Infinite dimensional analysis and analytic number theory
読みやすいとは言っても無限次元Hilbert空間のテンソル積からなる 無限直和とその上の第二量子化作用素とかそういう数学に耐えられる必要はある. 収束とかその辺はあまり気にしなくてもいいのだが, こういうのを見て「ウッ」と思うようだとかなりつらい. 要望があるようならYouTubeに動画でも出そうとは思っている. 優先順位の問題があるのでずっと上がってこなかったのだが, 要望があるならもちろん優先度をあげていく.
#数学続き。19世紀の段階では以上の「数」と「函数」の類似性は明瞭に意識されていたと言って良いでしょう。20世紀に入ってそれらの中間的な世界とみなせる「有限体上の幾何」も活発に研究されるようになりました。所謂「ヴェイユのロゼッタストーン」。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「ヴェイユのロゼッタストーン」のヴェイユさんはアンドレ・ヴェイユさんでフランス出身の20世紀の大数学者です。世間的には妹の哲学者シモーヌ・ヴェイユさんの方が有名かもしれません。自伝がおすすめ→ https://t.co/w1flvoXhKp
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。アンドレ・ヴェイユさんの写真→ https://t.co/DU5KRdtUHq
上から二段目の左側の写真は子供のときのお兄ちゃんアンドレと妹ちゃんシモーヌです。かわいいです。しかし、アンドレ・ヴェイユさんの自伝を読むとこの時点でおそらくこの二人はすでに神童。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。『アンドレ・ヴェイユ自伝』にはお兄さんのアンドレさんがブルバキの若い数学者達の集まりに妹のシモーヌさんを連れて行った(もしくは妹がついて行った)ときの写真が掲載されています(1937)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。写真に写っているのは、シモーヌ・ヴェイユ、アンドレ・ヴェイユ、J.デュドネ、C.エーレスマン、J.デルサルト、C.シャポーティ、H.カルタン、S.マンデルブロー、S.シュバレー。数学を知っていれば結構びびるメンバー。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「ヴェイユのロゼッタストーン」の話もお兄さんのアンドレ・ヴェイユさんから妹のシモーヌ・ヴェイユさんへの有名な手紙(1940)の中に書かれています。その手紙の英訳→ https://t.co/lQ2HIHorVN
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。全然数学に興味がない人であっても、「戦争はろくでもない」とか「人種差別はろくでもない」というようなことに興味があるなら、『アンドレ・ヴェイユ自伝』やE.フレンケル著『数学の大統一に挑む』を読む価値があると思います。理由は読んでみればわかる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
全く関係ないが, 以前東大の数学科に論文だか教科書を読んでいてわからないことがあったとかでWeilに電話した人がいると聞いた. それも(確か)大学院くらいのときの話と聞いた気がする. 時代もあるので手紙やメールならわかるが, 電話とかパンチ力高い.
#数学数学者も各国の政策失敗や混乱に翻弄されながらも楽しいことを見付けながら暮らして行こうとしている自分と同じような普通の人たちであるということ、その「普通の人たち」がどれだけ親しみを持って数学的概念を扱っているかを知ってもらえたらいいなと思いました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学本当に親しみを持てればその世界の統一性も自然に見えて来ると思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
この辺で有名な話だと, やはり徴税人をしていたからという理由で フランス革命でギロチンで処刑された話題がある. 最近嫌な方向で話題に挙がることも多い La Marseillaise をも想起する.
#数学続き。フレンケルさんが解説しようとしている数学の世界における数論側での21世紀の発展として、Sato-Tate予想の解決が重要なのですが、どのようにしてその予想が出て来たかについては難波莞爾さんによる詳しい解説(非常に面白い)があります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。『佐藤幹夫の数学』に掲載されているものよりも https://t.co/o5VXAhQqWuの方が色々面白いです。佐藤幹夫さんは難波完爾さんにコンピューターで計算してもらっているのですが、「難波完二様」と書かれた葉書のスキャン結果も掲載されています(笑)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。集合論の本では西村・難波共著の https://t.co/ZGXu3RgagZが個人的に好きです。その解説のスタイルが好き。数学全体に統一的感覚が通用することを著者達が読者に伝えようとしていることがよくわかる。分野を分断するようなスタイルは好きじゃない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
少し話がずれるが, von Neumannが有名な『量子力学の数学的基礎』で, わざわざ$\delta$関数は関数として存在しないことを示した (いま早稲田の小澤徹先生が言っていた) という話を聞いた. (その当時の)数学では異常にしか見えないところが物理では普通に出てくるところで, そこに切り込んでいくタイプの話, 超好きなのでそういうのがやりたい.
あとWeilに関しても, 相対論的場の量子論での表現論で, 数学的に難し過ぎてWeilですら太刀打ちできなかったところを 物理でどうしても必要だからということで Wignerが先鞭をつけDiracがさらに切り開いた Lorenz群の無限次元ユニタリ表現とかの話も凄く好き. これについては平井武先生の『線形代数と群の表現 II』P.453-454 とかを読んでみよう.
こういう真っ当な数学者が近寄ってくれなくて, 業を煮やした物理学者が自分達で何とかしたみたいな話がすごく好き. 出てくる名前がNobel賞, Fields賞クラスなので, 爆笑するが, かといって夢は夢だし小さくても自分でも何かしたいし, 大人のそういう姿を子供達にも見せたいとずっと思っている. (正しい)努力をやめてはいけない.
#数学続き。適当に思い付いたことを脈絡もなく書いています。「数の世界」「有限体上の幾何の世界」「函数の世界」と言う言い方で数学における「ロゼッタストーン」の話をしたのですが、それぞれの世界に得手不得手があります。しかし、一般に極端に難しいのが「数の世界」。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「数の世界」における元来のリーマン予想(素数がどれくらいあるかに関する精密な予想)はまだ証明されていません。証明すると100万ドルもらえるらしいのですが、人間の一生の値段としては安すぎると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「有限体上の曲線」に関するリーマン予想(の類似)はヴェイユさんによって一般的に証明されました。曲線の場合に限らない「有限体上の幾何」一般の場合に関するヴェイユ予想はグロタンディークとドゥリーニュによって解決されました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「複素数体上の幾何」(函数の世界)におけるヴェイユ予想の類似(のリーマン予想に対応する部分)もきちんと定式化されており、「解けている」と言えます(齋藤盛彦さんの混合ホッジ加群の理論)。それはD加群の代数解析の発展形です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。リーマン予想が解けていないのは元来の数の世界における予想の部分だと言えます。続くがずっと後になる予定
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。「フェルマーの最終定理」=「フェルマーの定理」=「ワイルス・テイラーの定理」とは「nが3以上の整数のとき(X,Y)に関する方程式X^n+Y^n=1の有理数解は自明なものしか存在しない。ここで自明な解とはXまたはYが0になるような解のことである」という結果。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。フェルマー予想そのものの証明は大変なのですが、その函数版の証明は易しいです。abc予想の多項式版は「多項式は微分できる」ということを使えば容易に証明でき、フェルマー予想の多項式版をそこから導くことができます。詳しくは→ https://t.co/rO6Af9krDF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。多項式版フェルマー予想はトポロジーを使った証明もできます。「g≧1のとき、2次元球面によってg人乗りの浮き輪型の曲面を分岐被覆できない」という直観的に明らかに感じられる位相幾何学の結果を使えば次のツイートで説明する複素多項式版のフェルマー予想を証明できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
トポロジーも数論に負けず劣らずいろいろな数学が交錯する分野という印象がある. 非線型偏微分方程式までぶっこめるとか尋常ではない. 微分幾何関係であるのはそれは普通だろうが, 位相的な性質まで微分方程式で議論するとか無茶にもほどがあると思っている.
#数学続き。複素多項式版フェルマー予想(容易に証明可能)とは「nが3以上の整数のとき(X,Y)に関する方程式X^n+Y^n=1の複素有理函数解は自明なものしか存在しない。ここで自明な解とはXとYが定数になるような解のことである」という結果。位相幾何的には直観的に自明に近い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学数の世界と違って函数の世界では微分やら位相幾何やら使える道具が豊富なので多くの問題が易しくなります。しかし、数の世界にもよい点があって、「函数全体に渡る"積分"」(Feyman積分)にあたるものが数の世界では「数全体に渡る積分」(普通の積分)として自由にできます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
全くお勧めしないが, 数学的に何とかなっているFeynman積分(経路積分, 汎関数積分)については, 例えばLörinczi-Hiroshima-Betzの『Feynman-Kac-Type Theorems and Gibbs Measures on Path Space: With Applications to Rigorous Quantum Field Theory』とか新井-江沢の『場の量子論と統計力学』あたりがある.
前者は非相対論的場の量子論に関する割と最近の発展までをカバーしている. 後者はちょっと古いが相対論的場の量子論レベルの話をカバーしている. ここで関係のある超弦理論レベルの話には全く追いついていなくて, その意味では使いものにならない. 両方とも私より数学ができるなら読めるだろう.
上の本で厳しいがもう少し簡単なところを数学的に厳密に見てみたいという 奇特な方は新井朝雄先生の『量子数理物理学における汎関数積分法』を勧めておく. これなら私と同程度にしか数学ができなくても読める.
#数学「有限体上の函数」の世界ではリーマン予想の類似が簡単に証明できる場合があります。素数がどれだけたくさんあるかに関するリーマン予想は解けていないのですが、有限体上の1変数既約多項式がどれだけたくさんあるかに関するリーマン予想の類似は簡単に証明できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学続き。有限体上の1変数既約多項式がどれくらいあるかに関するリーマン予想の類似の証明を学生に紹介するために書いたノートを次の場所に置いてあります→ https://t.co/2cTV2gGPsi
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学元来のリーマン予想についてパソコンを使って遊んでみたい人は→ https://t.co/5HlGRU3OTF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/2AQ5FI4wQD
数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 第1回 11月13日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/620wq55q3W
全体的に「対称性」の話を強調している感じになるのかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学おすすめの本。ぼくは学生時代から次の本の大ファン。
https://t.co/sSganP0I5L
ガロアの夢―群論と微分方程式
久賀道郎
面白おかしく数学的本質が分かり易く書かれているすんごい本。大学1年生でも十分に読めるように書かれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
何かいかにも後が続きそうだが, あったらあとで追加する.
やはりまだ番組を見られていないが, とりあえず黒木さんのツイートまとめ.
この辺YouTubeに補講的な動画とか上げるの需要あるだろうかとふと思う.
#数学昨晩放送された第2回目の数学ミステリー白熱教室はn次方程式のガロア理論に関する結構素直な解説だったみたいですね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学おとといのE.フレン系さんの白熱教室では algebraic number field についても説明したようですね。数学用語としての field は体と訳されるのですが、フレンケルさんの講義については片仮名英語でフィールドと訳した方が〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き〜ニュアンスが伝わりやすい感じもしました。number field を数体と訳すのではなく、「数のフィールド」と訳せば、「数たちが集う場所」のような意味として数学的定義を知らない人達にも伝わるかなと思いました。以下、そういうやり方で説明。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学フレンケルさんは有理数たちが集うフィールドに√2を付け加えて新たな数のフィールドが作られるという話をしていました。これは中学生でも本質的に知っていることです。α=√2を有理数のフィールドに付け加えても、加減乗除が自由にできる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学しかも、中学生であっても、√2を含む加減乗除の計算で√2を-√2で置き換えても同じ計算が成立することに気付いてしまう人は多いと思う。ガロアさんもきっとそうだったのでしょう。
眠いので続きは後で
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。たとえば、
1/(1+√2)=-1+√2 の両辺の√2を-√2で置き換えて得られる等式も成立しています。有理数フィールドに√2を付け加えてできるフィールドは√2を-√2で置き換える対称性を持っているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。一般に、a_iたちがフィールドKの数であるとき、方程式x^n+a_1 x^{n-1}+…+a_1 x+a_0=0のすべての解をKに付け加えてできるフィールドLのK上でのすべての対称性の集合をその方程式のガロア群と呼びます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。一般に二次方程式は判別式Dの平方根√Dを-√Dに置き換える対称性を持っています。三次方程式x^3+q+px=0の場合はどうなるでしょうか?q=y^3+z^3, p=-3yzと置くと高校1年の最初に習う見たことのある式が出て来ます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学最近 #掛算や #輪環で話題になった x^3+y^3+z^3-3xyz が出て来ます!それが(x+y+z)(x+ωy+ω^2z)(x+ω^2y+ωz)、ω=(-1+i√3)/2と因数分解されることを使えば、三次方程式の解の公式も得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。高1の最初で習う特別な三次式の因数分解の公式は実は三次式方程式の解の公式を作るためにもろに役に立つ公式だったわけです。こういうことはガロア理論入門では定番のネタになっており、数学的教養のひとつだと言ってよいと思います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。三次方程式の解の公式を書き下すよりも、x^3+y^3+z^3-3xyz=(x+y+z)(x+ωy+ω^2z)(x+ω^2y+ωz)、ω^2+ω+1=0という綺麗な因数分解の公式をそのまま使った方が対称性がよく見えます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。因数分解の公式の両辺は文字x,y,zを入れ替える操作で不変です。たとえばyとzを交換する互換と、x→y→z→xという巡回置換をしても変化しません。後者の巡回置換を右辺で見れば(y,z)→(ωy,ω^2z)という対称性がみえます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。この結果から、一般の三次方程式のガロア群が「3つの文字の置換全体の集合」=「3次の置換群」になっていることと、その具体的作用がどうなっているかがわかります。高1で習う因数分解の公式はこれだけのパワーを持っているわけ!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。約200年前のパリに住んでいたガロア少年は方程式を解くことと方程式の対称性のあいだに深い関係があることを見抜きました。対称性の観点から方程式の構造を記述するというガロア少年のアイデアはその後の数学と物理学を完全に塗り替えることになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 21
@genkuroki#数学続き。x^3+y^3+z^3-3xyz=x^3+px+qの左辺の因数分解とy^3,z^3をp,qから二次方程式を解くことによって求められることを使えば一般の三次方程式の解の公式が得られる。別の因数分解の公式を使えば四次方程式も解ける!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学四次方程式を解くためには(x+y+z+w)(x+y-z-w)(x-y+z-w)(x-y-z+w)=x^4+px^2+qx+rを使うのが便利。左辺は文字x,y,z,wの置換で不変なので、p,q,rはy,z,wの文字y,z,wの置換で不変な多項式。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki続き。y^2,z^2,w^2をp,q,rから求める方程式は三次方程式になります。三次方程式の解き方はすでにわかっているので、四次方程式の解き方もわかるわけです。以上の議論から四次方程式の解の世界の対称性もよく見えます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学続き。四次方程式の4つの解は三次方程式と平方根を用いて求められたy,z,wでα=-y-z-w, β=-y+z+w, γ=y-z+w, δ=y+z-wと表されます。これらはy,z,wのうち2つを-1倍する対称性とy,z,wの置換の対称性を持ちます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学続き。それらの対称性を全部合わせると4つの解のすべての置換を実現できる。これで一般の四次方程式の対称性が4次の置換群になることと、その作用の具体的な様子もわかりました!本質的にすべて高校1年レベルの話です。計算ですべてを確認できる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#掛算一般のn次方程式にはn個の解を自由に置換するn次の置換群の対称性を持つのですが、3次と4次の場合には特別なことが起こっていることが、以上の高校1年生レベルの計算からわかります。その特別なことのおかげで方程式が解けてしまったわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#掛算一般の三次方程式の3つの解はα=-y-z, β=-ωy-ω^2z, γ=-ω^2y-ωzと書けて(ω^2+ω+1=0)、解達の置換対称性は、(y,z)→(ωy,ω^2z)で生成される位数3の巡回群の対称性とyとzを交換する対称性に分解されている!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
@genkuroki#数学すでに解説したように、一般の四次方程式の場合には、4つの解の置換対称性は、3つの文字のうち2つを-1倍する対称性と3つの文字の置換対称性(さらにそれは2つのものの交換対称性と位数3の巡回群の対称性に分解される)に分解されるのでした!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。まとめると、一般の4次方程式の4つの解の置換対称性は「3つの文字のうち2つを-1倍する対称性」「2つのモノの交換対称性」「位数3の巡回群」の3種類の対称性に分解されます。これらの対称性は群の言葉で言えばどれも可換群(アーベル群)になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。平方根と立方根を含むべき根を取る操作によって数のフィールドを拡大する場合の対称性はアーベル群になります。だから、べき根を取る操作と四則演算だけで解ける方程式の対称性はアーベル群の積み重ねに分解されることがわかります(この辺は総合的には大学3年レベルの話)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。n次方程式がべき根と加減乗除だけで解けるための必要十分条件はその方程式の対称性(ガロア群)がアーベル群の積み重ねになっていること(可解群)になっています。4次以下の方程式は実際にそうなっているので(これは高1レベル)、べき根と加減乗除だけで解けるわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。4次以下までは特別に良いこと(4次以下の置換群がアーベル群の積み重ねになっていること)があるので方程式が解けた。しかし、一般の5次以上の方程式ではそういうことが起こらない(5次以上の交代群は単純群)ので、べき根と加減乗除だけで方程式が解けないことがわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。以上は11/20(金)に放送されたE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室への補足。フレンケルさんが説明を省略していた部分を埋めたつもり。方程式の対称性が、アーベル群の積み重ねになっているか、そうなっていないかで、べき根と加減乗除で解けるかどうかが決まります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。数学の話はお話を聞いただけでピンと来ることはほとんどないと思います。最低でも高校1年レベルの計算をある程度やっておかないと、フレンケルさんが何を言いたいかは理解できないと思いました。数学ネタを一般向けに話すときには色々つらいところがあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。4次方程式の計算よりも、3次方程式の計算の方がやさしいので、まずそちらをやっておくべきだと思います。高校1年の最初の頃に習うx^3+y^3+z^3-3xyzの因数分解の公式を使えば一般の3次方程式の解の公式を作れます。返答連鎖をたどれば解説がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学YouTubeでここ1週間の「数学ミステリー白熱教室」を検索→ https://t.co/SpIDZNPAgJ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。本当に面白くて深いのは、一つひとつの方程式を別々に考えるのではなく、「与えられた数体上のすべての代数方程式全体の世界がどうなっているか?」を考えること。数と函数(もしくは幾何)との類似によって「コンパクト・リーマン面の分岐被覆全体の世界はどうなっているか?」を~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続~考えることができます。(コンパクト)リーマン面の(分岐)被覆は位相幾何(トポロジー)の話になるのですが、位相幾何的な被覆の理論は代数函数体(リーマン面上の有理型函数全体のなす体)の拡大の理論と同値になります。この場合には「位相幾何=代数」となる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。たとえば、最近みんな知っているような感じになっている楕円曲線は y^2=(xの3次または4次式) という方程式で定義される曲線のことです。複素数の範囲内でグラフを描けば実2次元の曲面になり、非自明なリーマン面の最も易しい場合にもなっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。一般にy^2=(xの多項式)という方程式で定義される複素曲線(Riemann面)は楕円曲線の一般化なので超楕円曲線と呼ばれています。y^2=f(x)をyに関して解くy=±√f(x)になり、√f(x)と-√f(x)を交換する対称性があるということになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。超楕円曲線という名の曲面は見た目の形的にも「√f(x)と-√f(x)を交換する対称性」に対応する対称性を持っていることになります。図を描けるが面倒なので描かない。こういう感じで、数に関する方程式論の直観を曲面の幾何の直観に置き換えることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学続き。曲面の位相幾何の立場でガロア理論を理解しておくことは、2次元量子共形場理論とラングランズ・プログラムの関係を理解するためには必須。そういうことを学びたければ久賀道郎著『ガロアの夢』という名著がおすすめ。 https://t.co/sSganP0I5L
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
#数学y^2=105 と y^2=x(x-1)(x-2) は似ています。前者は簡単な二次方程式の話ですが、後者は楕円曲線(曲面の幾何)の話になります。この二つは明らかに似ています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 22
第二回どころか第一回もまだ見ていないが, 黒木さんのツイートがあったので, 数学者サイドからの数学的面白さへのコメントとしてまとめておく. 文献もいろいろ紹介されているので興味がある人はぜひアタックしてほしい.
まるで畑違いなので答えられることは絶望的に少ないだろうが, 何か疑問があれば私で答えられることは答えていきたいとも思う.
#数学https://t.co/2AQ5FI4wQD
数学ミステリー白熱教室 ラングランズ・プログラムへの招待 第1回 11月13日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学https://t.co/620wq55q3W
全体的に「対称性」の話を強調している感じになるのかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
#数学おすすめの本。ぼくは学生時代から次の本の大ファン。
https://t.co/sSganP0I5L
ガロアの夢―群論と微分方程式
久賀道郎
面白おかしく数学的本質が分かり易く書かれているすんごい本。大学1年生でも十分に読めるように書かれている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 14
この本, 有名だが読んだことがない.
#掛算https://t.co/620wq55q3W
NHK 数学ミステリー白熱教室 第2回目
今晩午後11時からEテレで
第1回目→ https://t.co/tIZf7Rl6Me
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算https://t.co/ihDulGHVMx【数学界の“天才ハッカー”とも呼べるガロアの驚異のアイデアを紹介していく。】
数学界の“天才ハッカー”!!!(^_^;)
ガロアさんのアイデアは画期的だったよね。その後の数学と物理学を支配する基本アイデアの一つになった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算ラングランズ・プログラムについて一般大衆に分かり易く説明することは正直「むりげー」だと思う。フレンケルさん、一体どうするつもりなんだろうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算E.フレンケルさんの数学的仕事を理解するためには2次元量子共形場理論の数学の知識が必須。世界的に見ても最高の教科書である山田泰彦著『共形場理論入門』が絶賛品切れ中(古本で24466円!)。培風館さん、品切れを何とかして! https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
いろいろなしがらみで難しいっぽい感じもするが, PDFでの販売とかできないのだろうか. 印刷だとか取次だとか流通の分を考えなくてもいいから, その辺のコストは切れると思うのだが, 素人の浅慮は当然あるだろう.
サイエンス社が別冊数理科学でPDF販売しているし, できないことはないと思っている.
#掛算←このタグ付けは誤り。正しくは→ #数学
面倒なので修正しません。ごめんなさい。指が勝手に。
個人的におもしろおかしく複数の分野をまたぐ形でガロア理論を勉強したいなら久賀さんの有名な名著がおすすめ。
https://t.co/sSganP0I5L
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#掛算#数学ラングランズ・プログラムの進展によってどのように不思議な数学的結果が証明されるかについてはSato-Tate予想=佐藤sin^2予想について調べるとよい。佐藤幹夫さんのもとで計算機で計算したのが難波完爾さん。 https://t.co/o5VXAhQqWu
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
この話, 『佐藤幹夫の数学』にも載っている.
#掛算#数学数学ミステリー白熱教室関係の連続ツイートは以下の2つのリンク先でまとめて読める。
https://t.co/0dQ1UQYll2
https://t.co/xP4CulVwLF
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学どうしてこの件で山田泰彦さんの『共形場理論入門』 https://t.co/KPfnnyP5nzを絶賛しているかについて、数学的にテクニカルな話をします。山田泰彦さんのこの本は数学的内容の圧縮率が高く、しかも細部の定式化や構成に独自の工夫が多数盛り込まれています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんの共著の有名な仕事に任意の単純リー環に関する脇本表現の構成があって、ラングランズ双対性の証明にも本質的に使われています。フレンケルさんたちの脇本表現の構成ではリー環のある種のコホモロジーの計算が必須なのですが、~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き~、山田泰彦さんの本では単なる計算だけで構成できることが示されています。リー代数のコホモロジーの計算を使う方法を共形場理論における常套手段である遮蔽カレント(screening current)を用いた計算で置き換える方法が書いてある(p.157)。クリアです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
具体的な内容わからないのでアレだが, コホモロジーの(面倒そうな)計算を楽な方法に叩き落とせるの凄そう.
