も聞くので, 時間管理とか行動管理みたいなところでノウハウ的なものを提供する必要性を感じていて, それに関して最低限のことをまずシェアしようと ミニ講座作っています.
2017-09-28¶
レベル感よくわからないので, とりあえず, 以前, お手伝いで塾の高三生向けに指導していた時の原稿をもとにした Kindle 本の冒頭部に書いた勉強法的なファイルを共有しておきます.
受験に特化した書き方をしていますが, 中高の数学, そしてもちろんそれ以上の学問レベルに関する話でも使えることを書いているので, ぜひ眺めておいてください.
通信講座の候補やメモも含めた全部の参考文献が入っていて, 参考文献だけで 14 ページあるせいで見かけ 20 ページもありますが, 本編 5 ページしかありません.
ひとまず数学や物理の勉強をする時に役に立つと言うよりも, 確実に必要なことです.
2017-12-11¶
関根良紹¶
たった今メルマガ出したんですが, Math Advent Calendar に記事書きました.
- https://adventar.org/calendars/2380
- https://phasetr.com/blog/2017/12/04/math-advent-calendar-2017-12-4-quantum-mechanics-riemann-zeta/
量子論の数理とリーマンのゼータに関して, 比較的最近の研究も含めた紹介をしています.
最近時間が取れなくて, チャットワークもご無沙汰になってしまっていますが, 何とか年内で体制を立て直したいと思っています.
さすがに暮れと三が日はゆっくり数学できて, やるべきタスクを片付けられるだろうと期待して.
以前, 新聞社に勤めている友人が 「休みはゆっくり仕事ができる日」という 無茶苦茶なことを言っていましたが, それがわかるようになってしまいました.
2017-12-12¶
今井敏正¶
量子論の数理とリーマンのゼータは, 大変興味深く拝見しました. 物理にゼータ関数が使われるということになるでしょうか. また, 物理と数学が違うということでしょうか. 現実的に, 数学と物理が違うということは絶対にありえなく, どこかに必ず問題がある筈ですが, 興味深いと思います.
2017-12-18¶
関根良紹¶
今井敏正さん
コメントした気になっていたら, できていなくていま衝撃を受けながら急ぎコメント書き直しています.
物理にゼータ関数が使われるということになるでしょうか.
今回の話に関して, というところで言うなら, 物理に由来する, 物理に近いところでゼータの話が展開できる, というだけで別に物理にゼータが使われているわけではありません.
全く期待しているのと違うだろうとは思いますが, 固体物理では計算の中でゼータの特殊値が出てくる, という話はあります.
の P.17 あたりに出てきます. 単に計算していたらその値がゼータで書ける, というだけです.
また, 物理と数学が違うということでしょうか. 現実的に, 数学と物理が違うということは絶対にありえなく, どこかに必ず問題がある筈ですが, 興味深いと思います.
意図がよくわかりませんが, 私はこういうところに, 何というか「夢」は持っていなくて, 物理は物理, 数学は数学で, 私の感覚としては全くの別物ですね.
お互いに都合のいいときに 都合よく道具にし合っているという感じはあります.
数学と物理が違うということは絶対にありえなく,
「絶対にありえない」というのが何なのか よくわかりませんが, 見たいものが全然違うので, 同じと思う方がどう考えても無理でしょう.
数学者は数学したいのであり, 物理学者は物理がしたいし, 自然現象が知りたいのであって, 数学したいわけでも数学のことが知りたいわけでもないので. もちろん逆もまたしかりで.
今井敏正¶
ご返信誠にありがとうございます. 物理と数学の話は, ファインマンの経路積分などが数学的に計算できると思っているということです. 数学は数学, 物理は物理とおっしゃっていますことは, 確かに正しく, 数学と物理をゴッチャ混ぜにすることは, おっしゃっる通り正しくないと思います.
数学は, 正確さが問題になり, 物理は必ずしもそうではないことも一例でしょうか. コメントは, 大変ありがたく存じます.
2017-12-19¶
関根良紹¶
今井敏正さん
今井敏正 2017 年 12 月 18 日 08:25 物理と数学の話は, ファインマンの経路積分などが数学的に計算できると思っているということです. これは経路積分が数学的に厳密に定式化できるかどうか, という話でしょうか?
話の流れもよくわからず, 何と答えたらいいのかよくわかっていないのですが.
今井敏正 2017 年 12 月 18 日 08:25 数学は, 正確さが問題になり, 物理は必ずしもそうではないことも一例でしょうか. これも今ひとつ不明確で何を主張したいのかよくわかりません.
物理は物理なりの正確さを常に求めています. 「正確」を「厳密」に言い換えても, 物理には物理の厳密さに関する話があります. 正確さや厳密さを数学的な正確さ, 厳密さで測っても, 物理は物理をやりたい・やっているのであって, 物理からしたら意味のある議論にならないでしょうし.
逆もまたしかりで, 量子〜に代表されるように, 数学も物理の概念を取り込むときは魔解釈を入れて来ることはよくあるので, この文脈で正確さ・厳密さを持ち込んでも実りのある話にならないのでは, と言う印象.
何というか, いわゆる主語が大きすぎる問題という感じがします. 物理とか数学とか, 営み全体みたいな言い方になると, そもそも目指すところ, それを主にやりたがる人たちの感覚が違うからそもそも比較対象にする意味がどれだけあるのか, という話になってしまいます.
数学にしても, 今現在の話をするなら, ZFC の無矛盾性はまだわかっていないのに, その上で無邪気に数学やっているわけで, 厳密性の基準の置き方によっては大抵の数学は雑ですね.
今井敏正¶
数学にしても, 今現在の話をするなら, ZFC の無矛盾性はまだわかっていないのに, その上で無邪気に数学やっているわけで, 厳密性の基準の置き方によっては大抵の数学は雑ですね.
という意見は妥当だと思いました. 数学に感覚として, 問題に集中し過ぎて, 解法が本当にあるのか, ちゃんと証明出来るかを考える数学基礎論の分野がまだ確立されていないところが数学の欠点でしょうか.
関根良紹¶
今井敏正さん
数学基礎論は分野として確立されてきっているはずなので 何を言いたいのか全然わかっていないのですが, 適当に「基礎論」という言葉に反応すると, 物理でも量子力学基礎論, 統計力学基礎論が深く進行しているように, 大発展している分野の基礎はまだ固まっていません.
そしてどこまで状況を正確に切り取れているのかよくわかりませんが, 生物では「生命の定義はできなくても研究はできる」という有名な言葉があり, 哲学でも「哲学が何かということさえ哲学者間での合意がない」と言われます.
適当な意味で基礎が固まっていないという方がふつうなのであって, 基礎が固まり切っていないことを欠点と言う感覚がありません.
2017-12-20¶
関根良紹¶
ここ最近, 数学の勉強が滞っていたので, 今日から次の PDF 読み始めました.
なかなか勉強が進まない圏関係の話を, 現代数学探険隊で絶賛展開中である程度知っている測度論の知見を深めつつ 勉強するのもいいだろうと思って. また日々の実況を再開しようと思っています.
その 2¶
これ面白そうなので, 上の D 論読み終わったら読みたい.
2017-12-21¶
関根良紹¶
かもさんがいいことを言っているので共有.
層と測度空間の論文を読み始めたのですが, 冒頭のサイトとトポスが全くわからないので, 測度空間と結びつくところまでまずはゴリゴリ読み進めます. 圏の代数的な枠組みの中でどうやって解析的な極限の議論を展開するのかも私の興味関心の一つです.
2017-12-22¶
関根良紹¶
適当に (本当に適当に) 読み進めていて, sieve と locale が重要らしいという知見を得ました. Locale. は測度空間の一般化として捉えていくようですが, 何が何だかさっぱりです. 先に進むともっとクリアな描像が与えられると信じて進みます.
2017-12-23¶
圏での Dedekind real 以前に rational からして謎.
質問ですが, 圏での Dedekind real 以前に rational からして謎, というのは https://www.andrew.cmu.edu/user/awodey/students/jackson.pdf の論文に問題点があるということでしょうか.
また, お手数と存じますが, 論文の紹介をして頂けないでしょうか. よろしくお願い致します.
単純に私がこの分野に関する予備知識がほぼないからわからない, と言うだけです.
あと論文紹介というのは何を意図しているでしょうか? 面白そうだから読んでみる, その実況をしている, というだけで, これについては紹介できるほどの力がなく, ほとんど何もできないです.
極端なことを言うなら, 面白そうだから読んでみた, 何か知ってることあったり, 私が知らないこと知ってる人いたらコメントもらおう, くらいの気持ちで気楽に実況しているだけです. みんなもこのくらいゆるく数学やればいい, と言うメッセージもあって.
今日, 知人から竹内外史の層・圏・トポスをもらったので, 軽く目を通してみたら, 当たり前といえば当たり前なのかもしれませんが, 今読んでいる論文の基礎知識と思しき内容にあたるので, 方針転換してパラパラ読み進めています.
普段よく見かける層の記号を使っていないので, 今, とにかく読みづらくて, 記号選択大事で, 自分のコンテンツでも気をつけようと反省しています. そもそも知らない記号多いとそれだけで読者には負担だと言うのも改めて確認した次第.
ご回答ありがとうございました. いつも丁寧な解説がありましたので, 今度もあると勘違いしてしまいました. 申し訳ございません.
2017-12-24¶
何というか, もらうことばかり期待してないで自分でも何か情報出してくれないですかね. どんな人なのかもよくわからないので, こちらもまともな返答できないです.
自己紹介シートももう一度ぺたり
今更か, と言う話ですが, やはり米田の補題は圏が絡む議論で決定的に重要ですね. さすがにもっとかっちりやらないと何やってもダメという感じを改めて強く感じました.
2017-12-25¶
いまトポスって何だ, とずっと思っているのですが, 初学者が位相空間って何だ, と思うのと同じ状態なのだろうと想起
2017-12-28¶
今読んでいる論文 https://www.andrew.cmu.edu/user/awodey/students/jackson.pdf はさすがに予備知識なさすぎて厳しい一方, それと関係ある話題を扱っている先日知人から竹内外史の層・圏・トポスをもらったので, 読んでいるという状況, とりあえず本当に雑に層・圏・トポスを一回眺めました. 論文読むには順序周りの話がまだ扱いきれないので, とりあえず層・圏・トポスでもう少し雑に雰囲気に慣れ親しもうと思っています.
