Twitter まとめ: 高校生とのハートフルなやりとり 数学あるある 2000 年の恋編

本文

先日こんなネタを呟いた.

数学あるある 2000 年越しの恋

これが高校生に RT されていたため, 数学ガールの読者のようで, その辺を関係づけるときっと楽しいだろうと思い, 折角なのでちょっと話しかけてみた. 今回はそのハートフルなやり取りをまとめておきたい. 大体この辺から始まる.

やりとり

@lovemath0218 http://https://twitter.com/phasetr/status/307862438148206592 の元ネタが何だか分かりますか?

@phasetr ごめんなさい, 元ネタは分かんないです

@lovemath0218 http://http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E8%A6%8F%E3%81%A8%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E4%BD%9C%E5%9B%B3#.E4.B8.8D.E5.8F.AF.E8.83.BD.E3.81.AA.E4.BD.9C.E5.9B.B3 数学ガールのガロア理論の巻に角の三等分問題がありましたが, その辺です. 古代ギリシャの頃からあった問題で解決が 1837 年なので, だいたい 2000 年です.

@lovemath0218 2000 年経って解決されたのをもって 2000 年越しの恋が成就, という感じで適当に呟きました. さらにいえば恋は実ったところからこそが始まりとも言えるわけで, その後のガロア理論の深い展開は色々あります. 専門ではないので私は詳しくないですが

@lovemath0218 あと, 純粋な数学ですぐには思いつかないのですが, 他に, 例えば物理で 2000 年かかってまだ解決されていない問題があったりもします

@phasetr 2000 年経っての解決を意味してるのは予想出来たんですが, さすがに角の三等分問題まではたどり着かなかったですね

@phasetr 色々教えてくださってありがとうございます ('▽`) 2000 年かけても解決されない問題, 何だかワクワクしますね (笑)

@lovemath0218 超我田引水ですが, 磁石が何故存在するか, というのも 2000 年レベルで未解決の問題です. 私はこれに関する数学を研究していました. そういう問題, 意外とその辺に散らばっています

@phasetr そうなんですか!? また色々調べてみます ((((゜▽゜))))

記録

Galois 関係というか代数をほとんど知らない (分かる分からない以前の問題) なので何ともいえないのだが, 微分 Galois 理論といった議論もあるし, 代数幾何などとも関連する方向での展開も色々あると聞いている. その辺は Twitter で代数または代数幾何系の人に聞くときっと色々教えてくれる.

物理での話

天文だの何だの色々あるだろうが, 物理関係でも 2000 年クラスの問題はある. 上にも書いた通り, 磁石の問題は 2000 年の時を経てもいまだに解決されていない. 興味がある向きは【シリ*MAD 支援】線型代数と多体電子系【アイマス教養講座】などをご覧頂きたい. Hubbard モデルという磁性体の簡単なモデルについて説明している.

また Bohr-van Leeuwen の定理というのがある. 古典論の範囲では磁性体が存在しないというように (適当に) まとめられる. どうでもいいが, 上記 Wikipedia の記事中, 次のような記述があったが相対論をどう思っているのかとても気になる. 普通, 相対論は古典論に入れる. 古典論というのは非量子論という意味で使うのが普通で, 相対論は量子論とは別枠だ. 相対論的量子力学とか相対論的場の量子論というのがあるので, マッチする部分があるけれども.

この定理の発見の重要な点は, 古典力学の範囲では反磁性, 常磁性, 強磁性などの磁性を説明できず, それらを説明するには量子力学と相対性理論が必要不可欠であるということである.

量子論の物理入門というのは明らかに私の能力を越えているが, 量子力学というか場の量子論と量子統計の数学なら私の専門だ. ここについてもいくつか動画を作ったので, 興味がある向きはご覧頂ければ幸いだ. まず量子統計だが 春香誕生祭 + 緑な P ・実解析 P ・パラ P リスペクト 1/5 量子統計の数学的基礎から続く 5 連作がある. 全部で 90 分程度あった気がする. 作りかけでアレだが 【理工学 M@ster 祭り 2nd 】量子力学の数学的基礎 1-1.概論というのもある.

また, 量子電気力学入門として 【シリ*MAD 】レーザー:電子がうたう歌というのも作った. レーザーという「身の回り」にあるものだが, 原理的には場の理論が必要になる. こちらは数学分はほとんどない (つもり). アイドルとレーザーの感じをうまく絡められた感があり, 個人的にはかなり気に入っている.

ラベル

数学, 物理学, 量子力学, 量子統計, 場の量子論