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2025-04

2025-04-12 令和7年度東京大学大学院入学式 研究科長式辞, 平地健吾

令和7年度東京大学大学院入学式 研究科長式辞

東京大学大学院にご入学されたみなさん、誠におめでとうございます。みなさんの新たな門出をともに祝うことができ、大変うれしく思います。また、これまで支えてこられたご家族や関係者のみなさまにも、心よりお祝い申し上げます。

これからみなさんは大学院生として、それぞれの研究に取り組まれることになります。期待に胸を膨らませる一方で、「自分に何ができるのだろう」と不安を感じている方も多いでしょう。本日は、ひとりの数学者としての経験をお話しします。

大学院に入学した当時、私が抱いていたイメージは、おそらくみなさんのものと大きく変わらず、数学者は一握りの天才であり、早熟でなければならないというものでした。映画やドラマに登場する数学者の姿が、影響していたのかもしれません。しかし、早熟の天才しかできないという思いこみは、多様性を阻む固定観念であり、劣等感を肥大させるバイアスになり得ます。数学を学ぶことには、さまざまな研究を志すみなさんと共有できる要素も多くあります。先入観を取り除く一助となればと思い、この場を借りて弁明させていただきます。

現役の天才数学者としておそらく最も有名なのは、プリンストン大学のチャールズ・フェファーマン教授です。彼は14歳でメリーランド大学に入学し、15歳で最初の論文を書き、20歳でプリンストン大学の博士号を取得し、22歳でシカゴ大学の正教授となり、全米最年少の正教授記録を打ち立てました。その後、24歳でプリンストン大学教授に就任し、28歳で数学のノーベル賞と称されるフィールズ賞を受賞しています。

私が35歳のとき、フェファーマン先生とプリンストン大学で共同研究を行う機会を得ました。その初日、二人で夕食を共にした際、先生から「あなたにとって数学とは何ですか?」と問われたことを今でも鮮明に覚えています。私の答えはあとで申しあげることとして、フェファーマン先生は「数学とは、悪魔とチェスの対戦をするようなものだ」と言われました。数学の証明は、悪魔によるいかなる反論も許さない完全な論証で、最初は完敗の連続なのですが、数年にわたって何度も対戦を繰り返すうちに、ついに勝利の瞬間が訪れるというのです。

私は、天才といわれる数学者でさえ、そんな苛酷で厳しい戦いを常にしているのかと驚きました。フェファーマン先生の「放物型不変式論」という論文には、実際に“悪魔と対戦するゲーム”が登場します。先生の話を聞き、私はこの論文の戦いの記録のような独特な叙述法に納得がいきました。

さて、私自身がどのように答えたのかは、じつはたいへん緊張していたので正確には覚えていません。いま改めて言葉にしてみますと、私にとって数学とは、「問題を正しく理解する方法を見つける探検」だと答えたように思います。適切な視点が見つかれば、問題は自然と解決へと向かいます。探検を続けるうちに視界が開け、理論はより簡潔で分かりやすいものになるというプロセスの楽しさに光を当てたかったのです。悪魔との戦いに比べると、いささか地味かもしれません。

ところで私の最初の業績と言えるのは、じつは先ほどの「放物型不変式論」の未完成部分に新たな視点を加え、完成へと導いたことでした。これは、フェファーマン先生をはじめ先行研究をじっくりと学んで考えた末に、見つけだした解決策です。悪魔と直接戦う英雄的な数学者も必要ですが、数学の発展には、私のように問題の周辺を丹念に探検する数学者も重要な役割を果たしています。

「巨人の肩のうえに乗る」という比喩を、科学史ではよく聞きます。いわゆる十二世紀ルネサンスの人文主義者が使いはじめて、近代物理学の基礎を作ったアイザック・ニュートンの手紙で有名になった語句です。小さな自分がより遠くを見わたせるのは、じつは巨人たちの肩のうえに乗っているからだといって、学知をつくりあげてきた巨人たちに学ぶことの大切さを説いています。しかしながら、肩のうえに登っていくこと自体も、けっして簡単なことではありません。そのためには、巨人そのものを十分に理解し、そのかたちを正確に把握し、登る道すじを整備していく丹念な作業も必要です。そうしたプロセスもまた、新たな発見をもたらすのです。

次に、数学は早熟でなければならないのかについて触れたいと思います。数学は音楽と同じように、幅広い知識や深い人生経験を必ずしも必要としません。ですから、ガウスやモーツァルト、そしてフェファーマン先生のように、若くして才能を開花させる人もいます。たしかにイギリスの数学者ハーディは、その著書『ある数学者の弁明』の中で、数学は「若者のためのゲーム」であると表現しています。そういわれると、「自分は出遅れているのではないか」と焦りを感じるかもしれません。しかし、自信を失うことはありません。すべての人がすでに若くして完成している天才ではないからです。

ここで、プリンストン大学のホ・ジュニ(許埈珥)教授のエピソードを紹介します。彼は小学生の頃、算数の成績が悪く「自分には数学の才能がない」と思い込んでいました。詩人を志して高校を中退しましたが、その後ソウル国立大学に進学し、サイエンスライターを目指して天文学と物理学を専攻します。

大学院在学中の24歳になって、フィールズ賞受賞者である広中平祐先生の代数幾何の講義をサイエンスライターとして取材し、次第に数学の魅力に引き込まれていきます。その2年後には数学の論文を書き修士号を取得しましたが、特に優秀な学生と認められることもなく、アメリカの多くの大学院に応募したものの、合格したのは1校だけでした。しかし、その13年後の2022年、彼は韓国系の数学者としては初めてのフィールズ賞を受賞します。学生時代の彼を知る誰もが予想できない快挙でした。

うまず、たゆまず、自分のペースを大切に、探究心を持ち続け、研究に取り組むことが大切です。東京大学の教職員は、みなさんの挑戦を全力でサポートします。また、優れた才能を持つ仲間に囲まれていることを前向きに捉えることも重要です。同じ分野に取り組む仲間や、先を歩む先輩方から多くの示唆や助言を得られる恵まれた環境が、東京大学にはあります。研究の中で直面する課題や悩みも、一人で抱え込む必要はありません。

数学に限らず、ほぼすべての分野の研究者に共通することですが、「行きづまり」が大きな試煉であると同時に、おもしろさや楽しみの源であることにも触れておきたいと思います。研究の目標を設定し、それに向かって取り組むと、やがて完全に行き詰まる瞬間が訪れます。もし、行き詰まりがまったくないとすれば、それは十分に難しい問題に挑戦していないからでしょう。先ほどお話しした「放物型不変式論」はたしかに難しい問題で、大学院に入って勉強を始めてから解決の糸口が見えるまで、4年もかかりました。また、現在取り組んでいる幾何学の論文の最初のアイデアが見つかったのは、考え始めてから10年後です。絶望的な「行きづまり」に耐え、考え続けるからこそ、発見の喜びはひとしおです。 私はその喜びのために数学を続けているのだと実感しています。

みなさんも、心から興味が持てる、十分に難しい問題に取り組み、絶望的な行き詰まりを経験してください。そして、決して諦めずに考え続けてください。それこそが、研究の喜びにつながる長く曲がりくねった道なのです。

改めて、みなさんのご入学を心よりお祝い申し上げます。これからの大学院生活が実り多きものとなることを願っています。

令和7年4月11日 数理科学研究科長 平地 健吾

2025-04-12 視覚障害者のChatGPT利用法

目の不自由な友人がChatgptを課金してフル活用しているというので、どう使っているかを聞いたところ、「写真を撮って、何が映っているかを説明してもらう」と。 技術の進歩ってスゲー…と心底思いました。