あと, アドベントカレンダーで Evinlatie さんが 関係あるネタの PDF 出していることに気づいたので, これも眺めてみようと思っています.
現代数学隊で今まさにルベーグ積分やっているので, できる限り周辺知識を仕入れないとちゃんとした内容作れなくてやはりよろしくないですね.
現代数学探検隊は最新がフーリエ変換まで行って, そこまで指数関数の詳細をろくに議論しないままに来ていたため, 関係する性質を付録的にドカンと証明つけています.
どストレートに来すぎていつつ, ずっと紹介している具体例の扱いからも指数関数の 詳しい扱いに関する項目が完全に漏れているため, 学部一年の教養の微積分に関して, あれもこれも必要だ, という状態です.
要はべき級数の収束に関わる話で, 微分を後回しにしてルベーグ積分に突っ込んだので, 具体的な関数と, そのテイラー展開や微分と絡めて議論することが多い部分がぽっかり抜けていました.
一歩踏み込んで具体的なことをしようと思うと, その手の話がクリティカルに効いてくるのはわかっていたものの, ここまで行く手を阻まれるとは想像もしておらず, なかなかに衝撃を受けています.
2017-12-29¶
とりあえず共有. 層と論理, といったところで適当に Twitter で文献聞いてみたら, 1 つ教えてもらいました.
- https://twitter.com/phasetr/status/946368147585507328
- https://twitter.com/CharStream/status/946392330893795328
CharStream さん, 私は何者なのかよく知らないのですが, 普段の言動から見て集合論または数理論理系の人だろうと思います. この分野については明白に私よりも調査能力と判断能力あるはずなので, とりあえずパラパラと眺めてみようと思います.
メモがてら共有. 圏と論理関係でぴあのんさんの PDF.
今, 現代数学探険隊のフーリエ変換回で, ずっとやってこなかった指数関数のきちんとした定義と幾つかの性質の導出を やっていて, あまりの長さにしびれています. これだけで A5 で 10 ページ以上使いそうな勢い.
2017-10-31¶
ストークスの探索に疲れたので, 一息いれるためにリーマン面の応用方向も改めてちょっと調べてみたら, 弦の運動空間とかそういうレベルで出てくるから, そっちに興味がある人もいるわけで, 大事は大事だな, というのを改めて実感.
2017-10-30¶
この間の現代数学探険隊の最新回で次のような宿題出しました.
単調関数に関する次の\textbf{ダルブー-フロダの定理}を証明してください.
区間 $I \subset \bbR$ 上の関数 $f$ が単調非減少関数とすると, $f$ の不連続点全体は高々可算個である. 特に実数上の単調関数はほとんどいたるところ連続である.
で, そのときに新たに作った次の問題があります.
順序集合かつ位相空間である集合上の任意の単調関数がこの性質を持つでしょうか? いまこの解説を書きながら考えたので, 私はまだ答えを知りません. 一般の順序集合は全順序ではないので, ここを突くと反例ができそうな気はします. 逆に全順序だとどうなるでしょうか?
これで, 例えば, 離散位相を入れた $\mathbb{Z}$ 上だと 単調に限らない任意の関数が連続なので, 適当な設定追加が必要なのはすぐわかります.
何かいい設定 + 回答を思いついた方, ぜひコメントください.
2017-10-29¶
この辺の問題に対して, 実用性も高い微分・積分または線型代数で, 徹底的な証明の解説 (証明を詳しくするというよりも, 証明の構造や流れ自体を徹底的に解説するみたいな感じ) のコンテンツとかあってもいい気はしています. 何か作りたいな, とは思いつつ.
2017-10-28¶
幾何的測度論はそれはそれで面白そうなんですが, 直近必要なところとは違いそうなので, ソボレフ周りの事情調査を再開.
やはりリプシッツ連続性はもっときちんとやらないといけない感
2017-10-27¶
そういえばきちんと書いていなかった気がするので, 既存の幾何の本のストークスの定理の定式化で困る点を書いておきます. 一言で言えば滑らかすぎることが原因です. 積分領域であるチェインが無限回微分可能である前提になっていることです. 留数計算などの応用上, 区分的になめらか, くらいにまで落とさないといけません.
もちろん適当なところまでなめらかさは落とせますが, 純粋に連続なだけで微分できない関数をどこまで許容するか, それがまだ私には見えていないことです. もちろん, 単に連続なだけだとペアノ曲線のような空間充填曲線まで出てきます.
初等的に対処するなら, 区分的になめらかな, 適当なところできちんと議論している本はあります. ただ, 多様体まで意識した記述の中でどこまで頑張るか, そこが思案のしどころです. まずは既存のコンテンツを眺めてどういう塩梅でいくとストレートに, 端的にまとまるかを調査しているところですね.
2017-10-26¶
コンテンツ作っているとテンション上がってきて, 夜寝付けなくなるのがとても辛いし, まずい.
寝るのを挟んで少し景色が見えてきました. 幾何学的測度論でのストークスの定理は, 微分形式の滑らかさをある程度保ちつつ, 積分領域としてカレントを考えることで一般化をはかる, という方向のようです.
ルベーグ積分や私が知る関数解析は, 関数を一般化する, つまり 関数の滑らかさを極力減らす方向に向かうので, 根本的な思考の方向性の違いがあり, まだ慣れないですね. もちろん調べ始めて二日少しでそんなにすぐ慣れるわけもないのですが.
個人的な趣味というか, 講座の流れとしては, 領域は区分的に滑らか, または超立方体くらいで, その上でソボレフ空間を考え, ソボレフの元に対するストークスにしたいので, やはり興味の方向性がずれている感じはします. 熱力学的極限のロバストネスを見るにも, そこまで過激に領域を一般化することないはずなので.
もう通信講座のベクトル解析は, 過度に一般化を頑張らないで, 本当に入門レベルにとどめて, もっとやりたければソボレフのこれ読んで, くらいにしようかという気になってきています. ソボレフの埋め込みをやろうと思うとまた半年くらい追加でかかるし, 解析学の基礎固めとしてはやりすぎな感じがします.
2017-10-25¶
幾何学的測度論, $\mathbb{R}^d$ 上で微分形式やカレントを使っているので, ちょっと驚いています.
それはそれとして, 物理の実用のためのベクトル解析を ルベーグ積分ベースで議論したい, というところで調べていて, ソボレフの埋め込みベースの議論や, 幾何的測度論を全開で展開しなければいけない, となると, 無理に一般的な議論にしようとせず, 2-3 次元での議論をきっちりやろうかという気分になってきています. 関数論でも線積分は必要ですし, もう少し調べようとは思っているのですが.
2017-10-24¶
ベクトル解析¶
なめらかさをできる限り排除してベクトル解析やりたい, と思って色々見て, 探していたら, 幾何学的測度論がその方向性っぽいようなので, 今検討中です.
修士の頃, 他の人の修論や分野で名前を聞いただけの分野でしたが, こんなことやる分野だったの, と今更ながら感じています.
どうやらいわゆるルベーグ積分論との違いと言ったところは, ルベーグ積分論はどんな関数が積分できるかを追いかける分野, 幾何学的測度論はどんな領域でなら積分できるかを追いかける分野, みたいな記述を見かけました. リーマン面はちょっと放っておいて, こっちを軽く調べています.
2017-10-22¶
量子力学と数論: カール・ベンダーのリーマンの $\zeta$¶
Twitter でちょっとしたツイート見かけたので 量子力学と数論の交点に関わる話ですね.
- https://twitter.com/Quantum_Zen/status/921920411243372546
- https://twitter.com/Quantum_Zen/status/921921548927324161
- https://twitter.com/Quantum_Zen/status/921921882475114496
- https://twitter.com/Quantum_Zen/status/921927397947117568
以下, ツイート引用.
昨日慶應の斎藤先生からおそわった. 最近話題になってるらしいカール・ベンダー大先生が見つけたリーマン・ゼータ関数のゼロを固有値に持つというハミルトニアンというのはこれね [Hamiltonian for the Zeros of the Riemann Zeta Function] (https://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.118.130201)
なんか批判もあってまだ確定ではないのかな. 一風変わったハミルトニアンだが, 問題はこれに様にはかけないある境界条件を課すとそうなるってんだが, この条件が変なんじゃないかという感じなのかな. [arxiv 1704.02644] (https://arxiv.org/abs/1704.02644)
んでも気にせず続編も書いてるぞ [Bender & Brody] (https://arxiv.org/abs/1710.04411)
いや, このベンダーの「固有値がリーマン・ゼータの I ゼロ点の虚数部の列と同じになるハミルトニアン」の話, 本当だったら本当に本当に大変なことで, エルミートなハミルトニアンの固有値実数だからこれでリーマン予想が「物理系を使って証明」になる. そんで「ベリーの聖杯」といわれるわけね.
そして私のコメントをいくつか.
以下のコメントはちょっと編集してあります.
何か話題らしいリーマン予想の [論文] (https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevLett.118.130201), 私が 1 番気になるのは「can be made rigorous」のところ. これ, 物理の人たちなのだろうし rigorous が何一つ信用できない. それなら PRL ではなく数学のどこかに出せという気もする.
ちなみに自己共役作用素のスペクトルとリーマンゼータの関係については ヒルベルト-ポリア予想がある. ウィキペディアのこの記事, エルミートという言葉を使っているから多分数学の人間ではなく物理とかその辺の人間が書いている気しかしない.
それはそれとして, 多少言葉が揺れることがあるが, エルミートと対称と自己共役とあって, 新井朝生関係の本の定義では後者ほど条件が厳しい. 閉対称作用素のスペクトルは上半平面, 下半平面, 複素数全体, 実数の部分集合のどれかで, 自己共役性と実数の部分集合になることが同値なので, スペクトルに関する話に自己共役性は絶対的に効いてくるし, 自己共役性の証明はそれ単独で論文になるほど面倒な議論だ. 定義域の問題もある: notorious domain problem. 例えば微分作用素からなる自己共役作用素では, 境界条件ごとにスペクトルも変わるので本当に面倒な微妙な話がある. この事情は物理にも関わるのでめんどい.
何はともあれ, とりあえず can be made rigorous を外してもらわないことには数学としては何も判定できない. あとついでに書いておくと, 非可換調和振動子のスペクトルゼータを若山先生が研究していたりする.
