alg-d ツイート集

【選択公理が証明できないこと】2013年数学徒アドベントカレンダー(26日目)

とりあえずブルブルエンジン兄貴のページの記述を引用.

元々は「選択公理の独立性」とするつもりでしたが、これをやろうとすると開始数ページでGödelのLを構成し終えるという誰も分からない記事になりそうだったので、半分諦めることにしました。最初に書いてあることを認めてもらえれば特に数学基礎論を知らなくても雰囲気は伝わるのではと思います。ZFCの定義くらいは知ってたほうが読みやすいとは思いますが。本当は強制法も入れようかと思ってたんですがわけが分からなくなりそうだったのでやめました。

ちなみに全部ちゃんと証明をつけたバージョンのPDFを書くプロジェクトも進行しています。そっちはトポスまで書くつもりですが…あれよくわかんないので #つらい

これは2013年の記事だがトポスまで書いたバージョンできているのだろうか.

『超準解析を代数的に』の Togetter

本文

古い Togetter だが, 「超準解析を代数的に」というのを久し振りにみかけた. 相変わらずあまりきちんと読んでいないが, 楽しい話ではあるのでここでも記録がてら書いておく. まず evinlatie さんの説明を引いておこう.

代数のみの知識で超準解析を理解してもらおうと, 実数体 $\mathbb{R}$ から超実数体 $\mathbb{R}^*$ を代数的に構成する方法をまとめました. 予備知識は代数学の可換環や体の基本的な性質のみです (少なくとも代数学の入門的な教科書には書いてある知識のみだと思います). ただ, だいぶコンパクトに記述してありますので, 読む際には Wikipedia も参考にしたほうがいいかと思います.

※@alg_d さんのご協力により, 補足に加えて直感的な説明も追加されました.

$m'$ が選択公理でしか作れない狂気の対象というの, これはなかなか楽しい.

ラベル

数学, 超準解析

ブルブルエンジン兄貴の「選択公理は直感に反さないだろいい加減にしろ! 」という記事の紹介:Banach-Tarski の定理

はじめに

Twitter でブルブルエンジン兄貴が次のようなツイートをしていた.

https://twitter.com/hounavi_tweet/status/333470628592107520 ツイッターのニュースってなんだよいい加減にしろ!

ブルブルエンジン兄貴のブログ記事, 選択公理は直感に反さないだろいい加減にしろ! へのリンクが張られている. コメント欄に社会の悲しみが現出しているが, それは置いておこう.

これはもちろん, ブルブルエンジン兄貴の真骨頂である選択公理の話だ. 選択公理と直観という意味不明な話が時々出てくるが, そこでよく, 選択公理から Banach-Tarski の逆理など変なのが出てきて嫌ね, という話がされる. そんなことはなく, 選択公理を認めないとひどい現象が起きる. 逆に選択公理から非常に自然でこれを認めないことには何もできない, という定理も色々あるので認めないでどうするの, という話をしている. ちなみに第 3 回の関西すうがく徒のつどいでのブルブルエンジン兄貴の話は関数の連続性まわりでそうした話をしていた.

バナッハ-タルスキの定理

そしてブログでは Banach-Tarski だ. 詳しくはブログを見てほしいが, Banach-Tarski でいう有限分割は現実には実行不可能な恐ろしい分割も含んでいる. そうした無茶な分割をした上で「直観に反する」結果が出てくる, という話なので, むしろ直観的に捉えきれない分割の方にこそ異常性を感じるべきで, 選択公理に責を押し付けるべきではない, という主張を展開している.

これもブログで触れられているが, 証明中, 選択公理はある一箇所で使われているだけだ. 証明中大事なのはむしろ自由群の性質であって, 選択公理ではない.

数学としてはむしろ, 図形の分割と体積の話をしているのにそれを制御しているのが自由群という群の性質である, という部分に思いを馳せるべきだ. これこそ直観を越えた緻密な論証のなせる技であり, 途方もなく豪快で自由な数学の姿と言える. とてもとても楽しい.

証明は本もあるし, ネット上に色々文献も落ちている. 色々探してみてほしい. そして証明をきちんと味わってほしい.

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数学, 選択公理