2025-04-12 安慧(Sthiramati)の『倶舎論複注』第一章に対する世界初のサンスクリット刊本, Tattvārthā. Sthiramati’s Abhidharmakośaṭīkā, Chapter 1, Part I Diplomatically edited by Nobuchiyo Odani in collaboration with Kazunobu Matsuda and Hironori Tanaka

日本が世界に誇るべき偉業がまたここに。

安慧(Sthiramati)の『倶舎論複注』第一章に対する世界初のサンスクリット刊本が出たようです。編著者は日本人研究者3名。

オーストリア科学アカデミーの出版物は安定のオープンアクセンスでありがたい。

https://verlag.oeaw.ac.at/en/product/tattv-rth-sthiramati-s-abhidharmako-a-k-chapter-1-part-i/99200971?name=tattv-rth-sthiramati-s-abhidharmako-a-k-chapter-1-part-i&product_form=5617

2024-04-11 アレルギーでも食べられるプリン系食材

紀文の豆乳で作ったデザート風とうふ チョコバナナ味。 今までも豆腐系のプリンはあったけど、チョコバナナ味ってところがいい🍫🍌

意外とチョコバナナ味ってなかったですよね🤭

公式さん😳✨ 本当にこういう商品ってアレルギーっ子の憧れなんです!!!全アレルギー持ちを代表して感謝を伝えさせてください!ありがとうございます😭 そして、めっちゃ美味しいです! 昨夜、娘が感激していました💕

そういうことでしたか!!!!😭よかったです😭 もし差し支えなければ、何のアレルギーをお持ちですか、、??この商品にそのような需要があるとは知らず、可能であれば社内で報告させていただき、引き続きお召しあがりいただけるような、商品化に努められればと思っております🙇‍♀️

2025-04-09 カクヨムでのフルメタルパニック

カクヨムでテッサの話の続きをやります。「カクヨム 賀東』で検索して下さい! フルメタFと機動転生、両方楽しめます。

あとできればサポートもしてもらえると、ありがたいかな…

カクヨムネクスト

📣 新連載情報 \

4/23(水)17時に連載開始! 『フルメタル・パニック! Family』 著:賀東招二

ドラゴンマガジンからの移籍連載 お楽しみに✨

https://kakuyomu.jp/info/entry/next_2504newtitles4

2025-04-08 虚構系資料の代表格の「仏像付き十字架」

ドイツに留学中の研究者さんから「宗教的接触に関する理論的学術書が出たようです」と教えてもらったのですが、本の表紙になっているのが虚構系資料の代表格の「仏像付き十字架」…! 嫌な予感しかしないのですが、オープンアクセスになっていたのでPDFを落として日本のところだけ一読。嫌な予感は概ね的中しました。こちらではThe Buddha crossとして紹介されています。キリシタンについて書かれているのはp112から。以下、要約です。

「17世紀の日本では、キリスト教は国家体制への脅威と見なされ、弾圧を受けた。信者たちは仏教徒として振る舞いながら、密かに信仰を守る道を選んだ。この過程で仏像の中に十字架を隠したり、キリストの姿を仏陀に置き換えたりするなど、象徴の改変が行われた。こうした工夫は、命を守るための防御策であると同時に、「宗教的接触」による文化的融合でもあった。キリスト教と仏教の象徴や儀礼が交わることで、両者の境界が曖昧になり、新たな信仰のかたちが形成されていった。このような宗教的接触は、支配や迫害の歴史の中で生まれた独特な宗教文化の創出に寄 与した」

――しかしこの論の前提となっている「仏像付き十字架」は虚構の資料なので、このように宗教文化が創出されたとはいえないわけで。著者が引用している海外の論文も読んで反論していかねばと。

私にそれだけの実力があればの話なのですが。 こちらからダウンロードできますので、よかったら。 https://brill.com/display/title/62357

もちろん歴史学ではなく宗教学の理論の本なので、歴史認識の正誤が論点ではいないのですけど、それでも根拠となる資料の虚構性は指摘すべきだと思うので。

2025-04-07 エアロバイク痩せないと書いてる人は最大心拍数の約65%キープしながら漕ぐことを知らない人

エアロバイク痩せないと書いてる人は最大心拍数の約65%キープしながら漕ぐことを知らん人や…ステッパーはこの痩せる心拍数まで持っていくのはかなり難しいけど大体のエアロバイクは負荷調整できるので正しく使えば痩せます。心拍数を測るのには意味がある。数字は裏切らない。人は裏切る。

2025-04-03 なぜ関税強化なのか トランプ政権ブレーンが語る「改革保守」の真意

なぜ関税強化なのか トランプ政権ブレーンが語る「改革保守」の真意 聞き手・池田伸壹2025年4月1日 17時00分

関税強化に突き進む米トランプ政権。それを進言した政権ブレーンの一人として注目を集めるのが、米保守派論客でエコノミストのオレン・キャスさんだ。政権幹部や一連の政策に影響を与えながら、自身は政権には入らず、むしろ「重要なのはトランプ後」だとまで言う。その意味とは。真の狙いは、どこにあるのか。 写真・図版 米保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」のオレン・キャスさん=2025年3月、東京都中央区、西岡臣撮影

キャス氏とは何者なのか。米国保守の歴史の中で、その思想と特徴はどのように位置づけられるのか。ジャーナリストで思想史研究者の会田弘継さんが、共和党と民主党の状況にも触れながら解説するインタビューも併載しています。

――矢継ぎ早の関税政策などはトランプ大統領個人の思いつきではなく、あなた方は2017~21年の第1次政権の時期からこうした政策を練り、進言していたそうですね。

「その通りです。それが米国にとって唯一の解決策だと考えたからです。経済学者らは当時、米国経済は過去にないほど素晴らしい状況だと言っていましたが、私たちは賛成できませんでした。実際は01年の中国のWTO(世界貿易機関)加盟で、米国の産業基盤は(中国の輸出増などにより)加速度的に弱体化し、限界に達していました」

「それに伴い、私たちの社会も弱体化していました。『絶望死』という現象が典型的です。特に中年の低学歴の白人の間で、薬物やアルコール依存、自殺が増え、平均寿命にまで影響を与える事態になりました。グローバル化の下、米国は若者を海外での戦争に送り、失業と絶望を輸入し、大切な仕事を海外に送ってしまったのです。1980年代の保守の発想は『市場経済と自由貿易』でしたが、いずれも、こうした状況を解決するには有効ではありません。だから関税なのです」

――しかし関税は、米国へ輸出する国だけでなく、物価の上昇などで米国民も苦しめ、誰も幸せにしないのではないでしょうか。

「全く同意しません。短期的には様々な痛みを伴うかもしれませんが、長期的には大きな利益をもたらすと思っています。ひとくちに関税といっても、別々に考えるべき二つの側面がある。一つは交渉のツールとして、もう一つは経済政策としての側面です」

「第2次大戦以降、米国は、関税を交渉のツールとして使うことを基本的に放棄してきました。いま重要なことは、米国が実際に関税を、行使できる力の一形態として使っていることです。そして関税は、経済政策としても理にかなう場合があります。国内で何かを製造することに価値があると信じ、国内産業を保護しようとするなら、効率的な政策手段です」

