短いメモ集

2015-01-10 今日のいい話: とにかく「数学大好き」と言葉に出して洗脳していけ

広めていきたい.

2015-01-12 私も統計学の動画を作っているので: 記事紹介『統計学の初心者が入門として最初に読むべき一冊』

私も一応統計の動画を作ったので宣伝しておこう.

もっと続きを作りたいとは思ってはいる.

2015-01-15 ツイート・書籍紹介: 『数学の言葉づかい100―数学地方のおもしろ方言』数学セミナー編集部

記憶にとめておきたい.

2015-01-16 SubfactorとCoxeter群

Subfactorも恐ろしいが, Coxeter群とかも恐ろしい.

2015-01-19 サイト紹介: Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics

該当ツイートがわからなくなってしまったのだが Earliest Known Uses of Some of the Words of Mathematics というサイトがある. 数学の専門用語の初出をわかる限りでまとめたという謎サイトだ.

例えばこんな感じ.

CALCULUS. In Latin calculus means "pebble." It is the diminutive of calx, meaning a piece of limestone. The counters of a Roman abacus were originally made of stone and called calculi. (Smith vol. 2, page 165).

In Latin, persons who did counting were called calculi. Teachers of calculation were known as calculones if slaves, but calculatores or numerarii if of good family (Smith vol. 2, page 166).

The Romans used calculos subducere for "to calculate."

In Late Latin calculare means "to calculate." This word is found in the works of the poet Aurelius Clemens Prudentius, who lived in Spain c. 400 (Smith vol. 2, page 166).

今度じっくり読みたい.

2015-01-23 Bitbucketにあった【ハードルを下げつつ, 本質的なことから逃げない圏論の解説】というの記事の記述が気になったので

本文

圏は勉強中で全く酷い理解のままだが, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないし, いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずブログにまとめた.

「集合の元」はタブー

整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.

ここがミスリーディングではなかろうか.

念のため書いておくと, スタンスとしてはあくまで数学としての視点を重視してコメントする. まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのはそもそも対象が集合にならないことがあるためだ.

数学としていうなら, 現実問題として対象を直接調べるよりも対象相互の関係を調べることで対象自身への理解を深める手法はよく使う. どういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 例えば素粒子の性質を調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べる. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への理解を深めていく形になっている. それで言うなら【その手法も一風変わっている】という記述にも問題がある.

他にもある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら穏やかな人なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人はそういう人だと理解されるだろう. これもいろいろな対象相互の関係を調べることで元の調べたい対象の性質を調べている.

数学も人間の活動なので, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたと理解している.

だから【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象を扱うからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.

また計算機科学への応用についてあまりよく知らないが少し調べた限りでは自然変換が使われることがあるようだ.

関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないのでは.

貴様の理解も間違っているなどご批判あればご指摘頂きたい.

Qiita 投稿

自分のブログにも書いたのだが, ほんの少しだけ首を突っ込んだのでこちらにも転記しておきたい.

圏はまだまだ勉強中ではあるものの, ミスリーディングっぽい箇所を見付けたので記録しておきたい. Bitbucket にコメント的なアレがあればよいのだが見当たらないうえ, 対応法があまりよくわからないし,いろいろ書いたら長くなったのでとりあえずここ(と自分のブログ)にまとめた.

「集合の元」はタブー

整数が対象であることから分かるかもしれないが, 対象は集合であることが多い. その集合の中身には言及せずに射の性質を語るのが圏論のやり方だ. 今まで「集合の元」を使って説明していたことと同じ内容を, 対象と射だけで説明するのが圏論だ. 圏論では対象が集合かどうかにはお構い無しにただの抽象的な概念「対象」であるのだが, 慣れるまでは具体的な集合を思い浮かべても良いと思う. ここの解説では, 集合の言葉と圏論の言葉の間を頻繁に行き来しようと思う. 既に知っている何かに引き付けて考えるのが, 何かを知る方法の 1 つではあるに違いない.

ここがミスリーディングではなかろうか.

まず圏でなるべく集合の元を取ろうとしないのは そもそも対象が集合にならないことがあるためだ. これはあとで少し説明する.

そして, 現実問題として, 対象を直接調べるよりもいろいろな対象相互の関係を調べることで 対象自身への理解を深めるのは日常的によくあるのだと 意識することが根本的に大事だろう. 圏の言葉でいうなら, 集合の元を直接取らずに射という 相互関係の取り扱いに着目する理由だ.

数学内でも数学外でも一般にどういう例を出すといいのかよくわかっていないのだが, 日常の例でいうなら, ある人の性格を知ろうというとき, どんな人に対しても穏やかに対応するなら その人は穏やかな性格なのだと理解するだろうし, 立場の強い人には下手に出るのに立場の弱い人には横柄に対応する人は そういう人だと理解されるだろう. いろいろな対象相互の関係を調べることで 元の調べたい対象の性質を調べている. このくらい日常的によく使う研究手法で, その前提で言うなら次の記述【その手法も一風変わっている】にも問題がある.

そもそも圏論について 圏論は比較的新しい数学の分野であり, その手法も一風変わっている.

他には, 素粒子の性質を実験的に調べるとき, 粒子を衝突させてその様子を調べるという物理の例がある. いろいろな粒子との衝突を調べてその関係から素粒子の性質を 絞り込んでいくので, 正に相互の関係を調べることで対象自身への 理解を深めていく形になっている. もう少し具体的にいうと, スピンを持っている中性子を使ったときに どういう散乱データが出てくるかを調べることで, 調べたい物質の磁性を研究するとかそういう感じ.

数学も人間の活動であって, 数学でも似たようなことがよくあるわけで, そうした現実に即したアプローチとして圏論が出てきたのだと理解している. 有名な MacLane の Categories for the Working Mathematician 2nd edition P.18 には自然変換の定式化のために関手を定式化して, 関手の定式化のために圏を定式化したとある. そして応用上決定的に重要なのは自然変換という話だが, この辺は勉強中で全く詳しくないので各自適当に調べてほしい.

話を元に戻すと【元を取るのはタブー】なのではなく, 【直接元を見たいのではない】のであり, そもそも集合論的な意味での元がない対象が重要でそれを扱いたいからであり, そこまで含めてクリアに見通すために元の存在を仮定しない議論を 重視しているのだと理解している.

また, 計算機科学への応用についてあまりよく知らないが 少し調べた限りではやはり自然変換が使われることがあるようだ.

関手が対象, 自然変換を射とした関手圏は 対象が関手なので当然対象が元を持たない. 元を取らないと議論できないのでは, 計算機科学への応用上も使いづらくて仕方ないはずだ.

2015-01-25 数学はずっと苦手だった: 数学・物理に関するツイート小まとめ

個人的に関係するツイートをまとめてみた.

制限だらけの高校物理, 結構気に入っているのでそのあたり.

数学はずっと苦手だったので.

今日も明日も数学したい.

2015-01-26 ゼルプスト殿下の作った(反)例ツイートまとめ: 連続な全単射は同相写像になるか

面白ネタだったので思わず. あとでhttps://github.com/phasetr/math-textbookの(反)例のところに載せていいか聞いておこう.

2015-01-29 圏論についての記事をQiitaに書いたので

Hormanderを読んだらMac Laneを読もうと思っている.

2015-02-03 選択公理と非有界作用素: 市民なので Hilbert 空間全体で定義された非有界作用素というのをはじめて聞いた

何だそれ, と思ったらやはり選択公理による構成で, 見たこと・聞いたことないのも当然だった感がある.

p進大好きbotによる謎の現象報告もつけておこう.

2015-02-04 京大・東工大での研究会告知依頼が来たので: 小嶋先生の退官記念と弱値・弱測定の研究会

研究会告知依頼が来たので共有しておきたい.

3/5-6 Symposium on Quantum Fields in Dynamical Nature, on the occasion of Professor Izumi Ojima's retirement @京都大学北部キャンパス北部総合教育研究棟内益川ホール

3/19-20 弱値・弱測定に関する国際研究集会 @東京工業大学大岡山キャンパス http://qm.ims.ac.jp/wmwv2015/

量子情報というか測定というかそちらはともかく, 小嶋先生の退官の方は最近小嶋先生関係の研究にも興味が出てきたことも あって行きたいが, 時間というよりお金がなくて本当につらい. 情けなくて泣きたい.

2015-02-05 Perelmanの消息: 最近モスクワからスウェーデンに移住したらしい

Perelman情報だった. 何か切ない.

2015-02-10 Lars Hormander, A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces

学部 2 年で志賀浩二『複素数 30 講』を読んで岡潔の仕事を知って以来, 多変数関数論にはずっと興味がある.

また場の量子論としても公理的場の量子論や代数的場の量子論で 多変数関数論を使うし, 学部 4 年のときに進む研究室選定とも合わせて AQFT についていろいろ調べていたときに Borchers の自己同型群のスペクトル解析の 仕事に興味を持って以来, 余計に勉強の意欲が湧いてきたものの, 結局まともに勉強できていない.

Translation Group and Particle Representations in Quantum Field Theory (Lecture Notes in Physics Monographs)

ちょこちょこ勉強しようと思って挫折しまくっているのだが, 今回もちょろっと調べものをしていたら Hormander の論文を見つけたので 少し読んでみた: A History of Existence Theorems for the Cauchy-Riemann Complex in $L^2$ spaces.

適当にしか読んでいないが, 面白かった部分だけ簡単に抜いておく.

1 変数関数論は Laplacian と Cauchy-Riemann 作用素の解析が重要だったが, 多変数関数論は 1 次元からの帰納的なアプローチではじまり, 偏微分方程式を使うアプローチは 1960 年代にようやくはじまった. $\bar{\partial}$-Neumann 問題は 1950 年代中頃に Spencer がはじめた.

言われてみれば 1 変数の場合, 初等的な範囲では解析学の色彩がかなり強いが, 多変数になると専門的になってくることもあって, すぐ層だの複素多様体だのという話になるので, 言われてみれば感があった.

Spencer は 小平-Spencer の Spencer だと思うのだが やはり Spencer 恐るべし.

あと PDF P.17 からの Bergman とのやりとりが面白い.

He was a rather special person and had a reputation for cornering people to talk interminably about the kernel function for which his enthusiasm was unbounded. For quite a while I managed to avoid him, but at last I was cornered.

Bergman, 遠くから観察してみたかった.

私に必要な関数論は現代的な関数論ではなく, 場の量子論向けにカリカリにチューンされた, 恐らくかなり古いアプローチである一方, 現代的なアプローチも読んでみたいのでつらい.

2015-02-14 数学教育に関する記録: 代入法の理解の難しさ

これか. 読書リストにいれておきたい.

2015-02-18 風狸けん画・中川真脚本『和算に恋した少女』

和算はともかくエンターテインメントというところに興味がある.

2015-02-18 Twitterで頂いた質問への回答: 逆問題と現象数理学

きっかけ

先程Twitterでこのような質問を頂いた. 長くなるのでブログにまとめた. 「定義による」というのが正直なところだが自分用のメモも込めて紹介・記録しておこう.

まず私の理解というところから端的に言えば, 逆問題は応用微分方程式論に端を発する命名で「順問題」に対する「逆」だ. 現象数理学もとりあえずやっていること, 目指すことは従来の応用数学の枠内にはまると思うのだが, 応用数学と言っても広いから, 特に名前づけから特色を出していっただけの身も蓋もないアレという感じ. それぞれ独立した営みという理解.

逆問題に関して

順問題と逆問題で対になる. 以前関西すうがく徒のつどいでも拡散方程式の逆問題について話したことがある. その講演原稿はhttp://github.com/phasetr/math-textbookにも収録しているので興味がある向きは参照してほしい.

それはそれとして次のような対応がある.

一般に 具体的に
順問題 入力から出力を求める 微分方程式の初期値から解の振る舞いを調べる
逆問題 出力から入力を求める 複数観測地点での震度データから震源地を調べる

微分方程式で定式化される問題を例にしたが別に何でもいい. 例えば「友達にいつもと同じ感じでちょっかいを出したら物凄く怒られた. 今日は虫の居所が悪いようだ」というとき, 「怒られた」という出力から「今日は虫の居所が悪い」という入力を推測するのも逆問題と言える.

元のコメントにある「数理的な法則」も特に数学で比較的綺麗に書ける・モデル化できるタイプの自然科学・工学的な応用を念頭に置いているのだろうし, 実際に発端もそこにあるが, フレームワークとしては数学で書ける対象に限定する必要はない. その方が「応用」は広い.

現象数理学科

まず三村先生の所属する明治大学現象数理学科のページから引用しよう.

モノ・コトから現れる複雑な現象を、数学で解明する。

動物や植物の美しい模様、心臓の拍動や薬の吸収などの医学・生理学問題、交通渋滞や経済不況などの社会的問題、流行やブームといった社会現象まで、私たちの身の回りは、現象であふれています。そうした現象を、数学を用いて解明していくのが現象数理学です。現象を数式に置き換えていくことを「モデリング」といいます。そして実際に導き出した「数理モデル」を使い、コンピュータで高度なシミュレーションを繰り返していくと、これまで目に見えなかった現象の正体が徐々に明らかになってくるのです。

現象数理学, 要は応用数学だ. モデリングも諸科学・工学で標準的な考え方だし, シミュレーションも特に理論工学ではもはや基本中の基本なのではなかろうか. 理論というともっぱらシミュレーションを指すことすらあると聞いている.

応用数学といってしまうと数学の趣が強過ぎるから, 適当な「現象」を扱うのだ, という姿勢を前に出した名称である種の政治的なスタンス表明という感がある. 特に最近は「役に立つ学問」という流れがあるし, 学科新設という意味でも思惑があるだろう感がある.

2015-02-21 教官陣の渡辺澄夫『すぴんはころぶ』に関する思い出話小まとめ

私も読んでみたが, 何というか判断に困った. Bratteli-RobinsonというよりもIsingの何かを読む前哨戦にはいいかもしれない.

それはそれとしてBratteli-Robinson, 例えば量子統計・代数的場の量子論への直積分の応用に関しては貴重な文献ではあるが, 大事なのにこのパートが死ぬほど読みにくい. そもそも測度論が出てくるのでそこの地獄はあるにせよとにかくつらい.

2015-02-24 書泉グランデMATHからイベント紹介: 3/20-24 明治大学駿河台キャンパス パネル展示 小平邦彦先生の生涯 小平先生とその友人たち

これ行きたい. どうしよう.

2015-03-05 2015/10/3 の久保シンポジウムでは舟木先生が喋るらしいのでぜひ参加したい

また行きたい研究会ができてしまった.

Tatsuyoshi HamadaさんによるMathLibre道場GeoGebra編: 九大で行われた数学ソフトウェアチュートリアルの資料

これも遊んでみたいと思いつつ全く手がついていない. つらい.

2015-03-08 Gigazine記事紹介: 数学の数式・記号のあるページを簡単に検索できる「SearchOnMath」

何かの役に立つかもしれないのでメモ.

2015-03-10 「私は素数時計で生きています」という変な人がいた!と思ったら広義知人だった

何かおかしな人がいる! と思ったら広義知人だった事案.

2015-03-12 共形場で代数的場の量子論と頂点作用素代数の対応がついたらしいので

最近忙しくていろいろ滯っているのだが, ちょっと堀田さんとやりとりしたので.

あと立川さんと谷本さんのやりとり.

谷本さんは元々河東研で, 博士から本格的にAQFTやりにイタリアに行ったくらいの人で正にバリバリの識者だ.

あとで論文読んでメルマガにまとめたい.

2015-03-15 応用数学での泥縄式学習: 線型代数・微分積分・確率論の力強さ

いわゆる狭義の応用数学に限らないが, この徒手空拳で挑む感じがとても好きで, 私の専門でもなるべくこの感じを大事にしたい.

2015-03-16 記事紹介: 「人は簡単に『忘れてはいけない』という。でもね......」外国人歴史家が体験した3.11

歴史家というのがどういう人々なのかよくわかっていないのだが一例として参考にしたい.

2015-03-17 何か最近Lieb-Robinson boundが流行っているらしく夏学でも講義されるらしいという話を聞いたので

詳しいことはさっぱり忘れてしまったが, 最近まるで触れられていないものの, 無限系の Hubbard に集中的に取り組んでいたことがあって, そのときに読んだ記憶がある.

次のような感じで大事そうだと思った記憶がある.

私の目下の対象はHubbardモデルでの電子とフォノンの相互作用系だが, Hubbardを無限系にすると相互作用を考えなくても一気に数理物理的な研究が減るので, 嬉しいのか何なのかよくわからないが, とにかく何かやりたい.

あと次の情報も教えて頂いた.

ちなみに夏学の講義の参考文献はhttp://arxiv.org/abs/1102.0835http://arxiv.org/abs/1004.2086の予定です

両方ともNachtergaele-Simsだった.

2015-03-18 【線形写像とベクトルはお互いに一対一対応する。これは随伴関手の例にもなってる。】という個人的によくわからない言明をみかけたので意味がわかる方は教えてほしい

よくわからない言明に遭遇したので. 引用しておくとこれ.

これに関してコメントを頂いたので少しお話しした.

こういうのを見ると, 自分も (よく知らないところで) とんでもないことを口走っているのではないかと不安になる. あと圏をフランス語でやってみたい. 何かいい本ないだろうか.

2015-03-19 竹山美宏さんによる新入生向けの数学の良書紹介があったので

物理のための数学講座はこの辺のために作ろうと思った講座だが, 止まったままなので早く再開させたいとはずっと思っている.

『すうがくぶっくす』はこれだけ見るとちょろそうだが, 時々核弾頭クラスの凄まじいのがあるので気を抜いてはいけない. ひどい本というわけではなく, 恐ろしく深く遠いところにまで連れていかれることがあるのだ. 平井先生の群の表現論の本, 堀田先生の代数の本(最後に$D$加群が出てくる), 岡本先生の本(佐藤超関数が出てくる)とか超パンチがきいている. 平井先生の本はじっくり読めばきちんとわかる本だと思うが, 二巻本ということもあり, 話題は豊富だし著者の伝えたいという気迫を感じるとてもよい本.

数学したい.

2015-03-20 れんまさんに作用素環のいい反例を教えて頂いたので

滅茶苦茶間抜けなことを言っていて死にたくなるが, 行列環値の(連続)関数環をさらっと出してくるあたり, 何となく$C^*$の人の気配を感じたが, 私は作用素環専攻だったというのにろくに作用素環をやっていなかったので単にその地力の差という感じもある.

あとでmath-textbookにも例として取り込んでおこう. よい勉強になった.

2015-03-21 量子力学の数理: 非有界作用素の和や積の定義と notorious domain problem

非有界作用素という修羅との戦いだった. あとzenaさんとのやりとり.

あまりにも間抜けで死にたくなった. 仕方がないので粛々と対応していきたい.

あと非有界作用素に関する定理, これはやばい.

2015-03-22 新井仁之先生の『線型代数 基礎と応用』が超面白そうなのに絶版状態らしいので悲しい

これは読みたい. 絶版状態(?)なのをどうにかしてほしい.

追記: いつだか忘れたが絶版状態が解消されたため既に買って手元にある.

2015-03-23 講義ノートリンク: Lurieの謎キャラっぷりがすごいようなので

Lurie, ホームページがやばいというか何者なのかよくわからなくてやばい.

2015-03-25 【線型代数で殴る】【数学で殴る】という表現がどこまで一般的なのかを知りたい方の市民だった

私も先日, 小学生の女の子に「数学で殴る」という表現を教えてきたが, この表現がどこまで一般的なのかについて非常に興味がある.

2015-04-02 工学部の専門数学で必要な線型代数・線型空間論が何なのか具体的に知りたい方の市民だった

もはや前後が追い切れないので悲しいが, 現実問題として工学的に抽象論の何をどう使うのだろうか.

2015-04-04 ツイート紹介: 「さんすう刑事ゼロ」というのが教育的に素晴らしいらしいので

近いうちに眺めよう.

2015-04-11 算数教育に関するt2o_yamaさんの連続ツイートが面白かったので

面白いとか言って済む話ではないのだが.

子供たちの詳しい状況はよくわからないが参考にしたい.

2015-04-16 t2o_yamaさんのツイートから: 処理速度と教育・学習の関係

言われてみればそうなのかもしれないが, ほとんど考えたことがなかった事案なので, いくつかツイートを転記して記録しておきたい.

こういうのは実際に大量に色々な子供を見ていないとわからない. 参考にしたい.

その1

引用

引用されているのはこれ.

その2

その3

その4

2015-04-17 p進大好きbotから: 「任意の素数pに対してp+1元集合に入る位相全体の集合の濃度はmod pで7」とかいう謎の結果が載っているプレプリントがあるらしいので

やばい. あとで論文きちんと読みたい.

2015-04-28 Elsevierの数学や情報系のジャーナル論文が四年以上前の分が全部無料で公開されるようになったらしいので

本当か. これはありがたい.

2015-04-19 メモ: 一般化Riemann積分としてのKurzweil-Henstock integral

Kurzweil-Henstock integral, 名前をずっと忘れていたのでとりあえず記録.

2015-04-20 外注のとき用メモ: 記事紹介 『面倒なデータマイニング作業を時給200円ぐらいでバングラデシュ人に発注してみた』

自分の楽しみも合わせて数学名言を集めてつぶやくみたいなアレをやろうと思っていたのだが, こういうのを使うといいのかもしれない. 検討しよう.

2015-04-22 いろぶつ先生の新刊査読募集があったので宣伝協力: ★「ヴィジュアルガイド・自然科学のための数学(仮)」の査読者募集

楽しそうだし私も似たことをやろうと思っているので, 参考にもするべく参加した. 楽しそうなので皆でやろう.

2015-04-23 論説紹介: 斎藤恭司 一般weight系の理論とその周辺 特異点理論, 一般Weyl群とその不変式論等との関係

いま読んでも面白いということなので私も読んでみたい.

2015-04-27 書籍紹介: Joel David Hamkins, A Mathematician's Year in Japan

これ面白そう. ほしい. 私もこういうの作りたい.

2015-05-07 私もニコニコ学会出てみたい

私もニコニコ学会で話す方やってみたいが何話せばいいだろう. ちょっとネタを考えておきたい. 前に動画も作った女性胸部の話とかアレだがアレっぽいのでアレ.

2015-05-15 ツイート・プログラム紹介: mathjaxのようなtexベースの数式組版ライブラリKaTeX

このサイトもMathJax利用だが, ネットワークが通じない状況でのローカルでの記事執筆時に困ることがないではない. 期待したい.

2015-05-16 SGL (Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory)の話

少なくとも一部界隈では有名なMacLane and Moedijk, Sheaves in Geometry and Logic: A First Introduction to Topos Theory, 通称SGL関連の話.

次の記述がとても気になる.

古典論理のストーン双対性を圏論的な双対性の有限的/コンパクトな典型的事例として位置付け、無限的/非コンパクトなケースとしては幾何的論理を対比させています。幾何的論理(geometric logic)は、「SGL読書会」のテキストである"Sheaves in Geometry and Logic"の主要なテーマでしょう(たぶん、僕は最終回だけしか出てないので半分憶測)。

古典論理のストーン双対性が、代数幾何の枠組であるスペクトルやスキームと類似であることも詳しく解説されています。ここらへんの話題は、2005, 2006年あたりに僕も取り上げたことがあります。具体的な計算も書いてあるので、多少は参考になるかもしれません。

研究したいこと, 勉強したいことが無限にある.

2015-05-17 鈴木 貴, 新井 仁之, 小林 俊行, 斎藤 毅, 吉田 朋広, 『数理医学入門』が面白そう

執筆陣から言っても超ほしい.

2015-05-25 ツイート・記事紹介: 阪大 植田一石さんの数学科に入る人へのアドヴァイス

印象的な文章があるのでPDFからいくつか引用したい.

直前まで素粒子か物性の分野に進むものだと思っていた私の進路を大きく変えたのは、教員と話をしているうちに抱くようになった、物理学者は数学に対してある種の"敵意"を持っている一方、数学者は物理に敬意を払っているという印象です。物理に進学すると数学の勉強ができなくなる一方、数学に進めば物理も勉強できると思ったので、これは単に決断を先延ばしにするだけのはずだったのですが、今思うと実際にはここが人生の分かれ道でした。

ある種とついているのでアレだが, 敵意というか, 嫌悪感のようなものは時々感じる. 実際, 実験系の教官で「元々理論をやりたかったのだが複素関数論が駄目で諦めた」とかいうのを実際に聞いたことがある. 関係ないが, 物理だとよく複素関数論というが, 数学だと関数論や複素解析という気がする. このギャップがどこで生まれたのかとても気になる. 物理でLie代数と(正式に)呼ぶのに数学ではLie環と呼ぶのも面白いと思っている.

研究者同士の関係はある意味で対等(真理の前では平等、と言ってもいいかも知れません)なので、研究を志して大学院に進学する人は、誰かの弟子になるのではなく、同僚になるのだという気概を持つべきでしょう。

学部の頃はいまひとつ分からなかったが, 修士で実際にいろいろやっているうちに少なくとも理想はこう, というのは掴めた気はする.

何らかの事情で数学ができなかった日の夕方には禁断症状で手が震えるようならなお良いです。

手が震えたことはないがふとしたときに「数学やりたい」と言っていることはよくある.

最初は問題が解けるのか半信半疑なのですが、そういう時には解けません。そのうち、実は解けるんじゃないかと思い始めます。いいアイデアを思いついて天にも舞い上がる心地になったかと思えば、ちゃんと書き下そうとしてギャップに気付いて落ち込むということを繰り返します。気持ちのアップダウンが激しくて、精神衛生上良くありません。後一歩で解けそうなときは特に危険です。こういう時は車の運転などは控えたほうがいいですね。また、そうでなくても運転中に助手席の人と数学の話をするのは、ナビを操作したり電話を掛けたりするよりも明らかに危険なので、法律で禁止すべきです。やがてアップダウンの周期が徐々に短くなってきて、遂に証明を書き下してもギャップが見つからなくなります。

法律で禁止するのはいいとして, その状態をどう判定するのかが難しそう. 法学部の教官に相談して何とかしてほしい.

そして目玉はこれ.

ドラゴンボール現象

少年漫画にしばしば見られる強さのインフレーションは、数学では日常茶飯事です。あるシーズンでは手の届く遥か彼方にある最強の敵だったものが、次のシーズンには一撃で倒せる雑魚キャラになります。典型的な例としてはAtiyah-Singer の指数定理があります。これは Chern-Gauss-Bonnetの定理やHirzebruch-Riemann-Rochの定理などを特別な場合として含み、位相的な指数と解析的な指数が一致することを主張します。証明された当時は代数、幾何、解析に跨って聳え立つ現代数学の到達点と位置付けられましたが、今ではモジュライの幾何を研究する際の出発点に過ぎません。

インフレが進む最大の原因は、何かを最初に成し遂げるのは難しくても、それを学ぶのは遥かに容易であることにあります。スポーツだと、誰かが100mを9秒台で走っても、別の人が9秒台で走るには(たとえ全く同じではないにしろ)はじめの人に近い努力が必要です。数学なら、ある日誰かが9秒台を達成した翌日には皆が9秒台で走っていて、8秒台への到達を競うようになります。

Twitterでいくつか反応があって, スポーツの例示は適切かといった話があったが, 非常にキャッチーでうまいと思ったので特に記録しておきたい. 女性から見るとどういう印象を受けるのかはよくわからない. ちょっと聞いてみたい.

2015-05-26 サイト紹介: 街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざして

私の学部時代の友人の父君が街角の数学 ふくしま 和算の復興をめざしてというサイトを運営している 数学と共に生きる男だといういい話を聞いたので宣伝していきたい.

算額にご興味があるとのことで, サイト内に次のような素敵な一文がある.

街角を曲がると、そこには・・・! そんな街づくりに参加してみませんか

その知人にも改めて連絡したのだが, 以前数学をテーマにした美術: 方程式のある風景という記事を書いて, 次の本を紹介した. 現代アート的に数学関係の変なのがある町並みとか異常っぽくてとてもよいのでぜひ実現させたい.

量子の道草―方程式のある風景

数楽カフェというのも福島でやっているとのことだ.

福島近郊, 特に二本松市市民交流センター近くの方でご興味のある方は参加されるとよいと思う.

2015-05-26 数学者の訃報: Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashが亡くなった

Nobel経済学賞や映画ビューティフルマインドで有名なNashがなくなったとのこと.

Twitterで見かけた情報を探っていたら見つからなかったので, 代わりにWikipediaから取ってくる. 見かけたツイートに相当する記述を引用する.

ナッシュは博士課程をプリンストン大学ですごすこととなるが、カーネギー工科大学での指導教官がプリンストン大学へと送った推薦書は「この男は天才である。」と書かれただけの一行の文章であったという。

他にもいくつか引用しよう.

専門分野は微分幾何学でありリーマン多様体の研究に関して大きな功績を残している。

1994年、ラインハルト・ゼルテン、ジョン・ハーサニとともにゲーム理論に関して大きな功績を残したとしてノーベル経済学賞を受賞しており、彼の証明したナッシュ均衡の存在が非常に有名であるため、ゲーム理論がナッシュのライフワークと思われていることもあるが、ナッシュがゲーム理論の研究をしていたのは博士課程在学中とその後のわずか数年間だけである。2015年にはアーベル賞を受賞した。

あとゲーム理論の人とばかり思っていて専門が微分幾何というのを知らなかった.

しかし、ナッシュ自身も「私の業績として特に注目するものではない」と評しているように、ゲーム理論に関する研究はナッシュの数学者としての評価を高めることには余り寄与していない。ナッシュに数学者としての名声をもたらしたのは後のリーマン多様体への埋め込み問題に関する仕事であり、以下の重要な論文を発表している。

  • "Real algebraic manifolds"(1952年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "C1-isometric imbeddings"(1954年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "The imbedding problem for Riemannian manifolds"(1956年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)
  • "Analyticity of the solutions of implicit function problem with analytic data"(1966年、数学雑誌Annals of Mathematicsにて発表)

誰かこれの意義について解説してほしい. 自分でやれればいいのだが, 幾何の歴史的流れを理解していないといけない部分もあろうし, そもそも幾何がわからな過ぎるのでつらい.

本当はこういうのをタイムリーに動画にできるといいのだが. 今後の検討課題としよう.

2015-05-29 Kiwamu_Kさんの数学セミナー2015/6【微分積分の質問箱】に関するツイートを見て反省したので

定期購読で買ったまま積読になっている数学セミナー2015/6の該当記事を読んでみた. あとで動画にでもしたいのだが, 確かにきちんと丁寧に議論した方がいいところで, 私も反省した.

自分の理解の杜撰さを指摘されているようで戦慄する.

2015-05-30 IPMUのDysonインタビュー記事が面白かったので

Dyson, 私の分野の魔人である. よくわからないが, 世間的に有名なのはQEDなのだろうか. Dyson-Lenardの物質の安定性やDyson-Lieb-SimonのHeisenberg反強磁性など, 凄まじい結果を持っている数理物理の神々のうちの一人だ.

上記PDFによると元々ケンブリッジの数学科で, それから理論物理に移ったとのこと. この辺の経歴は知らなかった.

PDFを読んでいるとサッチャーの話とか出てきて楽しい.

私はベシコヴィッチのスタイルに影響を受けました。 構成的なスタイルです。 ベシコヴィッチは単純な構成要素から彼の数学的証明に使われた美しい構造を創る能力に長けていました。 私は物理の計算に同じスタイルを用いました。

構成的場の量子論だとかその辺の話を想起する.

ダイソン 子ども達は、学校で、どの国も特に得意とするものが一つあるというイメージを教わります。 ドイツは音楽、フランスは絵画、そしてイギリスは科学です。 イギリスでは才能のある若者がこれに刺激を受けてケンブリッジに入学し、科学者になります。 有名なケンブリッジ大学の最終的な優等学位の試験(トライポス)によって、この傾向が更に高まりました。

こういうのを考えたことなかった. 日本だと何だろう.

私は1948年にバークレーを訪問した時、化学者のメルヴィン・カーヴィンに強い感銘を受けました。 彼は炭素原子の分子間の移動を数秒間追跡することにより、 光合成、すなわちどのようにして二酸化炭素が吸収され、糖に変換されるか、を理解するため、 初めて炭素の短寿命放射性同位元素を利用しました。 1秒毎に化学反応がどのように進むか。 生物学に対して、初めて原子核物理学が応用されたのです。 その時以来、放射性のトレーサーを用いて生物学は急速に発展しました。 オッペンハイマーは、生物学に対する原子核物理学の応用は原爆よりも重要であると述べました。

この辺を生物・化学に対する原子核物理の応用と認識したことなかったので, ちょっと面白かった. 自分もあまり目が見えていないな, という感.

私がプリンストンに行った時、アインシュタインがいました。私は彼がプリンストンに来たのは大間違いだったと思います。 後略

その当時いた人しか言えない話だった. Einsteinだけではなく, 朝永, Pauli, Diracなどの話もある.

私は量子電磁力学の摂動展開の収束について研究していましたが、パウリは発散すると断言しました。 私はその級数が収束することを説得しようとしましたが、彼は同意しませんでした。 結局、今は彼が正しかったことが分かっています。 私はその級数の発散について論文を書くことができたので、パウリの手助けに感謝しており、不満はありませんでした。

魔人同士の会話だ.

福来 ディラックについてはいかがですか?

ダイソン ディラックは頻繁にプリンストンにやってきました。 彼は若い時の寡黙で近寄り難い性格から、 年を取って話し好きで親しみやすくユーモアのセンスにあふれた性格に変わりました。 アインシュタインと同様、彼は自分好みの理論―うまくいかないことが分かった「大数仮説」、 それから私には全く理解できなかった「負計量の場の理論」―に固執しました。 年を取ってからは、何が正しく何が間違っているかを直感的に推測する能力を失ったように見え、 どんどん普通の人になっていきました。

どんどん酷い話が出てきて楽しくなってくる.

ハイゼンベルクもまた晩年には自分の理論である「スピノル場の理論」に打ち込みました。 彼は自分の助手にその研究をするように要求しました。 私の知っている助手はハンス-ペーター・デュールですが、 彼のキャリアはこの仕事で台無しになってしまいました。 ハイゼンベルクは死ぬまでスピノル場の理論をあきらめませんでした。

ダイソン 私がプリンストンに来た直後、 ヘルマン・ワイルはチューリッヒに、カール・ジーゲルはドイツに、それぞれ移りました。 私は有理数による代数的数の近似に関するジーゲルの定理を強めたため、彼は私のことを知っていました。 ヘルマン・ワイルもなぜか私のことを知っていたようで、私が高等研の教授に採用されるように助力してくれました。

この前のヤン・ミルズのところではランダム行列をやっていたという話も出てくる. Dyson, 本当に何やってるんだ感ある.

ハートランド・スナイダーと一緒に彼の学問的成果として最も重要な、ブラックホールを理解する研究をしました。彼らは、内部圧ゼロの重い物体はアインシュタイン方程式の帰結として永久自由落下状態となることを示しました。彼らはアインシュタイン方程式に従う宇宙にはブラックホールが存在することを予言したのです。

中略

アインシュタインは全くブラックホールを信じていませんでした。それどころか、ブラックホールは存在できないという論文を書いたのです。オッペンハイマーも二度とこの問題に立ち戻ることはありませんでした。宇宙でブラックホールの候補が複数個発見された後でさえ、彼はブラックホールについて語ることを拒否しました。私は彼とブラックホールについて話をし、なぜそれが面白いのか説明しようとしましたが、そうすると彼はいつも話題を変えてしまいました。どうしてなのか、私には分かりません。ブラックホールは、その父からも祖父からも嫌われた息子でした。

悲しみのブラックホール.

ツヴィッキーとは違い、ホイーラーは難しい人間ではありませんでした。多くの学生をもち、非常に寛大でした。彼が示唆した問題についてファインマンが上げた研究成果については、完全にファインマンの業績としました。彼は極端な愛国者で、極右で、150%アメリカ人といった人間で、政治的にはオッペンハイマーと正反対の立場でした。

150%アメリカ人という表現に笑う.

福来 数理物理学者として、数学と物理学の関係をどのようにお考えですか?

ダイソン 本当に溝があったのは純粋数学と応用数学の間です。純粋数学者は違う言葉を話していました。ブルバキが流行の純粋数学でしたが、私はそんなに興味はありませんでした。「脆弱層」についての講演を思い出します。誰かが脆弱層とは何なのか質問しました。座長のアンドレ・ヴェイユがこう言いました。「それは既にクラシックな専門用語になっているので、説明する必要はありません。」私はそれが何のことか全然理解していませんでした。私はファイバー束は理解するようになりましたが、そこから先には進みませんでした。どうも純粋数学は極端に抽象的になってしまっていました。私にはそれが稔りの多い方向とは思えません。私は応用数学に留まる方を好みました。

応用数学とは, という感.

ダイソン 物理はスピードが遅くなりました。 60年前は6ヶ月で実験が終わり、結果は6週間で説明されました。 今は実験に20年かかります。 高エネルギー物理以外では、まだすることが数多くあります。 小規模な研究はまだ盛んです。 素粒子物理は特殊なケースです。 素粒子物理でさえ、ハーバード大学のガブリエルスによる電子の電気双極子モーメントの測定のような小規模実験は、最先端研究の一例で、新しい発見のチャンスもあります。

自分が場の理論・量子統計をやっているのにアレだが, 古典論まわりいろいろやることありそうで楽しそう. しかしめっちゃ難しそうなイメージが死ぬほどある.

一般的に実験研究者は予期せぬことが起きることに備えておかなければなりません。 これは理論研究者にも当てはまります。 一つのことに固執するべきではなく、多くの研究テーマを考えるベきです。 一つの研究に飽きたら、さっさと別の研究に取りかかるべきです。 私は長い研究生活でずっとそうしてきました。

早く研究が再開できるようにいろいろ整えているところだ. あと一年で形にしたい.

2015-05-30 ミンネ, メルカリで数学アクセサリの出品をはじめてみたので

ミンネで数学アクセサリの出品をはじめてみた.

露出を増やすべくついでにメルカリでも販売している.

作れる記号一覧もアップしておいた.

ふだん私もつけているし, 高知工科大学での講演時, 出席していた学生さんに無料であげるといったら女性だけでなく男性にも人気があったので, 男女関係なく少なくとも理工系には受けるのだと思っている.

コンセプト「数学を身につける」をどんどん展開していきたい.

2015-06-01 パソコンを買ったらこれを入れておけ 数学・物理編 お役立ちソフト・サイト

お役立ち情報まとめみたいなこともしようと思ったので, ちょっとTwitterで募集してみた.

YouTubeに動画でまとめるが, 教えて頂いたツイート自体はこちらにも転載しておきたい.

動画を作ってYouTubeにも上げよう.

追記: 動画作って上げた.

2015-06-02 とある大学ではコーヒーカップに「注意!これはドーナツではない」と注意書きがあるらしいので

トポロジーよくわからないし, 何かの機会に勉強したいと思っているのだがなかなか機会がない. 動画を作るとかそういうので強制的に学ぶ機会を作りたい.

2015-06-05 終結式メモ: いろいろ教えて頂いたので

これについて二つコメントを頂いたので記録.

Cox-Little-O'sheaは本を持っているというか, ある程度読んで見つけたタイポをお送りして「報奨金」を頂いた. 本やサイトに「タイポを報告してくれた人には一つにつき1ドルあげる」みたいなのがあったのだ. あとでまた見直そう.

もう一つ頂いたコメント.

代数的整数論, 本当に何でも使うなという感がある.

2015-06-06 かわず語録: 『考えればわかることでも記憶するべきことはある、ということと、話を聞いただけでわかった気になるのは非常に危険である』

私も高校の頃, ある数学の先生が「ノートを取らないで授業中に全て理解しなさい」とか何とか言われて物理の授業をノートを取らずにやってみたことがある. よかったのかどうかはよくわからないが, 少なくともいまの時点では記憶すべき点くらいはきちんとメモを取るであるとは思う. 適当に参考にしたい.

2015-06-08 Twitterメモ: 学者的な意味での難読外国人名

私の分野でNachtergaeleという有名人がいるのだが名前の読み方を忘れてしまった. 田崎さんも知っているようなのだが, 前に集中講義で九大の松井先生が名前を呼んでいたときにきちんとメモを残しておくべきだった.

math-textbookの数学・物理の英語パートに数学者・物理学者の名前の読み方と業績などの簡単な紹介をつけているが, そこも拡充したい.

やりたいことがたくさんある.

2015-06-09 業績紹介: 東大数理 小林俊行先生が2015年JMSJ論文賞を受賞

2015/3/20づけで 小林俊行主任研究員が2015年JMSJ論文賞を受賞というニュースがあった. ちょっと気になるところがあったので引用する.

根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。

【シュレディンガー・モデルとして具体的に構成】というのが何を言っているのかとても気になる. これっぽいので論文読んでみたい.

同じくメインパートを引用しておこう. 毎度小林先生の多産性には驚かされる. ただ1000ページ書くだけでも大変だというのに, 他の人に伝わるように, 明快になるように工夫を凝らした1000ページを執筆する力も凄まじい.

受賞対象となった論文は、JMSJ 66 巻 2 号に掲載された、J.Hilgert、J.Möllers 両氏との共著による「ベッセル作用素による極小表現の理論」です (JMSJ 66 (2), (2014), pp.349-414: Minimal representations via Bessel operators)。

「無限次元表現」は対称性を代数的に広く捉える数学的概念で、量子力学とも深く関連する一方、解析が難しいことで知られています。近年の代数的表現論の進展により、“根源的な表現”は、無限の次元とはいえども、ある意味で“小さい空間”に実現されることがわかってきました。「極小表現」と呼ばれる無限次元表現が、その最も重要なものです。 小林氏は、「表現の空間が小さい⇔空間から見ると対称性が大きい」と視点を逆転させることによって、極小表現をモチーフとした解析学の豊かな将来性を予言し、新たな数学の道を切り拓いて数学に画期的進展をもたらしました。同氏は、ドイツ、フランス、アメリカ、デンマーク、日本等の研究者グループを主導し、「極小表現の大域解析学」というテーマに関して、2003年以来、1000頁以上の論理の積み重ねによって、表現論のみにとどまらず、共形幾何学、シンプレクティック幾何学、フーリエ変換の変形理論、偏微分方程式の保存量、4階の微分方程式に対する特殊関数論など様々な分野の研究に影響を与えてきました。根源的な表現は、「誘導」という既存の手法では構成不可能なところを、本論文では極小表現をシュレディンガー・モデルとして具体的に構成したその統一的手法が評価され、今回の受賞につながりました。

2015-06-10 ページ・活動紹介: 京都数学グランプリ2015 ~めざせ!国際数学オリンピック入賞~ (第57回IMO香港大会)

知人が関係しているとのことなのでとりあえず宣伝協力.

当面の自分の目標として, やはり数学関係の活動をマネタイズに結びつけるところを強化していきたい.

2015-06-11 2015-7中旬に『数学まなびはじめ3』が出るらしいので皆買おう

購入必須事案だ. 数学まなびはじめについてはいくつか書評を書いている. 例えばここを参照してほしい. 皆も買って「こんなのを求めていた」という要望を形にしていこう.

2015-06-13 ツイート・イベント紹介: 2015年モデル理論夏の学校は8/22-24に法政大学で決行

非専門もはなはだしいが, こういうのも一度は参加してみたい. 都合合うだろうか.

2015-06-15 ツイート紹介: 初学者向けの解析学教材を作ろうメモ

そして黒木さんのツイート.

この辺もきちんと教材作りたい. TODOリストに入れておこう.

2015-06-16 ツイート紹介: 簡単に靴紐がほどけなくなる結び方「イアンノット」

数学的に何か意味あるのだろうか. とりあえず記憶しておきたい.

2015-06-20 ツイート・論文紹介: ドラクエなどのゲームのトーラス世界とその実三次元での実現

論文読めないので悲しい. こういうとき市民であることがとてもつらい.

追記

今見たらリンク先ページのPDFのところから論文ダウンロードできた. ざっとは目を通したのだが, まだあまりよくわかっていない.

読書メモ: 2015/6/5発売予定『プロの数学』松野陽一郎(東京図書)

最近受験まわりもカバーしようと画策しているのでとても気になる. ほしい.

2015-06-25 ツイート紹介: 先日なくなった伝説のNashの推薦状をPrincetonが公開していたので

話は本当だったのか. Facebookに上がっていた画像は保存しておいた.

2015-06-27 【0は自然数】に対するオタ向け説明を思いついたので適切性について諸賢のご判断を仰ぎたい

0は自然数という時々話題になるネタがまた降ってきたので. 適切かどうかわからないのだがオタの人向け回答を思いついたので, 残しておいて諸賢の判断を仰ぎたい. もちろんより良い説明を求めているのでご指摘頂ければ幸い.

そして回答編.

<blockquoue class<"twittes-tweet" lang="ja">

@cornpt@aqn_流派というか、分野や話題によって0を入れるか入れないかで都合の良し悪しがあって、その分野をまたいだ文章を書くとき、変えた方が都合よければ変えるという感じでしょうか

— 相転移P(市民) (@phasetr) 2015, 6月 6

説明する技術の不足を感じるので日々鍛えていきたい.

2015-06-28 ツイート紹介: 位相幾何学型同値変形ゲーム 「ライデマイスター

よくわからないがとりあえずメモしておく.

2015-07-03 ツイート紹介: $n$番目の素数を$n$で表す式はいくらでも見つかっている

単純に知らなかったのでメモ.

あとで動画にしよう.

追記

素数Tシャツ‏@shinchan_primeさんが証明を上げてくれた. あとできちんと見よう. 本当にありがたい.

2015-07-06 ニュース紹介: 「東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明」というのでついつい Lebesgue 積分論のアレを想起してしまう方の市民

次のニュースを見かけた. 東大など、コバルト酸化物で「悪魔の階段」と呼ばれる磁気構造を解明

私も物理としては磁性(強磁性)の人間なので気にならないこともないが, それ以上に目を引いたのが「悪魔の階段」だ.

数学ではCantorによるCantor関数を「悪魔の階段」と呼ぶ. 測度論・Lebesgue積分論で必ずお目にかかる関数だ. 積分論は私の専門の基礎でもある. その部分について英語版Wikipediaから引用しよう.

In mathematics, the Cantor function is an example of a function that is continuous, but not absolutely continuous. It is also referred to as the Cantor ternary function, the Lebesgue function, Lebesgue's singular function, the Cantor-Vitali function, the Devil's staircase, the Cantor staircase function, and the Cantor-Lebesgue function.

物理での命名者, これを知って命名したのかとかそういう物理としてどうでもいいところが無性に気になった.

2015-07-07 たいちょうさんと宇宙賢者から頂いた評が面白かったので記録する

人からそう見られているのか, というのかちょっと驚きだったのでメモ.

Twitter ではかなり苛烈な物言いをしている自覚があるので, 人当たりが優しいというの, 割と衝撃的だった. 女性と思われていたというのもはじめびっくりしたし, 研究者ではないというのについてはそうではないと何度も言っているので結構驚く.

追加のやりとりもある.

人によって見ているところ, 感じ方は本当に違うのだと改めて認識させられる一件だった.

あと宇宙賢者からの評.

目がよくないというのもあるし眼鏡をするのもめんどいので大体いつも前にいる. あと研究会でもよく質問しているのだが, 実際にこう見られているというのを目にすると, なかなか面白い.

2015-07-09 大学数学いい話: 本格的な数学を学びたいなら足もつかず荒波もある海で泳ぐための練習をしていこう

何というか, この辺で何かできないかと前から思っている. とりあえずは大学受験回りでこの辺に関わる活動をしてみよう.

2015-07-10 素数が無限個存在することのよく知られた「新たな素数を作る」方法に関する未解決問題とその難しさの片鱗を知ったので

ぱっとこれだけのことを返してくる力量, 格好いいことこの上ない.

2015-07-13 ツイート紹介: 周転円とFourier級数

周転円でうまくFourier級数が書けるという話らしいが, 単純に見ていて楽しいのがすごい. こういうのをどんどん作りたいとは思っているがなかなかうまく勉強の時間も取れない. せめて紹介くらいはしていきたい.

2015-07-14 量子力学の連続スペクトル周辺の話: 田崎さんと全さんのトークまとめプラス私の雑感

大枠

別枠1

別枠2

コメント

全さんの話, 滅茶苦茶面白いし何か協力したいくらいなのだが, 量子力学の物理があまりにも何もわかっていないし, Sobolev に耐える力が私にないしであまりにもつらい. 引用されている『Solvable Models In Quantum Mechanics With Appendix Written By Pavel Exner』, Albeverio, Hoegh-Krohn, Exner とバリバリのその筋の人達ではないか. AlbeverioとHoegh-Krohnは相対論的場の量子論の頃からいる重鎮だと思う: 相対論的場の量子論は難しすぎて手に負えなかったのでほとんど名前しか知らないのだが, 面子がすごい.

こういうのを何かのんびり勉強したいとは思うのだがなかなか思うに任せない.

日記から

あと田崎さんの日記. メモがてらいくつか引用しておこう.

その間、物理学者が量子力学の応用の幅を広げ理解を深めているあいだ、数学者たちも量子力学の数学を徹底的に深く追求して行った。 そして、特に自己共役作用素とスペクトル分解についての美しく有用な(ただし、あいかわらずかなり難しい)体系ができあがったのだ。 これは、「量子力学において確定した値をとりうる量とはなんだろうか?」という物理的な問への確固たる解答だと言ってもいい。 物理学者が、有限次元の線形代数とのアナロジーでなんとか作り上げた体系に、きわめてしっかりとした論理的な基盤が与えられたのだ。

ところが、悲しいことに、こうやってせっかく完成した数学の成果が物理のサイドにはほとんど浸透してきていない。 もちろん、量子力学の数学はかなり難しいし(←ぼくも圧倒的に不完全な知識しかない)、数学の定式化を学んだから物理の問題がすらすらと解けるようになるわけでもない。 そうはいっても、人類の文化として考えたとき、量子力学の基礎概念がどこまでしっかりと理解されているかくらいは、やはり多くの人が共有しなくてはいけないと思うのだ。 そこまで大げさにならなくても、「習うより慣れろ」的にいい加減に物事を進める方向に流れないためにも、基礎をしっかりと学ぶのは重要なはずだ。 それは、量子力学の学部での入門的な教育についても(あるいは、入門的な教育についてこそ)言えることではないかと考えている。

量子力学に限らないが, 物理の具体的な問題をきちんと数学的に議論するために必要なハードルの高さは尋常ではないし, 量子力学の数学的基礎だけ特別扱いするのも難しいとは思いつつ, (私個人の思いとしても)物理的な意義が十分あるとは思っているのでつらい.

ていうか、今の場合は露骨に「物理的にやばい」とわかったけれど、もっと複雑な問題になったら、果たして考えている演算子が「やばい」か「やばくないか」など簡単にはわからないではないか。

これはよく感じるのだが, 物理ができない私がいってもまるで説得力ないのでつらい. 「まずはもっと物理やれ」という話になってしまう.

そして、素晴らしいことに、自己共役演算子については(この表現はかなり不正確だけど)

固有状態(および「固有状態もどき」)をすべて集めたものは正規直交完全系をなす

という(本当の)定理が知られているのだ。

きちんと書いてわかる人ははじめから知っている人だけなのでこれがどう不正確かということだけ説明しておこう. 例えば$\mathbb{R}^3$全体での自由粒子のHamiltonianを考えると$H = - \triangle$で, スペクトルは$[0, \infty)$だ.

