単位的環とその部分群に関する命題の (反) 例を作ろう

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やりとりが面白かったので.

去年の環論の演習で「単位的環 $R$ とその加法についての部分群 $S$ で, $S$ が $R$ の乗法で閉じていて単位的環となるが $R$ と $S$ の単位元が異なる例を挙げよ」という 問題を考えて少し悦に入っていたが零環でない環 $R$ と $S={0}$ をとれば明らかだった.

(昔, $R \to R \times R$, $x \mapsto (x, 0)$ について $\mathrm{Spec} \, (R \times R) \to \mathrm{Spec} \, R$ を とってしまうような間違いを 1 時間くらいしていて悩んだことがあったので……)

@nolimbre 2 次正方行列の環 $R$ と, $(1, 1)$ 成分以外 0 な部分加群 $S$ とか.

@nolimbre 「単位的環においては単位元と零元は異なるものとする」と 断ってあるのをなんかの教科書で見たような気がします.

@kyon_math @nolimbre そういう流儀もあると思いますが, 零環を許さないと, 空集合が affine scheme で無くなってしまう気もするのです.

@atomotheart @nolimbre いや, 単に「呼び方の便宜上の話」だと思います. 「本書では環と言えば単位的な可換環のことをさす」とか, その手の類いで, 定義として採用しているわけではない.

誤解を招くつぶやきだった

@kyon_math @atomotheart 零環を排除すれば一見楽に見えますが, 終対象なので, ないといろいろ不便ですよね. (テンソル積が一般にとれなくなる, それに伴ってスキームのファイバー積がとれなくなるなど) 僕は以前零環を軽視していて総ツッコミを受けました

@iwaokimura そういうのもありますね. (あまり関係ないですが, 初めて代数群の定義を見たとき「なるほど, 体を加法群とみたものなんかは代数群ではないんだな」と思ってしまいました).

@nolimbre @atomotheart 私が勤めはじめた頃, かなりお年を召した代数学の教授が 「零次元のベクトル空間なんて, そんなものありゃあせん」と主張して, 困ったことを思い出しました.

いまは何もかも懐かしい

@kyon_math @atomotheart そ, それは過激ですね…… ww

名前しか知らないが, 代数群恐るべし.

ラベル

数学, 代数学, 環論, 代数幾何