適当な意味でハミルトニアンのスペクトル解析と数論は本当に数学者による数学ベースの研究がある. 場の理論でも適当に構成したハミルトニアンのスペクトルとリーマンゼータの話があるし, コンヌによる非可換幾何まわりと量子統計や $\Cstar$-力学系の話もあるので, 相応の数学的蓄積はすでにある.
リーマン面¶
今日もリーマン面を勉強・復習しています. 層のコホモロジーを使って議論している本を読んでいて, まだ層に慣れきっていないので, 意味があってある程度議論が簡素になるリーマン面で勉強するのはやはり一つのいい手だな, と改めて感じています.
接束とかの議論も層で書き直したコンテンツほしくて, 多分自分できちんと整備しないといけないのだろう感.
マネタイズ¶
数学全然関係ないんですが, いま, 台風の影響でこれまで頑張っていた分が 崩壊したようで, 自宅 (実家) が雨漏りしてくれています.
お金なくて博士進学断念した時も思ったことですが, やはりお金ないのつらいです. そもそも中三で白血病になった時の治療費問題もあったように, お金が全てではないにしろ, お金で解決できる問題は確実にあるので, それは何とかしたいですね.
いま, その辺のマネタイズ, 副業といったところも 真剣に調査・実践を重ねています. 頑張ろう.
2017-10-21¶
引き続きリーマン面やっていて, いま読んでいる本は $L^2$ コホモロジーの議論があります. 関数解析を前提にすればもっと議論は短くなる, みたいな注意がありました. 幾何の本, やはり幾何メインで解析の知識を前提にしづらいようで, 特に調和積分で楕円型偏微分方程式の解析はほぼ昔のきちんとした議論書いてある本を参照, とされています.
解析向け, 的な本はあるものの, PDE 系の知識はともかく腕っ節が前提にされていて, それはそれで大変で. 程よいバランスが欲しいのですが, それは自分で書け, という話な気がしています. 何でこう, 幾何は帯に短し襷に長しという趣の本が多いのか.
2017-10-20¶
nullheart さんから¶
大変遅くなりました. すみません. 生命現象に数理モデルを当てはめ, シミュレーションと数理解析をひたすらやるって感じですね. 応用数学者と生物学, 物理学者出身の研究者が入り乱れています.
あたりが有名でしょうか. ミクロ (分子, 遺伝子, 細胞) とマクロ (生態学) の研究に大きく分かれる気がします, ,
返信¶
ありがとうございます. マレーのやつの夫婦間相互作用とか面白そうなので, まずはその辺をつまみ食いしてみます.
微分方程式で遊ぶのは系統的にやってみたいと思っていて, この辺は叩き込みたいですね.
0e91b7118f874ab9069ccc22df5536538ccbaeea
2017-10-20¶
何となく書いておこう的なメモ.
物理に使うのに多様体論が適切かはともかく, もとの空間と接空間的な概念を空間というか集合レベルで分離するのは概念上大事ですね.
お絵かきレベルでは, 3 次元空間内の曲面に対して, 同じ 3 次元の空間の中で接平面を描くことがよくあります. ただ, これは, 相対論, 特に時空の構造に関わる一般相対論に持っていくと, 同じような議論をするためにもっと大きな空間というか, 入れ物を用意しないと, 接空間または局所的な部分に関して議論ができません. 接空間がこの時空のどこにある, という問題になるので.
それならはじめからある種の人工物, 想像上の概念として実際の時空から分離してしまえ, という極端な姿勢を取ることはできて, そこを推し進めたのが多様体論ですね.
一般相対論をあまりまともに勉強していないので何とも言えないのですが, 物理と幾何, みたいな本にあんまりこういうこと書いてあるのは見かけません. それを読むくらいのゴリゴリの物理の人間には自明すぎて書く必要もないと思われているのか, それとも単なる道具にそこまでの気を配る必要がないと思われているのか, はたまた他の何かなのか, よく理由分かっていません.
それはそれとして, 純粋に数学的, 幾何学的にみたときの接空間とか接束, 概念的にかなりややこしくて, いまだに何が何だかよく分かっていません. 単に慣れていないだけ, という可能性の方が高いので, もっと幾何の世界に浸らないとな, という感じ.
2017-10-19¶
チャットワークのプロフィール見てみたら後輩確定だった
(Ricardo さんから: はい, 実は研究室の後輩です. よろしくお願いします.)
私が日々適当にあげているように, セミナーで読んでいる本の進捗とか論文の話とか, そういうの書いてくれると私が喜びます.
それはそうと, 今日はコーシーの積分定理周りをどうやるか, というところから複素解析から脱線してベクトル解析の本パラパラと読んでいたのですが, ベクトル解析の話をルベーグできちんとやる, みたいなの, あんまり本なくて困りますね. 宮島ソボレフにはトレースの議論の後にベクトル解析の諸定理への言及ありますが, あれで初めて見かけました.
あの本, 最後に微分定理とかも書いてあってなかなかいいですね.
2017-10-19¶
ベクトル解析をどこまでやるか悩み中. 本当に多様体上で議論すると, 物理での応用上必要な, 区分的に滑らかな境界上の議論に対していちいち調整が必要で, 手間取るのはいいとしても, 多様体自体の面倒な準備がいるのと, 外積代数の煩雑な準備が長引くこと. 区分的に滑らかなところまで許さないと, 留数解析の積分路が計算しやすく取れないので, 一般化は応用への必須要件です.
複素解析での線積分まで統一的に扱う前提で, 何をどこまでやろうか, いい落とし所が見つかっていません.
幾何的な観点も考えて, 大きな話に繋げるのは講座の後の独学で, と流して, $\bbRtwo$, $\bbRthree$ 上の議論に限定するのもありとは思っていますが.
2017-10-18¶
幾何やっていると思うのですが, どうしてコンパクトな多様体の扱いがあんなに多いんでしょう. リーマン多様体を議論するなら連結性を要求するのはまあわかるのですが, コンパクトなだけだとさすがに強すぎるといつも思います. 代数幾何は (私が知る限りの) その性質上, ある程度コンパクト性のまわりで議論するのはわかるのですが.
ちなみに. 私がけっこう興味あるのは, 非コンパクトはほぼ前提として, 場合によっては非単連結な領域上での議論ですね. 具体的には Aharonov-Bohm 効果の議論で, 気分的には 3 次元の全空間トーラスをくり抜いた空間です.
実際に外村さんが実験的検証をやったのは, 超伝導を起こして磁場が通らなくなったという領域は, 気分的には上の領域です. もちろん実際にはトーラスだけがポンとあるわけではないですが, いい近似にはなるはずです.
数学ベースというか数理物理的に空間 2 次元での Aharonov-Bohm はいくつか議論があるのは知っているのですが, 3 次元でどうなのか,私はあまりよく知らないです. 修士のとき場の理論と量子統計メインでやっていたので, 有限自由度の量子系は深く調査できていないままです.
いま研究の状況はどうなっているんでしょうね?
この辺,岡山大の田村英男先生や 広島大学の廣川先生がやっていた記憶があります. 田村先生はその周辺で解析学賞もらっていたはずですし, 廣川先生は有限自由度の量子系でもう少し物理として広めのことをやっています.
最近も別冊数理科学で circuitQED まで議論した本を出していましたね. この辺は行列係数の常微分方程式論または その微分作用素のスペクトル解析で, 常微分方程式論をなめてはいけないというのを改めて感じさせられました.
現代数学探険隊でも常微分方程式をどこまで扱うかけっこう悩みどころです. 量子系の議論もバチバチ全開に展開はできますが, それをやるとまたいつまで経っても講座が終わらないので, 紹介だけして詳論は泣く泣くカットするしかないな,と.
そうしたもっと先の道を自分 1 人でも歩んでいけるようにするための 土台作りを目指す講座なので,あまり深いところにまで踏み込むのは そもそも管轄外といえばそれまでですが.
今日も悩みは深い.
自己紹介シート見たら Ricardo さん, 研究室レベルで後輩なんじゃないか感しかない.
2017-10-17¶
昨日だか, ちょっと出そうと言っていた現代数学探険隊の毎回の付録的なやつです.
毎回, 本編としてふつうに数学の話をしたあと, 探険パートと称して発展的な数学の話題や, 関連する物理, 特に量子力学の話をしています.
これはルベーグ積分のラドン-ニコディムの定理回の探険パートですね.
多少なりとも私が知っているのは相対論的場の量子論での散乱理論で, 血を吐くほど難しくて挫折したままです.
量子力学の場合は詳しく調べられる分だけ, 難易度が高い部分にまで切り込まれていて, その結果いまではかなり難しくなっている, という印象.
代数幾何みたいなもんでしょう.
新しく加わった方もいるので, 一応, 改めて現代数学探険隊の募集ページ張っておきます.
参加は自由で構わないのですが, 物理にまつわる数学, 特に解析学をきちんと勉強する上で 参考になる情報をいろいろ書いているので, 数学というより物理に興味がある人に読んでほしいです.
あと新規参加した方およびまた自己紹介書いてない方, スプレッドシートに自己紹介書いておいてください.
これももちろん強制じゃないですが, 自己紹介見て日々のコメントも調整したいので.
もっと物理ネタ書いた方がよければそうしますし.
リアクションないからそもそもここ見られているのかどうかも分からないので困った.
2017-10-16¶
(現代数学探検隊の) 複素解析の内容, どこまでやるかと思っていますが, やはりリーマン面に関わる話は大幅カットしないと厳しいですね.
正確に言うなら, 入れるだけならいくらでも入るものの, 講座が長くなりすぎるのでどこで切り上げるか? と言うところです.
ベクトル解析も, 微分形式に関わる議論をどこまでやるか, 具体的には多様体論をどこまでやるかがけっこう悩みどころ.
幾何に関わるところであり, リーマン面は代数が噛むところもあり, あえて抑えめにしておきつつ, 探険パートで講座終了後の勉強の指針, みたいな感じで補足をたくさんつけるとかいうスタイルかな, という感じ.
リーマン面の話, 被覆空間, 被覆変換群, それに関するガロア的な話など, トポロジー (いわゆる位相幾何) 的なところも出てくるし, 割と広範な話題に触れられるのでやっぱりいいテーマですね.
今読んでいる本, 接空間の定義なしに直接余接空間から定義する, 代数幾何的なスタイル (?) も使っていて, そういうのも結構好きです. 流し読み状態なので具体例をいじり切れていないのは よくないですが, 講座の構成考えるための復習なので, とりあえず良しとしているところ.