そしてこれの固有関数もどきは$\psi_k (x) = e^{ikx}$になるが, 今$\mathbb{R}^3$全体で考えているからこの$\psi_k$は規格化できない(無限大になる). 数学的には Hilbert 空間 $L^2$ (または Sobolev 空間 $H^1$) に入っていないということだ. しかし $H \psi_k = k^2 \psi_k$ で形式的に固有関数になっている. 話が少しずれるが, この $\psi_k$ は緩増加超関数ではあり, そこで考えれば確かに固有値なので, 超関数までいけば一般固有値展開という形で正当化できるとか何とかいう話は聞いている. 相対論的場の量子論の人達はこういうことを地道にやっていた人達だ. とてもつらい分野なので常人には決しておすすめしない.

少なくとも数学・物理の双方で私を遥かに越える程度の力はないと無理だろう. やったからといってそのあとの業績に結びつくような展開が あるかどうかも微妙な情勢ということもある. そういう状態ではベテランも若手も, 物理の進展や自分の学者としての生存ににとって どれほど意味があるかも微妙なこの辺の話題に手は出せないだろうな, という気はする. いつもの「気になるなら自分でやるしかない」事案だった.

2015-07-19 数学者の数学史と哲学者・歴史学者の数学史の食い違い: WeilとUnguruの戦い

Paulといい木村さんといい, 数学者は本当に面白い情報を教えてくれる.

読みたい本リストがたまる一方で本当に困っている.

2015-07-21 動画・PDF紹介: 線型圏の導来同値と被覆理論

あとで動画もPDFも見ておこう. 楽しそう.

2015-07-23 イベント宣伝: 2015/11/28-29 第 16 回高木レクチャー @東大数理

イベント告知ということで高木レクチャーだ.

講演者などを引用しておこう.

平成27年11月28日(土)-29日(日) 東京大学大学院数理科学研究科 大講義室 招待講演者: • Fabrizio M. E. Catanese (Universität Bayreuth)

• Jean-Pierre Demailly (Université de Grenoble I)

• 柏原正樹 (京大数理研)

• Shing-Tung Yau (The Chinese University of Hong Kong and Harvard University)

Cataneseは今回はじめて知った. 代数幾何・複素解析の人らしい.

Demaillyは複素解析幾何とかその辺の人だ. その筋で有名な仕事をした人というのだけ知っている. multiplier idealだったか.

柏原先生はあの柏原先生だ. 修論がいまだに引用されるとか何とかいう, 学生の頃から意味不明なクラスの化け物だった人で, SKK(佐藤-柏原-河合)など専門がまるで違う私でも知っている. 結晶基底や表現論の周りで異常なくらいいろいろやっている.

Shing-Tung YauはFieldsを取ったYauだ. 以前東大であった講演会に来ていて, 就活のとき, 面接の日をずらしてもらってまで講演に参加した記憶がある. もちろん何が何だか全くわからなかった. 業績は当然Fields関係のCalabi予想の解決がある. いまCalabi-Yau多様体は物理の超弦理論で 使われるという事情があって, 超絶基礎理論となっていると聞いている. 他にも正質量予想(名前しか知らない)の解決などいろいろやっている. 非線型偏微分方程式の激烈にハードな計算を完遂しきって, 微分幾何の難問を解いていった部分が主要な業績なのだと勝手に思っている.

これも行きたい.

2015-07-28 【必読書】『数学まなびはじめ 第3集』が出たので数学関係者は必ず勝って読もう

問答無用で買う. どの人の文章も本当に面白い. 2集までで終わりではないのは知っていたので他の人の分も読みたいとずっと思っていたが, ようやく出てくれた.

皆も買って読もう. 応援しないとこうした本の第二弾・第三弾が出てこない. 市民との約束だ.

2015-08-05 文献紹介: 導来圏・非可換幾何の基礎文献っぽい Kock, Pitsch, Hochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemes

気になる分野・文献の話だったので.

Joachim KockとWolfgang PitschによるHochster duality in derived categories and point-free reconstruction of schemesのarXivへのリンクはここだ.

非可換幾何・非可換微分幾何, ちゃんと勉強してみたいのだがそもそもどんな本を読めばいいのかからしてよくわからないのでつらい.

まずこれを読んでみたい.

確か前田先生か誰かの非可換幾何の本が出るというのを以前見かけたが, あれはどうなっているのだろう.

2015-08-06 京大, 藤野修さんの【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】が面白かったので

京大数学の藤野修さんのサイトに置いてある, 第50回代数学シンポジウム報告集 p151--p162 (2005)の【Recent developments in the log minimal model program(対数的極小モデル理論の最近の発展について)】を紹介してもらったので読んでみた. 全体的に教科書や論文のようなかちっとした体裁ではなく, 苦労している部分も含めて数学者が数学している感じがとても楽しい.

直接のリンクはこれだ. ぜひ読んでみてほしい.

2015-08-30 ツイート・論文紹介: 可算パラコンパクトでない正規空間の具体例

覚えておきたい. あと論文はここから落とせる.

2015-09-02 ツイート紹介: 次元論のPDFと位相次元論

とりあえずメモ. 後で読みたい.

2015-09-03 名古屋大学がネットで講義を公開しているらしいので: 梅村浨先生の最終講義PDFを読んでみた

名大が講義をネット上で公開しているらしいのでとりあえずメモ.

多元数理のページはここ.

梅村浩先生の最終講義資料, 『射影極限と帰納極限』が気になったのでとりあえず落としてみた.

最後の方, Paul (Painleve)が出てくるので何故か笑った.

微分Galois理論は人間の 情熱を駆り立てる

という謎の1ページがあった. あと無駄にカラフルに強調された次の名言も紹介しておきたい.

世の中には面白いものが多すぎる.

春の夜は 櫻に明けてしまいけり 芭蕉

最近ろくに数学できていなくてつらく悲しい.

2015-09-05 読書メモ Brezis, Functional Analysis Sobolev Spaces and Partial Differential Equations

HuybrechtsのComplex Geometryに飽きてきたので気分転換に読んでみる. あまりよくないかもしれないが, プロでもないしいいだろうという方向で.

P.92 H\"{o}lder

Youngの不等式の証明をいつも覚えていられないのだが, ここにあるようにlogの凹性なら覚えていられそう. 助かる. Remark 2. に結果の一般化と interpolation も書いてあった. Interpolation 周辺は PDE だと大切らしいのでとりあえずメモ.

P.93 Riesz-Fischer

(L^{p}) は (1 \leq p \leq \infty) で Banach 空間. (L^{1}) と (L^{\infty}) のペア, 特に (L^{\infty}) の双対空間がいまだにあまりよくわかっていない. 特に (L^{\infty}) は可分でもないし, めっちゃ魔界だと思う.

この前後の結果, きちんと証明つきで覚えた方がいいのだろう. 解析学での修士だというのに反省している.

P.97 Riesz representation theorem

愛してやまない.

少し話がずれるが, Sobolev 力が低過ぎるので, Sobolev に行ったときの話が全くわかっていない. 特に自分自身を dual にするかどうかのあたり, そのメリット・デメリット.

P.102 (L^{\infty}) の双対空間

(L^{\infty}) を可換 von Neumann 環と思って Gelfand-Naimark を使う話を説明している. Radon 測度の話をしているが, いまだに Radon 測度の定義を覚えていないし, Borel 測度との区別もついていないのが本当に恥ずかしい.

というわけで復習.

定義: Borel 測度

Borel 集合の (\sigma)-代数上で定義される任意の測度 (\mu) を Borel 測度という. Borel 測度が内部正則かつ外部正則なら正則 Borel 測度と呼ぶ. (\mu) が内部正則かつ局所有限なとき Radon 測度と呼ぶ.

定義: Radon 測度

任意の Borel 集合 (B) の測度 (m(B)) が (B) に含まれるコンパクト集合 (K) の測度 (m(K)) の上限として得られるとき, 測度 (m) は内部正則 (inner regular) もしくは緊密 (tight) であるという. 各点が測度有限な近傍を持つとき, 測度 (m) は局所有限 (locally finite) であるという. 内部正則かつ局所有限な測度 (m) をラドン測度と呼ぶ.

P.103 (L^{\infty}) の非可分性

証明はわかるが気分的にいまだによくわかっていない. (L^{\infty}) と言えば私の魂たる von Neumann 環の可換版でもあるのだが, 考えてみれば von Neumann 環もいまだにまるでわかっていなかった. 酷使するだけして何もわかっていないというの, 本当につらい.

P.104 たたみ込みと正則化

明らかに超大切な節. Young, きちんと証明で使われる式変形の技巧を 覚えておかないと本番で使えない.

P.106 Proposition 4.18.

前, 日本語でこの本読んだのに たたみ込みの台特性をすっぱり忘れていたのでつらい.

P.106 Proposition 4.19.

たたみ込みによる正則化の基礎. とても大切: Proposition 4.20. では実際に (C_{c}^{k}) で証明する. (C_{c}^{\infty}) でたたみ込んで, 滑らかな関数に対して証明してから density argument で全体に持ち上げるのは基本戦略だ.

P.108 Mollifiers

我等が軟化作用素. 幾何でも使うし愛してやまない. 昔, 音だけ聞いて modifier だと思っていた. 意味として大きく外しているわけでもない.

P.111 4.5 Criterion for Strong Compactness in (L^{p})

細かいことは忘れたが, 修士のとき, ゼミで河東先生に Ascoli-Arzela について 何か突っ込まれたときのことを思い出してヒヤっとした.

P.111 Theorem 4.26 (Kolmogorov–M. Riesz–Fréchet)

部分領域への制限は (相対論的) 構成的場の量子論や統計力学での基本戦略だが, 私はその辺ほとんど触っていないのでこの定理の使いどころがよくわかっていない. Corollary 4.27 も使いどころわからない. 多分あとで出てくる感があるので楽しみにしておく. useful と書いてあるが, 判定条件としての Corollary 4.28 は確かに有能感漂う. こういう感触, 【素人】には通じづらいだろうなというのを最近よく感じる.

2015-09-06 暗号と数学と勉強: みどりのらいおんさんとのやり取り用取りまとめ

はじめのメモ

改めて考えをまとめておこうと思ったので, ちょっといろいろ書く. まずは発端のやりとりから.

で, ちょっとやりとり.

とてもつらいところがいくつかある.

素因数分解が理解できれば暗号サイトを一から作れるんだぞ

まず悲しいお知らせだが, 現代的にやるのなら 使う数学は学部上級から大学院レベルの数学科の数学だ. 理工学部の人間にすら忌み嫌われる数学科の数学なので, とてもつらいことになる. もちろん適当に簡略化させれば暗号化することはできるだろうが, その簡略化をするために既に知らないといけないことがたくさんある. 適切な指導者がいればともかく, 暗号の詳しい知見を持つ人が身近にいる環境, そうはないだろう.

サイトを作るというのでどこまで想定しているかによるが, プログラムも組まないといけないので, プログラミングの技術も必要だ. それなりにハードルは高い. サイトを 1 から作ること自体にもハードルは高いだろう.

暗号の歴史を含めた概要については 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.

最後にも少し紹介する.

ちょっとは魅力的ですかね…

そしてこれがまた厳しい. 何が魅力的でどう導けばやるかという段になると 個々人の興味・趣味・性向に合わせてやる必要があって, 基本はそれぞれに向けてチューニングがいる. 同じく指導者の力量も問われる.

理学系の『楽しい』『美しい』が好きな勢は放っておけばいい. 私と同族だから扱い方は熟知している: とても簡単で, 適当な専門書でも渡しておけば 勝手にやり続ける. ただし世間から『役立たずで気持ち悪い』と蛇蝎のように嫌われる. 理工系キモオタに育つと思って頂ければいい. それで良ければ, という条件つきになるので社会は厳しい.

数学をやっていて嫌なことはたくさんあるが, 良かったことは数学をやっているときくらいしかない. 学生の頃に何をしていたのかとか, 普段何をしているのか と言われて『数学です』と言うと, 『学生の頃, 数学は大嫌いだった』とばかり言われる. 自分がこよなく愛することに対して否定的な意見ばかり 聞かされるのでただひたすらにうんざりする記憶ばかりだ.

いろいろあってよく『役に立つことを教えてほしい』という人がいるが, これはまだ扱いやすい. 役に立つことを伝えておけば勝手に動いてくれる (はずだ) から.

そして大多数の人が一番扱いが難しい. 『何の役に立つ』と聞いてくるが, 役に立つことは求めていないことが多い. 実際に何を求めているのかは本当にわからないが, 具体例には事欠かない.

まず『英語は役に立つ』と言われるし, 実際にどうかはともかくこの意識は浸透している. かといってきちんとやる人は少ない. むしろ英語を嫌がる人の方が多いくらいではないか. 嫌がるに至る経緯もいろいろあるけれども.

数学が役に立つ系の話だと, Google の検索アルゴリズムのページランクで 連立一次方程式を使うと浪人生に説明したことがある. そしたら返答で『自分は Google のページなんて使わない』と来た. 『これこれこういう理由で貴方も使っています』と言っても 聞きはしなかった.

こういう感じの絶対多数に対してどうするかというと, 個別の話しかない. そもそも結果的に数学的な成果を使っている人というわけではなく, 積極的に数学を使いにいく人, 相当のエリートだろう. 皆が皆必要なわけではないし, 実際に数学よりも優先度が高い学ぶべきことがある人もいるはずだ. その中で数学を頑張らせる理由をどう作るか, 作るべきなのかとかいろいろ面倒なのでとてもつらい.

Twitter でもいろいろな意見が出ているが, 数学を頑張らせる積極的な理由, 私はいまだに見つけられない. むしろ地歴公民をはじめとする人文・社会学系を きちんとやる方が一般にはよほど大切ではないかと ずっと思っている.

サイモン・シンの『暗号解読』がお勧め

いろいろと否定的なことばかり言ってきたが, 歴史を含めて暗号に関していろいろ知りたいなら 次のサイモン・シンの『暗号解読』がお勧めだ.

昔からどんな暗号がどのように使われてきたのかわかる. 簡単な暗号については方式も説明されている. 情報戦への利用もあるから, 第二次世界大戦で本格的に数学が使われはじめたことや, 現代のネットワーク時代の情報セキュリティでも 数学が使われていることも説明されている.

市民の生活の情報保護にも使われていて役には立っているが, 情報戦含めた戦争利用もされていて, 役に立つから嬉しい, 皆もやろうとかはいいづらい. とてもつらい.

追記

そのあとやり取りが追加されたのでそちらもまとめておく.

楽なことはないな, ということで.

2015-09-06 Qiitaの『【統計学】初めての「標準偏差」(統計学に挫折しないために)』という記事読後の覚え書き: 標準偏差, まずは単純に【平均からのずれ】と思えばいいのではないか事案

統計学の基本的な知見に関するとてもつらい記事を見かけたので.

平均に関する話で有名なのは, 例えば【正規分布が二つあった場合】の話.

こういうのもアレだが, ある模試を学力的に大したことがないA高校と灘高の2高だけが受けたとしよう. そのときの得点を見ると, A高校と灘高校とで得点分布がきっぱり別れるはずだ. 両校ともに正規分布で分布しているとすると, 普通の模試とは違ってグラフに山が二つできるはず. こういう状態で全体の平均を取っても意味はなくて, 学校ごとに見ないと意味がないはずだ, という感じの話.

ちなみにこのような評価も頂いている.

2015-09-09 神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』

神戸大 渕野昌さんの書評『[[[不完全性定理に挑む]に挑む]に挑む]』

とりあえずダウンロードしておいた. 後で読む.

無限に本が読みたいし, 研究したい. 時間と資金がほしい.

2015-09-15 読書メモ: 『数学セミナー2015-09 号』面白記事メモ: 早く読みたい

買うだけ買ったはいいが, まともに読めていない. さっさと読もう.

2015-09-19 英語とかフランス語の勉強に数学を応用していきたいのでとりあえずメモ: SAT の数学試験を使ってみるのはどうかという話

これ, 今度フランス語でやってみよう. しばらく時間が取れないがフランス語は絶対勉強したい. Serreとか原文で読んでみたい.

2015-09-22 ボルツマン方程式とナビエ・ストークス方程式

物理の話, 基本的に適用限界があるのでただ単にその話というところか.

あとで原文も読んでみよう. とりあえずメモ.

2015-09-22 2015-09-21に武蔵美とドイツのコラボイベントGo publicでパフォーマーデビューしてしまった顛末のまとめ

何と言ったらいいかわからないのだが, 結果的に数学の路上パフォーマンスデビューしてしまったことになったので報告したい.

はじめ武蔵美にいる知人から「イベント来ないかベイベー」的な話が来たので, 時間もあったから行くと答えたところ, 何故か実際に何かやることになっていた.

どういうことなのかよくわからなかったが, 模造紙とマジックを買ってもらい, 谷中墓地の中にある【貸はらっぱ音地】というただの空き地としか形容できない場所で模造紙にマジックで数学の証明とかを書き続けるという謎のパフォーマンスに興じた.

アート系だとこういう路上パフォーマンス的なことはよくやるのだろうか. 本当に全く意味がわからなかったのだが, 模造紙とマジックを買ってもらってしまったので, Brezisの関数解析と偏微分方程式の有名な本の最近新しく出た英語改訂版を元に, Sobolev空間の話としかしていた.

通りすがりのお姉さんと

みたいな会話をしたりした.

この他の人達のアートというのも謎で, 1 人は座りながら落語をやっていた. 「これもアートなの」感溢れる謎のパフォーマンスだった.

他にも光の映像系の人がPCとプロジェクターを使って民家の壁に映像を映していた.

あとまさにパフォーマーという方が何か謎の踊りを踊っていた. 数学していたのでほとんど見ていなかったが, 多分見たらMPを吸い取られていたと思う.

民家とか谷中のお寺がある往来で, 落語・映像作品・ふしぎなおどり・数学が展開される初体験の空間だった.

こういうのよくやるのか, そう思っていたら, 何かこういろいろな方面から混ぜて(路上で?)やること自体は当人的にも割と初の試みらしかった.

どう次に繋げていけばいいのかはわからないが, とりあえずパフォーマーデビューしたということで報告していきたい.

あとその人とも少し話したのだが次に備えて反省をしておきたい.

はじめやる場所や目的などがよくわかっていなかったこともあり, 証明とか見えるように模造紙+マジックで通りすがりの人にも見えるようにした方がいいのだろうかとか思ったが, そもそも18時過ぎで暗くてろくに見えなかった.

あと原っぱというか, 石塊が散乱した地面に模造紙を敷いて書いていたので超書きづらかった.

証明もバンバン書こうと思ったのだが書きづらくて仕方なかったので, 定理のステイトメントだけ書くような形になってしまったのが反省点だ.

これならスケッチブックを買って, ばんばん証明も書いて, 書いたページはその辺に散らかしておく感じの異常な方向にシフトすればよかったのでないかという話になった. 次回はこの方向で行きたい.

とりあえず何か新しいことを模索している. せっかくアート系の人と知り合えたので, またこういうパフォーマンスやってみたい. 次回はスケッチブックを持ち, 座りながら書くのが楽になるよう小さな椅子も持っていきたいと思っている.

2015-09-25 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言を受けて KenSenda さんに語呂のよさや印象に残る言葉の重要性を教えてもらったので

KenSendaさんに思いもがけず大切なことを教わったので記録. 発端はこの辺.

そしてKenSendaさんのこのツイートを受けて少しやりとり.

最近, 受験界隈に本格的に乗り出しているので, 改めて暗記法的なこともいろいろ調べ直したりしているが, 語呂による暗記の威力を改めて思い知らされる結果になった. 語呂による暗記本, もっと徹底的に調べよう.

KenSendaさんはいつもいいことを教えてくれる. それはそれとして, 真面目な話, 鹿児島の異常な県知事 伊藤祐一郎御大は安倍談話

二十一世紀こそ、女性の人権が傷つけられることのない世紀とするため、世界をリードしてまいります。

に照らし合わせて厳しく処罰してほしい.

2015-09-26 SEALDsの運動の問題はそのまま数学・物理・学術界隈が抱える問題なのでとても勉強になるし, この不快感を踏まえて今後の活動に活かしたい

安田峰俊さんの「なんかSEALDs感じ悪いよね」の理由を考える ──中国や台湾の学生運動との比較から──という記事が今話題らしい. 明らかに大切なのは次のところで, 数学・物理や大学を取り巻く環境でも大事なことで, 私にとっても他人事ではない.

敗軍の将、兵を語る

そんな王丹氏は、1994年に日本の月刊誌に寄稿した手記(『現代』‘94年7月号。伊藤正氏が編訳)のなかで、天安門の運動が失敗した原因について興味深い考察を残している。王丹氏が述べた「天安門版、失敗の本質」は、大別して以下の4点にまとめられる。

1:思想的基礎の欠如 一人一人の参加者が「民主や民主運動について明確な概念」を欠いていた(つまり、民主主義が何なのかはっきりわからないままデモをおこなっていた)。結果、明確なイシューを打ち出せないまま天安門広場の占拠が長期化。時間とともに運動方針が混乱していった。

2:組織的基礎の欠如 参加者に対するしっかりした指導の中心や指揮系統が存在しないせいで、途中から運動が四分五裂に陥った。

3:大衆的基礎の欠如 学生と知識人だけで盛り上がってしまい、一般国民(労働者や農民)への参加の呼びかけを怠った。また、政府内に存在するはずの改革派と「暗黙の連合」を組む姿勢をとることもできなかった。

4:運動の戦略・戦術の失敗 運動を政治目的を達成するための手段として使うという意識が薄かった。デモ参加者たちは学生運動の“純粋性”をひたすら強調し、当局側への妥協や一時後退といった柔軟な戦術を一貫して否定。結果、ろくな目的もないまま天安門広場の占拠を長期間続け、弾圧を招くことになった。

特に大切なのは次の 2 点だ.

【いい加減】な記述や説明ができず, かといってきちんとした説明は時間がかかり, 聞いてくれるのは内輪の人だけになってしまう問題, 正確に自分にも跳ね返ってくる.

【いい加減】と言い切った上で薄めのコンテンツを作りつつ, きちんと特濃のコンテンツを作ってみたりとかいろいろ実験してみたいし, むしろやらなければいけない.

これから次のプロジェクトをやろうと思っているし, その運営でも十分にも気をつけたい.

2015-09-26 数学の環の由来, ringがよってたつところに関する数学者トークの収録

記憶しておこう.

2015-09-27 数学の哲学の悲しみ: どんな人達がどんなことをやっているのだろう

とても悲しいことがあった.

Ask.fmから全文を引用してこよう.

数学基礎論と数学の哲学が接続することは今後ないのでしょうか?

昔聞いた「数学の哲学」と称されていたWSでは、フッサールが専門だという発表者が、現代数学において開集合の方が閉集合より基本的な概念だと述べていました。数学の哲学がそういうものであれば、数学基礎論と接続することは今後ないと思います。

数学の哲学, どんな人達がどんなことをやっているのだろう. やはり断片だけでは何もわからない.

2015-09-28 数学をすると格好いいとか, そういうもっと下らない理由から数学をやってほしい: 鹿児島県の異常な知事, 伊藤祐一郎大先生の発言をうけて

先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, その辺の話で適当に話題を拾ってきた.

あとせっかくなので少しやりとりしてきた.

役に立つかどうかではなく, もっと格好いいか格好悪いかとかそういう役に立たない理由で選んでいってほしい.

2015-09-30 学校の先生に期待をし過ぎるのはいい加減やめたらどうか: 三角関数教育事案

サインカーブを描いて、円と対応させて、「sinの位相をずらしたものがcosです」って感じで教えるわけですが、これ、教えてる本人も何を言ってるのか解ってないんじゃないの感が半端ないです。

位相なんて言葉, 数学では出ないだろうとかそういうアレはあるがそれはそれとして.

問題は数学の授業がつまらないということです。

私に関していうなら, 皆が「つまらない」「わからない」という先生の授業が 死ぬほど気に入っていた方なので, お互いに「お前の感想など知るか」事案になってしまう.

もういい加減, 学校に期待するのやめた方がいい. 教師に無限の能力を期待し過ぎだろう. 気にいらないならできる範囲で各自の思うことをやった方が自分の精神衛生にもいい. もちろん, 教員がある程度面倒を見た子供の人生を背負わされるように, 自分自身も子供たちの人生に責任を負う覚悟のもとで.

私も私で引き続きやっていこう.

2015-10-01 Euclid『原論』, Hilbert『幾何学の基礎』, そしてTarskiやAvigadによる文献

まずは鴨さんツイート.

黒木さんツイート.

読む機会なさそうだがとりあえずメモだけはしておきたい. それにしても何でみなこんなにいろいろ知っていニのか.

2015-10-02 齊藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので

齋藤毅先生の微分積分の教科書に関して著者自身のコメントPDFがあったので.

先日, 異常な鹿児島県知事が女性に三角関数は不要ではないかという面白発言で盛り上がったが, 三角関数に関するコメントも最後の方にある.

こういろいろと思うことはあるが, うまく言葉にまとまらない. とりあえず私も適当に自分好みの教材とか作っていきたい.

2015-10-07 CoKernelはKernelの普遍性図式を逆にして覚えればいい

CoKernel, いい加減に覚えたいし, コホモロジーもきちんと勉強したい.

2015-10-09 【数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト】の動画講義計画の素案を作ってみたので何かご意見あれば頂きたい

やるやる詐欺状態が長く続いていた物理のための数学講座は正式に停止した. 後継プロジェクトとして 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクトをはじめる. 無料版として物理のための数学講座でやろうとしていた分をやっていきたい.

物理のための数学講座が頓挫した理由の 1 つは 完全に体系だった内容で作り込もうとしたことにある. 細かいところは気にせず, がんがん動画講義や その講義資料を作っていく中で緩く体系立って学べる感じにする.

がちがちに体系立ててコンテンツを作ることを 放棄するので私としても作りやすくなる.

基礎コンテンツは定評ある本を勧めることにして, その副読本というか副読コンテンツとして いつも通りでぶっぱなしいくことにしよう. 対象は学部の物理で使うレベルの数学だ. 相対論も一般相対論になると微分幾何入門的な話があるが, これをどこまでやるかは結構悩んでいる. 一般相対論も微分幾何も怪しいからだ. 趣味で勉強ついでにゴリゴリの微分幾何をやってもいいのだが. 「一般相対論のこの本のこの程度で十分だ」 みたいな情報があればぜひ教えてほしい.

数学・物理的専門の関係もあるから, 数学としては解析学, 物理としては量子力学系統がメインになってしまうだろうが 再勉強しつついろいろやりたい.

いまのところ動画の講義計画は次のような感じ. 物理もやりたいがとりあえずは数学に集中する. ついでに math-textbook も充実させたい. ただこれやると時間がかかり過ぎるので とりあえずは講義メモ程度にしかならなそう. スピード上げたいというのもある.

イントロ 1 の【講演原稿 線型代数と微積分: 大学数学入門】とか 東工大と津田塾でやったとき 3 時間くらいかかったし, 複素解析のショートコースも 3 時間くらいかかった覚えがある.

いわゆる物理数学の中で複素解析は結構独立している感じはあるし, 留数を使ったテクニカルな計算で使うし, 早めにやってしまいたい.

他にも「これがあった方がいいのでは」というのがあれば ぜひ教えてほしい.

何にしろ超概要なので, そのうちどんどん詰めていく. 適当な手持ちの本のレビュー的な感じに なっていくのではないかと思っている.

普通にやってもつまらないし, 意味もないので がんがん殴りつけていきたい.

2015-10-12 光の数理物理学徒になりたい: 虹と漸近解析とエアリ関数

後者の記事から一部引用.

真島先生は私がお茶大にいた時に同僚でしたが、公開講座の類でよくこのネタを披露されていて、女子大生に「『虹の数学者』なんてロマンチックですね」と言われてました。

虹の数学者, 無駄に格好いいし, 私もQEDを一応やっているから光の数理物理はやっているし, 光の数理物理学徒を名乗っていきたい.

2015-10-13 Moseleyへの数理物理的挽歌: 2015のNobel賞とはあまり関係のない, 100年前のNobel賞クラスの研究をした物理学者の仕事の簡単な紹介とKEKの個人的思い出

今回, Nobel賞はNobel賞だが大分昔のNobel賞に関わる悲喜こもごもについて書いてみる. 自分でも気になったから調べてみたかったのが一番の理由だ. はじめに書いておくとMoseleyの話だ.

まずブログに2015年のNobel物理学賞についての記事を書いた. ただし業績の紹介はせずにその周辺で起こったこと, 特に科学コミュニケーション的な事件についての所見だ.

量子力学・場の量子論 (の数学) とそこそこ近そうなところを研究しておいて何だが, 素粒子・宇宙論は昔から「皆がやっているから自分がやる必要ないだろうし, 何より世間一般が自動的に興味を持つようなことを誰がやってやるか」と思っていた.

そんなわけで素粒子はほとんど知らない事情もあって, 今回はブログで紹介した記事中にあった科学未来館の記事を紹介するだけにしておく.

それだけというのもあまりにもアレなので多少記憶から素粒子, 特にKEKに関する記憶をさらっておく.

学部二年年の頃にKEKに遊びに行ったことがある. ちょっと変な縁があったのだ.

早稲田の物理の同学年の友人が古美術研に入っていたのだが, そこの先輩がKEKの教官の娘さんだったようで, 娘さんが「自分のサークルに物理の後輩がいる」と言ったら連れてこいという話になったらしい.

それでせっかく行くなら皆で行こうぜ! ということになった. 公開日に行った方がいろいろな施設が見られてお得というので公開日に行ってきた.

思い出深かったのはその展示的なやつで実験班の方々が作ったちょっとしたゲームみたいのがあり, やってみた結果ズタボロだった.

それを見たKEKの方々に「君に実験は無理だ. 理論に行きなさい」と言われたのだ. 実験屋さん何て格好いいんだと明後日の感動とともに今でも覚えている.

実際には理論どころかほぼ数学だが.

あと黒川さんに言われたこととして次のことをよく覚えている.

「ニュートリノ振動は質量のうなりを背景にしている. このうなりは調和振動だ. 調和振動は物理の全てを貫く基礎だ. いま二年だと調和振動のありがたみはわからないかもしれないが, ぜひきちんと勉強しておいてほしい」

こう言われた. 印象深かったので今でも覚えているし, KEK の最前線に立っていた方からのアドバイスとしてここでも紹介しておきたい.

ちなみに進入禁止的な看板が立っていたところに娘さん(である先輩)が堂々突っ込んでいて止められたのだが, その先輩が「私, 娘だから大丈夫です」的なことを言っていてそれでいいのかと思ったことがある.

あと二年年で今どんな勉強をしてるの? と黒川さんに聞かれ, 解析力学と答えたら「二年であんなに難しいことしてるの!」と言われたのだが, もちろん講義で必修で入っているからやらざるを得ない.

解析力学で苦戦している方, 解析力学はKEKの人ですらこう言っている程の難易度を誇るのであまり気にせずのんびりやってほしい.

あと印象深かったのは娘さんの対応だ. 黒川さんが先陣を切って張り切って楽しそうに施設の案内をしてくれたので, 後ろの方で娘さんは超つまらなそうにしていて, サークルの後輩でもある友人が必死に対応していた.

一言どころか長文を費やしても書ける気がしないのだが, この親子の姿にこう色々なことを感じたことを昨日のことのように思い出す.

2015年時点ですでに11年前の話と思うと時の流れに驚く.

ちょっと書くだけのつもりだったKEKトークが大分長くなっているが, 一応Nobel賞の話を続ける.

はじめに書いたようにMoseleyの話だ. 今からすると高校で学ぶレベルの「当たり前の話」なのだが, それが決定的な, まさに世紀の大発見レベルだったというのを改めて思い知ったのだった.

しょっぱい情報源だが, とりあえずWikipediaから引用する.

元素の特性X線の波長との原子核の電荷(原子番号)の関係を見出した。 この発見によって原子番号の物理的意味が明らかになり、 周期表の未発見の元素を予測するなどが可能となった。

原子番号, 高校の化学でやる程度の常識になっているが, これでMoseleyにNobel賞が行くレベルの大発見だったのかと改めて驚かざるを得ない. 今の常識がどれ程非常識だったのか.

別のブログからも引用しよう.

1910年、オックスフォードを卒業すると、 マンチェスター大学のラザフォード研究室の門を叩きます。 ラザフォードと言えば、放射性物質の研究からα線β線を発見し、 その功績から1908年にノーベル化学賞を受賞するなど、 当時この分野で最先端を行く研究室の一つと言えるでしょう。 更に、この2010年と(1910年と:8/11訂正)言えば、 ラザフォードの元でガイガー(あの測定器に名を残すその人です)と マースデンによっていわゆる「ラザフォード散乱」の実験がなされていた時期に当たります。

上の引用部にもあるように, 指導教官のRutherfordも物理学史に名を刻む化け物だ.

しかし、1912年に大きな転機が訪れます。 モーズリーは、ドイツのラウエらによるX線の回折現象の発見を知るや、 これを新たなテーマにすることを決め、 ボスであるラザフォードを説き伏せ実験を始めます。

この記述がどこまで信憑性があるのかわからないが, 先見の明は間違いなくあるのだろう.

そもそも「原子番号」は、 このおよそ半世紀前の1869年にロシアのメンデレーエフによって周期表がまとめられた際に、 単に順番を示す量として登場しました。 メンデレーエフは周期表を化学的性質に基づき作成したため、 所々原子量の大きさが逆になることが分かっていましたが、 半世紀を経てもその理由は不明でした (それでも単純に原子量の順に並べなかったことが、 メンデレーエフの慧眼には違いないのですが)。 モーズリーは、 この実験結果から特性X線の振動数の平方根が原子番号の一次関数で表せるという法則を見出だしました。 これは、現在ではモーズリーの法則と呼ばれています。

期せずしてMendelejevの偉業まで確認してしまった. 化学という基盤を持っていたことが原子量を押し切って適切な周期律を作れたことに効いている(らしい)こともなかなか衝撃的ではある.

一つのことを多角的な視点から見ることの重要性も感じるし, 自分の信じる化学に従う決断の重みも感じる.

この法則は、 ラザフォード並びにボーアによって築かれた原子モデルを説明する上でも、 重要な意味を持つこととなります。 まず、師ラザフォードはガイガー、 マースデンの実験から原子の中心には正の電荷を帯びた核が存在するというモデルを示しました。 そして、モーズリーの法則の示す原子番号こそ、 この正の電荷の数すなわち陽子の数に他なりません。 この結果から、単なる並びの序数に過ぎなかった原子番号に、 はじめて物理的な実体が伴ったとも言えるでしょう。 またラザフォードのモデルに続いてこの1913年に提案されたボーアのモデルでは、 この正の電荷を持つ核の周囲を、 一定の軌道で電子が回っているとしています。 モーズリーの法則は、特性X線の振動数(すなわち波長の逆数)が、 電子の軌道間の遷移に依存することを強く示唆していました。

ちなみにここで出てくるBohrもNobel賞を取っている. Geigerは放射線量を測るガイガーカウンターで一躍嫌な方で有名になってしまったGeigerだ. Moseleyはそういう化け物の名前がポンポン出てくる中で仕事をしていたわけだ.

モーズリーは更に実験を重ね、 より多くの元素から同様な結果を得ます。 この結果は、モーズリーの法則が普遍的法則であることを示す見事な直線を示しただけでなく、 当時未発見であった元素の存在をも示唆していました。 まさに、歴史に残る美しい成果だと言えるでしょう(グラフは次のリンクを)。

「実験を重ね」という記述, それだけの資金力もあったということだろうし, こう色々なことを考えざるを得ない.

当時X線分光学自体も先端装置だったと思うし, 実験, 本当に修羅の道という感じする.

素粒子だとカミオカンデのような馬鹿みたいにでかい施設が必要だし, 実験データの処理にスパコン必要だったりするとかも聞いた記憶ある.

少し話がずれるが, 梶田さんは重力波検出のKAGRAにも関わっているそうで, そこでも相当お金かかるだろうし, 眩暈がする.

うるさいことを言えばもちろん色々あるが, 博士進学を断念して 1 人で勝手気儘にやっている今となっては, 気楽に勉強・研究できる数学または理論物理を専攻していて良かったという感はある.

梶田さんの素粒子とは少し違うが, ミクロ領域の謎に切り込んだ人達の話をちょろっと紹介してみた.

私の専門に少し近い感じでいうと原子の安定性がある.

原子の安定性の確立そのものは量子力学の大きな目標だったが, そこでも出てきたBohrが大きな貢献をしている.

量子統計力学, 物性論にも関わるが, ある意味次の話題として原子集団の安定性の話題がある.

Hamiltonianの単純なオーダー評価をすると 原子集団の安定性には怪しいところがある.

N体系を考えよう. 正のエネルギーを持つ運動量項は当然粒子の数だけ, つまりN項ある.

一方で負にもなりうるCoulombポテンシャルの項は$\frac{1}{2} N(N−1)$項ある.

どういう風に考えるかは結構微妙だが, 原子集団全体としては中性だとしておこう. 各原子で見るなら当然正負の電荷がある.

そうするとオーダー評価でCoulombポテンシャルから 来るエネルギーを見るとどういう振る舞いをするかはかなり非自明だ. Coulombポテンシャルから$N^2$の寄与があるから, これが負になると運動エネルギーだけでは相殺しきれない.

有限粒子系や原子核物理で考えていれば問題にはならないが, 統計力学や物性論では特に相転移の議論で熱力学的極限を取る. そこで (平均) エネルギーが負になってしまって洒落にならない.

エネルギーがいくらでも低くなれるのでは古典論の破綻と同じになるので, 原子集団に対する安定性は別の問題として立ち上るのだ.

そんなこんなでエネルギー評価問題が出るのだが, とても困ったことにboson単独の系だと基底エネルギーが$N^{5/3}$のオーダーになる. 平均エネルギーで見ると$N^{2/3}$になるから, 熱力学的極限で平均エネルギーが負の無限大に発散してくれる.

正確な言明は専門書に譲るが, 系にfermionがあるときちんと$N^1$のオーダーになることが示せる.

物性のレベルで言うなら系に電子がある自明の条件に落として考えていいので, 無事物理としての問題がなくなる, とかそういう話が出てくる.

今回の内容, 大分長くなっているがもう少し書く. ここから一応素粒子に繋がるので.

実際には原子レベルでも確か鉄くらいになると最内殻軌道の電子が相対論化してくるそうだし, 放射性同位体のような不安定な原子の議論もしなければいけない.

その辺の数学的に完全な精密な話はまだできていなかったはずだし, レーザーあたりも視野に入れると量子電磁場とのカップルを考えたりしないといけなくて, そうすると発散の困難の処理も入る.

この辺, いまのふつうの物理がどのくらい気にしているのかは全くわからないが, 数学的にはまるでけりがついていない. 超弦ではけりがついているそうだが, 物理の階層性を考えるなら非相対論的場の量子論のレベルで片をつけたい.

ここまで来ると私の研究目標と素粒子の関係が出てくる. 関係というか, むしろ物性レベル・非相対論的領域の問題は素粒子と無関係に決まるべきという無関係性の証明みたいなところだが.

まとまりは全くないが, ブログに書いたことも含め, そんなこんなを色々思った今回のNobel物理学賞だった.

2015-10-16 小学生時代にゼロ除算ができない理由を誰も説明してくれなかったことから算数への興味を失った検事の話

妙に感銘を受けたので.

$0$の割り算で解がたくさん出てくるとか 面倒な感じが割とわかりやすいのではないかという気がする. 参考にしたい.

2015-10-18 鴨さんの事例紹介: 『高校の数学IIIはとばして数学IIから微分積分学と線形代数学につなぐことは可能です』

あと次のやりとり.

参考にしたい.

2015-10-18 Hamiltonian周りの場の量子論の数理: $p$進大好きbotさんに絡んできたので

またも$p$進大好きbotさんに絡んできたので. もっときちんとまとめたいが後日動画にするときにその辺を丁寧にしよう. まずは忘れたり流れる前にまとめだ.

分岐から戻る.

また戻る.

また戻る.

また戻る.

最後のところ物理だと$\delta$関数の積が出てきても平然と計算して最後丸く収まるならそれでいいや的な発想をするので, 数学の人が見たらどうしてくれるのこれ, みたいな感じになるのだろうか.

だいたい素直な正当化は全然駄目で, 相当紆余曲折していかないといけないか, その上でさらに鬼のような収束の議論が必要になる. 九大の原隆さんのD論は下書きで2000ページ, 提出版で500ページとか言っていたのでそういう話になる. ハードアナリシスもいいところだ.

紆余曲折というところについては, 以前深谷先生が何かの文章で, 「はじめの素直なアイデアはなかなかうまくいかず, 問題に当たっては遠回りしていくから本質的なアイデアはそのままでも, その姿が段々見えなくなってくる」 みたいな話をしていたので, 数学的な議論あるあるなのではないかとは思う.

他の分野の人が数学の本を読むのが嫌になる理由の一つでもあるだろう. 物理なり自分の専門の中心的なアイデアを議論したいのに, 全くそれを許してもらえず専門から見れば瑣末な数学的議論しかできないのでは本末転倒だ.

この辺のギャップ, 教育レベルでは何とかして埋めたいと思っている. その辺は最近本格的にスタートさせた.

興味がある方はぜひ連絡してほしい.

見れば見る程まともに答えられているのか不安になってくるが, こうしたコミュニケーションも地道に積んでいって, 勘所をおさえた展開を少しでもできるようにしていこう. 道は長い.

後で動画にするとき, もう少し細部は詰め直したい.

2015-10-19 動画制作メモ: 四元数は制御系で需要があるらしい

動画作成を検討する.

2015-10-20 記事紹介: 『教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」』

教材で使えるかも?:25万を超える数学コンテンツ「GeoGebra」という記事を見かけた. いくつか引用する.

YouTubeのMicrosoft in Educationのチャンネルで公開された、「My World My Math!」。SurfaceとGeoGebraを使って、数学をこんなふうに勉強していますよ、という動画です。

これだけの数があれば、自分で制作したいけど時間がかかるな…というものを探せるかもしれませんし、黒板ではなかなか説明しにくいものをわかりやすく見せられるものを探せるかも知れません。  世界共通言語である、数学のすごさを感じます。算数・数学の先生方、「あ、これ使ってみたい」「あ、これおもしろそう」とか、感想をお知らせいただければと思います。

世界共通言語としての数学, やはりこれを基盤にして何かしていきたい. プログラム関係もいろいろやりたいのだが, なかなか力が及ばない.

2015-10-23 機械学習と数学: 本当に年収に直接関係してくる数学, 確率論・統計学, 線形代数, 微分・積分

年収とか殺伐としていて怖い.

2015-10-26 Chebyshev多項式の応用: 弾性体論, 航空力学, 特異積分方程式

こういう話, 物理学科だとほとんどやらない気がする. 難し過ぎて物理の人間には扱いきれないという感じもある. 何にせよ参考になった.

2015-10-29 簡単な問題を難しく解け: 具体と一般と抽象

発言に何か背景があるのだろうがよく意味がわからなかったので.

竹崎先生の80歳記念のワークショップに行ってきて, 広義諸先輩方と久し振りに会ってきてハイパー楽しかった」の記述も参考にしてほしい.

2015-11-03 記事紹介: 『(可算性を外した)一次元多様体の分類』

以前山元さんのlong lineの話を聞いたことがあり, 勉強したいと思っていたがこんなところで出てきた.

一次元がこんなに魔界だなんて知らなかった. 二次元だとどうなるのだろう. 一気に面倒になりそうだが.

2015-11-07 数学関係ツイートまとめ:ネットの極限で書いた位相空間論コンテンツ作りたい

いくつか参考になった・なりそうなのでメモ.

あと次のあたりの話は動画作りたい.

具体的な問題を解くところならともかく, 特殊関数を使うところが想像できない.

PDE, もう少し自分の知っているところから何とかできないかとずっと思っている. 興味があるところからPDE自体もきちんとやっていきたいとは思うが. 非線型波動とかBoltzmann方程式とかやりたい.

Analysis Nowかどうかは忘れたが, ネットで書かれた関数解析の本を眺めたことがある. いつもやっている点列スタイルがそのまま使えるし, これで位相空間の動画講義作りたいと思ったが, ネットで位相空間やるときの注意点をあまりよくわかっていない. 勉強しないと.

Riesz-Markov-Kakutaniが好きなのでその方向での証明楽しい. Glimm-JaffeのBochnerの無限次元版であるミンロスの定理の証明に 有限次元のBochnerからネットのリミットで議論するのがあって, ほうほうと思った記憶がある.

この辺, きちんと書いてある本ないだろうか. 数学の普通の開集合のスタイルで書いてある本はたくさんあるが, 非数学向けには多分わかりづらいので, まだ多少は馴染みがあるであろうネットのリミットスタイルで説明した位相空間のコンテンツを作りたい.

2015-11-09 本・動画紹介: Sidney A. Morris, Topology Without Tears

私もこういうことやりたい. 次のプロジェクトでの目標の一つだ. 頑張ろう. やりたいことは無限にたくさんある.

2015-11-10 ツイート紹介: 田崎晴明さんによるメルセンヌ・ツイスター考案者松本眞さん評

松本眞さん, 確か元々広島大で2年くらい東大数理に来てすぐにまた広島大に戻ったとかいう話だった気がする. メルセンヌツイスターも動画作りたい. やりたいことがどんどん増えていく.

2015-11-11 ツイート・記事紹介: 下手に数学を学んでしまうと Taylor 展開の剰余項が求められない場合に死ぬ可能性があることが判明した

ブログからも引用.

ロシアの物理学者でIgor Tamm(イゴール・タム)さんという方がいる。チェレンコフ効果の説明により、ノーベル物理学賞を1958年に取った方。

そのタムさんがロシア革命のさなか、食糧が不足していたので近くの村まで出かけて行って食料調達に出かけた(当時大学の教授だったのにそんな状況、、、)。

その村で、反共産主義者たちにつかまってしまった!特に都会から来たので服が立派だったので疑われた。

絶体絶命、今にも殺されそうとしたときに、そのリーダーが

”何?お前は数学の教授だって?怪しい、、、じゃあ、マクローリン展開をn項で打ち切った時の剰余項を言ってみろ。出来たら放免してやる。出来なければ銃殺だ”

と言われたとのこと。もちろん、タムさんは出来て、生き延びてノーベル賞を獲った。

生きるために数学が役に立つ, と書こうと思ったが何か微妙な感じがしたのでやめた.

あとその当時の状況とかいろいろあるのでよくわからないが, なぜ物理の教授ではなく数学の教授という肩書だったのだろうか. 当時のロシア情勢とかいろいろ気になる.

2015-11-11 東大数理の河東研のセミナー用に使うテキスト紹介ページをメモしておいたので

東大数理の河東先生のセミナーニュースページに 河東研B4用のセミナーの教科書紹介のページが出ていたので, とりあえずメモも兼ねてリンクしておく.

せっかくなので知っている本は簡単に紹介する. まずは実際に第一候補として挙げられている本から.

Analysis Now

関数解析の入門書ですが,抽象的アプローチが好きな人向けです.基本的なことからていねいに書いてあります.Conway の本より易しいです.最初の部分はわかっていれば飛ばしてもいいです.

読んだことない.

A Course in Functional Analysis

普通の関数解析入門から始まる本です.工夫して分かりやすく書かれていると思います.いろいろなことが書いてあり, 最後の方では作用素環の話も出てきます.

読んだことない.

Mathematical Theory of Quantum Fields by H. Araki, Oxford University Press, 1999.

代数的場の量子論を全開でやっていて, 作用素環だけの本ではない. ちょろちょろと多変数関数論 (楔の刃の定理) とかも出てくる. 死ぬ程どぎつい本で私は根をあげた本なのだが, 読める人いるのだろうか.

確かこの本, 1950 年代後半から 1960 前半あたりに 荒木先生がスイスの ETH で講義した有名なレクチャーノートの 出版だとか何とか聞いたことがある. 当時の人, これで理解できたということだし, 社会の学力低下はどうなのかは知らないが, 自分の出来の悪さは激烈痛感する.

An Invitation to C*-Algebras by W. Arveson, Springer 1976.

読んだことない.

K-theory for Operator Algebras by B. Blackadar, Cambridge University Press, 1998.

作用素環の K-理論の有名な本. 読んだことない.

Operator Algebras by B. Blackadar, Springer, 2005.

読んだことない.

Wavelets through a Looking Glass: The World of the Spectrum by O. Bratteli and P. E. T. Jorgensen, Birkhauser, 2002.

これ作用素環なのかとずっと思っていたが, さっき目次を見たら一応$C^*$-algebraはあった. O. Bratteliは作用素環と量子統計の本(次の本)で超有名.

Operator Algebras and Quantum Statistical Mechanics, Volumes I, II by O. Bratteli and D. W. Robinson, Springer, 1987-2002. (a pdf file supplied by the author) (a pdf file supplied by the author)

全部ではないが読んだ. 量子統計で使うネタを割と雑多に突っ込んだ本で全部読むような本ではないし, これだけ読んでも作用素環の基礎は身につかない. 私もこの本で勉強しているが, 必要なところのつまみ食いだ. 完全なバージョンではないが, 基礎から冨田-竹崎理論まで速習したいなら役に立つ. あとは作用素環の勉強にはならない.

Noncommutative Geometry by A. Connes, Academic Press, 1995.

ConnesのサイトにPDFが置いてある. 個人的には読めたものではない. 難し過ぎる. 誰か読み切れる人いるのだろうか.

C*-Algebras by Example by K. Davidson, Amer. Math. Soc., 1996.

大学院当時, 先輩に聞いたところ「最初は割と丁寧だったが後半どんどん雑になる」とのことだった. 「基本丁寧だが, 時々めちゃくちゃ雑になる」だったかもしれない.

Quantum Symmerties on Operator Algebras by D. E. Evans and Y. Kawahigashi, Oxford University Press, 1998.

分厚い. ぱらぱらと眺めたことはある.

Local Quantum Physics by R. Haag, Springer, 1996.

河東先生に「これはHaagが哲学を語った本で教科書, 勉強する本ではありません」と言われた記憶がある.

Fundamentals of the Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III, IV by R. V. Kadison and J. R. Ringrose, Amer. Math. Soc., 1997.

学部4年のときとりあえずこれでも読んでおけばいいのでは河東先生にお勧めされて, これの3章から5章までを読んだ. そのあと実用性を考えてBratteli-Robinsonにすぐ行ってしまったのだが, 作用素環としての基礎がほしいならもっと読んだ方がいい. 富山先生いわく「彼らの教育熱心さを反映してとても良く書かれた本」とのこと. 3章の話はBanach環だが割と気にいっている.

An Introduction to K-Theory for C*-Algebras by M. Rordam, F. Larsen and N. Laustsen, Cambrige University Press, 2000.

読んだことない.

Theory of Operator Algebras, Volumes I, II, III by M. Takesaki, Springer, 1979-2003.

Iは1-2度参照したことがある. 作用素環の聖典の1つではある. 興味はあるが大部過ぎてさすがにつらい.

2015-11-11 社団法人作用素環後援会という謎の会ができていたので

ページはここだ. 代表理事が河東泰之先生で, セミナーニュースを久し振りに見たら見つけたので, とりあえず宣伝協力的なアレだ.

法人の目的だとか事業について紹介がてら引用しておこう.

・本法人の目的

当法人は,作用素環論に関する研究・論文の発表を通じて知的財産権の取得を行うと共に,その成果が地域社会の発展に貢献することを目的とする.

・本法人の事業

  • 作用素環論を用いた研究及び論文の発表
  • 作用素環論に関するセミナーの開催
  • 作用素環賞の授与
  • 前各号に掲げるもののほか、当法人の公益目的の達成に必要な事業

小谷元子先生が入っているのが割と謎だが, 以前早稲田で磁場つきHarper作用素の講演を聞いたときに$C^*$の話を出していたので, ご専門の離散幾何解析でそれなりによく使っているということなのだろう.

私ももっとこういうのやりたいし, マネタイズ真剣に頑張らないと.

