有限次元線型位相空間の位相の入れ方: $T_2$ なら一意的

やりとり

線型位相空間としての $\mathbb{R}^n$ に入る位相について次のようなやりとりをし, 文献を教わった.

@phasetr @ilovegalois R^n に対しては実位相線形空間としての位相の入れ方は一意的です. 無限次元の時のみ問題になります.

@hymathlogic 証明どこにあるでしょうか. 読んでみたい

@phasetr 帰ったら返信します. (一意というのは正確には間違いで T_0 なら一意です)

@phasetr http://www.math.ksu.edu/~nagy/func-an-2007-2008/top-vs-3.pdf これなんてどうでしょう

コメント

$T_0$ とはいえ分離公理が効いているというの, なかなか戦慄させてくれる. というわけで Gabriel Nagy による Topological Vector Spaces III: Finite Dimensional Spaces を読み進める.

$\mathbb{K}$ を $\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とした線型空間での議論をしている. 線型写像を基礎にして位相を議論していく.

In this section we take a closer look at finite dimensional topological vector spaces, and we will learn that they are uninteresting from the topological point of view.

そうだったのか.

Exercise 1. Show that the only other linear (non-Hausdorff) topology on $\mathbb{K}$ is the trivial topology $\mathfrak{T} = \left{ \emptyset, \mathbb{K} \right}$.

何だと.

Theorem 2. For a topological vector space $\mathcal{X}$, the following are equivalent: (i) $\mathcal{X}$ is finite dimensional; (ii) $\mathcal{X}$ is locally compact.

Hilbert 空間ですら弱位相でないと単位球がコンパクトにならないのでその意味では関数解析を学んでいれば「自明」に近い事実だが, 改めて見ると衝撃的だ.

それはそうと, 山元さん, $T_0$ という風に書いているが, この文献では $T_2$ の枠内での議論だ. $T_0$ で言えるのだろうか. あと, 線型位相は必ず $T_2$ とかいう話だったろうか. 今すぐチェックする気力が出ないので, 今度確かめたいが, いつになることやらということで悲しみ.

$T_2$ というと我らが zena_mp さんに怒られそうな気もする.

ラベル

数学, 関数解析, 位相空間論