#数学続き。E.フレンケルさんとフェイギンさんは一般の単純Lie環に対してW代数を定義して、そのラングランズ双対性を示しました。W代数は結果的に自由ボソン場の実現を持つことがわかり、そして、その実現も遮蔽カレントを用いた解釈が可能です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
自由boson場, 物理的にはほとんど何も起こらないからあまり面白そうに感じないが共形場まわりの数学だと何か面白いことがあるのだろう.
上のように書くとアレなので補足しておくと, (非相対論的)統計力学では自由bosonでのBose-Einstein凝縮(BEC)があるので, その範囲ではめちゃくちゃ面白い. 相対論的bosonを議論するときのBECというのを聞いたことがないが, 統計力学の文脈でこういう話しないのだろうか. 今回の話と多分全く関係ないが, 専門に近い話なのでこういうところが自然と気になる.
#数学そして、自由ボソン場で書かれた遮蔽カレントが、あるパラメーターκについて、κとその逆数に対応するものがペアになって現われ、どちらを使っても同じW代数が得られることをVirasoro代数の表現論を使って証明できます。κとその逆数の関係がラングランズ双対性になっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学そういう事情になっているので、E.フレンケルさんたちのW代数のラングランズ双対性の仕事を理解するための近道は遮蔽カレントの使い方を習得することだということになるわけです。山田泰彦さんの本ではちょうどそういうことを説明してくれています。品切れなのでとても残念です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学自由ボソン場ですでに実現されているW代数のラングランズ双対性については→ https://t.co/4qeGgfRi1k
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学ラングランズ・プログラムおよびその幾何学版(D加群版)との関連に関する文献については→ https://t.co/t3jUziIewU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
解析数論と場の量子論関係に関して去年のRIMSの構成的場の量子論の会議の休憩中にも少し話題が出たが, 自由bosonでこれだけ面白いことがあるなら 相互作用がついたときにはどうなのだろう, という問題がある. 共形場まわりの相対論界隈ではどういう話があるのだろうか. 少なくとも物理の人が自由bosonで満足するとは思えない.
#数学W代数に付随する共形場理論はRiemann面上の線形常微分方程式論の量子化だと考えてよい。W代数には2つの古典極限の取り方がある。κ→0と1/κ→0の2種類。パラメーターκの逆数を取る操作でW代数のラングランズ双対性が得られ、その古典極限でも双対性が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学続き。古典極限での双対性を使うと、Riemann面X上のG主束のモジュライ空間上のある種のD加群(保型形式の類似物)とX上のD加群(線形常微分方程式)が得られます。この対応が期待されるラングランズ対応になっていると考えられているわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
#数学Riemann面の場合のラングランズ双対性にきちんと数学的証明がつけられているかどうかは知らない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 20
@genkuroki最近は、Gaitsgory の周辺の人たちの活躍が目立つように思います。 https://t.co/jzsbxL4dxo私個人的には、技術的に新しいことを勉強してついていく時間がないので、かなり遠い印象です。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
@genkuroki遠くから眺めている印象ですが、圏論的なGLの定式化のためには、G^\vee平坦束のモジュライ空間上の連接層の導来圏を「正しく」定義することが必要で、そのために技術的な準備に時間がかかっているようです。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2015, 11月 20
全然関係ないが, 連接層に関しては日本人数学者の岡潔の大きな業績がある. そもそも定義して使い込んで, 多変数関数論の大きな問題を解決したというレベルの根本的な業績だ. 読みたいと思って細部まで読み切れていない, 野口先生の本『多変数解析関数論 学部生へおくる岡の連接定理』がある. ハードなところまできっちり解説されていつつ, 複素多様体の話もところどころで盛り込まれていて, 学部生が読めば好奇心をかきたてられるだろう.
いまだに番組見られていない. あとさぼっていたらもうどれがどれやらよくわからないので 適当にまとめる. 数学的には専門から遠過ぎてよくわからない・知らない話題も多いので, 私自身勉強になるから.
まず一番気になっているところといえばこの辺.
数学ミステリー白熱教室、理解は出来ないけど面白いから見ちゃう
— カサ (@achromJP) 2015, 12月 4
最近この時間に帰って数学ミステリー見るのがお決まりになってる。見たところでなにをゆーとるんかまるでわからんけどなんかすごい
— たたたっちゃん (@K2Allian) 2015, 12月 4
Eテレの数学ミステリー白熱教室だかいうやつ、何言ってるのかさっぱり分からなくて楽しい
— たゆり (@39_yura) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室を観ているんだけど、スゲェ難しいけど大学の授業よりクソwktkなのは確か
— いっちー@14716270/V穴難! (@BEMANIST2000) 2015, 12月 4
Eテレの「数学ミステリー白熱教室」を観て童心に帰っている。純粋なものに触れると心が洗われるのだな。 #NHK
— S. Yoshi (@Yoshi_720) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室の数学者がイケメン過ぎて内容が入ってこない(’-’)カリフォルニア大学のエドワード・フレンケル教授だそうですよ。
— サイチョモチ (@Saimochi) 2015, 12月 4
Eテレ「数学ミステリー白熱教室」全4回は、ミステリーと謳っているけれど語られる内容はほぼSFの領域に突入する素晴らしさ。数式は限りなく少ないのでちょい首ひねるところもあるけれど、そんなの誤差レベルの凄さだった。 https://t.co/g8kzQUHNt2
— 最上直美 MOGAMI Naomi (@mgmnom) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、毎週すごく楽しみにしてただけに終わってしまうのが寂しい。学生の頃から数学苦手だったけどこういう講義ならいくらでも受けたいって思える
— ます (@mass137) 2015, 12月 4
全体を通して。フレンケル教授の話は「みんなが納得良くわかりました」って話じゃない。講演の中で出てきた断片や話者の情熱から「想像力を掻き立てられて」自分で勉強してみたくなるタイプの話なんだと思っている。そういう意味で、素晴らしい講演だったし、今めっちゃ勉強したくなっている。
— tsujimotter (@tsujimotter) 2015, 12月 4
@genkuroki#数学続き。せっかく、数学研究の最先端がテレビで4回シリーズで紹介されるのに、「わからない。だからつまらない」という感想が大量に出て来ることを恐れた。それは杞憂だった。わからないことの面白さをフレンケルさんと共有して楽しんだという感想が大量に出て来た!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういうことを言うと再放送を要求する人が減ってしまうかもしれないのですが、フレンケルさんのような話を聞くことに適正があるのは、「わからないこと」に耐性を持っているだけではなく、「わからないこと」を楽しめる人達の方だと思う。「わからなさ」を楽しめた人は勝ち組!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
私もニコニコで大概無茶苦茶な動画を作っているが, かなり研究界隈の人々とはいえ 非数学・物理の系の人でも学部どころか院レベルの内容を 楽しんでくれているっぽいし, 子供の頃そういうのに触れたくて仕方なかった過去もある.
こういうのを私ももっとやりたい.
あぁ今日白熱教室か。フレンケルかっこいいって人、やっぱりいた(笑)
毎回面白い。そもそもラングランズプログラムが圧倒的に興味を惹く。数学史を絡める数学講義は増えているかも。(前からあったかもしれない。)
そして毎回、数学を芸術として突き付けられる。美術館での衝撃の感覚と同じだ。
— 16年 (@__pknt) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱白熱教室録画して見てるけどエドワードフレンケル教授がマイケルJフォックスそっくりのイケメンで内容が頭に入ってこないにゃー pic.twitter.com/TSFJTQ2QEN
— ロマ猫ンティ (@Rika1966) 2015, 12月 4
イケメンとかアートとしての数学とか, そういうのも大事だなと思うが, どうしようというところ.
あとメモ. - http://sci.tea-nifty.com/blog/2015/11/nhk-1127-41d4.html
以前のと被っているツイートもあるかもしれないし, 漏れもあるかもしれないがもう気にせずガンガンやる.
#数学(η(q)η(q^{11}))^2には楕円曲線y^2+y=x^3-x^2が対応していた。 https://t.co/o5VXAhQqWuによれば(η(q)η(q^5))^2にはy^2=x(x^2+x+1)が対応するらしいのでそちらも確認してみると面白いと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学注意:以上の話はわざと細かいところを雑に説明している部分があるので注意すること。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学フレンケルさんが例に使ったのと同じ楕円曲線y^2+y=x^3-x^2を例に用いたSato-Tate予想に関する解説が、黒川信重「佐藤-テイト予想の歴史」数学のたのしみ2008最終号pp.23-34にあります。 https://t.co/vAMO7TCaF2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学Sato-Tate予想について例で説明します。素数位数pの有限体をF_pと書きます。フレンケルさんは楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2のF_pでの解(x,y)全体の個数をS(p)と書いていました。各素数pごとにS(p)をコンピューターで求めることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続く。アイヒラーさんの証明によって、a_p=p-S(p)は保型形式(η(q)η(q^{11}))^2の展開のq^pの係数としても計算できるのでした(コンピューターで計算するときにはこちらの方法を使った方が圧倒的に楽)。続く。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。おおざっぱには、楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2のF_pでの解全体の個数は「p個±誤差」になっていると考えられます。なぜならば、F_pの元の組(x,y)全体の個数はp^2個あり、方程式が1本あるので点の個数は大体1/pに減るはずだからだ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。実際には方程式が非線形で複雑なので、ぴったり1/pにはならず、期待値からのずれが生じる。だからa_pの絶対値は|a_p|=|p-S(p)|=(予想される解の個数の期待値と実際の解の個数の違い)=(期待値からのずれ)と解釈されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。解の個数の期待値からのずれ|a_p|はハッセによって |a_p|<2√p を満たすことが知られています。期待値からのずれに平方根が出て来ることはギャンブル(統計学)をやっている人にはお馴染みの現象なのですが、ヴェイユさんがどこかでそういうことを言っていたと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。不等式 |a_p|<2√p は後にヴェイユさんによって一般化され、有限体上の任意の多様体でも同様のことが成立していると予想されました。これは有名なリーマン予想の有限体上の多様体バージョンになっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。a_p の分布については不等式 |a_p|<2√p 以上のことが知られています。それが次のSato-Tate sin^2予想です:a_p=2√p cos θ (0<θ<π)と書くとき、素数pの個数を増やすときθの分布関数は(sin θ)^2の定数倍に収束する。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。ただし、楕円曲線が特別な対称性を持たない(虚数乗法を持たない)と仮定しておかなければいけません(その仮定が成立しない楕円曲線は例外的)。楕円曲線の有限体F_pでの点の個数の期待値からのずれの分布函数が分かるというのは実は数学的に極めて深い結果。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学続き。もしかしたら、コンピューターが得意なアマチュア数学者が新しくて深い数論的予想を発見するというようなことがこれからあるかもしれませんね。数学に詳しい人が増えれば、コンピューターが身近になっているのできっとそういうことが起こると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室関連の私のツイートは https://t.co/ghXnSPMjU6でまとめて読めます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学https://t.co/ghXnSPuIvw
自分の手を動かしたり、コンピューターをぶんまわしたりして、自力で遊べるE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室関連の話題を集めたつもり。数学は話を聞くだけだと本当の所はよくわからず、何かを自分でやってみた方が楽しいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。言い忘れていましたが、佐藤・テイト予想もラングランズ哲学の範疇で証明されました。ラングランズ哲学的に佐藤・テイト予想はフェルマー予想よりも一段深い場所に位置付けられ、そこまで数学は進んだということです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。y^2+y=x^3-x^2のような「いつものあれ」を使えば、リーマン予想の有限体上での類似、佐藤・テイト予想、楕円曲線と保型形式の対応などなどに関する数値計算を誰でもできますね(コンピューターを使わないと大変だろうけど)。そういうブログ記事が現れると信じたい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#掛算続き。ブログの類で数式を見せるにはMathJaxが便利です。LaTeX方式で数式を「普通に」書けばそのままブラウザで数式が表示されるようになります。私が数年前に書いたMathJaxの解説→ https://t.co/A7AkPV52Zc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 28
#数学「数学ミステリー白熱教室」をGoogleで動画検索
https://t.co/Cn95IBmc8c
反応を検索してチェックすると、講師のエドワード・フレンケルさんが大人気ですね。わからなくても面白いという反応も多い!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室 https://t.co/620wq4NPcoは4回中3回がすでに放送され、残り1回になってしまいましたね。来週の金曜日に放送されます。最終回にラングランズ・プログラムと理論物理の数学との関係について話すらしい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学ラングランズ・プログラムと理論物理の数学との関係の探求はE.フレンケルさんのガチ専門そのものなので、今まで以上に熱のこもった講義になることが期待されます。放送が終った第1~3回目を見逃した人であっても来週金曜日12/4の午後11時からの放送はチェックした方がいいかも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第1~3回の詳しい紹介を https://t.co/tQMrINd2EPに見付けた。内容を知りたい人は以下の検索も参照
https://t.co/BL7RgA6K3P
https://t.co/OMK6xLLw6n
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学ラングランズ・プログラムのGL_1の場合(すなわち類対論)の話をしようと思ったのだが、大変そうなのでその一部分である平方剰余の相互法則の話をしようと思ったのだが、さらに話を簡単にして素数分の1の小数展開の話をする。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学用意して欲しいのは、必要な精度で小数を計算してくれるソフトです。たとえばMaximaは無料で使える数式処理ソフトで結構便利です。以下の作業を実際にやってみた人は算数レベルの計算で数の世界で不思議な現象が起こっていることを確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学
1. まず素数表を用意します
2. 次に7以上の素数pに対して1/pの小数展開を小数点以下第p桁目より少し先まで計算して表にします。
3. すべて循環小数になり、循環節の長さはp-1の約数になっていることもわかる。(フェルマーの小定理の応用)
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学
4. 循環節の長さが偶数のとき、その前半と後半を足すと999…9になる。たとえば、1/7の循環節は142857で142+857=999となる。1/11の循環節は09で0+9=9となる。1/13の循環節は076923で076+923=999となる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学
5. 1/pの小数点以下第(p-1)/2+1桁目の数字をマルで囲む。
6. p=7を除いてマルで囲まれた数字は0または9のどちらかになる。
7. マルで囲んだ数字が0と9のどちらになるかはpを40で割った余りで決まることが確かめられる。
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学平方剰余の相互法則というとてもキュートな数論の結果から7の結果が導かれます。マルで囲んだ数字が0になるのはpを40で割った余りが1,3,9,13,27,31,37,39のときで、9になるのは7,11,17,19,21,23,29,33のときです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学この話は以前オープンキャンパスでしました。
問題のみ→ https://t.co/ug3u5ZPNJV
解答を含む→ https://t.co/272TFoLI7b
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学素数pに対する1/pの小数展開という算数レベルの話の中に平方剰余の相互法則というキュートな結果がびょこっぴょこっとかわいく顔を出している感じです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
@genkuroki#数学平方剰余の相互法則は類対論に一般化され、類対論の非可換な場合への一般化がラングランズ・プログラムです。数論の話の良いところは算数レベルの話の中にも深い数学に繋がる現象が垣間見えていることを、誰でもたくさん計算すれば確かめられることです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 29
#数学今週の金曜日に放送のE.フレンケルさんの授業はラングランズ・プログラムと理論物理の数学の関係の話になるはずなのですが、一体どうするつもりなのかとても楽しみです。今までの話題は算数からせいぜい高校1年生レベルの数学を知っていれば計算を楽しめる話でした。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。数論の話題は深い話題であっても、現象として見えている部分の解説の多くは算数の範囲内で処理できる計算ですむものがものすごく多い。実際には高校1年生レベルの数学は必要でしょうが、せいぜいそのレベルの数学を知っているだけで「何が起こっているか」を直接見ることができる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。それに対して理論物理の場の理論の数学だと「何を見せるか」が大問題になると思う。今週の金曜日の午後11時から放送されるフレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第4回目(最終回)が楽しみです。毎回独立に見れも面白い話になっているのでこの回だけでも見る価値があります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。第3回目のフレンケルさんの話には出て来なかった話題なのですが、物理サイドではなく、数論サイドでのラングランズ・プログラムの進展に興味がある人は、フェルマー予想や谷山・志村・ヴェイユ予想だけではなく、佐藤・テイト予想(sin^2予想)についも調べた方がよいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。フレンケルさんが数学ミステリー白熱教室第3回目で使った「いつもあれ」である楕円曲線y^2+y=x^3-x^2はそのまま佐藤・テイト予想の解説でも使えます。フレンケルさんの講義を聴いていれば誰でも佐藤・テイト予想の数値的確認で遊べます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。『数学のたのしみ2008最終号』は「佐藤-テイト予想の解決と展望」特集号なのですが、黒川信重さんも伊藤哲史さんもリチャード・テイラーさんもエドワード・フレンケルさんと同じy^2+y=x^3-x^2を例に用いて解説を書いています。まさに「いつものあれ」という感じ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。『数学のたのしみ2008最終号』は https://t.co/vAMO7TkzNuでまだ購入できます。フレンケルさんの授業の第3回目を視聴して、さらにその先にあるものを見てみたいと思った人にはおすすめ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。「証明」となると滅茶苦茶大変過ぎるのですが、y^2+y=x^3-x^2のような「いつものあれ」な例について様々な数値を計算して数学の世界で何が起こっているかを見て確認することであれば、算数レベルの計算をコンピューターで実行すれば誰にでも可能です。つ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。私による佐藤・テイト予想の解説連ツイは→ https://t.co/sCKr2utYj9
佐藤幹夫さんが計算機による計算から予想を発見した経緯については計算を実行した難波完爾さんの解説が次の場所にあります→ https://t.co/o5VXAhyQ4W
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学難波さんの https://t.co/o5VXAhyQ4Wを見れば帰納的に数学の世界を調べるという数学研究のナマの様子がわかります。複素根のプロットのためにアルバイトで佐藤幹夫先生に雇われた2人の学生は数学史に名を残すチャンスを逃している(pp.102-103)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。もしもバイトの学生2人が複素根のプロット作業を最後までやり遂げてさらにそれがどのような分布になっているかを見抜いて「佐藤先生!すべてがsin^2分布になっています!」と報告していたら、現在、佐藤・テイト予想と呼ばれている予想が別の名前になっていたかもしれない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。難波完爾さんによる計算の貢献がどのくらいであったかについては https://t.co/o5VXAhyQ4Wを見ればわかります。そこには佐藤幹夫さんから「難波完二」さん宛の手紙の画像も載っています(p.114)。名前間違っているし。これがナマの数学史。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。昔の人達の「コンピューターへの飢え」は最近の人達には想像できないと思う。コンピューターは人類が開発した最高のおもちゃの一つなのですが、昔はそのおもちゃを使い放題の立場に立つこと自体が大変だった。その世代の人達は年寄になっても飢えた感覚を忘れていないように見える。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学佐藤・テイト予想に現われる0≦θ≦πでの確率分布 (2/π) (sin θ)^2 dθ は3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1で x=cos θ とおいたときにθをdθだけ微小に動かしたときに得られる面積(を球面全体の面積で割った値)です(図を描け!)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1の点に対して、z=x+iy,w=u+ivとおき(1,1),(2,1),(1,2),(2,2)成分をそれぞれz,w,-(wの複素共役),(zの複素共役)と定めてできる2×2の複素行列全体の集合はSU(2)という名の群になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学これによって群SU(2)は3次元球面と同一視できます。
3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1(x,y,u,vは実数)の「3次元」は「表面が3次元」という意味で、中身も考えたx^2+y^2+u^2+v^2≦1は4次元の物体になります。だから想像にし難い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元の球体x^2+y^2+u^2≦1の表面が2次元の球面になるのと同じように、4次元の球体x^2+y^2+u^2+v^2≦1の表面が3次元の球面になると考えてよいです。3次元球面は我々が日常生活でよく見る2次元球面と違って自然に群になっているとみなせる所がすごい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面の群SU(2)は実は実3次元空間の回転群SO(3)をさらに深くとらえたものであることが分かっています。電子のスピンは通常の3次元空間の回転群SO(3)では記述できず、SU(2)を使わないと理解できない。通常の3次元空間の回転を表現するためにもSU(2)は便利。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元球面の群SU(2)はハミルトンの四元数を用いた実現も持ちます。3次元球面上の点に対応する四元数x+iy+ju+kv全体の集合を考えても同一の群が得られます。3次元空間の回転を扱っている文献の多くで3次元球面の群が使われています。SU(2)に関する数学的教養は大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学1次元の円周x^2+y^2=1上の点に対応する複素数z=x+iyの掛算が複素平面の回転になっていることは高校で習います。3次元球面の点に対応する複素2×2行列(または四元数)によって3次元空間の回転を記述できることはその拡張になっているともみなせます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学3次元の回転の記述は、ゲームプログラミングで基本的なだけではなく、人工衛星の制御などにも必要なことです。本屋で立ち読みした人工衛星の本では本質的に3次元球面の群SU(2)が使われていました。
そういう群の話が佐藤・テイト予想のsin^2分布の起源になっているわけ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学sin^2分布は群SU(2)の立場では、3次元球面の面積としてSU(2)上に自然に入る測度から誘導されるSU(2)の共役類全体の集合に入る測度だと解釈されます。k
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学ある仕組みで各素数pごとに群SU(2)の共役類C_pが決まる仕組みがあって、C_p達の分布の仕方が3次元球面上への引き戻しで見たときの一様分布に対応していれば、自然にsin^2分布が出て来るわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学線形代数。SU(2)の共役類はSU(2)の元の特性多項式と一対一に対応しています。SU(2)の元の行列式は定義より1なので、特性多項式はトレースだけで決まることになる。SU(2)の元のトレースはその2つの固有値exp(±iθ)の実部x=cos θの2倍になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。-1≦x≦1に対してxをdxだけ微小に動かすときできる3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1上の領域の微小面積は(半径√(1-x^2)の2次元球面の面積のdx/√(1-x^2)倍)=4π√(1-x^2) dx になることがわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。4π√(1-x^2) dx を-1≦x≦1で積分すれば単位3次元球面の面積が得られるはずなのですが、√(1-x^2) dxの積分は単位円盤の上半分の面積π/2なので、結果は2π^2になります。これが正しい結果であることは別の方法でも確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。2つ前のツイートの4π√(1-x^2) dxを出す計算の途中でdx/√(1-x^2)倍が出て来る理由は高校数学IIIで習う経路の長さを積分で表わす公式を導くための考え方を使えば出ます。高校数学IIIまで習っていて基本的考え方を習得していれば大抵のことで困らない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学4π√(1-x^2) dxの全体での積分結果が1になるように正規化するためには3次元球面の面積(体積)の2π^2で割って (π/2)√(1-x^2) dx を考えることになります。x=cos θで変数変換すれば sin^2 分布が得られます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学4次元空間内の3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2上に一様に分布している点列が与えられていれば、その点列をx座標に射影した結果の分布はsin^2分布になります。佐藤・テイト予想は虚数乗法を持たない楕円曲線からこのような状況が自然に得られることを意味しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学y^2+y=x^3-x^2の場合の佐藤・テイト予想の数値的確認の手続きは以下の通り。
(1)楕円曲線の方程式y^2+y=x^3-x^2の解(x,y)の素数位数pの有限体F_pでの解の個数S(p)を数えて、p-S(p)の表を作成する。
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き
(2)η(q)=q^{1/24}(1-q)(1-q^2)(1-q^3)…とおく。(η(q)η(q^{11}))^2をqについて展開し、p次の係数をa_pの表を作る。
(3)a_p=p-S(p)が成立していることを確認できる。
ここまではフレンケルさんの講義の話。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き。(3)までの結果はアイヒラーさんの結果。
(4) |a_p|<2√pの成立を確認できる。
これはハッセさんの結果。リーマン予想の有限体上での類似。
(5) a_p=2√p cos θ_p, 0<θ_p<πでθ_pを定める。
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き
(6) 0からπのあいだを適当に分割して、θ_pがどこに入るかを調べて個数を数えて、グラフにする。
(7) sin^2のグラフでよく近似されているように見える!
