http://japanese.ruvr.ru/2014_01_11/127091047/
この辺の有名問題の常として, 本当に解決されたかは今のところ不明だ. とりあえずこれについては解決それ自体よりも, これが解決されると何が嬉しいのかとかそういうことが知りたい. これの証明に使われた技術が凄い役に立つとかそういうロマンのある話が聞きたい.
FN365 さんが東北大の小園英雄先生による 2010 年時点での解説 PDF を紹介していた.
Navier-Stokes 方程式に関するクレイ研究所のミレニアム問題の解説 2010 年 (東北大学小薗先生) http://www.fluid.sci.waseda.ac.jp/crest/KozonoSeminar.pdf
URL が早稲田になっているが, 早稲田は流体力学の数理のスタッフが充実していて世界的な拠点を形成していると聞いている. 上記 PDF からいくつか引用しておこう. 興味がある向きは詳細を直接 PDF を参照されたい.
ミレニアム問題. 任意に与えられた初期値 $a$ に対して, (N-S) は時間大域的な一意正則な解 ${u, p}$ を有するか?
P2 最後に記述があるが, 弱解は Leray が示していたらしい.
弱解の一意性と正則性が成り立つことを保証するものとして次の定理がある. (中略) 関数空間 (2.3) はセリンのクラスと呼ばれている ([22]). 残念ながら, (2.3) は弱解のクラス (2.2) よりは狭い.
弱解も一応一意性と正則性が示せているらしい. 弱解からのアプローチ, 問題は弱解が (2.3) に本当に入るかどうか, というところになっているのか.
(N-S) に限らず, 一般に非線形偏微分方程式が与えられたとき, その方程式に固有のスケール不変な関数空間で解を考察することの重要性が経験的に知られている. これを藤田・加藤の原理という.
このような $X$ として,藤田–加藤 [8] は $X = \dot{H}^{1/2}$ ととり, $a \in \dot{H}^{1/2}$ であれば (N-S) に時間局所的な強解が一意的に存在することを示した. (中略) 藤田, 加藤両博士のナヴィエーストークス方程式に関する造詣の深さを物語っている. 実際, この論文 [8] が 20 世紀後半から今日に至るまでに非線形偏微分方程式の研究に与えた影響は計り知れない. ここではまず, その後に改良された以下の定理を紹介しておこう.
藤田・加藤, 凄まじい. 加藤先生は我らが加藤敏夫先生だろう. 物理出身の人らしい発想とも言える.
従って, 工学などの現場の要求に応えるためには, 境界のある領域の内部または外部でナヴィエーストークス方程式を考察することを余儀なくされる. たとえば, 多重連結領域における非斉次境界値条件下の定常ナヴィエーストークス方程式の可解性は未解決問題である. 領域の位相幾何的な条件と方程式の可解性の問題は, 非線形偏微分方程式の主要な研究テーマであるが, この方面においても課題が山積していると思われる. このことについては, 次回に述べることができれば幸いである.
領域の位相幾何的特徴とその上の方程式や作用素の特性というのは確かに面白く, 私も興味がある. 私が近いところに関していうなら, Aharonov-Bohm 関係の話がある.
数学, 物理, 数理物理, ミレニアム問題, 偏微分方程式, 量子力学, 作用素論, 流体力学
例のナビエ-ストークス論文は普通に間違ってたっぽいですね (修正可能かはともかく) http://math.stackexchange.com/questions/634890/has-prof-otelbaev-shown-existence-of-strong-solutions-for-navier-stokes-equatio
monae さん, 解析専攻というわけではなかったと思う. こういう情報を探しているのか知人から入ってくるのか分からないが, そういう環境はやはり羨ましい.
数学, 数理物理, 偏微分方程式, 流体力学
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