2017-10-15¶
いま, コンテンツ作る前提でリーマン面の本を読んでいたら, 最小多項式とか基本対称式とか出てきますね. 適当に代数も補足しないといけないので, やはりやることたくさんあります.
いま読んでる本読んでて思うんですが, 一つの節が長くてちょうどいい区切りが見つけづらい本, 区切りがいいところまで読みたくなってしまってけっこう困りますね.
やはり通信講座とかで小分けにするの, けっこう大事っぽい. 少しずつ読み進めやすい単位で作ること, もっと意識します.
現代数学探険隊の最新回のラドン-ニコディムの定理, 講座本編もそれなりに長いのに, おまけの探険パートを書いていたら 52 ページとかいうとんでもないボリュームになってしまいました.
この量を一回にするなんてとんでもないので分割しないと駄目ですね. 探険パートは後でちょっと公開しましょう.
2017-10-14¶
微分幾何引き続きやろうと思ったんですが, 通信講座のために, 関数論, 特にリーマン面の復習に移りました.
リーマン面, ホモトピーだとかトポロジーの話から いろいろあって総合的にいろいろ見られるのでやはり楽しいですね. 今展開中の通信講座でそこまできっちり扱えないのですが, 続編的な講座では是非きちんとやりたいです.
リーマン面, 数学としてもいまだに研究されている対象ですし, 超弦理論の数理の基礎の一つでもあるので, 今の有料の通信講座終わったら具体的にプロジェクト化して進めたいですね. 代数, 幾何, 解析のそれぞれで切り口いろいろあるし.
2017-10-13¶
- Ramanan, Global Calculus
- http://tinyurl.com/y9ctrund
2 周目, 読み終わりました. コンテンツ制作またはそのための勉強で読むスペースがガタガタで, 前に読んだ内容をかなり忘れていて, この本, $\Spinc$ 多様体も扱っていることを思い出しびっくりしました. 多様体の初歩から議論している本にしては相当広い守備範囲だと思います.
次からはもう少ししっかり頭に入るように読んでいきますかね.
2017-10-12¶
今日も引き続き次の本をシコシコ読み進めています.
- Ramanan, Global Calculus
- http://tinyurl.com/y9ctrund
幾何の本でよく思うのが, 解析の知識が必要になるからとはいえ, 調和積分論を真面目に書いてある本をなかなか見かけないことですね. 線型とはいえラプラシアンを多様体場で議論する羽目になるので, それなりにハードだというのはわかるのですが.
きちんと調べたことないのですが, Griffith-Harris とかには書いてあるんでしょうか? 今度知り合いに聞いてみますかね.
2017-10-10¶
それはそうと, 今日も幾何の勉強をちびちびと進めていました.
- Ramanan, Global Calculus
- http://tinyurl.com/y9ctrund
これ, Global Calculus (大域解析学) という名前から解析の本と思われるかもしれませんが, 実際には幾何の本です. 幾何だとローカルな話とグローバルな話があって, 大雑把に言えば線型近似した $\mathbb{R}^n$ 上の議論がローカル, 多様体全体にわたる議論がグローバルです.
入門的な話題から幾何, 多様体の話をする本にしては本当に珍しく, 多少のルベーグ積分の知識も仮定していて, 超関数やソボレフ空間の議論も展開しています.
一方で層の理論からはじまるので, 他の入門書とは基本的な構成が大きく違うという印象がありますね. けっこう好きな構成だったので, 何度か流し読みして様子を掴むことに集中しています.
もう少ししたら少しずつガチガチに読んでいく予定です.
2017-10-09¶
ファイルをアップロード¶
微妙なところですが, ちょっとコンテンツを試験的に共有.
有料講座の現代数学探険隊では, 各回ごとにその回で扱ったテーマに関する発展的な話題を紹介しています. 今回新たにラドン-ニコディムの定理に関わる回を作ったので, それに関する話として量子力学の散乱理論や関連する幾何や確率の話を簡単に紹介しました.
こんなような話をここでやりたいな, と思っているので, サンプルで出しておきます. 参加しろと強制する気は全くないですが, 有料講座の方ではこんな話をたくさんしているので, ご興味あれば是非どうぞ.
現代数学探険隊でどんなことをしているか紹介しようと思いつつ, 全然できていないので, 現状人数もそんなにいないこちらでちょっと試験的に流してみました.
感想があれば是非教えてください.
2017-10-06¶
今日の現代数学探険隊の原稿書きは, ラプラス方程式のグリーン関数解, ポアソン方程式あたりです. 最新回はルベーグ積分も佳境で, だいぶいろいろできるようになってきました. これが終わるとまた関数解析の基礎理論に戻ってしまいますし, ラプラス方程式のグリーン関数に関する議論でベクトル解析の結果をガンガン使ったように, ここまでの講座の内容だけだと足りない部分はあるものの, 数学, 特に解析学の本はだいぶ読めるような状態には到達しました. 1 年ちょっとなのでまだまだ使い込みが足りないとは思いますが, 結構来るところまで来た, と感慨深いです.
ちょっとした空き時間にちょろちょろやっている幾何の勉強. 私は学部 1 年の頃にエッセイを読んでから深谷賢治先生への憧れがあり, その専門である微分幾何はやはり一つ憧れの分野でもあります. 学生時代, 学部では物理, 修士では専門の解析学の勉強がメインでなかなかきちんと勉強できなかったので, 講座作る目的も兼ねて改めて 1 から勉強し直しています.
現代数学観光ツアーやその他の募集ページでも説明しているように, まずは全体像をつかむのが大事なので, 幾つかの本を見繕った上で, 特に気に入った本を細部にこだわらず, 何周もしているところです. その辺も勉強の記録をそのままコンテンツにしたいところなんですが.
2017-10-05¶
通勤しながら現代数学探検隊の原稿書いています. いまはソボレフ空間論の基礎が一通り終わって, ラプラス方程式の解, グリーン関数, ディラックのデルタのあたりを書いています.ベクトル解析はまだやっていないので, その応用や重要性の説明も兼ねて.
2017-10-03¶
- Giachetta, Mangiarotti, Sardanashvily,
- Geometric and Algebraic Topological Methods in Quantum Mechanics
- http://tinyurl.com/yabhn6vd
これ, 様子をつかむべくざっと読んだんですが, 当たり前というか何というか, 完全に数学の本でした. 少しは量子系の物理に関する話もあるのかという淡い期待はあったのですが.
非可換幾何や, 入門レベルの幾何ではなかなか見かけない, 無限次元のバナッハ多様体やヒルベルト多様体, $C^*$ との絡みなどが面白そうでしたね.
現状, 幾何が弱すぎるので雑に読んだことを差し引いてもなおついていけない部分ばかりでした. 幾何も多様体について最低限を一度はやった, という程度なのでもっときちんとやり直さないときちんと地図が作れないですね. また基礎固めに戻ります.
2017-10-02¶
直近何もできなくて申し訳ないです.
誰も書かないので, まずはお互いを知ろうということで, 自己紹介用のスプレッドーシート作りました.
参加している方は自己紹介書いておいてください. 私も実際にどんな人が何を目的に参加されているのか知りたいです. サンプルで適当に私の文を書いておいたので, 適当に書いてください.
小コメント¶
To nullheart さん
数理生物, 名前だけは知っていますが, どんなことをやる分野なんでしょうか? 何か有名どころの本, 何冊か教えてください.
私が知っているのは東大数理の稲葉先生の話とか, あと以前教えてもらった研究室リストみたいなのがあります.
2017-10-01¶
さっき通信講座の「探険パート」にソボレフ空間と $C_c^{\infty}$, $C^{\infty}$ の稠密性定理に関する小まとめを記録. ソボレフをそこまで細かくやっていると本一冊レベルでそれだけで半年使いそうだし, さすがに触れられない.
2017-09-30¶
- Giachetta, Mangiarotti, Sardanashvily, -Geometric and Algebraic Topological Methodsin Quantum Mechanics
- http://tinyurl.com/yabhn6vd
引き続き読んでいたら亜群 (groupoid) が出てきました. スピン系の設定の一般化らしいですが, 純粋な groupoid 出てくることあるのか謎い.
場の理論の $Op^*$-algebra まで出てきたから, 幾何と代数トポロジーの方法と言いつつ, 相当ゴリゴリの解析の腕っ節要求しててかなり驚き.
2017-09-29¶
いま通信講座でルベーグ積分執筆中で, ようやく超関数まで来ました. 微分をギリギリまでしか定義せず, 線型代数も線型空間をフル活用しているくらいで 線型写像をほとんどやっていない中で積分をやっているため, $R^d$ 上の議論に進む前にどうしてもこれらをつまみ食いで取り入れざるをえず, 特に線型代数, 線型写像の理論がどれだけ基本的で重要なのか痛感しています.
2017-09-28¶
完全にやるやる詐欺になっていますが, 幾何をもっとやりたいとは思っていて, その勉強用にタイトルに惹かれてパラパラと眺めている本.
- Giachetta, Mangiarotti, Sardanashvily,
- Geometric and Algebraic Topological Methods in Quantum Mechanics
- http://tinyurl.com/yabhn6vd
リンクはAmazonへのリンクです. 中身おためしもあるので.
パラパラと眺めているだけでも まだ 200 ページくらいまでしか見ていませんが, ようやく $C^*$-環が出てきて 量子力学の数学っぽいところまで来ました.
量子力学と幾何・代数でどんな切り口がありうるのか, 調査中です.
$C^*$ 環の話をしているのに非ハウスドルフ位相が出てきて衝撃.
2017-07-10 数学と物理とプログラミング: 学部2-3年レベルとは何か¶
以下のツイートが発端です.
(自分にとって)見やすいように編集しつつ引用します.
発端¶
ずっと前から思っているが, 数学と物理とプログラミングにまたがる話で, 数学とプログラミング, 物理とプログラミング, 数学と物理ができる人はいても, 数学と物理双方学部二-三年程度をふんわり知っていてプログラミングもギリギリできる, みたいな人が社会に出てこない (コンテンツを作ってくれない). アカデミアに引きこもっている層なら数は増えるだろうが, 数学と物理周りの話はしてくれてもプログラミングに関わる話をろくにしてくれないイメージがある. その辺を突けばまだ市民にもできることがあると思って今いろいろやり始めている. 誰かもっといいの作って欲しい. 機械学習とかよりも.
電波猫さんとのやりとり¶
数学と物理とプログラミングをどれも齧ってるつもりだけど, 学部 2-3 年程度がどれくらいのものかよく分からないし, 多分できてない.