これが佐藤・テイト予想の数値確認の手続きです。どのステップも明瞭。
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学続き
実際今から50年前に佐藤幹夫さん・難波完爾さんたちは以上のような計算を実際に実行して、佐藤sin^2予想が発見されることになったわけです。詳しくは→ https://t.co/o5VXAhyQ4W(これを見れば他の例の計算の仕方もわかる)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学『数学のたのしみ2008最終号』の立ち読み1
楕円曲線y^2+y=x^3-x^2で保型形式との対応とハッセの定理(リーマン予想の有限体上での類似)の数値的確認。 pic.twitter.com/s3oCjBHw9j
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
#数学『数学のたのしみ2008最終号』の立ち読み2
楕円曲線y^2+y=x^3-x^2で佐藤・テイト予想を数値的に確認。
この楕円曲線はE.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の第3回目でも使われています。「いつものあれ」! pic.twitter.com/ktJs62yWSv
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学
https://t.co/c2R5IwazcL
数学ミステリー白熱教室第3回目
楕円曲線 y^2+y=x^3-x^2 を例に楕円曲線に保型形式が対応するという「志村・谷山・ヴェイユ予想」について解説。フェルマー予想はその帰結。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学続き。フレンケルさんが最後に触れている1955年に日本で開催された数論の研究集会の情報は https://t.co/M1JDH9sOkqにあります。問題のpdfファイルを開いて問題12を見てください。そこに歴史的な予想の原型が書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学続き。ヴェイユさんの『ゼータ函数の育成について』はとても有名な名文で、これの翻訳も谷山豊さんが担当しています。何度読み直しても面白い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#数学訂正
https://t.co/Xoo1gmOX9N
の「(π/2)」を「(2/π)」に訂正します。分子分母がひっくり返っていた。こういう自明な誤りはよくある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
@genkuroki#掛算#数学数学ミステリー白熱教室第3回の終わりの方でエドワード・フレンケルさんが重要な人物の1人として名を挙げている志村五郎さんは https://t.co/VdndoFNbABに登場する志村五郎さんと同一人物です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 11月 30
その他の連続ツイートその 1.
#数学Re:RT みんな、イケメン、イケメン、言い過ぎ(笑)。
東洋経済オンラインでもイケメンと→ https://t.co/ITdz2AlTn2【イケメン教授のエドワード・フレンケル氏が、「心も頭もしびれる究極の数学」(ツイッターより)を白熱講義するこの番組は〜】
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き。 https://t.co/UhUoEz3FzFの翻訳者までイケメンと言っている→ https://t.co/uZFq2hzMVK【番組が始まってまず思ったのは、「やっぱり、フレンケルってイケメンだわぁ」ということだった】
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学個人的な意見では、数学を結構知っていて、かつ、難しい数学の話の高校などでの出前授業の経験もある人であれば、E.フレンケルさんがそんなに上手に話しているようには見えないと思う。本音を言えば私自身もそう感じた。だから結構心配した。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学個人的な意見では、数学を結構知っていて、かつ、難しい数学の話の高校などでの出前授業の経験もある人であれば、E.フレンケルさんがそんなに上手に話しているようには見えないと思う。本音を言えば私自身もそう感じた。だから結構心配した。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き。E.フレンケルさんが話した数学的最先端の結果の多くは「確かにそうなることは一応わかったが、どうしてそうなるかはよくわからない」という類の話ばかりなのです。数体、有限体上の曲線、リーマン面、理論物理の場の理論をすべて繋ぐ数学的現象が存在する。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
場の理論といっても相対論的で綺麗な世界だと思うし, 私や物性の人達がやっているような 対称性も微妙な汚いところ (深谷先生ならダーティーな物理とでもいうだろうか) を 繋いでくれそうな数学あるだろうか.
@genkuroki#数学続き。どこで起こっていることも、どうしてそうなるかはよくわからないのですが、複数の世界を比較することによって、少しずつわかるようになって来ている。数論におけるガロアサイドと保型サイドの関係はミステリアスなのですが〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学続き〜、「数体→有限体上の曲線→リーマン面→4次元の物理で2次元の物理を理解すること」という道をたどると、理論物理の世界で主要な研究対象の1つになっている「異なる場の理論のあいだの同値性」で「ガロア・保型対応」が理解できそうだという話になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学そういう話が数学者以外に大規模に宣伝されたのは今回が初めてだと思う。E.フレンケルさんは、ラングランズ・プログラムそのものを解説しようとしたのではなく、ラングランズ・プログラムを1つのネタとして利用して数学の世界の様子を説明しようとしたのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
@genkuroki#数学おそらく、数学者内でも、E.フレンケルさんが説明しようとした数学の世界の話を知らなかった人達は多いと思う。複数の数学の分野だけではなく、理論物理の場の理論まで関係しているので、それら全体でどういう世界になっているかを認識することは難しい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学あと、E.フレンケルさんの話でよかったのは、すごそうに見えるが理解不能な「お話」だけですませることを絶対にしなかったこと。フレンケルさんは地道に誰にでも取り扱える易しい数学的具体例を必ず挿入しようと努力していました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
この辺をどこまでどう頑張るか, 今後それが試される感がある.
@genkuroki#数学あと、フレンケルさんは、実験・観察によって現実の物理とまだ関係がついていない理論物理の結果を利用するときには、実証されていないことにきちんと触れていました。数学の話がメインであっても、そういう点できちんとしているのは、ものすごく印象がよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学今回、E.フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室の講義を見ることができた人達はラッキーだと思う。
NHKは再放送を急ぐべき。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学E.フレンケルさんはクォークと群論の関係を説明していましたが、次のような高校生向けの解説もあります。
https://t.co/RinqYBCrZj
https://t.co/9CMYjlmSyT
林孝宏さんによる2008年度公開講座 : 正多面体と群。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学クォークの話は https://t.co/9CMYjlmSyTの第2回講義資料 https://t.co/oG2A28zoztのp.9以降に出て来ます。でも、第1回講義資料から順番に読んだ方が面白いと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
仕方ないといえばそうだが, 順番に読まないといけないのはかなりストレスになるという感じもある. 本当にどうしよう.
#数学林孝宏さん(よく知っている(^_^))は簡単のためにGL(3)で説明しているのですが、SL(3,C)でも同様で、さらにその極大コンパクト部分群SU(3)に制限しても同様です。E.フレンケルさんは物理学者の流儀にしたがってSU(3)で説明していました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学数学的なことをまじめに勉強したことがある人であれば、数学的内容は同じなのに記号が違っていたり、同値だが異なるように見える話になっているせいで、理解が困難になる場合が多いことを知っているはずです。そうならずにすむ確率を高めるためには「抽象化」が大事になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学実際に目に入る記号操作のパターンに頼り切らずに、背景にある数学的現象そのものに肉薄するような直観的理解をするように努力することが「抽象化」です。正しく抽象的に理解していると、ものすごく具体的な事柄を楽に理解できるようになります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
話ずれるがいま企画を練り直している『物理のための数学』では, そういうところをきっちりやりたい.
#数学SO(3)は(実)3次元空間の回転のさせ方全体の集合とみなせ、SU(2)は3次元空間の回転を2重に持ち上げたものになっていて図形的には3次元の球面(内側は4次元)になっていること、そしてそららは互いにラングランズ双対になっているという事実についてはすでに説明しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学さらにU(1)は2次元平面の(原点を中心とする)回転のさせ方全体の集合で、図形的には円周になります。これで、E.フレンケルさんの話に出て来たU(1),SU(2),SO(3)の説明は簡単にしたことになります。残りのSU(3)はクォークを記述する群として登場しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学添付画像は数学ミステリー白熱教室第4回より。図の左半分は「SU(3)のウェイト格子の原点付近の様子」の図になっています。そして右半分は「最高ウェイトΛ_1+Λ_2の8次元既約表現のウェイトたち」の図と同一視できます。続く pic.twitter.com/jzmNL0DJWK
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学SU(3)の定義は「複素3次正方行列でその転置の複素共役が自身の逆行列になり、行列式が1であるもの全体の集合」なので、初めて見た人は行列のことを知っていても何のことやらわからないと思います。実は、細かい条件は重要ではなく3×3行列全体を考えてもほぼ同じ話になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学3次正方行列の全体は3次元の縦ベクトル全体に左から行列の積によって作用しています。第i成分だけが1で他の成分が0の3次元の縦ベクトルをe_iと書くと、e_1, e_2, e_3は3次元の縦ベクトル全体の空間の基底になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。物理的にはこのe_1,e_2,e_3が3つのクォークです。3×3行列は3次元の横ベクトルに右から行列の積で作用しています。第i成分だけが1で他の成分が0の3次元横ベクトルをe'_iと書くと、e'_1,e'_2,e'_3は物理的には3つの反クォークだと解釈される。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ただし、横ベクトルには行列が右からの掛算で作用してしまっているので、それを「リー環の左作用」とみなすために、行列を-1倍してから右からの掛算で作用させると約束しておきます。この「-1倍」が反粒子の「反」を意味しています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。以上の説明は行列の掛算について知っているだけで理解できるはずです。今の大学2年生以上は高校のときに行列について習っているので、高校生の時点で知らないうちに3つのクォークの数学的表現と出会っていたと言えます。大学1年生も線形代数の授業ですでに習っている。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。さらに、高校や大学で習っていなくても、3Dプログラミングで3×3の行列と3次元の縦もしくは横ベクトルの積を扱ったことがある人達も、知らず知らずのうちに3つのクォークとそれらの反粒子の数学的表現に出会っていたことになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。数学的な理解は大体においてこんな感じで、身も蓋もないものです。どんなに複雑であっても、細かく分解すれば身も蓋もないほど単純な話になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
その細かい分類が涙が出るほどつらい.
#数学たとえば、3つのクォークと3つの反クォークが組み合わさって様々な中間子ができる様子は数学的にはe_iたちとe'_iたちの「テンソル積」という名の掛算によって理解できます。3つのe_iと3つのe'_iのテンソル積全体は3×3=9個あります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。それらを基底とする9次元のベクトル空間ができる。その9次元のベクトル空間がリー環の表現として1次元と8次元に既約分解し、その様子がそのまま中間子の記述になっているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルとベクトルのテンソル積の数学的定義の仕方は単純なおかげで面白いやり方になっていて、行列の積やベクトルの内積のように何か特別な演算規則によって定義されるのではなく、「(双線形性以外の)演算規則を考えないこと」によって定義されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学テンソル積a⨂bの扱いは、スカラーαとベクトルa,b,cについて(a+b)⨂c=a⨂c+b⨂c, a⨂(b+c)=a⨂b+a⨂c, (αa)⨂b=α(a⨂b), a⨂(αb)=α(a⨂b)が成立していることを知っていれば十分で、これ以外の関係式を使ってはいけない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学テンソル積a⨂bの扱いは、スカラーαとベクトルa,b,cについて(a+b)⨂c=a⨂c+b⨂c, a⨂(b+c)=a⨂b+a⨂c, (αa)⨂b=α(a⨂b), a⨂(αb)=α(a⨂b)が成立していることを知っていれば十分で、これ以外の関係式を使ってはいけない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学2つのベクトルを掛算したいと思えばテンソル積によっていつでも掛算できます。そして、テンソル積は「掛算」と呼ぶに値するための必要最小限の条件しかみたしていないと考えるので、テンソル積は他の様々な種類の掛算の「親玉」になっています。専門用語では「普遍性を持つ」という。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学ちょっと脱線しましたが、テンソル積のような自明でつまらない事柄でひっかあkるのはアホらしいので、少し説明してみました。数学ではテンソル積のような専門用語が出て来ても、多くの場合、身も蓋もないほど単純な話に過ぎないのでびびらないことが大事。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。たとえば2つの文字x,yのテンソル積x⨂yと他の掛算の関係について説明しましょう。文字の積xyは可換性xy=yxを満たしていますが、テンソル積は可換ではありません。しかし、x⨂yをxy=yxに対応させる自然な写像を考えることはできる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。数学ではよく掛算の順序を交換すると-1倍になる積を考えることがあります。文字xとyの外積はx∧y=-y∧x (交代性)を満たす積として定義されます。テンソル積は交代的ではないのですが、x⨂yを外積x∧yを対応させる自然な写像を考えることができます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。脱線しましたが、3つのクォークの複合粒子たちの数学的記述は3つのe_iたちを3つテンソル積たちで記述されます。より詳しくは、3^3=27個のテンソル積から得られる27次元の空間の1次元+8次元+8次元+10次元への既約分解で説明されます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。その8次元の既約成分のうちの片方の基底(8個ある)が数学ミステリー白熱教室で使われた添付図の右半分にある8個のハドロンに対応しています。そしてその図は3×3行列のリー環の8次元既約表現のウェイトダイアグラムとして数学的にはよく知られていたわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。3×3行列の話をちょっと拡張(そのちょっとの部分が最初は大変)した話に過ぎないので、その話自体はわかってしまえば身も蓋もないほど単純な話です(テンソル積の既約分解はちょっと複雑)。大学1年生できちんと勉強していれば少し勉強するだけで理解できると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。たとえば佐武一郎著『線型代数学』 https://t.co/zDcRLF5SvA(古本で買えば安い!この本のコスパ高過ぎ!)の第V章の終わりの「定理(Weyl)」に"3⨂3⨂3"の既約分解の大幅な一般化について書いてあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。 pic.twitter.com/jzmNL0DJWK数学ミステリー白熱教室に出て来た添付図をどうやって「身も蓋もない」ほど単純なやり方で描けるのかについて知りたい人もいると思います。完全には説明できませんが、簡単に説明できそうな部分について説明してみましょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学対角成分が(1,-1,0), (0,1,-1)の3×3の対角行列をそれぞれh_1, h_2と書き、それらを3次元空間中のベクトル(1,-1,0), (0,1,-1)と同一視しておきます。それらの通常の内積は(h_i,h_i)=2, (h_1,h_2)=-1になる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学ベクトルα_iとΛ_iをα_i=h_i, Λ_1=(2,-1,-1)/3, Λ_2=(1,1,-2)/3 と定める。(3×3行列ではなくn×n行列の場合にはΛ_i=(n-i,…,n-i,-i,…,-i)/n (n-iはi個)とおきます。)続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。このとき内積(h_i,Λ_j)はi=jのとき1、i≠jのとき0になります。さらに、α_1=2Λ_1-Λ_2, α_2=2Λ_2-Λ_1も成立しています。以上は地道に紙の上で計算してチェックして下さい。内積の計算は本質的に高校レベル(対応する成分の積の和)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。少し前に第j成分だけが1で他の成分が0の3次元縦ベクトルをe_jと書いてましたが、ある理由があってこれ以後はv_jを書くことにします。ベクトルv_jたちに行列としてのh_iを作用させた結果を計算しましょう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。結果は
h_i v_1=(h_i, Λ_1)v_1,
h_i v_2=(h_i, -Λ_1+Λ_2)v_2,
h_i v_3=(h_i, -Λ_2)v_3
とまとめられます。これも地道に計算すればチェックできます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。一般に「h_i u= (h_i,λ)u」が成立しているとき、「uはウェイトλを持つ」と言います。1つ前のツイートの結果は、v_1,v_2,v_3のそれぞれがウェイトΛ_1,-Λ_1+Λ_2,-Λ_2を持つと言い変えられます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルのウェイトたちを平面にプロットしたものをウェイトダイアグラムと呼びます。3×3行列が3次元の縦ベクトルの空間に作用しているケースでのウェイトダイアグラムは添付画像のようになる。 pic.twitter.com/xwKb5DHybl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。Λ_iの整数倍たちの和全体の集合をウェイト格子(ウェイトラティス)と呼びます。我々が扱っているケースでのウェイト格子は正三角形がたくさん並んでいるような図になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学表現のテンソル積の既約分解の説明はしんどいのでしません。ごめんなさい。目標とする8次元表現は直接的には以下のようにして作れます。(i,j)成分だけが1で他の成分が0の3×3行列をE_{i,j}と書き、e_i=E_{i,i+1}, f_i=E_{i+1,i}とおく。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。ベクトルwに関する関係式 e_i w=0, h_i w=(h_i,Λ_1+Λ_2)w, f_i^2 w=0 (i=1,2)を仮定します。すると w に f_1, f_2 任意有限回かけて得られるベクトルたち全体で8次元のベクトル空間ができることを確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。そしてウエイトたちは8つになり(そのうちの2つは0)、ウェイトダイアグラムは添付画像のようになることを確認できます。これが数学ミステリー白熱教室で出て来た図と本質的に同じものです。 pic.twitter.com/fqizYbKLbf
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学表現の作り方の別の方法。天下り的ですが、変数x_1,x_2,x_3で生成される多項式環を考え、x_iに関する偏微分を∂_iと書きます。多項式環にh_i,e_i,f_iたちを
h_1→-2x_1∂_1+x_2∂_2-x_3∂_3+λ_1,
続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き
h_2→x_1∂_1-2x_2∂_2-x_3∂_3+λ_2,
e_1→∂_1,
e_2→∂_2+x_1∂_3,
f_1→-x_1^2∂_1-x_1x_3∂_3-x_3∂_2+x_1x_2∂_2+λ_1x_1,
f_2→x_3∂_1-x_2^2∂_2+λ_2x_2.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。多項式環の元1にこのようにしてh_i,e_i,f_iたち(実はf_iたちだけで十分)をどんどん作用させていくとリー環sl_3の最高ウェイトλ_1Λ_1+λ_2Λ_2の既約表現が得られます。λ_1=λ_2の場合には8次元の既約表現が得られます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。添付画像は以上の方法による8次元既約表現の計算結果とウェイト・ダイアグラム。(1に微分作用素を作用させる計算をするだけ) pic.twitter.com/YLs2QX192M
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学実は以上の計算はE.フレンケル著『数学の大統一に挑む』 https://t.co/UhUoEz3FzFのpp.223-224の【旗多様体はたしかにうまくいきそうだった~「ユウレーカ」】の部分の3×3行列の場合(sl_3の場合)の話になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学h_i,e_i,f_iたちの微分作用素による表示は実は旗多様体へのリー環の無限小作用をオープンセル上で具体的に書き下したものです。計算のアルゴリズムを知っていれば誰にでも機械的に計算できる類のものです。旗多様体はリー環の表現論で基本的な役割を果たしています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学答えを知っていれば偏微分の計算法を知っているだけですべてを紙の上の計算で確認できるはずです。こういう類の計算をおそらくE.フレンケルさんも実際にやっていたと思う。そしてそういう計算の例は偏微分の計算さえできれば誰にでも手が届く所にあるということです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
話めっちゃずれるが, 構成的場の量子論, 具体例を作ることそれ自体を目的とする分野なので, 具体例で遊べる分野, 本当に羨ましい. 私も遊べる具体例がたくさんほしかった.
#数学数学っぽい話を聞くときには、「自分には永久に手が届かないことをやっている」と感じていたら、どこかで間違った道に入り込んでしまったと思う方がよいと思う。実際には身も蓋もない単純だが地道な議論の先で「手が届きそうもないように感じられること」に手が届くようになっているのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学拡散! https://t.co/MYu5SDtfuZのy^2+y=x^3-x^2関連情報→ https://t.co/t6cFsjwI72素数pを法とする解の個数のScratchでの計算→ https://t.co/5fm9XFjDSV
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き。素数pに対する解の個数は大体pになります。解の個数とpの差は2√p未満になるというのがハッセの定理。ハッセの定理はリーマン予想の有限体上での楕円曲線での類似になっています。こういうことからも一般化されたリーマン予想の世界が見えます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
#数学続き https://t.co/5fm9XFjDSVy^2+y=x^3-x^2の素数pを法とする解の個数をp=59で計算させてみた。時間がかかりましたが、結構楽しかった。 pic.twitter.com/eAcKEUa3Gz
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 6
@genkuroki#数学 実際にやってみた。
https://t.co/wdMnwQgKlF
— A級3班国民 (@kankichi573) 2015, 12月 6
連続ツイートその 2.
#数学エドワード・フレンケルさんの数学ミステリー白熱教室がらみの私のツイートは https://t.co/ghXnSPuIvwでまとめて読めます。一部reply-to連鎖を遡る必要あり。ごめんなさい。2015年11月13日から。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学エドワード・フレンケルさんの話に関連している論文は誰でも無料で読める場所にあります→ https://t.co/Hq4VInPoNP。個人的にこれはとても素晴らしいことです。さらに個人的な意見を言わせてもらえれば、科学のあらゆる分野で論文を無料公開するべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学たとえば「ウィッテン フレンケル」(Witten Frenkel)をarxivで検索すると→ https://t.co/kVSVuagSZx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学昨晩のフレンケルさんの話で主要な例として使われた、SO(3)とSU(2)の定義であれば大学1年生レベルの行列の話を知っていれば理解できます。集合SO(3)の定義は「実3次正方行列Aで、その転置がそれ自身の逆行列になり、行列式が1になるもの全体の集合」です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。集合SU(2)の定義は「複素2次正方行列Aで、その転置の複素共役がそれ自身の逆行列になり、行列式が1になるもの全体の集合」です。どちらも行列の積について群になる。こういう説明の仕方をすると何のことやらわからなくなるので、フレンケルさんの説明の仕方は正解だと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SO(3)のような行列群を直観的に理解するためには、行列が一次変換を表現しているという事実を思い出す必要があります。そして一次変換を直観的に理解している必要があります。一次変換の典型例の一つは「原点を中心とする回転」です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。そういうことがわかっていれば、SO(3)に含まれる3×3の行列は、実3次元空間の回転(を表わす一次変換)と一対一に対応しています。これは3Dゲームプログラミングの基礎。3次元の物体の回転を数学的に表現する方法を知るためにはSO(3)について勉強する必要がある。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SO(3)の定義との関係。実正方行列Aの転置がAの逆行列になるという条件はAが「長さを保つ一意変換であること」の代数的な言い変えになっています。長さを保つ一次変換の中には鏡映変換(x,y,z)→(x,y,-z)も含まれています。これは回転ではありません。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。長さを保つ一次変換の全体は実は回転と鏡映変換((x,y,z)→(x,y,-z)以外を含む)で構成されています。そこから回転だけを取り出すための条件が(Aの行列式)=1です。鏡映変換を表現する長さを保つ一次変換を表わす行列は(Aの行列式)=-1を満たしています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。一般に実3×3行列Aの行列式の絶対値をaと書くと、行列Aによる一次変換で体積がa倍になることを計算で確認できます(立方体をAで写した場合にのみを計算すれば十分)。高校レベルの計算で確認できます。行列式と体積の関係は行列式を直観的に理解するために非常に重要です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。問題は行列式の正負が何で決まっているかを直観的に理解すること。行列Aによる一次変換が右手系を右手系に写すとき行列式は正になり、右手系を左手系に写すとき行列式は負になることを示せます。これを理解するのは大学1年レベルだとちょっと手間がかかると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。行列と一次変換の関係、転置と内積の関係、内積と長さの関係、行列式と体積の関係、行列式と右手系・左手系の関係、などなどについて健全な直観を十分に身に付けていれば、SO(3)の定義をよく理解できます。健全な直観を身に付けるためには地道に数学の世界を散歩するしかない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
最近そういう健全な直観を作ることを「器を作る」と呼ぶことにしている. 正しい器を作るの, 大変だがとても大事.
