MarriageTheorem さんによるつらい現実の召喚: 「偶数と偶数の和は偶数であることの説明」について

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MarriageTheorem さんがまたつらい現実を召喚してきた. 元記事のコメントで これ とごちゃごちゃ書いている人がいるが, そもそも私が必要だと思うのは「わかるまで考えるのをやめないこと」, 「わからないことに耐えること」, 「今すぐできるようになるという幻想を捨てること」だ. 一応上記リンクでのコメントも引用しておこう.

説明(証明)問題の前に,偶数,奇数,3の倍数,連続した2つの偶数,2つの偶数などを,文字を使って表現する方法を徹底指導しました。また,文字は変数であることから,どんな数字でも入る魔法の箱というイメージ作り。1~10程度までを書き出して,偶数と奇数が交互に並んでいること,3の倍数はどうかなど,数字遊びも大切だと思いますよ。 それ以前に,中2の式と計算の単元で,ちがった種類の文字の計算をどのように指導してきたかも大事ですね。 指導は系統性が大事だと思いますから,この問題だけを指導するという考え方が違っていると思います。 わたしは学習塾でバイトをしていたことがあります。これはワークの例題になるような有名な問題なので,研修を受けた記憶があります。 正直私も自分の子には,無料塾には通わせたくないと思いました。お金がかかっても力のある塾は指導をします。無料塾の光景は相談会のような感じですね。指導は授業や講義時間だけの労働で成り立っているわけではないのです。貧困克服のために,準備をしていない指導者がいる塾に通わせるなんて,本末転倒もいいところではないでしょうか。

無料だからといってこういう変な教え方されるとそれが子どもの記憶に残って 将来にわたって悪影響を及ぼすんですよ。 クリティカルな年代の子ども相手にボランティア感覚で気軽に教えないでください。

私が通っていて, 最近また通い出した柔道の道場がいつもこう言っている.

今すぐ試合に勝つとかそんなことを考えて教えているのではない. 5 年, 10 年先の柔道, もっというなら人生のことを考えて指導している. 今はできなくてもいいからとにかく 1 つ 1 つのことをきちんと心を込めてやりなさい.

今はできなくてもいいというの, 元の証明を今は理解できなくてもいいというのと 私の中では繋がっている. 簡単に納得しようとしないできちんとその不快感とも向き合ってほしい.

田崎さんから聞いた, 江沢洋先生の教育スタイルとかそういうのを継承したい. ちなみに江沢先生は学生が質問に来ると, 学生が自分自身でそれに対する回答を考えるのを黙って見守り続けるという対応をしていたらしい. 口出しもしたくなるだろうが, そういうこともせず, じっと学生を待ち続けたと聞いた.

こういう教育, 死ぬ程時間がかかるし, 少なくとも今の大学の教官の忙しさからすればほぼ絶望的なことだろうが, 私はこういうのがやってみたい. 尋常ではないくらいに粘り強く取り組む精神力を身につけてほしい.

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