線型系の数学的処理と非線型系の数学的処理: 複素数の利用

はじめに

議長さんが次のようなことを言っていた.

交流回路とかでよくあるけど, 物理量 (というか実数値しかとらないもの) に複素数値をとることを認めて 微分方程式を立式して求解した上で改めて実部をとる, みたいなのあるけど, あれの前提となる「微分方程式が関数の実部と虚部でそれぞれなりたってる」のって線形系だけだよね, たぶん…

あとこれ.

例えば安直な例ですが, $df/dx= \sqrt{1-f^2}$ みたいな非線形微分方程式, $f=\sin x+c$ なのはいいとして右辺が必ず実数値をとるであろうことを考えると f の虚部に関して恒等的にゼロ, 以外の解がなさそうに見えるけど $\sin (ix) = i \sinh (x)$ でもいいんじゃね, とか

そしてここからはじまるやりとりをした.

やりとり

@hisen_kei あまりきちんと覚えていませんが, 非線型光学では本当にはじめから実の解だけを考えてそこで処理をしないといけないとかいう話を聞いたことがあります. Maxwell は線型ですが, 確か境界条件で非線型性が入るとかいう話だったはず

@phasetr ていうか自分で例を出してなんですが, これ左右で i 倍の差が残るような…

@hisen_kei 元の方程式, 真面目に考えていないのですが右辺が複素数を取ってはいけない理由がない ($f^2$ であって $|f|^2$ とかではない) ので, それだとまだ変な解出せるような印象

例に挙がった方程式の方は別にいいのだが, 線型の方程式に非線型の境界条件を入れるというのは数学としても面白いらしい. Rayleigh-Jeans だかでも境界条件として非線型性が入ってきて, 非線型偏微分方程式の問題として面白くなりそうだ, という話を聞いたことがある.

特に何かを主張したいということはなく, ただそう聞いただけの話だった.

ラベル

数学, 物理, 微分方程式, 電磁気学