#数学続き。フレンケルさんの話の良かった所は数学の内容そのものにも触れる話もきちんとしていて(寝る聴衆がw)、数学の世界を散歩して健全な直観を地道に身に付けて行けば何が起こっているかがまだ分かっていない数学の世界に近付ける予感が得られるような構成になっていたことだと思います。続
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういうことを言うと再放送を要求する人が減ってしまうかもしれないのですが、フレンケルさんのような話を聞くことに適正があるのは、「わからないこと」に耐性を持っているだけではなく、「わからないこと」を楽しめる人達の方だと思う。「わからなさ」を楽しめた人は勝ち組!続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。計算してもわからないものはわからないのですが、計算さえできそうもないことばかりだと「何も見えていない」ということなので、数学の話を聞いたことにはなりません。フレンケルさんの話は難しかったのですが、計算で確認や理解をできる例が多数出て来ました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。最初に出て来た √2 と -√2 を交換する対称性が有理数に√2を付け加えた数の世界(数学者は数のフィールド(number filed、数体)と呼ぶ)に存在することは、中学校レベルで多くの人がすでに体験していることです。ガロア理論はこの話の拡張になっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。しかし、個人的な意見では、√2と-√2を交換する対称性は簡単過ぎてガロア理論がどういう世界かをイメージするためには不十分だと思う。2次方程式x^2=aの対称性だけではなく、3次と4次方程式の対称性の様子を見ればイメージがかなり豊かになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。高校1年生レベルの数学の知識があれば、x^2=aと同様の感覚で3次と4次方程式の対称性を観察することができます。3次方程式の対称性の観察はほとんど「高校1年で習うx^3+y^3+z^3-3xyzの因数分解の公式の話」そのものになっています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。4次方程式の対称性も観察もほぼ同様の感覚で行うことができます。詳しくは以下のツイートから始まる連続ツイートを見て下さい。
https://t.co/TQ2xJEXTbA
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。フェルマーの最終定理(フェルマー予想)自体は整数に関する予想なのですが、フェルマー予想の多項式版は高校数学レベルで容易に証明できます( https://t.co/rO6Af92Qf5)。フレンケルさんの話でも数の世界と函数や幾何の世界の類似が扱われていました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
勉強不足というのもあるが, 多項式だと簡単なことが整数で難しくなるの, 本当に謎.
#数学続き。エドワード・フレンケルさんの研究は、数論由来のラングランズ・プログラムの函数・幾何・理論物理の数学への拡張に関する仕事になっています。だから、数論の話を数の世界限定の話だと思ってしまうとフレンケルさんの話を理解できなくなってしまいます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。数学の世界の異なる場所で同じような法則に支配されているように見える「どうしてそういうことになっているのか」がわかっていない事柄が存在する。この事実を納得できた人はフレンケルさんの話の重要な部分を理解できたと言ってよいと思います。詳細はわかっていなくても。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学フレンケルさんの著書の翻訳のタイトル『数学の大統一に挑む』もよく考えて付けられていると思います。原題の"Love and Math"よりも邦題の方が本の内容がよくわかる。
https://t.co/U70nUj4Egn
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。フレンケルさんは内容の難解さについて言い訳を色々書いているのですが、「はじめに」のp.19には「この本は数学の知識がなくても理解でいるように書いた」とはっきり書いてあって笑ってしまいました。無理です(笑)。でも、数学の知識がなくても楽しめるように書かれています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。回転群SO(3)とラングランズ双対SU(2)の解説。SU(2)は複素2次元ベクトルの複素一次変換による回転で行列式が1になるもの全体の集合です。これは図形的には3次元球面(内側は4次元)になります( https://t.co/7Pc8yJagVS)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)は3次元球面x^2+y^2+u^2+v^2=1の点に対してz=x+iy,w=u+ivとおき(1,1),(2,1),(1,2),(2,2)成分をそれぞれz,w,-(wの複素共役),(zの複素共役)と定めてできる2×2の複素行列全体の集合に等しい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)は図形的には3次元球面と同じものだとみなせるので、SU(2)の図形としての次元は3です。SO(3)の次元も3です。続きで訂正。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。あ、テキトーに説明し過ぎて大嘘を書いてしまいました。ごめんなさい。長さを保つ実一次変換で行列式が-1のものが鏡映変換になると言ってしまいましたが、単純に誤りです。xy平面の回転とz軸の向きを反転させる鏡映変換の合成は鏡映変換になっていません。アホすぎ。よくある。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。回転の行列による取り扱いについては、佐武一郎著『線型代数学』の第IV章がおすすめ。IV§6にSO(n)の連結性の証明が書いてあります。そこを読めばxy平面の回転とz軸反転の鏡映変換の合成は行列式が-1のO(3)の元の典型例になっていることもわかります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。大学1年で習う線形代数の基本は「よい基底を選ぶ方法」です。線形写像の定義域と値域で別々にうまく基底を選ぶことは本質的に連立一次方程式を解くことと同じ(これは簡単)。面白いのは一次変換に相性がよい基底を選ぶ方法です。最も基本的なのは行列の対角化。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。固有値が基礎体に含まれなかったり、対角化可能でなかったりすると、単純な行列の対角化のテクニックだけでは足りなくなるのですが、基本的な考え方のほとんどが行列の対角化の話の中に出て来ます。佐武一郎『線型代数学』が数十年前からの定番の教科書。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)とSO(3)の関係は、フレンケルさんが実演していた「マグカップまわし」でよく説明されます。数十年前からそのように説明されていたと思う。計算でそれを確認するためにはSU(2)に含まれる2×2の複素行列から3次元空間の回転を作り出す方法を知れば十分です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。実3次元空間の点(x,y,z)と2×2行列X=
[ ix, -y+iz]
[y+iz, -ix]
を同一視して、SU(2)の行列AによってXをAXA^{-1}に移す変換を考えると実3次元空間の回転が得られます。Pauli行列を考えてもよいです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学SU(2)はα=a+bi+cj+dk, a^2+b^2+c^2+d^2=1 (a,b,c,dは実数)の形の四元数全体の集合とも同一視できるのですが、ξ=xi+yj+zkをαξα^{-1}に移す変換を考えれば3次元の回転が得られます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学回転の行列による表現はものすごく基本的なことなので、本当はできるだけ早く学んでおいた方が得なのですが、みっちり教わる機会はなかなかないと思います。自分で数学の世界を散歩するときに、「回転の行列による表現」にしばらく滞在するのはよいことだと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
回転群, 数学が詰まりすぎて消化不良を起こすこと, かなりよくあるのではないか感がある. Lie 群で代数多様体で群上の調和解析できて無限次元表現あって, とか魔界以外の何者でもない. 私がぎりぎり知っているところを上げただけで, もっと色々なことが詰まっているだろう.
#数学実数θに対してe^{-iθ},e^{iθ}を2つの対角成分とする対角行列AはSU(2)の元です。3つ前のツイートの方法でAから3次元空間の回転を作ると(x,y,z)はx→x, y+iz→e^{2θi}(y+iz)と変換されます。これはyz平面の角度2θの回転です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。行列の掛算についてちょっと知っていれば以上の計算は複素数について知っていれば実行できます。SU(2)内での角度θの回転は3次元空間の角度2θの回転(SO(3)の元)を与えます。これがフレンケルさんが実演していた「コップまわし」の数学的解釈です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学で、フレンケルさんは「ラングランズ双対群」の定義の説明を避けて、最も簡単な場合であるSU(2)とSO(3)を例に挙げるだけですませています。一般の場合については「ルートデータ」という対称性の構造を決める「遺伝子」の話をする必要があります(それ自体が非常に面白い話)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(n)は単連結という「これ以上たくさん被覆できない」という位相的に単純な性質を持っています。そのような単連結なSU(n)のラングランズ双対はそれを中心で割ってできる随伴群になります。SU(n)の随伴群はPSU(n)=SU(n)/{1のn乗根×単位行列}です。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)とSO(3)=PSU(2)=SU(2)/{±E}は互いにラングランズ双対。より一般の場合にはここまで単純ではなくて、ルートデータの双対でラングランズ双対群を定義します。あと、コンパクト群ではなくて、その複素化を考えた方が便利なことが多い。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。SU(2)、PSU(2)の複素化SL(2,C)とPSL(2,C)も互いにラングランズ双対であると言います。この場合の幾何学的ラングランズ対応は、リーマン面上のPSL(2,C)接続にSL(2,C)主束のモジュライ空間上のD加群(線形微分方程式)が対応するという~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
いきなり $D$ 加群ぶっ込んでこられたので びっくりした. 柏原さんの Riemann-Hilbert 対応とかやはり何か関係あるのだろうか.
#数学続き~話になります。リーマン面上のPSL(2,C)接続は局所的に(d/dz)^2-p(z)のように表示できるのですが、座標変換での貼り合わせはちょうどVIrasoro代数から来るエネルギー運動量テンソルT(z)と本質的に同じになります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。こういう形でリーマン面のガロアサイドがVirasoro代数と結び付くことになります。PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)の局所的展開の係数からSL(2,C)に付随する共形場理論の仕組みを利用して主束のモジュライ上のD加群を作れる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。その対応が欲しい対応(ヘッケ固有D加群の構成法)になっているというのが、その場合の「幾何学的ラングランズ予想」なのですが、どこまで解決しているかについては知りません。遊ばないといけないので離脱。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学E.フレンケルさんは数学ミステリー白熱教室第3回で楕円曲線y^2+y=x^3-x^2という「いつものあれ」を題材に色々説明していました。計算のアルゴリズムは明瞭。パソコンなどでテレビと同じ結果を再現したければついでに別の深い事実についても確認した方がよいと思います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学いつもの楕円曲線y^2+y=x^3-x^2の素数位数pの有限体での解の個数の表を作るだけで、ヴェイユ予想のリーマン予想の類似部分、谷山・志村・ヴェイユ予想、佐藤・テイト予想の3つの予想の特別な場合をこの特別な場合に数値的に確認できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。実際の確認の仕方は https://t.co/MYu5SDtfuZ以降の連ツイで詳しく説明しておきました。きれいでわかりやすいグラフが描けたら教えて下さい。グラフの情報を拡散します。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。佐藤sin^2予想(=佐藤・テイト予想)を佐藤幹夫さんが発見するために必要になったコンピューターによる計算をやった難波完爾さんによる数学史的に貴重な証言を https://t.co/o5VXAhQqWuで読めます(これは非常におすすめ)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。難波完爾さんは楕円曲線y^2=x(x^2+x+1)とη(x)^2 η(5x)^5を例に色々説明しています。E.フレンケルさんが使った「いつものあれ」以外の例を計算してみたい人はこちらもやってみるとよいと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。添付図は https://t.co/o5VXAhQqWuより。複素根をすべてプロット。素数pが4万未満の場合のプロットなので、半径200の円内に入っていることがリーマン予想に類似のハッセの定理の特別な場合。 pic.twitter.com/b7iAhf9Hkc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。偏角θで見た分布は(sin θ)^2分布になっていそうな感じ(佐藤・テイト予想が成立している感じ)も根のプロット結果を見ればわかります。 pic.twitter.com/b7iAhf9Hkc
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
数値実験で遊ぶの, 私ももっとやってみたいし, コンテンツも作りたい.
#数学PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)dz^2の変換性が共形場理論のT(z)dz^2の変換性と同じなのでガロアサイドのPSL(2,C)接続とVirasoro代数(sl(2)のW代数)が結び付くという話を少し前にしました。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学保型サイドの局所版はsl(2)のアフィン・リー環の臨界レベルでの表現論です。sl(2)のW代数は、Virasoro代数であり、臨界レベルではアフィン・リー環の普遍展開環(の完備化)の中心と同一視できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学さらにsl(2)のW代数は、自由スカラーボソン場を使う実現があります。2つある遮蔽カレントの片方に保型サイドのsl(2)のW代数としてのVirasoro代数が対応しています。もう一方にはラングランズ双対のW代数が対応している。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学そして、2つの遮蔽カレントに対応する2つのラングランズ双対W代数(Virasoro代数)は一致することをVirasoro代数の表現論を使うと示せる。臨界レベルの極限で、保型サイドとガロアサイドのVirasoro代数はそれぞれ~続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き~「臨界レベルではアフィン・リー環の普遍展開環(の完備化)の中心」と「PSL(2,C)接続(d/dz)^2-p(z)のp(z)を展開した係数で生成される代数」になります。それらは一致するのでPSL(2,C)接続から臨界レベルの表現が得られるわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。局所的な表現が得られれば、後は共形場理論の方法(=アデールを使った保型表現の理論のリーマン面版)を使えば保型表現の類似物が得られます。その表現にはSL(2,C)主束のモジュライ空間上のD加群が対応しており、これが欲しいものだろうというのが私が昔聞いた予想です。つ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学続き。もしかしたら、今現在では非臨界レベルでも1パラメーター族として存在しているW代数のラングランズ双対の物理的もしくは幾何学的理解があるのかもしれませんが、私は現時点では全然知らない。その方面の論文もまじめにチェックしていない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 5
#数学エドワード・フレンケルさん、ほんと大人気。説明内容の難易度は過去のテレビ放送の中で最高レベル。それにもかかわらず、大受けしまくっている。NHKは絶対に再放送するべき。
放送内容とほぼ同じ話が著書にもある→
https://t.co/UhUoEyM4I7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
@genkuroki#数学
エドワード・フレンケル著、
青木薫訳、
『数学の大統一に挑む』
https://t.co/UhUoEyM4I7
文藝春秋
2015/7/13
文藝春秋社はいい仕事をしたと思う。この本、ベストセラーにならないかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
@genkuroki覚えておられないかもしれませんが、昔、黒木さんの掲示板や表現論の西山亨さんにネット上でお世話になった板垣志朗(しろうくん)です。とねさんの数学&物理系の濃厚ファンサイト紹介…
とね日記『数学の大統一に挑む』
https://t.co/T6YNOzkeoD
— 板垣志朗 (@bunnkanokokoro) 2015, 12月 4
@bunnkanokokoroおひさしぶりです。とねさんのサイトが熱いですね。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 4
あと黒木さんが RT していたいろいろな人の感想を.
数学ミステリー白熱教室であんなに谷山豊の話をするとは思わなかったな。びっくりしてうるうるしてしまった。
— 七千夜叉 (@volantverba) 2015, 12月 4
23時から
数学ミステリー白熱教室だ
最終回は数学と物理学の関連性的な回か
前回のフェルマーの最終定理めちゃおもしろかったから楽しみ(((o( ˙-˙ *))o))) pic.twitter.com/3EjeZOgaGf
— makun (@sone_makun) 2015, 12月 4
今夜で数学ミステリー白熱教室が終わりなのが残念。
https://t.co/l90h0QJLPD
— Sonahawk (@Sona_cam) 2015, 12月 4
あぁ今日白熱教室か。フレンケルかっこいいって人、やっぱりいた(笑)
毎回面白い。そもそもラングランズプログラムが圧倒的に興味を惹く。数学史を絡める数学講義は増えているかも。(前からあったかもしれない。)
そして毎回、数学を芸術として突き付けられる。美術館での衝撃の感覚と同じだ。
— 16年 (@__pknt) 2015, 12月 4
本日23時よりフレンケル様の白熱教室の最終回です。エド様による軽快な語り口で現代数学の深み/楽しみ/凄味がほんとに感じられます。前回までの放送を見てなくても楽しめると思います。
— jwufujita (@jwufujita) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱白熱教室録画して見てるけどエドワードフレンケル教授がマイケルJフォックスそっくりのイケメンで内容が頭に入ってこないにゃー pic.twitter.com/TSFJTQ2QEN
— ロマ猫ンティ (@Rika1966) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、理解は出来ないけど面白いから見ちゃう
— カサ (@achromJP) 2015, 12月 4
最近この時間に帰って数学ミステリー見るのがお決まりになってる。見たところでなにをゆーとるんかまるでわからんけどなんかすごい
— たたたっちゃん (@K2Allian) 2015, 12月 4
Eテレの数学ミステリー白熱教室だかいうやつ、何言ってるのかさっぱり分からなくて楽しい
— たゆり (@39_yura) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室を観ているんだけど、スゲェ難しいけど大学の授業よりクソwktkなのは確か
— いっちー@14716270/V穴難! (@BEMANIST2000) 2015, 12月 4
Eテレの「数学ミステリー白熱教室」を観て童心に帰っている。純粋なものに触れると心が洗われるのだな。 #NHK
— S. Yoshi (@Yoshi_720) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室の数学者がイケメン過ぎて内容が入ってこない(’-’)カリフォルニア大学のエドワード・フレンケル教授だそうですよ。
— サイチョモチ (@Saimochi) 2015, 12月 4
数学ミステリー白熱教室、毎週すごく楽しみにしてただけに終わってしまうのが寂しい。学生の頃から数学苦手だったけどこういう講義ならいくらでも受けたいって思える
— ます (@mass137) 2015, 12月 4
知的興奮はあっても何も身にならないこと, 実際の講義やら何やらで対応するのは極めて難しい感じがある. その辺何とかしたいと思ってやってはいるが.
Eテレ「数学ミステリー白熱教室」全4回は、ミステリーと謳っているけれど語られる内容はほぼSFの領域に突入する素晴らしさ。数式は限りなく少ないのでちょい首ひねるところもあるけれど、そんなの誤差レベルの凄さだった。 https://t.co/g8kzQUHNt2
— 最上直美 MOGAMI Naomi (@mgmnom) 2015, 12月 4
全体を通して。フレンケル教授の話は「みんなが納得良くわかりました」って話じゃない。講演の中で出てきた断片や話者の情熱から「想像力を掻き立てられて」自分で勉強してみたくなるタイプの話なんだと思っている。そういう意味で、素晴らしい講演だったし、今めっちゃ勉強したくなっている。
— tsujimotter (@tsujimotter) 2015, 12月 4
(数学ミステリー白熱教室) ちゃんとやろうとすれば多くの時間と論文・教科書を費やさないといけないことでも、その一部を垣間見るのなら「さわれる形」に、特に数論ならしやすいけど、その取捨選択と説明が見事としか言い様がないわ。素敵。しかもイケメン。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
数学ミステリー白熱教室でフレンケル教授がイケメンイケメンと話題になっていますが、わしは日本にも、例えば関東あたりに若手数学者にイケメンが何人か存在するとゆいたいです。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
数学ミステリー白熱教室 第3回はフェルマーの最終定理だったけど、この話題がテレビで出るときは谷山・志村・ヴェイユ予想のステートメントを単に「難しい言葉で書かれていてすぐは分からない話」として紹介されることが多い気がするけど、フレンケルさんはその帰結として解の個数という具体的…
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
…な目に見える形で、モジュラーフォームの係数とのつながりを1例だけで「ちゃんと」紹介されていた。この方法は本当に感心して素晴らしいとうなったわ。しかも「ここで奇跡が起きた」というセンセーショナルな言い方で感動的に紹介。なぜかはわからないがすごく神秘的だということははっきり伝わる。
— 千石にょで子 (@NeXTSTEP2OSX) 2015, 12月 5
フレンケルさんのNHK数学白熱教室(ラングランズプログラム) 全四回のまとめ:https://t.co/w8RRA9VX8Nhttps://t.co/Au2dm23HoJhttps://t.co/Japng85hkGhttps://t.co/UukTWWlhlS
— tomo (@tonagai) 2015, 12月 4
引き続きいろいろ頑張ろう.
細かいことを全く覚えていないが, 何かを探しているときに見つけたのだ.
しょっぱなの表の一部だけとりあえず引用しておく.
No | 課題と科学研究費 | 研究目的 |
---|---|---|
1 | 統計数学 | 製品の統計学的制御 |
保存と配給の数学的計画 | ||
軍使用の見積もり | ||
特性検査と人的配置 | ||
統計学の原理 | ||
統計表と特殊関数表の準備と作成 | ||
2 | 特殊な統計学 | 陸軍により要求される特殊課題の統計学的研究 |
3 | 家庭経済の数学的研究 | 家庭の生活費と栄養との調査による国民の生活水準の決定のための研究 |
4 | 特殊な代数解析 | 主として暗号法の研究 |
5 | 等角写像 | 飛行機の珍しい形の研究 |
6 | 特殊な微分方程式 | 振動と電波回折の現象についての研究 |
7 | 航空方程式の再考察 | 各種の航空方程式の再調査 |
8 | 特殊な機械と道具の幾何学的研究 | 伝動論その他の幾何学的研究 |
9 | 視覚 | 武装機械その他の幾何学的研究 |
当然だがここでの「代数解析」は佐藤幹夫や柏原正樹たちによる現代的なalgebraic analysisではない. 特殊関数表の準備・作成という時代を感じる項目もある.
当たり前といえば当たり前だが, 統計はともかく数学というより工学的応用の感じが強い.
ひとまずメモ.
羨ましい黒木さんの記憶を記録.
#数楽https://t.co/tnewFgsKkG
私が学生時代、佐藤幹夫先生が東北大学に普遍グラスマン多様体に関する集中講義に来たときに、サイエンス・セミナーと題された市民講演会も開かれた。最先端の研究を仙台近郊の市民に知ってもらおうという理学部の企画であった。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
めっちゃ無理筋の市民講演会ですごい. さすが Tohoku は格が違った.
#数楽続き。記憶が定かではないが、佐藤先生はまず「チルンハウス変換」の話をしたと思う。そしてD加群や非線形微分方程式系の代数的定式化について話し、KdVに代表されるソリトン方程式の話もしたと思う。市民講演会でそういう話になったのだ!(非常に面白かった!) 続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽続き。「質問のある人はいらっしゃいませんか?」の時間に私は質問した!「非線形微分方程式の代数的一般論の話とKdV方程式のような具体的な方程式のあいだの関係がよくわからなかったのですが…」のような質問をした記憶がある。私は虎の尾を踏んでしまったらしい(違う!)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
田崎さんの日記で, 飯高先生のスイッチを押してしまったという話があった記憶がある.
#数楽続き。佐藤先生は何かのスイッチが入ったかのように「何か」を説明し始めた。私は何も理解できなかった。しかし、私が何かのスイッチを押してしまったことだけは理解できた。今の知識を持ってあの場に行ってみたい。
という、楽しい学部生時代の思い出があります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽あれは最高の市民講演会だった。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
#数楽ドラマ『ガリレオ』の湯川学先生による「さっぱりわからない」は福山雅治さんの演技込みで最高の名言だと思う。「さっぱりわからない」は「じつに、興味深い」の別の表現でもある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2015, 12月 26
「さっぱりわからない」が「じつに、興味深い」の別の表現かどうかは微妙なところだが, 少なくとも質問が出たら相手を興味深いと思わせたと一応思ってもいい. 変に意地悪な質問をネチネチとしてくるのもいるが, 全く興味がなければ無視するのが普通だし, 一応興味を引いたといえば引いた形にはなっている.
よく考えてほしいのだが, 興味が持てなければ聞いていても話は右から左へ通り過ぎるだけで, 頭には全く何も入ってこない. 引っかかることがないから当然質問も浮かばない.
何度もしつこく聞いてくるということは, それだけそれについて聞きたい・知りたいということだ.
時々その辺が全く通じなくて, 質問を嫌がらせと勘違いされることがあって衝撃を受けたことがあるので あえて特記しておきたい.
平坦加群、何で平坦っていうのアレ
— 相転移P(市民) (@phasetr) 2016年3月1日
@phasetr#数楽「どうしてflatっていうの?」については https://t.co/2SvTko8l6eが面白いです。Serreさんは自身はどうしてflatという用語を採用したのか覚えていないと言っているようです。数学的な解説もそこにあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月1日
まだきちんと読み切れていないが, 1 つだけ引用しておこう.
A lot of people will tell you that flatness means "continuously varying fibres" in some sense, and that flatness was invented to have correspondingly nice consequences, which is true. But there is a way to expect this (vague) interpretation a priori from an alternative, equivalent definition:
軽く眺めた限りではflatという感じは全くしなくてそれ自体はさっぱりわからない. 量子力学の「波動関数」のように名前に固執すること自体がよくないのだろうとも思う.
とりあえず教えて頂いのでメモだけはしておく.
参考になると思ったので.
#数楽昨日購入した本
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
堀田良之著『線型代数群の基礎』朝倉書店2016
ほとんどの項目について入門に適した具体例の説明があり、とても読みやすそう。Grothendieck-Springer resolutionの周辺についてざっと知りたい人にとってもありがたい教科書。
これだ.