2015-11-15 自戒せずにはいられないTogetterメモ:『“算数教育が安心できないのだから、理科教育も安心できるはずがない” - 並列回路の表記をめぐって』

とてもつらいまとめがあったのだ.

これ, 自分が専門分野に関してすらゴミのような死にたくなる変な勘違いをしている可能性が高いことを 示唆してくるので, 割と本気で戦慄するし, 全く笑えない.

きちんとJISの規格の記述を確認しきれていないのだが, http://tinyurl.com/neyybx7あたりでは『実務に役立つシーケンス制御入門』という「実務で役立つ」という明確な触れ込みで黒丸なしのシーケンス図を紹介している. ちなみに私はシーケンス図と回路図という言葉をどう使いわければいいのかといった基本的なところから理解ができていない.

また次の高知工科大学の講義資料によると, 十字を書くとき, 交差は黒丸をつけない, 接続は黒丸をつけるとかいう規格(規則?)のようだ.

ここでは表現の統一という目的のため, 「黒丸が不要なところでもつけた方がいい」と推薦する形にはなっている.

十字の接続でない Fig.2.2(b) のような T 字配線型の接続の場合には,黒丸を省略しても問題ないと思われるが,表現を統一するために Fig.2.2(a) のように黒丸をつけたほうが良い.

実務で紛れがなくミスを起こさないようにしたいという現場の要求もあるのはわかるが, 規格でどうかという根本的なところをクリアしているっぽいので, とてもつらい事案だ.

糞ニート@TNCTHaraPanさんはこのまとめを見たっぽいツイートをしているが, いまどういう風に考えているのかが割と知りたかったりする. 規格上問題ないし上で引いた本のように (回路図一般かシーケンス図限定なのか私は判断つかないが)「現場」でも黒丸なしでよく, 大学の工学部教育でも推奨レベルのことをまだ次のように考えているのかどうかはとても気になる.

何にせよ自らへの戒めとしてもきちんと記録しておきたい.

2015-11-15 nolimbreさんプロトタイプの電子数学書の新たな形:自分でもちょっとやってみたい, gitbook もあり?

YouTube講義と合わせてちょっと試しに作ってみるか感もあるので, とりあえずメモ.

ここがやはり気になる. gitbook調べておこう. 何にしろYouTubeの動画講義は作る予定だし, 原稿をどう公開するか考えないといけない.

何というか, 実際に雑な話してから 少しずつ突っ込む的なことをしていきたいので, それに合わせた形としてやっていけばむしろ最適なのかという感じはある.

ちょっとやってみたいことがあって, gitbook 改修してやるのも大変そうだし, まずは適当に元ファイルを変換するスクリプトを組むところから はじめるのが必要か. めんどいが, とりあえずいろいろやってはみよう.

2015-11-21 記事紹介: 『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』

東洋経済で『「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い 青木薫が味わうNHK数学ミステリー白熱教室』という青木薫さんの記事があった. 大事なコメントもあったので引用しつつコメントしたい.

11月13日(金)からNHK Eテレで放送の始まった「数学ミステリー白熱教室 ラングランス・プログラムへの招待」。イケメン教授のエドワード・フレンケル氏が、「心も頭もしびれる究極の数学」(ツイッターより)を白熱講義するこの番組は、中学数学を終了程度の知識で、現代数学のもっとも心踊るプロジェクトの神髄にふれさせようという意欲的な試みだ。

よく『美人~』というのが話題になるし, 『ガリレオ』あたりでの『イケメン物理学者』みたいなやつ, どの程度効果があるのか本当に知りたいし, イケメンかどうかはともかく適当な清潔さなどはきちんと気をつけないといけないとは 思っている.

楽譜の読めない人だって、すばらしい音楽には胸を揺さぶられる。油絵なんてただの一度も描いたことがない人だって、ゴッホの「月星夜」の前に立てば、その不思議な迫力に心を捕まれるのではないだろうか。それと同じように、数学の美しさとパワーは、きっとみんなに感じてもらえる、と彼は信じているのだ。

この辺, スポーツとかでもあるし, アニメや漫画でもそうだが, 数学ははじめから強烈なバリアーがある場合が多いので, どう一歩目を踏み出してもらえるかが鍵で, 割とつらい.

「やっぱり、フレンケルってイケメンだわぁ」ということだった。ド・アップに絶える端正な顔立ち。チャーミングな笑顔に思わず引き込まるし、手指の動きにふと目を奪われてしまう。いやあ、静止画像で見るより、動くフレンケルの方がずっと素敵だわぁ……。

こういう感想, 私には書けない.

そのためにフレンケルが持ち出したのは、ありふれたデンタルフロスだ。そして彼は、フロスを指に巻きつけていく。ぐるり、ぐるり、ぐるり、と巻きつけていくと、1回、2回、3回、と巻きの回数を定義でき、それゆえ1、2、3という自然数の概念を把握できる。そればかりが、この方法では、逆向きに巻きつけていくことにより、-1、-2、-3、という負の数の概念が、ごく自然に得られるのだ。

いまだ見ていないのだが, これは面白い.

番組の冒頭に置かれたこの「糸巻き法」のエピソードは、身近な材料を使った、誰にでもわかる、ごく簡単な話である。しかし、このエピソードはきっと、全4回の講義のなかで、通奏低音のように響き続けるのではないだろうか。そんな予感がする。

トポロジーのwinding numberだし, 後でも出てくるだろうと思ってちょろっと見てみたら, Wikipediaで正に次の記述があった.

回転数は代数トポロジーにおいて研究の基本的な対象であり、ベクトル解析、複素解析、幾何学的トポロジー、微分幾何学、弦理論を含む物理、において重要な役割を果たす。

本当に弦理論出てきた.

というのも、もしもそんなつながりがあれば(すでに証明されているものもある)、あちらの領域では超難問だったものが、こちらの領域ではエレガントに解決される、といったことが起こるのだ。そちらの領域では、どんな意味があるのかわからなかった問題が、別の領域で、やおら重要性を発揮することもある。ミステリアスなつながりの存在を明らかにし、「数学の大統一」を目指すことには、現実問題として、途方もなく大きな意義があるのだ。

ミラー対称性とか谷山-志村予想だ.

ところが20世紀の初め頃から半ばを過ぎる頃まで、両者の関係は冷めていた。物理学者は、過去の数学者の仕事から、自分の仕事に使えそうな道具を借りてくるだけ。数学者は、自然相手に苦闘している物理学者を尻目に、我が道を爆走していた。

冷めていたというのはよく聞くが, 科学史的にきちんと調べた上で実際どうなのか非常に気になっている. 実際に 1950 年代からの場の量子論界隈の動きについては 多少知っているが, その前の動きに関してはほとんど知らない.

2015-11-21 川又雄二郎伝説の検証: 学部の複素解析の講義でのエピソード

川又雄二郎伝説が一部検証された.

貴重な情報なので記録しておきたい.

2015-11-22 教育問題の悲しみ: とある方の小二の頃の悲しい記憶

H_Hさんからのタレコミを受けたので.

次の連続ツイートだ.

今考えるとこれこそが生徒の個性を潰し画一化させる義務教育の本質だったんじゃないかって思っている

というのは過剰な一般化で妥当性があるのか全くわからない. この教員の能力の問題とも言えるし, 義務教育というよりも大衆による大衆に向けた教育の限界という感じもある.

教育に湯水のように金と時間をつぎ込めるのなら, メインの教員(クラス担任?)+専門の教員のような配備を していくとか色々方法はあるだろうが, 厳しいだろう.

何度かこのサイトでも取り上げているが, 個々の教員に無限の期待を載せていくのは極めて筋が悪い.

もちろん, 子供が学校であった「嫌なこと」を親なり適切な指導者なりに逐一的確に報告できるのなら いいのだが, 当然そんなことは期待できない. 【適切な指導者】ということになると, そもそも身近にいるかどうか, 身近にいたとして【利用】できるかどうかという問題すらある.

とにかく, 簡単に諦めたり他人や社会のせいにしたりせず, 私は私にできることをやっていく.

やや別件だが次のようなやり取りもあったので 一応記録しておきたい.

2015-11-23 京大RIMSの星裕一郎さんによる宇宙際 Teichmüller 空間論に関する概説が出たので

IUTTはInter-universal Teichmüller theoryの略だ. もちろん望月新一先生の理論. 何はともあれメモしておく.

2015-11-23 ツイート紹介: 梅村浩先生『楕円関数論』の中の代数幾何的記述が面白そうなので

何これ面白そう. 読んでみたい.

わけのわからないコメントと返答

5次方程式の冪根は存在しませんよ 誤謬の流布はやめてくださいね

どういう意味でしょうか. 引用したツイートは「五次方程式の解の公式」としか言っておらず冪根とは言っておらず, ここの五次方程式の解の公式もガロア理論的な四則と根号だけを使った公式ではなく, 許す操作を増やす話なのでは.

2015-11-26 ツイートまとめ: 『$x$の$x$乗の話』最近記事が出て $0^0$ の話題が再燃したようだがきちんと解説ページと本があるので

以前も呟いたのだが$0^0$に問題が再燃したっぽいので.

さて, 『$x$の$x$乗の話』だ.

Amazonのレビューにもある通り, お話として雰囲気を楽しむ本であって, ガチガチに読み込んでいく本ではない. 機会があればぜひ読んでみてほしい. 上にリンクがある著者のページを眺めるだけでもいいだろう.

2015-11-26 (小中高校生向け)学術系イベントの情報収集中

今も絶賛情報収集中だ.

鍵アカウントの方から次のサイトも教えて頂いた.

これも本サイトに転記しておこう.

2015-11-26 ツイートまとめ: 工学に役に立つ微分方程式論, どういう内容になるのか工学関係者に聞いてみたい

工学にとって役に立つことしたいなら, やはり工学者が引き取るしかないと思うのだが, 実際工学部ではどう教育するのだろう. それが無性に気になる.

必要なら自分でもそういう教材を作ってみたいので, 本当にぜひ教えてほしい.

2015-11-27 数学科卒であることを見抜くたった一つの質問の仕方: 巨悪のツイート紹介

相変わらず巨悪が悪いことを言っているので記録.

読めないのではなく使わないから忘れただけなのでは, という気もする.

逆に物理の人間と一発で見抜く質問とか, 化学の人間と一発で見抜く質問とか, 医歯薬理工に限らず, 大学の学科レベルくらいで各分野の専門であることを 見抜ける面白い質問みたいなのが知りたい.

2015-11-28 数学・物理関係でYouTubeに上げる動画を楽に出費を少なく撮る方法の検討

動画を撮るときの参考にしたい.

これから数学・物理関係の動画を撮ろうと思っているが, 他の人にも真似しやすい方法を探している.

今はiPadのアプリを使っている. 次のようなメリット・デメリットがある. - メリット - 書いたページを保存しつつ一気に次のページへ遷移できる. - iPad(とスタイラスペン)さえあれば追加の出費なし. - デメリット - スタイラスペンは書きづらい. - iPadがいる.

iPad(タブレット)がいるというのが 極めてハードルが高いので他にも次のような方法を検討していた.

このうちの【紙とペンとwebカメラ】のところにカメラとしてスマホ・タブレットを使うイメージで, さらに導入が楽になりそうだ. 光源問題は少し研究する必要がありそうだが. これ, 試してみたい.

2015-12-05 リングさんの関西すうがく徒のつどいでの講演: 楕円関数とおもしろい応用

つどいの講演. 原稿やTogetterへのリンクはここにある.

読みたい.

2015-12-05 掛け算・足し算問題: 子供 (人間) が持つ凄まじい一般化・抽象化能力

大事な話があったので.

算数の難しさと数学の難しさがちょうど重なるところとして まさにこの問題があると思っている. 小学校一年で同じ個数あるものを線で結ぶみたいなことをした記憶があるがまさにそれ.

数という概念は本来めちゃくちゃに抽象的で, 上の線を結ぶことは学部 1 年の集合論でやる集合の個数の定義, 濃度への拡張と直接に繋がる. 数学の本質的なところに触れつつ, 実生活への応用でもよく出てくる凄まじい例で, とてもとても大事.

使うところなんて本当に山程あるどころか 上の例よりももっと凄い形で使う.

例えば三人兄弟におやつあげるときのこんな感じ.

おやつ 3 つあるから仲良く食べなさい. ケーキが 2 つあって, プリンが 1 つ. ケーキはショートケーキとチーズケーキがあるよ.

これ, 抽象度を凄まじいレベルで行き来している. どちらからでもいいが, 下から考えよう.

まずここにはショートケーキ, チーズケーキ, プリンと 三つのおやつがある. それぞれ違うと思っていては数としては足せない.

ここでケーキとプリンとして一般化してまとめる. そうすればケーキが 2 つ, プリンが 1 つとしてケーキに関して足し算できる.

最後, おやつとして一般化してまとめればケーキとプリンを足し算できる.

普段から大人はもちろんのこと, それを見て育つ子供も自然にこの一般化と抽象化, その上での足し算を自然にやっている.

うるさいことをいうなら(切り方のせいで)「大きなケーキ」や「小さなケーキ」もあるのに, それを無視してケーキとくくることだってある.

全く違う対象を適当に一般化・抽象化して足し引きするのは凄まじいことだ. 算数と数学が深く深く繋がっていることを示す事例でもある.

これ, 本当に凄まじい抽象化能力だと思うのだが, 何故子供も自然にできるようになるのか本当に不思議でならない. 教育学とか心理学とかの知見もあるのだろうと思っている. どんな本読むと書いてあるのだろう.

2015-12-08 (数学・物理の)読書はお金を使わないいい趣味であると書こうと思ったがネット代とPDFとか見られる端末が必要だったという話

最後のやつ, 物理の前の数学学習でもやはり数年かかるし, 物理でも永遠に遊べるし, 英語だとPDFとかもバンバン落ちているのでPDFが読める端末があれば, ネット代くらいでかなり遊べる. 永遠にPDFが読める保証がないので, そう思うと紙への印刷も必要なのかな, という気もしてくる.

あとヨハネの福音書, ヘブライ語原文だと思っていたがギリシャ語だったのか. 原典が何語だったのか何でどう調べればいいのかすらわからなくて, 自らの情弱さを感じる.

2015-12-08 コンピュータ上で表現できる数とexactに扱える数の差異を魔法少女が教えてくれたので

次のようなことを呟いたら魔法少女がいろいろ教えてくれた.

鍵アカウントだがとりあえず引用しておく.

@phasetr 代数的数は計算機でexactに表現できて, 四則演算, 大小比較, 原理的には順序環の言葉で書かれた一階の論理式の真偽などがエフェクティヴに計算できる. 幾つかの操作がエフェクティヴにできなくてもよいなら, 計算可能数の成す体も扱える.

@phasetr その意味で「浮動小数点数のような方法では実数をexactに扱えない」「いかなる表現方式でも全ての実数を表現することはできない」は正しいが「コンピュータでは無理数などの実数をexactに扱う方法はない」は正しくない.

@phasetr 記憶領域は可算通りの状態しか取れないので, どれだけ上手い表現方法であっても実数体の可算部分しか尽くせない, という意味では全ての実数を取り扱えるような方法はない.

とりあえずきちんとメモだ.

2015-12-10 数学徒が代数弱者を人助けする様子を記録しておく

非常に間抜けなことを言ったら速攻指摘してもらえて助かったので, 数学徒が人助けをする様子を記録して後世に伝えていきたい.

途中ツイートが消えていて抜けているが, $G$が群にならないだろうとか, $H$が群にならないとかそういう馬鹿みたいな指摘を受けている.

あと別のやりとりも記録しておく.

岩永-佐藤の『>環と加群のホモロジー代数的理論』で環の場合の話があって, それとぐちゃぐちゃになっていた.

どれだけ代数できないのかと絶望的な気分になったが, 不勉強なのは不勉強なので仕方ない. また一つつ賢くなったと思っておこう. 群と環でまた事情がいろいろ違う話的な感じで きちんと認識しておきたい.

2015-12-11 研究者どころか修士くらいの学生であっても身元特定は簡単という話

今日のいい話だ.

最近でこそ名前も出して活動しているが, 出さなくてもほぼ筒抜けレベルの発言ばかりだったので, それはわかる人にはわかるだろう感ある.

あとまた少し別の話だが, 以前東大での田崎さんの集中講義に出て, その後の懇親会で清水研のM1の人に「相転移Pさん知ってます」と言われたこともある.

2015-12-12 (丸善の)分子模型のように数学でも遊べるやつないと思ったがチャートを貼り合わせて多様体を作るとかしか思いつかなかったのでさめざめと泣いた

化学とか物理, こういうので遊べるのが羨ましい. 数学でも手で遊べるの何かないだろうか. パソコンとかタブレット上ならそれなりにある気はするが.

チャートを貼り合わせて多様体を作るとか, そういう無茶なのを真っ先に想起したの, 本当によくない.

2015-12-13 数学科の院生が物理関係者相手に物理の部分がザルな発表をして猛烈に突っ込まれたというがもっとガンガン殴り合ってほしい

hiroki_fさんとSO880さんとの会話録.

ここで書いたこととしてはとりあえず

だろうか. あとは一応次のプロジェクトもだ. - 数学・物理をともに学ぶコミュニティ形成プロジェクト それぞれ地道に頑張ろう.

2015-12-14 教科書紹介: Quantum Information Meets Quantum Matter

気になる. とりあえずメモだ.

2015-12-15 コミケ情報: 3日目東ホ07b「石貫會」量子コンピュータについて理論的側面から解説した「Effective量子コンピュータ」

ちょっとほしい. とりあえずメモ.

2015-12-16 『いまだに人類は微分形式を十分に使いこなしていないと思います』

引用された部分もパンチ力があるが, 最初の問とその回答もなかなか面白い.

2015-12-16 深谷賢治・斎藤恭司対談『現象との関係とか、物理として何が大事かということを見てとるのは、物理学者の一番大事な能力、その人の物理学者としての根源を作っている能力だと思うんです。』

逆もまた然りという感じはあるが, そもそもどのくらいそういうのが必要なのかとかそういうのになるとまた別だ.

私のような数学でも物理でもない半端者は本当につらいことだけは常に感じている.

2015-12-17 Lipschitz連続な関数と$u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$のほとんどいたるところの微分可能性

今ちょっと微分方程式をもう少しきっちりやってみよう月間で EvansのPartial Differential Equationsを読んでいる.

流し読みして様子を見ているのだが, P.280 からの Sobolev 空間の元の可微分性の特徴づけのところで メモしておきたいことがあったのでブログにもメモをしておく.

それは P.280 Theorem 5 と P.281 Theorem 6 (Rademacher) だ. 次元 $n$ が十分大きいとき (Sobolev 不等式で決まる定数だったはず), $u \in W^{1,p}_{\mathrm{loc}} (U)$ はほとんどいたるところ微分可能であること,

特に Lipschitz 連続な関数はほとんどいたるところ微分可能であることだ.

いったんメモとして証明は書かずにおくが, そのうち動画にして証明もまとめたい.

2015-12-18 宣伝: 東大数理の動画公開『Grothendieckの学生だったIllusieさんの駒場での講演が視聴できます』

よく算数で「たかしくん」が出てくるが, 世界でも最強レベルの「たかしくん」として著名な坪井俊先生のツイートだ.

動画はYouTubeに上がっている. こういうのも増えてきたがやはり個別の大学とかそういうレベルでしか まとまっていないのがつらいところ.

一応簡単にページから講演について引用しておこう.

Speaker Luc Illusie (Université de Paris-Sud)

Title Grothendieck and algebraic geometry

Abstract Between 1957 and 1970 Grothendieck deeply and durably transformed algebraic geometry. I will discuss some of his revolutionary contributions.

2015-12-19 Uffe Haagerupの訃報を知る方の市民: 数学, 作用素環で著名な研究者

衝撃の事実.

AMS noticeでのPDFは次.

PDFでも紹介があるが, 冨田-竹崎理論での貢献はもちろん, Haagerup propertyは私ですら名前を知っているレベルの作用素環まわりの基礎という感じがある.

簡単だがとりあえず記録しておく.

2015-12-19 京大RIMS望月新一さんの宇宙際Teichmüllerの普及の2015-12での現状

数学のわけのわからなさ, どこにあるのかと考えてみるとあまりよくわからない. 抽象的だから, とか何とかいう通り一遍の説明はあるが, それはそれであるにせよ, ならそれだけか, といわれると当然他にもあるはずで.

全く考えはまとまらないがふと思ったのでとりあえずメモ.

2015-12-19 論文紹介: 関数解析を使った有界コホモロジーの研究, Matsumoto-Morita Bounded cohomology of certain groups of homeomorphisms

面白そう. 「有界コホモロジー何ぞ」とかそもそもコホモロジーよくわからないとかいろいろあるが, 興味をそそられる. 動画作るついでに勉強したい.

2015-12-23 Solovayでの解析学: 衝撃的な定理がいろいろ成り立つらしいので

面白そうで少しコメントしたので.

あとこれ.

これ割と衝撃感ある. $W^{1, \infty}$ だとどうなのだろう.

そして面白そうだったのでコメントしたのがこれ.

すごい世界もあるものだ.

2015-12-27 Springerから本が色々無料DLできるようになったらしい: 例えばMacLane-MoerdijkのSheaves in Geometry and Logic (SGL)とMarkerのModel TheoryがSpringerのサイトからPDFダウンロードできるようになっている

MacLane-Moerdijk の Sheaves in Geometry and Logic (SGL)と, MarkerのModel Theoryがダウンロードできるようになっている.

他にもいろいろあるみたいなのでとりあえずツイートはっておく.

いつまでダウンロードできるのかはわからないが, SGL は読んでみたいと思っていたので超嬉しい. 早速ダウンロードした. いつ読めるかは相変わらず不明なのが悲しい.

関係ないが, ありとあらゆる学問分野でマイナー分野世界一決定戦とか開いてほしい. 何で測るといいかが微妙だが, 尺度ごとの世界一が測定できるとなお楽しい.

追加情報

ブルブルエンジン兄貴がまとめてくれた.

そのうちお勧めをまとめたい.

追記その2

汎関数積分系統の構成的場の量子論の論文で, ロシア語の文献が引用されたことがある. 念のためダウンロードしておいた.

2015-12-29 数学アクセサリに関するやり取りメモ: 気に入って頂けているようなので

数学アクセサリはhttps://minne.com/phasetrにこれまでの作品を出しているので, 興味がある方は見てみてほしい. http://math-accessory.com/もあるのだが全然更新していない. これももう少し動かしたい.

2015-12-31 『殴っていいのは殴られる覚悟のある奴だけだ』: 研究者への追憶

研究者であるytb_at_twtさんからご指摘頂いたのでメモ.

最近研究できていないのでつらい.

2016-01-01 数学・物理でも同じことがある気がする件: 『レシピ本じゃなくて、調理用具や食材をどう選んでどう使ってどう管理すれば良いか書いてある本は無いものか』

数学・物理でも似たような話ある気がする. 工学的応用みたいな感じなのかもしれない. よくわからないが.

2016-01-02 女装とイラストレーターの関係に学ぶ数学と物理の活動展開

この話, 数学や物理でも参考になると思うし, とりあえず数学アクセサリ方面ではリアルに参考になるだろう. 最近あまり買っていないが, 一時期本当にセブンティーンあたりは買っていた.

今後はアクセサリ関係も買ってみるか.

2016-01-03 tri_iroさんが小林昭七先生宅に伺ったときのいい話を勝手に記録

羨ましい.

小林昭七先生と言えば, 『数学まなびはじめ』の昭七先生分の感想をブログに上げたら弟でいらっしゃる久志先生から「それは知らなかった. 今, 兄の仕事を取りまとめているのでぜひ詳しく教えてほしい」との問い合わせを頂いたことがある. ブログやっててよかったと思う瞬間だった.

そういえば最近昭七先生のサイトを見ていない.

文献紹介が充実してきているっぽい.

2016-01-05 ツイート紹介: 『Kahle先生達の代数統計の続編』

よくわからないがとりあえずメモ.

2016-01-06 『数学は何の役に立つの?』を Kindle 出版したのでぜひ買ってほしい: 買ってほしい理由は宣伝に協力してほしいから

また新たに本を書いた.

数学は何の役に立つの?---納得して数学を勉強するために: 年収との関係から応用の現場, モチベーションの上げ方, 今後の行動の指針まで (よくわからない数学)

ブログやらサイトやらでいつも言っていることをまとめたので, 私の言動を追いかけている方に目新しい話はないと思うが, きちんとまとめて形にした方がいいと思ったのでやってみた.

比較ということもあって, 今回は無料のキャンペーンをやらず, 値段もちょっと高めだが 500 円にしてみた.

これは先日の Springer 祭りを見ての反省に基づく. あのとき「無料だからといって落とすだけ落としても読まないだろうな」という 声があった. 私もいくつか落としたが, 読む時間が取れそうにない.

変な話, 人は無料のものに価値を感じない. ダウンロード数だけは伸びても読まれないのでは意味がないから, あえて出た直後の無料キャンペーンはやめにした.

ご覧の方はぜひ買ってほしい. これも言っておくと売れたからといって儲けなどほとんどない.

何故買ってほしいかというと, 「これを買った人はこれも買っています」的なアレをもとに Amazon からのメールで宣伝される機会が増えるからだ. 少しでも多くの人に届いてほしくて, そのために Amazon に出している. ぜひ協力してほしい.

Amazon の内容紹介に書いた内容を転記して終わる.

「数学は何の役に立つの?」 数学を苦しみながら勉強している子どもはもちろん, 大人からもよく言われます. 大学で数学を研究していたというと, 「数学なんて全然わからなかったよ」と, 東大卒の方々からも言われます.

実のところ, 似たような本はいくつかあります. ただ値段から言っても語り口からいっても, 中高生自身が探しやすいところに 買いやすい値段帯で売っている本は見つかりません. はじめの疑問に答えつつ中高生がお小遣いで気楽に買える, そんなことを目指してこの本を作りました.

またこれまでの本によくある語り口とはずらして 書くことも考えました. 数学が好きな人にありがちなのは 「数学は楽しい・美しい. だからやろう」という感じの語り口です. 数学を応用する人たち (ほとんど全ての人たち) にありがちなのは 「数学は役に立つ. だからやろう」という感じの語り口です.

これまでいろいろな人と話してきたところ, 前者はともかく後者も論外だとわかりました. 本当に数学したくない人は役に立つかどうかなんてどうでもよくて, とにかく「嫌」なのです. それを考えずに「役に立つからやろう」と言われても, 全然意味がありません.

そうしたことにも配慮しながら書きました. もっとはっきり「数学したくなら無理にしなくてもいい」とまで書いています.

もちろんなるべく興味を持ってもらえるような内容も入れています. 純粋な数学の人だと書きたがらないだろう「数学と収入の関係」も書いています. 応用に興味がある人向けに物理を中心に関係ある分野の話も書きました.

読んだあと数学に興味を持ってくれる方もいるでしょう. そうした方がすぐに次の行動に移れるよう, アクションプランもいくつか提案しています. 購入者特典として, 私が早稲田・東大で学んできた勉強法をまとめたコンテンツをつけてもいます.

読んで「いい話を聞いた」で終わってほしくなくて, 数学をするにしろしないにしろ, 読んで得た知識を活かして 行動に移し, 結果を出してほしいと思っています. ぜひ読んで終わるのではなく, 読んでからあなたの行動を加速させていってください.

2016-01-07 ツイート紹介: H. Hosakaさんによるコホモロジー解説

H. Hosakaさんによるコホモロジー解説というtogetterがあったのでメモ. 今回はそれだけ. 『コホモロジーのこころ』, いまだにきちんと理解しきれていないのでその辺を読みたい. 多変数関数論もやりたい. やりたいことばかりたまっていくの, 本当につらい.

2016-01-08 四元数に関するSkypeやりとりの記録

四元数に関してちょっとSkypeでやりとりしたのでその記録. 多分にプライベートな部分もあるSkypeでのやりとりなので, 適当に編集して内容にフォーカスした形にする.

四元数の動画講義需要あるの, 的な話からはじまって, 意外とその周辺の人のポジショントークっぽくないか, 必修にするほど重要ではないだろうとかいう話.

ついでに他の話もメモ代わりに入れておく.

次の自動ツイートまわりの話だ.

四元数からの幾何, 解析力学

量子力学関係の動画作りたい

ニコナレ

2016-01-11 大学院生YouTuber: arXivの論文レビュー動画とか作ろう

ちょっとテストとして近いうちに一つはやってみる予定だ.

2016-01-11 2016-01新刊: 戸田幸伸 『連接層の導来圏に関わる諸問題』 数学書房 シリーズ 問題・予想・原理の数学

何これ楽しそう. 読みたい. シリーズ名がまたいい.

2016-01-11 小澤徹先生の文章集がなかなか面白かったので

早稲田にいる非線型偏微分方程式がご専門の小澤徹先生の方だ. 今RIMSにいる小澤登高さんではない. ちなみに次のページ.

まず中西賢次氏の日本学術振興会賞受賞を祝うから.

最近ではW. Schlagとの共同研究によって、非線型シュレディンガー方程式や非線型クライン・ゴルドン方程式の基底状態の近傍の初期データのクラスを 9 つに完全分類し、対応する解が、正負の時刻で「散乱」「爆発」「基底状態近傍内の閉じ込め」の三種類の何れも実現し得る事を証明した。これは実に画期的な成果であり、「非線型波動方程式」と称する分野に於いて、数学が物理を真に超越した事を示す金字塔である。その一部は Kenji Nakanishi and Wilhelm Schlag "Invariant Manifolds and Dispersive Hamiltonian Evolution Equation" として European Mathematical Society から出版されている。

【数学が物理を真に超越した事を示す金字塔である】というのが気になる. 本当に不勉強で知らないのだが, 非線型 Klein-Gordon は物理のどんなところで出てくるのだろう. 線型の Klein-Gordon はもちろん相対論的量子力学の基本的な方程式だが.

次は2015年度日本数学会解析学賞授賞報告から.

竹村彰通氏は,統計的多変量解析についてこれまで多くの研究を行ってきた.近年は計算代数統計という新しい分野において,グレブナー基底に基づく計算代数手法の統計学への応用研究に著しい業績をあげてきた.特に,D加群の理論に基づくホロノミック勾配法の提唱は,統計学における標本分布論の新たな手法として特筆すべきものである.

代数統計は @tmaehara さんのツイートや RT で見かけたことがあるから名前くらいは知っていたが, まさか D 加群が統計学に使われているとは思いもよらなかったので衝撃を受けた. 本当, 何がどこで出てくるかわかったものではない.

今回の最後は2013年度物理学及応用物理学専攻修士課程ガイダンス大学院担任挨拶.

私も皆様に「次の並木美喜雄は、次の田崎秀一は誰かね?」と問いかけ、ご挨拶と致します。

並木先生はご縁がなくお会いしたことがないが, 田崎 (もちろん秀一. 学習院の田崎さんではない) 先生は, 熱力学と統計力学を教わった先生であり, 私も微妙に絡んでいないこともない (少なくとも非平衡統計の数理物理の論文くらいは読んだことある) 分野, 非平衡統計をリードする研究者で 極めて優秀だったのに若くして (といっても 50 代だが) 亡くなってしまった. 見た瞬間「あー」という何とも言えない感じになった. 悲しい.

今日からまた数学と物理をがんばろう.

2016-01-15 サイト紹介: 手書きでTeXコマンドをサジェストしてくれるサイト http://detexify.kirelabs.org/classify.html

参考にしたい.

$SO(n)$の連結性を示すお手軽な方法は何?

あまりよくわかっていないがとりあえず記録.

「わたしはついにモース理論がわかりました」:かの有名なWitten・SmaleのBottへの言葉

前にも紹介した記憶があるが, 改めて記事を抜き出し, 引用しておく. 橋本義武さんの回想録みたいなやつ. 元記事はこれ.

まず Bott への Witten・Smale の有名な言葉, 「わたしはついにモース理論がわかりました」

4.印度土産

さて,ADHM とほぼ同時に物理学者の方でも BPST の一人 Schwartz が同様の結果に達していたらしい.Atiyah は物理学者の世界の競争の激しさにとまどいながらも,今自分がおかれている状況にかつてないスリルをおぼえていた.

ちょうどそのころ,そんな Atiyah たちをよそに,所は変わってインドのタタ研究所,木陰にデスクを出してもらってのんびり海をながめる毎日を送りながら,一人の数学者が sabbatical year を満喫していた.われらが Bott 先生である.愉快なインド滞在を終えた Bott はオクスフォードに盟友 Atiyah をたずねた. Bott はこのときのことをふりかえって,「Atiyah はすっかり舞い上がっていて "mathematical high" の状態だったんだ」と述懐している.どうやら知らぬ間に大きな事件がおこっていたらしい.ところが,興奮しながらインスタントンの説明をまくしたてる Atiyah の声が,インドで聞いたリーマン面上の正則ベクトル束のモジュライの謎を語るバラモンの数学者 Ramanan の静かな声に不思議と響きあうのであった.こうして Atiyah-Bott のリーマン面上の Yang-Mills ゲージ理論が生まれる.それは,Bott が若いときから追い求めてきたモース理論の新局面を切り開くものであった.

Bott は各地の物理学者たちの前で,Atiyah と彼とのゲージ理論について講演して回ったのだが,その反応は熱いものではなかった.しかしそんな中にあって一人の男が鷹のように Bott のことばを追ってきた.Witten である.彼は Bott の講演から,後に言う Witten のモース理論を着想する.後日,Bott は彼から一通の手紙を受けとる.そこには,「Bott 先生,わたしはついにモース理論がわかりました!」と記されていた.それは奇しくも,かつての弟子 Smale が直伝のモース理論にさらに磨きをかけついに高次元ポアンカレ予想を解決したときに Bott に告げたのと同じことばだったという.

【Atiyahの子どもたち】というのがなかなかツボなのでこちらも.

5.あれでもなくこれでもなく

DonaldsonやKirwanといった"Atiyahの子どもたち"は, Bottの来訪を毎回サンタを待つように楽しみにしていたという. Donaldsonの論文"An application of gauge theory to four dimensional topology"の題がBottの若い頃の論文の題と似ているところに,そのあたりの雰囲気が表れているように思う.Donaldson のこの論文は,ADHM とも Atiyah-Bott とも違う道を切り開くものであった.すぐ近くで誕生した ADHM も Atiyah-Bott も深い理論であり,また当時できたばかりだからやることはたくさんあったはずである.事実 Donaldson はそれぞれに関連する仕事もしている.しかし彼は,それとは別に 4 次元トポロジーへの応用という思いもよらぬ方向へと一歩を踏み出した.彼の理論は,Rochlin の定理しかなかった 4 次元トポロジーの状況を打開しただけでなく,異種 4 次元ユークリッド空間という存在をわれわれに示してくれた.こんなものがあると知っただけでも数学を勉強した甲斐があったというものではないか.Witten はこう言っている,「Donaldson 理論は時空の幾何を理解する鍵である.」

2016-01-18 奈良女子大の鴨さん筋の情報:数IIIなしでも大学初年次相当の線型代数と微積分に対応できるという現場からの報告

嘉田さんの本これか.

やはり買うか.

2016-01-21 スペクトルが内点を含む非正規作用素の例, その他にもちょっとした作用素とスペクトルの例

あとでhttps://github.com/phasetr/math-textbookにまとめるが, とりあえずツイートメモ.

こういう例も愚直に収集していきたい.

あと内点を含まない作用素の例としてはコンパクト作用素がある. 原点が集積点である以外, 全て離散的で縮退度有限な固有値になっている. コンパクトなRiemann多様体上のLaplacianもこういう性質を持つ. 量子力学で出てくるような例は大概が非有界で自己共役だが 大雑把に言って連続スペクトル部分で内点を持つ.

2016-01-25 ツイートメモ: かつての東大後期の問題はめちゃくちゃ心が踊ったしそういうことをしなければいけないのかという回想録+決意

MarriageTheoremさんと心温まる会話をしたので.

私がするべきこともやはりこの辺なのかと再確認した. 地道に頑張ろう.

2016-01-30 記事紹介, 学習の喜びとは: Paul Lockhart, A mathematician's lament

私の実感に合うことを書いている方がいらっしゃるようで, さらにJunInoueさんそれを適当につまんで解説してくれていたので まとめておく.

メルマガに書くというモチベーションで, あとできちんと読んでまとめたい.

2016-01-31 圏論との付き合い方: infinitytopos.wordpress.com の記事と関連ツイート紹介

http://infinitytopos.wordpress.comは前も紹介した気はするが, ぴあのんさんのツイートが改めて発掘されたので.

現状, 私は仮に使うとしてもライトユーザーなので, Awodeyくらいでいいのだろう感がある. いっそ『コホモロジーのこころ』くらいでいいだろう感もある. 小嶋先生の論文を読めるくらいの圏論がどの程度なのかよくわかっていないが.

あとこんなツイートも.

2016-02-04 論文メモ: Yasuyuki Kawahigashi, A remark on gapped domain walls between topological phases

気になる.

論文タイトルは『A remark on gapped domain walls between topological phases』. 概要は次の通り.

We give a mathematical definition of a gapped domain wall between topological phases and a gapped boundary of a topological phase. We then provide answers to some recent questions studied by Lan, Wang and Wen in condensed matter physics based on works of Davydov, M\"uger, Nikshych and Ostrik. In particular, we identify their tunneling matrix and a coupling matrix of Rehren, and show that their conjecture does not hold.

これ, 後で読もう. ついでにメルマガとかでも配信しよう.

2016-02-12 可積分系で著名な廣田良吾先生の訃報

今さらだが, メールを掘り返していたら見つけたので.

逆散乱法とか可積分系で有名な教官だ. 全くの畑違いの私ですら名前を知っているレベル.

2016-02-14 ツイート紹介: 数の実在について最高の証明, メタ存在論の論文, J. SCHAFFER, On What Grounds What

kentz1 さんのツイートからだ.

写真の言葉を引用しておこう.

the existence of numbers:

  1. There are prime numbers.
  2. Therefore there are numbers.

1 is a mathematical truism.

謎い.

2016-02-19 記事紹介: 時枝正博士(Dr. Tadashi Tokieda)のおもちゃと応用数学

時枝正さんの話.

時枝さん, 田崎晴明さんですら絶賛していたレベルの講演巧者らしいし, ずっと気になっている. とりあえずメモ.

2016-03-07 芝浦工業大学 横田研究室 数理情報研究室 数学・プログラミング学習教材

これは気になる. とりあえずメモ.

2016-03-15 スライド紹介: 素数大富豪に関する自由研究まとめ

ページは次のリンクから.

ちょっと引用.

今最も熱い数学トランプゲーム「素数大富豪」について、簡単なルールを紹介した上で、「ゲームの中で出せる素数の個数」に関する自由研究の成果をまとめました。 54枚のカードの組み合わせから広がる素数の世界。始まりは2から、しかし一歩進むごとにぐんぐんスケールアップしてゆく素数大富豪の可能性に、あなたはどこまで食らいついていけますか? 札幌の科学勉強会での発表用に作成したスライドです。

素数大富豪はちょっとしたサポートアプリを作ったので, 興味がある方は使ってみてほしい.

2016-03-20 教育学部での数学への認識問題: 鹿大教育学部某教授「道徳は,公式を覚える数学のように決まった方法では教えられない(南日本新聞から)」

とてもつらく切ない.

2016-03-22 高校の数学カリキュラム: 初等幾何 (平面幾何) と行列, どちらの方が「大事」?

今見ると話が全く噛み合っていなくて申し訳なくなる. ただ一つだけ思うのは次の二点が前提になっていることだ.

行列は入るとしても数学IIIという感じだし, 平面幾何は数学IAIIBだろう. 大学で数学・数学の応用をする場面では行列必須だし, 統計学との関係で人文・社会学でも大切ではある.

高校で何を教えるべきかという問題もある. 無理にあとで役立つことを教えても, その役に立つ場面や有用性が伝わらないのなら意味ないだろう.

ちなみに私は「数学が何の役に立つかどうでもいいし, 勉強するかどうかも勝手にすればいいが, もし必要な場面で使えないなら役に立たないのはお前の方だ」とか言い放つ方なので, その辺に関しては堀畑さんよりも遥かに厳しいだろうと思っている.

他にもいろいろあるが, とりあえずこのあたりで.

2016-03-23 Freeman Dyson自身によるStability of matterに関する動画

以前も紹介したと思ったら紹介した動画は一次元強磁性体の動画だったので, 改めて物質の安定性に関する動画を紹介し直す.

今のマストではないから見る時間を取らないでおくが, そのうちきちんと見たい.

2016-08-15 時枝正さんの講義が大量に投下されている YouTube チャンネル African Institute for Mathematical Sciences (South Africa)

時枝正さん, あの田崎晴明さんですら圧倒されたと言ってしまうほどの 圧倒的に面白い講義・講演をするらしいので, 何はともあれ記録しておく.

2016-03-28 小平邦彦先生の『解析入門』がとても面白そうな本だというのを知ったので

小平先生の『解析入門』, そんな面白そうなこと書いてあるのか.

俄然気になってきた.

ポストモダン解析学は学部の頃から気になっていて全く読んでいない. 幾何解析的なこととか興味あって, Jostもその辺の人らしいので読んでみたいとはずっと思っている.

2016-03-31 関孝和, 建部賢弘, 有馬頼徸, 安島直円の著作を読みたいなら古文漢文きちんとやろうの会

今のところあまり読む気はしないがとりあえずはメモだ.

2016-04-01 とある教育学部の数学での地獄のようなひどいカリキュラム報告事案

つらい報告を見た.

黒木さんのツイートメモ.

いま中高生向けの現代数学講座的なものを考えているのだが, 構成をどうするか迷っている. 抽象論の前の具体的なところで何を設定するべきか. 力学で山程微分積分の具体例を計算するというのも考えている.

2016-04-05 Fields賞と業績と寿命との関係

Fields賞受賞者自体がめっちゃ限られているデータにどの程度の意味があるのかがまずわからない. 記事読めばわかるのだろうが, 「ぎりぎり賞を逃す」概念はどう定義されているのだろうか. 統計に対する深刻な理解力不足を感じている.

勉強するべきことはたくさんある.

2016-04-14 Etale topologyのスライド

全くわからないが, 何となくメモしておく. トポロジーももう少しきちんと勉強したい. あとSGL.

2016-04-16 無限と全単射

久し振りに見た. 学部一年でやることとはいえ難しい. 直観も効かない.

こういうのを圏論ベースでやる話とかありそうだが, 何か参考文献知りたい.

2016-04-17 シオラン『どうやって悲しみで悲しみを打ち消したり、詩で悲しみに対して戦うというのだろう。私は悲しい人間は数学に携わるべきだと言いたい。』

ボードレールもヒュームも, この文脈でのライプニッツもわからないが, 【私は悲しい人間は数学に携わるべきだと言いたい】は 人類史に永久に刻みつけておきたい言葉だ.

ちなみにシオランというのが何者なのか. Wikipedia でちょっと調べた以上のことは何も知らない.

2016-04-18 記事紹介: 『Bayes's Theorem: What's the Big Deal?』

何か面白そうだし後で読む. いつも通りまずはメモ.

2016-04-19 記事紹介: 数学イノベーション戦略

数学イノベーション戦略, これ面白そう. あとでちゃんと読もう.

2016-04-21 Togetterメモ: $\lim$記号と「定義による拡大」その他

まだよくわかっていないのだが, この間でふと思い出したときにy_bontenさんにTogetterを教えてもらったのでとりあえずメモ. ついでに他の気になるTogetterも置いておく.

ここまで基本的なところの勉強不足はさすがに恥ずかしい.

2016-04-25 Fields賞受賞者, 森重文さんの「学問的態度」に関するYouTube動画

森さんが学問的態度に関して話している動画. 1:10しかないし英語だが英語の字幕はあるので, 気になる人は見てみよう.

あと森さんが喋っているところをはじめて見た. 気難しい数学者や堅苦しい数学者, 私の観測範囲では見たことないし, ふだんの状況で話してみて堅苦しいことはないと思っているし, 京大の人ならそれなりに気楽に話しかけられるのだろうと思っているが, やはり今でもFields賞受賞者とかいうと何というか, 壁を感じる.

前に一度, 修士卒業前の東大の講演会にスピーカーで来て, サインももらった広中平祐先生(さんづけの方がいい?)は, 気楽に喋ったこともあってもうあまりそういう感じないのだが. 不思議なものだ.

世間一般だと「数学者」「学者」というだけで相当のハードルを感じるだろう. 出てくるのがだいたい堅苦しい説明をさせられるときばかりで, そういう場面でいい加減なことをいうわけにもいかないから, 割と厳しめな感じになるし, こういろいろな事は思う.

2016-04-27 トイレにもエレベーターにも居酒屋にも黒板がほしい

実際に IHES のトイレやエレベータに黒板があるかどうか忘れてしまったし, どう検索したものかも厳しい. Newton institure だったのを勘違いしている可能性の方が高くなってきた.

とりあえず男性用トイレにあるという情報もあり, 女性用トイレにもちゃんと黒板があるという情報を得た.

トイレはちょっと, という話をしたが, 本当に狂気なのはトイレ以上にエレベーターという気がする.

2016-05-01 ツイート紹介: ABC予想の「今」が分かる良質記事3本

ABCは全く追いかけていないので不明だが, math_jinさんが謎の追跡をしまくっているので宣伝協力していきたい. 私も何かのトピックに関してはこのくらいやりたいところだが.

最近『圏論の歩き方』の西郷甲矢人さんの記事でAQFTに再びはまりつつあるので何かその辺やりたい.

前もツイートしたが, 西郷さん, 小嶋先生を説得してミクロマクロ双対性を学ぶための数学の教科書を書かせてほしい. いまある本, 数学の前提知識多すぎて全く対応できない. できることなら協力は惜しまない.

2016-05-02 廣中平祐先生の御前講義での質疑応答の一コマ: 「標数$p$はどうなんですか?」

こういうのを見るたび陛下への畏敬の念を新たにする. あと【尖点特異点の解消について明瞭な図解】というのを見てみたい.

2016-05-04 加藤文元さんの生物学科の学生時代の感動的エピソード: Henselの補題

感動的すぎる. 私もこういうのやりたい.

2016-05-05 証明の主要部分にコンピューターによる計算が含まれる数学の定理, 計算機援用解析

よくわからないが鴨浩靖さんのブログ・コメント. 冒頭部だけ引用.

証明の主要部分にコンピューターによる計算が含まれる数学の定理としては四色定理[Appel & Halen 1977]が有名ですが、それが最初ではありません。整面凸多面体の分類の完成[Zalgaller 1967]があります。前者が当時話題になったのと比べると、後者はほとんど話題になりませんでした。なぜでしょう?

詳細を全く知らないのだが, 元京大で早稲田も退官されているっぽい西田孝明先生の計算機援用解析, アレは数値計算をどう使っているのだろう. 厳密な証明に援用しているとかいう記憶があるが, 正直よくわかっていないし, この記憶も間違っている可能性がある.

解析学賞ももらっていたはずで, 結構気にはなっているのだが. どなたかご存知の方は教えてほしい. 西田先生ご本人が降臨したら爆笑する.

2016-05-06 数学が苦手苦手と言い募るのはいい加減本当にうんざりするからやめてほしい

数学苦手でも宇宙に行きたくて…JAXA岩田直子さんという記事があったので. 新聞のサイト, すぐにページがなくなるから全文引用したくなる. 悩んだが全文引用することに決めた. 最後にまとめておく.

はじめに気になったのは【数学苦手でも】というタイトル. みな総出で数学苦手苦手と本当にうんざりする. めっちゃネガティブな印象与えるし本当にやめてほしい.

しかしぱらぱらっと読んでいて, 他のセンター試験は成功、でも… 宇宙女子「可能性信じて」も読んで一番気になったのは次の部分.

受験勉強は今しかやれないことです。

受験というか大学で学ぶこと, 大人になったらもうできない社会なのかというあたり. 「大学で」の限定すらつかないのかもしれない. それが何よりつらい.

で, 以下記事の全文引用. 新聞とかのサイト, 本当に記事へのリンクずっと残してほしい.

宇宙飛行士を夢見て理系の大学に入りたいのに、苦手な科目は数学と理科。宇宙航空研究開発機構(JAXA)技術者の岩田直子さん(33)は、1日20時間の猛勉強でその壁を乗り越えました。今は2月に打ち上げられる最先端の天文衛星の設計担当者の一人として、再び追い込みの真っ最中です。

「どうすれば宇宙飛行士になれますか」;

高校2年生のとき、旧・宇宙開発事業団(NASDA)=現・宇宙航空研究開発機構=に電話をかけました。対応した女性職員の方が「大学を出て、宇宙飛行士の募集があったら応募してください。今は、勉強にしっかり励んでくださいね」とやさしく説明してくれたんです。その後、事業団についての資料が自宅に届きました。「勉強を頑張ってください」という手紙も添えられていて、感激しました。

宇宙飛行士を目指すようになったのは、小学生のときです。読書が好きで、宇宙についての本や図鑑を読んで、「宇宙ってどんな所だろう。行ってみたいな」と思っていました。毛利衛さんがスペースシャトルで宇宙に行ったのも、そんな頃です。初めて職業としての宇宙飛行士の存在を知り、目標になりました。中学生のときに宇宙飛行士の応募条件を調べると「自然科学系の大学を卒業」という項目があって、理系の大学に進学しなくちゃと思い定めました。

■国語は学年1番、数学は真ん中より下

高校は、地元の奈良県の公立中学から大阪教育大学付属天王寺高校に進学しました。大学の志望先は航空宇宙工学を学べるところを考えて、前期は京都大学、後期は名古屋大学を受験すると高3の春に決めました。親は「国立大じゃないと学費は出せない」と話していました。3人きょうだいの一番上だったので、もしも受験に失敗したら浪人せずに働いてほしい、とも。何としても現役で国立大の理系に合格しなければなりませんでした。

でも、高校では数学や理科が苦手だったんです。中学までは不得意ということはなかったんですけどね。積分や複素数とかになると、概念もうまく理解できなかった。教科書を読んで何となくわかった気になっても、いざ問題を解こうとすると、理解が足りずにダメでした。高2の学年全員の試験では、数学は下から数えた方が早いくらい。読書が好きだったおかげか、国語は1番ということもあったんですけど。

センター試験の対策を本格的に始めたのは、11月末から。文化祭や音楽祭に一生懸命な学校で、一連の行事が終わってからです。数学は、問題を解くことをひたすらやりました。何で間違えたのかをチェックすることで、理解していなかったことが見えてきました。間違えた問題は、時間が経ってから再び解いてみることを繰り返しました。覚えなくてはいけないことは、読むだけではなくて、ノートに実際に書いて覚えるようにしました。

学校がある天王寺キャンパスの食堂で午後10時ごろまで友達と勉強して、それから家に帰っても勉強していました。焦りはものすごくありました。勉強すればするほど、まだ出来ていないことが浮き彫りになって。「これじゃ終わらない。どうしよう」と思って泣きながら勉強したこともあります。あまりに不安なときは友達に電話して気持ちを落ち着かせていました。

■1日20時間「自分の夢のため」

センター試験の数学は、そんなに悪くない点数をとれました。でも、京大ではセンター試験の結果はあまり反映されません。センター試験が終わった後は、2次試験への追い込みで1日20時間も勉強したことがあります。睡眠時間は1日平均3、4時間。入浴、トイレ、睡眠、ご飯以外はずっと机に向かっていました。体調は崩しませんでしたけど、視力は1・2から0・6に落ちました。問題の字がぼやけて見えなくなってしまい、慌てて眼鏡をつくりに行きました。

「自分の夢のためにやるしかない」という思いが勉強の支えでした。京大の2次試験を受験する前には「やりきった」という思いはありました。京大でも数学が壁になっていました。2日間の試験日の初日に数学があって、出来が良くなくて落ち込みました。「これは厳しいかも」と。京大が終わった後は、気持ちを切り替えて、後期の名大に向けて勉強しました。京大は結局、不合格。私立の併願はありませんから、「落ちたら働くしかない」という、後がない状況に。名大に向けて、1日20時間の勉強を続けました。

名大では、航空宇宙工学科よりも倍率が下がる物理工学科を受けました。勉強する内容はそれほど変わらないだろうと思って。名大の2次試験では手応えがありました。合格発表を名古屋まで見に行って、自分の受験番号を見つけたときは、ほっとしました。もしも落ちたら、働きながらもう1回大学を受験しようかと考えていたので、喜びよりも安心感がありました。

■誰でも宇宙に行ける時代を目指して

大学では、物理工学と航空宇宙工学の両方の授業に出ていました。宇宙飛行士の夢は持ち続けていましたが、自分が宇宙飛行士になるだけでいいのだろうか、という思いもわいてきました。

きっかけは大学2年のときのインド旅行です。長距離列車で乗り合わせた中年の男性客と英語でしゃべるうちに、「宇宙飛行士になりたいと思っている」と話しました。すると、男性は「日本人はうらやましい。自分には非現実的すぎて、夢でも思ったことがない」。その言葉に衝撃を受けました。短絡的かもしれないけど、自分が宇宙に行けるだけではなくて、誰でも宇宙に行ける時代にしなくちゃならないな、と思いました。

スペースシャトルのようなものを日本でもつくることをテーマにした研究室が九州大学にあったので、大学院はそこに進みました。院を出た後も宇宙船の開発をしたいと考えて、就職先にはJAXAを志望しました。エントリーシートには、宇宙船の需要を呼び起こしたいことや太陽光エネルギー以外で発電するような衛星をやりたいことを書きました。

JAXAに入って2年目の2008年から、今年2月に打ち上げるX線天文衛星「ASTRO―H(アストロ・エイチ)」の熱設計を担当しています。人工衛星の表面の温度は、宇宙空間で太陽光の直射を受けると150度、当たらなければマイナス100度にもなります。機器が正常に動くよう、配置などを設計する仕事です。

数学と物理がすべての仕事の基本です。実際に衛星をつくるメーカー側に説明するときも、根拠は数字で示さなければなりません。知識だけじゃなく、数字を使って論理的に説明できることが理系の人間に求められることだと思います。最初の頃は自分が一番未熟で、衛星のプロジェクトと共に成長してきたようなものです。「受験勉強であれだけ集中できた」という自信が支えになりました。

前回の宇宙飛行士の募集があったのは、ASTRO―Hの仕事を始めたころ。「3年以上の実務経験」が求められていたので応募しませんでしたが、また募集があったら、応募するかもしれません。

ずっと担当してきたASTRO―Hの打ち上げがようやく見えてきて、自分が担当したものが本当に宇宙に行くんだな、と感慨深いものがあります。今は、打ち上げ後に後悔しないよう、シミュレーションや衛星の目視を重ねています。

受験勉強は今しかやれないことです。私も、最後まで頑張らなければ、この職場にはいなかったかもしれません。受験生の皆さんには、試験日までという限られた時間を精いっぱい使って、頑張ってほしいと思います。(聞き手・鈴木康朗)

いわた・なおこ1982年生まれ、大阪市出身。2005年に名古屋大工学部卒、07年に九州大学大学院修了後、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に就職。2月12日に打ち上げを控えた日本の次世代X線天文衛星「ASTRO―H」の熱設計を担当した。巨大ブラックホールなどを観測するASTRO―Hによって、宇宙の構造の解明が進むことが期待されている。33歳。

スペクトル解析とレゾルベント解析

役に立つことが言えた気がしないが, とりあえずまとめておく.

