伊藤哲史さんによる『楕円曲線の数論幾何』の PDF¶
はじめに¶
元ツイートがどれだか分からなくなってしまったのだが, 伊藤哲史さんによる楕円曲線の数論幾何という PDF が流れてきた.
次のような話が載っているとのことで, ちょっと読んでみた.
メモ¶
最近では, ワイルズ以降, 大きな進展があった. この 10 年間だけでも, 重要な未解決問題が数多く解かれた. この講演では, そのうちのいくつかを (雰囲気だけでも) 紹介したい.
- フェルマーの最終定理
- 谷山-志村予想
- 佐藤-テイト予想
- バーチ-スイナートン・ダイヤー予想 (BSD 予想)
細かいところは興味ある各人が勝手に読むことを期待しているので, 適当に面白いと思ったところだけ抜いていく.
数論幾何: 整数に関する問題を, 幾何学的手法を使って研究.
整数は "目に見える" 素朴な対象. 目に見えている部分だけでは, よく分からないことも多い. より深く理解するために, "幾何学的な視点" を導入して研究する.
数論幾何の醍醐味 『素朴な対象の背後に, 広大な世界が広がっている』 (ただし, 「素朴 $\neq$ やさしい」)
『素朴 $\neq$ やさしい』というの, Feynman の初等幾何を駆使した力学講義を想起させる.
モーデルの定理 (モーデル・ヴェイユの定理)
$E \colon y^2 + x^3 + ax + b$ を楕円曲線とする. このとき, 有限個の有理点 $P_1, P_2, \dots, P_n$ が存在して, $E$ の全ての有理点を $P_1, P_2, \dots, P_n$ から作ることができる.
面倒なので引用を省略したが, この前段にある具体例のあとに出てくるこの定理が凄まじい. 具体的にいうとねじれ点の話.
$P_1, P_2, \dots, P_n$ を生成系という. $Q_1, Q_2, \dots, Q_r$ から, ねじれ点以外の有理点を全て作ることが できるような $r$ の最小値を, $E$ の階数という.
P.19 の Hasse の定理, これ自身はよく分からないが, 言い換えの方を見て凄まじさを把握した.
P.24 の比較画像, 唐突過ぎる.
やはり他分野の問題の面白さの把握, 著しい困難を覚えるということが再確認された.
ラベル¶
数学, 数論幾何, 楕円曲線