続きも引用する.
@genkuroki#数楽https://t.co/G6nZoMgwoZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Ben-Zviさん曰く【Beilinson-Bernstein対応のsemiclassical shadow】
Humphreysさんの回答もある。
@genkuroki#数楽https://t.co/0hICF7EfQo
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
G/N上のBB対応(元のBB対応はG/B上)すなわちGrothendieck-Springer同時特異点解消の量子化の話。
@genkuroki#数楽https://t.co/X0FYNwzLRE
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
谷崎さんによる量子群のBeilinson-Bernstein対応の証明。
@genkuroki#数楽量子群由来の「多様体」は座標環が非可換環になる。座標環の貼り合わせを素直に非可換分数環を作って実行しようとすると、平坦な非可換分数環を作るためのOre条件に煩わされる。これ、相当にうざい。しかし〜→続きは先の谷崎さんの論文とその参考文献へ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽本当は私自身がやっている座標環が非可換環なアフィン空間へのWeyl群双有理作用を座標環が非可換環な多様体への正則作用に拡張しなければいけないのだが、よくわからない。おそらく量子群版のG-S resol.の話が関係している。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/7TMNU0VfE5
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Quantum groups, quantum tori, and the Grothendieck-Springer resolution
G.Schrader, A.Shapiro
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/g3WIvNmWn7
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Poisson geometry of the Grothendieck resolution of a complex semisimple group
S.Evens, J.-H. Lu
@genkuroki#数楽量子群の群としての古典極限版を扱っているEvans-LuのPoisson構造を見ると、量子群版のG-S resol.の構成ではA_q(G)の非可換性をそのまま使ってはいけないことがわかる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽所謂τ函数の普及しているバージョンではPoisson構造がごっそり軽視されているという印象がある。Poisson構造は量子化された場合の古典極限の重要な情報を持っている。Poisson構造や量子化を無視すると大事なことを見逃す気がして仕方がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽ありゃ?この論文を見逃していた?https://t.co/CYeucl0jdI
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
Dual pairs of quantum moment maps and doubles of Hopf algebras
G.Schrader, A.Shapiro
@genkuroki#数楽これはいかんな。本当に見逃していたみたいだ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽https://t.co/Z5dXN9aIX9についてはお絵描きで量子群的構成を理解できることを教えてもらった某Hさん案件のような気がする。もしもそのスタイルでG-S resol.の量子群版を理解できるなら非常に喜ばしいことなのだが、どうかな?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
@genkuroki#数楽簡単な例を計算できるところまで理解できればうれしい。結構、例を書いていない文献が多いんだよね。素朴な例が書いてあるだけで、理解のし易さは大幅に上がると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
だいぶ対象というか何というか変わる感じするが, これ, 本当に感じる. 自分で何か作るときもきちんと意識しなければ.
引用を続けよう.
#数楽堀田良之著『線型代数群の基礎』のp.168で引用されている文献Lusztig[L3]はこれ→ https://t.co/AzrnkXI50l
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
実際にはZ-formだけではなく、量子展開環版のZ[v,1/v]-formを扱っている。
#数楽堀田良之著『線型代数群の基礎』はこの本のことです→ https://t.co/l9CmxxeWP1
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
#数楽再投稿。その本ではMumfordの"The Red Book" https://t.co/fcWwybwJAi が頻繁に引用されています。 20年前に私的に作った"The Red Book"の索引→ https://t.co/SL7Ta9yRLb (改変再配布可!)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
#数楽Mumford, The Red Book の私製索引への直接リンク
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月10日
PDF→ https://t.co/UorMdGYHwI
ソースファイル一式→ https://t.co/VhgjvLesLs
これらは改変再配布可。誤りについては自力で修正して再配布して下さい。
楽しそう.
よくわからないが何となく気になるのでメモしておく. 他の人もこういうのをどんどん出してくれると嬉しいが, こういろいろ厳しいのだろうとも思う.
#数楽無限次元化すると、プリュッカー関係式は外積代数版の微分作用素のΣ_i ∂/∂v_i⊗v_iの作用でw⊗w消えるという条件で書き直せるのですが、外積代数版の微分作用素がすべてt_i達の微分作用素で書き直せるので、結果的にt_i達の函数τひとつだけですべての条件を書き下せる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽肝腎のボゾン=フェルミオン対応の証明は単なる計算なので簡単なのですが、どうしてそのように具合のよい理論が可能になっているかについて実は数十年間ずっと理解できていない。理解していそうな人の名前を挙げよと言われても挙げることができないくらいわかっていない。誰か教えて。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽Σ_i ∂/∂v_i⊗v_i がVの基底v_iによらないことは、v_iに関する偏微分∂/∂v_iたちがv_iたちの双対基底の変換性を持つことを使えば容易に証明できます。もしくは外微分df=Σ∂f/∂x_i dx_iの座標不変性を知っていても証明できるはず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
#数楽τ函数の理論をリーマン面の幾何と相性が良いように綺麗に定式化するには共形場理論の言葉が必須だと思う。τ函数は共形ブロック(アデール的な定式化の話の共形場理論の言葉での実現)の特別な場合であり、BA函数(波動函数)はフェルミオンを1つ挿入した相関函数になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月7日
@genkuroki#数楽で、τ函数としてのSchur多項式の話。部分空間の基底の外積を作る話と、exp(t_1 z+t_2 z^2+…)型の時間発展を組み合わせれば自然にSchur多項式が出て来る。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽1,z,z^2,…を基底とする1/zの形式ローラン級数全体の空間の部分空間は最も簡単な佐藤グラスマン多様体の点。その基底の先頭の有限個のzのべき指数をずらしたものからも佐藤グラスマン多様体の点が得られる。それらに対応するτ函数がSchur多項式。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽続き。たとえば、1/z,z,z^2,…に対応するSchur多項式はヤング図形が箱1つのやつ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
1/z^2,1,z^2,z^3,…は箱が3つのL型のヤング図形が対応。
佐藤ゲームでのマヤ図形とヤング図形の対応の話を知っていれば、その話になります。
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体の点(部分空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z+…)=Σp_m z^m をかけて、全部の外積をとったときの、1∧z∧z^2∧…の係数が佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数の定義です。定数倍を除いて一意に定まる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽@genkuroki#数楽先の例1/z^2,1,z^2,z^3,…のような基底を持つ佐藤グラスマン多様体の点に対応するτ函数はp_mたちを成分に持つ行列式で書けます。その式がSchur多項式のヤコビ・トゥルディ公式による表示そのものになっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽以上の話はSchur多項式の行列式表示(ヤコビ・トゥルディ公式)を知っていれば自明。知らない人はそうやって出て来た行列式をSchur多項式の定義だと思って問題無し。単なる計算なので何も深い話はありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽単なる計算としては自明な以上の話の中に一ヶ所だけ「え?そんなことをしたら、グラスマン多様体の点(部分空間)の情報が失われるでは?」と疑ってしかるべきステップが含まれています。それは1∧z∧z^2∧…の係数だけを拾って他の項の情報を捨てるステップ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽一般に部分空間Wに対して、その基底w_1,w_2,…を取って外積w_1∧w_2∧…を作っても、もとのWの情報は失われません。τ函数を作るときにはそれだけとは違うことをやっているように見えます。しかし実際にはそうではないのです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体を埋め込む先の外積の空間の基底としてz^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…を一般化した単項式達を取れます。これにそのτ函数=Schur多項式を対応させる写像は一次独立性を保ちます(∵Schur多項式達は対称多項式環の基底)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
@genkuroki#数楽半無限外積空間と無限変数の対称多項式の空間のあいだの同型が得られた!ボゾン・フェルミオン対応が得られた!τ函数を作る手続きで佐藤グラスマン多様体の点とその時間発展の情報は失われていないので、すべてをτ函数から作り直すことができる。たったこれだけの話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽https://t.co/meTH2VXs6Rの補足。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおく。
z^{-2}∧1∧z^2∧z^3∧…に対応するτ函数の定義は(e^ξz^{-2})∧e^ξ∧(e^ξz^2)∧(e^ξz^3)∧…における1∧z∧z^2∧…の係数。
#数楽補足続き。x_iの対称多項式の関係は1/Π(1-x_i z)=e^{Σt_m z}の両辺をzについてベキ級数展開で得られます(t_m=Σx_i^m/m)。iもmも正の整数全体を動きます。この辺のことは対称多項式について色々計算の経験を積めばピンと来る話になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽中学高校でx,yの対称式が基本対称式x+y,xyの式で書けたり、ベキ和x+y, x^2+y^2の式で書けたりすることを実質的に習っていて、そういうみんなよく知っている話を無限変数まで広げるだけで、KPやKdVのようなソリトン方程式が代数的に解けてしまうわけ!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月8日
#数楽ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月9日
ソリトン系の時間変数m t_m=Σx_i^mは中学校ですでに出会っている2変数の場合のベキ和x+y,x^2+y^2を「少し」一般化したものでしかない。ソリトン系の佐藤理論は高校数学の続きとしてもとてもよい教材だと思う。良い数学には色々出て来る。
こういう話, 適当に開いて 中高生向けの現代数学入門みたいな小冊子にまとめてKindleとかに載せていきたい.
一般の中高生はもちろん受け付けないだろうが, 受け付けるというか大喜びする中高生, 存在はするはずだから.
引用は続く.
@genkuroki深夜の #数楽https://t.co/iJSbhj8oVD佐藤グラスマン多様体の点(ある種の1/zの形式ローラン級数の空間)の基底にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかけてそれら全部の外積をとる操作のところで「それでいいの?」と〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜思った人は鋭い。コンパクトリーマン面X上の直線束Lの貼合せ方をz=∞の近傍でexp(t_1 z+t_2 z^2+…)で変える操作と、H^0(X,L(*∞))の元のローラン展開にexp(t_1 z+t_2 z^2+…)を単純にかける操作は〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜一致していないように感じられるからである。その謎を解くには、直線束の切断のアデール的な理解とボゾン・フェルミオン対応の合わせ技で解けることになる。リーマン面上の直線束からτ函数を作る方法を復習しよう。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽Xはコンパクトリーマン面であるとし、∞はその点でzはz(∞)=∞を満たす局所座標であるとし、LはX上の直線束で∞近傍での自明化があたえられているとする。それによって、W:=H^0(X,L(*∞))⊂C((1/z))とみなす。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽H^0(X,L)=W∩C[[1/z]]は自明。H^1(X,L)=C((1/z))/(W+C[[1/z]])が成立することもわかる。佐藤グラスマン多様体の点の定義はこれらが有限次元にのることなのだで、Wは佐藤グラスマン多様体の点である。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き。L^{-1}とΩ^1のテンソル積をL'と書き、H^0(X,L'(*∞))⊂C((1/z))dzとみなす。H^0(X,L(*∞))の元とH^0(X,L'(*∞))の元の積はH^0(X,Ω^1(*∞))の元(1-form)になり〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽続き〜、その∞における留数は留数定理より0になる。実は、留数によるC((1/z))とC((1/z))dzのペアリングに関するH^0(X,L'(*∞))の直交補空間はW=H^0(X,L(*∞))に一致する(アデール的な見方)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽Wの基底f_1,f_2,f_3,…で十分大きなkについてf_k(z)=z^{k-χ}+(zに関する低次の項)をみたすものが取れる。ここでχ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)である。以下こういう基底しか考えない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽ξ=t_1 z+t_2 z^2+…とおき、時間発展w(t):=(e^ξ f_1)∧(e^ξ f_2)∧…を考え、その中のz^{1-χ}∧z^{2-χ}∧…の係数をτ(t)と書きτ函数と呼ぶ。時間発展させる前のwをτ(t)に対応させる線形写像は単射。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽w=f_1∧f_2∧…はf∈W=H^0(X,L(*∞))についてf∧w=0を満たし、g∈W':=H^0(X,L'(*∞))との留数ペアリングによる「微分」でもwは消える:g・w=Res(g f_1)f_2∧…-Res(g f_2)f_1+…=0.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽上のf,gの作用はクリフォード代数(フェルミオン)の作用をWとW'に制限したものになっている。クリフォード代数の作用はτ函数への作用として具体的に書けます(ボゾン・フェルミオン対応、単なる計算問題で証明できる)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
g・τ(t)=Res(g e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))と書ける。g∈W'=H^0(X,L'(*∞))のときその作用の結果は0になる。続く
@genkuroki#数楽そのことは
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))
がW=H^0(X,L(*∞))を係数とするt_mたちの形式べき級数になっていることを意味しています。直線束Lのe^ξによる変形が自然に得られたことになります!
@genkuroki#数楽続き。Baker-Akhiezer函数(波動函数)はΨ(t,z)=e^ξ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…))/τ(t)によって、τ函数から復元されます。ボゾン・フェルミオン対応の具体的な公式の部分だけが計算を要する場所で他は自明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽2つ前のツイートでは、C((1/z))の部分空間としてのW=H^0(X,L(*∞))が留数ペアリングに関するW'=H^0(X,L'(*∞))の直交補空間になっていることを使いました(1つの点しか参照してないですが、アデール的な話)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽ボゾン・フェルミオン対応の計算は中途半端に以上の記号体系でやるのではなく、山田泰彦著『共形場理論入門』でボゾンとフェルミオンの計算の仕方を学んだ方が良いと思う。しかしその本は絶賛品切れちう😭→ https://t.co/FqBH18dpzU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽https://t.co/uDqdlFtqCo訂正。zのべきの部分を忘れていた。g∈C((1/z))dzのwへの作用はτ函数への作用として
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
g・τ(t)=Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)
と書けます。
#数楽訂正続き。任意のg∈W'に対して
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
g・w=(Res(g f_1)f_2∧f_3∧…)-(Res(g f_2)f_1∧f_3∧…)+…=0
なので
Res(g(z) z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ dz)=0
となります。続く。
#数楽続き。これは z^χ τ(t_1-1/z,t_2-1/(2z^2),…) e^ξ がW=H^0(X,L(*∞))係数のt_m達の形式べき級数であることを意味しています。このようにして直線束Lのe^ξによる変形が出て来る。BA函数はそれをτ(t)で割れば得られる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽続き。直線束Lの指数χ=dim H^0(X,L)-dim H^1(X,L)は0を選ぶことが多いです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
#数楽t_m達の多項式F(t)を
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
e^ξ z^χ F(t_1-1/z, t_2-1/(2z^2), t_3-1/(3z^3),…)
に対応させる写像が共形場理論でψ(z)=:e^{φ(z)}:と書かれるフェルミオンの片割れ。もう一方はψ^*(z)=:e^{-φ(z)):
#数楽ψ(z)の一変数版類似
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月11日
A=e^{zt} e^{-z^{-1}∂/∂t}:F(t)→e^{zt} F(t-z^{-1})
は[∂/∂t,A]=zA, [t,A]=z^{-1}Aで大体特徴付けられます。ボゾン・フェルミオン対応の計算でも同じ計算を実行します。
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/IY5Yo0kukG
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
マンフォード、互いに可換な作用素達および戸田格子やKdV方程式などのソリトン系の特殊解の両方の代数幾何的構成、1977.
なつかしの古典的論文のpdf
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/EF9G3KaMXg
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月12日
GAGA, formal GAGA, rigid GAGA にちょっと詳しい。
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/4hwvo9Uhvw
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Brylinskiさんの「中心拡大と相互法則」
コンパクトにまとまっていて読みやすい。佐藤グラスマン多様体によるtame symbolの解釈についても解説あり(pp.202-203)。
@genkuroki#数楽ベクトル空間の複体0→A→B→0の行列式はA,Bが有限次元なら
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Λ^{top}A⊗(Λ^{top}B)^*
で作れますが、無限次元でもコホモロジー(この場合には核Kと余核C)が有限次元なら
Λ^{top}K⊗(Λ^{top}C)^*
で作れる。
@genkuroki#数楽典型例はコンパクトRiemann面X上の直線束Lのコホモロジーの開被覆X=(X-P)∩Dによる計算(PはXの点でDは点Pを中心とする無限小開円盤Spec C[[z]])。得られる複体A→BはA=C[[z]]⊕H^0(X-P,L)、B=C((z))。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽やっぱ、行列式も含めた線形代数は大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系の佐藤理論の文脈では点Pでz=∞となる局所座標を取ることが多いことに注意。H^(X-P,L)⊂C((z))は佐藤グラスマン多様体の点の典型例。無限次元の佐藤グラスマン多様体上の行列式直線束のヤコビアンへの引き戻しは行列式直線束になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽https://t.co/4hwvo9UhvwこのBrylinskiさんの論文のpp.202-203を読むときには以上の複体の行列式とか佐藤グラスマン多様体などに関する背景を知らないとアイデアの出処がわかりにくいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ソリトン系を作るための基本パターンや共形場理論に類には無限次元群Gに二つの部分群G_±でGが無限次元多様体として「ほぼ」(ぴったりでなくてよい)直積G_-×G_+に一致する状況がうまく使われています。正方行列の下三角×上三角へのガウス分解の一般化。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽数論では、Gがアデール群で、G_+がそのほぼ極大なコンパクト部分群で、G_-が大域体から来る離散部分群の場合が典型的。Lie群とコンパクト部分群と離散部分群の三つ組は数論における基本的対象。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
以上はどれも1次元の話。高次元版はよくわからない。
@genkuroki#数楽類対論の方は高次元化されている(数論側)。C((z))((w))のタイプの局所体が出て来る場合に佐藤理論を拡張するという試みもあったが、現在どうなっているかは知らない。色々バラバラになってしまった話を現代の視点からまとめ直すことが必要かも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽1984-1985佐藤幹夫講義録を見直して思ったのだが、代数幾何のような非線形偏微分方程式の代数的一般論を建設するというプログラムは現在どうなっているのだろうか?30年前より使える道具が相当に増えていると思うのですが。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽メモhttps://t.co/DgDhaT0QuW
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
数理研講究録No.694
非線型積分可能系の代数解析学
1989/01/17~1989/01/20
@genkuroki#数楽メモ 一つ前のツイートの講究録よりhttps://t.co/XjnqkAfb0Z
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
高次元可積分系のhierarchyについて
大山 陽介
ソリトン方程式の佐藤理論の高次元化のある設定での可能な時間発展の形が非常に限られるという話。
@genkuroki#数楽その限られた型の時間発展について解説しよう。まず最もシンプルな場合の佐藤グラスマン多様体の設定の復習。Rは時間変数t_i,s_iと変形パラメーターyの「函数」の環であるとする。実際にはそれらの変数による偏微分が作用しているC上の環ならなんでもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽時間変数t_1だけは特別でxと書くことがある。D=R[∂/∂x]とおく。スペクトルパラメーターと呼ばれる変数zを用意し、V=R((z^{-1}))exp(ξ)とおく。ここでξ=t_1 z+t_2 z+…。Vは自然にD加群とみなされる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#掛算exp(ξ)はコンパクトRiemann面上の設定では直線束の変形を記述しているのであった。佐藤グラスマン多様体のR上の点はVのあるR部分加群として定義される。ここでは簡単のためgenericな場合だけを扱うことにする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽ここでは簡単のため、佐藤グラスマン多様体の点Wとして、あるΨ=(1+w_1 z^{-1}+w_2 z^{-2}+…)e^ξ∈VからD加群として生成されるW=DΨのみを考える。WのVの中での「サイズ」はR[z]と同じになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽佐藤グラスマン多様体上の点のKP階層と呼ばれる時間発展は「∂/∂t_iの作用でWが閉じている」という条件で定義される。この条件は、ある微分作用素B_i∈D=R[∂/∂x]が存在して、∂Ψ/∂t_i=B_iΨとなることと同値になります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽以上の設定は極めて簡明。こんなことでKP方程式(2次元KdV)のような非線形偏微分方程式を理解できてしまっていいのかと感じられるくらいです。KdVの時間発展の定義はKPの時間発展をB_2Ψ=z^2Ψという条件で特殊化したものです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽B_2はB_2=(∂/∂x)^2-uの形をしているので、B_2Ψ=z^2Ψはエネルギーがシュレーディンガー作用素の固有値問題の形をすており、λ=z^2がそのスペクトルになります。このようにしてKdVとシュレーディンガー作用素の〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽続き〜の関係がKP階層に関する佐藤理論から自然に復元される。最も単純な場合の復習終。以上の話の「高次元化」(2次元化)はKdVに次の時間発展の条件を課すだけで得られます→「Wは∂/∂s_i+λ^i∂/∂yの作用で閉じている」。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽続き。その条件は、ある微分作用素C_i∈Dで∂Ψ/∂s_i+λ^i∂Ψ/∂y=C_iΨとなることと同値になります。このタイプの時間発展がどうも基本的らしい。この話とは違うバージョンの本質的に同じ話が『1984-1985佐藤幹夫講義録』にあります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki数楽 続き。例えばそのp.403を見て下さい。そこでは自己双対Yang-Millsを例に使ったに説明があります。KP階層やKdV階層には変種がたくさんあります。(変種の作り方にもシンプルな代数幾何的原理があるのですが余り知られていないという印象がある。)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽https://t.co/IY5Yo0kukG
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
Mumfordさんによる互いに可換な作用素の作り方の方法を使えば、具体的な表式に頼らずに曲線の代数幾何を用いたシンプルな方法でKPやKdVの特殊解(応用上重要な多ソリトン解を含む)を大量生産できます。
@genkuroki#数楽先の私が説明した2次元化の例でも同様。ただし、出発点になるのは単体の代数曲線ではなく、パラメーターy関する曲線族になる。時間変数t_iは直線束の変形パラメーターになるのでした。時間変数s_iは曲線の族の変形パラメーターになります。大して難しくない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
@genkuroki#数楽単体の曲線は1次元(変数zは曲線のある点での局所座標)。曲線の(変数yに関する)1パラメーター族は曲面なので2次元。こういう意味で2次元化と言っていたわけです。私の立場だとzとyで2次元ということになります。yの個数は自明なやり方で幾らでも増やせる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
佐藤幹夫京大講義録については、(1)京大レポジトリで公開するのが筋 (2) 講義録を出版する計画がある という2点がありためらっています。佐藤さんと記述者の梅田さんからの許諾は得てますので私がもうWebで公開しても良いのですが https://t.co/ZpZXcL9UNI
— Paul Painlevé@JPN (@Paul_Painleve) 2016年2月10日
@genkuroki#数楽佐藤幹夫講義録を読み直したら、やっぱりめちゃくちゃ面白かった。https://t.co/60meuLNyue
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月17日
公開希望。
@genkuroki#数楽Contou-Carrere symbol(CC記号)は符号部分を除けば共形場理論のボソン自由場表示を持つのですが(これは簡単な計算問題)、符号部分はどうなっているのでしょうかね?知っている人がいれば教えて下さい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽CC記号についてはググるもしくは私が最近公開したノート https://t.co/b3DqlCEflPを見てください。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
ボソン頂点作用素の計算でlog(1-x)のTaylor展開を使ったことがある人には符号部分を除いたCC記号の自由場表示は自明。
@genkuroki#数楽CC記号のよくある説明では、f=z^λ b_0 Π_{i≠0}(1-b_i z^i) という表示から出発しますが、ボソン自由場表示と結びつけるには f=exp(λ log z+Σ β_i z^i) という表示から出発した方が楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽もう1つのgをg=exp(μ log z+Σ γ_i z^i) と書く。交換関係[a_i,a_j]=iδ_{i+j,0}、[a_i,q]=δ_{i0}を仮定し、i≧0に対するa_iを右に持って行く積を: :で表す(正規順序積)。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽続き。たとえば:a_1 a_{-1}:=a_{-1}a_1や:a_0 q:=q a_0とa_1やa_0を右側に持って行く。この場合には非可換なので掛算の順序を気にしなければいけない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽先のf,gの中のlog zを-qで、z^iをa_iで置き換えて、全体を正規積にしたものをそれぞれΦ,Ψと書く。すなわち、Φ=:exp(-λq+Σβ_i a_i):、Ψ=:exp(-μq+Σγ_i a_i):とおく。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽このとき、CC記号〈f,g〉のよくある定義をf,gの先の表示に基づいて書き直すと、〈f,g〉=exp(πiλμ+μβ_0-λγ_0-Σ_{m≠0}β_m γ_{-m}).ゆえに容易な計算によって(ΦΨ)^{-1}ΨΦ=(-1)^{λμ}〈f,g〉.