――国土も狭く、資源にも恵まれていない日本のような国にとって、自由貿易は死活的に重要です。

「日本経済が輸出入に深く依存していることは理解できます。私は、米国と日本はバランスの取れた自由な貿易のパートナーになりうると思っています。これから日米間で、通貨や貿易、産業政策などをめぐる交渉は必要になるでしょう。貿易の不均衡を解決するには、内需が不足しているといった、日本が解決しなければならない問題もあります」

「しかし、ここで注意しておきたいのは、日米を含む自由貿易が成立する領域に、中国は加わっていないだろうということです。これまで保守の常識では、自由貿易は原則推進が『善』とされ、中国のWTO加盟は保守も推進した上で実現しました。ただ米国では、中国が経済的に豊かになれば民主化すると考えていた人も多かったのですが、誤りでした。今後の可能性はゼロとはいえませんが、いま政策を組み立てる際、中国の民主化が近い将来に実現することを前提にするのは誤りでしょう」

――教科書的な話ですが、各国が優位な産業に集中し、自由貿易を行うことでこそ、全体が豊かさを享受できるのではないのですか。

「教科書で習ったアダム・スミスもデイビッド・リカードも、共産党が支配する大国との自由貿易について考える機会はなかったでしょう。中国と自由貿易を行うということは、共産主義の優先順位や政策を、私たちの社会に受け入れるということです」

――かつて、中国の習近平(シーチンピン)国家主席を「素晴らしい友人」と呼んでいたトランプ氏も、そう理解しているのでしょうか。

「今はよく分かっているはずです。またスミスやリカードは、最近の米国のように、モノを買う代わりに何かを売るのではなく、国際基軸通貨ドルで米国債を発行して借金するなどという状態を想定していなかったのではないでしょうか。私たちは、生産よりも消費に偏った米国を変えていこうとしています。そうしたことを一つ一つ解決していく必要があります」 写真・図版 米保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」のオレン・キャスさん=2025年3月、東京都中央区、西岡臣撮影

――そうした考えをまとめた2018年のあなたの著作を、ハーバード大学のマイケル・サンデル氏やニューヨーク・タイムズのコラムニストも評価していました。書評で称賛した仏文化人類学者のエマニュエル・トッドさんに最近インタビューしました。米国の社会と経済の現状認識についてはあなたと非常に近い考えでしたが、米国の国内産業の再生については「100年単位の歳月をかければ」と悲観的でした。

「本当ですか? トッド氏と会ったことはなく、フランス語での書評が突然出て、驚きました。色々な見方を共有していると思いますが、産業再生に100年かかるという意見には賛成できません。米国は過去25年ほどで脱工業化が進んだため、基本的には同程度の時間が再生に必要だと考えられます。しかし、そのプロセスを速めることも可能だと信じています。80~90年代にかけて、ホンダやトヨタ自動車などの日本の自動車メーカーが巨額投資をして、短期間で米国工場を稼働させたことを考えてください」

「81年のレーガン政権誕生まで、日本メーカーによる生産はゼロでした。最初は組み立て工場をつくり、やがて部品工場などを含めたサプライチェーン全体が米国に移りました。今では、トヨタとホンダは米国に巨大な研究施設を持っています。結果として、品質低下や価格上昇も起きず、消費者に素晴らしい商品が提供され、何十万もの雇用を生んだのです。これから同じことが半導体でも、さらに速いペースで、さらに大規模に起こると期待しています。生産の自動化も追い風になるでしょう。私はAI(人工知能)が人間に取って代わるとは思っていませんが、あらゆる技術の進歩が米国の産業再生に貢献すると思っています」

――日本製鉄によるUSスチール買収も、米国産業再生の成功例になり得るでしょうか。

「そうは思いません。もし80年代に日本車の洪水のような輸出が問題になっているときに、トヨタがケンタッキー工場を建設するかわりに、伝統あるフォードを買収して近代化するという投資計画を発表したらどうだったでしょう。経済学者が『投資としては同じことだ、何を騒いでいるんだ』と言っても、心理的には大きな違いがでます。間違いなく社会的反発を受けたことでしょう」 今は過渡期、重要なのは「トランプ後」

――ひとくちに保守派といっても、トランプ政権には様々な流れが集結しているようです。あなたは、どのような保守派ですか。

「私たちのグループは、ポピュリズム的な『MAGA(米国を再び偉大に)』運動の一員でも、イーロン・マスク氏に代表されるような、規制緩和や技術革新に関心が高い『テクノ・リバタリアン』でもありません。もちろん、妊娠中絶反対派や宗教右派でもありません。あえて言えば、いずれとも異なる『真正の保守派』です。普通の家族が自立して生活を営む能力、子どもを育てる能力が低下し、地域のコミュニティーが弱くなっていることを、何よりも問題視する保守派です」

「いくら株価が高く、ウォール街やシリコンバレーが繁栄しても、家族やコミュニティーが弱くなってしまっては意味がありません。レーガン政権時代の80年代に確立された(市場経済と自由貿易が善の)保守運動は、東西冷戦期に共産主義と対抗することが最大の課題でした。私たちは、現代の課題に保守がどう対応するかを考えています。格差拡大、労働者と家族、コミュニティーに焦点をあてることが課題です。市場は手段であり目的ではない、という認識も必要です。外交政策についても、2020年代の実際の問題に適用できる保守的なアジェンダを構築することです」

「まだ保守派は雑多な寄り合いで、ビッグバン後の混乱が続いていますが、それが大きな連合となる可能性があると思っています。大きな連合が形成されるとき、それが非常に混乱して見えるのは当然ですが、それは健全なプロセスの一部だと信じています。私の仕事は、保守的な流れをまとめる思想や政策を作り上げることです。私は共和党、そして保守運動を、現代の問題に適応するように変革し、支持基盤を大きくしたいのです」

――それを第2次トランプ政権の任期4年で達成できますか。

「確かに十分とはいえないかもしれませんが、これは過渡期であり、私はトランプ氏を『過渡的な人物』と考えています。彼が非常に得意なのは、これらの全く違うグループを結集させることです。しかし、彼が全く不得意なのは、これらの対立をどのように解決するかを自分の頭で考えることです」

「ただ、4年は、多くの対立を解決するには十分な時間です。重要なのはトランプ後です。これから2028年に向けて、バンス副大統領やルビオ国務長官のような人物が大統領候補としての指名を受ける世界を想像しましょう。次の指導者たちは、『これが新しい保守の連合で、これがそのアジェンダです』と語るのにふさわしい存在になるでしょう。混乱の期間があり、物事が解決され始め、次のリーダーが明確なビジョンを持ち、それを前進させる時期が来ます」

「米大統領選の(党候補者を決める)予備選挙の非常に良い点の一つは、それが解決策を検証するプロセスを提供することです。異なる人々が、それぞれの解決策を掲げて立候補し、競い合うことでしょう。それはすでに始まっているのです」 写真・図版 米保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」のオレン・キャスさん=2025年3月、東京都中央区、西岡臣撮影

――あなたは今41歳で、次の大統領候補たちと同世代ですね。

「ルビオ国務長官は少し上、バンス副大統領は1歳下です。これは非常に重要なポイントです。私たちの世代以降は、冷戦もレーガン政権も、歴史の本でしか知りません。この世代が大きな問題として直面してきたのは、冷戦ではなく中国のWTO加盟による問題、イラクとアフガニスタンでの戦争、経済の金融化と金融危機、ビッグテック企業の台頭、薬物中毒、絶望死、パンデミックなどです」

