いま野口潤次郎『多変数解析関数論』を読んでいる

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最近野口潤次郎先生の『多変数解析関数論』を読んでいる. 以前 pekemath2 さんが面白そうと言っていたのと, 昔から憧れであった岡理論を勉強したいというこ, あと一応微妙に実益がないでもないのでずっとやりたいと思っていたのをようやく思い立ってやっている感じ. 代数的場の量子論の方でも私が興味あるところでよく多変数関数論を使っているようだし, 名前が既にスーパー格好いい楔の刃の定理の証明でも大事: これは量子統計でも使うのだ. あと研究上ちょっと興味がある代数解析でも基本になっているということがある. まずは全体像を掴もうということで粗っぽく全体を眺めている.

やりとりメモ

この間少し色々書いてやりとりもしたので記録を残しておこう. まずはこの辺か.

多変数関数論, 代数弱者にはかなりつらい印象を受けた

@phasetr かなり代数的に定式化してましたねぇ

@pekemath2 層やコホモロジーや代数の諸概念の勉強にはなってくれそうなのでそれはそれで嬉しいのですが

@phasetr そういう読み方も出来そうですね

@CFT_math そうです. 前々から岡の話をやりたかったというのと微妙な実益を兼ねて, 思い立ってやろうということで

その 2

あとこの辺からも.

関数論でルートを取るときの「分枝を取る」というアレ, 未だによく分かっていない

関数論というより複素数自体よく分かっていない感ある

複素数のことがよく分かっておらず関数論をろくに理解していなくても複素数体上の線型空間論は何とかなるし関数解析, ヒルベルト空間論も何とかごまかせるので, 関数解析, 一番素人向けなのでは感ある

野口先生の多変数関数論の本, ちょっとした具体例がだいたい全て代数幾何由来 (多変数多項式が例) なので, 何かその辺を徹底的に具体例をメインに関数論的に論じた代数幾何の本とかほしい

その 3

あと dif_engine さんとのやり取り.

関数論でルートを取るときの「分枝を取る」というアレ, 未だによく分かっていない

@phasetr 複素関数として考えるとリーマン面になっていて, この場合は原点から伸ばした半直線沿いに切れ目を入れると二枚になるのでその片方を取る, ということでしょう.

@dif_engine ちょっと複雑になると何かもうよく分からなくなるのです. log とかも今ひとつ腑に落ちていない感じで. 1 月くらい浴びるほどやれば何とかなるとは思いますが, ひたすら分枝を取るところやリーマン面の具体例とか書いてある本が欲しい

@phasetr $\sqrt{z}$ は一般論を持ちださなくても, $\left| z \right| = 1$ となる引数を考えて $\exp (it) \to \exp (it/2)$ を考えて $t$ をどんどん大きくしてくと $t=\pi$, $t= 1.5 \pi$ のときに $z$ が同じなのに関数値が違う現象が起きるのが見やすいと思います.

@phasetr あまり一般論にいかず, $\sqrt{z}$ とか $\sqrt{z (z-1)}$ みたいなのを考えて, 引数側の平面で閉曲線をぐるぐるやって実感してみるのがいいんじゃないかなと思います. (僕は $\sqrt{z}$ で力尽きて続きやってないので偉そうなこと言えませんが).

@dif_engine 実際に多変数関数論の本でよく例で出てくるのもそのくらいの簡単なものばかりなので, それをきちんとやるべきなのをずっとさぼっていたつけが回ってきている方の市民です. いい加減きちんとやりたい

@phasetr 私は, 局所凸関数論真面目にやってる俺 TUEEE などと軽薄な事を考えず真面目に藤本坦孝先生の複素解析を真面目にやっていたら, シュワルツ超関数をもっとよく理解できただろうと思うとちょっと悔しいです.

ラベル

数学, 関数論, コホモロジー, 層