基礎研究を愉しむ方法

はじめに

メルマガで次のようなコメントが来たので, それへの返答です.

物理学での使う愉しみも愉しそうなのですが、応用研究ほど役に立ちそうにないことfを愉しむ方法というか、基礎研究を愉しむ動機づけの方法があれば知りたいです。

コメントその 1

究極的な結論だけ書けば, 議論されているテーマに広義オタクとして興味が持てるかどうかです. こちらの数学・物理メルマガに登録して語学メルマガに登録していない人はたくさんいると思いますが, 興味が持てないならどうにもなりません. きちんとテーマを分けた以上, このメルマガで語学の話をされても迷惑でしょう. これと同じです. 無理に興味を持つ必要もありません. もちろん興味が持つような語り口に触れられるかという話もありますが, その語り口に反応できるかどうかは自分次第です.

コメントその 2

この間来たアンケートの内容についてもう少し書いておきます. 理工系のためのリベラルアーツと称して企画を立ち上げていろいろ勉強もしているいまの私にとって他人事ではないからです. もしあなたがこのテーマに興味がないなら, 飛ばして一足飛びにリーマン面のところに行ってしまってください.

私の場合の事例

何かというと, 例えば比較的近いとされる化学, そして生物で基礎研究に興味を持てるかと言われると私は厳しいです. 応用研究だからといって興味を持てるわけでもありません. もっと言えば神学や宗教学の基礎に興味が持てるかと言われても厳しいです. ちなみに応用神学 (実践神学) というのもありますが, これも名目上応用だからといって興味が持てるかと言われると極度に人によるでしょう.

大事な二点

このとき大事なのは次の二点だと思っています.

何かしらの形で興味を持つための糸口を見つける

前者はいわゆる面白く教えてもらう方向も含みます. 他には私がいままさに理系のための総合語学・リベラルアーツ, 大人の高校と称してやっている・やろうとしている方向です. 中高生向けの文系科目への導入としていろいろな形で理系科目を使う方向です.

自分自身の興味関心の持ち方を変える

もう一つの興味の持ち方を変える方は, どちらかというと長時間にわたる活動の中での自然な変化の趣があります. 例えば研究者が研究分野を変えるとき, 工学的に技術革新が起きて従来の自分の研究が廃れてしまう外圧にさらされて無理やり他の研究をしないといけなくなったというのもありますし, もとのテーマから派生したテーマが面白くなってきたというのもあるでしょう. 私自身に関していえば, プログラミングと語学を明示的に活動に盛り込むようになったのがまさに興味関心の持ち方の変更にあたります.

自分で作ろう

一応, 私もいろいろな人に興味を持ってもらえるように, 自分なりにいろいろな切り口を用意しますが, これだとやはり他人任せにしかなりません. 自分で調べてみるか自分を変えるか, これらも試してみてください. 何にせよ大の大人が口を開けて待っているだけではいけないでしょう.