コンパクト性の諸相を探る対談を聞きたい方の市民

はじめに

我らが Dr 谷村のツイートを受けて次のようなツイートをした.

これ, 私だと全く他人への影響力がないので, 他力本願的に我らが数学市民に何かお願いしていきたい. どんな感じの話があると嬉しいか, 面白いか的な意図で関数解析系の解析学に関する私の趣味嗜好, そして Dr 谷村的な気分のツイートを記録しておく. Dr 谷村は鍵アカウントなのでツイート引用についてどうしようかという気分はあるが, 怒られないことを期待して適当にツイートを引くことにする. もとは一般位相空間に関わる話に端を発しているようなのでそこからのツイート引用もしよう.

私の趣味志向

最初に引用したように私の気分だととにかく収束に関わる話が一番で, それ以外は連続関数の可積分性などを思う. 実数論のボルツァノ-ワイエルシュトラスがアラオグルの定理として無限次元拡張を持つことへの拡張が全ての感覚の基礎にある. 物理学科所属としてはかなりのレアケースのようだが, 学部 1 年の必修で実数論・集合論・位相空間論があり, 実数論・解析学は私の数学認識の基礎基本になっている. 関数解析方面からは (局所) コンパクトハウスドルフ空間上のリース-マルコフ-角谷の定理など積分論・測度論とコンパクト性に関わる議論もある. 現代数学探険隊では可分なバナッハ空間上の汎弱点列コンパクト性やクレイン-ミルマンの端点定理, ストーン-ワイエルシュトラスの定理, ビショップの定理なども紹介している.

それぞれ簡単に言明を書いておこう.

コンパクト集合または局所コンパクト集合の上でいろいろないい定理が成り立ち, 特に収束周りのいい定理 (閉集合性) が成り立つ気分が大事. あとは物理まわりで局所コンパクト群とハール測度の存在のような群上の積分論に関するよい性質もある.

既に言及があるように, やはりコンパクトハウスドルフ空間まわりの議論も基本中の基本で, 作用素環でのゲルファント-ナイマルクの定理は決定的だ. 単位元つきの作用素環上の状態の空間はコンパクトなので, そこで状態の列を考えればとにかく部分列が収束する. ヒルベルト空間の単位ベクトル列だと赤外発散が原因で 0 にしか収束しないのだが, 単位元つきの作用素環の状態空間上での収束なら $\omega(1) = 1$ だから 0 には収束しない. 赤外発散処理の基本定理だと思っていて, こういうところで常にお世話になる.

他に幾何でも, ベクトル場の完備性の十分条件として多様体のコンパクト性がいるあたり, やはり解析の趣を感じるし, リーマン幾何のホップ-リノウもリーマン多様体がユークリッド空間の拡張である気分を感じさせてくれていい気分.

解析系だとほぼハウスドルフ空間しか見ないので, ハウスドルフ空間ではコンパクト集合が閉集合という意識さえしなくなる定理がある一方, 非ハウスドルフなザリスキ位相などを扱う代数幾何だとコンパクト開集合が出てくる. 代数幾何の気分は全くわからないので前から気になっている. quasi-compact という用語を準備したくなるほど違うらしいのでどういう事情が出てくるのか聞いてみたい気分がある. あと $p$-進は超距離から来る連結性まわりの位相的な特徴の違いもあり, コンパクト性にどういう影響があるかは聞いてみたい.

他にも探せば出てくるが, とりあえずこんなところで. 以下, 数学市民と Dr 谷村のツイートをいくつか引用して終える.

数学市民のツイート引用

Dr 谷村のツイート引用

何冊もは知らないけどケリーはいいと思う。

まああとはブルバキ

アマチュア数学勢、「いや、自分にはまだ多様体は早いすから」って言いながらものすごく凶悪な位相空間論を繰り出してくるイメージ。 ぼくとしてはむしろ、多様体をやらずに位相空間論だけ直観に落とし込むってものすごいことだと思う。 多様体やるまでマジでコンパクト性ってなんなのか全くわからなかったし、普遍性やベクトル束に至ってはB4でセミナーやっててやっと理解出来た。

これはえなじーさんの言なのですが、ペットボトルを回してみると、ペットボトルは変な形になったりせずに有界なパターンで動きます。これはSO(3)がコンパクトだからです。コンパクトとは「遠くに逃げない」状態です。 「こういうのの証明ってちゃんと書いてる本知らない気がする」を網羅している同人誌。

最後に

何にせよいろいろなコンテンツ作りはしていきたい. 連携できるならいろいろな人とも連携しつつ.