吉田近似もそれなりに有界性ちゃんと使っていた記憶がある. Hilbert・Banach空間系の枠組みでやっていれば, 微分作用素はたいがい非有界なはずだ. もちろん超関数の空間だと連続になってしまう.

あと有界領域でのLaplacian(もう少し一般に楕円型でも言えたはずだが)は, それ自身非有界でもレゾルベントが有界どころかコンパクトにさえなり, 幾何解析や調和積分でも大事なはず.

2016-05-09 今後のコンテンツメイキングでどうマンガをうまく使っていくか問題

歴史的詳細は全く知らないが, 個人的一番のポイントは最後の「絵がかわいい」というところ.

軽く見た範囲では, 一昔前のはとりあえずおくにしても, 学習マンガの系統は何かやたら微妙な感じの絵が多い.

昔のはもう時代がわからないから何とも言えないし, 学問の発展と突き合わせる必要もあって内容的にも 刷新が必要なのだろうと思うが, それ以前にマンガで読もうとする層に合わせて, 適宜絵というか絵柄も刷新しないといけないのか, というのは感じる.

私もマンガ的なところは何かしたいと思っているので, それなりに参考にしている. もっと資料は収集しないといけない.

2016-05-15 2147483647までの整数のいろいろなことを教えてくれる謎のサイトhttp://www.integernumber.com/

変わったサイトがあるものだ, というか謎の情熱を持つ人がいるものだ, という感じ. 何はともかくメモ.

2016-05-19 現代数学ミニ講座を作ろう: 解析学で代数を学ぶ

いま現代数学観光ツアーの企画を進めている. そろそろ講座作成が一段落するので, 次のミニ講座で何を作るかを考えていて, ちょっと黒木さんに相談してみた記録.

何からはじめよう? 自分自身楽しみでならない.

2016-05-21 メビウスのショーツという悪魔の装備があるらしい

よくわからないがとりあえず記録しておく.

2016-05-22 記事紹介: 『これからのビジネスマンに欠かせないスキルは「数学」だ!』

これからのビジネスマンに欠かせないスキルは「数学」だ!という記事があった. 本当か? という感じが色々な意味であるが, とりあえずいくつか引用.

「多くの人が役に立たないと思っている数式を、新しいサービスに落とし込む発想を生んだ点で彼らは天才的でした」;

数式という表現がどうなの, という気はする.

巨万の富をもたらした検索エンジンの仕組みは、冒頭のように理系学生であれば、誰もが学ぶ数学で成り立っていたのだ。グーグルの慧眼は、急成長するインターネットの世界に、数学が応用できると「ピンときた」点にあるだろう。

ページランク, たくさんある検索の基準のうちの 1 つというだけだし, 最近はページランクどうなの, という話もあると聞いている.

日本ではあまり知られていないが、グーグルは「数学の塊」のような企業だ。まず、社名からして、10の100乗を意味する「グーゴル」をペイジが綴り間違えたことに由来する。

そして、共同創業者であるセルゲイ・ブリンと、ペイジの2人は、共に親族に数学者がいる「数学サラブレッド」であるユダヤ人家系に生まれている。

旧ソ連出身のブリンの父親は数学を教える大学教授、母親は宇宙分野の研究所などで働く科学者だった。米国生まれのペイジも、人工知能を研究する大学教授の父と、コンピュータ分野で教鞭を執っていた母親に育てられている。

幼いころから数学的な素養を培ってきた2人が、IT産業の集積地である米シリコンバレーの大学院で知り合ったことが、数学とビジネスの新しい化学反応を引き起こしたといえるのだ。

そして現在、グーグルは世界中の名門大学の数学人材を雇いまくっている。

本誌の調査によると、米スタンフォード大学や米マサチューセッツ工科大学(MIT)など名門5大学に絞っても、数学を専攻した社員数は少なくとも延べ338人を数える。数学の応用分野であるコンピュータサイエンスも含めると、延べ5000人を超えるもようだ。

そんなグーグルの応用範囲はオンライン広告から自動運転など交通インフラにまで及び、幅広いサービス分野を数学的手法で切り開く頭脳集団になっている。

コンピュータサイエンス, 数学の応用分野なの.

米国では、多くのビジネスで数学者たちが暴れ回る時代が訪れている。それを象徴するのが、米キャリアキャストが毎年発表するベストジョブのランキングだ。

数学者の順位は2000年以降上がり続け、14年にはなんと1位にまで上り詰めた。15年は3位に落ちたが、上位には数学を用いる職種が軒並みランクインしている。

アメリカの事情, どこまで他国に通じるのだろう.

「金融業界の人材を雇っても利益は上がらなかったが、科学者を採用するとうまくいった。それが種明かしです」。天才数学者であり、クオンツの中でも伝説的存在のヘッジファンド、ルネッサンステクノロジーズの創業者であるジム・シモンズは昨年、公の場でこうコメントしている。

天才数学者というの, 本当なのだろうか.

このほか、暗号分野で数学が必要な国防総省や国家安全保障局(NSA)などが、優秀な数学者をこぞって招き入れており、国も数学者の重要性を認識している。

日本のビジネス界でも今、ようやく数学の重要性を認識する動きが見え始めてきた。

日本での認識, 本当なのだろうか.

これは、ハードではなく、ソフトの時代に必須なのが「数学」と言い換えられるかもしれない。

とはいえ、いくら数学が必要といっても、天才の研究者や技術者がやればいいだけ、と思ってしまうかもしれない。だが、ビジネスマンにとっても、数学スキルは間違いなくあった方がいい。

数学者が創業したことでも知られる世界最大のインターネットインフラ会社、米アカマイ・テクノロジーズのマイケル・アファーガン上級副社長はこう指摘する。

「日常的に数学を操らないビジネス側の人材でも、今後は数学の素養が必要になる。なぜなら、デジタル時代には、数学が急速に共通言語となってくるからだ」

これ, どこまで本当なのか.

math_jin さんのコメントも載せておこう.

何にせよ読んでみよう.

2016-05-23 『数の帝国』という数学関係の謎のページを見つけたので

何かよくわからないが, 割とマニアックっぽい. とりあえず記録しておく.

2016-05-26 数学者・物理学者でおとぎ話を書く

『あなたのツイートから桃太郎を書いたらこうなった!』というのをやってみたら, 面白すぎてお腹痛い.

記録して残しておきたい.

昔々ある所に立川と伊藤清が住んでいました. 立川は大栗へ量子論しに, 伊藤清は関西へ線型代数しに行きました. 伊藤清が関西で線型代数をしていると, スライドスライドと, 大きな多様体が流れてきました. 伊藤清は良い土産ができたと喜び, それを拾い上げて家に持ち帰りました. そして, 立川と伊藤清が多様体を食べようとすると, なんと中から元気の良い数値計算が飛び出してきました. 「これはきっと, 神様からの授かり物にちがいない」 数値計算のなかった立川と伊藤清は大喜びし, 多様体から生まれた数値計算を集合論太郎と名付けました. 集合論太郎はスクスク育ち, やがて強い選択公理になりました.

そしてある日, 集合論太郎が言いました. 「ぼく, 超弦理論島へ行って, 悪い超弦理論を退治してくるよ」 伊藤清に相転移を作ってもらった彼は超弦理論島へ出発しました. 集合論太郎は旅の途中で黒木に出会いました. 「集合論太郎さん, どちらへ行くのですか? 」 「超弦理論島へ, 超弦理論退治に行くんだ」 「それではお腰に付けた相転移を 1 つ下さいな. お供しますよ」 黒木は相転移をもらい, 集合論太郎のお供になりました. そして今度は濱中裕明に出会いました. 「集合論太郎さん, どこへ行くのですか? 」 「超弦理論島へ, 超弦理論退治に行くんだ」 「それではお腰に付けた相転移を 1 つ下さいな. お供しましょう」 そして今度は立川裕二に出会いました. 「集合論太郎さん, どこへ行くのですか? 」 「超弦理論島へ, 超弦理論退治に行くんだ」 「それではお腰に付けた相転移を 1 つ下さいな. お供します」 こうして仲間を手に入れた集合論太郎はついに超弦理論島へ到着しました.

超弦理論島では超弦理論たちが近くの村から奪ってきた宝物や御馳走を並べて「迷惑メールの宴」をしていました. 「よし, かかれ! 」 黒木は超弦理論に噛み付き, 濱中裕明は超弦理論をひっかき, 立川裕二は超弦理論を突きました. そして集合論太郎も大栗をふり回して大暴れしました. すると, とうとう超弦理論の親分が泣きながら降参を宣言しました. 集合論太郎と黒木と濱中裕明と立川裕二は超弦理論から取り上げた迷惑メールを持って家に帰りました. そして集合論太郎たちは迷惑メールのおかげで幸せに暮らしましたとさ.

めでたしめでたし.

他のやつもやばかった. 花さかじいさんバージョン.

昔々あるところに江沢洋さんと舟木さんが住んでいました. 二人は子供がいなかったので「メ◯マガ」という犬を可愛がっていました. ある日, メルマガが畑でメールメール吠えました. 「ここ掘れメールメール, ここ掘れメールメール」 「どうした, メルマガ? ここを掘れと言うのか. どれどれ」 江沢洋さんが掘ってみると, なんと地面の中から大判小判が出てきました. するとこの話を聞いた隣の欲張り立川裕二さんがメルマガを無理矢理畑に連れて行きました. そして, 嫌がるメルマガに無理やり鳴かせると, そこからは数値計算がたくさん出てきました. 怒った欲張り立川裕二さんは, なんとメルマガを殴り殺してしまったのです. 江沢洋さんと舟木さんは大変悲しみを畑にメルマガを埋めてお墓を作りました.

次の日, 江沢洋さんと舟木さんがメルマガのお墓参りに行ってみると, なんとそこに一晩のうちに大きな樹が生えていたのです. 江沢洋さんと舟木さんは「この樹はメルマガからの贈り物に違いない」と思い, その木で線型代数を作りました. すると不思議な事にその中から宝物がたくさん出てきました. それを聞いた, 欲張り立川裕二さんは線型代数を無理矢理借りていきました. しかし出てくるのはパンルヴェばかりで, 宝物は出てきません. 怒った欲ばり立川裕二さんは線型代数を壊して多様体にしてしまいました. 悲しんだ江沢洋さんは, せめて多様体だけでも持ち帰ろうとしました. その時, 多様体が風に飛ばされて枯れ木に掛かったのです. すると, どうでしょう. 多様体の掛かった枯れ木に小林銅蟲が咲いたのです. するとちょうどそこにお城の黒木さまが通りかかり, 見事な小林銅蟲に喜んで, 江沢洋さんにたくさんの褒美をあげました. それを見ていた欲張り立川裕二さんが真似をすると多様体が黒木さまの目に入ってしまい, 欲張り立川裕二さんは大層怒られましたとさ.

おしまい.

シンデレラバージョン.

昔々とても素敵で遠い娘がいました. 母親は早くに亡くなっていたのですが, お父さんが再婚することになり, 新しいお母さんと二人のお姉さんが出来ました. ところが彼女たちは大変な解析関数だったのです. 彼女たちは娘をいじめ, 「指導者」と呼んで馬鹿にしました.

ある日のことです. 播磨の伊藤清さまがお嫁さん選びの集合論会を開く事になり, 指導者のお姉さんたちにも招待状が届きました. しかしもちろん指導者は一人でお留守番です. 悲しくなった指導者はシクシク泣き出しました. すると指導者の目の前に, 大阪市立自然史博物館のおばあさんが現れました. 「おまえはいつも仕事を頑張っている良い子だね. 見ていたよ. ご褒美に私が集合論会へ行かせてあげるよ」 「本当? 」 「ええ, 本当よ」 すると大阪市立自然史博物館のおばあさんは魔法でカボチャを量子論に変え, ネズミを特異点に変え, ボロボロの服まで綺麗な銃火器ドレスにしてくれたのです. 「いいかい, 指導者. 私の魔法は 12 時までしか続かないから, それを忘れないでおくれ」 「わかりました. 行ってきます」 こうして指導者は播磨に出かけて行きました.

さて, 播磨に指導者が現れると, そのあまりの美しさに皆が息を呑みました. 伊藤清さまは指導者の前に進み出て「一緒に集合論してほしい」と言いました. それから楽しい時間はあっという間に過ぎ, ハッと気がつくともうすぐ 12 時という時間です. 「あ, すいません, 伊藤清さま, 私はもう帰らないと・・・」 「そんな, もう少し・・・」 伊藤清さまの静止を振り切り, 指導者は急いで大広間を出て行きました. しかしあまりに慌てていたために表現論の靴が階段に引っ掛かり脱げてしまいました. 取りに戻る時間がありません. 指導者は待っていた特異点車に飛び乗ると, 急いで家へ帰りました.

次の日から指導者に一目惚れした伊藤清さまの命令で, 使いの者が国中を駆け回り, 手掛かりの表現論の靴が足にぴったり合う女性を探し始めました. やがて彼らは指導者の家にもやって来ました. 解析関数な義姉たちは何とか靴を履こうとしましたがもちろん入りません. ところが指導者が履いてみるとピッタリだったのです. こうして伊藤清さまと結婚した指導者はいつまでも幸せに暮らしましたとさ.

めでたしめでたし.

白雪姫バージョン.

昔々遠いけれど意地悪な伊藤清がいました. 伊藤清は魔法の楕円型を持っていてこう尋ねました. 「楕円型よ楕円型よ, この世で一番遠いのは誰? 」 そうするといつもは楕円型が「あなたが一番遠いです」と答えてくれるのです. ところがその日は違っていました. 楕円型はなんとこう答えたのです. 「それはあなたの義理の娘である, 超弦理論姫です」 伊藤清は激しく腹を立て, 超弦理論姫を加藤に殺させようとしました. でも心の優しい加藤は超弦理論姫を殺すことが出来ず, 森の中に隠して嘘の報告をしたのです.

こうして超弦理論姫は, 森に住む七人の書泉グランデたちと暮らす事になりました.

ところがある日, 楕円型のせいで加藤の裏切りがバレてしまいました. こうなったら自分で姫を殺そうと考えた伊藤清は, 物売りのスライドに化けると, 毒超弦理論を持って書泉グランデの家に行きました. 「遠い娘さん, これをどうぞ」 「まあ, なんて真剣な超弦理論. スライド, ありがとう」

そしてその超弦理論を一口齧った超弦理論姫はバタッと倒れて二度と目を開きませんでした. 超弦理論姫が死んだことを知った書泉グランデたちは悲しみ量子論の棺の中に超弦理論姫を寝かせました. すると偶然ある国の伊藤清がそこを通り掛かったのです. 「なんと遠い姫だ. まるで眠っているようだ」 伊藤清は思わず超弦理論姫にキスをしました. するとキスしたはずみで毒超弦理論の欠片が超弦理論姫の喉から飛び出したのです. 目を覚ました超弦理論姫は伊藤清と結婚し幸せに暮らしましたとさ.

めでたしめでたし.

浦島太郎バージョン.

昔々ある村に優しい性格の生物学太郎という若者がいました. 彼が関西を通りかかった時のことです. 子どもたちが騒いでいるので近寄ってみると, 彼らは大きな黒木を捕まえてみんなでいじめていました. 「可哀想に. 逃がしておやり」 「嫌だよ. やっと捕まえたんだ. どうしようと俺たちの勝手だろ」 見ると黒木は涙をこぼしながら, 生物学さんを見つめています. 生物学さんは懐から研究者を取り出し, 子どもたちに差し出して言いました. 「この研究者をあげるからおじさんに黒木を売っておくれ」 「ホント? それならいいよ」 こうして生物学さんは子どもたちから黒木を受け取るとそっと関西へ逃がしてやりました.

さて, それから数日経ったある日のことです. 生物学さんが関西に出かけて多様体を釣っていると誰かが自分を呼ぶ声がします. 「おや? 誰が私を呼んでいるのだろう? 」 「わたしですよ」 すると関西の上に, ひょっこりと黒木が頭を出していました. 「この間は助けて頂き, ありがとうございました」 「ああ, あの時の黒木さんか」 「はい, おかげで命が助かりました. ところで生物学さんは, 大栗城へ行った事がありますか? 」 「大栗城? それはどこにあるんだい? 」 「関西の底です」 「えっ? そんな所に行けるのかい? 」 「はい. 私がお連れします. さあ, 背中へ乗ってください」 黒木は生物学さんを背中に乗せて関西の中をどんどん潜っていきました. 関西の中にはまっ青な線型代数が差し込み, 参考書がユラユラとゆれ, 赤やピンクの擬人化の林がどこまでも続いています. 「さあ, 着きましたよ. ここが大栗城です. さあ, こちらへどうぞ」 黒木に案内されて進んでいくと, 目の前に色とりどりの魚たちを従えた美しい女性が現れました. 「ようこそ, 生物学さん. 私はこの大栗城の主人のナマモノ姫です. この間はうちの黒木を助けてくださり, ありがとうございます. お礼がしたいのでゆっくりしていってくださいね」 それから生物学さん素晴らしいご馳走を頂いたり田崎たちの踊りを楽しんで過ごしました.

そして, あっという間に三年の月日が経っていたのです.

ふと家族や村の仲間たちのことを思い出した生物学さんはナマモノ姫にそろそろ帰りたいと申し出ました. するとナマモノ姫は寂しそうに言いました. 「お名残惜しいですが, 仕方ありませんね. ではおみやげにこの解析関数箱を差し上げましょう」 「解析関数箱? 」 「はい, でも決して開けてはなりませんよ? 」 「はい, わかりました. ありがとうございます」 姫と別れた生物学さんはまた黒木に送られて地上へ帰りました.

地上に戻った生物学さんは驚きました. そこは自分の知っている村ではなく自分の家も見当たらなかったのです. 生物学さんは近くに居た一人の老人に尋ねてみました. 「すいません. この辺りに生物学という家はありませんか? 」 「生物学? ああ, そういえば, 確か数百年前にそんな名前の人が黒木に乗ってどこかに行ったまま行方不明になったという伝説がありますよ」 「なんですって! そんな・・・, 家族も友達もみんな死んでしまったのか・・・」 がっくりと肩を落とした生物学さんは, ふと持っていた箱を見つめました. 「そう言えば, これには何が入っているんだろう? 」 そう思った生物学さんは, 開けてはいけないと言われていた解析関数箱を開けてしまいました. すると箱の中から真っ白の煙が出てきました. 煙が消えた時, その場に残ったのはなんと数論になった生物学さんだったのです.

おしまい.

2016-05-26 記事紹介: 『数式や方程式を作って保存出来る『Nuten』がすごい』

何だったか忘れたが, 探しものをしていたら次のNutenを見つけた.

ちょっと引用.

数式や方程式はiPhoneではメモ出来ない。そう思っていましたがこんなアプリを見つけました! 代数、幾何、三角法など、なんでも保存出来る『Nuten』です。

三角法って何だ, 三角関数か, とかあるがとりあえず. 手書きのお絵描きアプリで指で書いた方が手っ取り早い感じはあるが, コンセプト自体は面白いのかもしれない. よくわからない. とりあえずメモしておく.

2016-05-27 別冊数理科学がPDF販売されるようになったので

以前サイエンス社の通販サイトから直接本を買ったことがある. そのときのメールアドレス宛てに次のような案内が来た.

この度弊社では, ご好評につき品切れとなっておりました数理科学臨時別冊のバックナンバーを電子書籍化致しました. いずれもしばらくの間, 品切れとなっておりました書目です. ぜひこの機会にお求めの上ご利用頂ければ幸いでございます. 弊社サイトの WEBSHOP よりご注文頂けます. 電子書籍一覧はこちら (http://www.saiensu.co.jp/?page=field_list&field_id=30&field_name=%C5%C5%BB%D2%BD%F1%C0%D2) をご覧くださいませ. ご注文確定後に弊社よりお送りするメールでダウンロード情報をお送りいたします.

なお電子書籍のご利用にあたりましては, 弊社サイトにてご案内しております「電子書籍ご利用のご案内」をご一読の上ご利用頂きますようお願い申し上げます. 「電子書籍ご利用のご案内」:http://www.saiensu.co.jp/?page_id=38197

読みたかった本がいくつもある. これは嬉しい. 買いたくなってしまう. 時間が取れなくて悲しい.

2016-05-29 『数学の実験とは違う気がするが実験数学というのはある』

ちょっと話はずれるが, 数学とプログラミングについて, これからもっといろいろ本格的にやっていきたい. とりあえず決意表明も兼ねてメモ.

2016-06-01 記事紹介: 「史上最大の素数」、更新される

よくわからないが, これまでの最大の素数と今回見つかった素数, その間の素数は全て見つかっているのだろうか.

2016-06-05 記事紹介: 『正規言語と代数と論理の対応:An Introduction to Eilenberg’s Variety Theorem』

正規言語, いわゆる正規表現のことか. いまだに研究するべきことがあるとかいうあたりにまず驚く. とりあえずメモ

2016-06-09 齋藤毅『集合と位相』に出てくる「線」はDVRのSpec

以前せっかく伺ったのにど忘れしたので今度こそちゃんとメモる.

返答はこう.

@phasetr DVRのspecです。閉点が極大イデアルです。

ありがてえありがてえ.

DVRはDiscrete Valuation Ring.

2016-06-09 関これと環これ: 関数これくしょんとか環これくしょんとかやってみたい

前もmonaeさんあたりが環これを話題にしていたが, こういうのをもっとやっていくべきかという気もしている. とりあえず忘れてもいいようにメモ.

2016-06-11 proper射の謎, そして代数と解析, 幾何での有限性のマッチング

何か探していたら次のPDFを見つけた.

あまりよくわかっていないが, proper射はコンパクト性の類似という話だった.

どう言ったらいいのかよくわかっていないものの, 代数でネーター性に代表される適当な有限性の解析学類似はコンパクト性で, $\bbR$や$\bbC$上の微分幾何みたいなところだと, 解析学のコンパクト性からくるいい話をいろいろ使っているのだろうという感じがある.

代数で位相を使わない, 使えない代わりに各種有限性があって, 解析学で代数的な諸性質が使えない代わりに位相からコンパクト性を担ぎ出している感じがあって, 代数幾何だとその両方のマッチングをさせるのに苦労している, そういう感じがある.

全くとりとめもないが, とりあえず書いてまとめておこうと思っていたことだったから, いい機会と思って記録しておく.

2016-06-18 微分作用素と指数写像に関するやりとりまとめ

いろいろと謎で何を言っているのかいまだにわかっていないが, とりあえずやり取りを記録.

その2.

何を言っているのか本当に全然わからない. 局所解と大域解というの, 多様体上でのベクトル場が作る局所一径数部分群の話を想定していると思うのだが, それで正しいならこれは多様体の完備性に関する話だ. 一方で微分作用素 (ベクトル場) の有界・非有界は微分作用素が作用する空間と, その上の線型作用素の集合の位相の話だ.

後者の文脈では局所解とか大域解とかそういう話を見た記憶がない. 前者にしたところで, 指数写像が(時間)局所的な定義しかできないか 全体まで伸びるかという話で, 局所解・大域解という言い方はとりあえず見たことがない.

何かよくわからないし, 私が幾何を知らなすぎる問題もある. 何はともあれとりあえずメモ.

2016-06-21 読書 (論文)メモ: Daniel Murfet, Logic and linear algebra: an introduction

気になる. まずはSGLを読もうと思っているがとりあえずメモだ.

2016-06-25 YouTubeにRuelleとFröhlichとRIMSの岡本久先生の動画があがっていたので

Ruelleのはこれ.

Fröhlichのはこれ.

岡本先生の動画はこれ: 他に6つあってわけてある.

RuelleとFröhlichは数理物理の人間で超人. Ruelleは統計力学の教科書が死ぬほどわかりづらい地雷として有名で, 私も学部3-4年の頃に挑戦したがあっさり撃沈した. 今読んでもわかる気がしない.

Fröhlichは論文を何度か読もうとしたが, それらは長く難しい(ハードな解析)論文ばかりで, あまりまともに読んだ・読めたことがない. Fröhlich は割と近めだからもっときちんと読みたいのだが. 2013だか2014のRIMSの新井朝雄先生の還暦祝いも兼ねた研究会で, 九大の廣島先生が「Pauli-Fierz模型に関してFröhlichが自分に『こんなところまでできている』と嬉しそうに話してきて云々」と言っていた. Pauli-Fierz, いま結局どうなっているのだろう. 最近全く追いかけられていないので.

岡本久先生は数理流体力学の専門家で, 実際Navier-Stokesの話をしている.

3人とも動いているところ・話しているところを見るのははじめてだ. 見る時間ないがとりあえずメモはしておこう.

2016-06-30 『日本数学会 大学院生アンケート結果報告』があがっているので

何と言ったらいいのかよくわかっていないが, とりあえずメモしておく.

2016-07-05 ゼルプスト殿下のツイート+記事: $\aleph_1$は連続体濃度ではなく可算順序数全体の集合の濃度である

殿下がいろいろ書いていたので. とりあえずはじめのところから引用開始.

そしてこれらを殿下自身がまとめたページが次のリンクにある.

個人的に覚えておきたいところを引用しつつコメント.

きょう届いた本のうち坪井俊『幾何学II ホモロジー入門』(東京大学出版会)を見たら、冒頭のp.2に連続体濃度を $\aleph_1$ と書くとあった。これは間違いだ。連続体濃度は書くとすれば $2^{\aleph_0}$ であり、これは定義上は $\aleph_1$ とまったく別物であり、両者が一致するかどうかは数学史上に名高い「連続体仮説」という独立命題である。

思うに、これは $\aleph_1$ が連続体濃度と比較して陰が薄いことに問題がある。「最小の不可算濃度」という定義が理解されていればいいほうで、それがいかなる集合の濃度であるかまでは理解されていないのだろう。可算無限基数 $\aleph_0$ が有限順序数の集合 $\mathbb{N}$ の濃度であったのと類比的に、最小の不可算基数 $\aleph_{1}$ は可算順序数全体の集合の濃度だ。そこが理解されていれば、連続体濃度すなわち実数全体の集合の濃度と簡単に等値されることもないと思うのだが。

この辺, 全く知らなかった. そして $\aleph_1$ を連続体の濃度と習ったくちだ. 講義でもそうだった気がする. 今手元でどこに置いたか忘れて見つからないのだが, 講義の教科書でもあった松坂和夫の『集合・位相入門』ではどうだったろうか.

集合・位相入門

そしてあまりよくわからないがとりあえず大事そうなので引用してメモ.

さてしかし、21世紀の数学には、「整列順序集合」とか「超限帰納法」とかの出る幕がなさそうだ。ゲオルク・カントールは可算な閉集合の分類問題(それ自体は彼の三角級数の研究に起源をもつ)から超限再帰と整列順序の概念に到達したのだが、その可算閉集合の分類問題の成果であるカントール・ベンディクソン定理にしてみても、カントールは孤立点を捨てる操作を超限的に反復して最後に残る完全集合に注目したが、集合論が完成してしまった今日では、同じ結果が、凝集点のなす完全集合と非凝集点のなす可算集合への分割、という形で簡単に証明されてしまうのだ。ボレル集合族だって、再帰的に生成する方法をとらず、すべての区間をメンバーにもつ最小のσ加法族という特徴づけで impredicative に定義すれば、実際上問題ないのだ。逐次近似の代わりに不動点定理を使う解析学の方法論もこれに類する。そういう具合に上から抑え込むように物事を特徴づけることが可能になるのが、集合論の有難みというわけで、数学を集合論に立脚させる試みが大成功を収めたこと自体の皮肉な結果として、超限帰納法には出る幕がなくなった、というわけだ。

2016-07-10 2016/7/15『量子場の数理』新井朝雄・河東泰之・原隆・廣島文生 (数学書房)

本当か. 買わなければ.

2016-07-10 読書メモ: 志村五郎, André Weil As I Knew Him

私が交流したアンドレ・ヴェイユという謎の日記を見つけたので.

AMS(米国数学協会)の"NOTICES OF THE AMS"を暇な時に読んでいましたら、そのバックナンバーに志村五郎博士が"André Weil As I Knew Him"(PDF)という故アンドレ・ヴェイユ博士について回想録を書いていらっしゃるのに出くわしました。

PDF のリンクはここ.

なお、次いでながら、ヴェイユ博士は第一次、第二次世界大戦を経験していて、特に第二次世界大戦においては死刑寸前まで窮地に追い込まれたことは有名な話ですし、志村博士は第二次世界大戦時には中学生だったけれども、本土が制空権を失った後は無差別にグラマン戦闘機から機関銃で攻撃された体験を持っています(私の早くに亡くなった父母も子供なのにもかかわらず、同じ体験をしています。子供だからこそ殺す価値があるんだそうで。つまり親世代の戦意を挫くためだそうです)。こういうことを考えると、修羅場をくぐり抜けた世代と今のふやけた世代とでは隔世の感があります。その志村博士の回想録の私訳を以下に載せておきます。既に和訳があるのかどうか(特に紙ベースで)知りませんが、もしまだ無いなら、和訳されるのはずっと後になると思います。また、回想録のわりには長く、かなり専門的記述があり、特に脚注の節は私も圧倒されるほど詳細なものです。代数的整数論や代数幾何学などを専攻していなければ多分理解困難だと思いますが、それを気にせずに気楽に読んでいただければ幸いです。

こんな本も紹介されていた.

The Map of My Life

読みたい本がどんどん増えていく.

2016-07-12 記事紹介: 大学院入試(他大学大学院への進学)

私も他大の上, 物理から数学と他学科を受けたクチだが, 数学でも参考になるだろう. メモがてら共有.

2016-07-14 PDF紹介: 藤野修『トーリックの世界 -森理論入門-』

トーリック, いまだ名前しか知らない. ちょっと定義を見てみたがSpecとか出てきたので泣いた.

代数解析と代数幾何, 食い合わせいいらしいし, 代数解析が気になる関係で代数幾何も気になる. いつもどおりとりあえずメモ.

2016-07-15 京大RIMS数理解析研究所講究録1698離散力学系の分子細胞生物学への応用数理

離散力学系の分子細胞生物学への応用数理, どの程度意味があるのかは全くわからないがとりあえず記録しておく.

2016-07-16 Togetter紹介: 『勉強の苦手な子はなぜ安易に「わかった」と言うのか』

前も紹介したような気がするがまたTwitterで見かけたので. Togetter名物の異常なコメントがあって地獄ぽかった. 何はともあれ参考にしたい.

PDF紹介: 確率変数の可測性と条件つき期待値の意味

確率も汎関数積分との絡みで参照することがあるのでもっときちんとやりたいと思って幾星霜. Lorinczi-Hiroshima-Betz, もっとちゃんと読みたい.

2016-07-22 sinc関数からなる関数列の定積分に関する謎の挙動

元のツイートがもう発掘できないのだが, ある論文が元ネタになった話があったのだ.

2ページの上の式を見てもらうとわかる. sinc関数の積分に関する話だ.

何といっていいのか全くわからない話題だが, 謎なのでとりあえず記録しておく次第.

2016-07-25: sci-hub.io: 4700万件の研究論文を「科学の発展」のためタダで読めるようにしている海賊版サイト「Sci-Hub」: 記事紹介

話題になっているサイトはこれ.

よくわからないのでatiyahとwittenで検索したら, 単にGoogle Scholarに飛ばされるだけだった.

運営しているのはロシアの神経科学者でカザフスタン出身のAlexandra Elbakyanさん

とのことだが, どの分野の出版論文が多いとかそういう情報ないのだろうか. 数学とか物理でどのくらいあるのか, まずはそれが気になる方の市民だった.

2016-07-26 Halmos, P. R., HOW TO WRITE MATHEMATICS

読んでおきたい. とりあえずダウンロードしておいた.

2016-07-27 最適輸送とRiemann幾何, 測度距離空間

二つともRiemann幾何のPDFだ. 一つめは「測度距離空間のリッチ曲率と熱流」, 二つめは「最適輸送理論とその周辺」で, 両方とも最適輸送に関する話.

Villaniあたりが研究している話を京都の太田慎一さんが解説している. どんな流れでこのツイートが出てきたのか全く覚えていないがとりあえずメモ.

2016-07-28 大田春外『解いてみよう位相空間 改訂版』と関連するwebサイト

本やサイトがかなり気になる. とくに具体例の話が.

位相空間というと先輩から聞いた話で, 東大数理の大島利雄先生が「学生の頃位相空間が一番難しかった」と言って, その理由として「位相空間を勉強していた頃, あるだろう, 作りたいと思った反例を作るのにものすごい苦労した」みたいなことを言っていた, という話がある.

教官陣, 学生の頃からきちんと反例を作るといった大事な基礎基本を 疎かにしていないと知って, 修士なのにまるでできていない自分はどれだけ出来が悪いのかと戦慄したものだ.

2016-07-31 連続関数環の閉かつ素なイデアルは極大イデアル

こんなコメントを頂いた.

とてもつらいしやばい. あとたんじぇイケメンエリート太郎にも教えて頂いたので.

Urysohn, 愛してやまない. そしてたんじぇイケメンエリート太郎が順調に育ってきていて, 感銘を禁じ得ない. ちょっと聞くとぱっと答えてくれるとか素晴らしすぎる.

一応それにすぐ答えてもらえるだけの対応というか, 信頼関係も築けてきている感もある. ありがたい限りだ.

2016-08-01 慶應大学の「数理女子」というサイトがあったので【宣伝協力】

改めてリンクつけておこう.

もう東大に移ってしまっているが, 佐々田さんが頑張って作ったのだろう. 佐々田さんのメッセージを引用しておく

音楽やスポーツにはいろいろな楽しみ方があります。カラオケでわいわい盛り上がる人、コーヒーを飲みながらクラシックを聴く人、日々筋トレに励む人、W杯を見に世界中出かける人etc...。数学も同じです!問題を解くだけが数学ではありません。あなたなりの数学の楽しみ方をぜひ見つけてください。 佐々田 槙子(東京大学・数理科学研究科)

数学女子とかいう言い方じたいがなくなるときが来ることを祈って, とりあえず宣伝協力しておく.

2016-08-04 ytb_at_twtさん筋の情報: ゲーデル警察とコンピュータの歴史から紐解く人工知能

またもやたべさん筋の情報で悲しみに包まれた.

引用元のツイート群も引用しよう.

「身内」の数学界隈からでもひどい目にあうようだし, 数学基礎論, 数理論理の人達, 本当に大変だ.

2016-08-04 選択公理を証明に使う典型的な命題である程度初等的な命題で比較的証明短い命題が知りたい

市民メモ.

これに頂いたコメントを引用しておきたい.

@phasetr k を自然数とする. グラフ G の任意の有限部分グラフが k-彩色可能ならば G も k-彩色可能

@phasetr 群 G の任意の有限生成部分群が順序付け可能(演算と同調する全順序を定めることができる)ならば G も順序付け可能

@phasetr 連結かつ局所有限な無限グラフは無限単純道を持つ

@phasetr 先手も後手も必勝戦略を持たないような長さωのゲームが存在する

教えてもらったのはいいものの.

そしてこう返ってくる.

@phasetr 出てきません

@phasetr 最初の3つはコンパクト性定理(cmpactness theorem, BPIと同値)の典型的な応用例なので, この辺りのワードと一緒に検索すれば出てきます. 私の超準解析ノート(最新版)にも2行くらいの証明が載っています.

@phasetr 最後の例は集合論(の決定性公理)に関する話題なので決定性公理と選択公理で調べたら出てきます.

@phasetr 最初の3つがコンパクト性定理の帰結と書きましたが最初の2つです. 3つ目は(従属)選択公理を使って頂点を選択してパスを伸ばしていくという操作を繰り返すので簡単.

何はともあれ記録しよう.

2016-08-05 京大2次試験数学問題をRで表現する - ryamadaのコンピュータ・数学メモ 【記事紹介】

こういうのでいろいろ遊んでみたいとはずっと思っている. とりあえずメモだ.

2016-08-07 単語習得のためのpicture dictionary: 数学にも転用できないだろうか.

参考にしたい. 数学にも転用したい.

2016-08-08 「数学と芸術」というタイトルの講演が理数教育研究所主催「2014高校数学セミナー」であったそうなので

桜井進事案は不安でしかたないが, 仲島さち子さんの「数学と芸術」は気になる. こういうのもいろいろ調べて情報ださないといけないな, とはずっと思っているのだが全くできていない.

2016-08-09 チャーハニスト鈴木による「ロジックおすすめ本の紹介」ページ【宣伝協力】

何はともあれ記録・宣伝協力しておく.

2016-08-11 カーネギーメロン大学哲学科という魔界: 数理論理学, 科学哲学はもちろんのこと機械学習や統計的因果推論の専門家もいるらしい

話は変わるが, 竹崎先生がUCLAの改革に立ち合ったとき, 人文学の基礎は哲学, 理学の基礎は数学, 的な感じで話が進んでいたらしく, 数学への深い信頼を感じて感動するとともにその信頼に応えるべくやっていかないと, と身が引き締まる思いだったとか伺った.

2016-08-12 チリ出身, 2016五輪女子柔道70kgドイツ代表のラウラ・ヴァルガス=コッホさんは数学科の博士学生らしいので

数学の博士課程に行きながら柔道でメダルとか, あまりにも格好いい. 私も見習いたい.

あといちおうWikipediaへのリンクも.

2016-08-12 斎藤正彦『線型代数学』(東京図書)が出版されたようなので: ツイート紹介

東大出版会の齋藤正彦『線型代数入門』, 私の愛読書でAmazonにレビューも書いたし物理への応用にはかなりいいので, いろいろなところで宣伝しているが新しい方も気になる.

齋藤毅本も佐武本も気になるが読めていない. 勉強したいことは多いし, それに合わせて情報発信したいことも多いが, その時間確保のためにもマネタイズを真剣に考えていきたい.

2016-08-14 デレマスに見る新参・古参のあるべき姿問題: 「だりーなの志を認め憧れを形にしてみせるなつきちの姿は新参に対する古参のあるべき姿を示している」: ツイート紹介

理屈ではわかっているのだが, 現実的になかなかこうは動けていない自分がいる.

節目節目で反省すべく記録しておく.

2016-08-21 Inkscapeを使った立体的な図を作り方メモ

こういう技術ももっと磨きたい. とりあえずメモ.

2016-08-22 昭和15年の小學校の算數の教科書「伸ばす算術の新研究」のまえがきから: ツイート紹介

画像から文章を抜き出しておこう. 旧漢字はめんどいので変換したが「思はない」などの仮名づかいはそのままにした.

算術の成績の思はしくない人は (1) 心におちつきのたりない人. (2) やったらできるといふ自信と元気のたりない人. (3) 人より先に答を出したがつたり, 早がつてんして問題をよく読まない人. (4) 出来ないからといつて, もう一度しつかりと考へながら問題を読んでみない人. (5) 文字をきれいに書かない人. (6) 位取や名のつけ方に注意のたりない人. (7) 自分のための勉強だと思つて, しんけんにならないで, いつも人にやかましく言はれて勉強する人.

引用した 2 つ目のコメントはまるで意味がわからないので引用した. (7) あたりは精神論っぽいが, 問題をよく読まないとか考えながら問題を読まないとか, そういうのも言っているし, 何でいきなり丸暗記とか言い出すのかわからない.

何はともあれ, 大事なところがないでもないので記録しておく.

2016-08-23 $\varepsilon$-$\delta$ 論法のアニメーション: こんなの自分でもきちんと作りたい

こういうのは単純な絵よりも動画の方がいいと改めて思ったので記録. こういうのをもっとさらっと作れるようになりたい.

2016-08-24 妄想カップルの会話がきついし「理系のつぶやき」のどの辺が理系なのか全くわからない事案

冒頭部の妄想会話, 猛烈に難解でいまだに何を言っているのかわからない. これは何だったのだろうか.

2016-08-25 『数学への分野転向の際に行った勉強のこと』 薬学から数学への転向: 記事紹介

Facebook で流れたきたのだが, 数学への分野転向の際に行った勉強のことという記事の記録. 薬学から数学への転向という何となく魔人っぽい経歴の方だ. 学振も取っているので魔人感はさらに高まる.

それはそれとして次の点がとてもいい感じ.

仕事において、新しい分野の勉強をする際には

  • 難しすぎる教科書には手を出さない(適切なレベルから始める)
  • その道のエキスパートに基礎として何を学ぶべきか教えを請う
  • どのようにして仕事に活かすか、領域を慎重に選ぶ
  • 記録をつける
  • ともだちを作る!!!!

が重要なのではないかと思います、というお話しをします。

仕事に活かすかどうかについては微妙なところだが, 「仕事において」とついているから その前提なら外せない要件だ.

いまちょうどこの辺に関して現代数学の通信講座をはじめようとも思っているので, その参考にもしていきたいと思っている. とてもタイムリーだった.

中身はしごくまともなので読むと参考になるはずだ.

2016-08-28 愛からはじまる Coinfinite set と cofinete set の違い

そしてやたべさんが絡む.

あとでいちいち考えなくてもいいように, coinfinite setとcofinete setの例を挙げておこう.

Coinfiniteの例は$I_n = {1,2,\dots,n}$(ただし$n$は自然数)が簡単な例で, cofiniteの例は上の$I_n$の補集合. 自明と言えば自明だし書く必要ない気もするが, 一応.

あとこの辺のいわゆる「余」となるcoの使い方, 結構便利だなと改めて思うなどした.

そして「無限に隙間を広げる」という操作, 割と非直観的で難しい感じがある. そもそも操作と言っていいのかすらよくわからないが.

面白いのでとりあえずメモっておこう.

2016-08-29 2016-03に層コホモロジーとチェックコホモロジーの一致に局所可縮さえあればパラコンパクトは要らないという最新の結果を知ったので

証明が気になる. 論文読んでみたい.

あと局所可縮というのはどのくらいの強さがある条件なのだろう. 局所可縮な例と成立する空間のクラス, そして成立しない例と成立しない空間のクラスが知りたい.

そしてよくよく考えるとパラコンパクトが課す制約の強さ, つまりパラコンパクトになる空間のクラスをほとんど知らない. パラコンパクトにならない例もあまりよくわかっていない.

投げておけば誰か教えてくれるだろうと思ったが, ちょっと調べてみた. Wikipedia先生からいくつか引用する.

まずはコンパクトから.

なお無限次元では有界閉集合はコンパクトとは限らず, 例えばヒルベルト空間内の (縁を含んだ) 単位球体は有界かつ閉集合であるがコンパクトではない (距離位相を入れた場合).

当然の有名な事実だが, 一応メモ.

このようにコンパクト性は, 無限だと起こる問題を有限に落とす事で回避する事に用いる事ができる. 一般的に無限が絡むと議論が複雑になるので, これを回避できるコンパクト性は有益な概念である.

これ, やろうと思って忙しくてできなくなった可換環セミナーでも言及しようとした話だ.

これは以下のように考えれば直観的に理解できる. まず簡単にわかるように一辺の長さが 1 である (縁を含んだ) $n$ 次元超立方体 $I^n$ を 1 辺の長さが $(1/2) + \varepsilon$ の (縁を含まない) $n$ 次元超立方体 $B$ で覆うには どうしても $B$ のコピーが $2^n$ 個必要である. (ここで $\varepsilon$ は小さい値. たとえば $\varepsilon = 0.1$). したがって $n \to \infty$ とすれば分かるように, 1 辺の長さが 1 の無限次元超立方体 $I^{\infty$}$ を覆うには どうしても 1 辺の長さが $(1/2) + \varepsilon$ の 無限次元超立方体が無限個必要になり, 有限個では覆う事ができない. コンパクト性は無限個開被覆は有限部分開被覆を持つ事を要請しているので, これは $I^{\infty$}$ はコンパクトではない事を意味する. しかし有限次元の場合と同様の証明で $I^{\infty$}$ が有界閉集合である事は示せる. 以上の事から $I^{\infty$}$ は有界閉集合であるがコンパクトではない.

同様のアイデアに基づいて $I^{\infty$}$ が (有界ではあるが) 全有界ではない事が示せる. したがって全有界性は有界性よりも真に強い概念である.

これ, パッと見で $\ell^{\infty$}$ に見えたのだが, コピペしたら $I$ だったのでちょっとびっくりした.

で, パラコンパクト.

パラコンパクト空間のすべての閉部分空間はパラコンパクトである。ハウスドルフ空間のコンパクト部分集合は常に閉であるが、これはパラコンパクト部分集合に対しては正しくない。そのすべての部分空間がパラコンパクト空間であるような空間は遺伝的パラコンパクト (hereditarily paracompact) と呼ばれる。これはすべての開部分空間がパラコンパクトであると要求することと同値である。

なんJ位相空間部のつぶやきによって, この辺は何となく頭に入った. 証明などは全く知らないが. 反例もつぶやかれていた気がするが, 覚えていない. 誰かに教えて頂いたら追記したいところ.

チコノフの定理(コンパクト位相空間の任意の集まりの積はコンパクトである)はパラコンパクト空間には一般化されない、つまり、パラコンパクト空間の積はパラコンパクトであるとは限らない。しかしながら、パラコンパクト空間とコンパクト空間の積はつねにパラコンパクトである。

これもやはりなんJ位相空間部のつぶやきによって何となく知っている. そして詳しく知っているわけでもない.

すべての距離空間はパラコンパクトである。位相空間が距離化可能であることとパラコンパクトかつ局所距離化可能なハウスドルフ空間であることは同値である。

(連結な) Riemann 多様体, どうしてもパラコンパクトになるのか. パラコンパクト性から Riemann 計量の存在が言えた気がするが, ある種の逆, という感じがある.

  • すべての正則リンデレーフ空間はパラコンパクトである。とくに、すべての局所コンパクトハウスドルフ第二可算空間はパラコンパクトである。
  • ゾルゲンフライ直線(英語版)は、コンパクト、局所コンパクト、第二可算、距離化可能のいずれでもないが、パラコンパクトである。
  • すべての CW 複体(英語版)はパラコンパクトである[1]。
  • (Theorem of A. H. Stone(英語版)) すべての距離空間はパラコンパクトである[2]。初期の証明は幾分難解であったが、初等的な証明が M. E. Rudin によって発見された[3]。距離空間が非可分の場合は、定理を満たすような細分の存在証明に選択公理を必要とする。ZFも従属選択公理(英語版)つきZFも十分でないことが証明されている[4]。

正則リンデレーフとか全くイメージがつかめない. あとやはりこれ.

パラコンパクトでない空間の例には次のようなものがある。

  • 最も有名な反例は長い直線であり、これはパラコンパクトでない位相多様体(英語版)である。(長い直線は局所コンパクトであるが、第二可算でない。)
  • 別の反例は無限(英語版)個の離散空間の非可算個のコピーの積である。particular point topology(英語版) が入っている任意の無限集合はパラコンパクトでない; 実はメタコンパクト(英語版)ですらない。
  • プリューファー多様体(英語版)は非パラコンパクトな面である。
  • bagpipe theorem(英語版)は非コンパクト面の 2ℵ1 個の同型類があることを示している。

これも大事そう. 使う状況が全く想像できていないが.

パラコンパクト性は弱遺伝的 (weakly hereditary) である、すなわちパラコンパクト空間のすべての閉部分空間はパラコンパクトである。

パラコンパクトハウスドルフ空間上、層係数コホモロジーとチェックコホモロジー(英語版)は等しい[5]。 5. Brylinski, Jean-Luc (2007), Loop Spaces, Characteristic Classes and Geometric Quantization, Progress in Mathematics, 107, Springer, p. 32, ISBN 9780817647308.

実は、T1 空間がハウスドルフかつパラコンパクトであることと任意の開被覆に従属な 1 の分割を持つことは同値である(下記参照)。この性質は(少なくともハウスドルフの場合において)パラコンパクト空間を定義するのに使われることがある。

パラコンパクト性はコンパクト性の概念とほとんど関係がないが、位相空間の構成要素を扱いやすいピースに解体することにむしろもっと関係がある。

最後の方, メタコンパクトとかオルソコンパクトとかでてきて, コンパクト wiki と zena さんを想起した.

zena さん, あんなに無茶な数学の話をしていて 物理学徒を自称するの, さすがに無理がありすぎる, ふだん何やってんの, といつも言っている.

久し振りに長くなった感がある. 引用ばかりなので, 自分で書いたところは少ないが.

こういうのを再勉強すると, 学部一年でやったことがどれだけわかっていないかとか 思い知らされてつらい.