「トーマス・クーンの『科学革命の構造』は日本でも読まれているでしょうか。パラダイムが変わったのです。それに対応する政策が必要です。私は、トランプ政権による政策は長期的には非常に良い結果をもたらすと楽観していますし、トランプ後も(保守政策の流れは)変わらないと信じています」

――トランプ政権の4年間を何とか耐え忍べばいい、という発想では乗り切れないということですか。

「次の世代が権力を持つ世代になるのは、ほぼ自明の理です。それは非常に健康的なことであり、硬直した状態を打破する方法です。クーンが好んで引用したように、ちょっと厳しい言い方ですが『一つの葬儀ごとに進歩する』のです。特に政治においては、選挙で選ばれたリーダーは常に少し遅れた指標です。過去の世代のアイデアに基づいた経歴と実績を築いてきたからです」

「今は、非常に健康的な世代交代が進んでいます。ベビーブーム世代がキャリアの終わりに近づき、もっと現在の課題に関心やつながりを持つ人々が中核に入ってきています。私たちの重視することが主流になることは、もう避けられないでしょう」

――ただ、マスク氏の第2次トランプ政権での動きには批判的ですね。

「マスク氏は、保守的な連合において価値ある役割を果たす可能性のある人物です。彼のビジネスでの成功や民間セクターの力に焦点を当てた姿勢は、共和党支持者一般が求めるものです。しかし、同じ人物が政府機関を効率化し、うまく閉鎖する方法を知っているかは別問題でしょう」 「恒久的な変化」と信じさせるために

――初めて来日し、日本の様々な人と交流や意見交換をして、何を感じていますか。

「正直に言えば、私はトランプ政権の『ショック療法が必要だ』という主張に、より同調しています。なぜなら、最近訪問したカナダもそうでしたが、特に日本で、古いパラダイムや旧モデルへの強い固執を感じたからです。何らかの言葉や行動を駆使すれば、何とか旧モデルを維持できる、と信じている人が多いのです」

「トランプ大統領と、彼の政権で国際交渉に関与する人々も、彼らが試みた対話で、米国の外の世界では思考の変化があまりに少なく、米国の変化が理解されていないと強く認識しています。何が問題で、なぜ変化が必要か理解しておらず、旧モデルを維持することが依然として選択肢の一つだと信じています。新しい方向に進むための第一歩が、もはや旧モデルは選択肢ではないと納得させることだとしたら、その方法を見つける必要がある。これは経済政策の問題というよりも、政治的・心理的な問題です」

――真剣に受け止めていないように感じていると。

「はい。変化が恒久的であると信じるかが、まず大切です。慎重なアプローチを取るほうが信用度を高めることもあるでしょうが、強力に揺さぶるほうが高まる場合もあります。関税政策が実施されたことは、その意味でも非常に重要だと感じています」 オレン・キャスさん 写真・図版 米保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」のオレン・キャスさん=2025年3月、東京都中央区、西岡臣撮影

Oren Cass 1983年米国生まれ。2012年の米大統領選挙で、20代で共和党のミット・ロムニー候補の国内政策ディレクターに。20年に保守系シンクタンク「アメリカン・コンパス」を創設。英フィナンシャル・タイムズや米ニューヨーク・タイムズの定期寄稿者。著書「The Once and Future Worker」(未邦訳)はマイケル・サンデル氏やエマニュエル・トッド氏らに高く評価された。3月に国際交流基金の招きで初来日した。 変わる保守、リベラルは ジャーナリスト・思想史研究者 会田弘継さん

「思想は必ず実を結ぶ(Ideas have consequences.)」。米国保守が好んで使うフレーズです。保守自体の改革を志向する「改革保守(リフォーモコン)」と呼ばれるオレン・キャス氏の思想と言論活動は、この1月にスタートを切った2期目のトランプ政権の誕生とその政策として実を結びつつあるだけでなく、米国政治を何十年、あるいは100年規模で歴史的に変える可能性があります。

従来の共和党や保守派は、減税や「小さな政府」を目指し、自由貿易を進めてきました。それに対して、注目を集めている関税のような保護主義的な政策も採り入れて産業を再生し、白人だけでなく多様な労働者から支持される保守を目指すのが彼の主張の特徴です。1930年代のニューディール連合にとって労働者や進歩的な知識人だけでなく南部の保守的な白人も参加したことが重要だったように、強大な政治的連合は、常に異質な者を包摂してきました。

現在のトランプ政権は、政治連合の形成過程にあり、色々な流れが併存して競い合っている状態です。第1次トランプ政権で首席戦略官を務めたスティーブ・バノン氏のような「MAGA(アメリカを再び偉大に)」運動のポピュリズム的な流れ、そしてイーロン・マスク氏に代表されるような「テック右派」、あるいは「テクノ・リバタリアン(自由至上主義者)」の伸長ぶりは日本でも報道されてきました。

このインタビューでも、自らを「MAGA」でも「テクノ・リバタリアン」でもない「真正の保守派」と名乗っているキャス氏らの思想も重要です。ルビオ国務長官の上院議員時代に連携してシンクタンクを設立。多くの関係者が重要な政権ポストに就いています。1歳違いで40歳のバンス副大統領とも深いつながりを持っています。思想と政策の面から大きな連合を作り出す可能性があり、そのために自身は政権には入らず、故郷の北東部マサチューセッツ州を拠点に、自由に発言することを何よりも重視しています。私には、政府には加わらずに明治維新後の日本に影響を与えた、福沢諭吉のような存在に感じられます。

一方で、民主党の側はどうでしょうか。2016年の大統領選挙では、進歩主義的な政策を掲げたサンダース上院議員が躍進しました。共和党のトランプ氏の登場と同様に、既成政党に対する強い不満や不信を反映したものでした。

しかし、民主党は20年に党主流派のバイデン前大統領を候補にしたことも相まって、本格的な党の改革に手をつけないまま、今に至っています。

かつて民主党は、レーガン政権誕生で1980年代に大統領選挙で連敗したことを受け、85年に民主党指導者会議(Democratic Leadership Council、DLC)を設立し、レーガン政権に対抗するため、伝統的なリベラルな政策から離れ、より中道的で市場経済に軸足を置いた政策を模索。アーカンソー州知事としてDLCに参加していたクリントン氏が92年にホワイトハウスを奪い返しました。

しかし現在、民主党内に大きな変革への動きは見られません。逆に、戦前のニューディール連合から伝統的な民主党支持層だった労働者や非白人などを、トランプ氏の共和党に奪われた状態です。

民主党は、ジェンダーや多文化主義といったことには熱心でも、格差拡大への対応や労働者への目配りで立ち遅れていると批判されています。クリントン時代に企業寄りになってしまった民主党が、もう一度、労働者の支持を集められるのかが重要です。

トランプ氏は、一時的な変化ではなく、経済や社会の構造的な変化に伴って、再び大統領になったということでしょう。現在の米国で起きつつあることは、一種の革命ではないかと思っています。 会田弘継さん 写真・図版 ジャーナリストでアメリカ思想史研究者の会田弘継さん=朝日新聞東京本社、池田伸壹撮影  あいだ ひろつぐ 1951年生まれ。共同通信ワシントン支局長、論説委員長、青山学院大学教授などを歴任。著書に「それでもなぜ、トランプは支持されるのか」など。

2025-04-01 アサシンクリード弥助問題

I was recently asked by some of our Japanese friends to weigh in on the conversation surrounding Assassin's Creed: Shadows.

