https://phasetr.com/mtexpdf1/、https://phasetr.com/mtex1/、https://phasetr.com/mrlp1/、https://phasetr.com/mthlp1/などに書いていて、それぞれその問題を解決することを意図してコンテンツを作っています。
『初学者のための偏微分 ∂を学ぶ』井ノ口順一(現代数学社)熱力学で活用される全微分や,波動方程式の解を与えるダランベールの公式,線型偏微分方程式系の積分可能条件,陰函数定理と逆函数定理,陰函数定理を用いた平面曲線の概形の描き方等,説明を充分に受けない可能性のある内容を丁寧に解説 pic.twitter.com/1k1Ar2XDjr
— 書泉グランデMATH【短縮営業11時~20時】 (@rikoushonotana) August 22, 2020
井ノ口さんの本, 『リッカチのひ・み・つ』と『曲面と可積分系』を持っていて, 2 冊とも非常に教育的でしかも面白かった. 後者は献本して頂いてここに書評も書いた. この記事をご覧になった方はぜひ買って読んでみてほしい. 2 冊とも上の「その4:勉強することが膨大な一方で全体の見通しが悪い」の気分で書かれた本で, 全体の見通しという点に関して書評の形でさらにいろいろコメントした. 私もこんなコンテンツを作ってみたいものだ. 専門家・研究者としての知見を活かした非常によい教科書だった. 今回の『初学者のための偏微分』もきっといい本だと思う. 買う.
この件なのですが、P氏の知見では結局調和積分論を学ぶのに最も良い本は何なのでしょう。結局学生時代は北原などをパラパラ見て深追いしなかったのですが、de Rhamは(入手困難ですが!)読み応えのある非常に良い本だろうなという印象を受けました。
そもそも多様体上の解析にまで踏み込めるほど幾何を理解できていないのでわかりません。調和積分論と微分幾何は憧れがあるので今まさにそのための基礎固めを兼ねてコンテンツを作っている状態です。PDE自体も専門ではないので、そこも適宜補う必要がある状況です。解析系を基準にするなら、ドラームの本のカレント方向よりも素直にソボレフ空間の定式化を使いたいのですが、幾何の人々に定評があるWarnerはソボレフの一般論ではなくフーリエ級数を経由してソボレフの議論をやっています。
あと気になるのは普通の幾何の本だとコンパクト多様体に限定してシャープな結果を出す形ですが、解析からするとごく単純に非コンパクトのときにどうするかも気になります。非コンパクトな場合は少なくとも2000年代レベルで論文がいくつかあります。熱核方向、そしてそれを前提にした確率論応用など。解析的には(非コンパクト)多様体上のソボレフ空間論にいろいろ難しいことがあり、それ自体が興味関心の対象です。純粋な幾何の人ならとりあえずコンパクトだけでも十二分に楽しめるのでしょうが、解析方面からするともう少し突っ込みたかったりします。
その塩梅まで考えて解析サイドから見たときのいい本・いいコンテンツというのが私が求める対象です。当面、ユークリッド空間上のソボレフ空間論は前提にしていいので、Warnerのようなフーリエ級数論を経由しない解析的にダイレクトなアプローチ、多様体の初歩からきちんとカバーしたコンテンツがほしい
今気になっているのは Nicolaescu の本(の著者無料公開版です。多様体の基礎からコンパクト多様体上のホッジ、ディラック作用素の議論まで入っているので、項目のラインナップとしては私が理想としている内容という印象です。あとは私の幾何耐性を強化して読みこなしたいという状況。
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