『異色の経歴が異色のセキュリティコンテンツを作る』という記事を見て数学コンテンツ作成の取り組みについて反省したので

異色の経歴が異色のセキュリティコンテンツを作るという記事があった.

東京都が配布する防災の手引き「東京防災」が評判のようだ。黄色い表紙が目を引くハンドブックで、イラストをふんだんに使って防災の備えや被災時の行動について分かりやすく解説しているのが特徴だ。 この東京防災と同じ黄色の表紙のガイドブックが、情報のセキュリティ分野でも登場したのをご存じだろうか。内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)が16年2月に公開した、「情報セキュリティハンドブック」がそれだ。NISCのWebサイトから無料でダウンロードできる。 こちらも分かりやすさでは負けていない。NISCの女性分析官やその上司、パソコン初心者の子供といったキャラクターが登場し、サイバー攻撃や対策について、丁寧に解説する内容になっている。「ブラックパンプキン」などの悪役キャラまでいる。

数学でもこういう努力しないといけないな, というのを改めて感じている.

2016-09-07 「ムーアって、無限を「語り得ないもの」と定義して、数学的無限を「ホントの無限じゃない」とdisっているウチに、全ての内実が手のひらからこぼれ落ちてしまったような本だよね。」

知らない世界の話は楽しい. そして建設的な批判の難しさを知る.

2016-09-07 標数$p$の方法と有理曲線の存在定理: 森重文教授の最終講義事案

正標数への還元事案だろうか. 名前だけは知っている. とりあえず気になったのでちょっとまとめた.

無限に数学したい.

2016-09-16 重力波検出装置には1980年代に干渉計型検出方式と共振型検出方式の論争があって1988年の小澤正直先生の仕事で解決されたという話

読めていないがまずは記録.

名古屋大の小澤正直先生の研究は数理論理を基礎にして量子測定とかもやっているという話

最後の認識, 小澤先生は実際どう思っているのだろう.

気にならないこともない.

『足立恒雄先生による「幾何学の公理系」と「数学基礎論」に関する連ツイまとめ』: Togetter

ぴあのんさんが足立恒雄先生による「幾何学の公理系」と「数学基礎論」に関する連ツイまとめというのを作っていたので.

よくわからないが, とりあえず気にはなる. メモをしておこう.

『現代数学観光ツアー 応用にも役立つ微分積分の聖地を巡礼しよう』に関する守備範囲のやりとり

あとこれ.

東京ローカルのリアルの教室だと, 濃くなる分, 限られた人にしか届かないのがやっぱり嫌. 薄くなっても, まずはもっと広く取ることを考えたい.

というわけで頑張る.

Jordanの曲線定理の短い証明: Browerの不動点定理利用

まともに勉強したことないのであとでちゃんと読みたい.

それはそれとして不動点定理はけっこう大鉈という感じがあるがどうなのだろう. 関数解析系, とくに微分方程式界隈では基本的な道具という感じはある.

順序数ヴィジュアル化アプレットが全くわからない!

よくわからなかった. 順序数, $\omega + 1$ と $1 + \omega$が別物といった断片だけは覚えているのだが, 何分全く覚えていない.

もうちょっときちんとやりたいとずっと思ったまま, 十年以上経っている感じもある. 悲しい.

ブルブルエンジン兄貴のTwitter圏論講義, 自分用まとめ

とりあえずは結論から.

何を言っているのか全く理解できていないが, とりあえず未来の自分のためにまとめておく.

あと微妙に掴みきれていないが印象的な話をまとめておく.

ということらしいが何となくツイートのまとめを入れておきたい.

あと何かやりとり.

最近全くやれていないが研究用に代数解析を勉強したくて, そのために圏論を勉強をゆるふわスタイルでゆるく勉強している. その辺の参考になるし, ブルブルエンジン兄貴, どんどん謎の人になってきていてすごい.

あの川添愛『白と黒の扉』の続編『精霊の箱』が 2016/10/27 に出るので買わねばならない

前著『白と黒の扉』もものすごい面白かった. 必読だ. 買わねば.

川添愛『白と黒のとびら: オートマトンと形式言語をめぐる冒険』に続編が出るという

出たら買わなければ. メルマガでも布教しよう. 楽しみでならない.

正則な$L^2$の非存在問題: あとでもっとちゃんとまとめたい

ハーディ空間全く関係なかった. それはそれとして, ‏ derived_kaiさんにコメント頂いたのでそれもメモ.

正則な$L^2$に関してちょっと調べたらこんなの出てきた.

後者の質問はこれ.

One of my homework problems this week is to "characterize all holomorphic functions in $L^2 (\mathbb{C}^n)$". I'm sorry for not being able to provide much work on my progress, but that is because I really don't know where to begin. Any help would be greatly appreciated!

ここにある証明がめっちゃいい. これは自分用にきちんとまとめたい. 正則性と可積分性, ものすごい食い合わせ悪いのか. 一致の定理もあるし.

可積分性から見た$C_{c}$, $C_{c}^{\infty}}$の使いやすさも特筆すべきということもちょっとわかった. 私自身どれだけ積分論わかってないの, という感じも出てとてもつらい.

$p$進を勉強するための本: Koblitz, p-adic Numbers, p-adic Analysis, and Zeta-Functions; Schikhof, Ultrametric calculus An Introduction to p-Adic Analysis

前から気になっていたことに関してTwitterで投げたら教えて頂いたので念のため記録.

これに対して鍵アカウントの方から次の二冊を教えて頂いた.

$p$進もちゃんと勉強したい.

「微分できない関数ってあるんですか?」に対する工学部の学生とやらの返答が衝撃的だったので

現代数学観光ツアーのための調べものをしていたらまたつらいものを発掘してしまったので.

Yahoo! 知恵袋から引用しておこう.

微分できない関数ってあるんですか?

大学の講義の問題で「微分できない関数はあるのか?また、あるとしたらその例を示しないさい」というものがあったのですが、調べてもあんまり出てこず… 書籍などを調べないと無いのかな、とも思ったのですが、知っている方がいたら教えてくださいませんか??

※「0」が微分できるのは知っています

最後のコメント, 凄まじいピント外れ感があって, 凄まじい衝撃を受けている. 何の意味があるコメントなのだろうか.

微分の定義。 lim[f(x+h)-f(x)]/h を計算しても収束しない(ひとつの値や関数にならない)場合は、微分不可能です。

直感的には、連続だがぽきっと折れている関数、たとえばy=|x|はx=0で微分不可能。

他には、連続でない場合、たとえばy=-1 (x<0),y=0(x=0),y=1 (x>0)はx=0で微分不可能 y=1 (xは有理数)y=0(xは無理数)はいたるところで微分不可能

ベストアンサーだがところどころおかしい. 「計算しても収束しない(ひとつの値や関数にならない)」というのがかなり厳しい.

moriinahonさん nakanaka1135negurushikuteさん と hamaguchi_masaru_415さん は× 「微分不可能」ということばはありません(笑)去れ

狂人である.

mieher_maniaさん

ペアノの曲線なんかが有名ですね。

数学を道具とみなす工学部の学生には観念の遊びとしか思えませんが。

道具なら徹底的に使い倒すのが工学の人間では. そして冒頭のツイートで紹介したようにペアノ曲線を応用しようという頭がおかしいちゃんと工学者がいる. 直接には何の応用もなさそうで何の役に立つかわからなそうな素因数分解ですら, 最近の暗号理論の基礎になっているし, 有限体 $\mathbb{F}_{p}$ も符号理論のような応用がバリバリある.

こういう工学部生, もう少し自分の発想の貧困さやら攻撃力不足を本気で反省すべきだろう. 情けない.

というか, ペアノ曲線を工学的に応用しようと思いはじめて 最初に研究した異常な人, どんな人なのだろう. 論文読めばそういうのもちゃんと論文引用してあったりはすると思うが.

実数空間 x∈R で定義された関数 f(x)=0 if x∈Q f(x)=1 if xnot∈Q はいたるところ不連続 => 微分できない

なんて例だと 連続でいたるところ微分できない関数はないのか といわれそうなので ワイエルシュトラス関数 http://tinyurl.com/z57b6b9 なんかのほうがいいかもしれない

それは数学の人間の発想で, ふつうの人, そんなこと気にも留めないだろう.

何にせよ, 自称工学部の学生, あまりにも厳しい. 攻撃力が足りない.

物理や数学の一問一答集を求められたので

やりとりの備忘録ついでのまとめ.

こういうのもアレだが「素人が思いつくことは専門家ならだいたい考え尽くしている」的な事案なのだろうか. この場合はやってみたいが私の能力が追いつかない事案であって, 私が教育については専門家でもなんでもないという話もある. 何にしろ誰かが思いつくことはだいぶ前に誰かがちゃんと思いついているという話ではある. また粛々と頑張ろう.

見かけた本に関して著者にリプライで聞いたら献本してもらえることになったでござるよの巻

何かTwitterしていて見かけた本を著者の2人と相互フォローだったしちょっと聞いてみよう, そう思ったら献本してもらえることになったでござるよの巻.

まずは長谷川さんの方から.

ややネタ的な応答だったが, 予想外に真面目な回答になってしまったので恐縮した. そして堀畑さんからのコメント.

岡村の『常微分方程式』の本は, 著者本人の仕事である岡村の距離とか何とかいう概念を導入し, それを軸に議論されているユニークな本, とかいう話がある. そういう感じで何がしかの類書にない特徴があるのだろうと思って聞いてみたのだが, 何か想像以上にいろいろコメントしてもらえて恐縮した. そのまとめをしておこうというのが以下の話.

このパンルヴェ, いわゆるいつもの Paul でいいのだろうか.

以前数学界で座屈に関する常微分方程式の話を聞いたことがある. ああいうのは工学でも興味がある話なのだろうか, というのはいつも思っている. 工学の感覚ないし, 常微分方程式としての面白さもよくわからないので, どうコメントをつけたらいいかもよくわからない.

この辺は確かに気になった. 参考にしたい.

坂井先生の本は読むべき本リストに突っ込んでいる.

楽しそう. あとで読んだ感想をまたブログにまとめよう. 考えてみると常微分方程式の数学の本はまともに読んだことがない. 学部の頃は講義で正規の常微分方程式の解の存在と一意性の一般論はやったが, 読んだ本は具体的な微分方程式に関する演習系の本を参考署にしていたくらいで, 理論系の本は一冊も持っていないし, 本当に読んだ記憶がない. とても楽しみ.

そういえば大谷先生の本も読みたい. 先日お会いしたとき, 特性曲線の方法, 傾きが無限大になったりするところの扱いが雑な本が多いからそういうのをきちんと書いたとか何とか言っていた. 今になって常微分方程式の勉強をするとは思っていなかったので, 人生わからないものだ.

環として無限集合で素イデアルが有限個しかない環の例

Twitterで募集をかけたらたくさんの例を教えて頂いた方の市民.

その次. ゼリーさんから.

$\mathbb{Z}_p$, もうちょっと勉強したい. 岩澤健吉『代数函数論』も本質的に積読のままだ. 秋月康夫『輓近代数学の展望』も本質的には積読のまま. とても悲しい.

魔法少女から.

のらんぶるさんから.

ちょろっと聞くとたくさん教えてもらえるTwitterと数学関係者, とてもとても素晴らしい.

『Sorgenfrey直線とかいう反例界のレジェンド』 by なんJ位相空間部

なんJ位相空間部はフォロー必須botだと思っている. 「何でそんなの知ってるんだ」としか言えないような面白いお役立ち情報満載で, いつも感心している.

証明まできちんとまとめてmath-textbookにまとめ, 現代数学探険隊にも反映させたい.

2016年度1学期 数学の楽しみ1D: 松本佳彦さんの講義資料

松本さんの講義資料. なかなか面白そう. 現代数学観光ツアーおよび現代数学探険隊でも参考にしたい.

$p$進, それは君が見た光: 結城浩さんのやりとりまとめ

あと何か関連ツイート.

そして我らがp進大好きbot.

p進解析もいつかちゃんとやってみたい.

謎の錯視コンテンツ: 東大名誉教授 杉原厚吉さんの仕事

Twitterで謎の錯視コンテンツが流れてきたので.

ツイート内に出てくる「杉原厚吉」さんは 東大の数理工学の教授だったので広い意味で数学畑の人だ. あと東大の数学の教官で数理視覚科学とかいって, 錯覚の数理・視覚の数理を研究している人もいる.

画像処理みたいな実学への応用もあるそうで.

こういうネタを自分でもやれれば一般へのフックも少しは作れるんだろうな, と思いつつ能力的に追いつかない. とても悲しい.

2016-07-02望月新一さんが115ページの新たなサーベイを出したという

すぐに追いつけないがとりあえずメモしておこう.

Grothendieck流の現代的なGalois理論のPDFをまとめたという話があったので

現代的なGalois理論というあたりが気になる. とりあえずメモだ.

cauchy_schwarzさんとのやりとりがあってそれも記録したいのだが, 鍵アカウントなのでできないので切ない.

組合せ最適化問題としてのぷよぷよの連鎖数判定問題(計算量理論): 能登だでぃ子さん筋の情報

読もうと思ったら有料と言われて読めなくて泣いた. 本当に悲しい. 著者に問い合わせるともらえたりするだろうか.

でもこの論文, 前もTwitterで見かけた気がするし, このサイトのブログの記事のどこかでも紹介というかメモした気はする.

「世界は数式でできている」資生堂作成動画: 数理女子から

資生堂がこんなことをやっているのかとちょっとびっくりしたので.

測度の完備化はLoeb測度の構成に使えるという魔法少女筋の情報を記録する

ちょっとつぶやいたら魔法少女に教えてもらったので.

魔法少女はいつも私に魔界を見せてくれる.

等しいことと同型の違いがくっきりわかるいい例を探している

一つコメント頂いたので記録.

何かいい例をご存知の方はぜひ教えてほしい.

数学から見た解析力学の良書探求の旅: tmiya_さんに教えて頂いたメモ

tmiya_さんに教えて頂いたので.

何となくMarsden, Ratiu の Introduction to Mechanics and Symmetryが良さそう? あとちょろっと探していてFrankel, The Geometry of Physicsが面白そうだった. 特にFrankelのは盛り沢山で面白そう.

あと深川さんに教えてもらったシュッツの本も読んでみたい. 読みたいのがたくさんあって困る. 時間がない.

Christian Lessig, A Primer on Differential Formsがかなり面白かったので: 物理にも使えそう

これだ.

いくつかよさげな記述を引用する.

Differential forms are central to the modern formulation of classical mechanics where manifolds and Lie groups are employed to describe the configuration and time evolution of mechanical systems.

One of the principal applications of differential forms in modern mechanics is the mathematical description of observables: infinitesimal measurements, which, when integrated, yield a value that can be verified through real world experiments, at least in principle.

この指摘, 相当大事な気がする. 前に深川さんが言っていたこと, ようやく感じ取れたような気もする. ベクトル場はフローを生成する的なアレは数学的にはわかるし, 気分的には感じるがまだ腑に落ちていない.

In fact, whenever one encounters a line integral, what one is integrating is a 1-form, even if the computation is classically stated using vectors. For example, any classical physics book will present a Newtonian force as a vector, but more correctly a force should always be considered as a 1-form.

これ, 何となく良さげな記述なので記録しておきたい.

A zero dimensional manifold is a point, and hence ``integration" of such forms amounts to evaluation

この観点はなかった. メモ.

これ良さそうだ. 現代数学観光ツアーでも紹介しとこう.

「Kan拡張の勉強してたらついにLebesgue積分が出てきた」 #全ての概念はKan拡張である

いつ読めるかわからないがとりあえず記録しておく.

PurpleCometという数学コンテストの宣伝協力: 加藤文元さんのツイートから

いつからなのかはわからないが, 私が所属していた中学だとこんな情報全く入ってこなかった. 学業的にあまりよろしくない地域ではあったが, そういうのはとても悲しい.

あと高校も大学に行く生徒の方が多いという意味では進学校だったが, あまり学術関係の情報は入ってこなかった. 高校 2 年のとき, 近所の東大で (当時) 計数工学科のオープンキャンパス的な催しがあり, それには先生から「行ってみる?」と声をかけてもらえた. 大学どころか院くらいになってから数理の翼だとかいろいろな催しがあることを知ったし, 実際に Twitter で交流がある (場合によっては超がつくレベルの進学校所属の) 中高生が そういうイベントを知っていて参加していることを見ると, 中高の頃の自分が本当にかわいそうになる.

というわけで地道に宣伝協力していくのだ.

整数, 有理数, 実数, などなどは数の属性で, 分数・小数は数の表記の属性

恥ずかしながらこの辺真面目に考えたことがなく反省した.

『Π2述語が解読できないとかよりもっと根本的な問題、学生はそもそも数学における変数の扱いを知らない、束縛変数と自由変数の区別も理解できない』嘉田勝さんのツイートまとめ

この辺の数理論理的な話, 正直ほとんど全くわかっていない. とりあえずは嘉田さんの本, もっとちゃんと読まないと駄目か. 菊池誠『不完全性定理』もちゃんと読みたい.

何故単位行列を$E$と書くのか問題

何となくドイツっぽいのとフランスっぽいのはわかる気がする. 何故だろう.

山崎隆雄さんによる多項式版の(やさしい)ABC予想の証明の解説

現代数学観光ツアーのネタにしたい. とりあえずネタを貯めておこう.

森本光生, くさびの刃の定理とマイクロ函数, 数学

「数学」に掲載された森本さんのPDFがあったのでとりあえず記録しておく.

PDF内にも言及があるように, くさびの刃の定理は場の量子論に起源がある. 私が代数解析に興味がある理由の一つでもある. 森本さんの本にも一章割かれている.

これもいまだにきちんと読みこめていない. 代数, 特にホモロジー代数の勉強にもなるし, いい加減ちゃんと読みたいのだが, なかなか時間が取れないままだ.

裳華房の数学者によるウェブ連載コラム「数学者的思考回路-夢と妄想のはざま-」

パラパラと該当記事群を読んだ. 面白そう. 私もこういうの書きたい. 何か考えよう.

数学の証明をメロディに乗せた曲を作ってみたい

Amazon見たらレビューはいろいろあった. もちろん実際聞いてみないことには評価しづらいが, とても気になるのは確か.

高校の頃, 校歌に合わせて古文の助動詞を覚えるというのがあった. いま検索したらmixiのコミュニティにあった.

メロディに載せると口ずさみやすくて覚えやすいので, 一計ではある.

数学の証明をうまいことメロディに載せて暗唱するとかあると面白そうだし, 何かやりたい.

ムーミンさんの$\varepsilon$-$\delta$を笑点スタイルで話すというのもあったし, そういう線もありうる.

Final Fantasy XVの謎の動画を見て考えること

最近数学・物理のコンテンツ制作を再開したので, いいコンテンツのストックとしても参考にしている. どうすると人を惹きつけられるのか, とても参考になる.

数学の可視化, アニメーションも気になるし, アニメーションそれ自体に使われている数学も気になる. やりたいことが増えていく一方だ.

論文メモ: Terence Tao, Finite time blowup for an averaged three-dimensional Navier-Stokes equation

面白そう. いつ読めるかはともかくとりあえず記録. テレンス・タオ, 守備範囲広すぎるしどれだけ魔人なのか.

記事紹介: GIGAZINE『数学を学ぶには計算ドリルではなく「高度な数学」から学び始める方が効果的なわけとは?』

引用されているGIGAZINEのページ中でさらに引用されているのが次のページ.

GIGAZINEからちょっと引用.

アメリカの数学カリキュラムの設計に携わるマリア・ドロクバさんは、数学嫌いを減らすための先進的な数学教育を提唱することで注目を集めています。ドロクバさんは、「数学嫌い」を養成するのは現在行われている段階的な学習スタイルに原因があると考えており、このようなカリキュラムを見直す新しい数学の学習方法として「子どものころから高度な数学的な考え方に触れる」という学習方法を提唱しています。

「高度な数学的な考え方」と聞くと子どもには無理と思わずにはいられませんが、ドロクバさんによると「高度な数学」は「難しい数学」とは似て非なるもの。高度な数学的な考え方とは、物事の根底を支える概念として高度な数学的要素があるものを指し、問題解決の難度とは別であり、子どもが学習するのに難しいものではないとドロクバさんは話しています。

例えば、図形の中に繰り返されるパターンを見つけ出すことは高度な数学的考え方になり得ます。また、立体的な構造を解析することは高度な数学に他ならないとドロクバさんは考えています。この考え方によると、例えば、雪の結晶の形を折り紙で折ることやLEGOブロックを使って家を組み立てることは、高度な数学的学習方法とのこと。

教育学的にどういう知見があるのだろう. そしてどうするとアクセスできるのだろう. 教育学をきちんと勉強しなければ駄目か.

こんなむごい話があるか: 掛け算の順序のせいで数学が苦手になった子どもの話

悲しい話があったのだ.

Togetter のコメントなので途中で切れてしまっている. コメント全文を引用しておこう.

とっても素直に先生の言うことを聞いていたうちの娘さんは交換法則が出て来たときに今迄ダメって言われてたのにどういう事?と大混乱。すっかり自信をなくしてしまい今でも数学は大の苦手。少なくとも私の娘さんにとっては百害あって一利なしでしたよこんなの。もっと早く気づいてあげるべきだった。

こんなひどい話があるか.

ちなみにこの手の話題については以前別の話を Twitter でしたことがあって, それを次の記事でまとめている.

よく「できない子のことを考えて」という話は出る. でも「できる子」のことはほとんど誰も考えてくれない. かもひろやすさんが時々「早熟と天才は違うし, 早熟の子は早熟の子できちんとした対処が必要で, ポキっと折れることだってもちろんある」みたいなことを言っている.

もちろんそもそも「できない子」向けの話としても狂っているというのが掛け算の順序強制問題ではある. ただこういうケースを本当によく見かけるので, 掛け算の順序に意味があるとか発達段階とかいういい加減なことをいう 大人には本当に腹が立つ.

私の活動のメインでもあるまたちょっと違う話もしておきたい. 私は中高の頃, 数学や物理の発展的な話にとても興味があった. でも何をどうしたらいいかわからず, とりあえず学校の勉強をしていた.

図書館に行って司書さんに聞いてみるとか, 学校の先生に相談してみるとか, いろいろやりようはあったはずだがそういう発想はまるで何も浮かんでこなかった. それを訴えなかったのだから当然だが, まわりの大人のサポートもほとんどなかった.

例外は高校二年のときの進路指導の先生が, 近所にあった東大の計数工学科 (当時. いまは数理工学科) のオープンキャンパスに行ってみたらどうか, という案内くらいだった.

教官の研究の内容紹介だった. もちろん何が何だかわからなかったが, 何かごつい式が出てきて無性に格好よかった. 数値計算の誤差の話, J リーグのスケジューリングに数学を使う話があったり, 携帯の漢字変換に関する話があった.

最後の「携帯の漢字変換」は要は確率を使って自然言語処理やってます, みたいな話で正確に何だったかは覚えていない. そういう系統の話だった, というだけだ.

もう 10 年以上も前の話だったが今でも覚えているくらいに楽しかった. こういう体験をもっとしたかったが, 何をどうするとできるのか全くわからなかった.

大学や大学院で早稲田, 東大に進学したら, いわゆる進学校の面々がまわりからこういう情報をふんだんに与えられていたことを知って愕然とした. 本当に「ずるい!」と心の底から思ったのだ. そんな不公平があるのかと.

私ももういい大人だ. 与える側に立たねばならない. そう思って数学や物理に関する情報発信をやっている.

大人相手の話が多くて本当に情報を届けたい中高生には あまり情報を届けられていない.

最近, 現代数学観光ツアーと現代数学探険隊という企画をはじめ, 専門的な方向に関して 1 つ区切りが感じがあり, 本格的に中高数学に関する企画をはじめた.

ご興味がある方はぜひ次のページから登録してほしい. 微分方程式をプログラミングを使って解く, という方向性で中高の数学がどこでどう使われるのかを 議論していく講座の叩き台をつくっていて, そのレビュアー募集中なのだ.

地道に粛々とやっていこう.

フィンランドで数学やアートに関する国際会議Bridgesがあったらしい

フィンランドでの会議らしい. 「Mathematics, Music, Art, Architecture, Education, Culture」とのこと. 楽しそう.

関係ないがskkによるとフィンランドは漢字で芬蘭と書くらしい.

自然言語処理に使う数学: 『自然言語処理を独習したい人のために - 首都大学東京 自然言語処理研究室(小町研)』から

広い意味で数学に関わる部分を軽く引用しておきたい.

数学のところ.

ほとんどの大学の入学試験で微分積分・線形代数が必須となっているので、理工系の学部1年生程度の微分積分・線形代数の知識は身につけましょう。機械学習(最適化数学)を勉強するに当たって、微分積分・線形代数の知識が必要になります。微分積分・線形代数については研究室でフォローアップはしませんし、大学でも基礎講義はない(履修できるが単位にならない、という意味ではなく、そもそも 日野キャンパスでは補習的な授業は開講されていない)ので、大学院入試がきっかけだと思って、入学前に勉強しておいてください。

自然言語処理で用いられる機械学習では高校数学の範囲は全て登場します。よく使うのは「ベクトル(内積)」「連立方程式」「確率(同時確率・条件付 き確率、確率変数・確率分布)」「数列(等差数列・極限)」「微分(対数関数・指数関数の導関数、合成関数の微分、関数の極大・極小および最大・最小)」 「行列(固有値、逆行列)」あたりです。人文系の人は、高校の教科書と大学受験の参考書でよいので、復習しましょう。未習の人は苦しいかもしれませんが、もしこれらの数学を勉強するのがどうしても無理な場合、東大の言語情報科学専攻のように人文系を対象とした大学院に進まれたほうがよいと思います。

機械学習のところ.

内容が難しすぎる、と感じる場合は恐らく数学の基礎知識が不足しているので、入学前に機械学習の勉強を独学でがんばるよりは、数学の勉強をしてみてください(機械学習は、研究室の中で基礎勉強会を行なうので入学後でもよいですが、微分積分や線形代数に関しては、研究室の中でも大学の中でも講義・演習がないので、入学後に勉強することが困難であるためです)。

ページ中にはいろいろな参考ページへのリンクもあるし, プログラミングに関する注意や参考サイトもある. Python関係はけっこう参考になりそう.

「人を積分できるピアス」という素敵な数学アクセサリを見つけたので

$x$の作り方が参考になる. 最近忙しくて数学アクセサリは全く作れていない. http://math-accessory.comも放置したままだ. これも動かしたい.

『「何が分からないのか分からない」と思ったときはだいたい何もわかっていないので、自分への感想であればいちばん最初からやるべき』: かわず語録

後者についてはツイート紹介: 「わけわからない」という拒絶の言葉と解説病というのも前にあった. 微妙なケースもありそうとは思うものの, 前者については改めて自戒としたい.

『ゲンツェンの自然数論の無矛盾性の証明とゲーデルの第二不完全性定理が矛盾しないのはなぜですか?』

気になったので引用する.

ゲンツェンの自然数論の無矛盾性の証明とゲーデルの第二不完全性定理が矛盾しないのはなぜですか?

Gentzenが示したことは PA+TI(ε_0) に於いて Con(PA) が証明可能ということです。Gödelの不完全性定理が述べているのは T から Con(T) が証明できないということですから、これには当てはまりません。系として PA から TI(ε_0) が証明不能であることが分かります。

全くわからなかった. 非専門とはいえさすがに悲しい. この辺も中二心をくすぐるし, いつかはちゃんとやりたいと思ってもう何年経つだろう.

「カントールはフーリエ級数の研究での必要から順序数を発見した」: 現代思想系への悲しみを謳うツイート紹介

『選択公理と数学』はこれ.

学部のときちゃんと読んだのに全く覚えていなくて悲しい. 買わないと.

小平先生のレクチャーノートとか. あとアローの定理

全部前に紹介済みだったと思う. 何度紹介しても別にいいだろうということで.

あとこれ.

とりあえず記録はしておこう.

やたべさん筋の情報: 野矢茂樹の粗雑な論考に関するメモ

あと何かこれ.

よくわからないがあとで読み返したくなる可能性は極めて高い. 保全しておくべきなので記録.

対ごとに素でないときにdisjoint union(無縁和)を考えたくなるときの具体例を教えてもらったので

あと何となくこれも引用しておく.

代数もっとやりたいし幾何ももっとやりたい.

礒田 正美, Maria G.Bartolini Bussi, 田端毅, 讃岐勝, 『曲線の事典 ―性質・歴史・作図法―』

該当リンクからも記述を引用しておこう.

本書は,定木とコンパスを含む機械で作図しえる曲線の歴史的表現を解説した事典である。小学校から高等学校,大学に至るまでの学校数学において知られる曲線の定義や性質を,その曲線を描く道具,変換器,幾何学的計算具の実物写真,作図結果とともに解説している。曲線の来歴を,今は失われた歴史的表現・役割を前提に解説することで,その背後に潜む直観と論理を再現している。 今日では,ソフトウエアを利用してディスプレイ上に描画する曲線は,少し前まではコンピュータ以外の道具を駆使して描かれてきた。作図の困難さもあり,それぞれの曲線の性質を明かすことは数学発展の象徴であり,曲線の表現法が改まる都度,その意味内容も進化した。そうした曲線像を認め,その曲線を描いた人々が生きた時代に思いを馳せることで,人間味溢れる数学像を提供する。 まず,それぞれの曲線に関わる各論を話題にする上で必要な曲線に関する歴史・文化的眺望を記した。その次に,本書の中心的な話題である,様々な曲線とその作図器,その初等幾何学的解説を収めた。そのあとに,変換を表象する機構,透視図法と投影,問題の作図解を表現する機械を収めた。最後には用語集を用意し,本文中で解説しきれなかった用語の解説を収めた。用語集や索引から逆に読めば,辞典として役立てられるようにも工夫されている。

プログラムで比較的楽に遊べる要素ないだろうか.

David Richeson, So-called the Japanese theorem for nonconvex polygons

今は(アカウントが)亡きkyon_mathさん情報.

ニッポン定理,初めて知った. http://bit.ly/1g3ccWU

ページからも引用しておこう.

The Japanese Theorem for Nonconvex Polygons David Richeson (Dickinson College)

Abstract. The so-called "Japanese theorem" dates back over 200 years; in its original form it states that given a quadrilateral inscribed in a circle, the sum of the inradii of the two triangles formed by the addition of a diagonal does not depend on the choice of diagonal. Later it was shown that this invariance holds for any cyclic polygon that is triangulated by diagonals. In this article we examine this theorem closely, discuss some of its consequences, and generalize it further. In particular, we explore its relationship with Carnot's classical theorem on triangles, we look for extreme values for this sum of inradii, we look at the limit of this value as the number of sides goes to infinity, and we generalize the theorem to nonconvex cyclic polygons. We include interactive applets throughout the article to give the theorems a tangible credibility.

「So-calledと言われてもはじめて聞いたわ」感溢れる. そして何はともあれメモ.

俺達の一般化されたヘルダーの不等式: 黒木さんのツイートまとめ

ということで引用されたツイート群を追いかける.

『そもそも普通の人が努力してできないものが高校教育のカリキュラムに組み入れられるわけないじゃないですか』

いろいろとすごいことを言っている人がいたので.

高い公共性を感じる.

人間精神への無限の信頼を感じる. さすがに全く理解できなかった.

で, コメントを頂いた.

こうはいうものの高校での実データはやはり気になる.

何にせよ元のツイート, すごい世界認識をしているのでどういう考えでそれに至ったのか本当に興味がある.

自分は当然努力でき, 努力して解決できたので誰だって必ずできるはずという感じの, いわゆるブラック企業というかブラックな上司の思考とも地続きな感じがする.

群の地図帳, リー群の地図帳

Twitter的な意味で今は亡きkyon_mathさん筋の情報.

群の地図帳ならある。 http://bit.ly/1kBHcmG ついでにリー群の地図帳もある。 http://bit.ly/1dHQ5CA

どう使ったらいいのかわからないがとりあえずメモ.

ルベーグ測度$0$の集合の補集合は$\mathbb{R}^{n}$で稠密か?

本文

答えはYesだ. いまSobolev空間論の本を読んでいて「?」と思ったので証明を確認した. 激烈簡単で自分で自分にがっかりした. 測度論弱者すぎる.

命題2

ルベーグ測度を${\left|\cdot\right|}$とし, 集合$A \subset {\mathbb{R}}^{n}$がルベーグ測度0だとする. このとき補集合$A^{c}$は${\mathbb{R}}^{n}$で稠密である.

証明

$A$が内点を持つとするとある開球$B_r$に対して$B_r \subset A$となる. 考えているのはルベーグ測度だから${\left|B_r\right|} >0$であり矛盾である. したがって$A$は内点を持たないから$A^{i} = \emptyset$である.

この補集合を取ると${\mathbb{R}}^{n} = A^{ic} = \overline{A^{c}}$である. つまり補集合$A^{c}$ は ${\mathbb{R}}^{n}$で稠密である.

補足

ついでにルベーグ測度ではない場合, 特にfull supportではない測度を簡単な反例も記録しておこう.

上のページによるFull supportの定義は次の通り.

It means that the support is the entire space, or equivalently that there is no open subset with 0 measure. 全空間を台とすること, また同値な条件として測度0の開部分集合が存在しないこと.

反例

全測度が$0$になるような測度が明らかに反例. これ以外にもルベーグ可測集合$C \subset {\mathbb{R}}^{n}$に対して, $\mu_{C} (A) = {\left|A \cap C\right|}$ とすれば $\mu_{C}$が反例になる. これは$C$の補集合に含まれる部分集合は内点があろうがなかろうが測度$0$だから.

他にもルベーグ測度に対して特異な測度を考えればいい. 例えばCantor集合上に台を持つCantor測度がある.

測度論はSobolevをやっていてもちょっとしたところですぐに顔を出す. 積分論の中でもうちょっときちんとやり直したい. 確率論だと死ぬほど出てくるからそちらでやり直す手もあるか. 確率論で測度論に関する議論が死ぬ程丁寧な本がほしい.

info

title: ルベーグ測度0の集合の補集合が稠密である証明 description: 結論を言えばYES。証明のポイントはルベーグ測度のfull support性で、ルベーグ測度が0だと内店を持てないところにある。Full supportでない測度に対しては反例が山ほどある。例えばカントル集合上に台を持つカントル測度。

レイコフ, ヌーニェス『数学の認知科学』, ドゥアンヌ『数覚とは何か』, 加藤文元『数学の想像力』: 読書メモ

『数学の認知科学』, 『数覚とは何か』, 『数学の想像力』が面白そう. 読みたい本が増えるのもさることながら, 買ったまま積読な本もガンガン増えていく.

『数覚とは何か』のドゥアンヌ, 黒木さんが何か本を紹介していた気もする.

ある集合$X$に対して$X \cap P(X) \neq \emptyset$となる$X$の例を教えてもらった

いいことを教えてもらえた. とりあえず記録.

Lemma 田, Lemma 曲 by Nobuo Yoneda

このツイートで引用されているツイートも引用.

謎. 海外の人に伝わるのだろうか. さらに強く中国人に伝わるのだろうかとも思っている.

『ウォルフラム・アルファすごい。もう、工学系の研究室で数値計算用PCとか減らしてもいいんちゃうか。』やたべさん筋の情報

よくわからないがとりあえずメモ. 変にプログラミングの勉強するより, Wolfram alphaの使い方勉強した方がいいのかもしれない. 特に中高生向けのことを考えるなら. ちょっとWolfram alphaちゃんと調べよう.

ゆきみPDFのページ

はじめに追記: 2022/8時点ではここにサイトがある.

このページ. PDF のラインナップは次の通り.

とりあえず記録.

『哲学者が見るランダムネスの理論』宮部賢志さんの記事紹介

tri_iroさん筋の情報. リンク先は宮部賢志(ミヤベケンシ)さんのサイト. どんなのだったかすぐわかるように冒頭部だけ引用.

私にとって,計算可能性理論,計算量理論,計算可能解析,ランダムネスの理論,情報理論,確率論,統計的予測,時系列解析などは一直線上にある理論たちで,分けることができない.これらは全部ひっくるめて一つのものとして見ている.これらがどういう関係にあってどうつながっているのかというのは,一つの見方であり哲学だろうが,それを論じるためには,これまでの哲学的な議論を一通り学ぶ必要がある.

これまで,哲学者たちによって,計算,情報,確率,予測などの概念について様々に議論がされてきており,それらについては,少し調べれば多くの文献が出てくる.しかし,ランダムの概念やランダムネスの理論についての,哲学者たちの議論はそれほど多くない.ここでは,そういうものをまとめてみたいと思う.こういうまとめ方は,今までにされていないと思うし,私も英語の論文で書くことも無いので,こういう場所しかないように思う.

特に何かコメントする能力はない. 相変わらずのメモ.

境正一郎『作用素環における可分性・非可分性とダイヤモンド原理』

Calkin 環の話とか, 松澤さんの CCR の表現論と記述集合論の絡みとか見てみたいネタはある. とりあえずメモしておこう.

研究者はかくありたい『長年の腐れ縁の某数学者に出くわして、お互い「あ!」と言ったら、何の前置きもなく「最近いい定理が証明出来たんですよ!聞いてください」とはじまって、十分ぐらい説明があってから、ようやく時候の挨拶等をした。』立川裕二さん筋の情報

今日のいい話として記録しておく.

「あのですね できたんですよ あの定理」

先日立川さんの次のツイートがあったのだ.

それを受け何かキャッチコピーを探したくなったのが次のツイートとそこからの流れ.

ななしゃんのがかなりいい. 何となく気分でタイトルでは!を抜いてしまったが, 引用的にはどうなのと思わないでもない. あくまでななしゃんのが元ネタで本歌取り的なアレとして, 次くらいのでもいいと思っている.

字余りだがそんなにバランス崩壊していない感じがあるがどうだろう.

何かこう「好きな人ができました」くらいのシンプルで心を打つフレーズがほしい.

こういうキャッチフレーズももっと研究しよう.

何にしろ今回ななしゃんがあまりにもいい仕事をしてくれたので, ただただ感謝の祈りを捧げている.

『創文社潰れてしまうので,今からでも遅く無いので名著,現代数理統計学を買いましょう』ツイート紹介

統計学, ずっときちんとやりたいと思っていて気になっている. 最近Rによる統計の本も出ているようだしそれも気になっていれば, Pythonによる統計も気になっている. 勉強したいことがたくさんある.

Wolfram alphaを導入して子ども達と数学で遊びたい

この前に哲学を半端にかじってしまった異常者の異常な数学観に関する話があるが, それはこの際とりあえずどうでもいいので, 最初から本題に入る.

Wolfram alphaをもっと使いこなしたい. より正確には近所の子どもにその辺を伝えたい. 何かいい事例ないだろうか.

閉曲面の分類定理

きちんと追うのが大変と聞いて衝撃を受けた. トポロジーは有名な結果や古い結果をきちんと追うのが死ぬ程つらい分野というイメージがある.

二次元のトポロジーで複素解析で片がつく的な話があった気がするのだが, いったいそれは何だっただろうか?

『絵が下手な人必見!そっくり上手に描くための観察法と考え方 - MIKINOTE』記事紹介

細かいことはいろいろあるにしても, まず概要をつかむことが大事で, それもいろいろな角度からの概要をつかむことが大事ということを認識した.

とても参考になる. 数学とか物理とかプログラミングのコンテンツを作るときも参考にしよう.

数学的観点から見た『君の名は。』を書いてみたいが何もネタを思いつかず幾星霜

数学的観点から見た『君の名は。』を書いてみたいが, いいネタが何も思いつかないし, こんなときにこそ自分の無知無学無教養ぶりを思い知らされつらくなる.

『子供のころは勉強すると褒められたはずなのに, 大人になるとなぜか怒られるから, 小中学生の皆さんは今のうちに悔いのないくらい勉強したほうがよい.』

語り継いでいきたい.

「数式を並べるんじゃなくて、概念を説明してほしい」に込められた意図の謎

いくつか引用しておこう.

一般化された数式ほど概念を伝えるのに適した表現方法もないのになぁとずっと不思議だったのだけど、就職活動をしている辺りで僕は気づいた。どうやら、「概念を説明して欲しい」というのは、「抽象化された数式は難しくて理解できないので、具体例を上げて説明してほしい」という意味で日本のサラリーマンの中で用いられる隠語だ。

とても大切なことなのでついでに書いておくと、数式の「見た目の難しさ」と「(辞書的な意味での)概念の難しさ」は何の関係もない。特殊相対性理論の質量とエネルギーの等価性を示す、"E=mc^2"の見た目はとても簡単だけれど、その概念を僕は理解できない。

最近も数学や物理の概念を式を使わずに説明できないかという謎の要望を頂いた. いろいろな意味で謎.

$H=W$: 論文紹介, Meyers and Serrin, 1964

$W$は普通のSobolevの定義だった. $H$がちょっと謎というかはじめて見る定義: 最初$H^k = W^{k,2}$のことかと思ったので. 変な境界だと$H \neq W$のようだが, その条件が何かとか具体的な反例を知りたい. Sobolevはあまりきちんとやったことがない. 幾何解析はやってみたい.

とりあえずは記録しておこう.

Set Theory: Constructive and Intuitionistic ZF: 魔法少女筋の情報

大分前のメモなので文脈を全く覚えていない.

そして教えてもらったのはこれ.

最初のページのタイトルが「Set Theory: Constructive and Intuitionistic ZF」なので, 構成的集合論とか直観主義でのZFとかそういう話を聞いたのだろうか.

Péter Ivanics, András I. Stipsicz, Szilárd Szabó, 2016, Two-dimensional moduli spaces of irregular Higgs bundles

リンク先のページは Péter Ivanics, András I. Stipsicz, Szilárd Szabó, 2016, Two-dimensional moduli spaces of irregular Higgs bundles だった. とりあえずメモ.

可算和定理と選択公理

アカウントが凍結になってしまっているようだが, 発端はこのツイート.

みやこくしんヰちろう @AGeometric

「可算和定理の証明には選択公理がいる」「Rの非可測集合はR/Qの完全代表系を上手く取れ」「UFDの極大イデアルの存在から選択公理が言える」「可算な体の代数閉包は選択公理なしで作れる」 #センター試験受験生への数学アドバイス - 1月19日

親切にリプライを頂いて文献を教えて頂けるの, すごいとしか言いようがない.

左逆写像と右逆写像が一致しない例を求めて

結合律を破壞しに行く発想はなかった. 自分の甘さを一番思い知らされたのはここだ. 精進しなければ.

Riehl, Category Theory in Context

Mac Laneの現代版とか読むしかないのでは.

J. P. May, A Concise Course in Algebraic Topology

これっぽい.

目次を見ると序盤から圏を導入しているようだ. とりあえず記録しておく.

『異世界に転生したはいいものの、異世界では英語しか通じないことが発覚し、中1レベルの英語力から徐々に英語力をつけながら無双していく、異世界転生王道ストーリー的な英語教材ください』の数学版を作りたい

コンテンツのネタは尽きない.

L Buhovsky et. al. A $C^0$ counterexample to the Arnold conjecture

とりあえず気になるのでメモしておく.

小平邦彦先生の記憶: 故彌永昌吉博士による回想

コンテンツを作っていて検索していたら引っかかったので記録.

いくつか引用したい.

私が最初に量子力学を勉強したのは、故P.A.M Dirac博士の"The Principles of Quantum Mechanics"でしたが、読んだ人なら御存知の通り、物理実験の話は一切出て来ません。せいぜい、第一章の重ね合わせの原理のところで、光の偏光、すなわち光子の振舞いについて少し触れているだけです。それはそれで、私のような数学科の人間には助かるのです。と言いますのは、実験を長々と説明されても、そうかと思うだけで実感出来ないからです。実験器具なぞ、高校以来触ったこともなければ、見たこともない人間には苦痛以外の何物でもありません。

それはそうか, というのと, それはどうなんだ, というのが交錯する. コンテンツ作りの参考にはなる.

しかし本題はこちら:

それと、もう一つ、こっちの方が重要なのですが、紹介するにも私個人の心が痛むからです。あの時代の日本人(阿呆な政府軍部の人を除く)は今と違って、本当に強い精神力と忍耐力と心優しさを持っていて、(失礼ながら)一見ひ弱な小平博士でも、終戦前後の時、明日の日本(と御自分)がどうなるかも分からない中で、しかも発表する当てもない調和積分論に関する大論文を、病床の幼い御長男(最終的に病死されます)の傍らでお書きなったのは、終戦を見越してのことよりも、今を生きた証し(つまり、遺書)として残そうと思われたのではなかろうかと、私は考えていたからです。

これを検索していたのだ.

邦彦とセイ子の結婚から、彼等はかわいい息子和彦を得たが、残念ながら腎不全を患っており、終戦の数ヶ月後の1946年に諏訪で亡くなった。

あと彌永先生, 長寿だったということはそれだけ多くの, それも自分よりも年下の人が先立つのを見てきたということか, と割と悲しくなった.

私もそんな感慨を覚える年になったのか, というところもある.

モンティホール問題などに関する確率に関するやりとり

モンティホール問題などに関する確率に関するやりとりがまとめられていた. 確率はいまだにさっぱりわからない. 勉強用にとりあえずメモ.

集合の遠近感を入れるための四つの方法

あまり考えたことがなかった. 参考のために記録しておこう.

追記

魔法少女からコメントを頂いた.

久し振りに魔法少女から超準解析系の話を聞いた気がする.

読書の参考: 東大数理, 2017年の学部四年セミナーのテキスト集

参考の記録として張っておこう.

川又雄二郎

高木寛通

寺杣友秀

今井直毅

権業善範

松本久義

志甫淳

三枝洋一

辻雄

寺田至

植田一石

河野俊丈

金井雅彦

二木昭人

林修平

逆井卓也

北山貴裕

小林俊行

足助太郎

古田幹雄

松尾厚

坂井秀隆

河東泰之

木田良才

高山茂晴

中村周

儀我美一

宮本安人

緒方芳子

下村明洋

関口英子

新任教員

佐々田槙子

平地健吾

俣野博

稲葉寿

米田剛

齊藤宣一

白石潤一

長谷川立

新井仁之

ウィロックスラルフ

一井信吾

吉田朋広

時弘哲治

非アルキメデス体係数線型空間の有限次元性と有界閉集合のコンパクト性に関する問答

もとの命題, $\mathbb{R}$と$\mathbb{C}$なら成り立つと思っていた (証明も読んだはずだがパッと思い出せなかった)ので, かなり驚いて「$\mathbb{R}$と$\mathbb{C}$でも本当に成り立つんだったか」と不安になったので思わず聞いてしまった. 関数解析的にシンプルな議論はどんなのだったか確認しなければいけない. 次のPDFが参考になりそうだ.

あとで必要なところだけ切り出してまとめてメルマガにも書こう.

$\mathbb{C}_{p}$などの非アルキメデス体, 本当に$\mathbb{R}$や$\mathbb{C}$の関数解析の直観がまるで効かないことを改めて実感した.

関数解析の初学にいい本: 量子系の数理の観点から/メルマガから

記事の冒頭にもある通り, 数学・物理系のメルマガと無料の通信講座をやっている. どちらかに登録しておいてもらえれば こちらからプッシュでこの手の濃い話題をお届けできる. ご興味がある方はぜひ登録してほしい.

以下は無料の通信講座, 現代数学観光ツアーに参加されている方からの質問だ. サイトに公開しておく価値もあると思ったので出しておく. ここまでが常体, 以下は敬体で文体が統一されていないけれども, 以下はメルマガが元なのでご容赦願いたい.

はじめに: 今回の背景

読者の方からメール頂いた話で, 多分他の方にも役に立つだろうから いったん全体への返信という形でお返事します.

量子力学を深く勉強するために ヒルベルト空間論, 関数解析をやろうとしていて, それに対する本の選択とかそういう相談です. たぶん.

Twitter というか私のサイト http://phasetr.com に 「Hilbert 空間メインの関数解析の初学には日合•柳の『ヒルベルト空間と線型作用素』をお勧めしたい」 という記事を書いていて, その中に『新井先生の『量子力学の数学的構造』があるが, 一般にはあまりお勧めしない』と書いたりしました.

その方がこれを読もうとしていたそうなので, それでどうしようか, という問い合わせです.

ちなみにこの人, 量子力学の数理, 特に量子測定などで知っている人は皆知っている 小澤正直先生に相談して von Neumann の 「量子力学の数学的基礎」を勧められたものの, 古いから新井朝雄先生の「ヒルベルト空間と量子力学」を読もう と思っている, とかいう訳のわからないことを言ってきました.

世界的な研究者に相談しておきながら, そこで勧められた本を無視して ど素人が勝手に自分の趣味で本を選ぶという行為が そもそも全く理解できなくて衝撃を受けました. 世界的な研究者の時間を奪っておいて, その話を聞かないとか何がしたかったのか全くわかりません.

率直に言って, すごいことするな, 何のために小澤先生に相談したんだ, こいつは何を考えているんだ, と.

確かこの人, もともと量子化学の研究者だと 言っていたと思うのですが, ふだんからこんな感じでやってたのでしょうか. 謎です.

小澤先生を無視しつつ, 何で私なんぞの意見あてにするんだ, 重鎮の意見を無視するのにこっちの意見は聞くのか, 何なんだと.

それはともかく, 参考になるところはあると思うので 私の見解をまとめます. いつも言っていることとはいえ, あなたははじめて聞くかもしれませんし, 改めていうことにも意味はあるはずですから.

あなたがしたいのは物理ですか? 数学ですか?

究極的なところからはじめます. 数学をやりたいのか, 物理をやりたいのかをはっきりさせてください.

あくまでも物理がやりたいというなら ルベーグ積分や関数解析をいくらやっても無意味です. 本当に無意味です. 数学はさっさと捨てて物理をやりましょう.

何故無意味かというと, 学部 3 年レベルの量子力学で出てくる話ですら, 数学的に追いきれないことが山程あるからです. これは私やあなたが愚かだから, とかそんなちゃちなレベルではありません. 現実問題として研究マターです.

あなたが研究者なら「そうは言っても 皆がやっていない穴とかあるんじゃないの? そういうところなら何とかなるのでは?」 と思うかもしれません. 残念ながらそんな都合のいい話はありません.

優秀な人が一所懸命やってできるところは たいがい潰されています. 残っているのは本質的な ブレークスルーが 5-10 個ないと進まない, そういう感じと思ってください.

数学的に厳密なスタイルの限界

レーザー, 量子電気力学, 散乱

具体例を挙げましょう. 物理の学部 3-4 年でレーザーに関する話, 量子光学的な話をやります. これを厳格にやろうと思うと 非相対論的量子電気力学が出てきます.

そしてこれは 2017 年現在でも 数理物理の研究最前線です.

もう 4 年も前の話ですが, これよりもう少し簡単な Nelson モデルの散乱理論に関して Dybalski さんからメールを頂いたことがあります. この人はもともと相対論的場の量子論の散乱理論を 研究している人で, 具体的なモデルの研究ということで, 非相対論的場の量子論にも踏み込んできたようです.

多体系の量子論, 量子統計に関するプレプリントを arXiv に上げたときに「自分も多体系に興味があって 研究しているからぜひ論文を読んでほしい」というメールでした.

そのときメールで教えて頂いたのは次の論文です.

これ, 電子と場の相互作用系なのですが, 扱う電子は 2 つですからね. 1 つでも厳しいというのが現状です.

この時点でまともな物理の人なら 「数学的に厳密な話なんて 全く使いものにならないな」と 思うでしょう.

もしかしたらあなたは「これは場の理論だから 厳しいのでは?」と思ったかもしれません. しかしその見込は甘いです.

量子力学の散乱

例えば数学的に厳密な量子力学の散乱理論ですら, 2 体はだいたい何とかなったものの, 3 体で既に研究の最前線のようです.