Here's my perspective on what this conflict really represents.

最近、日本の友人数人から『アサシン クリード シャドウズ』に関する会話に加わるよう頼まれました。

この紛争が実際に何を表しているかについての私の見解は次のとおりです。

2025-03

2025-03-31 ピクトグラムを生成してもらう

あーーーー個人的にこれ出せるのが一番有難いな 資料作成する時の挿絵、いらすと屋でもいいんだけどちょっとお堅めの資料作る時毎回いい感じのピクトグラム欲しいなぁと思ってたのですげえ助かる 既存の画像生成だとピクトグラム全然作れなかったんだよな、しかも透過PNGだし

2025-03-30 何故、子供は2歳のときにアンパンマンが大好きになり、5歳になると「ださい」というのかを検討した研究(西川,2010)

何故、子供は2歳のときにアンパンマンが大好きになり、5歳になると「ださい」というのかを検討した研究(安田,2010)。😂

アンパンマンが人気の理由を二歳児を担当する保育士や、保育実習を終えた学生、アンパンマンの出版社(フレーベル社)へのアンケートを通して検討。「泣いている子に「アンパンマンが見ているよ」というと泣きやむ。」など微笑ましい事例がたくさん出てきて楽しい。

アンパンマンのいつも笑顔、乳児でも認識できる単純な丸顔、食事を与えてくれるという特徴が、乳児の認識しやすさ、愛着のもちやすさにつながったと考えられる。 また、出版社の戦略によってロングセラー化し、「アンパンマンン=赤ちゃんキャラ」という共通認識が生まれている。5歳児は「もう赤ちゃんじゃないから!」という意識のもと、アンパンマンを「ダサい」とみなすのではないか、とのこと。

実は、ヒトは乳児(一歳未満)の段階から他者を助けようとするキャラクターを好むということが示されており(Kanakogietal.2017)、人を助けるという分かりやすいストーリー性も見逃せない点かなと思います。

原著論文 西川ひろ子(2010). 乳幼児のキャラクター志向に関する研究:何故,子供は2歳のときにアンパンマンが大好きになり,5歳になると「ださい」というのか安田女子大学紀要(38),139-147 < https://yasuda-u.repo.nii.ac.jp/records/295>

参考文献 Kanakogi, Y., Inoue, Y., Matsuda, G., Butler, D., Hiraki, K., & Myowa-Yamakoshi, M. (2017). Preverbal infants affirm third-party interventions that protect victims from aggressors. Nature Human Behaviour, 1(2), 0037

2025-03-24 Cursor / Clineを使う上でもっとも重要なことの一つ: コンテキストウインドウについて

2025-03-24 言語モデルの物理学

2025-03-24 「舗装された道路を歩かないでどうやってここまで来たんですか?」

そう言えば昨日、先週のレコーディングの時に某プロデューサーから「俺、税金の恩恵受けたことないんだけど、税金払う意味ってあるの?」って言われた時に「舗装された道路を歩かないでどうやってここまで来たんですか?」って返したの、根に持たれてると情報が来ましてね(⁠⁠´⁠ω⁠`⁠⁠)

2025-03-23 「才能」はそれ自体に価値はない 「才能を利用できた人間」になって初めて価値が生まれるのだと

最近見た中で一番しっくりきた言葉(メダリスト引用)

彼の才能が日の下で輝けず消えていくことの意味を考えた

「才能」はそれ自体に価値はない

「才能を利用できた人間」になって初めて価値が生まれるのだと

2025-03-17

同性婚や夫婦別姓の問題は2つ大きな論点がありますね

  • 戸籍や住民基本台帳に様々な人間関係の記載を増やしていくのは現実的ではないし、プライバシーの観点からも適切ではない。公的記録として永代残すことの重みを考えていないのではないか。先祖が同性愛者だ、別姓を選択したということが残る。
  • 法律で明文化されていないから、認められていないというのは危険な考え。事実上の同性婚をすることは禁止されていない。ペットや機械と結婚してもいい。それどころか、重婚は刑法で禁止されているのに、本当の意味での重婚が摘発された例はなく、日本では重婚禁止規定は死文化しているのが実情(正確には重婚が摘発されることはあるけど、偽装結婚の摘発のために、いわゆる別件逮捕みたいな運用がされている)

2025-03-09 漫画センゴクの柴田勝家

「センゴク」の柴田勝家、秀吉や光秀みたいに政略や知略に長けたわけでも丹羽みたいに事務処理能力に長けたわけでも久太郎みたいに器用な訳でもないけど、そのクソでっかい背中と男としての「太さ」だけで味方を鼓舞し織田軍を引っ張って信長を支えてきたという理由で「筆頭家老」なの納得感しかないよ

2025-03-06 自閉症を持つ私から見た日常

自閉症を持つ私から見た日常 大阪青凌中学校 3年 藤田 壮眞

私は重度自閉症である。いつも叫び出したい衝動を感じている。でも叫ばない。叫んではいけないと学んだからだ。この作文で私から見える世界を、みんなに共有したい。

小学校は支援級に在籍していたが、現在は中高一貫で少人数制の私立中学に通っている。4歳の時に注意欠陥多動優勢の自閉症スペクトラムと診断を受けた。小学6年生の時に身長が止まり、成長ホルモンを毎日注射している。身長は146センチで、15歳男子平均より20センチ以上低い。

家族とファミリーレストランに行くと、店員が「子供椅子はいりますか」と笑顔で聞く。耐える私に、今度はキッズメニューを差し出してくる。見た目で判断しないでください。そう伝えたいけれど、見た目で子供なのだから、店員を責められない。やりどころの無い怒りを抱えて私は黙る。

私は授業中によそ見をしてしまう。宿題のお知らせを聞き逃し、やってこない。不真面目で意欲を持っていないと評価される。悲しい出来事で、何度も泣いた。

真面目に授業を受ける気持ちで座っているが、教室はその気持ちを阻む様々な情報であふれている。クラスメイトの動きやきぬ擦れの音がとても不快な音でジャリジャリと聞こえる。ノートの上を動くシャープペンシルの音は不協和音で合奏している。エアコンの音がごおごおと鳴り、隣の教室からも似た物音が聞こえてくる。等々きりが無い。

私はいつも叫び出してしまいそうで、疲れ果てている。先生の声は、200メートル先の、遠くのトンネルの向こうから聞こえる感じで、なかなか拾えない。

自閉症なのによく喋(しゃべ)ることが出来るね、と言われる事がある。私は人と関わるのが大好きであるし、お喋りも好んでする。だがコミュニケーションがしっかりとれているわけではないようだ。私を母はたまにラジオと呼ぶ。一方的に喋って満足してしまうからだ。

人の気持ちを読み取るアンテナが通常なら5本立っているならば、私は1本しか立っていないからだ。私は自分の気持ちも分からない。心を自分に感じない。だけど、相手を泣かせた時は、私の目から涙が出てくる。悲しい気持ちだと教わるけれど、なかなかつかむことが出来ないでいる。

自閉症の子供が産まれて、悲しむ家族もいるだろう。でも私達(たち)は学ぶし、成長する。人の気持ちが分かりにくいけれど、人が嫌いではない。小学校では床で寝転んでいたが、今は椅子に座り、必死に勉強している。