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽以上の計算を"well-defined"にするためには色々細かい注意が必要なのですが、「うまく行く計算」を正当化する作業に慣れていれば大したことはないです。もちろん正当化の場面では抽象的一般論を程度知っていた方が圧倒的に楽。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽以上の話も先のノートに追加しておいた方がよいかな。以上で説明したような計算の仕方については山田泰彦著『共形場理論入門』(培風館)の第2章が定番の解説だと思うのですが、その本は絶賛品切れ中。正直、とても不便している。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽もっと「抽象的に」ボソン自由場の共形場理論とtame記号やCC記号の関係を明瞭にした方が良さそうな感じ。Lie代数の範疇で「加法的」記述に関する共形場理論の仕組みはよく整備されていますが、「乗法的」な場合はそうじゃないと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
@genkuroki#数楽tame記号やCC記号は曲線だけではなく、高次元の場合についてもたくさんの仕事があるのですが、共形場理論の高次元化はまだないと思う。そういう意味でもsymbolsの共形場理論での理解は重要かも。ボソン自由場の高次元化のヒントが得られるかも。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年2月20日
長くて途中で心が折れそうになった. つらい.
#掛順https://t.co/Qw4rZtmVMZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
かけ算順序固定派先生に教育目標を確認する質問チャート
私はこれのQ4まで進めない人はそれだけで論外だとみなして問題ないと思う。論外だと言われて困る人達が実際には論外だということをあばくことは結構大事。
#掛順https://t.co/v5AKVPI0sj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
掛算順序固定強制指導の実態を分析すると、リンク先のような子供を生産するような教え方であることがよくわかる。これは本当に怖い。リンク先は理解しているかどうかを確認するための問題の出し方についても参考になります。
#掛順他人のうちの子の答案について「これは保護者の言い分とは違って絶対にバツだ」などと言うことは、普通なら相当に勇気がいることだと思う。しっかりした準備してから、保護者とその子供を傷付けないように慎重に指摘するものだと思う。実際には不用意なクズ反応が沸きまくっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
#掛順まず、他人のうちのことを心配する前に、自分の頭の堅さと無知無能、さらに保護者と子の関係への配慮の無さを反省するべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年3月13日
チャートが激烈大事なので転載させてもらうことにしよう.
ちなみに私の掛け算に対するスタンスは次の記事にまとめている.
嘘を教えるのは人間関係にひどく悪い影響を残すから, 本当にやめた方がいい.
「小学生が算数の時間にやるようなことをやらなくなるから大学で数学が分からなくなる」と実は何度か言ったことがある。理解するために絵を描いたり、数表作ったり、グラフ描いたり、地道に計算したり、…と全部算数でやっているはず。いずれにせよ、時間だけは確実に消費することになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。もしかしたら、中学生になったときに、算数で普通にやっていたことを自分でやらなくなってしまったせいで、数学が分からなくなるということがあるのかもしれない。これ、実は数学の話にしてしまっているが何でも同じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。ぼくが実際に算数の教科書を複数社分チェックして、実際にそういうことを算数でやっていることは確認済み。問題なのは、算数でやらないで欲しいことを結構たくさんやるようになっているようにも見えたこと。あれはマジに困る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
続き。新しい概念を導入したり拡張したりすること、絵を描いて理解すること、直観と論理を結び付けようとすること、数表を作ること、グラフを描くこと、計算をたくさんすること、などなど、全部算数でやる。数学者の研究集会でもよく見る。体全体の動きで直観を表現しようとする講演者も少なくない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
「数学者の研究集会でもよく見る。体全体の動きで直観を表現しようとする講演者も少なくない」の続き。添付画像はとある研究集会でぼくがとったノートより。実際の体の動きもノートにとった。 pic.twitter.com/F20AUJOKYt
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
数学は非論理的な説明を聞くだけで論理的に理解しなければいけない分野である。誰も論理に説明してくれない。説明している本人だけが論理的な説明になっていると本気で思っていたりする。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014年3月16日
以前, 「特異点解消ってどんな感じなんですか?」, 「こんな感じでぐるっと回しながら持ち上げる」みたいな感じで, ジェスチャーを交えて説明している姿を見かけたことがある.
何ヶ月かしてたまたまそれっぽい図をネットで見かけて「あのとき言っていたのはこれか」という感慨を覚えたことがある.
特にどうということもないがそんなことを思い出した.
#数楽再掲おすすめ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
檜山正幸のキマイラ飼育記 2016-07-05
無料で入手できる本格的(紙なら高額)な理数系専門書15選https://t.co/n3PRZTICh5
⊗圏関係が多い感じ。Moore-Seibergの論文以降のトレンドの一つだと思う。
@genkuroki#数楽共形場から来るモジュラー圏は複素代数曲線の代数幾何にまだ十分に応用され尽くしていないように思われる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
長谷川浩司さんが証明したキャラクターレベルでのレベル・ランク双対性は楕円曲線の場合の共形ブロックの双対性とみなせ、それを〜続く
@genkuroki#数楽続き〜そのまま一般のリーマン面に拡張するための自然な枠組みはモジュラー圏だと思う。モジュラー圏には多くの対称性があって(組紐群対称性を含む)、それを利用すれば一般的な双対性を示せると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
共形場だから当然なのかもしれないが, 作用素環での共形場のフォーミュレーションでもbraid群が出てくるようなので, braid群やばいという感じがある.
@genkuroki#数楽「楕円曲線+点なしの共形ブロック(キャラクター)のレベルで双対性があれば、他のすべての場合に共形ブロックの双対性が拡張される」という予想が立てられます。これはある意味、レベル・ランク双対性の究極の一般化。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkuroki#数楽Verlinde予想は「楕円曲線+点なしの共形ブロック(キャラクター)のモジュラー変換性のデータだけで、すべての場合の共形ブロックの空間の次元を具体的に書ける」という予想。本質的にMoore-Seibergによって証明された。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajimaその手の話の一般化の話です。レベル・ランク双対性だとGKOのコセット構成によるヴィラソロ代数の表現の構成から来る共形ブロックの双対性が含まれないのですが、上の話はそういう場合も含む話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima複数の共形ブロックのシステムのあいだにペアリング(もしくは写像)があるときに、それらがmonodromyやらfusionとコンパチブルでかつキャラクターへの制限が非退化(もしくは同型)ならばシステム全体でもそうなるだろうというのが予想の概略です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima「共形ブロックのシステム」とは安定曲線のモジュライ上の層としての共形ブロックのこと。長谷川さんは「キャラクターレベルで双対性が成立している」という型の複数の結果を示しているのですが、それが全部一般のリーマン面上に拡張されるだろうというのが予想です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiヴィラソロの双対性の文献は、何ですか? いっぱいあるなら、読みやすそうなのを希望です。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajimaアフィンsl(2)からのコセット構成の共形ブロックとVirasoro代数から直接作った共形ブロックのあいだの同型で直接的な計算で証明できるケースについては https://t.co/IM2NEoMEcPに書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiコセット構成は知りたいと思いながら、読める文献を知らなかったので、教えてもらった論文は役に立ちそうです。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajima文献は書いてない。GKO構成は表現=キャラクターレベルでのaffine sl(2)とVirasoroのあいだの双対性で、その双対性から同型だと予想される共形ブロック間の写像を作れます。片方はコセット構成に付随する共形ブロックでもう一方はBPZ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajima長谷川さんの論文で証明されている表現=キャラクターレベルでの双対性のすべてが共形ブロックレベルでも成立していると予想するのは自然で、共形ブロックレベルでの同型と予想される写像の構成はそう難しくないという話です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@hirakunakajimaぼくが一般的な場合について何か書いておけば良かったのですが、書いてなくてごめんなさいの世界。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月7日
@genkurokiちなみにsl のレベルランク双対性は、アファインA型のクーロン枝 https://t.co/zLgM9isPX9と関係しています。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月7日
@hirakunakajima#数楽
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
ググってhttps://t.co/Ocp0APwgt3
共形場理論におけるコセット構成と双対性
於京大会館1994年9月
を発見。22年前。「予想」の一般的な証明のためにはモジュラーテンソル圏が適切な枠組みじゃないかなと思っています。
@genkurokihttps://t.co/hBI4lOtdmBも、その一つ前のhttps://t.co/ImXEmOkjZ3も、グラスマンの量子コホモロジーとの関係を使っているはず。Bさんに[NT]と同じように表現論だけで証明できないのですか? と質問したら
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月8日
@genkuroki[NT]と同じ議論ではモゴモゴの困難がある、との答えだった。モゴモゴは説明されたが、忘れた。
— Hiraku Nakajima (@hirakunakajima) 2016年7月8日
@hirakunakajima[NT]の方針では「KZ→組紐群の表現→その表現は既知のもの」という経路で組紐群の表現論を本質的に使うので、その経路をそのまま一般化するのは大変。そのままではなくbraiding,fusionのシステムを系統的に利用する方針ならたぶん有望。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
@hirakunakajima共形ブロックのbraiding,fusionの仕組みを系統的に利用するための仕組みがmodular tensor圏。典型的応用例が「任意のRCFTでVerlinde予想が成立していること」に関するMoore-Seibergによる証明。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
@hirakunakajimaMoore-Seibergによる(一般的な)Verlinde予想の証明については、古本が1万円近くもする山田泰彦さんの共形場理論の教科書に書いてあります。 https://t.co/ieUL7CuQdi
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
山田泰彦さんの『共形場理論入門』には昔の基本的結果の証明が多数紹介されていて(超高密度)、しかも、山田泰彦さんによって再構成されてわかりやすくなった証明が紹介されている。かなりすごい本。 https://t.co/ieUL7CuQdi#数楽
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
たとえば、アフィンLie環の脇本表現の構成を、ある種のLie環のコホモロジーの計算を使わずに、screening作用素と「可換」になるという条件による特徴付けによる計算だけで行っていたりする。これは論文にしても良さそうな結果。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
自由場表示におけるもっとも重要かつ基本的な場はscreening作用素。screening作用素を中心に計算を整理するのは自然。VirasoroやW代数だけではなく、アフィンLie環の自由場表示(脇本表現)でもその方針ですべてを計算し切ることができるという話。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年7月8日
よくわからないが山田泰彦さんの『共形場理論入門』, 英訳した方がいいのではないかという気がする.
#数楽私が大学数学科2〜3年生に「層とかコホモロジーとかを勉強したいのですが?」と聞かれたとき、最も易しい教育的な参考文献として紹介するのは
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)
@genkuroki#数楽続き。https://t.co/zuysAHfBg2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)
の最初の50頁程度を読むと、層とコホモロジー入門になる。
@genkuroki#数楽LaTeXではなく、タイプ印刷での50頁なので分量的には相当に少ない。しかも後でさらに進んだ定式化の仕方に繋がるような話ですぐに使える話が厳選して書いてある。あと、リーマン面くらい知らないと困るのでそういう意味でも非常によい本です。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽私は学生時代にこの本でSchwarzian derivativeの話を勉強しました。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽層とかコホモロジーの類は、何の役に立つのか何も理解せず、わけもわからず勉強するのは効率が悪く、Gunningさんのリーマン面の教科書のような易しい応用から入った方が得だと思う。一度勘所がつかめて怖くなくなればそこから先は普通のお勉強。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽勘所が全然掴めていない話をいちから勉強するのは非常に大変。楽な入り方があると思う。自分にとって易しく感じられる「わかる話」から順番に積み重ねて行かないと結局のところ何も理解できずに終わる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽GunningさんのRiemann面の本の特徴はできるだけ層のコホモロジーを使ってコンパクトRiemann面に関する基本定理を証明しようとしていることです。コンパクトRiemann面の話なのでそうする必然性はないのですが、そういう方針になっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽普通なら「たかがコンパクトRienann面のために層のコホモロジーの理論の準備をするのは重過ぎる」となってしまうと思うのですが、層とコホモロジーの話をタイプ印刷で35頁ほどにまとめるという凄技を見せてくれました!非常に教育的な本だと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽というわけで、"Gunning R. Lectures on Riemann surfaces (Princeton, 1966)" のGoogleでの検索→ https://t.co/zuysAHfBg2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
@genkuroki#数楽続き〜、答えはGunningさんの本に書いてあった。現在ではウィキペディアまである→ https://t.co/0BETxxOhVt
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月8日
参考にしたい.
#数楽https://t.co/jekTICNUP5
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
y.さんのLaTeX解説が非常に良いので拡散→ https://t.co/uBibZ6Mb44
amsthmでtheoremstyle definitionを使うと定理環境の中が斜体でなくなります。しかし〜続く
@genkuroki#数楽続き〜、「定理3.5 (主定理)」の「(主定理)」の部分が太字にならなくなる。amsthmでそこも太字になるようにする方法を https://t.co/CVrzjY2xgIで紹介しておきました。ただしその文書は時代遅れの部分があるので注意!
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
@genkuroki#数楽定理環境で斜体を使わずにかつ「定理3.5(主定理)」の「(主定理)」を太字で印刷する方法。https://t.co/CVrzjY2xgIより pic.twitter.com/R3JtKvibey
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
@genkuroki#数楽再宣伝https://t.co/hReJY48Pj9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
で紹介して下さっているhttps://t.co/uBibZ73LVC
が非常にいいです。日本語LaTeXを使い始める人が読むと無駄な時間を大幅に減らせると思う。
@genkuroki#数楽日本語の定理環境で斜体になるのが嫌だから\theoremstyle{definition}にすることは私自身も昔からすすめていました(ちょっと汚いやり方)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
\newtheoremstyleしても手間は大して変わらないのでそうした方がいいかも。
@genkuroki#数楽再宣伝https://t.co/hReJY48Pj9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月26日
で紹介して下さっているhttps://t.co/uBibZ73LVC
が非常にいいです。日本語LaTeXを使い始める人が読むと無駄な時間を大幅に減らせると思う。
私もy.さんのPDFを読んだ. 確かにかなりよく書けているし, 早速反映した内容もある.
これは初学者必読感ある.
#数楽広中の特異点解消や佐藤のb函数などの統計学への応用https://t.co/wGEOzKG2QMhttps://t.co/BI0bF6nVNDhttps://t.co/kCjCYxBawr
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月17日
この手の話も計算機にのせるためにはグレブナー基底が必要になる。
#数楽しばらく前の資料メモの続き。渡辺澄夫さんによる学習理論のまとめ解説には簡単な例による説明が欠けていることが多い。それを補うのに良さそうな易しい解説→ https://t.co/BK0C1bl8Ca
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
コードの例があるのはありがたい。
#数楽しばらく前のリンク紹介続き。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
代数幾何や代数解析に似た用語として代数統計という用語があることを皆さんご存知でしょうか?https://t.co/atE2lAKTrf
motivic氏によるスライド「幾何を使った統計の話」のうしろの方が代数統計の話。
@genkuroki#数楽結構気になるのはKullback-Leibler divergence(以下KL情報量)が天下り的に「2つの確率分布の距離のようなもの」という形で導入されがちなこと。Sanovの定理に触れてそれが何なのかをはっきり説明してくれた方がわかりやすい。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkurokiKL情報量D(p||q)は大雑把に言うと「確率分布qの独立試行をn回繰り返したとき経験分布pが得られる確率の対数のn分の1のn→∞での極限の-1倍」を意味している。その極限を計算するとD(p||q)=∫p(x) log(p(x)/q(x))dx となる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽つまり、KL情報量D(p||q)は確率分布qのもとでの経験分布pの生じ難さを表わす量なのである。p=qのときpの生じ難さは最小になり、D(q||q)=0となる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
これを知っているとKL情報量が出て来る式を納得しながら眺めることができるようになる。
@genkuroki#数楽以上で述べた数学的結果はSanovの定理と呼ばれており、確率論における易しい大偏差原理の典型例のひとつになっている。私が書いた解説は→ https://t.co/40sUnHaUCD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽X_iは独立同分布な確率変数で未知の確率密度函数p(x)を持つとする。q(x)は未知の確率密度函数p(x)の推定値だとする。p(x)は未知だが、独立試行によって(1/n)Σ_{i=1}^n log q(X_i)は測定可能な量になる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き。そのn→∞での極限は大数の法則より∫p(x) log q(x) dxになる。さらに、D(p||q)=∫p(x) log p(x) dx - ∫p(x) log q(x) dx で、前者の項は未知であるがq(x)の取り方によらない定数で、続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き、後者の項は測定可能な量である。q(x)を動かしてD(p||q)を小さくすることと、測定可能な後者の項を小さくすることは同じことになる。こういう話が学習理論(機械学習)の話に出て来る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽続き。そのケースで、KL情報量D(p||q)は推定された確率分布qのもとで知りたい未知の確率分布p(x)の経験分布としての生じ難さを表す。そして、Σ_{i=1}^n log q(X_i)=log(q(X_1)…q(X_n)) は所謂尤度の対数。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽どう読むのかすぐにはわからない「尤度」は「ゆうど」と読むようですが、英語ではlikelihood (確からしさ)です。尤度は推定された確率分布のもとで観測結果が生じる確率の大きさを意味し、確率分布の推定値のもっともらしさの指標としてよく使われます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
@genkuroki#数楽尤度そのものではなく、その対数をとってnで割って標本平均の形にするとn→∞で大数の法則が使える形になり、KL情報量と結び付くわけです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月25日
#数楽階層ベイズモデルとWAIC - StatModeling Memorandum https://t.co/6T7aAuqVo3
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
WAISは所謂「代数統計」(代数幾何、代数解析と似た意味)の話。
#数楽メモ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
「代数統計」についての入門的解説は→ https://t.co/kCjCYxjz7Rにある。代数幾何と代数解析の学習理論へのかなり必然的に見える応用。統計学諸分野や広いので、代数幾何や代数解析などとの間に橋が架かることは歓迎するべきこと。
#数楽「代数統計」関連の連続ツイート
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
・ https://t.co/0x3vcHD7oD
・https://t.co/dpmDXtS11N
・あとこのツイートの返答連鎖
#数楽自明な誤植https://t.co/pZRk72o18n
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月6日
×WAIS→◯WAIC
赤池情報量基準AICの導出には伝統的な「正規分布による近似」を用いるが、そうできない非正則モデルでも使えるのがWAIC。正規分布による近似が有効でない場合に代数幾何と代数解析が役に立つ。
代数解析勉強したい. したいしたい言っていまだに全くできていないし, ミニ講座を作る体で勉強するしかないのかもしれない.
発端のツイート.
#数楽https://t.co/9YSyonXQYLの続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月14日
奥村晴彦著『Rで楽しむ統計』 p.55より【ランダムにお金をやりとりすると、指数分布に近づき、貧富の差は増す】
指数分布の確率はe^{-βE}に比例(β>0)。Eはランダムに選んだ個人が保有するお金の量。
これの解説ツイート群.
#数楽https://t.co/tWgy5CuAWD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
リンク先のツイート以後の解説を難しくし過ぎた。初等的な議論で示せるので以下で解説します。
設定:nは大きいとし、n人のそれぞれがお金を保有しており、n人分の合計金額は一定であり、ランダムにお金をやり取りしまくる。
続く
#数楽続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
帰結:そのn人におけるお金の分布は指数分布で近似されるようになる。(各人がE円のお金を保有している確率はe^{-βE}に比例するようになる。)
#数楽訂正版。続き。証明の概略。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
n人が保有する金額の合計をnUと書く。n人が保有する金額は0以上で、総和はnUになる。可能な場合全体は集合Ω_n(nU)={(E_1,…,E_n)∈Z_{≧}|ΣE_i=nU}で表現される。あとは場合の数を評価する計算になる。続く
#数楽続き。i番目の人が金額Eを保有することと残りのn-1人が保有する金額の合計がnU-Eであることは同値なので、その場合の数は集合Ω_{n-1}(nU-E)の元の個数に等しい。その個数をΩ_n(nU)で割ればその場合の確率が得られる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽Ω_n(nU)の元の個数はほぼnUのn-1乗に比例し、Ω_{n-1}(nU-E)の元の個数はほぼnU-Eのn-2乗に比例するので、i番目の人が金額Eを保有している確率はほぼ(nU-E)^{n-2}/(nU)^{n-1}に比例する。これで本質的に議論終了である。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽nが大きくて、EがnUよりずっと小さいならば
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
(nU-E)^{n-2}/(nU)^{n-1}
=(nU/(nU-E)^2) (1-E/(nU))^n
≈(1/(nU)) e^{-E/U}.
i人目が金額E保有する確率はほぼ e^{-E/U} に比例することがわかった。
#数楽Uは1人あたりが保有する金額の期待値なのだが、確率密度函数 e^{-E/U}/U の確率分布(指数分布と呼ばれる)の期待値もUなのでつじつまは合っています。Uは統計力学における絶対温度に対応しています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
個人が保有するお金の平均値←→統計力学における絶対温度
#数楽以上のような話は統計力学の教科書に書いてあります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽現実の資産分布はどうなっているか?このツイートの添付画像は https://t.co/uwohBb7TAjより。 pic.twitter.com/5xgUv0Z5Nf
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽もう1つ。このツイートの添付画像は https://t.co/DeM4igpoWe より。 pic.twitter.com/xxPC2vkVZj
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽指数分布のグラフは添付画像のような感じになる。 pic.twitter.com/98bCTCi2cx
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽指数分布の普遍性を理解してもらうために授業時間に次のような実験をすることが考えられる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
(1)出席者におもちゃのお金を配る。全員に同じ金額を配ってもよきし、偏りがあってもよい。
(2)ランダムに相手を変えながら、じゃんけん勝負をしてお金をどんどんやりとりしてもらう。
続く
#数楽適当な時刻に、保有しているおもちゃのお金を集計して分布を記録する。十分時間が立つと分布は指数分布に落ち着くことが確認できるはず。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
物理の授業時間にやってもらえると助かる。
#数楽上の方で説明した指数分布を出す計算と、R^n内の原点を中心とする半径√(nU)のn-1次元球面上の一様分布を1次元部分空間に射影して得られる分布はn→∞で正規分布に収束するという計算は本質的に同じです。両方の計算をやってみればわかる。「熱浴」の話の簡単な場合。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽T=σ^2とおく。R^n内の原点を中心とする半径√(nT)の球面上の一様分布を1次元部分空間への射影で得られるR上の確率分布はn→∞で平均0、分散Tの正規分布に収束し、分散Tは統計学における絶対温度に対応します。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
この話がお金の指数分布の話とほぼ同じなのは明らか。
#数楽半径√(nT)のn-1次元球面を考えることは、R^nの座標をT=(x_1^2+…+x_n^2)/nと球面上の座標に分解することをやっていると考えられます。以前紹介しましたが、その分解は、PerelmanさんのRiemann幾何的熱浴のアイデアのTaoさんによる解説にも〜
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽続き〜にも登場します。 https://t.co/xnyY3CdgABにおける(9)式を見て下さい。そして(15),(16)式以降の議論を見れば、一様分布の射影の話はラプラス方程式+熱浴から熱方程式を出す議論の一部だと解釈されるべきであることがわかります。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽総量一定のお金をランダムにやり取りする話(現実世界の貧富の差の問題と関係がある)とポアンカレ予想を解くためのに使われたアイデア(純粋数学の最深部)は地続きで繋がっているのです。下世話に感じられる話は実は下世話ではない。高尚に見える話も単に高尚なわけではない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽「熱浴+注目系でのエネルギー保存則より確率がe^{-βE}に比例する」という話は統計力学の教科書に書いてあります。しかし、既出の https://t.co/xnyY3CdgABにおける熱浴+注目系上のラプラス方程式から注目系上の熱方程式を出す議論は見たことがない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽続き。どこかに書いてあるならば教えて欲しいです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽大数の法則と中心極限定理はすでに実用的な統計学を習得した人たちにとって空気のようなものになっているのですが、大偏差原理から出て来る話(先の総量が一定のお金のランダムなやりとりで指数分布が自動的に出て来たりする話がその最も簡単な例)についてはそうではないと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽大偏差原理の取り扱いを知っていれば、統計力学における熱浴のアイデアで、所謂指数型分布族(統計力学におけるカノニカル分布の一般化、正規分布や指数分布を含む)がどのような場合に普遍的に出て来るかがわかります。これも空気のごとくみんなが使えるようになると素晴らしいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽総量一定(より正確には1人あたりの量の平均値一定)のお金をたくさんの人たちの間でランダムにやりとりするケースでは、注目する個人意外の人たちが「熱浴」の役目を果たします。奥村さんの新著でも紹介されていたようにこの例は基本的で分かりやすいと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽注目する個人(もしくはより一般に注目する系)が集団(熱浴)とやりとりするものはお金である必要はなく、なんでもよい。ただし、指数型分布族を出すためには、注目する個人と集団の全体でやりとりするものの総量は一定でなければいけない。たったれだけの条件から〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽基本定理:ベースになる個人の制限がない場合の分布密度をq(x)とするとき、個人が函数f(x)で表される量をサイズn-1の集団とランダムにやりとりするとき、全体でのf(x)の合計がnUのとき、n→∞で分布密度はe^{-βf(x)}q(x)に比例するようになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽ただし、U≦∫f(x)q(x)dxであるとき、β>0は、Z=∫e^{-βf(x)}q(x)dx、(1/Z)∫f(x)e^{-βf(x)}q(x)dx=Uという条件で決まる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例:総量nUのお金をn人でランダムにやりとりする場合にはM≧Uに対する[0,nM]区間上の一様分布を個人の制限なしの保有するお金xの分布密度と考えます。そして、f(x)=(注目する個人が保有するお金)=x. 結果的に得られる確率分布の密度函数はe^{-βx}に比例。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例続き。このとき、Z=∫_0^∞ e^{-βx}dx=1/β、β∫_0^∞ x e^{-βx}dx=1/β=Uなので、β=1/Uとなり、平均Uの指数分布の密度函数e^{-x/U}/Uが得られる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
指数分布が普遍的に現れて来る様子がわかります。
#数楽積分範囲が0から∞になっているのは、q(x)として[0,nM]区間上の一様分布を選び、nを大きくしたときの様子を見ているから。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
#数楽例:個人ではなく粒子達がエネルギーf(x)=x^2をランダムにやりとりしている場合。n個の粒子全体でエネルギーの総和はnUであるとし、制限を付けないxの分布密度q(x)dxは区間
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
[-√(nU),√(nU)]
上の一様分布とする。続く
#数楽例続き。nを大きくすると注目する粒子のエネルギーの確率密度函数はe^{-βx^2}に比例するようになる。ガウス積分の計算を実行すると、β=1/(2U)、Z=√(2πU)となり、確率密度函数は平均0、分散Uの正規分布になります。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月16日
他にやりたいことがガンガン増えてきて全く触れられていない話題として, 大偏差原理の勉強がある. 統計力学でいろいろ関係あるらしいし, 前からずっとやりたいとは思ってはいるが全く何もできていない.
