中高数学学習コンテンツの案内/中高数学駆け込み寺 素数判定の巻

前回まででミニ講座の三つのメインコンテンツを配布し終わりました. お疲れ様でした.

息つく間もなく次をご案内することになってしまいますが, 鉄は熱い内に打てとの言葉もあります. 勉強してみて意欲が高まった状態でご案内した方がよいと思うので, 間髪入れずに紹介することにしました.

コンテンツ案内: プログラミングで数学を 中高数学虎の穴

詳しいことはリンク先の案内ページにまとめてあります. このページを読むだけでも数学・物理・プログラミングを勉強する上で大事なことをたくさん書いています. ぜひ詳しく読み込んでみてください.

強くメンテナンスをしていかなければいけないコンテンツであるため, 有料で提供しているコンテンツです. 言いたいこと・言うべきことは上記ページに書いてありますが, ここでも簡単にコンテンツの特徴を紹介します.

特徴: 中高数学の華, 微分積分

このコンテンツの特徴はやはり中高数学の華, 微分積分を中心に据えています. 微分積分の応用まで議論していて, 特に次の三つを議論しているのが特徴です.

常微分方程式の世界, 多彩な応用

常微分方程式を紹介するのは, 経済や数理生物学への応用を紹介し, 数学の多彩な展開・応用を見てもらうのが目的です. 特に経済はいわゆる文系の人達に向けて, 数学の応用の仕方や必要性を説明する意図もあります. あえて強調してはいないものの, 力学をはじめとして物理への応用も大事です.

物理への応用はむしろ偏微分方程式に任せています.

偏微分方程式の世界

物理を勉強しているとたくさんの微分方程式が出てきます. 中高数学までと違い, 微分方程式はふつう解を具体的に書けません. そして作った微分方程式で現象を的確に表せているか確認するのは非常に大変です.

しかも時間変化する現象を追いかけようと思うと, さらに大変です. そこでプログラミングを使って力づくで計算し, それをアニメーションにしています.

例えば波動方程式をがんばって計算すると, 名前の通り波の伝播の様子がアニメーションで見られます. 拡散方程式をがんばって計算すると, 名前の通り物質の拡散する様子がアニメーションで見られます. このように目で見て確認できると理解が深まるだけではなく, 単純に楽しいです. これを味わってほしいのが目的です.

統計学・機械学習: 応用数学のトレンド

統計学・機械学習は2022年時点の応用数学のトレンドです. 実際に使われる部分は恐ろしく難しいです.

数学だけなら私はどうにかできます. 私にとって問題なのはこの数学をプログラムに落とす部分です. ここにも特殊な訓練・鍛え上げられた能力が必要で, 私はこの二つが圧倒的に足りません. ちょこちょこ勉強してはいるものの, その程度で足りるレベルではないのです.

そこでこのコンテンツでは統計学や機械学習への応用に関して, 簡単で, しかも目で見てインパクトがあり, 教育的な例をいくつか取り上げて計算しています. コンテンツのブラッシュアップのためにモニターを募り, 勉強会を開いたときにも評判がよい部分でした.

提供形式の工夫: 本と動くプログラムの一体化

そしてもう一点, 重要な要素があります. このミニ講座でも配布したipynbファイルの形で全てのコンテンツを配布していて, ipynb上で完結させています. そのままで動くプログラムを載せるのはもちろん, 数学やプログラムの解説もipynbだけで閉じています.

世の体系的なコンテンツの多くはやはり書籍がメインです. 最近のまともな本ならプログラムも一緒に配布しています. 実はプログラムだけなら無料で公開されていることはよくあります. 私もよく参考にしています.

いわば無料で本の一部が読めます. しかし本を買ってもらわないと商売が成り立ちません. そうなると無料公開されてしまっているプログラム部分は説明が薄く, サンプルプログラムを読むだけで背景まで推察できる力がない限り, 本を参照しながらでないと勉強できません.

そして実際に勉強してみるとわかります. 本を読みながら対応するプログラムを読んだり, プログラムと圧縮された解説を読みながら, 本の対応箇所を読み進めるのは気が散って非常に勉強しづらいです.

そこで数学・プログラムを一体で勉強できるように配慮したコンテンツが必要だと判断しました. コンテンツの提供形式の上でも, 私自身の勉強の苦労を反映させています.

他にも案内ページでは, 早稲田・東大で物理・数学を専門的に勉強してきた人間でさえ苦労した点を前提に, コンテンツにどんな工夫をこらしているか, さらには数学・物理・プログラミングを勉強するためのヒントもたくさん解説しています.

買う・買わないによらず読むだけで参考になり, 勉強になるようにしています. ぜひ時間を取ってしっかり読んでみてください.

次回の話: アルゴリズムを勉強して計算し倒そう

さて, 上記コンテンツは中高数学の華である微分積分を軸にし, 統計学や微分方程式などの応用に向けた議論が中心です.

一方で算数・数学・プログラミング, 特にアルゴリズムに軸を置いた勉強に興味がある人もいらっしゃるでしょう. あなたもそうかもしれません. 次回以降, この方面でいろいろなアプローチやコンテンツを紹介します.

微分積分やグラフ描き・アニメーションはライブラリや他のツールを使う必要があります. プログラミング言語だけではなく これらのバージョンにも強く依存する点が厄介です.

アルゴリズムにしてもライブラリはあります. しかしことアルゴリズムの勉強となると, そうした外部の影響は受けにくい形で進められます. はっきり言えば古い本(古本で安く手に入る本)でもかなり役に立ちますし, 大量に出版されてもいて, プログラミングの本としては珍しいくらい寿命が長い本がある分野です. 競技プログラミング(競プロ)のおかげで最近はさらにバリエーションが増えてきていますし, 勉強しやすい環境が整っています.

私自身いま積極的に再勉強して知見をブラッシュアップしていますが, 非常に楽しいです. こんなに楽しいならもっと早くから深く広く勉強しておけばよかったと思っているほどです. こちらもぜひ楽しみにしていてください.

最後にコンテンツ再案内

最後に改めてミニ講座三回分のコンテンツをまとめます. 後回しにせず積極的に挑んでください.

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