私達にはみんなと同じだけの未来があり、期待を持っている。私が間違った時は、あきらめないで教えて欲しい。私もこの困難な世界に向き合い、痛みを知っているぶんだけ、弱さを持っているぶんだけ、他の誰かに優しくなれる大人になりたいと考えている。

想像超えた事実 教える

外見や行動などで誤解されることの多い自閉症。その実際を知ってほしいとペンをとった藤田さんは、我々の想像を超えた事実を次々とつづっていきます。「みんな違って、みんないい」などといいますが、お互いを知り理解しあった上でのこと。そのために作文がとても役立つことも教えてもらいました。(石崎洋司)

2025-02

2025-02-28 Riku, アニマ:なぜラテン語の名詞変化表には「主格・対格・属格・与格・奪格」の配列を使うべきなのか?―初心者に贈る習得ガイド(2)「格変化を学ぶ前に必ず知っておきたいこと」―

2025-02-24 沼田一郎『マハーバーラタ』第12巻「王法の章」の訳註研究

近年、沼田先生が『マハーバーラタ』第12巻「王法の章」の訳註研究を開始されていて、批判版にもとづく日本語訳を見られるので重宝します。

https://toyo.repo.nii.ac.jp/records/14488

https://toyo.repo.nii.ac.jp/records/2000847

カルナが聖仙パラシュラーマに弟子入りした後、偽りがバレて呪詛を受ける場面も訳註第二弾に入ってます。

2025-02-23 古アヴェスタ語辞典

話題の古アヴェスタ語辞典、現物はこちらです。実に威風堂々としたお姿。 辞典の後半部はテキスト・英訳・語釈つきのリーダーなので、この大辞典を使って古アヴェスタ語の授業もできそうです。 繰り返しますが、本辞典の全体は以下でダウンロード可能です。

2025-02-20 二人称代名詞「あなた」の言語学

何やら二人称の「あなた」が話題のようですが,比較的最近の調査(と先行研究のまとめ)はこちら。

米澤陽子(2016)「二人称代名詞「あなた」に関する調査報告」『日本語教育』163

では他にどう呼べるのか,という二人称表現全般のお話はこちら。

金井勇人(2002)「失礼さという観点から見た二人称指示の体系」『早稲田大学大学院文学研究科紀要(第3分冊)』48 https://sucra.repo.nii.ac.jp/records/17980

2025-02-18 J.D.ヴァンス米副大統領の、ミュンヘン安保会議 (2025/2024)での発言

なんかミュンヘンの安全保障会議で、アメリカ副大統領のJDヴァンスが何やらいったとかで、Twitterで安全保障の専門家なる人々があれこれ論評していた。アメリカのヨーロッパとの決別姿勢があらわになったとか、もうアメリカはヨーロッパを支援しないぞとキレたとか、ロシアとの交渉が勝手に進められそうだとか。あとドイツが怒ったとかなんとか。

特にヨーロッパの報道は、アメリカがヨーロッパを侮辱した、上から目線で説教しやがって生意気だ、アメリカがヨーロッパを下に見てウクライナを見捨てることにしたとかいう話ばかり。

が、相変わらず報道ではその演説や発言の全体像が全然伝わってこず、言葉尻の断片ばかりなので、自分で原文を読んでみた。ついでに、きみたちにも読ませてやろう。ほらこれだ。そんな長くないよ。

2025年2月ミュンヘン安全保障会議J・D・ヴァンス米副大統領の発言

……とお膳立てしてやっても、お前らが読まないのは知ってるよ。Executive Summary作ってやったから、エグゼクティブにはほど遠いお前らにも読ませてやろう。

Executive Summary

ヴァンス米副大統領の、2025年ミュンヘン安全保障会議での演説。ヨーロッパの防衛では欧州自身が主体的な役割を果たすべきだが、それ以上に外部の脅威よりも、民主的価値観の後退というヨーロッパ内部の問題を懸念。そんな状態ではまともな同盟はおぼつかないと指摘。特に、言論の自由の制限や政府の検閲、選挙の無効化などの動きを批判した。欧米が共有する価値観を守るために、自由な言論や異なる意見の尊重が不可欠であり、特に移民問題が大きく、エリートが国民の声を踏みにじるようではダメだと戒めた。

また2024年のパネルディスカッションでは以下の点を述べた:

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   ウクライナ支援の限界 – 資金ではなく兵器生産がボトルネック。西側はロシアほどの武器生産能力がない。

   和平交渉の必要性 – 武器供給が限られている以上、ウクライナ戦争は交渉による解決しかない。

   アメリカの外交優先順位 – ロシアは脅威だが、アメリカが重視するのは東アジア。

   ヨーロッパの安全保障の自立 – アメリカは東アジアに注力するからヨーロッパは自分で防衛能力を強化せよ。

   脱工業化のリスク – 戦争で重要なのはGDPより工業生産力。ヨーロッパは自国の安全保障強化のためにも工業を維持せよ。

さて、これを見てどう思う? ぼくは非常にもっともなことを言っていると思う。武器弾薬製造能力ないから、ウクライナ支援に限界があるというのは、どこまで本当なのかわからない。そういうところは、それこそミリオタの人や軍事専門家にやってほしい。しかし全体としてそんなに違和感はなかった。これが本当なら、ウクライナを徹底的に応援すべし、というのは、気持はわかるけれど中身のない空論ということになる。これが本当かどうかは是非とも知りたいところ。

演説のほうはヨーロッパのバカチンどもは、自分のお気に召さないからって選挙を勝手に無効にしたり、おえらいエリート様が無知な大衆をフェイクニュースから守るんだと称して検閲を奨励したり、野放図に移民どかどか入れてしかも国内でイスラム移民にばかり配慮して、それが民主主義かよ、そんなことしてるとそもそもこの同盟が何のためかもわからんぞ、と非常に本質的なところをついているし、それはヨーロッパがずっと目を背け続けて、やれ極右だやれポピュリズムだといって逃げてきた話だ。言われてもしかたない。ましてヨーロッパのメディアの反応は、まあここで言われていることが「ああやっぱその通りだねえ」と裏付けるようなものでしかない。

あと戦争は、もうちょっと現実見ようぜ、というのはその通り。もう少しきちんと役割分担しようということで、たぶん日本にもそのうち応分の負担はくるだろうが、正直いってアメリカ信用できないというのであればヨーロッパは (日本も) 自前でがんばる必要はあるわな。

トランプがプーチンの走狗だというのも、一部の人はすぐ言いたがるが必ずしもそうではなさそうだ。プーチンがウクライナ侵略に乗り出したのはバイデンになったから、というのはかなり衆目の一致するところ。トランプはバカすぎて何するかわからん、というマイナスの話であったにしてもね。そして前回のトランプ政権でヨーロッパ (特にメルケルのドイツ) がやったのは、プーチンにすり寄ることだったのも事実。あのとき、このヴァンス的な話をきちんと考えていればねー (最後の、なんでよりによってそのときに脱工業化をするかね、という話も含め)。

ま、これ見て「山形が親トランプになった、ネトウヨめ、反移民のイスラもフォビアめ」とか言い出すやつがいるのはわかっているんだが、そういう愚か者も含め、なるべき自分で読んでくれ。

山形の好きな名言:

でもね、あなたの民主主義が、外国からの数億ドルの広告で破壊されるようなものなら、そもそも大した民主主義じゃなかったのでは?

