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何度かアナウンスしている通り, アインシュタインの特殊相対性理論の原論文を英語・多言語で読む会を主催して, もう 10 ヶ月です.
英語を中心として語学的にこってりやっているので, 物理・数学の話はほとんどしていないにも関わらず, いまだに第 1 章の前半も前半です.
それはそれとして, 特殊・一般含めて, 相対性理論の物理もきちんとやらないとまずいだろうと思いはじめました. ちょっと凝った文になると物理がわかっていないと英語の意味も取れません. 実際, 一緒にやっている人が理系とは言え数学出身の人で, 物理としては学部 1-2 年の話でもやはりなかなか気分が掴めず, 訳出もしづらいようです. そこで改めて特殊・一般相対性理論の勉強をはじめました.
特殊相対性理論は数学として何ということはありません. もちろん理工系教養程度の数学力は仮定した上で. 物理としてはきちんと考えないとはまるので, そこを改めてきちんと詰めるのが今のテーマです.
もう一つ, 一般相対性理論についても一応触れておきましょう. よく擬リーマン多様体の理論・微分幾何が必要でうんぬんという話を見かけます. ただ, シュバルツシルト時空やらブラックホールの基礎やらの入門トークをするだけなら, わざわざ微分幾何というほどの数学は必要ないのでは? という気しかしません. この程度の範囲ならテンソル解析もはっきりいって大した話ではなく, 共変微分だけ謎の微分法として受け入れて覚えて使い倒せば計算は十分に進められます.
そういえば, 擬リーマン幾何ではなくふつうのリーマン多様体・リーマン幾何ですが, 相対性理論でも必要な微分幾何を計算ベースでゴリゴリ作った動画シリーズがあります.
興味があればどうぞ. メインの「光学迷彩の数理」では, 実際にメタマテリアルの物理の論文の数学的イントロから作っているので, ある程度物理モチベーションで微分幾何の計算が勉強できます.
物理スタイルと数学スタイルを両方議論しているので, 物理の人が数学スタイルの微分幾何を勉強するにも便利だと思います. 以前, 理論物理学者の松尾衛さんからも非常に出来がよく, とても参考になると言われていて, 一応, 理論物理学者からもお墨付きをもらった講座であると宣伝しておきます.
私が一般相対性理論の本を読んでいてつらいのは, 微分幾何ではなく単純な微分積分です.
計算がハードなのはもちろんですし, 久し振りのある程度本格的な物理でいろいろな近似を見かけ, これはもう鍛え直さないといけない気分しかありません.
そしてもう一つきついのが, 厳密に計算できる系の積分です. 「これは積分公式があるのでそれで厳密に解ける」というのが時々出てきます. 本を見れば書いてあるでしょうし, コンテンツ制作のネタでもあるため, せっかくなのできちんとやろうかと思っています. 高校・大学受験の積分でも技巧的な積分の技術暗記がありましたが, まさにそのノリです. きちんと追いかけていないのでよく知らないものの, ヨビノリ動画に積分シリーズがあったと思うので, そこでもいろいろ議論していそうな感じはします.
何にせよ微分積分の計算系コンテンツは作らないといけないと思ってさぼったままなので, 一般相対性理論のついでに計算系コンテンツの拡充を測る予定です.
まさに相対性理論の原論文と語学の勉強会で嫌という程実感していることとして, やはり一人でやっていると飽きてきて途中で面倒になって終わるので, やるなら誰か巻き込んでやろうと思っています.
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