数学に関してかなり使える基準だと思っているのは多様体の本が難なく読めるかどうかです. 線型代数の抽象論が必要で, 陰関数定理・逆写像定理・常微分方程式の解の一意性存在定理を使いこなせ, テンソル代数のイデアルによる商代数の構成がわかるなら相当確固たる基礎があります.
物理だと解析力学・電磁気・熱力学・量子力学・統計力学あたりを「よくはわからなくても何となく一通りは聞いたことがある」「一通り専門用語を知っていて関連する計算ができる」レベルですでにかなり厳しいと思います.
物理はまだしも数学については, 知識としては学部 2-3 年でも, 運用できるレベルに至るのが下手をすると学部四年のゼミで鍛えられて大学院でようやく何とか最低限の運用技術習得くらいな感触があり, 実際は相当高い水準です. 少なくとも解析系市民としてはかなりのハードルを感じる事案でした.
きびしい.
線型代数の抽象論は明らかにやばくわかっていない・そもそも知らないことがはっきり認識できますが, 微分積分と微分方程式は理解はともかく使えている感を感じている人は多そうな一方, 多様体で必要なのは息切れして教養数学で手薄になる陰関数定理・逆写像定理こそクリティカルに効くこと, これらが直観的にはかなり明確ではあるものの, 証明が長く厳しく多変数で記号もつらく, そもそも直観的な理解さえほとんどされていないであろうことがまず厳しさ第一ポイントです. 常微分方程式のハードルはある意味さらに厳しく, 普段散々微分方程式を解いている・解けていると思う人ほどおそらくつらい. 具体的な方程式を解けるかどうかではなく, 一般の正規系の非線型常微分方程式系の局所解の一意性存在定理こそが問題で, そもそも解の一意性と存在定理自体に興味を持たない応用勢を軒並み焼き尽くしていくハードルです.
強い人だとそれらを何となくパワーまたは「そんなもん知るか」で乗り越えていくのですが, 半端に数学をわかった・使える気になっている人だけを特異的に綺麗に粉々に破壊していく要素が多様体論に詰まっています. 自動的に学部の数学をかなり広く勉強できてお得と言えばお得です.
解析はかなり苦手意識がありますが, 沼が深そうですね.
沼とかではなく, 現行の非数学科ではたいてい全く必要なくて, 数学科の数学で必要になるだけの話です. いらないからやらないし知らないし知らないままで物理・工学できるのです. ミュージシャンが何かの機会を「クールなこれを何か知らないが問題ない」という例のアレです. 無理に知ろうとするからつらい.
数学と違って物理はある程度計算できればそれなりにレベルアップした感が持てるのがいいところという感じがある. 数学だともう何をどうやっても駄目なものは駄目で何一つわかって気がしないだけではなく, 実際に本当に何もわかっていないし, 計算さえ何もできない.
物理は「何もわかっていなくてもとりあえず計算できる」があり得るし, 逆に「計算はよくわからないが (実験を通じて) 多少なりとも物理を知った気になれる (わかったかどうかは別の問題)」があり得る. 人によってはあるのかもしれないが, 数学で物理に対応するこの事象に出会ったことがない.
番外編: 数学科の本を物理関係者が読む¶
とりわけ物理の人間が勘違いしているのだが, 数学科向けの数学の本は適切な水準の数学科の学生に向けて書かれていて, 他の誰をも対象にしていない. 他学科の身で「わかりづらい」というのはそもそも「お前は対象ではない」事案なので, あるなら物理の人が書いた本を読むか, 我慢するしかない.
数学科の学生が物理の本なり工学の本を読んでいて「数学的に厳密ではない」と言い出したら「国に帰れ」と言わざるを得ないだろう. 「お前のための本ではない」と. それと同じなのでさっさと諦めて欲しい. 諦めて読むのをやめるか, 数学科の数学とダイレクトに戦うしかない.
もちろんいつだって最終手段である「専門家・友人との議論」と, 「自分で本を書く」手段は残っている. 私のような市民ならともかく, 大学生ならもう最終手段を取るしか, ほぼ全ての場合に道はない. はやく諦めて本を書け.
それに合わせて具体例が欲しいとかいう話, どのくらいの本をどう読んできてどのくらい数学ができてどんな本を読んでいるかがまず真っ先に問題になる. 例えばこのツイートの話. 適切な具体例がたくさん書かれていても「抽象的で意味がわからない」となっている可能性がある.
数学で具体例が必要事案, 何をもって具体例とみなすかがまず大問題で, 多分初めのうちは線型空間に具体例がいるはずなのだが, そのうち別の概念の具体例として (抽象的な) 線型空間が出てくるし, 初学者にとって抽象的な例がある程度知っている人には手触りのある最高に具体的な例になったりする.
当然, 多段階で具体例を山ほど知っていることが前提になっている. 数学的な段階を吹っ飛ばして本を読むと「この本を読む数学の人間ならこのくらい知っているだろう. そうしないとまともなページ数で本かけない」問題もあり, そこを飛ばしてアタックした他学科の学生は地獄を見るだろう.
それを読むための基礎体力がないので, 諦めて暴力的な基礎体力作りに励むしかない. 基礎体力がなければもちろん数学科学生であっても読めない. 物理の本でも最低限の計算力を少しずつ鍛えるのであって, いきなり量子力学や電磁波をやると計算量で圧死する. 社会は厳しいのでもうどうしようもない.
このような具体例が構成されている. 「線型空間のテンソル積と本質的に同じなので詳細は省略する」と環や加群のテンソルでやられるし, そこから同値条件だと言って普遍性に飛ばされたりする. 「集合と写像という数学の基礎だから」と言われても応用系でやらないから即死もある
「この証明ではテンソル積の具体的な構成を用いています」 (そして現れる, バカでかい線型空間のバカでかい部分空間による商空間)
2017-07-09 生物と道具としての数学, そしてプログラミング¶
生物実験野郎だがプログラミングするしバイオインフォマティクスの論文も出したことがあるから一応そっちの研究者も名乗っていい気がしているけど誰か書いてくれるならばそのほうが楽だと思っていて結局やりたいのは生物学であっていろんな実験手技もプログラミングも手段にすぎないという立場
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月9日
プログラミング、ミニプレとかほどキット化されていないからできるできないの幅が広くて困るがミニプレと実質的な位置づけは同じだと思っている。できないとダメだと騒ぐ必要はなくできる人に任せればいい。ただ、任せる本人がわかっていたほうが良いのは実験と一緒っぽいが。
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月9日
今は「生物の人もプログラミングしたほうがいい」という話になっているけどいずれ将来は「生物の人も数学できたほうがいい」という波が来るだろうと思われるし一部ではもう来ているはずだ
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月9日
そんなにハードな数学必要なのですか?
— 相転移P (@phasetr) 2017年7月11日
ここで言う「数学」は、ハードな数学ではなく、記述言語としての数学ぐらいの意味です。とりあえず全ての函数は微分可能だし積分は全て収束すると思っておく程度かよりゆるい感じで
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月11日
一応そのレベル感は想像ついていて、それは理工系、生物系にとってそんなにこれまで特殊なオプション的なものだったのかというのが気になっています。
— 相転移P (@phasetr) 2017年7月11日
一部の人間以外には厳しいという印象です。当然微積の計算は大学受験でやり、大学初年度では解析や線形代数をやってはいるけれども、それを記述に使えるようにはなってない感があります。日常的に使うことがないので仕方ないと思いますが。
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月11日
力学とか電磁気あたりは必修にあるイメージなのですが、専門で忙しくてほとんど身についていないまま専門課程突撃、みたいな感じでしょうか
— 相転移P (@phasetr) 2017年7月11日
力学電磁気学はありましたが微分方程式の解き方とか線積分面積分とかをずっと覚えて運用できるほうが珍しい気がします。もちろん構造生物学の人など例外はあり、主に私の周りにいる分子生物学や遺伝学(集団遺伝学ではない)を使って研究をしている実験生物学者風の人々を想定しての話ですが。
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月11日
ちなみに当初の「生物でも数学を」の中身はどんな感じなのでしょうか。私は冒険せず気楽に物理と数学だけで、あまり異分野のこと知らないもので
— 相転移P (@phasetr) 2017年7月11日
それが全てでは決してないですが、例えばRIMSの講究録で「生物」 がタイトルにあるものを検索してみると一つのあり方が見えると思います。あとは私の力では個々の例を列挙する形でしか示せなさそうです。まだまだ本格的な生物への数学の使用は端緒だと思います。
— 非線形 (@_mod_p) 2017年7月11日
そもそも遺伝学と集団遺伝学で何が違うのかすらまるでわからないほど, 生物の素養がない.
何も知らないので泣きたくなる.
2017-06-01 無理数の空間は完備な距離付可能な空間である¶
現代数学観光ツアーと並行して, 通信講座として現代数学探険隊を展開している. そのために集合論や位相空間論を今の視野と力量でいろいろ調べ直していると「そんな数学的現象が起きているのか」ということがよくある.
そして表題の命題はその再勉強の中で知った話だ. 実際けっこう面倒な話だった. ゼルプスト殿下に教えてもらったので記録しておく.
緩募 無理数が(いたるところ局所コンパクトでない)完備な距離空間である(完備な距離付可能な空間である)ことの証明
— 相転移P (@phasetr) 2017年6月1日
手元にあるWillardのGeneral Topologyには、「無理数全体の空間は可算個のNの直積と同型」を示すことで、「可算個の完備距離空間の直積は完備な距離付けが可能」を使って証明するという演習問題がありました。
— くるる、くるるん、くるるん、るん! (@kururu_goedel) 2017年6月2日
このPDFの§3の「アレクサンドロフの定理」の証明をみて頂戴。
— ゼルプスト殿下 (@tenapyon) 2017年6月2日
いかんいかん。URL忘れてたhttps://t.co/7JiQ19iqol
— ゼルプスト殿下 (@tenapyon) 2017年6月2日
↑↑↑これ
ありがとうございます。読んでみます
— 相転移P (@phasetr) 2017年6月2日
P.8、中央下方の \omega \mathbb{R}(と F の定義に使った <>)はどういう意味でしょうか?そもそもとして \omega は自然数のことだと思っていいでしょうか?
— 相転移P (@phasetr) 2017年6月2日
^ωR は数直線の可算直積。<>は列を表現する記法。ωは自然数全体の集合。
— ゼルプスト殿下 (@tenapyon) 2017年6月2日
もはや感覚的に「自明」と思っていることでもはじめからきちんと書いていくと命題の連鎖の中に置いてあることがあり, 「あの命題は証明していないからこれ証明できないな」とよく思う.