最後の PDF が一番状況がよくわかるでしょう. 9 年前の話ではありますが, 3 体問題が難しいという絶望的な話をしています. 数学ベースであっても散乱理論の研究は 50 年以上続いているので, 一般の N 体に関する知見が この 8 年程度で爆発的に広がったとは思えません.

数学に厳密な物理の厳しさ

数学的に厳密な話など いくらがんばったところでこの程度です. もちろん数学サイドなら別にいいのです. 数学として面白いならそれでいいし, 実際磯崎先生がそれで数学会の賞を取るほどに 面白い話が展開できているわけですから. もちろん世界的にも認められている業績です.

しかし物理としては 2 体, 3 体の散乱で いくらシャープな結果が出ても, ご利益は何も感じないでしょう.

こんなことしたいですか? という話です.

現代数学観光ツアーで十分

というわけで, 物理がしたいという人はヒルベルト空間論や 関数解析をやっている暇があるなら, さっさと物理にうつりましょう.

現代数学観光ツアーで紹介したレベルの 話がおさえられていれば十二分です. 関数解析というよりも線型代数の適用範囲を もっと積極的に広げたよ, 一度慣れておけばいろいろなことを 統一的に眺められて便利だよ, そのくらいの認識でほぼ完璧です.

あなたは現代数学観光ツアーを知らないかもしれないので, 一応改めて宣伝しておきましょう. 次の URL から登録ページに飛んでください. 講座の説明もしてあります. 無料ですし気に入らなければすぐ登録解除もできます.

長くなってきので, 残りは次に回します. 次回は数学をやると決めた場合の対応です.

最初に: 前回の記事を張り直し

前回, 「Hilbert 空間メインの関数解析の初学には 日合?柳の『ヒルベルト空間と線型作用素』をお勧めしたい」 という記事へのリンクを きちんと張っていませんでした.

いちいち検索するので面倒と思うので, 念のため張っておきます.

あと関連する記事ももう 1 つ.

他にも関係する記事はいろいろあるのですが, 思い出せないのでまずはこの 2 つを.

前回の復習

それはさておき, 前回, 量子力学の勉強のために ヒルベルト空間論や関数解析を勉強したいと 思っている方から, 具体的に何をどう読もうか, という相談を受けたという話をしました.

それに対してまずは数学をやりたいのか, 物理をやりたいのかはっきりさせること, そして物理をやりたいなら, 現代数学観光ツアー以上の ヒルベルト空間論はやったところで無意味だから, さっさと物理を勉強しようと言いました.

数学的に厳密にやろうとすると, ちょっとしたことが既に研究最前線マターであることを, いくつか具体例を挙げて紹介しました.

厳しめのことを書きましたが, 私は実際にその方面, つまり数学的に厳密なスタイルで 物理をやる数理物理を専門にしていたので, どれほど大変なのかの実体験があります.

甘くはありません. しかし非常に楽しい分野ではあります. 少なくとも私にとっては.

というわけで書いていたら楽しくなってきて, とんでもないボリュームになりました. 1 回では長すぎるので何回かに分けて配信します.

今回からは数学よりの話をします. 量子系の数理といってもいろいろあります. それは扱いたい物理による話で, 質問された方がどの辺を意図しているのか, それがよくわかっていないので 何とも言えないところはあります.

先に質問者に聞けばいいじゃない, という話でもありますが, ある程度は網羅的に説明しようと思ったので, まあまずは情報を出そうという感じです.

新井先生の本の紹介

まず具体的に書名が挙がっていた 新井先生の『ヒルベルト空間と量子力学』と 『量子力学の数学的構造』に関して.

『ヒルベルト空間と量子力学』はきちんと 目を通していないし, 増補版は余計見切れていないものの, 少なくとも『ヒルベルト空間と量子力学』の旧版には スペクトル定理は使うだけであって, 証明が書かれていなかったはずです. その代わりに水素原子に関する議論が載っている, そういう認識です.

新井先生方面, つまり作用素論的な方面から言うなら, スペクトル定理抜きの議論には魂が入りません. 新井先生の本を読んで量子系の話をするなら, 最初から『量子力学の数学的構造』を読んだ方が早いですね.

水素原子の解析にしても, ハミルトニアンの自己共役性に関して, 続編の『量子現象の数理』で加藤-Rellich の定理からはじめて 1 章まるまる割いて議論されている程度には面倒ですし, 議論するべきこともたくさんあります.

『量子力学の数学的構造』を読む前提なら, 『ヒルベルト空間と量子力学』を読む理由をあまり感じません. 中途半端にやってもね, という感じ.

あともう 1 つ, 一般には『量子力学の数学的構造』を勧めないと書いた理由です. これは単純で, 記事ではヒルベルト空間メインとはいえ 「関数解析」に焦点を当てたからです.

新井先生の本, 特に『量子力学の数学的構造』と 続編にあたる『量子現象の数理』は, 極端なことを言えば, 新井先生の視点から量子力学に関わる数学にフォーカスしています.

関数解析の基本的で大事な定理でも, 本で扱っている範囲で使わないなら解説がありません. 『量子現象の数理』にはハーン-バナッハが載ってはいるものの, 証明抜きでした. 証明にツォルンの補題を使うから省略したのでしょう.

量子系の数理にだけフォーカスを当てるなら わからないでもありません. しかし数学として関数解析にフォーカスがあるのなら, あまりいいことではありません.

日合-柳の『ヒルベルト空間と線型作用素』

しかし日合-柳の本は, 付録まで含めると関数解析の本として立派に使えます. リース-マルコフ-角谷の定理までありますし, こちらなら関数解析をやったと言える内容です. スペクトル定理の証明もあるし, 量子力学の数理でもときどき出てくる コンパクト作用素の議論もあります.

量子統計やるならある程度トレースクラスの議論も 必要ですし, その意味でも無駄ではありません. そういうわけで日合-柳をお勧めしています.

数学的にもリース-マルコフ-角谷の定理を使って スペクトル定理を証明していてなかなか気分がいいです. リース-マルコフ-角谷の定理も証明も載っていて, 至れり尽くせり感が素晴らしい良書です.

関数解析の基本定理は都度やると 割り切るなら新井先生の本だけでもいいでしょう. きちんと勉強していれば数学力もつきますし, その段階で改めて関数解析のふつうの本を読めば, 苦労なく読めるはずですから, それはそれで一手です.

テーマごとのお勧め

さて, ここからは物理のテーマごとに 合わせた数学という方向で話を進めます.

現代数学探険隊の募集ページで 量子力学がいろいろな数学と関係していることを お伝えしたので, そちらを見た方は何となくはご存知でしょう. 一応募集ページのリンクも張っておきます. 長いので, 読むにしても 必要なところだけ読んでもらえれば結構です.

ここでは詳しい話に踏み込むので, 私が知っている分野・範囲の話しかできません. 幾何は一切抜きにしてゴリゴリの解析方面の話です.

数学から言うと大きくわけて次の通りです.

これらは全て独立しているわけではなく, お互いに深く関係しています. 全ての数学をきっちり勉強しきるのは難しいですし, 好き・嫌いまたは得意・不得意があるので, ふつうはどれかをメインにします. 私は作用素論・作用素環論を使う方面で, 量子力学というよりも場の理論・量子統計に重きを置いています.

下の 3 つに関してはヒルベルト空間論を こってりやる意味があるし, その必要もあります.

まずはヒルベルト空間の一般論が それほど必要ないところからやりましょう. 大雑把に言って先のリストで 上から順にヒルベルト空間の一般論や, 関数解析の抽象論が必要になっていきます.

特に基底エネルギーを評価する不等式処理, 実解析的な処理

これは $L^{2}$ やソボレフ空間 $H^{1}$ が主戦場で, 特にそこでの不等式評価がキモです.

本としては Lieb-Loss の Analysis が 突き抜けています.

これはこの分野の世界的権威である Lieb (と Loss) が応用の現場を意識して, とっつきづらい関数解析の抽象論には 一切触れず $L^{p}$ の中で議論しきろうと書かれた本です.

ヒルベルト空間やバナッハ空間上での 基本定理は全て $L^{p}$ で議論されています. ルベーグ積分の定義からはじまってはいますが, 事実上ルベーグ積分は既習が前提です.

この本, Lieb-Loss の「現場の数学」を貫き通しすぎて, 抽象論がないからといっても 全く簡単ではありません.

それは不等式評価が苛烈だからです. 具体的な $L^{p}$ や $H^{k}$ での議論であり, 物質の安定性のように ハードな評価が必要な分野への応用も意図しているため,

ふつうの数学書で滅多に見かけない 最良定数評価もきっちりやっていて そういう部分は本当にきついです.

ただ量子力学への応用を意識して, ソボレフ空間の議論も過度に一般化せず, 詳しい議論はほぼ $H^{1}$ と $H^{1/2}$ に限定しています.

後半で量子力学, 特にシュレディンガー方程式の 解析にも関わる, クーロンポテンシャルの解析や ポアソン方程式などの議論があった上で, シュレディンガー方程式自体の議論もあります.

固有値評価に関する詳しい議論もあれば, 量子化学で重要な密度汎関数でもある トーマス-フェルミ汎関数の議論もあって, そこまで含めて参考になります. まさに量子系の数理という感じです.

ただトーマス-フェルミに関しては 引用されている原論文を読んで方が わかりやすいですね.

以前, 実際にこの辺を専門にしたいと 言っている院生から Lieb-Loss の Analysis のトーマス-フェルミパートが わけわからん! という相談を受けたので, トーマス-フェルミに関する セミナーをやってこともあります.

どうしてもわからないところがあったので, 原論文をあたってみたら その方が遥かにわかりやすかったという話です.

物理として何をやるかは難しいところですが, Lieb-Loss を読み終わったあと Lieb の方面としては物質の安定性や BEC がとっつきやすいでしょうか.

BEC でも議論される Gross-Pitaevski 方程式は 非線型シュレディンガー方程式と呼ばれるタイプの方程式で, 非線型の偏微分方程式論をやるという手もあります.

何はともあれ同じく Lieb が書いた本として, Stability of matter と The Mathematics of the Bose Gas and its Condensation (Oberwolfach Seminars) を勧めておきましょう.

どちらもかなり難しいです. 基本的に使っている数学は $L^p$ や $H^1$ と そこでの不等式評価だけで, 一般論・抽象論の出番はほぼありません.

また長くなってきたのでまた切ります. 残りは次回に回します.

前回の復習

まずは復習.

前々回は物理をやりたいのか, それとも数学をやりたいのか はっきりさせようという話で, 物理を数学的にきちんとやろうと思うと 学部レベルの物理すら厳しいという話をしました.

前回は数学をやろうというなら, という方向で軽く新井先生の本や, 日合-柳の本の紹介をしました.

さらに大雑把に 5 種類の方向性を挙げ, そのうちの最初, ヒルベルト空間の一般論や抽象論が ほぼいらない物理に関する数学を 具体的な本とともに紹介しました.

その 5 種類は次の通りです.

今回は後半の 4 つを紹介します. 2 番目, 微分方程式の解析に関して話をしましょう.

シュレディンガー方程式などを微分方程式と見た上での微分方程式の解析

これは何をやるかによって 一般論・抽象論がかなり必要なところも出てきます. 例えば初回に説明した散乱理論は 作用素論に関する抽象論がかなり出てきます.

自己共役作用素の解析も必要になるので, そこで作用素論の一般論が必要になる局面があります.

当然ソボレフ空間論も必要なので, 前回の Lieb-Loss 程度のソボレフ空間論は カバーしておく必要があります.

数学としては非線型シュレディンガー方程式も 視野に入ってくるので, そちらに進んでもいいでしょうね.

非線型シュレディンガーは ソボレフや偏微分方程式の基礎を みっちりやった上での話なので, その基礎部分に関して参考文献を紹介していきます.

関係が深い話も多いですから, 前回紹介した Lieb-Loss の Analysis は 相変わらずお勧めの 1 冊に入れられます.

散乱理論のような作用素論の趣も強いところは ヒルベルト空間の一般論・抽象論が必要です. これに関しては日合-柳は相変わらずお勧めですし, 新井-江沢の『量子力学の数学的構造』もお勧めです.

『量子力学の数学的構造』の II 巻の後半は 基本的に場の理論・量子統計をやるときに 必要な内容なので, 飛ばして構いません.

具体的な作用素の自己共役性や 散乱理論の一般論など, 量子力学の数学に関してもう一歩踏み込んだ本としては 同じく新井先生の『量子現象の数理』がお勧めです.

高いのでおいそれと買えとは言えませんが, 私は専門の関係で読むしかなかったので 買って全部読んでいます. 本質的なものでもないですが, 誤植はいろいろあったので それは新井先生にお送りしています.

研究会で会って自己紹介したとき 「丁寧な誤植訂正を送って頂いて ありがとうございました. とても助かりました」と言って頂いたこと, 今でも覚えています. その程度には新井先生の本や論文を 読み込んで育っています.

Hausdorff-Young の不等式など Lieb-Loss の Analysis レベルの 不等式処理力は前提とした上で, 『量子力学の数学的構造』や 『量子現象の数理』のネタも 1 章で ある程度証明までカバーしつつ 量子力学の散乱理論に深く踏み込んだ本として 磯崎洋先生の「多体系シュレディンガー方程式」は なかなか面白いです.

一般論・抽象論が必要とは書いたものの, 全部 $L^{2}$ 上で考えておいて問題ありません. 基本は全部 $L^{2}$ ですからね.

数学として, 微分方程式としての取り扱いなら, 方程式の解の存在といった議論も視野に入ります. 時間発展を考えるときは発展方程式の議論で, Hille-吉田の定理などはふつう抽象論レベルでやるでしょう.

偏微分方程式も主戦場は $L^{p}$, $W^{k,p}$ だとはいえ, 関数解析の一般論・抽象論は必要です.

これについてはやはり 偏微分方程式関係の本がいいですね. 関数解析の抽象論からカバーしてくれる本としては, もともとフランス語でそれが和訳された ブレジスの本がいいバランスです.

上の URL は日本語版へのリンクです. しかし最近改めて英語で出た バージョンの方をお勧めしておきます.

ページ数が増えているので「ちょっときつい」と思うかもしれません. しかしこれはフランス語の英訳ではなく, 新たに書き直されたバージョンです.

各章末の発展的な話題にも最近の進展が反映されていますし, 実係数しか扱われていなかったのが, 付録で複素係数までカバーするようになりました.

複素係数まで含めた関数解析の本としての 完成度も高まっています. そして分厚くなった理由の 1 つとして, 演習問題の回答がついたことが挙げられます.

もともと関数解析からはじまり, $L^{p}$ の不等式やソボレフ, Hille-吉田など関連する重要な話題もカバーしつつ, 変分を基礎に具体的な線型方程式の解析も やっていて広い範囲をバランスよくおさえた本でした.

その完成度がさらに高まっているので これは本当にお勧めです. その後非線型解析に進むにしろ, 基礎としておさえておくべき内容です.

関数解析の基礎があるなら Evans の本もお勧めです.

この本は次の 3 本立てです.

具体的に解けるところで偏微分方程式に親しみ, 線型の理論でソボレフ含め 偏微分方程式の本格的な理論への地ならしをし, 最後に非線型方程式の基礎を見るという, こちらもバランスのいい構成です.

半群理論も線型の Hille-吉田だけでなく 非線型半群も議論していますし, その辺もいたれりつくせり感があります.

非線型方程式を射程に入れているなら, 読んでみていい本でしょう. 東大の偏微分方程式の研究室の 学部 4 年セミナーでも使われている本なので, その意味でも確かな内容です.

ハミルトニアンを作用素と見た上で作用素論的な解析

これはばっちり私の専門です. もう少し広げて話すこともできるのでしょうが, 半端な話をするよりは特化させることにしました. 量子統計は微妙ですが, 場の量子論は射程距離に入れて話をします.

私は新井先生の本と論文を読んで育ち, その中で抽象論もバリバリやってきましたし, その方面が基礎です. どうしても $L^2$ の具体的なところを離れた議論, いわゆるヒルベルト空間論が必要不可欠です.

これに関しては新井先生の本が一番です. まずは『量子力学の数学的構造』を読んでから 『量子現象の数理』を読みましょう.

ここからさらに量子力学方面に進むなら Cycon, Froese, Kirsch, Simon の本でしょうか.

新井先生の本は奇蹟のように読みやすいですが, これはそこまで読みやすくはありません. 気合を入れないと読めない部分も増えます.

場の理論に行くならこれもまた新井先生の 『フォック空間と量子場』ですね.

『量子力学の数学的構造』, 『量子現象の数理』と来て 『フォック空間と量子場』を読めば, 作用素論的な方面の場の理論の論文が読めます. 少なくとも新井先生の論文はかなり読めます.

I, II と上下全部合わせるとページとしては 1700 ページくらいあるのでしょうか.

こう思うとかなりのボリュームに 感じるかもしれません. しかし新井先生の本は本当に読みやすいので 体感はもっと軽いです.

他の昔の本で半ページくらいの証明を 3-4 ページ程度に渡って 懇切丁寧に書いてくれているのだと思ってください.

実際に Reed-Simon と新井先生の本で 何かの定理の証明を比較したとき, そういうことがありました.

新井先生の本が読めなければ おそらく他の本は全く読めません. 他の本や論文を読むのは本当につらかったですからね.

ここに来ると一冊一冊がもう専門書のレベルで 1 万円越えたりしますし, 学生で大学の図書館を自由に使えるならともかく, 大人なら事実上本を買うしかありません.

余計なことは考えず新井先生の本を 買った方がお金を無駄にしないですみます.

私の専門が近い話で 書けることが増えてきたせいで またかなりのボリュームになりました.

また残りは次回に回します. 確率論は勉強しきれていないのですが, 最後の作用素環に関しては修士の頃の 研究室レベルでの専門なので, また多少詳しい話になるでしょう.

数学的にもいろいろ関係することが増えるので, 数学をやりたい人には楽しい話になるはずです.

前回までの復習

前回から今回にかけての内容で, 割と最近の成果がまとまった本として 次の本をおすすめしていきます.

私も参加していた Summer School 数理物理 2013 の 講演内容をまとめた本です.

内容の大雑把なところに関しては 当時レポートを書いたので参考にしてください.

でははじめましょう.

作用素論・不等式処理に確率論を使っていく解析, 特に経路積分の解析

前回少し作用素論方面の話をしました. 関数解析系の量子系の数理の核の 1 つは ハミルトニアンの解析です.

ふつうハミルトニアンは線型作用素だから 作用素を調べることになり, そこで作用素を研究することに特化した 作用素論の出番になるわけです.

その作用素を詳しく調べるために確率論を使う手法があります. 物理としてはいわゆる「経路積分」の厳密解析にあたります. 場の理論では特に超関数を変数とする関数の積分論になるため, 汎関数積分と呼ばれることがあります.

前者の新井先生の本は丁寧でいいんですが, 論文を読むには全く足りません. この方面の 1 冊目には最適だろうと思います. 量子力学だけでなく場の理論の話も書いてあります.

Simon の「Functional Integration And Quantum Physics」もありますが, これに限らず Simon の本は難しいです. 読むにしても新井先生の本で きっちり基礎を固めた後にしましょう.

後者の廣島先生の共著の本は 完全に場の理論の本です. 正確には粒子系と場のカップリングを考えているので, 粒子系, つまり量子力学の話ももちろん書かれてはいます.

ただこれ, 確率論に関するかなりの予備知識が必要です. いきなり Levi 過程の話が出てきます. その確率論や確率過程, そいて確率積分に関しても基本的なことが 新井先生の本にいくらか書いてあります.

この方面に進むにしてもまずは 新井先生の本を読むのをお勧めします.

量子電気力学に関する解析でも 汎関数積分を使った結果に決定的な成果があります. 対応する結果を確率抜きの純粋な作用素論で証明したり, 作用素環で見てみたりといった研究をするにも, ある程度は結果をフォローできないといけません.

研究フェーズの話ではありますが, 楽しいところなのでぜひトライしてみてください.

確率論じたいの参考書もいくつか紹介しておきましょう. まずは舟木先生の本をお勧めします.

例えば分布の収束の定義について 「どうしてこういう定義なのか」という 「気分」についての説明もあり, 初学者が疑問に思うところを丁寧に潰しています. 舟木先生の教育力, 経験が光る本です.

Markov 鎖の場合に限ってはいますが エルゴード性に関する記述もあります. 確率積分は書いていないので, 別の本を読む必要があります.

確率論の基本的なところについては 西尾さんの確率論も証明が丁寧で 読みやすくていい本です.

確率積分に関しては初読は 新井先生の汎関数積分の本を勧めます.

突っ込んだ内容に関しては, 例えば次の本が有名どころです. 読んだ本もあれば きちんと読み込んでいない本もあります. 順に舟木直久, 長井英生, 渡辺信三, エクセンダール, カラザス・シュレーブです.

結論から言うと廣島先生の本が研究に直につながる本です. しかしここにいたるギャップが激しいです. 関数解析だけでは足りず, 確率論に関してもかなりカバーするべきことがあります.

作用素論の定理の確率的証明だとか 確率的解釈のようなことも面白いので, 数学としてもかなり面白いところです.

少なくとも作用素論と確率論という 2 つの分野の交点にあるわけで, 複数の分野をまたがる話に興味があるなら 挑戦するべき価値のある話です.

くり返しになりますが, 専門書と入門のギャップ, 特に関数解析だけではほとんど足りません. そこを埋めるのがかなり大変です.

私が知る限り, 直接量子系の話とはつながらない 部分も含めて確率論をふつうに相当かっちりやった上で 対応していかないといけません.

ダイレクトに絞っているのは 新井先生の本です.

しかしこれでは明白に分量が足りません. そこを埋める, それもダイレクトに埋めてくれる 具体的な本はないと思います. 何かご存知でしたらぜひ教えてください.

特に場の理論・量子統計で作用素環を使う解析

一応, 厳密にはこれが私の専門です. 研究室は作用素環が専門の東大の河東研だったので, 本来はここです. 修士論文では作用素論しか使いませんでしたが, その後の展開では積極的に絡めています.

河東先生は相対論的な場の理論でしたが, 私は非相対論的な場の理論と量子統計方面です. 量子統計は, 河東先生の指導教官である 竹崎先生の巨大な仕事があるので, むしろその血を受け継いだ感じがあります.

学部の頃の指導教官筋で言えば, 私の指導教官のさらに指導教官は黒田成俊先生ですが, そのさらに指導教官が加藤敏夫先生です. 加藤敏夫先生は量子力学の作用素論の大家ですし, 実際に加藤-レリッヒの定理は修論でも使いました.

直接の指導教官よりも先祖返りして, 指導教官の指導教官とか そういう人達の強い影響下にある研究をしています.

ちょっと話がずれました. 具体的に作用素環の話をしましょう.

相対論的場の量子論, 非相対論的場の量子論, 量子統計でそれぞれ微妙に違う趣があります.

しかしどれも基本的なところは同じで, Bratteli-Robinson が聖典です.

全部読む必要はなく, 最低限おさえるべきは次の節です.

少なくとも作用素環の基礎である 2 章と, KMS の 5.3 は必ず読みましょう. KMS に関連して 3 章の半群理論が そこここに出てくるので, 必要なところをピンポイントでやるもよし, 必要だからと全部ガッとやってもいいです.

非相対論的場の量子論だと ほぼ作用素環の基礎だけで事足ります. むしろ作用素環の基本中の基本, GNS construction が魂です. 作用素環的な赤外発散処理のための道具です.

非相対論的場の量子論でも 有限温度との関係がありますし, 量子統計も自然と視野に入ってきます.

有限温度なら平衡状態を議論しないといけないし, そうなると KMS 状態の話になります. Bratteli-Robinson の 5.3 節ですね. KMS は冨田-竹崎理論との関係も極めて深いので, 冨田-竹崎理論は必ずやりましょう. これは 2.5 節です.

2.5 節の冨田-竹崎理論は weight に関する フルの理論ではありませんが, 場の理論への応用上は十分です. 必要になったら weight の場合の理論は 適宜結果だけ使えばいいでしょう.

相対論的場の量子論の散乱理論では weight を使おうという話もあるようで, そういうところでは関係してくるのでしょう. ド専門の話で完全に研究マターです.

Bratteli-Robinson を読んだら 論文がかなり読めます. 私が見ている範囲の作用素環を使う非平衡量子統計では 作用素論もある程度必要だったりはしますが, その辺は新井先生の本を読めば十分です.

論文になってしまいますが, Bratteli-Robinson の話の拡張でもある Derezinski-Jaksic-Pillet の PERTURBATION THEORY OF $W^*$-DYNAMICS, LIOUVILLEANS AND KMS-STATES は楽しいです. 作用素論との絡みもあるので, ぜひ読んでみてください.

あと相対論的場の量子論に関してもう少し補足しましょう. 河東先生がやっている方面の話です. 概要を把握するには最初にも引用した次の本がベストです.

これについて詳しく突っ込むには次の本を読みましょう.

Bratteli-Robinson 程度は知っていないと話になりません. 特に冨田-竹崎理論は全開で使っています. むしろ魂です.

この方面だと実際に河東先生がやっているように, 非可換幾何を介して幾何が絡んできたり, 低次元の話でジョーンズ多項式が出てきたり, それ以外にも共形場が絡むところでは 頂点作用素代数をはじめとして いろいろな数学が関係してきます.

明らかにいろいろな数学が交錯する分野です. あなたが数学に興味があるのならとても楽しい分野です.

あとは私の好みでいうなら $C^*$-力学系の話とスペクトル解析みたいなところですね. 数年前に亡くなってしまったのですが, Borchers がこのあたりをやっていた人です.

これは多変数関数論と超関数論を駆使しつつ, $\mathrm{R}^{d+1}$ の作用素環上への表現として $C^{*}$-力学系を考え, そのスペクトルを調べるという話です.

このスペクトルは粒子の情報も含んでいて, 相対論的場の量子論のやはり基本的な話を 数学的にがっちり議論するテーマです.

あなたが興味があるなら 「Quantum Field Theory as Dynamical System」という 論文を読んでみるのがいいでしょう. これを詳しく解説したのが上記の本です.

作用素論から見た私の専門はスペクトル解析ですし, やはりスペクトル解析好きなんですね. 多変数関数論や超関数論で, その分野じたいではあまり有名ではないし, 古い話を使うのですがそういうところがまたかなり好きで. どなたか興味がある方いれば一緒に勉強しましょう.

あと多変数関数論と超関数論が絡むところとして 楔の刃の定理 (edge of the wedge theorem) があります. これは代数解析への展開があります.

代数解析は全く手が出ていないのですが, 興味だけはずっとあります. これについては次の本に書いてあります.

場の理論関係だと最近そんなに話を見かけません. しかし量子力学に関しては河合隆裕さんが 何かいろいろやっている感じがします. 例えば Borel 総和法だとか, 完全 WKB 解析とかですね.

本もあるのであなたがその辺に興味があるなら 読んでみてはどうでしょうか.

私はこの本はきちんと読んだことがありません. 以前眺めた限りでは 1 次元の話をいろいろやっていて, 代数解析勢は常微分方程式論をいろいろやっているので, その辺の話なのかと勝手に思ってはいます.

代数解析の話は全く追えていませんが, イジングやスピン系の厳密解など 代数解析は昔から量子力学, 場の量子論, 統計力学とある程度の関係があります.

もはや関数解析の初学どころか 関数解析の話ですらなくなっていますが, まあいいでしょう.

最後にまとめ

長くにわたってごちゃごちゃと書いてきました. 数学パートが死ぬほど長くなりましたが, バリバリド専門, お気に入りの話をしたので こんなものでしょう.

量子力学と関わる関数解析の全てとはさすがに言えません. しかしある程度の広さはおさえたとは思っています.

現代数学探険隊の募集ページ, http://m.phasetr.com/l/m/bN5TxolcsyXt4qでもいろいろ書いたように, 幾何や代数, 数論との関係もあります. (このページ, 相当長いので 必要なところだけ適当につまみ読みしてください.)

関数解析以外にも興味がある数学を いろいろやってみてほしいですね. 幾何については最近コンテンツ制作が滯っていますが, 微分幾何・幾何解析関係の話も少しずつやっていく予定です. そちらも楽しみにお待ちください.

物理の話もしたいんですが, 最低限の数学の話を準備できないことには なかなか話ができません.

それに合わせてミニ講座は いくつか準備しようと思っていますし, がっつりやりたい人には 現代数学探険隊 http://m.phasetr.com/l/m/PMpCBo4snaB4n4もあるので ご興味あればぜひどうぞ.

毎度こんなに長い返信はしきれませんが, 何か質問があれば時間がある限り答えますし, みなに共有する価値があることは積極的にシェアします.

こんな講座を開いてほしいというのもあれば, 要望を挙げてみてください. どこかに何かの形で反映させていきます.

「四色問題がゲージ理論を使って解けるんじゃないかという話をKronheimer-Mrowkaがやっているらしい」

動画見ていないのだがとりあえずメモだ.

Dimitrov, Haiden, Katzarkov, Kontsevich, Dynamical systems and categories

Kontsevichも著者の一人になっている. こんな話もあるのか. 分野見たらAlgebraic geometryも入っていたし, 代数幾何と力学系の繋がり考えたこともなかった.

たんじぇメモ: Baireのカテゴリー定理を使った測度論の例

何かのときに役に立つかもしれない. きちんとメモしておこう.

Stability of matterメモ: 参考文献とか

ツイートの写真を見て「まさかLieb亡くなったの」と一瞬驚いたが全く関係なかった.

学部三年くらいからずっと物質の安定性には興味だけあって, 実解析的なことは全くやっていないためにまるで手が出ていない.

現代数学探険隊とかその辺の企画と合わせていい機会だからちゃんとやろうかとも思っている.

勉強したいことたくさんある.

記事紹介: 『「問題文を読んでもそこに何が書かれているのかわからない」子を教えていた時のお話』

新井紀子さんのAI研究に関する報告ももちろんだが, これはこれで割と衝撃を受ける. Twitterなり何なりで「何をどう考えてもこいつ日本語読めてないだろ. 何なんだ」というのを見かける. それが科学系統の知識不足とかそういうところでだけこういろいろと判断できなくておかしいのではなく, 本当に根本的に文章が読めていなかったのかと思うと納得はするが恐ろしい.

とりあえず記録.

悲しみの背理法と否定導入

どこまでどう引用していいものかわからないがとりあえず記録. 結城浩さんのサイトから.

これがフェイスブックで次のように引用されていた.

高校生に背理法の説明をするのに「$\sqrt(2)$は無理数」は定番で、避ける方法も思いつきませんが、もやもやしちゃうんですよね。背理法の形式で書いているだけで、実は否定導入ですから。どうしたものか、ずっと悩んでいます。 次回、ミルカさんが中間値の定理とか証明に背理法が本質的に必要なものの話をしてくれるのを期待します。ちなみに、「証明に背理法が本質的に必要」の定義は「古典数学で証明できてBishop流構成的数学で証明できない」でいいですよね。

これに対して次のようなやりとりがあった.

そういう話はどんな本とか読むときちんとした記述があるのでしょうか? 論理系統の話、初等的な範囲で問題が色々あるっぽいのにそれを説明している記述になかなか巡り会えないので困っています。 基礎論やら数理論理をゴリゴリやるのも大変で。

これへのコメント.

そういえば、構成的証明についてまとめた本は思い当たりません。ほしいですね。

さらにコメント.

http://ameblo.jp/metameta7/entry-11526220719.html 8番目のwd0さんのコメント(の下から5行目を「狭義の排中律」から「狭義の背理法」に直したもの)を読むだけでずいぶん前に進めますね。

コメントも引用しておこう.

まず明快なコメントを.

結論から言えば、安部さんは「背理法を使わない」の定義を明確に定義せずに曖昧な主張をしているために、トンデモな議論になっています。 Pを証明するために、¬Pを仮定して矛盾を導く。 ¬Pを証明するために、Pを仮定して矛盾を導く。 狭義には前者のみが背理法です。後者は否定導入と呼ばれます。

参考のため以降の部分も引用.

高校数学は、狭義の背理法と否定導入をあわせたものを背理法と呼ぶ立場です。高校数学ではそれで困らないのでしょう。

数理論理学では、背理法と否定導入は性質が大きく異なるので、広義の背理法としてまとめて扱うことに何の利点もありません。したがって、通常はそうしません。

構成的論理(別名:直観主義論理)では狭義の背理法は使えませんが、否定導入は許されます。古典論理(通常の数学で用いる論理)で証明できるが、構成的論理では証明できない定理は掃いて捨てるほどあります。

古典論理は構成的論理+狭義の背理法と同値であることが知られています。さらに、構成的論理+排中律とも構成的論理+二重否定除去とも同値であることが知られています。

狭義の背理法は使ってはならないが排中律か二重否定除去は使って良いとするなら、「背理法で証明できることは背理法を使わないで証明できる」は真です。排中律か二重否定除去を使うように書き換えればよいのですから。

狭義の排中律と同値なものも背理法の変種とみなして使ってはよくないとするなら、上記の主張は偽です。古典論理で証明できて構成的論理で証明できないすべての定理が反例となります。中間値の定理もその一例です。

広義の背理法(およびそれと同値なものすべて)を使用不可とするなら、それは構成的論理よりもさらに弱い論理となります。当然、上記の主張は偽となります。

つまり、安部さんの主張は「背理法を使う」を明確に定義しない限り、ナンセンスということです。

今日も脱背理法は厳しい.

「子どもに数学の習い事をさせよう」みたいな親を増やそうの会

記事が消えていた. そういうのは本当にやめてほしい.

それはそれとして面白いやりとりがあったので記録する.

最後の外交力が弱まるというところ, 人文・社会学系の素養がなさすぎてどういうことなのかよく理解できていない.

それはそれとして気になったのは次のやつ.

「数学を習わせようという親」というの, 発想としてあったしそれを目指してはいたが, こういう感じの比較対象を設定した上で言葉にできていなかった.

科学教室みたいなのがあるからそれに対になるというか, そういうのは想定していたが他の習い事との比較検討をしたことがなかった. 記録しておこう.

三輪哲二『物理と数学の出会い-数理解析研究所における可解格子模型の研究』

可解模型をいじりたくなるすごい文章だ. 量子群というと作用素環からの話, そして戸松玲治さんを思い出す.

位相空間での収束理論: フィルタとチコノフの定理

現在は現代数学探険隊PDF版に統一. サーバーのファイル整理で昔張っていたファイルも削除してしまった.

昔の記録

とりあえずコンテンツとしてのPDFを張っておこう.

どんな内容のコンテンツなのか, 何でこんなものを作ったかそのあたりを以下説明する.

ページの冒頭でもリンクを紹介しているように, 最近はいろいろな数学の通信講座, ミニ講座を作って公開している.

その中で要望もいくつかあがったので, 有料の現代数学の通信講座もやっている.

その中で一般の位相空間での収束に関して 作用素環で時々出てくるネットを使った話を何度か紹介する機会があった. 改めてきちんと調べて情報を出そうと思っていたものの, 講座の中でうまくはまるところがなくお蔵入りになっていた.

自分の中でも宿題になっていて, いつまでも残っているのが気持ち悪かったのでいい加減きちんとしようと思い, まとめたのが上の PDF の内容だ. ミニ講座にするほどのボリュームでもないので, 記事にまとめるだけに留める.

まだ自分用のメモレベルなので, 実際にはもっと解説を詳しくしなければならない. 今回のまとめでフィルタに対して一定の感覚を育めたことが一番の収穫だ. 現代数学探険隊に突っ込むときにはまたもう少し視界が広くなっているだろう. 楽しみだ.

フィルタは特に極大フィルタ(超フィルタ)は超準解析でも使う概念だし, やっておいて損はないと思っている. 現代数学探険隊にも適切な形でマージしよう.

最後にもう一度PDFへのリンクを張っておく.

みんな数学をやろう: 他の人文・社会学諸分野は日本語以外の複数言語で論文を書かなければいけないらしい

人文・社会学の話を聞くにつけ, 理工系は本当に気楽という感じしかしない. その中でも数学は他の学問分野を知らなくてもできることが極めて多い印象があるし, みんなも数学をやろう.

「世の中には常識が通じない人がいる」からの「数学者に通じる常識はなにか」議論

そしてこれ.

あとついでにこんなのも見つけたので.

体の乗法群(?)に関する話

緩募 体$k$に対して加法の単位元を除いた集合 $k^$または$k^{\times}$の呼称(があればご教示願いたい). $k^$と$k^{\times}$のどちらをよく使う(印象がある)かもご教示願いたい

これに対して次のようなコメントを頂いた.

群構造を含めて乗法群? $k^*$派.

コメントその 2.

体だったら$0$でない全ての元が積に関する逆元を持つから, 体を環だと思って「単数群」とか呼んだりすればいいのではないでしょうか. なんとなく, 複素数体の場合は$C^*$, 標数$p$の素体の場合は$F_p^{\times}$を使っていることが多い気がします.

コメントその 3.

「加法群・乗法群って語は何のためにあるのか?」という質問をした文脈で, 黒木玄先生から下のような答えを頂いたことがあります. これの「実数」を$k$に置き換えて良いなら, 「$k$の乗法群」となりますね. https://twitter.com/genkuroki/status/251192918491152385

黒木さんツイートをいくつか引用.

もとは廣中先生の代数幾何の本で, 射影空間の定義のために$k^$と$k$-線型空間$V$に対する$V^$が出てきたのだ. 一方で$V^{\times}$などの$\times$表記もよく見るので, どちらの方が標準的か少し気になった.

確率論と統計学の狭間で: 大数の法則とかベイズとか

前にでんまるPとやりとりした記録.

ベイズとかモンティホールはよくわかっていないので嘘を書いている可能性がある. この間黒木さんがその辺適当にまとめていた気がするので, 早くきちんと追いかけたい.

Neumann級数のNeumannはC. Neumannでありvon Neumannではない

Buchholzの論文だったと思ったが, 以前作用素環関係者の論文でC. Neumann級数をvon Neumann級数と書いているのを見たことがある. C. Neumann級数はWikipediaを参照してほしい.

式だけ書いておくとこれ:

\begin{align} (1 - A)^{-1} = \sum_{n=0}^{\infty } A^{n}. \end{align}

大規模固有値問題を観測で解く

このツイートが回ってきた当時に物理系の人とこの話したらこの発想割と普通という話を聞いた. 実際のところどうなのだろう.

「数学で卒業研究やらせても多くはセミナーで読んだ本のできの悪いまとめになりがちです」

今は(Twitter 上に亡き)kyon_mathさんのツイート. もはやPaulしかいない.

メモにあったのでとりあえず記録しておく.

そうでもないっす。私は今のとこに変わってからそれを発見しました。

もちろんマトメになっちゃう子もいる

RT @Paul_Painleve: @MRken_appmath ...数学で、卒業研究やらせても、多くはセミナーで読んだ本の、できの悪いまとめになりがちです。

できが悪くてもまとめるのはそれでそれで意味があることだと思わないでもない. 絶望的なくらいきちんと文章書けないことを知る機会でもあるだろうから.

伊藤清三『ルベーグ積分入門』の難点とその解消: 記事紹介

本はこれ.

何はともあれそうだったのか. 参考にしよう.

現代数学探険隊でもちろんルベーグもやる. そこの進め方はまだいろいろ考えていて, リース流の積分を先にやるスタイルにするか, 測度論からゴリゴリやるかとかいろいろ考えている.

とりあえず参考にしたい.

上野健爾『はじめよう数学①円周率πをめぐって』へのコメントを見てどう人と接すればいいのかふと考えた

数学の展開をしていこうというとき, 何をどうフックにしていけばいいのだろう.

無闇に数学にこだわり過ぎるのもよくないとは思うのだが, 結局数学以外でどう人と接すればいいのかがわかっていないのかもしれない.

困ったものだ.

西原史暁 訳『ダメな統計学』は邦訳が無償で読める

これは. とりあえずダウンロードした. じっくり読んでいこう.

本も興味あるが読みたい本が多過ぎてさばききれない.

粘性解が古典解になるとき: 埼玉大の小池茂昭先生のPDF

既に削除されているツイートなので具体的な言及は控えるが, 私の手元に削除前のメモがあったのだ.

弱解で古典解にならない例に関する質問に対する回答で, その回答で指示されていたPDF自体は次のURLから取れる.

これは埼玉大の小池茂昭先生のやつ. 何度か講演を聞いたことがある. あと数年前, 早稲田の田崎秀一先生の葬儀のとき, 田崎先生と学部で同期 (早稲田の物理) だったということを知った.

物理から数学? と思う方がいらっしゃるかもしれないが, 早稲田の物理学科, 正確には応用物理学科の成り立ちの問題で, 早稲田の応用物理学科(物理学科ではない)に数学, 特に非線型偏微分方程式の専門家が二人いる.

最近プログラムと絡めて数学をやろう企画をはじめようとする中, やはり微分方程式が一番取り組みやすい感があり, 改めて偏微分方程式とか実解析周辺の話を勉強する機運が高まっている.

やりたいやりたいと言ってずっとやってこなかった BECや物質の安定性にも突撃したい.

中高数学とプログラミング系コンテンツを作ろうの会

どなたに聞けばいいかもわからないのだが, かもさんに聞いてみた記録.

数値計算の前にそもそも文字の扱いに慣れていてもらう必要がある. まずはそこからはじめよう. 数値計算は私も遊んでみたいところなのでそこに行くべく導線を頑張って作るのだ.

このページに無料の通信講座をまとめているので, ご興味があればぜひこちらから探してみてほしい. この記事を書いた時点でも, 中高数学とプログラミングに関わる講座も既に一つ作ってある.

初等幾何の謎: 補助線が交点をなすことを示さない

高校までの初等幾何, 上手く補助線引いて交点求めたりと色々と弄るのはいいが, 肝心の補助線が交点を成すということの証明は全く気にしないし地獄という感じがある

昔の魔法少女のツイートだ. 確かに言われるまで気付かなかった.

ベクトルには大きさや向きがあるか?

あともう一つ.

ふだん使わないから実数または複素数以外の体の場合の内積についてすぐ忘れる. 前も書いた気がするがどの記事だったか忘れたので改めてまとめておこう.

中間値の定理と実数の連続性は同値である

これに対していくつかコメントもらった.

あともう一つ. 調べておこう.

コメント

実数の連続性から中間値の定理を示すのは高木貞治の解析概論のp26に載ってますが、その逆はなさそうです。

ありがとうございます。 英語で検索して適当に情報を見つけました。 数学に関する話、mathstackoverflow あたりにどマニアックな話がたくさんあって、 すぐに引っかかるので非常に便利でした

英語のつぶやきだと、mathstackoverflowネタが結構流れてきますね。

数論の学習と線型代数・解析学

どちらかと言わずとも線型代数と微積分だけでやるようなタイプの議論しかしたことがない. そういうのが好きといえば確かにそうなのだが, それしかできないという現状もそれはそれで無視できない. やってみたい数学はたくさんある.

自己共役2階楕円型微分作用素の固有値の発散オーダーをどう調べるか?

何ら役に立つ情報を出せた気はしないが, かつての自分がこんなことをさらっと言っていたことに割と衝撃を受けている. きちんと記録しておこう.

コメント1

ラプラシアンの固有値の振る舞いについてはWeyl’s lawが知られてます。 以下はwikipediaより

In mathematics, especially spectral teory, Weyl’s law describes the asymptotic behavior of eigenvalues of the Laplace–Beltrami operator. https://en.wikipedia.org/wiki/Weyl_law

コメント2

あとこんな記事が

コメント3

これの非可換幾何・共形場理論版が「量子現象の数理」の河東先生のところにも書いてあります。

非可換幾何版との比較のところでリーマン多様体版もちょろっと書いてあります。

求む: 無理数の存在に関する(数理)哲学的な議論を知るための書物

何といったらいいのかよくわかっていないが, そもそも正方形の存在自体が人工的 (まずそれが存在するの的な意味) な感じがする. 長さぴったりももちろんのこと, 角度90度を実現できるのか的な感じ.

あといまここで問題なのは, 実数の存在というよりも無理数の存在なのだろう. 無理数が見えるかどうかという問題, 哲学 (数理哲学) 的に何か議論があるのではないかと思っているが, それはどうすれば見つけられるだろうか.

結局無学を晒す羽目になった.

つらいときにはたたみ込み: 東北工業大学 中川朋子さんによる解説

元のページは次のURL.

とりあえずメモしておこう.

Bernhard-Jablan unknotting conjectureの否定的解決(?)

私は真偽判定する能力を持たないが, ツイートを見かけたのでとりあえず張っておく.

二つ目のツイートで「結び目理論の未解決問題10」に関する Naverまとめが張られていて「何でそんなにまとめがNaverにあるのだろう」と思ったら, musubimerironさん自身のまとめだった.

私の結び目理論への知識は, 学部四年のときにちょっと講義にもぐった程度でほとんど何も知らない. Jones多項式関係で院のときの専門だった作用素環とこう割といろいろ関係があるとか, 三次元時空での代数的場の量子論でのDHR-DR的な話でも組み紐群が出てくる(はず)だとか, その程度しかない.

ただツイートの中にある反例を挙げる形での 否定的解決というのがかなりツボ. 私が運営している通信講座, 現代数学探険隊は, 例や反例を自分で作っていくことを重視して 数学学習していこうという趣旨で内容を構成しているので, 反例を作ることで本当に論文になる話としてメルマガでも流そう.

あとプレプリントをパラっと眺めて気になった点を挙げておこう.

The bulk of the work needed to reach these conclusions was carried out by computer.

ある意味四色定理とも似通っているのだろうか, プログラムで片をつけた部分も大きいとのこと. 最近中高数学駆け込み寺という中高数学復習のための無料のミニ講座で, 多少のプログラムもつけて講座を展開している.

数学とプログラムの遊び方みたいなところは最近かなり気にしているので, その点でもとても気になる.

SnapPyというPythonによるソフトもあるようなので, やはりPythonをもっときちんとやらねばならないかという気になっている. 個人的にはHaskellをやってみたいのだが, グラフを手軽に書く, 数値計算も手軽にやる, そういったところからすると資料が少なく(というか観測範囲でほぼない)Haskellでやるのは極めてハードルが高い. となるとやはりPythonかという感じ. これも頑張らないといけない.

「歴史学者は教育の専門家ではないから学校では偽史を教えても良い」

2016-12-25 の「林先生が驚く初耳学」で掛け算の順序問題が取り上げられたようだ. これは東北大助教の黒木玄さんが継続的に取り上げている話題で, 詳しくはかけ算の式の順序にこだわってバツを付ける教え方は止めるべきであるなどを見てほしい.

それはそれとして上で引用したツイートだ. 特にこれ.

数学者は教育の専門家ではないから、学校教育では数学的に正しくても×にして良い。

これがどれだけおかしいのかうまく言語化できずにいたが, こう言えばいいのか, というのがようやくわかった.

歴史学者は教育の専門家ではないから、学校では偽史を教えても良い。

これ以外にも医療情報に関して, 小学校の保健の授業では医学的に否定された瀉血を教えてもいい, とかその他もろもろの異常な話が導出される.

何でこんなひどい話を堂々とできるのだろう.

それはそれとして, 人文・社会学系では学会の合意というか ある種の「政治」的な問題で, 学会内ではとうに否定された話が延々と中高の教科書に載り続けるとかいう問題があるらしい. それはそれでどうなのだ, とは思うが, 割とすっぱりきれいに決まりやすい理工系の常識ではかっていいものか, という気もする.

実証や実験がしづらいところだと 理工系でも似たような問題は起きると思うが, そういう場合理工系だとどういう扱いをしているのだろうか.

話がずれてきたのでこの辺にしておこう. しかし本当にあまりのひどさに目を覆いたくなる.

alg_d兄貴のtogetter数学講座

次のやつが割と楽しそう.

ベルフェゴール素数

元ネタを追いきれないがとりあえず記事を二つつはっておく.

二つめの記事に張ってあるが, メガテンでも便器に座っているあのアレだ. もう便器のイメージしかない.

AMS Open Math Notes: Terence Tao のノートもある

ぱっと見て気になったやつを記録.

とりあえず優先して測度論だけは目を通してみよう.

森重文語録『やっていることは単純なことだけど、繰り返し手で動かすことで式の奥深さが見えてきた。繰り返しは大切。』

メルマガとかでも流そう.

数学をやり直すのに中学からやりはじめた方がいいのか?

簡単なまとめ

大人が数学を勉強し直したいという相談をよく頂きます。そのとき中学数学からやり直すべきか、とよく聞かれます。その人が何をしたいかによるので一概には言えません。中高の数学へのリベンジがしたいなら中高の数学をじっくりやるのがいいです。でも大学の数学にチャレンジしてみたい人だとまた対処が変わります。その方法を案内します。

本文

Twitterで質問を受けたのでそのやりとりをまとめている. 結論から言うと何をやりたいかによるので一概に何とも言えない. 詳しい話も書いているので以下のTwitterでのやりとりを見てほしい.

上でリアルの大人向け数学教室もあると書いた. 私の知る限りではあるが, 東京と大阪にしかない. そして以前そこに通っていたが遠いので通いきれなくなったから同じくらいの内容の 通信講座をやってくれないか, という要望を頂いたこともある.

そうした要望に応えるべく2016-12時点では次の三つの講座を用意している.

無料の通信講座もあるので気軽に登録してほしい.

「数学は発見されるものか、発明されるものか?」

その他やりとり.

その他にもあったが省略.

「数学は発見されるが複数存在する」みたいなのないのだろうか. あと数学の存在証明以前に数学の定義はどうしているのだろう. 哲学的にはもっとうるさい基本的なところから議論しているとも思う.

部活と数学問題に見る『「その業界に愛のない人」「その業界の特に利害関係者でもない人」の批判というのは、残酷なまでに美しく、正しい』話

これがかなりクリティカルな印象.

この間微妙な怒られが発生した.

学と学問分野で何が違うのかはわからないが(定義による), 適当な意味で広めたいと思うのなら, マーケティング・コピーライティング的なところが重要なのは論を待たない. 不純というのも表層的というのもよくわからない.

そもそも焦点がどこにあるのかよくわかっていないものの, どんな表現を使おうと真理は真理, これ自体は多分伝わるのではないか. むしろ「真理だろうが何だろうがお前の言うことは気にくわない」に対する話だろう. そこがずれていると見ている.

何の役にも立たないような学術的な話は, ギリシャの奴隷制の元で暇な貴族階級の思索からはじまったとか何とかいう話を 高校で勉強した. それが正しいのなら, 単にそれだけだし, 社会や俗なところから離れてはいたとしても, 金からは離れられないのはもう by definition レベルの話という気はする.

むしろだからこそ, 私はその手のきちんと数学でお金が稼げるようにしましょうという活動をやっている.

観測範囲の問題が気になっている. 他の学問だとどうなのだろう. 例えば私の観測範囲では科学技術社会論 (STS) や経済学者のイメージは最悪な印象がある. こちらは言葉遣いの問題ではなくイメージが悪い. 数学とどちらの方がよりひどいだろうか, ということを考えないでもない.

ある程度まとまって人がいれば異常なくらい口が悪く, かつ適当な意味でうるさいのも一定の割合で存在するだろうし, 単に数学者に興味関心があって, 注意を払っているからそう見えているだけ, という気もしている. 実際, 化学者で口が悪いのがいるかどうかとか, 医学生理学で口が悪いのがいるかどうかとか, そもそも気にしたことがない.

ちょっとだけコメントしたやつ.

生物と道具としての数学, そしてプログラミング

そもそも遺伝学と集団遺伝学で何が違うのかすらまるでわからないほど, 生物の素養がない.

何も知らないので泣きたくなる.

数学と物理とプログラミング: 学部2-3年レベルとは何か

以下のツイートが発端です.

(自分にとって)見やすいように編集しつつ引用します.