見やすくするため勝手にPDFにもまとめた.
以下ツイート引用.
#数楽準素イデアルの定義がピンと来てない人をどこかで見たような気がするのでちょっとその話。Qは可換環Aの真のイデアルであるとします。「a,b∈Aかつab∈Qかつnot a∈Qならばある自然数n>0でb^n∈Qとなるものが存在する」とき、QはAの準素イデアルであると言います。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。たぶんこの定義そのものだけを忠実に理解しようとしてピンと来なくなっている。同じ問題はもっと易しい素イデアルや極大イデアルの定義について教えているときにもよく出会います。イデアルについている形容詞の定義を理解するためには、そのイデアルで割ってできる剰余環について〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、考えてみるとよいです。同じことですが、零イデアルがその性質を満たしているのはどういうときかについて考えてみるとよいです。Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、考えてみるとよいです。同じことですが、零イデアルがその性質を満たしているのはどういうときかについて考えてみるとよいです。Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。個人的には教育現場では最初からそれを極大、素、準素イデアルの定義に採用したいくらい。環の準同型定理の具体例での使い方を知っていれば、剰余環を計算して極大、素、準素イデアルであることを判定してもらうことも気軽にできるし。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
こういう易しい話も需要がありそうな感じ。
#数楽「aの7乗しなければ0にならないが、bの6乗は0なので、aよりもbの方が『微小』である」とか。たとえば、Z/128Zにおいて(0⇔128で割り切れる)、14は7乗しなければ0にならないが、12の4乗は0になる。Z/128Zにおいて14よりも12の方が「微小」。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。この話における128=2^7の7を無限に大きくする極限を考えれば、2の大きなべきで割り切れるほど「微小」となる「2進整数環」の世界が得られわけです。2を別の数に変えてもよい。個人的には無限小の直観があった方がp進数入門が楽になると思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽超大脱線。体や整域の定義の中に「零環でない」という条件を忘れずに含めている代数学入門書は注意深く書かれています。その条件は「素数に1を含めない」ことの一般化なので要注意なのですが、数学に強くなると細かい部分はどうにでもなるので書くのを忘れるようになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽あと剰余環の定義についても教科書に書いてある定義のみを忠実に理解しようとしてはまるパターンもよく見かける感じがします。(似たようなはまり方を多様体の定義でも見かけたことがある。) 剰余環Z/12Zは有理整数環Zの中で12を0とみなしてできる環であるとかを知らないと困る。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。M/Nで「Mの中でNの元をすべて0とみなしてできるもの」を意味することがよくある。この「〜とみなしてできるもの」という曖昧な言い方を避けると教科書に書いてあるような定義になる。教科書的定義を出発点にするのではなく、「定義を自分で出す」という発想が大事。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽易しい話の続き。数学科学部レベルの代数を習ったら、中高で習った「方程式」の定義について考えてみるとよいかも。例えば勝手に剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]を「方程式x^2=2」と呼ぶと定義してよい。任意の環Aにおける方程式x^2=2の解全体は〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]から環Aへの環の準同型写像φ全体と一対一に対応しています(α=φ(x)が解になる)。中学校レベルの方程式x^2=2とその解を環と環の準同型の言葉で完全に定式化できたわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽x^2+y^2=1のような図形の定義になっている方程式も剰余環R=Z[x,y]/(x^2+x^2-1)Z[x,y]として定式化できる。方程式x^2+y^2=1の実数解全体はRから実数体への環の準同型写像全体と一対一に対応している。これで円の方程式も環論で扱える。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽で、環論のよくある演習問題に「Kが実数体の部分体であるときK[x,y]/(x^2+y^2-1)K[x,y]は整域だがUFDではないことを示せ」があります。Kが複素数体ならUFDになることは易しい(Laurent多項式環に同型になる)。単位円の方程式への新たな出会い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽超易しい話という文脈では1つ前のツイートの問題は難しい方に分類されます。UFDでない例としてはK[x,y]/(y^2-x^3)K[x,y]≅K[t^2,t^3] (x=t^2, y=t^3)の方がずっと易しい。これはカスプy^2=x^3の特異点解消の例でもある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽x=t^2, y=t^3は「x=f(t), y=g(t)の軌跡を考える。f(t)もg(t)も滑らかな函数なのに軌跡は滑らかではない例を挙げよ」の例になっています。 https://t.co/KO2X9n55vl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
y^2=x^3は退化した楕円曲線の例にもなっている。
#数楽https://t.co/WPY6yaW7rS
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
parametric plot x=t**2, y=t**3, z=t
xyz空間内の曲線としてこれは滑らかだが、xy平面に射影すると尖がる。
#数楽以上の例は多くの教科書でよく見かけるものです。教科書的例はやはり重要で知らないと様々な場面で理解に困ることが多い。具体的な例も一般的な概念もどちらも大事。具体例にはどの一般論に関係あるかを必ず要求し、一般論では具体例を必ず要求する。答えに詰まる人は大して理解していない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽でも見栄をはって完璧に理解するまで誰にも話さないのは楽しみのかなりの部分を失うと思う。まだよくわかっていないことを説明しているうちに理解がすすむ方が普通だと思う。だから理解していないことの説明を聞いてくれる友人は貴重。単に聞いてもらうだけでありがたい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽今だとパソコンで無料の数式処理ソフトが使い放題だし、スマホからWolframAlphaにアクセスすれば気楽にグラフを描いたり、計算したりできる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽M/Nの話で代数方程式だけではなく、線形微分方程式も定式化できる。ただし非可換環が必要。正準交換関係x∂-∂x=1で定義される常微分作用素環論D=C[x,∂]を考える(∂=d/dx)。常微分方程式(∂^2+1)u=u''+1=0をD加群で定式化するには〜続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き〜、ランク1の自由D加群Duの剰余加群
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
M=Du/D(∂^2+1)u
=(Duの中で(∂^2+1)u=0とみなしてできる左D加群)
を考えます。これが微分方程式u''+1=0のD加群としての定式化。Dが作用している任意の函数空間Fにおけるu''+1=0の解と〜続き
#数楽続き〜、MからFへのD加群準同型φは一対一に対応している(φ(u)が解になる)。たとえば、F=C^∞(R)の場合:φ(u)=e^{±ix}, cos x, sin xを満たすD加群準同型φ:M→C^∞(R)が一意に存在する。これで線形微分方程式も剰余加群で定式化できた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽一般に微分作用素P∈Dについての微分方程式Pu=0はD加群M=Du/DPu=(Duの中でPu=0とみなしてできる左D加群)として定式化できます。NからD加群FへのD加群準同型全体の集合はHom_D(M,F)と書かれます。Fが具体的な函数空間ならこれはPu=0の解空間。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽線形微分方程式をこのように定式化することの御利益はホモロジー代数を使えることです。すなわちPu=0の解空間のHom_D(M,F)だけではなく、Ext^i_D(M,D)も使える。先の例ではMの自由分解0←M←Du←DPu←0でExtを計算できます。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽続き。実際に計算すると、Ext^0_D(M,F)≅Hom_D(M,F)≅Ker(P:F→F)=(Pu=0のFでの解空間)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
Ext^1_D(M,F)≅Coker(P:F→F)=F/PF=(Pu=fの解がF内に存在しないf∈Fがどれくらいあるか)
となります。
#数楽続き。たとえばP=x=(函数xをかける作用素)でF=C[x]のとき、xu=0の解空間は自明にHom_D(M,F)=0となり、Ext^1_D(M,F)≅C[x]/xC[x]≅Cとなります。この例は基本的。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
デルタδ函数はxδ(x)=0をみたしているのでxu=0の解。
#数楽https://t.co/bqqEN04aDB
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
訂正NじゃなくてMです。自明な誤り。
まあとにかく、中学校から大学にかけて習う方程式たちは、環や加群として定式化でき、解と具体的な環や加群への準同型は一対一に対応しているということです。
#数楽よくわからない何かは「方程式」とみなせ、そこから具体的な何かへの「射」は「方程式の解」とみなせるという話は単なる再定式化ではなく数学的に意味のある形でうまく行っているということです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
#数楽https://t.co/SjSbjpJbu2
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月21日
訂正:∂=d/dxに関して、x∂-∂x=1ではなく、∂x-x∂=1が正しい。これも自明な誤り。
#数楽https://t.co/VuyF5XSuGY
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
準素(prinary)イデアルの定義がピンと来ない人をどこかで見かけたような気がするという話から、方程式の概念を環や加群で定式化する話に脱線したのでした。その話の続き。必要な脱線であったことがわかるようにしたい。
#数楽復習1:可換環Aの真のイデアルIが準素(primary)であるとは剰余環A/Iのすべての零因子が冪零になることであった。だから準素イデアルの概念を理解するためには零でない剰余環でその零因子がすべて冪零になるようなものについて理解すれば良さそうだ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽復習2:有理整数環をZと書く。中学校で習う方程式x^2=2は剰余環R=Z[x]/(x^2-2)Z[x]=(Z[x]の中でx^2=2とみなしてできる環)として定式化できる。可換環Aにおけるx^2=2の解はRからAへの環準同型φと一対一に対応している(φ(x)が解になる)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽ここから新しい話。素イデアルとはそれで割ってできる剰余環が整域になるようなイデアルのことであった。I=(x^2-2)Z[x]はZ[x]の素イデアルである。証明は環の準同型定理を使って、Z[x]/IがZ[√2]={f(√2)|f∈Z[x]}に同型であることを示せばよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽中学校では重解を持つ方程式x^2-2x+1=0についても習う。その方程式とx-1=0の実数解の集合は一致している。実数解の集合で重解を持つ方程式とそうでない方程式を区別することは不可能である。しかし、方程式を剰余環として定式化すればそれらを区別できる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽続き。x^2-2x+1=0は剰余環R_2=Z[x]/I_2、I_2=(x^2-2x+1)Z[x]として、x-1=0は剰余環R_1=Z[x]/I_1、I_1=(x-1)Z[x]として定式化できる。環の準同型定理によって、R_1はZ[1]=Zと同型になり、続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽続き〜、R_2はランク2の自由Z加群Z+Zεにε^2=0というルールで可換環の構造を入れたもの(Z[ε] with ε^2=0)に同型なことがわかる(x-1にεを対応させる)。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽環の準同型定理を使えない人は次のように考えてもよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
R_1の定義はZ[x]/(x-1)Z[x]で、それはZ[x]の中でx-1=0すなわちx=1とみなしてできる環のことなので、xが1で置き換えられて、R_1≅Zとなる。
続く
#数楽続き。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
R_2の定義はZ[x]/(x^2-2x+1)Z[x]=Z[x]/(x-1)^2Z[x]で、それはZ[x]の中で(x-1)^2=0とみなしてできる環なので、x-1が2乗すると0になる無限小量εに置き換えられて、R_2≅Z[ε] with ε^2=0となる。
#数楽重根を持つ方程式(x-1)^2=0を環論的に定式化するときには、xを1+ε (ここでεは2乗すると0になる無限小量)で置き換えるという操作をするわけです。単根と重根の違いは冪零元(無限小量の一種)の有無で区別されます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽で、以上に出て来た重根を表現するイデアルI_2=(x-1)^2Z[x]がZ[x]の準素イデアルになっていることもわかります。準素イデアルの話は中学校のときに習った重根の話の一般化になっているわけ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
数学科の学部レベルでの代数は義務教育レベルの話をやり直している感じ。
#数楽冪零元εは「それ自体は0ではないがそのある冪が0になるほど微小な無限小量の一種」とみなせます。このようなスタイルによって純代数的に無限小量を扱えるわけです。それによって純代数的に解析学(逐次近似が重要)の真似事ができる。冪零元を排除しないことは結構大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽残念なことに、大学の数学科の先生の中には、「高校以下の数学と大学数学科での数学は違う」と強調し過ぎて、学生が数学を「普通に」理解する道から離れてしまう原因を作っている人達がいるように思えます。実際には高校以下の数学と数学科での数学は内容的にダイレクトに繋がっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
#数楽内容的に高度になっているという違いは確かにあるのですが、同じ数学。本質的に変わったと感じる人は高校以下の数学を正しく理解していなかっただけなのだと思う。そこには運で決まっている部分が膨大にある。運の良さを奢ることなく、運の悪さに負けることなく楽しみたいものだと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月22日
これ相当参考になるのでは.
イデアルについている形容詞の定義を理解するためには、そのイデアルで割ってできる剰余環について考えてみるとよいです。
そしてこれ.
Iは可換環Aの真のイデアルとします。A/Iが体、整域、「その零因子はすべて冪零」であることのそれぞれとIが極大、素、準素であることは同値。
途中, 代数解析的な話も出てくる. ふつうは代数幾何の範疇なのだろうか? 私は代数解析の文脈で先に見たのでそう思ってしまうけれども.
全部載せるの面倒だったので一部だけ. 代数解析と統計を勉強する取っ掛かりになれば, と思いとりあえずシコシコ記録していく.
#数楽佐藤のb函数(Bernstein-Sato多項式)が学習理論に応用されている話を直接的に確認したい人は https://t.co/Yy6pgxhPTeからPDFファイル https://t.co/FgnNSfh43x(2頁)をダウンロードして読めばよいと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽続き。b函数はKL情報量K(w)=∫p(x|w)log(p(x|w)/q(x))dxと事前分布φ(w)が定めるゼータ函数∫K(w)^s φ(w)dwの極を得るために使われ、その情報から分配函数Z_n=∫p(X_1|w)…p(X_n|w)φ(w)dwの漸近挙動を導出します。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽続き。一般に統計学諸分野において分配函数と呼ばれるものの様子を調べることはめちゃくちゃ大変なのですが、上の場合には、分配函数を直接攻めるのではなく、別の母函数であるゼータ函数の解析接続の極を調べることによって分配函数の漸近挙動を導いています。極の情報はb函数から得られる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
#数楽佐藤幹夫先生由来の代数解析がもろに役に立っている感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月30日
ベイズ学習マシンへのインプットのサイズを大きくしたときの漸近挙動の解析には代数解析の仕組みがもろに使われている。
#掛算https://t.co/yEFMChdXNKhttps://t.co/OENmrxp5GD
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
例の800円の50%を800÷2と解くことを減点したがる人達は単純に無知無能なのだと思う。無知無能と決め付けることが正しい証拠とみなせる文献を紹介します。続く
#掛算それは何度も紹介している吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003) https://t.co/uAX9pFpYbBです。児童が日常生活ですでに得ている知識を大事にしながら、優れた大人と同じように考えることができる方向に誘導するのが良いことがわかっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算その本では
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
(1)児童がすでに得ているやり方や直観を大事にし、
(2)大人と同じように大雑把な見積もりを直観的にできるようになるように工夫して教えることによって、
教科書通りの教え方に対して、教科書的問題の正答率でも割合概念の理解の質でも圧勝できることを示しています。
#掛算続き。教科書通りに教わると、教科書的なパターン化された問題の正答率は悪くなり、児童は「AはBの130%で、CはBの80%とする。大きな順に並べよ」のような問題を十分に解けるような理解の質に達することが難しくなるという結果も示されています。教科書的教え方には問題あり。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算実験的な授業を受けたE群が割合概念をよく理解しているのに対して、教科書的教え方をされたT群の結果はかなり悲惨。その様子を「立ち読み」したい人はリンク先の連続ツイートの添付画像を見て下さい。https://t.co/uTCNMjxy5r
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算そのリンク先の連続ツイートで紹介していない部分で、吉田甫氏は割合について習う前に児童はすでに大人がよくやる大雑把な見積もりをかなりできるようになっていることも紹介されています。ところが教科書的な割合授業を受けるとそれが*で*き*な*く*な*る*!ひどい教え方。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算以下に添付画像で引用するのは吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003)pp.106-123です。1/9 pic.twitter.com/76ABoQj0Ch
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算4/9 赤枠の内側だけでも読んでおくと、児童が割合について習う前にどのような予備知識を持っているかがわかります。 pic.twitter.com/wiTP5PIVUl
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算5/9 たとえば、割合について習う前の5年生の段階ですでに50%が直観的に半分であることを理解している児童が3人中2人もいる。さらに割合について習う前に40人の90%を35人に大雑把に見積もることができている児童がかなりたくさんいる!これは素晴らしいこと! pic.twitter.com/GJwS8TjEyH
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算6/9 ところが、割合について習ってしまうと、習う前にできていたことができなくなっている!大雑把な見積もりが直観的にできるままであれば大人と同様の直観的で柔軟で誤りを犯し難い割合概念の運用ができるようになるはずなのに、教科書的教え方が悪いせいでそうなっていない。 pic.twitter.com/q1abvAts9o
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算6/9 ところが、割合について習ってしまうと、習う前にできていたことができなくなっている!大雑把な見積もりが直観的にできるままであれば大人と同様の直観的で柔軟で誤りを犯し難い割合概念の運用ができるようになるはずなのに、教科書的教え方が悪いせいでそうなっていない。 pic.twitter.com/q1abvAts9o
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算8/9 熟達した大人と同じ大雑把な概算を利用している子の正答率は100%!教科書に忠実な公式を使っている子の正答率は67%でしかない。吉田甫氏達はこのような観察に基いて教科書的公式中心の教え方とは異なる実験的な教え方をしてみたら、正答率も理解の質も大幅に向上した。 pic.twitter.com/daoXJh4PVU
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算9/9
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
まとめ:児童は割合について習う前に50%が半分であることや大雑把な見積もりを結構できている。教科書の公式中心の教え方には、児童がせっかくできるようになっていた大雑把な見積もりをできなくする悪しき教え方である。 pic.twitter.com/tj8wWoutnt
#掛算吉田甫氏達は、教科書的な割合の授業の欠点をあげつらうだけではなく、その欠点を解消する教え方を設計し、実践してみて、教科書通りの教え方とは異なり、児童に割合の概念を理解してもらえることをきちんと示しています。これ以上何か議論することってある?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算その吉田甫氏達による教科書とは違う優れた教え方では、児童が割合について習う前に得た知識(50%は半分であるなど)や能力(大雑把な見積もり)を大事にするものです。児童が「800の50%を800の半分だから800÷2」とすると減点するような教え方とは正反対。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算児童が「800の50%を800の半分だから800÷2」とすると減点するような教え方を支持する発言をしたい人達が、事前テストなどによって条件を揃えた授業の比較研究の結果を引用してくれるまで、まじめに相手をする必要はないと思う。単に否定すれば十分。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算まあ、吉田甫氏達による条件を揃えた授業の比較研究がなくても、児童がすでに知っている正しい知識や優れた能力を否定するような評価をする教師がまともだとする理由はまったくないと思う。おまえら教育に関する議論をしたいなら、少しは生身の子供のことを考えろや。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算きちんと科学的な研究を引用しながら証拠に基いた議論をできないだけではなく、生身の子供への配慮にも欠けているとなると、ほぼあらゆる面で屑そのものだと評価されても仕方がないよね。教育に関する議論ではその手の人達が堂々と発言して来るので驚く。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算やれやれだぜ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算吉田甫氏達による条件を揃えた授業の比較研究の結果についてはリンク先の連続ツイートで紹介してあります。https://t.co/lrOcBABZ9q
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
条件を揃えた授業の比較研究で有用なものが他にあるならば紹介して欲しいです。私は大学図書館の閉架で吉田甫氏の本を発見した。
#掛算https://t.co/2BCYhIJL33
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
【大雑把な概算を使った生徒が「7%」と少ないのは、概算自体が小学生には高度すぎるとも考えられるのではないでしょうか。】
これはひどい誤解。何度も繰り返し述べているように、教科書通りの教え方のせいでそうなってしまっている。続く
#掛算上で引用した吉田甫著『学力低下をどう克服するか』(新曜社2003)pp.106-123の部分は、教科書通りの教え方が引き起こす有害な効果の分析です。リンク先で引用したpp.162-171に実験的授業が成功した話がある。https://t.co/uTCNMjxy5r
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算1つ前のツイートで紹介した連続ツイートはこの返答連鎖の範囲内ですでに3回目。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
リンク先の図6-13は教科書的問題の正答率について教科書通りに教わった側(T群)が劣っていることを意味するグラフです。https://t.co/yMxIrDZnzh
#掛算リンク先の図6-14のグラフを見れば(大雑把な)見積もりを使う子がいなくなるのは教科書通り(T群)に教えているからだとわかります。https://t.co/12sa3fmeso
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算https://t.co/12sa3fmeso
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
図6-15のグラスを見ると「AはBの130%であり、CはBの80%である。大きな順に並べよ」の型の問題の正答率は
教科書通りの教え方(T群)→3割
実験的な教え方(E群)→8割
と大きな差がついている。
#掛算教科書通りに割合について教わると「AはBの130%であり、CはBの80%である。大きな順に並べよ」のような問題を3割の児童しか解けなくなる。実験的なより適切だと思われる教え方であれば8割正解する。クラス内でできない子も解けるようになっている。この差は大きい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算教科書通りの教え方だと過半数の児童が割合の概念を習得できない感じ。(適切に教えれば平均以下の子でも大丈夫なのに!)