コンセプトとして先々を見通しながら講座を展開することを考えていて, そこまでに示したことしか使わない「本編」と, そこまでに議論していないことでもバンバン使ったり紹介したりする 「探険パート」がある.
探険パートはぶっ飛ばして書く前提なので別にいいのだが, 本編で時々これが起こる. 当然いくつかの本を参照しながら講座を作っていて, 「これはここでやらなくても大丈夫か」と思って飛ばしたのが 後で「これは盛り込みたい」と思った命題で使ったりする.
必要な命題は必要なところで追加すればいいし, そこまで気にしているわけでもないが, 「この命題の証明にこれ使うのか」と改めて認識して驚くことはある. 特に「これはちょっとマニアックだしあまり使わないだろう」と 思った命題を複数回使うことがあると自分の認識の甘さを痛感する.
集合や位相の再勉強を進めていると, 変な例を作るのに順序数がかなりよく動いてくれそうで, 改めて再勉強したいと思っている. 講座の流れではほとんど使わないので, 優先度は低くなっているとはいえ, 時間が取れたら変な反例探訪の旅に出たい.
2017-05-13 部活と数学問題に見る『「その業界に愛のない人」「その業界の特に利害関係者でもない人」の批判というのは、残酷なまでに美しく、正しい』話¶
文科も教委も,「部活に休養日を!」というけど,土日がつぶれる大きな理由の一つは,「大会」の存在です。
— 内田良/学校リスク研究所 (@RyoUchida_RIRIS) 2017年5月13日
これは,中体連,高体連,高野連,高文連が動かないとどうにもなりません。
が,いまだ部活改革の蚊帳の外で,微動だにせずいる。
(冠大会や顧問らの私的な大会への参加抑制も急務)
最近、学校の先生の過重労働問題とも絡めて「部活批判」が花盛りだけど、一部例外を除き、学校の部活とプロスポーツ、五輪選手強化みたいな世界は一直線で繋がってて、単純に現行を否定したら(行政含む)日本のスポーツ業界は回復不可能なダメージを食うだろう。なかなか難しいと思う。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
はっきり言って学校の部活“ごとき”にプロスポーツや五輪選手の育成機能を担わせてる現状は当方もおかしいと思うけど、ことの善悪を超えて、世の中の現状がそうなっていて、「ハイ、そうですか」でやめられるような話ではないからね。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
やっぱり本当に「その業界に愛のない人」「その業界の特に利害関係者でもない人」の批判というのは、残酷なまでに美しく、正しいなあ。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
「奴隷制は悪でしょ。すぐ廃止しなさい」「いや、そう言ってもこれで食べてる人や成り立ってる世界もあるんです。軟着陸路線はないでしょうか」「悪人の行く末なんて知りません。即時無条件廃止あるのみ」「チクショー、戦争だ」みたいに南北戦争が始まったことを思う。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
南北戦争前夜、草創期の共和党にシーワードという大政治家がいて、名声も評価もリンカーンなどより断然上で、誰もが彼が大統領になることを疑わなかった。ちなみにシーワードはまともな学歴もない貧農の子、リンカーンとは対照的に、金持ち階級に属する大変な教養人だった。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
シーワードは雄弁家として知られた人で、明晰な理論、古今の名著からの当を得た引用などで万座の聴衆を酔わせ、それで政治エリートとして成り上がった男である。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
一方また南北戦争前夜、印刷や運送の技術の発展で、新聞というものはかなり手軽に、民衆たちが親しめるメディアとして発達した。このころ、「政治家の演説をそのまま載せる」というのは、インターネットも電波メディアもないなか、新聞が誇った最大の人気コンテンツの一つだった。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
ところが弁舌の達人として万座の聴衆を酔わせるシーワードの演説を、その声色や表情を捨象し、文字化して新聞に載せると、その明晰な理論や、当意即妙の引用は、何の遠慮もなく政敵を切り刻む、残酷な物言いに見えたそうで、これが彼に多くの敵をつくり、大統領への道から脱落する一因になったそうな。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
イギリスでシーワードの演説を文字として読んだマルクスも、彼の演説は「大仰さと虚飾」に満ち溢れていて「吐き気を催す」レベルでたり、「弁舌の達人は政治家として危険なまでに不適格だ」との論評までしている。ちなみにマルクスは奴隷解放論者で、シーワードは米国で、その論の第一人者だった人だ。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
ちなみに当時の米国にはシーワードの亜流みたいな半端な雄弁家が南北問わず山のようにいて、それぞれの地域で過激な演説をぶち、新聞で伝播され、それが南北戦争の開戦原因となる諸問題の「対話の糸口」「妥協の機会」を、いちいちふさいでいったと言われている。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
シーワードというのは確かに貴族的で高慢な人だったようだが、実際会えばそれなりに「いい奴」で、実際その演説を直接聞いた人は、彼の言に喝采を送っている。しかし「彼の言の“文字起こし”」は、何とも人をイラつかせるものだったらしいのだ。そしてその「雄弁」が彼の出世を閉ざし、戦争を招いた。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
これがかなりクリティカルな印象.
やっぱり本当に「その業界に愛のない人」「その業界の特に利害関係者でもない人」の批判というのは、残酷なまでに美しく、正しいなあ。
— OGAWA Kandai (@grossherzigkeit) 2017年5月14日
この間微妙な怒られが発生した.
相転移Pが本当に真剣に真摯に怒っているのはよくわかるのだが, いかんせん口が悪すぎて対話以前に相手を怒らせてしまって対話の可能性を閉ざしているようにも見えるよ. こういうツッコミを入れることもあるいは傍観者的と言われるかもしれんけど.
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
数学専門家vs数学教育界隈と全く同じことが魚専門家vsとりくん界隈でも起きているっぽいし, なんというかそれぞれ専門家の側の主張は(私がみるに)何も間違っていないんだけど, 口の悪い過激派の専門家が何人かいるせいではたからみると「こわ近寄らんとこ」みたいな感じになってしまっている
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
数学クラスタの一部は本当に感じ悪いですよ. そのことに自覚的にならないと言っていることは正しくとも結果的に数学のイメージを貶めることになりますよ. 言っていることが正しければどんな表現を使おうと真理は真理だ, というのはアカデミアの外では理解されませんぜ.
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
アカデミアの外で理解されないことが必ずしも問題かと言われるとそうではないしアカデミアの外で理解されなくても数学そのものにとっては何の影響もないんだけれど, 数学という分野(で食っている人たち)の生存戦略を考えるとアカデミア外の人によりよく理解してもらったほうがいいよね.
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
数学の人たちは言明の真理性や内容に重きをおくあまりに, 広報戦略みたいなものを表層的で不純なものだと思ってしまいがちなんですが, 学としての数学ではなく学問分野としての数学を考えてゆく上ではそういう広報的な視点がどうしても必要になってきてしまうのだと思う. 不純で表層的かもだけど
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
学と学問分野で何が違うのかはわからないが(定義による), 適当な意味で広めたいと思うのなら, マーケティング・コピーライティング的なところが重要なのは論を待たない. 不純というのも表層的というのもよくわからない.
そもそも焦点がどこにあるのかよくわかっていないものの, どんな表現を使おうと真理は真理, これ自体は多分伝わるのではないか. むしろ「真理だろうが何だろうがお前の言うことは気にくわない」に対する話だろう. そこがずれていると見ている.
このツイートには言うまでもないですが「アカデミアの外」が「アカデミア」より偉いとか, あるいはその逆とか, そういう含意はありません. ただ, 「アカデミアの外」からの視線をもうちょっと意識して発言・行動しないと巡り巡って自分たちに不利益が生じるのではという話
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
私の言う「そんなのアカデミアの外では理解されませんよ」はアレな企業人が公務員に対してよく言う「そんなの民間では理解されませんよ」みたいのとはニュアンスが全然違うので誤解なきよう. 後者は民間が公務員より正しいという含意/前提がありますが前者にはどちらが正しいという含意はないので.
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
数学の学としての純粋性を担保したいと考えるあまり, (社会に根ざした, 公的な予算がついたり公教育で教えられたりする)学問分野としての数学という側面を無視してしまうきらいがあるんじゃなかろか. 学問が社会や予算など俗なものから離れて成立するものであってほしいという気持ちはわかる.
— noukoknows跡地の跡地 (@noukoknows) 2017年5月14日
何の役にも立たないような学術的な話は, ギリシャの奴隷制の元で暇な貴族階級の思索からはじまったとか何とかいう話を 高校で勉強した. それが正しいのなら, 単にそれだけだし, 社会や俗なところから離れてはいたとしても, 金からは離れられないのはもう by definition レベルの話という気はする.
むしろだからこそ, 私はその手のきちんと数学でお金が稼げるようにしましょうという活動をやっている.
確かにツイッター上の数学者のイメージは悪い
— 若葉めるる (@wkb89_) 2017年5月14日
観測範囲の問題が気になっている. 他の学問だとどうなのだろう. 例えば私の観測範囲では科学技術社会論 (STS) や経済学者のイメージは最悪な印象がある. こちらは言葉遣いの問題ではなくイメージが悪い. 数学とどちらの方がよりひどいだろうか, ということを考えないでもない.
ある程度まとまって人がいれば異常なくらい口が悪く, かつ適当な意味でうるさいのも一定の割合で存在するだろうし, 単に数学者に興味関心があって, 注意を払っているからそう見えているだけ, という気もしている. 実際, 化学者で口が悪いのがいるかどうかとか, 医学生理学で口が悪いのがいるかどうかとか, そもそも気にしたことがない.
ちょっとだけコメントしたやつ.
@noukoknowsこれに限らずツイフェミ・まなざし村事案、表現規制事案でもそうでオタク界隈でもそうなので人類の平常運転でしょう。いいかどうか、どういうときに自分がどう動くか、意識的にやるかやらないかはまた別です。私はめんどいので(Twitterでは)基本触れないスタンスにはしました。あくまで基本は
— 相転移P (@phasetr) 2017年5月14日
2017-05-12 「数学は発見されるものか、発明されるものか?」¶
数学は発見されるものか、発明されるものか?