アメリカの民主主義が、グレタ・トンベリのお説教に十年耐えられたんだから、あなたたちの民主主義だってイーロン・マスクの数ヶ月ほどで死にやしませんって。

特に最初のやつは重要だと思う。フェイクニュースによる民主主義の危機、なんてことをみんな言うけど、本当に問題なのは、フェイクニュースごときで危機にさらされてしまう浅はかな民主主義しか作ってこられなかった社会のほうなのだ。そっちを何とかすべきなのだ。そして、それを口実に選挙を丸ごとキャンセルするなんてことをやること自体が、そういう弱い民主主義をさらに弱体化させてきたのだ。ぼくはそう思うんだがね。

2025-02-13 thu

文献史学も考古学も「真実を明らかにする」と言うよりも「今ある手札で過去の社会を復原する」学問だと思う。

前者と後者、似た表現に見えて結構違うと思うが...なかなかこのニュアンスが伝わりにくいのが難点だよな。

これofこれです。私の場合は比較言語学ですが。「真実は何か」を考えるより前に、「真実に到達する方法が我々にあるか」ということを考えなければならないんですよ。ない場合にはできる限り「真実」に近似するという方針に切り替えなければなりません。でも何故か盲点になりがちらしいんだよなあ。

2025-02-12 エスパー魔美「黒い手」

藤子F先生は隣人にとても温かい目を向ける一方で,非常にシビアな物事の見方をする方でこの話はそのいい例だと思う。フィクションなのに改心でも気が済むでもない着地。高畑さんの知恵でも解決できないこともあるよという。この話はシビア過ぎてさすがにアニメ化できないよね。 導入でエスパー日記を出したところが上手いよね。たくさんある事件のひとつという体で始まるけどその事件の当事者にとってはワンオブゼムではないんだと冷や水を浴びせられる話。慣れの象徴としてそういうアイテムを出してたという。こういう話がポンと放り込まれるから侮れないよな。侮ってないけど。

2025-02-11 古代ギリシャ語やラテン語のウェブ辞書Logeion

古代ギリシャ語やラテン語のウェブ辞書 Logeionはとても便利。まずは以下から覗いてみてください。https://logeion.uchicago.edu アプリ版もあり、こちらではギリシャ語の単語を調べるのに Greek Polytonic のキーボード設定が必要ですが、その準備が整えば出先でも気軽に辞書を引くことができます!

ウェブ版では英語などのアルファベット(ラテン・アルファベット)でもギリシャ語を検索することができます。具体的には、単語の初めの方をラテン・アルファベットで入力すると、ギリシャ語の検索候補が表示されます。α なら a を、β なら b を入力するといった要領ですね。 ちょっと迷いそうなものを、以下に示しておきます。左のギリシャ文字を入力するのに、右のラテン文字を使うということです。 ζ = z / η = h / θ = q / ξ = c / φ = f / χ = x / ψ = y / ω = w 辞書を使えると言葉の世界が広がります。よろしければ皆さんも試してみてください

2025-02-07 男性が「女性の話にはオチが無い」と感じる本当の理由

男性が「女性の話にはオチが無い」と感じる本当の理由|めるめる @merumeru99

note https://note.com/merumeru99/n/n4dd9484cd70c?sub_rt=share_pw

これは真に秀逸な記事。盛り場で10年働いて路上やカウンターで有象無象の男女と接客で語り合った結果、僕が行き着いた結論と奇しくも全く一緒。

2025-01

2025-01-31 高校に設備科を作ってライフライン技術者を育てる環境を

埼玉県八潮市の陥没事故、想定される事

フジテレビを筆頭としたマスゴミの汚職を見てる場合じゃないで.すよ、皆さん。 これとんでもないコトになってますね

最初トラックが落ちた、と聞いて画像を見てたら解りませんでしたが、トラックじゃ無くてロングのユニックですがな・・・このサイズのクルマがズドンと落ちるなんて・・・

しかも吊り込み作業中に飲食店の看板や電柱が落ちるの、これ最初はクレーン車のアームが電線でも引っかけたのかと思いましたが、看板と電柱が沈下するときに、釣り上げ中のユニックの穴から空気が吹き上げてるから、繋がってる、つまりこれ地下全部が陥没してスカスカになってる、ってことで、ただただ驚愕しました

で、現地は幅22m道路、幹線道路ですね。地中に大口径下水幹線や暗渠水路が埋まってる、と

大口径下水幹線になると直径2.5mとかそれくらいはあるだろうけど、それらが潰れたり破裂したところでこの規模の陥没にはならないと思います。 上水道管と違って、加圧はされていないので(流下での高低差による圧力発生はあるでしょうが)吹き上げて土砂・路盤の破壊、ではありません。

となると、下水道管が経年劣化や地震などによって破損、下水が流出した際に近隣の土砂を巻き込み長い時間をかけ、徐々に沈下・流出し、ゆっくりゆっくりと地中で大きな空洞になり、そして表層の耐力がなくなる規模の空洞になった時に、表層・路盤が一気に落下し、舗装を残して・・・というパターンかな、と思います。もしかすると下水管路以外の埋め殺しの水路の下が空洞化していて、宙ぶらりんになっていたものが一気に崩落した、とかもあるかも、です。

どちらにしても、予見は難しいとしても、すべては耐用年数をオーバーし、維持に対してのコストを払ってない、見て見ぬふりをしてきたツケ、と言えるでしょうね

そしてそれらを行う技術者・業者をないがしろにしてきた日本・日本人全体の責任でもあると思います。

いつも偉い方々には「高校に設備科を作ってライフライン技術者を育てる環境を」と訴えていますが、残念ながら理解してもらえてないようで、実現の兆しすらありません。

美麗美句の目標を掲げるのも良いでしょうが、もっと地に足のついた、現実に即したことを、政治家の方々や世の偉い方々には、行ってもらいたいものです。

あ、ぜひシェアをお願いします。 「高校に設備科を」は自分の大きな目標の1つであり、災害大国日本において、絶対必須であること、と思いますので、皆様ご協力を。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250129/k10014706371000.html?fbclid=IwY2xjawIGS0JleHRuA2FlbQIxMQABHZePJJUh21IArBgouVwR4Y46yC7OzOwdRh_raaXvYwo_J0dMXg_0b4-59Q_aem_CGAQCGqI09gzdrNH1JLZCQ

「高校に設備科を作ってライフライン技術者を育てる環境を」

インフラの劣化、田舎だと差し迫って恐怖を感じることも多いだけに、なるほどこういうアプローチがあるか…と。

2025-01-30 大阪大学が公開している「世界言語eラーニング」

大阪大学が公開している「世界言語eラーニング」がめちゃすごいです。

実に多くの言語を音声・ビデオ・教材と共に各自で学んでいくことができます。言語理解はそのまま文化理解にもつながります。

http://el.minoh.osaka-u.ac.jp/lang/

http://el.minoh.osaka-u.ac.jp/flc/index.html

2025-01-29 東海道中膝栗毛

うるせぇな。日本では200年前から仲良し男性カップルが延々旅する話が出版されて売れてんだよ、今でも読める。日本あてに日本語じゃなくて他国に言えやイスラム系とか、何様だ。

ネット時代の良いところは「江戸時代の旅物語」としてしか知られていなかったものが実は「陰間茶屋の売り専ボーイとそれに入れ込んだ若旦那による駆け落ち旅行記」という一部専門家にのみ独占されていた事実が容易に知れることだよな

2025-01-29 リコリスリコイルと平家物語

D.Aと錦木千束って未成年秘密警察、赤い制服、おかっぱ(ではないがそれに寄せる)髪型という要素的に平家物語の禿をモチーフにしていると思う。やっぱリコリコって冒頭の語り出しもそうだけど、禿モチーフだったり物語全体が単なる現状の肯定ではなく、自分自身の結論に対する皮肉に溢れてるよ。

ポストの画像の文章は下記.