発端

ずっと前から思っているが, 数学と物理とプログラミングにまたがる話で, 数学とプログラミング, 物理とプログラミング, 数学と物理ができる人はいても, 数学と物理双方学部二-三年程度をふんわり知っていてプログラミングもギリギリできる, みたいな人が社会に出てこない (コンテンツを作ってくれない). アカデミアに引きこもっている層なら数は増えるだろうが, 数学と物理周りの話はしてくれてもプログラミングに関わる話をろくにしてくれないイメージがある. その辺を突けばまだ市民にもできることがあると思って今いろいろやり始めている. 誰かもっといいの作って欲しい. 機械学習とかよりも.

電波猫さんとのやりとり

数学と物理とプログラミングをどれも齧ってるつもりだけど, 学部 2-3 年程度がどれくらいのものかよく分からないし, 多分できてない.

数学に関してかなり使える基準だと思っているのは多様体の本が難なく読めるかどうかです. 線型代数の抽象論が必要で, 陰関数定理・逆写像定理・常微分方程式の解の一意性存在定理を使いこなせ, テンソル代数のイデアルによる商代数の構成がわかるなら相当確固たる基礎があります.

物理だと解析力学・電磁気・熱力学・量子力学・統計力学あたりを「よくはわからなくても何となく一通りは聞いたことがある」「一通り専門用語を知っていて関連する計算ができる」レベルですでにかなり厳しいと思います.

物理はまだしも数学については, 知識としては学部 2-3 年でも, 運用できるレベルに至るのが下手をすると学部四年のゼミで鍛えられて大学院でようやく何とか最低限の運用技術習得くらいな感触があり, 実際は相当高い水準です. 少なくとも解析系市民としてはかなりのハードルを感じる事案でした.

きびしい.

線型代数の抽象論は明らかにやばくわかっていない・そもそも知らないことがはっきり認識できますが, 微分積分と微分方程式は理解はともかく使えている感を感じている人は多そうな一方, 多様体で必要なのは息切れして教養数学で手薄になる陰関数定理・逆写像定理こそクリティカルに効くこと, これらが直観的にはかなり明確ではあるものの, 証明が長く厳しく多変数で記号もつらく, そもそも直観的な理解さえほとんどされていないであろうことがまず厳しさ第一ポイントです. 常微分方程式のハードルはある意味さらに厳しく, 普段散々微分方程式を解いている・解けていると思う人ほどおそらくつらい. 具体的な方程式を解けるかどうかではなく, 一般の正規系の非線型常微分方程式系の局所解の一意性存在定理こそが問題で, そもそも解の一意性と存在定理自体に興味を持たない応用勢を軒並み焼き尽くしていくハードルです.

強い人だとそれらを何となくパワーまたは「そんなもん知るか」で乗り越えていくのですが, 半端に数学をわかった・使える気になっている人だけを特異的に綺麗に粉々に破壊していく要素が多様体論に詰まっています. 自動的に学部の数学をかなり広く勉強できてお得と言えばお得です.

解析はかなり苦手意識がありますが, 沼が深そうですね.

沼とかではなく, 現行の非数学科ではたいてい全く必要なくて, 数学科の数学で必要になるだけの話です. いらないからやらないし知らないし知らないままで物理・工学できるのです. ミュージシャンが何かの機会を「クールなこれを何か知らないが問題ない」という例のアレです. 無理に知ろうとするからつらい.

数学と違って物理はある程度計算できればそれなりにレベルアップした感が持てるのがいいところという感じがある. 数学だともう何をどうやっても駄目なものは駄目で何一つわかって気がしないだけではなく, 実際に本当に何もわかっていないし, 計算さえ何もできない.

物理は「何もわかっていなくてもとりあえず計算できる」があり得るし, 逆に「計算はよくわからないが (実験を通じて) 多少なりとも物理を知った気になれる (わかったかどうかは別の問題)」があり得る. 人によってはあるのかもしれないが, 数学で物理に対応するこの事象に出会ったことがない.

番外編: 数学科の本を物理関係者が読む

とりわけ物理の人間が勘違いしているのだが, 数学科向けの数学の本は適切な水準の数学科の学生に向けて書かれていて, 他の誰をも対象にしていない. 他学科の身で「わかりづらい」というのはそもそも「お前は対象ではない」事案なので, あるなら物理の人が書いた本を読むか, 我慢するしかない.

数学科の学生が物理の本なり工学の本を読んでいて「数学的に厳密ではない」と言い出したら「国に帰れ」と言わざるを得ないだろう. 「お前のための本ではない」と. それと同じなのでさっさと諦めて欲しい. 諦めて読むのをやめるか, 数学科の数学とダイレクトに戦うしかない.

もちろんいつだって最終手段である「専門家・友人との議論」と, 「自分で本を書く」手段は残っている. 私のような市民ならともかく, 大学生ならもう最終手段を取るしか, ほぼ全ての場合に道はない. はやく諦めて本を書け.

それに合わせて具体例が欲しいとかいう話, どのくらいの本をどう読んできてどのくらい数学ができてどんな本を読んでいるかがまず真っ先に問題になる. 例えばこのツイートの話. 適切な具体例がたくさん書かれていても「抽象的で意味がわからない」となっている可能性がある.

数学で具体例が必要事案, 何をもって具体例とみなすかがまず大問題で, 多分初めのうちは線型空間に具体例がいるはずなのだが, そのうち別の概念の具体例として (抽象的な) 線型空間が出てくるし, 初学者にとって抽象的な例がある程度知っている人には手触りのある最高に具体的な例になったりする.

当然, 多段階で具体例を山ほど知っていることが前提になっている. 数学的な段階を吹っ飛ばして本を読むと「この本を読む数学の人間ならこのくらい知っているだろう. そうしないとまともなページ数で本かけない」問題もあり, そこを飛ばしてアタックした他学科の学生は地獄を見るだろう.

それを読むための基礎体力がないので, 諦めて暴力的な基礎体力作りに励むしかない. 基礎体力がなければもちろん数学科学生であっても読めない. 物理の本でも最低限の計算力を少しずつ鍛えるのであって, いきなり量子力学や電磁波をやると計算量で圧死する. 社会は厳しいのでもうどうしようもない.

このような具体例が構成されている. 「線型空間のテンソル積と本質的に同じなので詳細は省略する」と環や加群のテンソルでやられるし, そこから同値条件だと言って普遍性に飛ばされたりする. 「集合と写像という数学の基礎だから」と言われても応用系でやらないから即死もある

「この証明ではテンソル積の具体的な構成を用いています」 (そして現れる, バカでかい線型空間のバカでかい部分空間による商空間)

中学での多項式の因数分解の「採点」を巡る問題: 黒木さんのツイートまとめ

次のツイートからなるツリーを勝手にTeX化・PDF化した.

学部は数学科ではなく, 院も解析系だったので極端に代数の素養がない. その懦弱さがこの手の議論で効いてくるのを痛感しているので, あとで見やすく・参照しやすくするために適当に編集して TeX 化した.

これから本格的に中高生に対する数学の教育に関わっていこうと思っているので冗談では済まされない. 粛々とやっていく.

数学者による数学教師への推薦図書の小リスト

鴨さんのツイートまとめ

黒木さんの批判コメント

市民感覚の無料コンテンツ

せっかくなので私が作ったコンテンツも紹介しておこう. 次のページにまとめてあり, 随時追加している.

特に次の講座を勧めておこう.

愛された単位元のない可換環$L^1(\mathbb{R}^d)$

先日埼玉大の坊ゼミでブルブルエンジン兄貴が単位元がない環に対する極大イデアルの存在定理についてトークしていた. 単位元がない可換環で我らがBanach環, $L^1(\mathbb{R}^d)$でどうなるのか考えている. 時間がなくてサボりっぱなしなのだが, 書いておけば誰か教えてくれるかもしれないという甘い期待を抱いて記事を書く.

ちなみに局所コンパクトHausdorff空間$X$上, 無限遠で消える連続関数がなす環$C_0(X)$も単位元がない可換環になる.

つどいの話の動画化したやつの付録でも簡単に触れるが, $L^1(\mathbb{R}^d)$の積は畳み込みで入れる. これは例えばKadison-Ringroseの本の3章に書いてある.

ここでちょっとした表現論をやってFourier変換を導出するという話もあって結構楽しい.

それはそうと, 畳み込みで積を入れるという話だった. まず積がwell-definedになるかという話で, これはLebesgue積分では基本的な議論で確かめられる. 例えば巾等元, または射影があれば極大イデアルがあるのだが, まだこれが作れていない. 頑張ろう.

知っている・またはすぐ作れるという方は教えて頂けると有り難い.

記事紹介: 【ドラクエから類体論】

ブルブルエンジン兄貴のツイートで紹介されていたのだが,  ドラクエから類体論という際物の解説があった. 不勉強なところなので正直細かい所は把握しきれていないのだが, こう無駄な迫力があり無駄に読ませるという点で優れた解説だと思う. タイトルからしてドラクエということで読者を選んでしまうのだが, むしろ読者を限定することでその層に向けた強いメッセージを発することができている. この辺は私のニコマスの動画と同じコンセプトであると言える.

内容に関してははじめの目次のところを見てほしい. そこで大体分かる.

ドラクエ世界の形から始まり, なぜか唐突にパラレルワールドの話になり, そして唐突に被覆が出てくる. Galois被覆という大事なキーワードを出しつつ部分群と空間の対応を論じるのだが, 実はこんな話もある, といって体のGalois理論に入る. あれよあれよという間になぜか類体論の話になるという不思議な記事だった.

不勉強なせいで上手く説明できないので, 興味がある向きはとりあえず読んでみてほしい. 何か不思議な感覚を味わう不思議な文章だった.

ところでこの記事書いた人, 何者なのだろう.

Ask.fmの紹介: 論理学を勉強すると何の役に立ちますか?

本文

yuuki_with2usさんのAsk.fmなのだがちょっと気になったので.

論理学を勉強すると何の役に立ちますか?

ストア派の哲学者エピクテトスの説話集に次のようなエピソードがあります。

彼の聴衆の一人が言った。 「論理学が有用で必要なものだと私を説得してみせろ」 そこで彼は言った。 「私にそれを証明してほしいということですか」 「そうだ」 「なるほど、そういうことなら、私は証明による論証を使わなければなりませんね?」 そして、この聴衆がこれに同意したのを見て、彼は言った。 「ではあなたは、私がその論証であなたを騙していないということをどうやって知るのでしょう?」聴衆が返答に窮するのを見て彼は続けた。 「ご覧なさい、あなたはご自分で論理学が必要であると認めているのです。それなしでは、果たしてそれが必要かどうかさえも知りえないというのでは」 (The Discourses of Epictetus, Bk. 2, Ch. 25; 拙訳)

はたしてエピクテトスがここで展開している物言いは説得力のあるものでしょうか、それとも詭弁でしょうか。そうだとしたら、どこにどのような問題があるのでしょうか。このような物言いは日常的な会話や物言いの中で見られるでしょうか。そのような物言いには何か共通のパターンがあるのでしょうか。どのようにそれを見分け、評価すればよいのでしょうか。学部生が初めに学ぶくらいの論理学を勉強すると、このようなことを良く考えられるようになるはずです。

いまひとつよく分からないが, 気にはなるので忘れないようにメモ.

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論理学, 教育

記事紹介: SIGGRAPHでの離散微分幾何レクチャーPDF

本文

離散 (デジタル) 微分幾何 というのがあるという. ちょっと引用してみる.

今年のSIGGRAPHのレクチャーで,こんなのがあったようです. Discrete Differential Geometry: An Applied Introduction

これ,幾何学のとても良いレクチャーになってます.幾何学で言う曲率やホモロジーの概念は,空間を離散化して定義して,離散化幅を→1/∞にすると分かりやすい(というか,元々,それが定義)なので,連続的な幾何学を離散的な多角形で扱っているこの論文集はとても良いです.

講義録は多分このPDFだ. 数学・物理とプログラミングというのは前から興味があるので, 目を通してみたい.

やりたいことが日々増えていく. もっと真剣にこうした活動をお金に替えることを考えないといけない. 東北大の小谷さんの専門関係の話も追ってみるか.

ラベル

数学, 微分幾何, プログラミング, 相転移プロダクション

本文

第5問題についてWikipediaから引用しておこう.

第5問題

位相群がリー群となるための条件

「関数の微分可能性を仮定しないとき、リーによる連続変換群(リー群)の概念は成立するか。」

この問題は1930年にノイマンによって証明されたのを皮切りに、 ポントリャーギン、シェヴァレー、マルツェフ等により局所ビコンパクト群の理論が発展されていった。 その後1952年にはグリースン、以降モントゴメリ、ズイッピンらによっても解かれた。 最終的には1957年にグラスコフが完全な形での証明を発表した。

第 5 問題は岩澤先生も貢献している. 岩澤先生が何をしたのかとても興味があるので, 読んでみたい.

ちなみに永田先生が解決したのは第 14 問題だ.

ラベル

数学, 代数学, Lie 群

記事紹介: 保育園のころ、魔法を使える先生がいた。

本文

ネタばれになるが, 大事なところを引用しておこう.

まこ先生は目を伏せる。 「気づいてほしかったけれど……。きく先生は気づいてなかったのかもしれないわね」 「気づくって、何に?」 「子供は考えるのが好きだってことに」 昔のように、まこ先生はニコッと笑った。

子供達にも数学をガンガン叩き込んでいこう.

ラベル

数学, 物理, 相転移プロダクション, プログラミング

あとで読む用メモ: Twitterで見かけたFields賞関係の話

本文

Fields 賞が発表になった. Twitter では早速各所で情報が飛び交っていたので, 自分用にまとめたい.

大栗さん筋からまず1つ. ところで大栗さん, どこからファッション関係での取り上げを見つけてきたのだろう. 謎の調査力, さすが教官だと感銘を受ける.

大事だと思った部分を抜き出しておこう.

Like many girls, I wasn't encouraged to pursue careers in technical fields like math or science. Mirzakhani hopes her award motivates young girls to pursue STEM (science, technology, engineering, math) subjects. "I will be happy if it encourages young female scientists and mathematicians," Mirzakhani told the Stanford Report. "I am sure there will be many more women winning this kind of award in coming years."

大栗さん筋の情報その2. サイモンズ財団強い. まだ全く様子が掴めていないので, おいおい読み込もう. 自分用の日本語まとめとしてメルマガに書くことにしたい.

Terence Tao のブログ. これも後で読んで日本語でまとめたのをメルマガに流そう.

ラベル

数学, 数学者

この間買ったばかりだというのに『佐藤幹夫の数学 増補版』が出るというのでつらい

本文

前に書評も書いた『佐藤幹夫の数学』だが, 新章が追加された増補版が出るという. ほしいがお金ない. つらい. 数学アクセサリとか早く軌道に載せたい. DVD も新しいの作るか.

ラベル

数学, 代数解析, 数学者

あまりにもつらいコラム紹介: カワイイ数学コラムVol.1「誰かに好かれてる確率は?」

本文

カワイイ数学コラムVol.1「誰かに好かれてる確率は?」 というつらいコラムを見かけた. 「誰か」に好かれていて嬉しいのだろうか.

最近ストーカーという名づけられた変質者による殺人事件も目立って報道され, 社会問題としてはっきり認識されてきているような状況もあるので, むしろ不安になる.

これはむしろ防犯的な利用の方が役に立つのでは, とも思ったが, 女性側がそんなことを気にしないといけないというのもひどい話だ.

総評: とてもつらい.

ラベル

数学, 確率論

書泉グランデMATHがまた面白そうな本を大量に呟いていたので

本文

また書泉グランデMATHが面白そうな本ばかり呟いているので.

つむじの本と音楽の本ほしい. 小中学生向けに何かできないだろうか. 折り紙 (の数学) はよさそうだと思っているのだが.

ラベル

数学, 相転移プロダクション, 折り紙, 幾何学, 代数学

嘉田さんと結城さんのやりとり: 「述語論理の構文論と意味論」とかその辺

本文

やはりプロは違うな, と感嘆する.

ラベル

数学, 数学教育, 数理論理

数学 今日のいい話: 数学的対象の実在性

本文

数学 今日のいい話シリーズ.

数学に限らないが, よく知っているものの実在性, 言葉では何とも言えないところがある.

ラベル

数学, 数学者

A. Weil 恐怖の言行録

本文

Weil 恐るべし.

ラベル

数学, 数学者

『幾何学と代数系』金谷健一(森北出版): 書泉グランデMATHが面白そうな本を紹介していたので

本文

書泉グランデMATH, 面白そうな本をたくさんツイートしてくるのでつらい.

ラベル

数学, 幾何学, 代数学

Youtube の講義動画: 自分でYouTube にあげる動画の参考にしていきたい

本文

最近とんとご無沙汰だが, YouTube で動画をいろいろ上げていこうという計画を立てている. その参考にしたい.

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数学, 数学教育, 相転移プロダクション

魔法少女から: 相転移Pについては超関数論の超準化みたいなのプロデュースしていただきたい

本文

魔法少女はすぐツイートを消すから困る.

相転移Pについては超関数論の超準化みたいなのプロデュースしていただきたい

@phasetr http://www.sciencedirect.com/science/book/9781898563990 http://t.co/VbJUqiRYJf

PDF の方は気長に読む予定なのでしばらくお待ち頂きたい.

ラベル

数学, 超関数論, 超準解析

数学教育とプログラミング: 数式処理ソフトをうまく使えるようになりたい

本文

これ, この間立川さんの YouTube 講義で立川さんが ちゃかちゃかと mathematica 使ってシミュレーションしていたのを見て, うまく使ったらこれ面白そうだなと今更ながらに思った.

教育での数式処理ソフトの使い方, 少なくとも日本では確立されていない印象があるので, ちょっといろいろ試してみたい.

ラベル

数学, 数学教育, プログラミング

防衛に役立つ数学研究がしたい

本文

いい話っぽかったので記録を残したい. 適当なことを言っているだけでいいことを教えてくれる Twitter, 実に尊い.

追記

非常にいい話だった.

ラベル

数学

記事紹介: 数学をゲーム感覚で学べる「Primo」

本文

だいぶリアクションが遅れたがタレコミを頂いたので.

すいません、毎度毎度gigazineからタレコミます。

http://gigazine.net/news/20140516-primo/

gigazine からも引用しておく.

「数学が苦手」は生まれつきではなく努力によって克服可能であるという意見がありますが、 一度苦手意識を抱いてしまった数学を好きになるにはそれ相応の努力が必要になるはずです。 しかし、数学をゲーム感覚で学べる「Primo」ならば、 友達や家族と遊びながら楽しく苦手を克服したり、数学に対する興味関心を高めることができそうです。

面白そう.

ラベル

数学, ゲーム

あなたの街の解析屋さん

本文

むしろスコティッシュカフェみたいな感じで, 解析学徒が厚まる場所にしたい. スコティッシュカフェについては聖典『無限からの光芒』を読もう.

ラベル

数学, 解析学, 相転移プロダクション

ゼルプスト殿下のブログから: ホーキング博士の道案内で数学史の世界を探訪

本文

ホーキング博士の道案内で数学史の世界を探訪 というゼルプスト殿下のブログの記事で, Hawking の本, 『God Created The Integers』の紹介記事だ.

数学の歴史に一時代を画した重要な業績を、作者である数学者のプロフィールと、 論文の英訳によって紹介したアンソロジーで、古代ヘレニズム時代のユークリッドから現代のアラン・チューリングまでをカバーしています。

安いしほしい.

ラベル

数学

黒木さん筋の情報: 竹内端三『楕圓函数論』

本文

黒木さん情報.

参考にしたい.

ラベル

数学, 数学書

読んでみたい本メモ: 山口昌哉『数学がわかるということ』

本文

この本, 読んでみたい.

ラベル

数学

明石写像の由来と日本文学

本文

何ですと.

これ, 本当なのだろうか. あまりにもいい話すぎる.

追記

次のような情報を得た.

あとで読みたい.

ラベル

数学, 日本文学

『大学数学基礎ゼミナール—論理と集合 「数学女子」まなちゃんの (KS理工学専門書)』という本が出るらしいので

本文

これはほしい.

そういえば宇宙賢者に数学女子を貸しっぱなしだった. 返ってくるときには宇宙女子とかになっていそう.

ラベル

数学, 数学女子, 漫画

素晴らしい記法が発明されたので

本文

これは, という記法だったので.

今後板書など手書きのときに使っていきたい.

ラベル

数学

あまりにも悲しい現実だった: 「「反転授業」はモチベーションのある生徒にしか使えません。」

本文

あまりにもつらい現実だった.

最近, 中学まで行っていた柔道を再開して道場に行っているのだが, そこの小中学生と一緒に何か「お勉強」をしようと画策している. 何か具体的なことを何かするというより, モチベーションを高める方向で何かしたい. もちろんその方がハードルが高いし, だからこそやりたいのだ.

ラベル

数学, 数学教育

数学アクセサリを作りたい

本文

蝉丸P に教えてもらったことを記録.

別のラインから根付もいいぞ, という話を伺う. 自分用からはじめるのがいいか, と思って和装に限定したが, 一般向けには洋装に合うのもいい. 特に女性用のアクセサリは真剣に検討したい.

ラベル

数学, 相転移プロダクション

適度で適切な「初心者歓迎」の空気は大事だな, と

本文

【オープンソースコミュニティは閉鎖的。オフ会はオープンであるべき】という記事, 参考になる.

特にオープンソースのコミュニティのオフ会って、 オープンソースの中身がどうこうよりも、OracleやWindowsの悪口であったり、 誰々さんが何々をして盛り上がったとか、内輪ネタの話が多い。 私はある程度会話には付いていけるけど、初心者がオフ会に参加したら間違いなく孤立するだろうな。 内輪ネタがまず意味不明だろう。

同じことはオープンソースのメーリングリストやコミュニティにも言えて、 たまに初心者が雲をつかむような話を投稿すると、熟練の怖い人から「まず検索しましょう」「自分で調べましょう」と返ってきたり、スルーされたりする。

だんだんその雰囲気が重苦しくなって、 MLには誰も投稿しなくなる(たまにバージョンが新しくなったアナウンスが投稿される)。 そういうオープンソース系のMLを沢山見てきた。 IRCもそう。

perl-casual とかは多分カジュアルにPerlの話をしましょうっていうチャネルだと思うけれど、誰か投稿したのを見たことがない。

もっと敷居を下げて誰にでも簡単な敷居で参加できる会がないと、 そのうち会のメンバーの固定化が起きて後継者問題が発生してくる。 これは遠からぬ話、はてなブックマーク界隈でも問題になることだろう。 内輪ネタで盛り上がるのではなく、それも肴の一つにしながら、誰でも参加可能な残飯処理係のいない会を開いていきたい。

参考にしたい. というか数学カフェはこんな感じを大事にしないといけなさそう.

ラベル

数学, 数学教育, 相転移プロダクション

黒木さん発言録: 「【数学の教師って、数学得意だったから数学苦手な生徒の気持ち理解できないから、数学教えるのは向いてないんだって。】これは数学をきちんと勉強したことがない人の発言か?」

本文

さすが黒木さんがとてもいいことを言っていた.

「わかる人はわからない人の気持ちがわからない」という妄言, 本当にどうにかしてほしい. もっと言葉を大事にしてほしい.

ラベル

数学, 数学教育

数学のアクセサリを身につけていきたい

本文

数学アクセサリを身につけてみたい. そうしたら次のようなコメントを頂いた.

こういうのもある.

何かよいものをご存知の方は教えて頂きたい.

ラベル

数学, アクセサリ, デザイン, アート

機械学習で関数論を使う機会, 本当にあるのだろうか

本文

面白そうな呟きを見つけたので.

競技プログラミング勢, 「複素関数論は役に立たない」って言われたらどれくらいの人が同意するのか, 少し興味ある.

(複素関数論をセレクトしたのは, (ほぼ) 必修だった数学が「線型代数・微分積分・複素関数論」で, 最初の 2 つの重要性を主張するのはよく見るけど, 最後の重要性の主張はあんまり見ないから)

機械学習で複素関数論! とか, もっと主張していいんじゃないのか. 留数定理くらいなら使いどころも多かろうて.

@tmaehara 古典解析的には「複素解析までやって微積は完成する」ですけどね. 解析概論もそうですが, 初等函数の理解には複素解析が必須ですから. 確かに, 線型代数・複素解析を含めた微積の機械学習はあってもいいし, また, 競技化しても面白いかもしれません.

機械学習で関数論, 本当に使いどころあるのだろうか. それはそうと, 前にやった関数論のセミナー, いい加減 DVD 化したい.

コメント

ラベル

数学, 機械学習, プログラミング, 関数論

関数標本なる書物があるらしい

本文

自分でやる気はしないけれども.

関数を飾って楽しむものらしい. 1,620 円. https://pic.twitter.com/cQQKMlzklA

@pika21pika 5 個セットで買っても安くならない?

@inoshoji 価格曲線は $y=1620x$ らしいよ. ちなみに 4 種類あった・・ http://www.kamigu.jp/category/select/cid/355/pid/9509

関数標本というのがあるらしい. 飾って楽しむというのは確かによい発想ではある. でも, 何かこういう誰でも思いつきはするものよりも何か変なことしたい.

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数学, 相転移プロダクション

新しい子守の形: 子守唄としての数学

本文

感動のツイートを収録.

乳児時代の長男があまりに寝ないので「こいつに何言っても同じじゃん? 」と思い余って R 上のフーリエ展開の理論展開を聞かせてやったこともあったのだが, 急減少関数だのコンパクトサポートだの $L^1$ と $L^2$ の関係だのリーマン・ルベーグの定理だの全部マジメに話したのに最後まで寝なかった.

こういう勉強の仕方もあるのか, と非常に参考になった.

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数学, 数学教育

tri_iro さん筋の情報:無限チェスという魔界があるらしい

本文

tri_iro さん情報.

無限チェス, ハムキンスさんのサイトに概要あるのか http://jdh.hamkins.org/game-values-in-infinite-chess/ なかなかカオスな図が多くて壮観ですね.

頭おかしい感じで格好いい.

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数学

「哲学の先生が国防総省から 750 万ドルのグラントを獲得ですってよ, 奥様 (ただし, やってるのは数学だそうな)」

本文

ytb_at_twt さん筋の情報.

哲学の先生が国防総省から 750 万ドルのグラントを獲得ですってよ, 奥様 (ただし, やってるのは数学だそうな) https://www.cmu.edu/news/stories/archives/2014/april/april28_awodeygrant.html

Awodey が圏論 +HoTT で国防総省から 750 万ドル! 数学の基礎は金になる! QT @optical_frog: 哲学の先生が国防総省から 750 万ドルのグラントを獲得ですってよ, 奥様 (ただし, やってるのは数学だそうな) https://www.cmu.edu/news/stories/archives/2014/april/april28_awodeygrant.html

感動のストーリー.

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数学, 数学基礎論, 哲学

みんなで Jean-Pierre に改名していい数学者になろうの会

本文

Paul 筋の情報.

昔, 会話形式で学ぶ「数学者のためのフランス語」という文章を (半ばジョークで) 書きかけていて, そのときの登場人物が Jean と Pierre と Serre の 3 人だった.

.@nolimbre 現在, フランス科学アカデミー数学部門には, Demailly, Kahane, Ramis, Serre という「Jean-Pierre 四天王」がいる. http://www.academie-sciences.fr/academie/membre/section_math.htm

@Paul_Painleve IHES の理事 (?) が少し前まで Jean-Pierre Bourguignon でしたね.

@nolimbre みんなで, Jean-Pierre に改名しよう! いい数学者になれる!! 今日から「 Jean-Pierre のらんぶる」と名乗るんだ!!

Jean-Pierre 相転移.

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数学, 数学者

「ポスドクは誰でも ポストをさがす 旅人のようなもの 希望の大学に めぐりあうまで 応募し続けるだろう きっといつかは 君も出会うさ テニュアポストに」

本文

かわずさんの次のツイートに触発された.

ひとわだれでも!!!!! しあわせさがす!!!!!!! たびびとのようなもの!!!!!!!!!!!!!!!

ささきいさおになりたい

そしてこれ.

人は誰でも 研究テーマをさがす ポスドクのようなもの 希望のテーマに めぐりあうまで 歩き続けるだろう きっといつかは 君も出会うさ 青いテーマに

学生は博士課程をぬけて 学術界の闇へ 先人の屍の山と血の池地獄が散らばる無限の宇宙さ 星の架け橋 わたってゆこう

ポスドクは誰でも ポストをさがす 旅人のようなもの 希望の大学に めぐりあうまで 応募し続けるだろう きっといつかは 君も出会うさ テニュアポストに

@phasetr ポスドクは銀河をこえ さいはてめざす テニュアポストは宇宙の 停車場なんだ 君を招くよ 無限の事務作業が

むしょくはかせの 澄んだ瞳に 生命 (いのち) が燃えているよ

@phasetr 素数の歌を くちずさむように 歩き続けるだろう 泣いてるような 星のかなたに テニュアポストが

@phasetr 人は誰でも ポストをさがす ポスドクのようなもの 希望のポストに めぐりあうまで 歩き続けるだろう きっといつかは 君も出会うさ テニュアポストに

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数学, 物理, 数理物理, 相転移プロダクション

chibaf さんに「いかにして人は微分可能なおっぱいを手に入れたのか」に関する参考文献を教えてもらったので

本文

いかにして人は微分可能なおっぱいを手に入れたのか執筆に関し, Twitter で chibaf さんに質問してみたらいろいろサイトを教えてもらった. あとでそちらの参考文献一覧にも記録するが, いったんこちらにもまとめる.

(1) @phasetr 人体の 3D CG 表現がどんな様子かは「ニコニ立体」を眺めてみると良いと思います. 紹介記事 $\to$ http://gigazine.net/news/20140502-3d-niconico/

(2) @phasetr ゲームでの人体表現を特に意識されていると思います. ゲーム関連の記事 $\to$ http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20110908045/

(3) @phasetr 解剖学的な人体の見方 - teamLabBody-3D Motion Human Anatomy- 世界初, 生きた人間の動き・形態を再現した 3D 人体解剖アプリ http://www.teamlabbody.com/3dnote-jp/

(4) @phasetr CG クリエイターのための人体模型コンテンツ開発 金 尚泰 http://www.slis.tsukuba.ac.jp/grad/assets/files/kenkyukiyou/10-2.3.pdf

(5) @phasetr An example-based approach to human body manipulation http://icube-publis.unistra.fr/papr/docs/files/2684/An%20example-based%20approach%20to%20human%20body%20manipulation.pdf/ generating realistic human whole-body models

(6) @phasetr Lie Bodies: A Manifold Representation of 3D Human Shape http://people.csail.mit.edu/freifeld/LieBodies/FreifeldAndBlack2012LieBodies.pdf

(7) @phasetr 以上です. 他にあったら, また報告します

解剖学まで持ってくるとか, 自分では絶対に考えつかないところまで出てきている. 聞いてみてよかった.

ラベル

数学, プログラミング, 物理, 相転移プロダクション

やたべさん筋の情報: 論理学を学ぶのに大事なこと

本文

今日のやたべさん情報.

「論理学の一般向け本はカントールが発狂したとかゲーデルが餓死したとかそんな話ばかりだ. それでは肝心な話が書けなくなってしまう」 「『肝心な話』とは? 」 「タルスキがセクハラパワハラ大魔王であったこととか, モンタギューが浴室で絞殺死体で発見されたこととか, クリプキが超変人なこととかだ」

やたべさん情報, 本当に役に立つ.

ラベル

数学, 数理論理学

「全国のやる気と活気のあるアマチュア研究者 (アカデミックなポストには就けていないが, 論文作成に励んでいる人たち) が集まるトキワ荘的アパートを誰か建ててください」

本文

これは作りたい.

全国のやる気と活気のあるアマチュア研究者 (アカデミックなポストには就けていないが, 論文作成に励んでいる人たち) が集まるトキワ荘的アパートを誰か建ててください

頑張ろう.

ラベル

数学, 相転移プロダクション

書泉グランデ MATH から: 5 月上旬新刊予定『確率パズルの迷宮』岩沢宏和 (日本評論社)

本文

また書泉グランデ MATH が面白そうな本を紹介してきた.

5 月上旬新刊予定 『確率パズルの迷宮』岩沢宏和 (日本評論社) 親しみやすいが一筋縄ではいかない確率パズルを多数収録. 不思議な迷宮を散策しながら確率を扱う技術や思考法が身につきます.

お金も読む時間もなかなか取れないのに欲しくなるのでつらい.

ラベル

数学, 確率論

「いかにして人は微分可能なおっぱいを手に入れたのか」というタイトルで Amazon Kindle のアダルトで本を出したいので関連する情報提供を求む

本文

Facebook で実験をしている人がいて, 自分もやってみたくなったので.

Amazon のアダルトで表紙がこんな感じの「微分可能なおっぱいの探究」とか 「いかにして人は微分可能なおっぱいを手に入れたのか」みたいな数学書を 20 ページくらいで 100 円くらいで出してアダルト一位取れるか実験をしたいが買ってくれる方 https://pic.twitter.com/K8s5xwLxsq

@phasetr 何, ふぁぼっているちょまどさんは買ってくれるということなの

@phasetr ウケる

@mitsuomi_miyata 私はいつだって真面目です

@phasetr 見付けたら買ってみせましょう w

@phasetr それでいい

@hafucco 出した時には連絡します

@phasetr ありがとうございます. よろしくお願いしますね.

@phasetr ちなみにこれ, 服部さんの研究も参考にすると瞬間最大風速が問題なので, 出て比較的すぐにに多くの人が買ってくれないと一位取れないので, 発火タイミングの調整も大事

@phasetr 買います!

@Taqa_ プログラミング関係の話を調べてからになるので, しばらくまっていてください. 頑張ります

ゲーム用の 3D 画像処理技術や背景となる数学, アルゴリズムなどを学べる本やサイト, どなたかご存知の方がいらっしゃれば教えて頂けないだろうか. 誠心誠意頑張る所存.

ラベル

数学, 物理, プログラミング, 相転移プロダクション

統計学学習のための実データとその解析も含めた基礎教材を皆で作ろう

本文

統計学関係もいろいろやってみたいと思っているので.

R (でもなんでもいいんだけど) の初心者向けチュートリアルが各地で行なわれているけど, 発表者がその度に新しい資料を準備するのって「車輪の再生産からの大量生産」で無意味だと思うんだ. 標準的導入スライドをつくってクリエイティブ・コモンズとしてどこかで共有できればいいのに.

こういうのを数学・物理でやりたくて ここ に TeX ソースを置いている. 統計学ももちろんやっていきたい. あとこんなのもあった.

統計学習の指導のために: このサイトは, 小学校, 中学校及び高等学校の新しい学習指導要領で内容の充実が図られた統計教育をサポートするために総務省統計局が設けたものです. http://www.stat.go.jp/teacher/index.htm

国勢調査のデータへのリンクや多少の使い方の説明がある. 今後実データ解析で実際に統計学用の文章を書くとき, データとして採用することも考えたい.

ラベル

数学, 統計学, 相転移プロダクション

豊富な実データつきの統計学の本がほしい

本文

Mochimasa さん情報.

「アニメや声優など二次元を対象に, 統計解析をした事例を紹介する」. ?! / "R で始めた医学・統計学・ Bioinformatics - とらのあなダウンロードストア" http://htn.to/rLSYY2

@Mochimasa 目次が何度か RT されてました. (元ツイ失念) https://pbs.twimg.com/media/Bjdw9bKCAAER5cJ.png:large

@2sure781 限りなく"タイトル詐欺"に近い内容のようですね. アニメキャラで考える遺伝学って一体. . .

実データを使ってきちんと計算しつつの統計学の勉強したいのだが, 何かいいのないだろうか. 単なる理論の勉強ならいくらでもできるが実データの収集がなかなかつらい. 解析したいデータがあるとかいうわけでもないから.

今見たら作品エラーと言われてしまったし, いいのがあればどなたか教えてほしい.

ラベル

数学, 統計学

【NHK 高校講座 | ロンリのちから】が参考になりそうなので

本文

長門さんからの RT.

ふつうに面白いし緒川たまき / "NHK 高校講座 | ロンリのちから | 第 1 回 ロンリのちから (1) 三段論法" http://htn.to/BmqHNc

ああいう感じの動画の使い方, 参考にしたい.

ラベル

論理学, 相転移プロダクション

東大数理の小林俊行先生が紫綬褒章を受賞されるという

本文

坪井先生筋の情報.

小林俊行さんが紫綬褒章を受章されます. おめでとうございます. http://www.asahi.com/articles/ASG4R04P9G4QUTFK01J.html

そういう章を取ったからとか取らない, 取れないからどうというのもアレだが, 世間的に数学者が認められるのはやはり素直に嬉しいところがある.

ラベル

数学, 数学者

「かようにサイエンスコミュニケーションを対メディアで成り立たせることは難しい.」

本文

あっ.

泣いている.

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数学, 科学

『「わたしはこれからは編み物ブロガーとして生きていく!」という謎の文章を残して数学者を辞めてて衝撃を受けた.』

本文

tri_iro さん筋の情報だ.

およそ 5 年前にアメリカの某女性数学者と共著論文を書いたことがあって, 彼女は米国アイビーリーグの某校で准教授をしてたはずなんだけど, 久しぶりに彼女のサイトを見てみたら, 「わたしはこれからは編み物ブロガーとして生きていく!」という謎の文章を残して数学者を辞めてて衝撃を受けた.

世界を感じる.

ラベル

数学, 数学者

産業数学の取り組み

本文

いわゆる産業数学の話だ.

Japanese mathematicians are boosting their ties to industry, solving real-world problems. In @JapanTimes http://bit.ly/1gPpWn2

リンク先のページで九大の若山先生 (だと思う) がいる. 九大は Math for industry というのでいろいろ頑張ってやっているようだ. 東大でも逆問題絡みで山本先生が頑張っている. 私も第 4 回のつどいでは拡散方程式の逆問題を扱ってみた.

役に立つのがいいとは特に思っていないが, 従来の数学科数学に馴染めない人の道として こういうのがあってもいいとは思っている. とにかくいろいろやってみてほしい.

ラベル

数学, 物理, 応用数学

「2 つのボールをぶつけると円周率がわかる」

本文

俺達の円周率.

2 つのボールをぶつけると円周率がわかる - 大人になってからの再学習 (id:Zellij) http://d.hatena.ne.jp/Zellij/20140409/p1

詳しくは上記リンク先を直接見に行ってほしい. 円周率というと, 円周率が 3.05 より大きいことを示せと出題した東大入試を想起する方の市民だった.

ラベル

数学, 物理, プログラミング

楕円な乙女のポリシーを作って楕円な乙女をプロデュースしよう

本文

かもさんにいいことを教えて頂いたので.

楕円な乙女とかどこかにいないの. いないならプロデュースするしかない

@phasetr M87 http://www.astroarts.com/alacarte/messier/html/m87-j.shtml

@kamo_hiroyasu 参考になります

上記ページから引用.

解説

かみのけ座, おとめ座付近の星図には, 銀河のマークがびっしりとあって驚かされます. この空域にはメシエ天体を含む多くの銀河がありますが, いずれも淡く, 小口径では存在がわかる程度です. M87 は E0 型の楕円銀河ですが, その中心から星のジェット噴流が吹き出していることで有名です. 噴流は直線状に 5,000 光年も伸びています. 実直径は約 13 万光年, 質量は太陽の 7,900 億倍という巨大な銀河で, パロマ天文台の写真から周囲を約 1,000 個の球状星団が取り囲んでいることが分かりました. また強い電波天体でもあります. 1922 年には 11.5 等の超新星が出現しています.

かみの毛座というのに衝撃を受けた.

ラベル

天文学, 相転移プロダクション

tri_iro さん筋の情報「今日ギリシャ人と数学の議論をしていて, ギリシャ文字の $\xi$ のことを「グザイ」と発音していたら, 「グザイってなんだよー, クシイだろー」というお叱りを受けた.」

本文

tri_iro さんによる有益な情報だ.

今日ギリシャ人と数学の議論をしていて, ギリシャ文字の $\xi$ のことを「グザイ」と発音していたら, 「グザイってなんだよー, クシイだろー」というお叱りを受けた.

@tri_iro 私は $\xi$ も $\phi$ もサィって発音してます

@MathHaru $\xi$ と $\phi$ が両方同時に出てきたときにどう言い分けるんでしょうか. ちなみにギリシャの現代っ子は, クシィ, プシィ, のように全体的に「イィ」っぽい感じに発音するそうです.

本日のギリシャ人と数学の議論の成果というと, そもそも $\mu$ や $\nu$ や $\chi$ を「ミュー」や「ニュー」や「カイ」と発音するのは古い流儀で, ナウでヤングなギリシャ人の発音だと, $\mu$ や $\nu$ や $\chi$ は「ミィ」「ニィ」「ヒィ」という感じになるということであった.

ガンダム的な意味で $\xi$ は「クシー」とか「クスィー」と読んでいたが, 他は衝撃だ.

ラベル

数学

「世界を変えた 17 の方程式」というのが GIGAZINE であったのだが方程式以外のがあるので記事を書いた人, 数学とかいう前にまず日本語を勉強してほしい

本文

タレコミを頂いたので.

すいません, また関係ないネタでタレ込みです. http://gigazine.net/news/20140401-17-best-equation/

後, 劇場版新編を観て, さやかと杏子の一時の幸せなやりとりもご堪能下さい.

劇場版のさやかパイセンと杏子はよかった. それはそれとして上記記事を少し引用しておく. 方程式以外のがあってやばい.

世界を変えた 17 の方程式

  • ◆ 01:ピタゴラスの定理 (三平方の定理)
  • ◆ 02:対数における真数の積と対数の和
  • ◆ 03:微分・積分
  • ◆ 04:万有引力
  • ◆ 05:複素数 (虚数単位)
  • ◆ 06:オイラーの多面体定理
  • ◆ 07:正規分布 (確率密度関数)
  • ◆ 08:波動方程式
  • ◆ 09:フーリエ変換
  • ◆ 10:ナビエ-ストークス方程式
  • ◆ 11:マクスウェルの方程式
  • ◆ 12:熱力学第二法則 (エントロピー増大則)
  • ◆ 13:特殊相対性理論 (質量とエネルギーの等価性)
  • ◆ 14:シュレディンガー方程式
  • ◆ 15:情報理論
  • ◆ 16:カオス理論
  • ◆ 17:ブラック-ショールズ方程式

記事書いた人は数学とか何とかいう前に日本語を勉強してほしい.

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数学

書泉グランデ MATH, 【『解析力学講義』齋藤 利弥著】とか面白そうな本を推薦しまくってくるのでつらい

本文

書泉グランデ MATH, 面白そうな本をがんがん宣伝してくるのでつらい.

復刊入荷しました 『解析力学講義』齋藤 利弥著 4000 円外税 (日本評論社) 名著『解析力学入門』を全面的に改め, 書き下した本書は, 数学的側面に力点がおかれた力学の解説書である. 類書では, あまり扱っていない"制限三体問題""ポアンカレの定理"などを懇切ていねいに解き明かす.

これほしい. 制限三体問題と Poincare, 一度きちんと勉強してみたい.

ラベル

数学, 物理, 解析力学, 力学系, 幾何学

関数体操と微分幾何体操

本文

こんなのもあるのかと感銘を受けた.

関数体操うけるwww RT @PhilipsShiu: 函數操 http://pic.twitter.com/mMuxpuoJ0I

リンクの画像はこれだ.

何かこういうのも面白そう. 小学生とかとやりたい.

そしてふと微分幾何体操を想起した.

ラベル

数学, 数学教育, 相転移プロダクション, 微分幾何, 微分幾何体操

「心配すんなよさやか. 独りぼっちは, 寂しいもんな……. いいよ, 一緒にいてやるよ……さやか……」

Ask.fm からは質問

世界中にいるであろう数学・物理にその人生を燃やしている人達へのエールを一つお願いします.

回答

学問が何より一番大事なのでまともな人生は諦めて下さい. あと「心配すんなよさやか. 独りぼっちは, 寂しいもんな……. いいよ, 一緒にいてやるよ……さやか……」. ということで 私もまっとうな人生は諦める方向で進むのでどうぞよろしく

ラベル

数学, 物理, 数理物理

『数学通信』バックナンバー

本文

kyon_math さんはいつも本当に役に立つ情報を提供してくれる.

というわけで「数学通信」バックナンバー http://bit.ly/N2SLW0

これをのんびり読む時間がほしい.

ラベル

数学

ゆずらじと統計学と線型代数とあと何か

本文

ゆずらじを正座待機.

@yuzukosho ところで柚子胡椒姐さんのゆずらじはいつですか

@mitsuomi_miyata 話す内容がありません! トースターにゃんの「中年でも分かる有機化学講座」を受講するスタイルでお願いします!

@yuzukosho 高いで

@mitsuomi_miyata @yuzukosho 美少女に分からせる数学で柚子胡椒さんがラジオ出演してくれるということなので是非やりましょう. 何とかして手配しておくので

@phasetr @mitsuomi_miyata もっと若い女性を使ってください!!! 美少女の親でもおかしくない中年です!!!

@yuzukosho @phasetr 姪

@mitsuomi_miyata @phasetr 姪を巻き込んだら私には死が待っている

@yuzukosho @phasetr 一緒に, 逝きましょう.

@mitsuomi_miyata @phasetr まだ旅立ちたくないです…妹怖い…

@yuzukosho @phasetr この世への未練を断ち切りましょう

@mitsuomi_miyata @phasetr 数学を志す事は死を覚悟することですか

@yuzukosho @mitsuomi_miyata 数学のためにギリギリ限界まで振り絞って生きる必要があり楽に死ねると思って頂いては困ります

@phasetr @mitsuomi_miyata 数学アレルギーのある一般市民に布教しようというなか, そのスタンスを求めるのは酷かと

@yuzukosho @mitsuomi_miyata 柚子胡椒さんなら出来ると信じてこそ

@phasetr @mitsuomi_miyata マジレスしますと, 2 年前にこの先生の授業で途中まで勉強しました. http://manavee.com/teachers/profile?teacher_id=25 伸び悩んでいる人のための数学基礎講座~試行錯誤する方程式~ http://manavee.com/classroom?cur_id=68

@yuzukosho @mitsuomi_miyata それだけ出来れば十分では

@phasetr @mitsuomi_miyata いえいえ, 自分が勉強したのはこの中の一部だけです. どれも中途半端になっています.

@yuzukosho 一次方程式だけで一生遊べるレベルの数学です. 実際に私の興味に近い方の強磁性相転移は一次方程式の取り扱いに使う数学だけしか使いません

@phasetr @mitsuomi_miyata 「誰でも無料で大学受験のための勉強ができる」をモットーに作られた無料サイトです. http://manavee.com/info/about すべての教科の中で数学が最も多い講座数となっています.

@phasetr そんなに奥が深いのですか…

@phasetr 先ほど紹介した「試行錯誤する方程式」は線形代数ができるようになるのを最終目標に作られています. 「実際は受験より, 大学入学後の数学に合わせて作っている」とこの方に直接伺ったことがあります. http://manavee.com/classroom?cur_id=68

@phasetr 基礎をつくるための講座なのでお手軽ではありませんが, かなり丁寧な作りで非常に勉強になるものでした. それでも挫折するような人間ですので, 相転移 P さんのお役に立てるのか不安です.

@yuzukosho @phasetr "柚子胡椒さんに数学を叩き込むセミナー"でもしたらどうでしょう?

@eszett66 @phasetr しゅそくん…

@eszett66 @yuzukosho 「女性向け」と言うので何かしたいとは思っているのでそれは本当に検討しています. 折角なので 2-4 人くらいは集めたいのですが. これを元にまた色々 (適当な感じの有料コンテンツを) 展開させていく所まで込めて何かしたい

@phasetr そろそろ春ですし, 新しく大学入ってくる娘向けにやる感じとかもありですよね. どう集めるのが良いのかわからんけども.

@phasetr @eszett66 数学ができない一生徒として, ボケ役にでも使って下さい

@eszett66 文系数学で統計学とか結構需要あると思っていて. ネタも必要な数学も色々ある上, 突っ込み具合によって必要な数学の加減もでき, しかも実用性もあるので結構いいのはいいとは思っています. 最大の問題は数学パートは何とかなるとして, 統計学の実践部分をよく知らないことです

@phasetr なるほどなるほど. モチベーションの部分は実際に使ってらっしゃる方をツイッターでゆるぼかけて, 喋ってもらうのでもよいのでは. その方の研究の紹介もついでにしてもらったり.

したいこととしなければいけないこと, 死ぬほどたくさんある.

ラベル

数学, 相転移プロダクション, 統計学

「グラフ理論でトポロジーってことは一次元トポロジーってことですよね」

本文

低次元トポロジーとは何だったのか.

そういえば九州大学の先生に「低次元トポロジーの集会するから, 発表してください」って言われて, 「自分は低次元トポロジーやってないですけど大丈夫ですか」って尋ねたところ「グラフ理論でトポロジーってことは一次元トポロジーってことですよね」って言われた.

その発想はなかった.

目から鱗というアレだ.

ラベル

数学, トポロジー, グラフ理論

好きこそものの上手なれが本当だったらいいなというのを科学コミュニケーション的な文脈で考えた

本文

好きこそものの上手なれ.

もうひとつ, 日本の漫画が海外での日本語教材として優れてる点 (これが私にとっては最大の理由なんだけど), それは子供たちが「好き」で読んでるってこと. これはデカい. 物凄くデカい. 子供が何かが「好き」でやるときの学習効率って, そりゃもう大変よ. イヤイヤやるときの何百倍の効率なんだから.

@nynuts 思いっきり, 賛成! です. 好きこそものの上手なり. って, 本当だから.

いわゆる科学コミュニケーションだと「下手の横好き」になる傾向が高い印象があるので気をつけたい. あと, この方向の活動, もっと増やさないとまずいなというのを改めて注意したい.

ラベル

数学, 物理

長尾健太郎さんの話と佐々田槙子さん, 權業善範さん, 谷本溶さんの話

本文

立川さんのツイートである.

長尾健太郎君の業績が数学会で紹介されています. http://mathsoc.jp/publication/tushin/1804/2013takebe_yokogao.pdf

知り合いだったというわけでもないのに呆然と見入ってしまう.

別件だが, PDF に佐々田さん, 權業さん, 谷本さんの名前を見つけた. 少なくとも一方的には顔と名前を両方知っている人なので感慨深い. 谷本さんのコメントははっとさせられる.

作用素環を使って場の量子論を研究しています. 学振の DC1, DC2 ともに不採用になりましたが, イタリアとドイツは奨学金をくれたので留学しました. 修士の時に結果が出ない人にもチャンスが与えられてほしいと思います.

こういうの, 本気でサポートを考えなければいけない. 気合を入れ直した.

ラベル

数学, 数学者, 数理物理, 作用素環

東大数理で 3/8 (土) に「数学の魅力 3」 - 女子中高生のために - が開催されるそうなので

本文

坪井先生が宣伝していたので.

「数学の魅力 3 」 - 女子中高生のためにー が開催されます. 2014 年 3 月 8 日 (土) 13:20~17:30 東京大学大学院数理科学研究科 大講義室 http://faculty.ms.u-tokyo.ac.jp/users/rikei/

興味がある向きは積極的に参加されたい. あと関係各位は積極的に宣伝に協力されたい.

ラベル

数学, イベント

数学チョコで君だけの多様体を作れ

本文

数学チョコで君だけの多様体を作れ.

数学チョコで君だけの多様体を作れ

@phasetr 苺でオイラーの等式を作りましたw

@RainbowGirl_aoi まずはオイラー苺の写真をあげて世界に高らかに宣言をしましょう

@RainbowGirl_aoi 苺によるオイラーの等式, 本当に見てみたいのですが写真ないですか?