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月12日
選択肢①は、もちろん皆さんご存じプラトニズムが典型例ですね。数学的知識の最大の特徴である普遍性、不変性と客観性を上手く説明できます。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
一方で、目に見えない触れない数学的対象を人間はどうやって認識するのか、大変な難題です。https://t.co/xlK2vdtwhR
選択肢②は、ちょっと難しいですが、例えばデネットとかがこの立場だと思います。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
1数学は人間が進化してくる前には存在せず、進化によって人間は数学を獲得した
2進化では、眼のように、魚と虫のように別の系統であっても、結局同じような構造にたどり着く事が多い
3数学も多分同じ
(続く)
4知的な宇宙人は、もしいるならば、やっぱり進化してきただろうし、そうだとすれば論理や数学などの基本的な概念は、人類と大筋で同型なものを持つのではないか
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
と言う訳です。楽観的な自然主義。
4知的な宇宙人は、もしいるならば、やっぱり進化してきただろうし、そうだとすれば論理や数学などの基本的な概念は、人類と大筋で同型なものを持つのではないか
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
と言う訳です。楽観的な自然主義。
選択肢③は、カントが代表例でしょうか。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
1典型例は幾何学ですが、幾何学は人間の(生物学的な)空間とかの認識様式というフィルターが罹っている。人間が認識できる形式で幾何学は世界を記述する(分析的ではなく総合的)
2その後は論理的に、誰がやっても同じやり方で数学は展開される
(続く)
3だから数学は経験的認識に先立つ先天的、自明的なものである。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
(エラいラフなまとめで済みません)
現代でも結構な人が同意しそうな雰囲気ですが、一方で、「人間の空間認識能力にとってはユークリッド幾何学が唯一の正解です」とか言ってしまい、(続く)
20世紀には新カント派の哲学者が相対論と言う邪説を学ぶ物理学者をお説教氏に言ったりして、評判を限りなく悪化させてしまいました。「人間の認識様式」という言葉の内実が何かが重大すぎる問題になると思います。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
選択肢④は…ポストモダンの人たちとか、他にもいろいろですね。ウィトゲンシュタインとか、極論すると「同じ人間でも数学は数学者たちの言語共同体の中でしか通じない」と言う主張になってしまいます。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
確かにそういう面はありますが、一方で、この立場では、自然科学における数学のキチガイじみた有用性とか、異なる文化や言語共同体でも数学を問題なく理解することができ、彼ら彼女らの数学(和算とか)も逆に西欧の数学者が理解する事ができる事実が、どうしても見えなくなってしまう問題があります。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
ちなみに、僕は個人的には②と③の中間派②よりです。
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
その他やりとり.
@ytb_at_twt公理は発明されて、定理は発見されるものかと。。。
— 大野典宏@大変身! (@oono_n) 2017年5月13日
@oono_nある定理(もとの体系の無矛盾性とか)が証明できるように新しい公理を付加するとかよくやるので、その辺の区別は意外と曖昧です
— ytb (@ytb_at_twt) 2017年5月13日
その他にもあったが省略.
「数学は発見されるが複数存在する」みたいなのないのだろうか. あと数学の存在証明以前に数学の定義はどうしているのだろう. 哲学的にはもっとうるさい基本的なところから議論しているとも思う.
2017-05-18 Bernhard-Jablan unknotting conjectureの否定的解決(?)¶
私は真偽判定する能力を持たないが, ツイートを見かけたのでとりあえず張っておく.
これは衝撃的です。
— musubimeriron (@musubimeriron) 2017年5月18日
[1705.05985] A counterexample to the Bernhard-Jablan unknotting conjecture https://t.co/f1OM5VgBDz
結び目理論の未解決問題10https://t.co/E0jzPmZOvU
— musubimeriron (@musubimeriron) 2017年5月18日
の一つでしたが、否定的に解決されました。
Bernhard-Jablan解消予想がもし正しいとすると、原理的には、結び目解消数が帰納的に決定されることになるので、非常に都合が良過ぎる予想ではある。
— musubimeriron (@musubimeriron) 2017年5月18日
二つ目のツイートで「結び目理論の未解決問題10」に関する Naverまとめが張られていて「何でそんなにまとめがNaverにあるのだろう」と思ったら, musubimerironさん自身のまとめだった.
私の結び目理論への知識は, 学部四年のときにちょっと講義にもぐった程度でほとんど何も知らない. Jones多項式関係で院のときの専門だった作用素環とこう割といろいろ関係があるとか, 三次元時空での代数的場の量子論でのDHR-DR的な話でも組み紐群が出てくる(はず)だとか, その程度しかない.
ただツイートの中にある反例を挙げる形での 否定的解決というのがかなりツボ. 私が運営している通信講座, 現代数学探険隊は, 例や反例を自分で作っていくことを重視して 数学学習していこうという趣旨で内容を構成しているので, 反例を作ることで本当に論文になる話としてメルマガでも流そう.
あとプレプリントをパラっと眺めて気になった点を挙げておこう.
The bulk of the work needed to reach these conclusions was carried out by computer.
ある意味四色定理とも似通っているのだろうか, プログラムで片をつけた部分も大きいとのこと. 最近中高数学駆け込み寺という中高数学復習のための無料のミニ講座で, 多少のプログラムもつけて講座を展開している.
数学とプログラムの遊び方みたいなところは最近かなり気にしているので, その点でもとても気になる.
SnapPyというPythonによるソフトもあるようなので, やはりPythonをもっときちんとやらねばならないかという気になっている. 個人的にはHaskellをやってみたいのだが, グラフを手軽に書く, 数値計算も手軽にやる, そういったところからすると資料が少なく(というか観測範囲でほぼない)Haskellでやるのは極めてハードルが高い. となるとやはりPythonかという感じ. これも頑張らないといけない.
2017-05-11 中高数学とプログラミング系コンテンツを作ろうの会¶
どなたに聞けばいいかもわからないのだが, かもさんに聞いてみた記録.
@kamo_hiroyasuどんな人にどう聞けばいいのかもわからないのですが、数学(または物理、適当な応用)とプログラミング的なネタで「定番」みたいな本やカリキュラムは何かあるでしょうか?中高数学復習的なネタと絡ませつつ展開したいのですが、良さげなネタを思いつかず
— 相転移P (@phasetr) 2017年5月11日
@phasetr定番というと、数値解析はどうでしょう。たとえば、奈良女子大学のシラバス検索 https://t.co/0qxDF0UK0Rで「数値解析」を検索していただくと、理学部のものと生活環境学部のものと二つ出てきますので、よろしければ参考にしてください。
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2017年5月11日
@phasetr定番では全然ありませんが、初等整数論ネタでこんなのもやってます。https://t.co/d8LWUpEQXR
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2017年5月11日
@phasetrもっと定番ではありませんが、三角形の心とかもあります。https://t.co/dwKmbBsOYT
— Hiroyasu Kamo (@kamo_hiroyasu) 2017年5月11日
数値計算の前にそもそも文字の扱いに慣れていてもらう必要がある. まずはそこからはじめよう. 数値計算は私も遊んでみたいところなのでそこに行くべく導線を頑張って作るのだ.
コースのページに無料の通信講座をまとめているので, ご興味があればぜひこちらから探してみてほしい. この記事を書いた時点でも, 中高数学とプログラミングに関わる講座も既に一つ作ってある.
2017-03-23 数学は何故役に立つように見えないのか? 動画つき¶
概要¶
はじめの注意¶
吃音があるので聞き取りづらいと思います. 予めご了承ください. 最低限話したいことはスライドに書いています.
軽く自己紹介¶
- ふだんは会社員.
- 学部で物理, 修士で数学をやっていた.
- 大学を出てからも数学や物理の勉強・研究, 情報発信を続けている.
- DVD や本を書いて Amazon で売ってみたり,
- 無料・有料含めて通信講座作ったり.
- お坊さんではない.
設定¶
- この場にいる人, メルマガ読者のうちで数学に対してゆるめの人たち向け.
- この場じたいはビジネスのコンテンツ制作実践会: 数学嫌いな人さえいる場.
- こんな人達を相手にこんなコミュニケーションを取っていますよ, という事例紹介・自己紹介.
ポイント¶
- 数学はふつうの感覚だと「見えない」し「感じられない」.
- ならば何を見せ, 何を感じてもらうのか?
- 実際に私が何を考えどう行動しているのか?
- 私という人間の行動を通じて数学を見て・感じてもらう.
- 数学という異世界を私のフィルターを通して見せていく.
数学を役に立たないように見せているモノ¶
「数学が何の役に立つんですか?」¶
- 注目したいのは, 何の役に立つかを説明することよりも, なぜ役に立つように見えないのかという問題.
- 私の世界観からすると, いちいち説明する必要もないほど現代社会は数学に満ち満ちているから.
- そこのギャップを何をしてどう埋めていくか?
社会の雰囲気¶
- よく知らないのになぜか役に立つと思われているモノはある.
- 直接見えないし感じられるわけでもない.
- 何か思いつきますか?
これを見たことありますか?¶
- プログラム.
- 数学同様, 理解している人は少ない.
- 一方で役に立つモノという認識はあるっぽい.
注意¶
- ここでの「プログラム」はソフトやアプリのように見えたり感じたりするモノではない.
- その裏側で動いている存在.
- プログラマがカチャカチャ作っている.
単なる雰囲気¶
- 「みんなそう言っているから何となくそう思っている」.
- 気分の問題, 認知の問題.
- 「プログラマという職業があってプログラムを書いて役に立つことをしているらしい.」という社会の空気感.
雰囲気その2¶
- おそらく, プログラマという技術者の有用性とは別に, 目に見えないプログラムやプログラミングスキルも役に立つと思われている.
- ソフトやアプリではなく, 目に見えない裏側の存在としての「プログラム」.
- 数学に対してはこういう認識がほとんどない.
- プログラマが割とたくさんいることもポイント高そう.
1 つだけ例を¶
- 電気で動いているものが身の回りに山程ある.
- その裏にある電気やそれを作り出した電気工学の議論,
- 物理, さらには数学が役に立っていると感じられるか?
- この話にリアリティを感じるか?
- 電気を見たときにその裏にある物理や数学を感じられるか?
感覚や雰囲気をなめてはいけない¶
- 感覚が伝わっていないと全くコミュニケーションできない.
- 見えている・感じている世界そのものが全く違うから真っ向から噛み合わない.
- パソコンやスマホを触っているときに物理や数学を感じますか?
- 実際に私はそういう感覚を持って世界と対峙している.
- 「何の役に立つ?」とか言われても「遍く存在している」としか答えようがない.
