tri_iro さん筋による情報: よく知らないがシータパン予想なる不可解な言葉をマスコミが生み出したらしい

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よく知らないがシータパン予想なる不可解な言葉をマスコミが生み出したらしい.

1 年半前の記事だけど, これニュースになってたのか

史上最年少 22 歳の大学教授誕生! 難問「シータパンの予想」を解いた数学の天才-中国 http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20120322/Recordchina_20120322011.html

この辺から tri_iro さんのコメントがある.

「デヴィッド・シータパンは, 英国の論理学者, 投資銀行家, 漁師である」 http://en.wikipedia.org/wiki/David_Seetapun 論理学者 ⇒ ゴールドマン・サックスのトレーダー ⇒ 100 億円の損失 ⇒ ラスベガスのギャンブラー ⇒ マグロ漁船の乗組員 という経歴はなかなか斬新ですね.

14 年前の記事ですが, デヴィッド・シータパンに関する記事: 『幾億もの損失を出したポスドク』 http://www.timeshighereducation.co.uk/148896.article

僕は修士時代はシータパンと割に近い研究をやっていて, シータパン論文も引用していたりしたんですけど, なんか無事に生きてるのかどうかすら心配になる経歴を辿っててやばい.

なぜ急にシータパンの話をしたかというと, Woodin の tt-join 定理の論文をどっかで入手できないものかとググってたら, Wikipedia のシータパンの記事が検索に引っ掛かったので, シータパンの記事なんてあったのかーと懐かしんでいたのでした.

『「シータパンの予想」とは, 90 年代に数学者のデビッド・シータパンが作成した数理論上の難問で, これまでに世界中の数学者や研究者が挑戦したが誰も解くことができなかった』. 世界中の数学者…って世界でせいぜい 30 人くらいしか挑戦してないのでは. いや僕も修士の時に挑戦した人の一人ですが

あとこんなやりとりも.

"Seetapun Conjecture" でググっても劉路さんのことしか出てこなくて予想の内容が出てこないのでアレ.

@jun0inoue 研究者の間では「RT^2_2 → WKL?」という専門用語で呼ばれていて, シータパン予想というのは, 記事にするために作った用語かな, と思います. というか大して有名な問題でもないのに, こんなニュースになっていたというのが驚きです.

@tri_iro なるほど. まあでも学部生で未解決問題解けるのは十分凄いんでは…

@jun0inoue はい, マイナーとはいえ超難問を解決し, 劉路さんの論文も良いアイデアと難解なテクニックを組み合わせた素晴らしいものなんですが, 学部生から「修士」「博士」「ポスドク」「助教」「准教授」をすっ飛ばしていきなり「正教授」は, 少し飛び過ぎなのでは……と心配になってます

@tri_iro 昔からそういう人は時々いますし, それはそれでうまく行くんじゃないかと思います.

構成的場の量子論, 厳密統計力学ともにあまり名のついた有名な予想ないし, 竹崎先生いわく, 私の数学上の専門ということになっている作用素環にも名前のついた有名な予想は少ない. 何か名前がある問題, 紹介しやすくていいな, という印象を受けた.

追記

こんな情報も得た.

シータパン予想ってラムゼー関連なのでとりいろさんが詳しいのは予想がつきましたが RT^2_2 → WKL のことだったのですか.

Ramsey, 名前だけは知っているが何者なの, ということで Wikipedia 先生から引用する.

フランク・プランプトン・ラムゼイ (姓はラムジーとも, Frank Plumpton Ramsey, 1903 年 2 月 22 日 – 1930 年 1 月 19 日) はイギリスの数学者である. ケンブリッジ出身. その生涯は非常に短かったが数学・哲学・経済学に大きく貢献した. ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジ (1920-23) にて学ぶ. 卒業後, 短期間ウィーンに留学した後, キングス・カレッジフェロー (1924) ・講師 (1926).

ベイズ確率

確率論の主観的解釈 (のちにベイズ主義と呼ばれる) は 1931 年にラムゼイによって提唱される. ラッセル・ホワイトヘッド理論の簡易化 ラムゼーの定理 ラムゼイ数 ラムゼイ・グラフ ラムゼイ問題

哲学

論理哲学論考の書評 ウィトゲンシュタインへの手紙 論理哲学論考の英訳者の 1 人. ウィトゲンシュタインの論文指導

想像以上に無茶苦茶な人材だった. やばい.

ラムゼー理論ということでこんな PDF も見つけた.

ラベル

数学, 数理論理