@phasetr 少し前に作ったものですけど一応これです http://pic.twitter.com/MJDmv7lLIC

@RainbowGirl_aoi 世界平和への第一歩

苺による Euler の写真へのリンク, とりあえず皆見に行っておくように.

ラベル

数学, 関数論

東大数理の環体これくしょん

本文

環体これくしょん.

東大の数学科が駒場祭で環体コレクションしてた. http://twitpic.com/dm9bpz @TwitPic さんから

こういうのを作れる腕を身につけなければいけない.

ラベル

数学, 代数学

統計関係の書籍が無料配布されているので関係各位は有効利用するように

本文

統計関係の書籍が無料配布されているようなので.

統数研 web site で統計学本 PDF 版を無料配布している EBSA http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/ たとえば 2012 年出版 5600 円の「 21 世紀の統計科学< Vol. III >数理・計算の統計科学」 http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/1881

自分がこれをどう使っていくかと言われるとよく分からない. ただほしい人の手に届くよう宣伝に協力しておいた方がよさそうだ.

ラベル

数学, 統計学

共立出版の人が表紙がかわいい早川書房の本『はじめての現代数学』と『数学と算数の遠近法』を宣伝していたので

本文

共立出版の人が何か宣伝していたので私ものっかる方の市民だ.

表紙が可愛い早川書房さん発行の『はじめての現代数学』と『数学と算数の遠近法』こちらです. http://bit.ly/1goq1UI http://bit.ly/1ew5Tcp

本は次の 2 つ. ちょっと読んでみたいと思わないでもない.

ラベル

数学

ひさこさんに確率論の反例集を読むセミナーを開いてもらおう

本文

イケメンエリートの SO880 御大から本を紹介されたので.

@phasetr @greengrimghost DVD …研究室で上映会して, 新四回生や新 M1 生の教育目的とするなら公費で買えるのだろうか? 確率論の反例集が近々リニューアルされてペーパーバックで安価で発売されるとか…

@SO880 @greengrimghost 反例集出たら教えて下さい. 普段なかなかその辺をチェックしにいかないので

@phasetr @greengrimghost 密林にいつ頃出るとかありませんでした?

調べてみたら これのようだ.

とりあえず買っておいた. 読める日がいつ来るだろう. ひさこさんに教えてもらうまである.

ラベル

数学, 確率論

Antonio Cordoba, et. al., All that Math - Portraits of mathematicians as young readers

本文

kai さんが面白そうな本を上げていたので.

"All that Math - Protraits of mathematicians as young readers" おもしろそう. 『この論文に出会えてよかった』みたいな本. http://www.amazon.com/All-That-Math-Portraits-Mathematicians/dp/8461529006

誰が何を書いているのかよく分からない. ただ読んではみたい. そして小市民には高くて泣いている.

ラベル

数学, 数学者

John Ludvig Pirl, The Momentum Map, Symplectic Reduction and an Introduction to Brownian Motion

本文

全く分からないが kyon_math さんが宣伝していたので.

風呂から上がって調べてみるとこんな修士論文が... http://bit.ly/1f6o369 これ, 始めの 30 ページほどでシンプレクティックリダクションの解説を証明付きでやってくれてるのでお勧めです. 丁寧に書いてあるし, good job.

この修論, タイトルが「The Momentum Map, Symplectic Reduction and an Introduction to Brownian Motion」とかで凄い. 中身, はじめが Lie 群で最後が Brown 運動になっていて, 「the foundations for later work in Geometric Stochastic Mechanics」を目指しているらしい. Geometric Stochastic Mechanics とは何だろう. 量子力学関係で E. Nelson が言い出して色々とアレで廃れた Stochastic Mechanics というのがあるのは知っているが, その辺の話か. 実に謎い.

ラベル

数学, 幾何学, シンプレクティック幾何, 確率論

ぞみさんが Kunen の『集合論-独立性証明への案内』をおすすめしていたので

本文

ぞみさんが本についてツイートしていたので.

『集合論-独立性証明への案内』 http://www.amazon.co.jp/dp/4535783829 これ, 引っかかりそうな落とし穴を丁寧にフォローしてて捗るんだよなあ… (捗るという単語が試験期間には悪い方に作用する珍しい例だ).

Kunen の本だった. 覚えておこう.

ラベル

数学, 集合論, 数学基礎論

数学ができる女性が世界で一番かっこかわいいに決まっている

本文

「【女子学生必見】女性は偽名を使うと数学の点数がアップするという研究結果」というニュースを目にした.

昔から「女性は数学が苦手」だといわれている. 実際, 日本では大学の理系学部に女性が数人しかいないということもある. 「女性は数学が苦手」の原因は, 脳構造に多少の男女差があるためではないかという説もある.

だが, この考えを見直す新しい研究結果が発表された. なんでも「女性は偽名を使って数学のテストを受けると, 男性と同じくらい良い成績を出すことができる」というのである. そう, 女性はもともと男性と同じくらい数学の才能があったのだ!

どういうカウントの仕方をしているか知らないが, 「学部で女性数人」は確かに異常に少ない感ある. あと【女性はもともと男性と同じくらい数学の才能があったのだ】というのが地獄っぽい.

どこまで本当か知らないが, とある男性の教官が「男は若い頃に爆発的に業績を上げるような感じだが, 女性はコンスタントに良い業績を上げている, という感覚がある.」みたいなことを言っていた記憶がある. 性差はあるかもしれないし業績の評価をどうするかという問題はあるが, 一番不可解で頭に来るのは「頭のいい女性はかわいくない」とかいう風潮だ.

頭のいい女性, 特に数学が出来る女性は格好いいに決まっているので, 上記のようなことをいう異常者は全員問答無用で殴り倒していきたい. こういう馬鹿者共を殲滅していくことを 相転移プロダクションのミッションとしてかかげていきたい.

追記

次のようなコメントを頂いた.

オタクとリア充の壁なのかどうかは知らないが, 同じ感覚世界に生きていない感じはある.

ラベル

数学, 数学教育, 相転移プロダクション

四谷大塚の予習シリーズなる教材の存在を知る方の市民

本文

普遍市民 Im_Weltkriege 師が予習シリーズなるものの存在を示唆していたので記録しておく. 元はお前の敵さんの家庭教師用教材に関する話だった.

予習シリーズを知らないとは, 我々インテリには考えられないことでしたな. (葉巻を燻らせながら)

@Im_Weltkriege 予習シリーズ, そんなに有名なのですか. 全く知らなかった

@phasetr 主に中高生にやらせるテキストとして有名です.

@Im_Weltkriege 今後のプロデュースの参考にする所存

@phasetr よくわからない算数

@Im_Weltkriege Principia Mathematica

@phasetr よくわからない数学の基礎付け

@Im_Weltkriege よく分からない岩波基礎数学

@phasetr よくわかる可積分系の本おしえてください

@Im_Weltkriege 専門ではないのでよく知りませんが, 東大数理のウィロックス先生の B4 セミナーで「ソリトンの数理」三輪哲二, 神保道夫, 伊達悦朗が使われているらしいので, これはそれなりによい本なのではないでしょうか

@phasetr なるほど

予習シリーズとはこれのことらしい. あと神保先生たちの本はこれだ.

今探したら家にあった. 黒木さんにもお勧めしてもらっていたのだった.

ラベル

数学, 数学教育, 相転移プロダクション, 可積分系

サイト紹介: 【伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン】

本文

【伝わるデザイン 研究発表のユニバーサルデザイン】というサイトが紹介されていたので.

http://tsutawarudesign.web.fc2.com/index.html を見ながら, 自分のスライドをチェックした. 駄目だと書かれていることをことごとく行っていた.

@nohzen このサイト, お薦め.

@aki_room すごく分かりやすかったです. スライド作りたくなってきました!

同じものでも適切な対象に対して適切な配慮をすることはとても大事だ. 今後, 相転移プロダクションとしても重要度は増す一方の大切なことなので, あとできちんと見よう.

ラベル

数学, 相転移プロダクション

岩波から藤木明編『倉西数学への誘い』が出るらしいので欲しい

本文

岩波から藤木明編で『倉西数学への誘い』が出るらしい.

[2F] 好評発売中! 『倉西数学への誘い』藤木明 編 3045 円 (岩波書店) 倉西数学とは, 倉西正武によって築かれた現代数学理論をさす. 「いかに数学者となりえたか」の聞書きに始まり, 幾何・代数・解析にとどまらない倉西数学の全体像を複数の著者による解説で描いた異色の本.

毎度のことながら書泉グランデ MATH, 面白そうな本をたくさんツイートしてくるので侮れない.

ラベル

数学, 数学者

学会発表のドレスコード

本文

やたべさんや鴨さんとお話した方の市民. ちなみに発端のツイートはこれ.

学会発表でなんでスーツ着るんってつぶやいたら, 同じ専攻の B4 と思われる方々に「学会でスーツ着ないとか常識外れにも程がある」ってつぶやかれてました (憤怒)

そしてやたべさん, 鴨さんとのやり取りメモ.

https://twitter.com/ag_smith/status/423042394464870400 そんな時は数学に転向

@phasetr 国際会議でスーツを着るなんて非常識な人はここにはいません→ http://cca-net.de/cca2005/

数学科ではスーツを着る人間は二流の研究者扱いされます. あれほどドレスコードが厳しい学会を知りません. 何着ようがいいじゃないか. QT @phasetr: https://twitter.com/ag_smith/status/423042394464870400そんな時は数学に転向

@kamo_hiroyasu 私が知る限りラフでなる Jones ですら, フィールズ賞の授賞式ではシャツ・短パン的な格好にネクタイくらいはしていたと聞きます https://www.google.co.jp/search?q=vaughan+jones&safe=off&client=firefox-a&hs=I8O&rls=org.mozilla:ja-JP-mac:official&hl=ja&channel=fflb&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ei=VynVUr-uLIWfkAWg44G4Ag&ved=0CAkQ_AUoAQ&biw=1006&bih=710 河東先生の文章でそういう記述があったのですがどこにあったか

@ytb_at_twt やはり半裸で行きましょう

@phasetr 半裸なんて数学会的ドレスコードど真ん中やんけ. もっと若い者はアナーキーに, 冒険して, ジャケットとネクタイとかしてみるべきだ.

@ytb_at_twt 学会会場に到達するまでが学会です

河東先生による Jones の Fields 賞授賞式の様子の話, 河東先生のサイトにあった記憶があるので, どなたかご存知の方は教えてほしい.

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数学, 数学者

長尾健太郎さんと碁の記事

本文

大栗さんが先日若くして亡くなった長尾健太郎さんの記事を紹介していた.

昨年お亡くなりになった数学者の長尾健太郎さんについての記事が, 2 つ, 掲載されていた. http://www.news-postseven.com/archives/20140106_233776.html http://www.news-postseven.com/archives/20140105_233774.html

長尾さんの奥様が登場していて, 碁に関する話とか色々している. 15 歳から難病を患っていたとのこと. 数学者エピソード好きなので, 良いのも悪いのも含めこういう話は記録していきたい.

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数学, 数学者

数学系魔法少女アニメ, プロデュースしたい

本文

ark184 さんが数学系魔法少女アニメについて呟いていた.

このアニメ, 見たい.

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数学, 相転移プロダクション

omelette_philos さんの【よく分からない数学 色々な反例で遊ぼう】の感想まとめ

本文

omelette_philos さんがツイートで感想を書いてくれたのでまとめておこう. できれば Amazon のカスタマーレビューに書いてほしいのだが.

相転移 P のよく分からない数学 DVD を見たので感想を書く.

以前何かのオフ会で相転移 P にお会いしたときは仕事帰りでスーツ姿でしたが DVD では数学的正装だったので新鮮でした. $F (I)$ は区間 $I$ 上の実数値関数の全体という意味ですよね? そう思って見てて違和感を覚えなかったので.

代数的な話をしながらもちゃんと解析に導いていると感じました. 関数空間論や測度論に興味がわくように話ができていると私は勝手に解釈しました. 「途中」の「途」を「と」と書いて「ひらがなにしちゃった」と言うところは相転移 P の萌ポイントでしょう.

解析概論をまた読みたいなと感じつつ, 超関数のお勉強も今更ながらした方がいいのかなと反省. まどマギは不勉強なので相転移の事はよく分からないのも仕方ない. 4. の $C_p$ は $p$ 進の話ですかね? 興味はあるのにちゃんと勉強してないので詳しくないですが.

$\mathbb{Q} \cap [0,2]$ 上の $\mathbb{Q}$ 値連続関数の例はとても面白いし初等的でよいと思う. 所々出てくる超関数の話はシュワルツの超関数だと思うのですが, ちなみに佐藤超関数とはなにかリンクするところとかあるんでしょうか (素人意見).

総合して教育的だと思いました. 冒頭の導入の「自分で問題を作って自分で解く」というのは研究の基本だと思いますが, 高校生や学部教養の学年の人たちが実践できたら素晴らしいことですねと思いました. その意味でも高 2~B2 くらいの方に見てほしいなと感じた.

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数学, 相転移プロダクション

段ティンの兄貴による『よく分からない数学 色々な反例で遊ぼう』の感想

本文

我が DVD 『よく分からない数学 色々な反例で遊ぼう』について, 段ティンの兄貴の感想連続ツイートがあったので記録しておく.

引用

相転移 P の DVD を頂いた

相転移 P の DVD を頂いたので見てみた感想だけど, 凄く教育的な DVD だったので大学 1 年のうちとかに見ておきたかった. 微積で例とか証明を見ても僕は雰囲気があんまりつかめないので式変形って感じが嫌だったけど感じだけ説明してくれてたので気軽に見れるよい説明だった気がする. 【続く】

んで本格的にやりたかったら相転移 P が多分フォローしてくれると思うので初心者におすすめという感じなのかな. 個人的にはワイエルシュトラスの例とか今度詳しく教えて欲しい. 超関数の話も軽く触れてくれてるのでそこら辺詳しく聞きたかった. 例を通して定理の確認にもなるので何かそこら辺も教育的.

あと相転移 P がイケメンだった.

なんていうか相転移 P のプロモーションビデオって感じだった

数学をプロデュースする方の市民だ.

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数学, 相転移プロダクション

『ネクタイの数学-ケンブリッジのダンディな物理学者たち 男性の首に一枚の布を結ぶ 85 の方法』

本文

Twitter で『ネクタイの数学-ケンブリッジのダンディな物理学者たち 男性の首に一枚の布を結ぶ 85 の方法』なる本の存在を知った. 面白そう. 絶版のようだが, 原著はどうだろうか. 今度調べてみよう.

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数学, 結び目, ファッション

数式処理ソフト Tetra を作ろう

本文

ちょっとびっくりしたので.

複雑な数式の変形をするときって, 手書きよりも LaTeX でやった方が正確なときがある. ※個人の感想です.

なぜかというと, 数式を少しずつ変形させていくとき, 「上の行のコピペ」ができるから. 手書きだと途中でめんどい! (ユーリ) ってなって, はしょって失敗.

秘書としてテトラちゃんが常時そばにいればいいけど, そうもいかないし.

@hyuki 携帯テトラちゃんを開発しましょう. ビジネスチャンス発見!

@kamo_hiroyasu Tetra という数式処理ソフトを開発しましょう

「正確なときがある」というアレなので, そういうこともあるか, という話だが, 式変形を手書き以外でやる気にはなれないので, そういう人もいるのかと単純に驚いた.

あとこれ.

https://twitter.com/hyuki/status/420136857544835072数式処理ソフトの方が良いのではないか説

@phasetr LaTeX の数式の美しさはそこいらの数式処理ソフトの比ではない説

@math_neko 式変形を「等式の変形」と思っていますが, それなら数式処理が一番信頼がおけるのでは, という程度の意味です. もちろんどんな対象をどう変形するかによるので何ともいえないところは当然あります

@phasetr なるほど. Maxima だと数式処理の結果を TeX のコードに変換する機能もあるし, その方が楽かも知れませんね.

数学とプログラミングについては色々考えたいことがあり, 数式処理とかその辺はとても気になっている.

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数学

『やわらかな思考を育てる数学問題集』 (全 3 冊セット) (岩波現代文庫) が Amazon で出るので注文した

本文

本のお勧めを見かけたので.

数学者の間からも, ちらほら好評の声を聞きます. お薦め. RT @hamakado_mamiko: ご好評につき箱入りセット出来: 『やわらかな思考を育てる数学問題集』 (全 3 冊セット) (岩波現代文庫) http://www.amazon.co.jp/dp/400205229X/ 数量限定です.

@takey_y 紹介リツイートありがとうございます!

.@hamakado_mamiko とても良い本だと思います. 仲間を集めて読むのに最適ですね. 高校生の頃に読んでおきたかったです (笑

とりあえず注文した. 楽しみにしている. 読んだら感想も書こう.

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数学

青木薫訳『ネクタイの数学-ケンブリッジのダンディな物理学者たち 男性の首に一枚の布を結ぶ 85 の方法』

本文

とある筋から『ネクタイの数学-ケンブリッジのダンディな物理学者たち 男性の首に一枚の布を結ぶ 85 の方法』という本があることを知った.

とりあえずメモ.

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数学, 物理

初等幾何の証明とアニメーション

本文

mathpico さんのツイートを見た.

接弦定理をモノで見せたい. 画用紙で円周角を動かしていく教材はうまく作れず, ボツ. 前回の釘打ち板も接線の表現がイマイチ. すごく面白い定理なのに, なかなか生徒がピンとこないみたいだ…. やっぱ, ここでパソコン登場かなぁ.

そもそも, 接線というのが, イメージしづらいのかもなぁ.

ふと思い出したが, KSEG という初等幾何関係のソフトがある. これなどを使えばいいのではなかろうか. あと Geogebra はどうなのだろう. 初等幾何の証明のアニメーションも面白そうだとは思うが, それよりも一般の数学の証明それ自体をアートとして表現してみたい方の市民だった.

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数学, 数学教育, プログラミング

Cremona による楕円曲線のデータベースがあるらしいとの情報を得る方の市民

本文

Cremona による楕円曲線のデータベースがあるらしいとの情報を得る.

Cremona による楕円曲線の各種データベース. 導手 (conductor) 300,000 以下の楕円曲線を網羅. http://bit.ly/J6lHdA

@kyon_math 有名な Cremona と関係があるのか? と気になってしまいました. クレモナ変換の Cremona の名前は Luigi で, お兄さんが Mario かどうかは定かではない.

Paul による余計な情報まで付いてきた. 楕円曲線のデータベース, 何に使うのだろうと思ったが楕円曲線暗号とかあるし実用面で何かあるのかという気はする. いわゆる純粋数学的な話でこれはどういう方向に使うのだろう.

ラベル

数学, 楕円曲線, 暗号

スウガクマスターがコミケで頒布されるらしいという情報を手に入れた

本文

スウガクマスターがコミケで頒布されるらしいという情報を手に入れた.

【C85】スウガクマスター【PV】: http://youtu.be/8LCf4HJnYmA @youtube さんから youtube にも動画をアップロードしました.

今回もコミケに出陣せねばならないようだ. 時間あるだろうか. 作るしかないか.

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数学, コミケ, イベント

ブルブルエンジン兄貴の業績

本文

ブルブルエンジン兄貴が偉大な仕事を成し遂げていた.

.@alg_d 氏が楽しそうに数学をやっている様子を高校生のとき Twitter を通してみて, 数学科に来たという若者に出会って, @alg_d さん偉大だと思った

私も泣いている場合ではない.

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数学, ブルブルエンジン兄貴

相転移関連の論文「More is the Same; Phase Transitions and Mean Field Theories」

本文

相転移関連の論文らしいので読みたい.

「More is the Same; Phase Transitions and Mean Field Theories」 初期の相転移の理論について注目した論文らしい

http://arxiv.org/pdf/0906.0653v2.pdf

平均場なので微妙な感もあるが, 初期の相転移の理論をあまりよく知らないので, 歴史的な興味もある.

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物理, 相転移, 平均場

manavee 「伸び悩んでいる人のための数学基礎講座~試行錯誤する方程式~」受験のための導入 が面白いらしい

本文

以前も紹介した覚えがあるのだが. manavee の数学の講義で面白いのがあるらしい. 直近見る暇ないがメモ.

高校生以上, ちゃんと数学を学びたい方へ. 「伸び悩んでいる人のための数学基礎講座~試行錯誤する方程式~」受験のための導入 http://t.co/h3xKXaw6 数学の基礎から学んで線形計画問題が解けるまでの講義. これ無料でいいの? と思う質です. @news_manavee

参考にしたい.

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数学, 数学教育

mr_konn さんの PDF: 『 Measure Problem と可測基数』

本文

こんさんが PDF 的なものを上げている.

Measure Problem と可測基数 http://konn-san.com/math/measurable-cardinals.html レポートで書いた可測基数とか連続体仮説のはなしを加筆修正して公開しました. PDF 版はこちら

時間をひねり出して読みたい.

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数学, 数学基礎論

動画制作ツールメモ: 紙クリと AviUtl

本文

ニコニコのブロマガで『紙クリと AviUtl~能書き』という記事があった. 私は紙クリユーザで, 今のところ AviUtl を使う予定はないが, 何かのときのため, 自分用参考情報として残しておきたい.

ツールに関していうなら, むしろ, Youtube やニコニコにも上げておいた JavaScript+MathJax のツールを開発したい. 自分が面白いと思ったもの, 万人に受けるとは全く思わないが, 100 人には面白いと思ってもらえるのはまず間違いないし, 実際何人かにアレを早く完成させろと言われている. 作りたいもの色々あって困る. 時間と才能が死ぬ程たくさんほしい.

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数学, 物理, 動画, プログラミング

井草準一先生の訃報を知る方の市民

本文

井草準一先生が亡くなられたとのこと.

井草準一先生が亡くなられたとの報 http://krieger.jhu.edu/blog/2013/11/27/jun-ichi-igusa-noted-mathematician-and-researcher-died-at-89/ だが, 真っ先に浮かんだのは岩澤健吉氏の思い出を綴られた文章での語り口. ご冥福をお祈りします.

井草先生と言えば, 『数学まなびはじめ』第 2 集が思い起こされる.

私も次世代の数学アイドルをプロデュースしていけるよう精進したい.

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数学, 数学者

小林銅蟲による裏サンデーの漫画「寿司 虚空編」と数学

はじめに

【なんでずっと数学の話なんだよ! 裏サンデーの漫画「寿司 虚空編」がシュールすぎる】ということで話題になっている漫画があるようだ.

[ねとらぼ] なんでずっと数学の話なんだよ! 裏サンデーの漫画「寿司 虚空編」がシュールすぎる http://bit.ly/16c8zfr

元の記事も引用しておこう.

引用

寿司屋が延々と数学の話をし続けるというシュールすぎる漫画がネット上で話題になっています.

話題になっているのは, 小林銅蟲さんが裏サンデーで連載中の「寿司虚空編」. お寿司をテーマにした漫画かと思いきや, 板前たちが 2 ページ目から突然「グラハム数」という数学の話を始め, 以後ずっとその話が続きます. 中略.

小林銅蟲さんは Web 漫画「ねぎ姉さん」でもシュールさや難解な数学用語の導入が話題を呼んだ作者.

小林銅蟲, 名前を覚えておこう.

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数学, 漫画, グラハム数

東大の本郷で 12/7 (土) に Science Front なるイベントというか講演会というか何かが数学・物理をテーマとして開かれるらしいので

本文

ymatz さんが Science Front の宣伝をしていたので.

Science Front の講演者 @sin_forest と打ち合わせをしてきた. 12 月 7 日, 現代の数学ってこんな世界なのかー! って体験ができますよ. あとの 2 人は物理の人で, そちらの内容については僕も当日のお楽しみ. https://sites.google.com/site/0to1sciencecommunication/science-front

発表概要

転載しておこう.

発表概要

「光電子分光法を通して観た"物性物理学"が見据える未来」

物質の性質を研究する分野である物性物理学は, 数 10 年~100 年後の応用 (=人類社会への貢献・還元) を念頭に研究を行っています. 実例を挙げると, 1989 年に論文発表された巨大磁気抵抗効果は, 10 年足らずでハードディスク (HDD) の再生ヘッドに実用化され, HDD の容量を飛躍的に増大させました.

現在の人類社会が解決すべき課題の 1 つに, エネルギー問題が挙げられます. 持続可能な社会を実現するためには, 省エネルギー化・クリーンエネルギー源を開発することが急務です. 物性物理学は, そのような革新的なエネルギーシステムを構築可能な材料・物質を探求することを目標とし, 熱電材料, 室温超伝導物質, スピントロニクスデバイス材料, 太陽電池などの開発・研究が日進月歩で進められています.

本発表では, 光電子分光法を主な実験手法とする登壇者の立場・研究内容から観た, 物性物理学が見え据える"未来"と"現状"について簡単に話そうと考えています. 未来を変えるかもしれない物質を"実際に手に取って実験できる"という物性実験の魅力を, 少しでもお伝えできれば, と思います.

「図形の大域不変量とその局所化ー Spinc 多様体上の Dirac 作用素について」

図形 (空間) について研究する一つの方法に, その大域的な位相不変量を計算する, という方法があります. 例えば球面の上に三角形を書いてその表面を埋め尽くしたとき, その (頂点の数)-(辺の数) + (面の数) という数を計算すると, その数は必ず 2 になります. この数は Euler 数と呼ばれる不変量の一種で, 球面を曲げたり潰したりしてもその値が変わらないことから, 位相 (トポロジー的な) 不変量と呼ばれています.

1960 年代に指数定理と呼ばれる大定理が証明されました. これは図形の上のある種の微分作用素から定まる数と, 上のようにトポロジー的に定まる数が一致する, というもので, Euler 数のような位相不変量の研究に (図形の研究に) 解析的な手法が有用であることがはっきりと示されました.

私は図形の上のある種の微分作用素を図形の一部に局所化する手法について研究しています. これによって図形の大域的な不変量の情報がその一部の情報に局所化されるため, 不変量の研究に新たな道が開かれることが期待されます. 今回は図形の不変量の研究について, 古典的な話題から現在行われている様々な研究まで, 私自身の研究も含めてお話しできればと考えています.

「新粒子探索ーヒッグス粒子のその先にー」

最近「ヒッグス粒子発見」「ノーベル章はヒッグス粒子」というニュースで話題になった「ヒッグス粒子」.

ヒッグス粒子とは, 物質の最小単位であると考えられている「素粒子」のうちの一つで, ヨーロッパで行われている LHC 実験で発見されました. では, そのヒッグス粒子はどのようにして発見されたのでしょうか? またヒッグス粒子を発見したら素粒子物理学は終わりでしょうか?

LHC 実験では陽子と陽子を加速して衝突させ, 衝突後に出てくる素粒子の種類やエネルギーを見ています. これにより, ヒッグス粒子が生成されたのか, 未知の粒子が生成されたのかなどを調べています.

また, ヒッグス粒子の発見で素粒子物理学の全てがわかった事にはなりません. 理論的な研究から, 未だ発見されていない「新粒子」が予言されています. LHC 実験では更なる新粒子の発見に向けた実験と, 多くの理論的な研究が行われています. 新粒子を発見するには闇雲に探すだけではダメで, 多くのゴミとなるような事象から, 新粒子に値する事象を選び抜かなければいけません.

これらの「新粒子探索」という素粒子物理学の最先端について, 理論的側面から最新の結果を交えつつお話したいと思います.

物理としては物性理論専攻に相当する研究をしているが, 上記のような殊勝なことなど一度も考えたことがない方の市民だった. 面白そうだし時間があったら行ってみよう.

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数学, 物理, 幾何学, 素粒子, 物性, イベント

松崎拓也, 岩根秀直, 穴井宏和, 相澤彰子, 新井紀子諸氏による論文『深い言語理解と数式処理の接合による入試数学問題解答システム』

本文

松崎拓也, 岩根秀直, 穴井宏和, 相澤彰子, 新井紀子諸氏による『深い言語理解と数式処理の接合による入試数学問題解答システム』という論文が出たとのこと. 冒頭部を引用してみよう.

あらゆる数学のオブジェクトは Zermelo-Fraenkel の公理的集合論 (ZF) の (保存拡大の) 項だと考えることだできるので, ここでいう「計算」とは ZF の項の書き換えだと見做せよう. では, その計算をどこえめるべきか. 即ち, 問題文の直訳である項を, それと同等であるような無数の項のうちから, どのようなものに書き換えれば問題が「解けた」ことになるのだろうか. それを考えるヒントは, 解答群の中に見いだすことができる. 大学入試を例にとると, 証明問題以外では, 解答に現れるのは, $y = 2ax - a2,(x < 0 \to a = 3) \wedge (x ≥ 0 \to a = 5)$, $a_1 + · · · + a_n >0$ のような限量記号をひとつも含まないような式である. しかも, その式は, 実閉体の理論に三角関数や指数関数などの超越関数をシンボリックにしか利用しないような拡張を行った実閉体の体系 (拡張 RCF) に弱いペアノ算術の体系を加えた体系 ($\mathrm{RCF}^{+ }+\mathrm{PA}$) で表現されるようなものにほぼ限られる. また, 模範解答に現れる式も, 実は $\mathrm{RCF}^{+ }+\mathrm{PA}$ で記述可能な式が圧倒的に多いことに気づく. となれば, 問題文を同等の $\mathrm{RCF}^{+ }+\mathrm{PA}$ の式に変換し, その式から限量記号を消去することが, 大学入試の数学問題を「解く」ことだと考えてもよいだろう.

この先の細かい部分はほぼ何を言っているのか分からないが, 試み自体がとても面白い. こんなこともやっている人がいるのか. 楽しい.

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数学, 集合論, 計算量理論

Leray の Biographical Memories

本文

Leray の Biographical Memories というのを見つけた. あとで読むのと適当に共有するため, とりあえず記事にする.

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数学, 数学者

自然言語処理は独習が難しいらしいが数学は気楽っぽい印象があるので皆も数学をしよう

本文

人文系の方が計量言語学とか自然言語処理的なアレをやるのは結構大変らしいという情報を小耳に挟んだ. これとかこれとかこれとか.

む, 人文系の 4 年生の方から, うちの研究室を受けたいという相談. NAIST と違ってうちは基礎科目がなく, プログラミングができないとどれくらいきついかよく分かってきたので, ちょっと悩む. . . 来年は, 相当簡単なところからプログラミング勉強会をやり, 毎回提出してもらえばなんとかなるかなぁ

人文系でなくても, 情報科学の基礎知識がなく, 一から勉強したいと思っている人は, NAIST をお勧めしますよ. 他の大学は, 一から勉強するシステムになっていないので, 自分でなんとかできる人でないと, 正直厳しいと思います. NAIST は同じ境遇の人も多いので, 同期に助けられますし. . .

いわゆる文系出身で NAIST に進学した同期たちと, 軽々と宿題をこなす理工系出身の同期を横目に文字通り泣きながらみんなで徹夜して課題を解いたり, 励ましあってなんとかあの 1 年を乗り切ったので, 正直一人であれが乗り越えられるとは思えない. . . 吐き気がするくらい, 毎日勉強したし. . .

自然言語処理は独習が難しいということらしい. 何を以ってして「独習が難しい」とするかによると思うのだが, 数学は結構気楽な感あるので皆も数学をしよう.

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数学, 言語学, 自然言語処理, プログラミング, 情報科学

GeoGebra で遊んでみたい

本文

GeoGebra の話がまた出ていた. 前も紹介した覚えがあるが, こういうのは何度紹介してもいいだろう.

こういう使い方もあるんですね. 「 GeoGebra がすばらしい」 http://kyane.net/2013/11/geogebra/

私も遊んでみたいとは思っているのだが.

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数学, プログラム

「科研費, まだ良く分からないけど, これが落とせるか落とせないかのボーダーだと考えている」

本文

何かと思ったが爆笑した.

科研費, まだ良く分からないけど, これが落とせるか落とせないかのボーダーだと考えている http://p.tl/fTn1

@tsurunokaraage 無理じゃね…

@SO880 #はい

科研費で落ちる作品をプロデュースする方の P になれるよう, 粉骨砕身していきたい.

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数学, 物理, 数理物理, 科研費

研究室を選ぶ基準としての研究費問題とか学振とか

本文

研究室を選ぶ基準としての研究費という問題が指摘されていた.

これから研究室を選ぶ学部生のみなさん. 知ってるかもだけど, 科研費データベースというのがあって, 教員の名前で検索かければ, 研究費がどれだけあるか, どのような研究で研究費を取得しているかがよくわかります. 参考にしてください. http://kaken.nii.ac.jp/

特にドクターに行く学生には学振も問題だろう. そうした所も見ると楽しそう.

今年うちで出していた学振特別研究員 DC1 三人, DC2 一人の申請は 全勝で通りました. (10/17/2013)

河東研, やばくて爆笑する.

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数学, 物理

読み方が分からない外国人名の発音を検索できるウェブサービス「Pronounce Names」: まだ Nachtergaele の発音はない

本文

読み方が分からない外国人名の発音を検索できる「Pronounce Names」というサービスが始まったらしい.

[ウェブサービスレビュー] 読み方が分からない外国人名の発音を検索できる「Pronounce Names」 http://japan.cnet.com/news/society/35040025/ @cnet_japan さんから

記事からも引用しておこう.

また, ユーザー自身が音声ファイルをアップしたり, マイクで録音するためのインターフェースも用意されており, これらの正誤についてユーザーから報告できる仕組みも整えられている. それゆえ人名によっては異なる発音が複数収録されている場合もあるが, 幅広い名前を考えうるだけのパターンで網羅し, なるべく正しい発音を収録しようとするコンセプトが伝わってくる.

対応しているのはおもに英語圏の人名だが, 掲載されているリクエストを見る限りではラテン系やアラブ系の人名も多く, 実際に検索してみてもきちんと対応しているケースが多い. リクエストがあった人名をユーザー同士で補った結果, ボリュームが膨らんで現在に至ったようだが, それゆえデータベースとしては価値が高い. プレゼンテーションやスピーチ, 商談, 会食など, 外国人の名前を発音する必要があるさまざまなシチュエーションにおいて, 強い味方となってくれるであろうサービスだ.

いつも発音を忘れてしまう Nachtergaele を検索してみたが, なかったので号泣している.

追記

dif_engine さんに別の方法を教えて頂いた.

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サービス

土屋昭博述, 中井洋史記, 近代ホモトピー論 (1940 年代から 1960 年代まで)

本文

立川さんのツイート越しに美少女でなる小泉さんによる土屋昭博先生のホモトピー論講義のアレがあったので共有しておく.

こんな講義録があったんですね: http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/publication/documents/2008tsuchiya.pdf RT @koizumi_fifty 土屋先生のご講演『近代ホモトピー論 (1940 年代から 1960 年代まで) 』の pdf が非常に面白いので, 某氏や某氏はぜひ一度読んでおくのがよいと思います.

どこだか忘れたが, 深谷賢治先生の何かの共形場に関する文章で「以前ホモトピー論を専門にしていた土屋と A (名前を忘れた) が, その後 20 年を経て共形場で再び出会ったことは偶然ではない」みたいなのがあった. ホモトピー論と共形場の結び付きが云々みたいな話があるのか, と思った覚えがある.

この深谷先生の発言 (文章) について何かご存知の方は是非教えてほしい.

追記

コメントで教えて頂いた.

初出:『数学のたのしみ』第 2 号 (1997 年 8 月), 上野健爾・砂田利一・志賀 浩二編 『現代数学の土壌-数学をささえる基本概念』に 収録の「ホモロジー」の論説の脚注 (22) でしょうか?

引用: かつてともに代数的位相幾何学を研究した, G. Segal と土屋昭博が, 20 年後の ICM 京都で 今度は, 共形場理論の専門家としてまみえたのは, 理由があることであろう.

有り難いことこの上ない.

ラベル

数学, トポロジー, ホモトピー, 共形場, 数学者

超準解析のプロである魔法少女に超準解析で超関数がどうなるかについて聞いてみた

本文

超準解析のプロである魔法少女とのやりとりを記録していきたい.

大学入ってから運動量は酷使するものの力積使ったことないのだがアレはいったい何だったのだろう

@phasetr デルタ関数の近似ということにしておこう

@functional_yy ふと思ったのですが超準解析でδ関数はどういう扱いになるのでしょうか. 超準解析的には普通の関数と思えるのか的なアレです

@phasetr この辺り詳しくはないのでよく知りませんが, 例えば幅無限小高さ無限大で掛け合わすと 1 のパルスを考えれば望みの性質は得らます. http://planetmath.org/constructionofdiracdeltafunction

場の量子論で赤外発散という現象があるが, その数学的解決には「場の量子論版の超関数」が必要だと思っている. 作用素環上の状態の空間でとりあえず定義はできるのだが, それを確率論 (経路積分) でいうとどうなるか, 最近は特に表現論的にもう少し突っ込むとどうなるかというあたりをスピン-ボソンモデルで計算している. 代数解析的なアプローチではどうなるかというのは考えていたが, 超準解析的にどう見えるか考えてもいいかもしれない.

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数学, 物理, 数理物理, 超関数, 作用素論, 作用素環, 確率論, 汎関数積分, 経路積分, 場の量子論, 代数解析, 超準解析, 赤外発散

『古都がはぐくむ現代数学 京大数理研につどう人びと』なる本が出版されるらしいので出たら買う

本文

『古都がはぐくむ現代数学 京大数理研につどう人びと』なる本が出版されるらしい.

「超函数の理論, abc 予想, ……京都の数学研究所を舞台に, 日本の数学者たちが新たな数学を生み出す現場を生き生きと描く」 →内村直之『古都がはぐくむ現代数学 京大数理研につどう人びと』日本評論社 http://www.hanmoto.com/jpokinkan/bd/9784535787445.html

何これ. 超ほしい. 出たら買う. まだ買っていなが, IHES のもほしい. アレ, 確か Frohlich がいるのだ.

ラベル

数学, 代数解析, 数論幾何, RIMS

美少女であるところのひさこさんを確率的な意味で善導してきた

本文

これは美少女であるところのひさこさんを善導したその記録である.

確率論とそれる方向に向かっている方のひさこさん.

@ml_hisako 何やってるんですか

@crobert_z フーリエ解析です.

@ml_hisako 測度のフーリエ変換とかあり, 分布周りの大事な話があり, ガウシアンとの関わりも強いのでそれていない説

@phasetr なるほど. ありがとうございます!

@ml_hisako http://ja.wikipedia.org/wiki/特性関数_(確率論) この辺見ると, 特性関数は定義そのものにフーリエ変換を使っているのが分かります. また確率論の基本的な対象, ガウシアンはフーリエ変換と相性がいいのですが, そういうところで陰に陽に使います

@ml_hisako さらに言えば, ブラウン運動を基礎にした確率積分でもやはりフーリエ変換は適宜使いますし, フーリエ変換発祥の地, 熱方程式を解析するときにも Feynman-Kac の公式という確率論の金字塔もあるので, フーリエはやっておいて全く損はない話です

@ml_hisako むしろ, 色々なものが色々に絡んでいくところこそ面白いところなので, あまり確率論に関係なさそう, という理由で他の数学を避けたりしないようにしてほしいくらいです. 確率論からの共形場理論でウェルナーにフィールズ賞が出ていますが共形場は他の数学との相互作用があります

@ml_hisako 前ブログにも少し書きましたが, 数論と関係ある部分もありますし, 確率論の射程も広く深いです

@phasetr なるほど…最近, 勉強してるうちに違う事もやりたいけれど確率論をやりたい気持ちが強いのでやっぱりそれに基軸を定めてやるなのかと疑問に感じました. でも市民さんからアドバイスをいただき, ほかの数学も避けずに学びたいと思いました. (続く)

@phasetr 伊藤清の確率論の 1 巻を調べてみたら特性関数の章でフーリエ変換を定義してました. Poisson 分布を考える際にも必要なんですね. この章をまだ勉強してませんでしたがフーリエ解析の大切さも理解できました. http://pic.twitter.com/0iobVWGWmf

@ml_hisako ついでなのでもう少し色々書いておくと, 例えばフーリエ解析は表現論と深い関係がありますが, 大雑把に表現論とフーリエの交点に調和解析という分野があります. この分野に確率解析を持ち込んで画期的な仕事をしたのが東大数理の新井仁之先生です

@ml_hisako また伊藤清自身がはじめた分野として確率微分幾何というのもあります. ささくれパイセンがこの辺に進もうとしているようですが, 20 世紀数学の金字塔の 1 つ, Atiyah-Singer の指数定理の確率論的証明という話題もあります

@ml_hisako これや量子力学・場の量子論と深い関係がある話ですが, (偏微分) 作用素を積分核を使って表示することで作用素を詳しく解析する手法としての経路積分 (Feynman-Kac 公式) というのがあり, 作用素論との関わりもあります

@ml_hisako 私が知っている範囲で考えるだけでもこれだけの広がりがある分野です. 元々応用から出てきた分野なので, 統計学まで含めて応用向きの話も数限りなくあります. 確率に限りませんが, 何をやっていてもそれる方が難しいでしょう

@phasetr 確率論がこんなに広がりがあると知り, 改めて学びたいなと思いました. 貴重なお話ありがとうございます! また色々教えてください!! 私も勉強して身につけたいです.

数年したら逆に色々教えてもらえるようになるはずだ. 楽しみに待っていたい.

ラベル

数学, 数理物理, 確率論, 微分方程式論, 微分幾何, 調和解析, Fourier 解析, 量子力学, 場の量子論, 統計力学, 統計学

男性・理系が論理的とかいう妄言はどこから湧いて出てくるのだろう

本文

何か時々男性理性的で女性は感情的であり, 理系は論理的文系は情緒的でありとかいう異常者を見かけるのだが, 私の感覚で言えば理学部, 特に物理学科・数学科の人間の方がよほど感性だけで生きている. その様子をまとめておいた.

理系が論理的とかいう妄言, どこから湧いて出てくるのだろう.

追記

感性の赴くままに生きていると思っていたので, 非常に衝撃的なコメントだった.

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数学, 物理

数学のできるイケメンエリートの育成は急務である

本文

女性の望みと男性の対応, それに対するさらなる女性の対応というのが Twitter でネタになっていたので便乗した.

■女子の望み 数学のできるイケメンエリートを出せ ■男子の対応 数学が出来ないので曖昧な笑顔でごまかす ■女子の反応 人人人 人人人人

線型代数で殴打< YYYYYYYYYYYYY

数学のできるイケメンエリートの育成は急務である.

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数学, 数学教育

愛情の表現論とは

本文

しょうもない話だが, 愛情表現というツイートを見かけて次のようなことを想起した.

愛情表現, 何のというかどんな表現なのだろう

@phasetr ほしい物リストの中からプレゼント

@sulaymanhakiym すみません. 私が言っていたのはこの意味での表現です

@phasetr この手の文章は漢字の読みなどは問題なく読めるところから, 確実に素人を殺しにきます.

@sulaymanhakiym @phasetr 表現論は誰でもわかる!

もちろん群の表現とかの意味での表現を考えていた.

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数学, 表現論

コンパクトの訳語, 完閉やら緊密というのがあったようだが何故使われなくなってしまったのだろう

本文

コンパクトの訳語は何かあるのだろうかというツイートをしたら色々教えて頂いた.

いまふと思ったのだが, コンパクト, 日本語に無理やり訳すとするとどうなるのだろう. 昔何か無理やり訳していたりしてそのときの訳語とか何かないの

@phasetr 完閉と読んでいたという話を何人かの先生から聞いたことが

@ysgr_sasakure !!!感謝感激雨霰!!!

@phasetr 緊密と言う訳もありますね

鍵アカウントなので直接の引用は控えるが, 「立花俊一, リーマン幾何学, 朝倉書店では実際に完閉と書かれている」という事も教えて頂いた. 何で使われなくなったのだろう, というのも気になる. どう調べればいいのかよく分からないが数学史でこういう言葉の定義や変遷とか調べるのも面白そう.

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数学, 位相空間論, Riemann 幾何

Ian G. Macdonald の Hypergeometric Functions I, II が arXiv に出た: II は q-analog

本文

私は全く知らなかったが, その筋では有名だったらしい Ian G. Macdonald の Hypergeometric Functions I, II が arXiv に出たとのこと. これこれだ. II は q-analog でその筋にはとても貴重な文献らしい.

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数学, 数理物理, 古典解析, 超幾何関数

本文が 3 行, 5 行の論文があるという

本文

かもさんのファンキーなツイートを見た.

本文がたったの 5 行の論文. http://forumgeom.fau.edu/FG2011volume11/FG201105.pdf

本文がたった 3 行 (参考文献を除く) の論文. http://forumgeom.fau.edu/FG2011volume11/FG201106.pdf

それぞれ, Jo Niemeyer の A Simple Construction of the Golden Section, Michel Bataille の Another Simple Construction of the Golden Section だ. 大体からしてこんなのが論文になるの, という感じすらあって衝撃を受ける.

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数学, 幾何

「いい数学書とは, 初等的な例が多く載っている本である」なんて聞いたことがない

本文

Amazon 書評で衝撃の意見を見た.

http://www.amazon.co.jp/review/RN778JMC1RCXH/ref=cm_cr_dp_title?ie=UTF8&ASIN=4785314044&channel=detail-glance&nodeID=465392&store=books 【どこかの文献で, 「いい数学書とは, 初等的な例が多く載っている本である」と読んだことがあるが】聞いたことがない

特に初学者向けの本ということなら初等的な例もある程度載せた方がいいが, 大事なのは面白い例やきわどい反例を議論することだろう. 大事な例に関しては 1 章まるまる割いて議論してもいいくらいだし, 実際そういう本もよくある.

とにかくこんな話は聞いたことがないのだが, どの文献にどういった形で書いてあったのか非常に気になる.

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数学

Twitter で辻元先生の複素多様体論講義の言及があったので

本文

Twitter で辻元先生の複素多様体論講義の言及があったのでちょっと呟いてみた.

辻先生の複素多様体論講義, 進度自体もめちゃくちゃだが話題の豊富さもやばい. きちんと読んではいないが. 勉強する本ではなくこんな進展があるのか, という感じで概観するのにはよさそうなというかそれしかない感. 引用されている Demaily の PDF とか読んだ方がいいのでは説

@phasetr なんのシリーズですか…??

@waheyhey サイエンス社のやつです http://www.amazon.co.jp/dp/B009M8UX94 Demaily のはこれ

@eszett66 @phasetr 小林複素幾何とはまた別のことが書いてある感じですか?

@waheyhey @eszett66 アレよりももっと解析的です. たとえば調和積分の楕円型作用素の話が書いてあったり L^2 評価式とか書いてあります

@eszett66 なるほどー. 今度書店か図書館でみてみます!

@phasetr か, 解析…

@eszett66 よ, 読んでみます

この本は複素幾何のトピック集みたいな感じもある. 分量の割にトピックが豊富なのでその分 1 つ 1 つの記述は薄いのでこれで勉強するのはかなりつらそう.

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数学, 複素幾何, 複素多様体, 解析学

H. M. エンツェンスベルガー, 岡本和夫著『数学者は城の中?』

本文

『数学者は城の中?』に関する書評があった.

H. M. エンツェンスベルガー, 岡本和夫著『数学者は城の中? 』読了. 1998 年の国際数学者会議で行われたエンツェンスベルガーの講演と, 岡本先生のエッセイ. 数学関係者はうなずく内容なのではないでしょうか. 数学嫌いの人にも面白いはず. なんて思っていたら, あれ, 岡本先生? (S)

Amazon を見てみると, オリジナルは独英対訳本らしい. ドイツ語の復習も兼ねてそちらも読んでみたいところだが, 和訳の方は岡本先生の文章もあるという. どちらを買おうか悩む方の市民だった. ちなみにこの岡本先生は以前 Paul が「月光仮面世代の和夫ちゃんは, その辺はわからないっす.」と言っていた岡本先生だ.

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数学

加藤文元, 廣中クローン説

本文

加藤文元さん, 廣中先生のクローン説があるらしい.

ブンゲン先生は広中先生のクローン説は良い思い出 http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/ikite/ik091215.html

@yagi2013 3 つ比べると モリキ~ヒロナカ~~~ブソゲソ という位置づけのような気がします

"@yagi2013: ブンゲン先生は広中先生のクローン説は良い思い出 http://www.chugoku-np.co.jp/kikaku/ikite/ik091215.html" 比較の対象がスゴい人過ぎる…森毅先生も…

写真が見当たらないのだが, 早稲田の小松啓一先生も廣中先生に似ている気がする. 特に私が把握している限りの廣中先生の昔の髪型と小松先生の髪型が.

全く関係ないが, 学生時代に廣中先生からサインをもらったことを想起した. ちょうど先日整理していたら発掘した.

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数学, 数学者

ドイツで数学したい

はじめに

8 月はドイツにいたいというアレを見つけたのでちょっとお話した.

引用

8 月はずっとドイツとかで過ごしていたいのだけど, そういう都合の良い研究会はないだろうか?

@AHD21 オーベルヴォルバッハとか. 何があるのか, やっているのか全く知りませんが

@phasetr 初めて聞きました. 調べみましたが, 滞在型研究施設という感じの所でしょうか. 自然に囲まれていて良いですね.

@AHD21 数学の方では有名です. 当然私は行った事無いですが, 環境的にお知り合いにそこに行った方をたくさん見つけられると思うので, そちらに相談してみるといいでしょう. 私も行ってみたかった

@phasetr ありがとうございます. 僕の興味に近い研究会も行われているようなので, 今後アンテナを張っておく事にします.

今ツイート見たら派手にタイポしていて泣いているが, Oberwolfach というのはこれだ. 一度は行ってみたかった.

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数学, 物理, 数理物理

3 ヶ月ごとに論文書かないと

本文

号泣した.

論文の謝辞が, アニメキャラになる時代か. 3 か月ごとに論文書かないといけないなあ.

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数学

論文: Garity-Repovš の Inequivalent Cantor Sets in $R^{3}$ Whose Complements Have the Same Fundamental Group

本文

まだ読んでいないのだが Cantor 集合の補集合の基本群を計算してガチャガチャやる論文が出たそうだ. 相変わらずの kyon_math さん情報であった.

Inequivalent Cantor Sets in $R^{3}$ Whose Complements Have the Same Fundamental Group. http://arxiv.org/abs/1307.8111

えー? カントール集合の補集合の基本群だと? そんなの考えたこともなかった. すげー. http://bit.ly/15aQCyh

これを読む時間, いつ取れるだろうか.

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数学, 位相幾何

東大の Todai Research なるページがあった

本文

寡聞にして知らなかったのだが, Todai Research というページがあった. 未発見の素粒子がトポロジカル絶縁体で活躍, 強磁性を保ったまま金属から絶縁体に相転移するしくみを解明などはかなり気になる. 数学のネタもある, または上がってくるはずなので, 注視したい.

他の大学でもあるはずだし, 個人的に北大数学, さらに強く新井先生の動向は気になるのでこう色々とアレ.

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数学, 物理, 数理物理

2021-06-14 台湾人の謎の数学動画

『不完全性定理は, 一体, どんな成果をあげてきたのだろうか? と素朴な疑問が浮かんでしまう』

本文

号泣した.

【しかしながら, 技術者である私には, 華々しい成果をあげた量子力学と相対性理論に比べてみると, 不完全性定理は, 一体, どんな成果をあげてきたのだろうか? と素朴な疑問が浮かんでしまう】 http://sakuraimac.exblog.jp/19237670

何で数学と物理比べているの, とか地獄の底から這い上がってきたような意見に目も眩む方の市民だった.

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数学, 不完全性定理

江田 bot

本文

patho_logic さんによる次のようなツイートがあった.

本人知ってると破壊力がすごい.

これは江田 bot のツイートを受けての呟きだ.

私は背理法は大好きですよ.

江田先生を良く知らないのでアレなのだが, どう面白いのかすごい興味ある.

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数学

やっぱ特異点だべした!

感動した.

メモ: きちんとまとめ切れていないリンク集