茂木健一郎御大の衝撃的なほど下らない見解を見た

はじめに

本当にしょうもない見解があった.

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らぞ (6) ネットがあれば, 大学は要らないか. よっぴーとの間で, あっという間に「いらない」と結論が出ちゃった. OCW を見て, ネット上で議論し, google scholar で論文を読み, 動画で上がっている lecture を見れば, へぼ大学の授業よりもよほど密度の高い学びができる.

コメント

数学なら一応 arXiv があるとはいえ, 現実問題としてアクセスできない論文はたくさんある. それはそれとして, こういう意見がついていた.

@kenichiromogi (1) 知識はウェッブ上で充分得ることができると実感します. ですが, 学問・研究のトップアスリートの本気レクチャーを生で受け取る「質感」と 自分が揺り動かされる「衝撃」はウェッブで得られるのでしょうか? レクチャーの内容自体はウェッブ上でむろん視聴できる.

@kenichiromogi (2) 先日 6/13, 望月新ー教授 (ABC 予想を解決したと言う論文をウェッブ上に発表した数学者) の講演を生で聞き, 内容はほとんど理解できない (私は実験物理系の企業技術屋) にも関わらず, 「強烈な質感」を感じて, 私も自分の勉強をさらに深めようと決意.

@kenichiromogi (3) 望月先生の講演は, 訥々淡々としながらも「磁力」がありました. この体験の場となった東大 (駒場) と, 京大 (望月先生の所属) に感謝しています. 話し手の持つ「強い磁力」は, 現状の技術では, ウェッブより「生の出会い」がはるかに影響力を持つと実感.

正にこれで, 現状の技術では場の空気が共有できない. 何でもいいが, スポーツ観戦や音楽のライブがいいのだろうか. 確かにこれらは家でも見られるが, 会場で一体となる臨場感は違う. あと, 気持の上で「わざわざお金を払って見に行った」というのものめりこむのに大きく効くのだろう.

こういうしょうもない Web 万能論, 本当に下らない. 少なくとも現状の Web, 満足できるレベルの講演録とかあまり置いていない印象ある. 私が学生の頃, たまたま就職の面接がある日に Fields 賞を取った Yau が講演に来ることが分かり, 分野は全然関係ないが生で Yau を見てみたかったから, という理由で交渉して面接日ずらしてもらったことがある. この間, 理研で理論物理学者の展示をやったという話があったが, それと同じで現状, 生というのは気持の上でまるで違う.

茂木御大は「自分はそう思わない」というのならそれはそれでいいが, こういう部分に気が配れないというのでは web 上の学習に未来はない. 最近企業でも e ラーニングというのが浸透してきているが, ここでも 1 人で黙々と画面に向かった学習をするということで, モチベーション維持がかなり問題になっていると聞いている.

強烈なモチベーションが勝手に湧いてくるタイプの人間ならいいが, 一般ではそうもいかない. 数学は心でやるものだと何度だって言い返せる.

大学のいいところは個人で頑張らなくても, 専門家が本や人, 環境が揃えてくれるのがいい所. 金と時間をかけてでも整備する価値がある.

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数学, 数学教育