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
それどころか、割合の授業の前にはできていた見積もりができなくなる。これはさすがにひどすぎると思います。保護者の立場としてはまったくシャレにならない話です。
#掛算「比べられる量」「基にする量」という用語を聞いた瞬間に「なにそれ」とか「わすれた」と感じる割合の概念を完璧に理解している科学的な理解力の高い人達は相当に存在すると思われます。そういう類の用語を子供相手の授業で使うように教科書は編集されているわけ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
#掛算続き。そして、「比べ(られ)る量」「もとにする量」という用語の理解について大多数の子供が困難を覚えていることを、高学年を担当したことのあるすべての小学校教師が気付いていると思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月16日
長くて面倒になってきたのでここで切る. 上のツイートからTwitterに飛んでリプライツリーを追えば読めるので, ご興味のある方は読みに行ってほしい.
あと本を改めて張っておこう. そのうち買って読みたい.
小学校のかけ算順序問題で、ついガチで小学校の先生に反論した上で丁寧に「何をしっているべきか」を論じた数学者の短い論文が流れてきた。https://t.co/mrqBUdDkdy
— kazy (@gakeau) 2016年11月23日
@gakeau大学で物理教えてる僕にも一見では全く理解不能な「説明」ですね(*^ω^*;;)。こんな上から目線で誰かを説得出来る訳が無いと思うんですが。
— タナカシンイチロウ (@Shin_Ichiro_Z) 2016年11月23日
@gakeau大変申し訳ありません。すでに別twで述べましたが、この小論文、発表は1993年であり、20年以上前のものでした。近年の議論とは全く関わりがなく、遥かに先駆けた問題提議というべきものでした。従って僕の批判は全く見当違いでした。見落としすみません。
— タナカシンイチロウ (@Shin_Ichiro_Z) 2016年11月24日
「批判が検討違いというかその人に言ってどうするの」感がある. そして黒木さんがアタックする.
その前に.
@gakeauこのPDFはかけ算順序問題に対して反論しているわけではなく、むしろ加群を使ってかけ算に順序が重要なことを示しています。
— liinter7 (@liinter7) 2016年11月24日
著者の関わった小学校教諭の数学レベルの低さを指摘しているだけかと。
@gakeauこれは理系(数学系?)には分かりやすい説明
— きり (@kiri8128) 2016年11月24日
???????????????????????????????????
何はともあれ黒木さんのツイート.
#掛算@gakeau以下のリンク先の連続ツイートで件のPDFの内容がダメすぎる理由を説明しておきました。参考になれば幸いです。https://t.co/MetC0qEo4e
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
これはダメな反論ですね。この教員個人はやり込めることが出来たでしょうが、掛算順序論を熟知している教員や本尊の指導書執筆者には通じないでしょう。かれらは「交換則は成り立つがそれでも順序は固定」説なので。 https://t.co/5RSAuY5GOC
— 齊藤明紀 (@a_saitoh) 2016年11月23日
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
#掛算@a_saitoh@gakeauさらにその批判の仕方がダメな理由の解説。掛算順序固定強制のごときトンデモは私が何度も強調しているように小学校2年生レベルの完璧な知識があれば完全に粉砕できます。そういう常識レベルの話に抽象代数系の話は関係ありません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
#掛算@a_saitoh@gakeau掛算順序固定強制のごときトンデモの批判には小2レベルの常識があれば十分。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
私は行列を学んだことがないと述べていた小学校の先生から掛算順序固定強制の問題について正確な批判の仕方を教わりました。教科書出版社に問題がある。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
小学校の先生になる人達が現在よりも広く深い数学的教養を身につけることになれば素晴らしいと思います。
しかし掛算順序固定強制問題は小2レベルの常識の問題に過ぎないので、特別な数学的教養抜きに容易に全否定できてしかるべきです。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
掛算順序固定強制問題は理系高学歴者達の中に考えの足りない人達が結構たくさんいることも証明したと私は考えています。掛算順序固定強制を擁護する論外な理系高学歴者達だけではなく、批判している人達の生ぬるさは余りにも情けな過ぎ。続く
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
まるで数学的教養が無ければ掛算順序固定強制を否定できないかのように語る人達はその分だけ掛算順序固定強制問題を不当に「高級」だとみなしていることになり、生ぬる過ぎです。
これは小2レベルの話。
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
さらに、掛算順序固定強制の正当性を主張する困りものな教師個人を主な批判のターゲットにすることは、別のもっと重要な意味で生ぬる過ぎ。
教師達を矢面に立たせて、世間的にほとんど非難されずにすんでいる人達がいる。算数の教科書出版社。続く
#掛算@a_saitoh@gakeau
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月23日
算数の教科書出版社の件については繰り返し書いています。最近ではリンク先の連続ツイートで簡単に説明しました。https://t.co/couRt9IiH5
#掛算https://t.co/iXhoJtGadS
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
その通り!教師達に算数の教え方を指導している算数教育の専門家と社会的にみなされている人達、そして教師全体に大きな影響を与えている算数の教科書とその教師用指導書に問題がある。
#掛算まとめ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
(1)掛算順序固定強制批判はその根拠が高級そうでなければないほど厳しくなる。この件について批判は厳しい方がよい。高級そうな数学的教養が根拠として必要であるかのように語るたびに批判は生温くなる。
続く
#掛算まとめ続き
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
(2)現場教師を矢面に立たせておきながら、自分自身は世間的にほとんど非難されていない人達がいる。それは、現場教師に算数の教え方を指南する社会的地位についている人達である。特に算数の教科書の教師用指導書の内容にはひどく問題がある。
#掛算最近特に気にしていること。教師になる人は大学生の段階で小2レベルの学力があれば粉砕できるはずのかけ座右重要固定強制の方針が正しいと学んでしまっている場合は少なくないと思われます。小学校の教員免許を取るための教育実習で現場の教師に洗脳されている可能性がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算私がツイッターで出会ったナマの例が2つある。まだ学生の若い人達の将来をつぶすようなことはしたくないので、リンクははりません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
掛算順序固定強制が正しい教育方針だと信じていると公言してしまった学生の人はできるだけ早く自分自身が誤りを訂正するべきだと思います。
#掛算昔から現在にかけて、大学での教員養成課程における教育実習や教師になった後のon-the-job trainingなどで、掛算順序固定強制を氷山の一角とするおかしな考え方を学んでしまう人達が再生産される仕組みが稼働し続けています。それをどのようにしたら止められるのか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算再生産の仕組みが稼働し続けて来たことは確かなのですが、その実態の詳細はよくわかっていません。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
小学校での教育実習や教師になってからの勉強の過程で何が起こっているのでしょうか?
#掛算生ぬる過ぎという話に補足。掛算順序固定強制を擁護している文系的な教養を持っていないと恥ずかしい立場の人物を見付けたら、「掛算順序固定強制を氷山の一角とするおかしな算数の教え方が子供達から読解力を奪っていること」を指摘すると、批判をより厳しくできて好ましいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
#掛算続き。「あなたは文系的な教養があるかのようなふりをしているが、掛算順序固定強制が子供達から読解力を奪っていることさえ見抜くことができないのか!文系のくせに!」と責めるのは非常によいことだと思います。この方向に関しては→ https://t.co/6VMTr8RdeZ
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年11月24日
先日もそれで混乱して算数が大の苦手になったというあまりにもむごい話があった.
掛け算順序固定, こういう子をどう救うのかの対策を示してほしい.
深夜に起きてしまって、もう朝なんだが、この勢いで「自分のことは棚に上げた話」をしてみたいと思う。それは大学新入生向けの解析学(微分積分学)の講義の内容の話。数学科向けの講義ではなく、理学部他学科や工学部向けの講義の内容を念頭に置いた話をしたいと思う。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiよく話題になるのは「ε-δで教えなくなった」という話。私は大学新入生のときに実数論とε-δで微積分を習いました。高木貞治『解析概論』のスタイルを大学新入生向けに完璧に整理してまとめた内容の講義でした。そのときのノートを紛失してしまったことが悔やまれる。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki実数論からε-δへという「伝統的」なやり方はスタイルが決まっており、一貫した思想もあり、そういう意味で教養として十分に価値ある内容だったと思います。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
問題にしたいのはそのスタイルを止めた後の話です。続く
@genkuroki続き。ε-δを止めた後の大学新入生向けの微積分の教科書を幾つか眺めると、どこが面白いのかわからない内容になってしまっていると思います。思想と一貫したスタイルは消えているのに、中途半端に昔の伝統的スタイルの影響が残っている感じ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiε-δは消えても、中間値の定理→ロルの定理→平均値の定理→…というような進み方はそのまま維持されていたりする。それらの定理を教えることに異存はないのですが、各々の結果の位置付けはどうなっているのかなどがぼやけてわかり難くなっているように見えて仕方がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki大学新入生のときに初歩的な解析学を習ってどのようなメリットがあるのかについて明瞭なビジョンがないまま中途半端に伝統に従っているだけに見えて仕方がないのです。これだと講義をやっている側がつまらなくて仕方がないのではないか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki数学を好きな人がつまらないと思いながら数学の講義を単なるやっつけ仕事としてやることは精神的に不可能に近いことなので、実際の講義は「教科書」とは違って特色のある個性的で面白い内容になっている場合が少なくないと思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiしかしつまらない教科書の問題は深刻かも。ε-δを外した後もε-δ時代の伝統的流れを(中途半端に)維持することは、数学を教わる側にとってのメリットよりも、惰性の方を優先していることにならないだろうかと思うのです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki具体的には、工学部などの学生にとって有用な一貫した普遍的な考え方を大学新入生向けの微積分の授業は提供できているのだろうか?
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
多くの教科書は「シラバスに沿った授業」をこなし易くするために工夫されてしまっていて、そういう感じではなくなってしまっている。
@genkurokiそれじゃあ代わりに何をやればいいのか、「一貫した普遍的考え方」とやらの具体的中身を教えて欲しい、という疑問にある程度答えないと以上の不満は単なる愚痴で終わってしまいます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiε-δで解析学を習うと「近似」の概念を様々に精密に考えることの重要性を理解できます。三角不等式のような簡単な不等式の評価方法、Taylor展開に代表される漸近展開、よい等式から有用な不等式が得られること、函数の凸性の利用、などなど。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki新入生以後もまじめに勉強を続けると、新入生のときに習った「計算の例」が普遍的に役に立つツールの入り口になっていることにも理解できる。たとえば ∫_{-∞}^∞ e^{-x^2/2} cos(px) dx は超普遍的ツールのFourier解析の入口。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkurokiこういう話であればいくらでも続けられるのですが、少し仮眠を取りたいので止めておきます。当然知っておくべき基本的な考え方まで戻って、普遍的ツールについて系統的に教えられたらいいだろうなと私は思っています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki新入生レベルの解析学において、ε-δを外しても、評価したい量を(主要な大きな項)+(無視しても害がない小さな項)に分解することおよびそのように分解したと認識することは重要です。そういう考え方は科学全体でも普遍的に重要であり、強調されてしかるべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki数学の授業の利点は「自分でいじれるおもちゃ」を気軽に提供できることだと思います。「(主要な項)+(無視しても害のない小さな項)に分解すること」の例をいくらでも提供できる。自分の手で色々計算して感じをつかめる例を提供できます。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki大学新入生のとき(もしくはそれよりずっと前に)Taylor展開について知ったときには感動するべきだと思う。Taylor展開は、科学全体で普遍的に重要な「(主要な項)+(無視できる項)への分解というものの見方」の数学的な例になっているからです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
@genkuroki微積分がどう使われているかについて無知だと、中途半端に伝統を引きずった教え方で終わってしまう可能性が高いと思う。教える側は様々なことについてたくさん勉強する必要がある。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年8月24日
https://t.co/OA4jBtppKv
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
今日見つけた!とてもうれしい!
https://t.co/x4Sl1uWoDL
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
私のような大学で数学を教えている人は数学がどのように使われているかについて知らないとまずい、という話をしていた。算数教育についても私はこういうことを言っている。数学を教えるためには応用先についても知らないとダメという当たり前の話。
大交わす1年のときの微積分のノートが見つかってうれしいという話をしましたが、そのノートは縦に半分折りになって大量のノートの山に挟まっており、山の外から見えなくなっていました。今日、山を全部崩す機会があって偶然見つけた。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年12月1日
私もこういろいろと遊んでみよう. とりあえずは中高数学駆け込み寺からだ.
黒木さんが今回もいいことを言っている.
#掛算算数(実際には数学的なこと全般)について勉強するときに注意した方がよいこと(超一般的な話)について書きます。「算数の(もしくは数学的な)何かについてよく理解していること」と「ある街についてよく理解していること」は似ています。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。たとえば自分が住んでいる街について「○○市役所に行って××の手続きをする」とか「キャベツと豚ばら肉を買って来い」というような問題が解けることは重要です。算数でも簡単な練習問題は解けないと困ります。しかし、与えられた問題と解くだけでは街を理解することはできない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。街について理解するためには、街の中を自分のセンスでうろうろ歩き回ってみる必要があります。様々な発見をすることでしょう。街の様子を十分に知っている人はその街で暮らすために解かなければいけない問題は当然のごとく容易に解いてしまうことでしょう。これは算数でも同じ。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 21
#掛算続き。たとえば街の中を十分に散策した人は「ああ、それはこの辺にある××という店に行けば売ってますよ」のように容易に答えられる。それと同様の感覚で掛算の街で十分に遊んでみた子供は結構にぎやかな掛算の世界のどの辺に3×7=21が住んでいるかを直観的に理解sすることになる。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。ときどき、算数だけではなく、国語もわかってなさそうな人が、「3×7=21」の話をすると、「子供を単なる九九の計算マシンにするつもりなのか」のような馬鹿丸出しの反応を示すことがあるのですが、にぎやかな掛算の街を散策すれば決してそんなことにはならない。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。街を十分に散策した人がその街におけr「おつかい」を効率的にかつ楽しくこなすことができるのと同じように、掛算の街を十分に散策した子供はつまらない計算問題でさえ効率よく多彩な方法でしかもイメージ豊かに解くことができるようになっているわけです。続く
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。「○○市役所に行く」ためには多彩な方法があるのと同じように、算数でちょっとした計算をする場合であっても多彩な方法があるのです。街の様子を理解している人にとってはおつかいをすることは超簡単。算数の世界の様子を理解していれば計算も当然易しくできるようになっています。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。そして、街の様子を理解していなくても、ある決められたパターンのおつかいを効率良くこなせるようにはなれます。そのある決められたパターンのおつかいの解決方法だけをおぼえればよい。でも、これは楽しくないし、効率も悪いやり方なんですね。止めた方がよいです。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。もちろん、「××の手続きは○○市役所の△△でやる」というようなことを教えてくれるマニュアルを利用するなと言っているのではありません。自分が知らないことは何かで調べないとダメ。そして、街の様子を理解するためには自分の足で歩き回る経験がないとダメ。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算続き。街の様子を理解したければ、すでに街のことをよく知っている人の話を聞くことも重要です。これは算数(および数学的なこと全般)でも同じ。何か算数(や数学)だから理解のために特別なことがあるとは思わずに、普段我々が街の様子を理解するためにやっている通りのことをやればよい。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
#掛算街のなかをぶらぶら歩くと一日まるごと時間を取られることは少なくありません。実はこれ算数でも同じ。もっと難しい数学だとなおさら時間がとられまくり。これだけはどうしようもない。自分の足で歩くんだから、時間は大量に必要。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2014, 5月 22
参考にしたい.
数学, 算数, 数学教育
次のツイートに対する Paul のコメントに引き続き黒木さんコメント.
A「線形代数は、和とスカラー倍について保存するような構造である『線形性』を扱う数学です」
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
「なんだ数学オタクの数遊びか…」
B「線形代数は数の表から重要なデータを取り出したりする、人工知能や統計学にも応用のある数学です」
「人工知能とか日経で読んだ!実用的!」
もちろん日経とか出して半分冗談なのですが、ぼくのなかでは「線形代数は数表から重要データを取り出せる」というの、すごい大事な一面な気がしています
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月15日
数の表から重要データを取り出す、嘘はついていないはず(固有値は線形代数の重要概念だし)
— 足跡45(なんかかく) (@ashiato45) 2016年9月14日
@ashiato45 人工知能どころか画像処理を含めてロボットの制御等は線形代数を使わずには成立しないので問題無いかと
— OZ-Rick_mover (@J7_Revolution) 2016年9月14日
#数楽 https://t.co/AExOg70LgB
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
少し進んだ数学の視点から線形代数について理解しようとしているように見える学生にときどき言うこと→社会的に線形代数という名のもとで教えられている数学の中には「環上の加群の理論」の特別な場合に含まれない大事な項目が含まれている。
#数楽 科目名の「線形代数」というラベルに「線形」という単語が含まれていても、実際に教えられる内容には単純に線形とは言えない項目が多数含まれている。佐武一郎著『線型代数学』を見ればそのことは明らか。ラベルに含まれている単語に騙されずに数学的に大事なことを素直に勉強する方がお得。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 「体上の加群」という特殊なアイデアにこだわらずに大事なことを含める努力をしている教科書として、長谷川浩司著『線型代数』もよい(よくすすめている)。「行列の指数函数」「行列式と体積の関係」などなどはとても基本的な話なので線形代数の名のもとで触れておくべきだと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、幾何的な回転を具体的な線形変換で表現できることだけではなく、3次元の回転全体SO(3)が3次元実射影空間に同相であることなども「線形代数」として知っておいて損がない知識。「体上の加群」という見方は1つの特殊な見方に過ぎないという理解はとても大事。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ラベルが主になって、数学的内容が従になってしまってはつまらない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
少し進んだ数学の存在を普及している「ラベル」経由で知ってしまった人達は注意しないとかなりの時間を無駄にしてしまうので要注意。
ラベル選択は数学的事情ではなく、社会的・歴史的事情で決まっていることが多い。
#数楽 そうそう、内積の話も「線形代数」では重要。線形代数の名で教えられているまさに「線形」っぽい結果はなんらかの適切な意味で「よい基底が存在する」という形式になることが多いのですが、特殊函数論などでは「よい基底の構成」が「よい内積の構成」を経由することが多い。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 教養の一部として教えられている数学については、ひとことでこれだと要約することはちょっと無理だと思う。特に特定の特殊なアイデアのもとで一般化・抽象化された数学の視点からの要約には無理がある。線形代数しかり、微積分しかり、…。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 もっと簡単な話として、3次元空間の回転全体を2×2の複素行列で表現できること(SU(2)の話)とか、SU(2)は3次元球面に同相だとか、SU(2)はハミルトンの四元数体の絶対値が1の元全体と同一視しできるとか、こういう話も線形代数の名のもとで知っておいて損がない。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 あと、SU(2)の共役類全体の集合とその元のトレースの2分1全体は同一視でき、SU(2)から共役類全体への全射はR^4内の単位3次元球面から1次元部分空間への射影と同一視できるとか、3次元球面上の一様分布の1次元部分空間への射影は佐藤・テイト予想に出て来るとか。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 より進んだ数学の視点からも「線形代数はおおむね環上の加群の理論の特別な場合である」という発想はきちんと「捨てるべき」だと思う。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
#数楽 個人的な意見→ある特定のアイデアの下で一般化・抽象化された理論に基いて要約できないという状況は教養科目の場合に限らず数学ではむしろ普通であり、数学科での一部の授業の方が「異常」なのだと思う。しかし、「異常」なやり方で情報を選択・圧縮しないと講義で知識を伝えることは困難。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
次のツイートを見ると佐武一郎『線型代数学』を読んでみたくなる.
#数楽 ジョルダン標準形について「単因子論」=「PID上の有限生成加群の理論」の特別な場合という理解だけになってしまい、冪零行列全体がどれだけ重要な数学的対象であるかについて何も知らないということになってしまうのは寂しい。佐武さんの教科書では冪零行列の分類をやっている。
— 黒木玄 Gen Kuroki (@genkuroki) 2016年9月15日
線型代数の攻撃力は高い.
学部 3 年~4 年のときに某 S 先生が二年続けて集中講義に来たのだが, $1,2,...,n$ ではなく常に $0,1,...,n-1$ とする主義を徹底していることにびっくりした. ぼくは $1,2,...,n$ がいいと思う. ぼくはいまだに $\tau$ 函数 (ただし量子化 (←超重要) されたやつ) を研究している.
無限自由度可積分系 (ソリトン系) の $\tau$ 函数の量子化は場の量子化なのでを現時点では大変過ぎに感じる. しかし, ソリトン系の有限自由度への簡約のいちパターンであるパンルヴェ系の $\tau$ 函数であればとても綺麗に量子化できる場合がある. (俺しかやっていないのでできていない場合も多い. 謎だらけ!)
現時点で量子化できているパンルヴェ系の $\tau$ 函数は対称化可能 GCM に付随する野海・山田 arXiv:math/0012028 の $\tau$ 変数への Weyl 群作用の量子化. $\tau$ 変数への Weyl 群作用の結果の正則性 (従属変数 $f_i$ について多項式になること) の量子化も証明できている.
パンルヴェ系のパラメーターはコルート $\alpha_i^{\vee}$ に, $\tau$ 変数 $\tau_i$ は基本ウェイトの指数函数 $\exp (\Lambda_i)$ に, 従属変数はシュバレー生成元 $f_i$ に対応している. 量子化するためには全部適切に非可換にしなければいけない. シュバレー生成元の非可換性はセール関係式. 続く
続き. 問題は基本ウェイトの指数函数 $\exp (\Lambda_i)$ に対応する $\tau$ 変数 $\tau_i$ にどのような非可換性を入れるのが正しいのか. これがなかなかわからなかった. わからなかった理由はパラメーター $\alpha_i{\vee}$ たちがすべてと可換 (中心元) だという先入観である. 続く
続き. 基本ウェイトはコルートの双対基底である: $\Lambda_i, \alpha_j^{\vee} = \delta_{ij}$. 普通の量子力学ではこういう場合は $\Lambda_i$ は $\alpha_i^{\vee}$ の共役運動量だということになる. 素直に考えれば $\Lambda_i$ の量子化は $\partial / \partial \alpha_{i}^{\vee}$ である. これで正解. 続く
中略
続き. ある種の $q$ 差分版の Weyl 群双有理作用の量子化は長谷川さんの http://arxiv.org/abs/math/0703036 で構成されている ($q$ 差分化と量子化を厳密に区別していることに注意). ぼくの量子展開環版の Weyl 群双有理作用は長谷川さんの作用をそのままでは再現しない. しかし, 続く
中略
続き. なんとなく, ツイッターでするべきではない話をがんがん大量に書いてしまっているような気がしないでもない. ぼくのツイートを掛算順序関係の話題しか読んでいない人は, ぼくが掛算が交換不可能な場合の専門家であることは知っておいた方がいいかも. 分数の計算が死ぬほど大変. 続く
中略
続き. 以上のような話を来週の 2/15 (土) にする予定です. 詳しい情報はリンク先にあります. https://sites.google.com/site/seminaratkomaba/ …
続き. なんとなく, ツイッターでするべきではない話をがんがん大量に書いてしまっているような気がしないでもない. ぼくのツイートを掛算順序関係の話題しか読んでいない人は, ぼくが掛算が交換不可能な場合の専門家であることは知っておいた方がいいかも. 分数の計算が死ぬほど大変. 続く
数学, 数学者, 可積分系
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