清盛は、五十一歳の時、出家し、浄海と名乗った。大病にかかったのが、きっかけで、さしもの彼も、少しばかり、気が弱くなったらしい。しかし、たちまち、病は全快、彼はつるつる頭を撫でながら、「まだ当分生きられるぞ」といってほくそ笑んだ。

とにかく、平家一族の繁栄振りは、ちょっと類がなかった。かつての名門の貴族たちにしても、今では、まともに顔も合せられない有様である。

平家に非ずんば人に非ずといった言葉も、むしろ当然のように迎えられたし、六波羅風と言えば、猫も杓子も、右へならえで、鳥帽子の折り方やら、着つけの仕方まで、皆が平家一族を真似するのである。

こういった平氏の専横に対して、不満の声のない方が不思議な位なのだが、そこはそれ、万事、ソツのない清盛入道は、言論弾圧の機関もちゃんと用意していた。いわゆる平家直属の秘密警察とも言えるこの一隊の正体は、十四、五の少年部隊である。髪をお河童に、赤い置帯を着た禿童と呼ばれる面々は、街々の角々で、守した噂ばなしにさえ、聞耳をたてていた。一言でも、平家の悪口なぞ、いおうものなら、たちどころに、家財没収、強制収容の憂き目に会う。今はただ、眼をとじ、耳をおさえ、口をふさいで、人々は、黙々と平家の命に従うばかりである。それを良いことにして、 禿童たちは、京の街々を、我が物顔に歩き廻る。今日の愚連隊どころではない、絶対の権力を背景にしているだけに、それはもっと始末の悪いものだったにちがいない。

リコリコ評、結論が現状肯定すぎるという点は非常に賛同するのだけれど、その結論を無自覚に純真に出したものだと結論づけて批判している人が多いのはあんまり納得してない。やっぱりそういう肯定的な結論と視聴者に対して、作り手からの皮肉な目線が入ってると思う。

2025-01-28 宗教とは何か

そもそも「宗教」という概念は人類が時代や地域を超えて抱く普遍的な概念ではなく、近代に創作された新しい概念なんです。この手の話は、「宗教」という概念を疑うことなく自明視すると間違えてしまいます。詳しいことはここに書いたので興味のある方はどうぞ。 #唐突な宣伝

環流夢譚 その6――「宗教」概念という近代の神話

2025-01-27 夫婦別姓と名乗りの自由

個人のアイデンティティを担うのは、明らかに「名前」のほうであって、「姓」というものが存在している時点で、それは個人ではなく家族のアイデンティティなんですよね。かりに夫婦別姓になったところで、それは生家のアイデンティティであることに変わりはない。

名乗りの自由を唱えないのが理解に苦しむ

2025-01-26 妊娠から2歳までの「最初の1000日」で栄養不良になると、その後どれだけ栄養をとっても発達や所得への悪影響がリカバリーできない

昆虫の多くは、幼虫期にどれだけ栄養を蓄えられたかで成虫時のサイズが決定する。 成虫になってからはどれだけ栄養を摂取しても大きくはならない。

つまり、人間も幼少期にどれだけ食べられたかで成人時のサイズが決まっても不思議ではない(飛躍

これ飛躍ではなくって、妊娠から2歳までの「最初の1000日」で栄養不良になると、その後どれだけ栄養をとっても発達や所得への悪影響がリカバリーできないとわかっています。

学校給食では小児の栄養不良対策として遅すぎることがわかってしまい、今ではあくまで出席率向上のために使われています。

https://jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=24679

蟲喰ロトワ (むしくろとわ)同人誌「続け!おいしい昆虫記」昆虫大学(12月21日22日)で販売

拡散して、 書いてないことを読まれているポストもあるので、 このあたりも読んでください。

https://japan-who.or.jp/wp-content/themes/rewho/img/PDF/library/061/book6902.pdf

「最初の1000日」キャンペーンは、 あくまで、保健予算が十分でない途上国を対象に、 限られたリソースをどう分配するかを判断したもので、

日本の保健医療の話、個人の話として そのまま受け止めるのはちょっと気が早いです。

途上国の栄養支援というと、 日本は戦後の脱脂粉乳給食のイメージが強いためか、 今でも給食支援は根強い人気があります。

その一方で、「最初の1000日」 はあまり知られていません。なので知ってほしいのですが、

栄養疫学の結果を基にしているので、 メカニズムははっきりせず、

だからといって、ランダム化比較試験で 子供を低栄養にする実験でメカニズムを探るのは 倫理的にアウトなので、

あくまで途上国の、 絶対的に足りない予算での保健介入を 効率的に行うためのキャンペーン、

と ご理解いただけるとありがたいです。

こちらが本家の「最初の1000日」キャンペーンサイト。

機械翻訳でも読みやすいのでどうぞ。

https://thousanddays.org/updates/category/topic/malnutrition/

2025-01-23 ARグラス Xreal

「USB一本繋ぐだけ、専用アプリなしで即画面を空中に置く」。最高。Xreal(nreal)製品はこれまで常用するほどでもなかったが、これまでに無く素晴らしい出来で心の底から常用したい。野心的ながらも「愛用者の誰もが思っていた不満」が解消されている。画質もいい。不満は視野が足りないぐらい。

2025-01-22 百合若大臣とナデシコ劇場版

百合若大臣だとパートナーの鷹は死んじゃうんだけどブラックサレナからの装甲パージで現れるエステバリスというのがキモで。まあまあその辺は花言葉を調べていただければ。

  • ブラックサレナの花言葉:「恋」「呪い」。
  • エステバリスの花言葉:「消しがたい思い出」

2025-01-17 神戸からの支援物資の中に赤ちゃんの服がありました。着替えと思いましたが、津波によって命を奪われた赤ちゃんに、というものでした

神戸からの支援物資の中に赤ちゃんの服がありました。着替えと思いましたが、津波によって命を奪われた赤ちゃんに、というものでした。私たちはつらい経験をした皆さんだからこそわかる気持ちによって助けていただきました。 ありがとうございます。 いただいた「希望の灯り」大事にしています。

確かになあ。これは経験者じゃなければ思いつかない支援だ。 親御さんはもう亡くなった子に着替えさせてやりたいとは言い出せないだろう。けれど支援者側がそう書いてくれていれば気後れせずに使える。

2025-01-12 イタリア人がパイナップルのピッツァを食べさせられるより許せないことは!?

タイムリーに「イタリア人がスパゲティを折られると怒りを感じる理由」を懇切丁寧に説明した記事が流れてきたけど、

「長いパスタをへし折るのは祖父母からの伝統を侮辱されるも同じ」

っていう「気持ち」を語ってんだよ。

「気持ち」ってこんだけ文化背景に左右される

2025-01-12 分離埋葬法

2025-01-09 ウェルズ恵子『おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか』

『砂糖の世界史』などで知られる「岩波ジュニア新書」は、奥深く考えるべきことを平易なことばで届ける、これ以上ない教養書であり、同レーベル最新作『おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか』はこのことを裏付けます。アメリカの黒人霊歌研究で知られるウェルズ恵子先生による、新たな名作誕生。