何となくでも感じさせることの重要性¶
- 筋トレしたら筋肉痛になる, 食を変えたら調子が良くなる.
- 明らかな変化を感じてもらえる.
- 数学はこういうのやりづらい.
- どちらかというと精神世界の存在だから.
- ではどうするか? どう感情にアクセスするか?
プログラムの実在感¶
- プログラムはプログラマがカチャカチャ作っているイメージがある.
- 人の動きとして見せている感じ.
- ソフトやアプリのような形もある.
- では数学ではどうするか?
「知らない世界を見せてほしい」¶
数学は見えづらいし見せづらい¶
- だいたい目に見える世界の裏や裏の裏, さらにまたその裏くらいにいる.
パソコンでの例¶
- パソコンは電気で動く.
- 特に電気回路がある.
- 電気回路に関する理論がある.
- この理論が数学で書かれている.
- 理論の式を見せればいいわけでもない: それだけで何がわかるわけでもないし何も感じられない.
- 見せられても困るでしょう?
方向性は2つ¶
- ドストレートな選択肢しかない.
- クライアントの要望を聞くこと, 自分の趣味に突っ走ること.
- 役に立つ実利系, 精神的充足を求める系.
- もちろん適当な落とし所を狙う.
最近頂いたご意見¶
- 中高数学の復習講座のアンケート回答: 子持ちの40代女性から.
『今回のコンテンツを見てどんなことを感じましたか?』
いろいろなところで数学が使われているのは普段目にすることはありません. 実際にこんなところでも使われているんだということがわかれば数学に対する意識が変わると思います. うちの子たちにも見せようと思います.
- まずは相手の懐に入ってみる.
最近頂いたご意見その2¶
- 50 代, 経済学部卒の男性: 「これに期待することを教えてください: 人類の叡智に触れることができるようになること.」
- 60 代の方からのコメント: 「数学や物理を勉強したい理由: 真理の追究」
- 数学・物理を扱っていると本当に「人類の叡智に触れる」とか「真理の探求」とかそういう目的が出てくる.
- 生まれてこのかた「人類の叡智」とか「真理の探求」という言葉をど真面目に口にしたことありますか?
これを受けて何をしますか?¶
- 実利系は素直に役に立つことをやればいい.
- いろいろなところで数学が使われているから片っ端から全部コンテンツのラインナップを作ればいい.
- 工学系は特にこのタイプ.
- 問題は数学に対して精神充足を求めている人に何を提供するか?
再びアンケートコメント¶
- 子持ちの40代女性から
「しかし, 小川洋子さんの書いた博士の愛した数式を読んで, 数学って美しいのかも, と興味を持ちました. だから, このような私でも数学がおもしろい, と思えるようなことを発信してもらえるとうれしいです.」
- 50代, 経済学部卒の男性
「知れば知るほど知らないことが増えてくる世界を垣間見ている気分です.」
何となく期待されていること¶
- 自分のいまの感覚を変えてほしい, 知らない世界を見てみたいという気持ち.
- 「素人」サイドからすると「数学, やっぱり面白いんですよね?」というのを伝えてほしいらしい.
- わかりやすさ, とっつきやすさは引き込むためのフック: 本丸はこの気持ちに答えること.
- もちろんフックを馬鹿にしてはいけない.
私がずっとやっていること¶
- 一つの方向性は「男の子の夢」.
- 「人類の叡智」とか「真理の探求」とか一度は言ってみたい言葉の上位にランクインする.
- 大事なこと: 人への憧れ.
- 学者という存在は憧れになりうる.
- ゲームでも味方で重要な情報を調べてくれたり何か作ってくれたりする.
- 悪のマッドサイエンティストがいたりする.
- 独特の世界観を持っていることもある.
- 社会にこういう雰囲気がある.
現実感のなさと超越性¶
- たいていの人にとって数学は感情を揺らす存在ではある.
- それが嫌いという形であったとしても.
- わかりやすく「意味がわからない」存在としての数学.
- 「数学をやっている人は世界をどんな風に見て何を感じているのだろう?」
- コンテンツとして具体的に自分の数学的世界観を見せてあげて, 世界観の変化を感じてもらう.
数学の世界を探険しよう¶
- いま作っている通信講座も数学世界の観光や探険という視点を取り入れて作っている.
- 私自身がそうやって数学や物理と向き合っているから.
- わかりやすさとか役に立つとか, そういうフィールドで戦わない.
- ただしクライアントに見つけてもらえるよう美味しそうにアジャストしよう.
2017-01-18 閉曲面の分類定理¶
どなたか閉曲面の位相的分類に使われた道具が何か教えて頂けるだろうか。複素解析(リーマン面?)使っていた気がするのだがそれすらよくわからないほど幾何を知らない市民なので困っている
— 相転移P (@phasetr) 2017年1月18日
@phasetr@MarriageTheorem閉曲面の分類を本当にフォローするのは大変なことですが、三角形分割の存在定理を基にした切り貼りによる方法が古典的で、可微分多様体の場合はモース理論による方法もあります。他にもあるかもしれません。
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2017年1月18日
きちんと追うのが大変と聞いて衝撃を受けた. トポロジーは有名な結果や古い結果をきちんと追うのが死ぬ程つらい分野というイメージがある.
二次元のトポロジーで複素解析で片がつく的な話があった気がするのだが, いったいそれは何だっただろうか?
2017-01-18 部分集合の連結性の定義は割と面倒である¶
魔法少女に教えてもらったので.
ニャオン> 部分集合 A⊆X に関する性質 "互いに交わらない開集合 U, V があって A⊆U∪V, A∩U≠∅, A∩V≠∅" の名前は?
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月18日
Google> 知らん
ニャオン> 😇
これ https://t.co/CsxkaTq5QW本当に誰も名前つけてないんですか
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月18日
@functional_yy(部分空間として)非連結と同値ではないかと思います
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2017年1月18日
@yamyam_topo3 上の位相 {0, {2}, {0, 2}, {1, 2}, 3} を考えると, 2 は 2∩{0,2} と 2∩{1,2} に分かれるので非連結ですが, 互いに交わらない開集合対が (0, 3) しかないので""内は不成立です.
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月18日
@functional_yyそうですね。勘違いしていたようです。たぶん正規性のもとでしか成り立たない推論を勝手にしていました。
— atsushi yamashita (@yamyam_topo) 2017年1月18日
これで調べていてわかったことは結構な数の位相の講義ノートで, 部分集合の連結性にさっき書いた定義が書かれている
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月18日
@functional_yy最近基本的な概念の定義が怪しくて本当にアレでつらいのですが、部分集合の連結性はどう定義するべきアレなのでしょうか
— 相転移P (@phasetr) 2017年1月19日
@phasetr(i) A に部分位相を入れたときに連結 (ii) 次のような X の開集合 U, V は存在しない: A⊆U∪V, A∩U≠∅, A∩V≠∅, A∩U∩V=∅ (つまり U, V は A 内で交わってはいけないが A 外では交わっていてもよい).
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月19日
@phasetr(iii) 次のような X の空でない部分集合 B, C は存在しない: A=B∪C, B∩cl(C)=cl(B)∩C=∅. なお ∅ は非連結と見做す流儀もある.
— 🌔 (@functional_yy) 2017年1月19日
こういうのが甘いの, 本当によくない. 反省することばかりだ.
2017-01-08 ベルフェゴール素数¶
ベルフェゴール素数は、1000000000000066600000000000001 だ。キリスト教で不吉な数である666が入り、0が13個ずつ連続していることから、ベルフェゴールという悪魔の名前がついている。回文素数で、記号はπを逆にしたものだ。 pic.twitter.com/vFGtNhNr8m
— 巨大数bot (@googology_bot) 2017年1月8日
元ネタを追いきれないがとりあえず記事を二つつはっておく.
二つめの記事に張ってあるが, メガテンでも便器に座っているあのアレだ. もう便器のイメージしかない.
2017-01-07 alg_d兄貴のtogetter数学講座¶
「随伴がなんなのか説明を試みる」をトゥギャりました。 https://t.co/pOvxEwiKKo
— アルゴドゥー・ヴィエルジュ (@alg_d) 2017年1月7日
alg_d圏論話過去編はこの辺
— アルゴドゥー・ヴィエルジュ (@alg_d) 2017年1月7日
【f^-1と∪, ∩の交換と圏論について - Togetterまとめ】https://t.co/cpKGCwervs
【圏論での積分(エンド)について - Togetterまとめ】https://t.co/qw58ErdhFG
「「Xがススリン線のときX^2はc.c.c.でない」という命題と選択公理」をトゥギャりました。 https://t.co/S9NOBrA6LY
— アルゴドゥー・ヴィエルジュ (@alg_d) 2017年1月7日
togetter豆知識: 「数学講義」というタグを見るといろんな数学の話が読める https://t.co/D9Q2XK2t2o
— アルゴドゥー・ヴィエルジュ (@alg_d) 2017年1月7日
次のやつが割と楽しそう.
2017-11-25¶
体調不良でようやく確認できました. 後でコメントします. 取り急ぎ確認したことだけコメント.
2017-11-28¶
ファイルをアップロードしました. 1.tmp.pdf (119.98 KB) プレビュー [To:2735285] 今井敏正さん コメント付けました.
2017-11-28¶
小南 靖雄¶
「最大の集積値」でググると, 2013 年 02 月 23 日 22 時 46 分投稿の 「taro-nishino の日記: 証明の不滅」というのを見つけました. 問題文と解答例が同一です. 今井さんはこれをみられて質問されたのでしょうか.
回答¶
ありがとうございます. 元ネタあるならそっち張ってほしいですね. しかも今回の場合, ふつうのテキストにされたせいで 読みづらくなってさえいますし.
質問フォーマットなかったのもまずかったのかもしれませんが, どんな目的で何を求めてこの質問したのかとか, どのくらいの予備知識あるのかとか, そういうのも何もないし, こういうの回答困りますね.
質問フォーマットの叩き台作りますか.
ついでに¶
これにまだ書いていない方, できる限りこれに自己紹介書いてください. 説明のレベルや具体例の取り上げ方もいろいろ考えられるので. ここに自己紹介書いてない方はよくわからないので, それ相応の対応しかできないです.
今井敏正¶
ご連絡誠にありがとうございます. 大変参考になりました. 感謝致します. 質問ですが, 集積値が∞のとき, 問題になる例とは何でしょうか. よろしくお願い致します.