https://phasetr.com/archive/math/geom/2021-07-03-riem-surf/
メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.
「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります.
ではまたメールします.
何度かアナウンスしている通り, アインシュタインの特殊相対性理論の原論文を英語・多言語で読む会を主催して, もう 10 ヶ月です.
英語を中心として語学的にこってりやっているので, 物理・数学の話はほとんどしていないにも関わらず, いまだに第 1 章の前半も前半です.
それはそれとして, 特殊・一般含めて, 相対性理論の物理もきちんとやらないとまずいだろうと思いはじめました. ちょっと凝った文になると物理がわかっていないと英語の意味も取れません. 実際, 一緒にやっている人が理系とは言え数学出身の人で, 物理としては学部 1-2 年の話でもやはりなかなか気分が掴めず, 訳出もしづらいようです. そこで改めて特殊・一般相対性理論の勉強をはじめました.
特殊相対性理論は数学として何ということはありません. もちろん理工系教養程度の数学力は仮定した上で. 物理としてはきちんと考えないとはまるので, そこを改めてきちんと詰めるのが今のテーマです.
もう一つ, 一般相対性理論についても一応触れておきましょう. よく擬リーマン多様体の理論・微分幾何が必要でうんぬんという話を見かけます. ただ, シュバルツシルト時空やらブラックホールの基礎やらの入門トークをするだけなら, わざわざ微分幾何というほどの数学は必要ないのでは? という気しかしません. この程度の範囲ならテンソル解析もはっきりいって大した話ではなく, 共変微分だけ謎の微分法として受け入れて覚えて使い倒せば計算は十分に進められます.
そういえば, 擬リーマン幾何ではなくふつうのリーマン多様体・リーマン幾何ですが, 相対性理論でも必要な微分幾何を計算ベースでゴリゴリ作った動画シリーズがあります.
興味があればどうぞ. メインの「光学迷彩の数理」では, 実際にメタマテリアルの物理の論文の数学的イントロから作っているので, ある程度物理モチベーションで微分幾何の計算が勉強できます.
物理スタイルと数学スタイルを両方議論しているので, 物理の人が数学スタイルの微分幾何を勉強するにも便利だと思います. 以前, 理論物理学者の松尾衛さんからも非常に出来がよく, とても参考になると言われていて, 一応, 理論物理学者からもお墨付きをもらった講座であると宣伝しておきます.
私が一般相対性理論の本を読んでいてつらいのは, 微分幾何ではなく単純な微分積分です.
計算がハードなのはもちろんですし, 久し振りのある程度本格的な物理でいろいろな近似を見かけ, これはもう鍛え直さないといけない気分しかありません.
そしてもう一つきついのが, 厳密に計算できる系の積分です. 「これは積分公式があるのでそれで厳密に解ける」というのが時々出てきます. 本を見れば書いてあるでしょうし, コンテンツ制作のネタでもあるため, せっかくなのできちんとやろうかと思っています. 高校・大学受験の積分でも技巧的な積分の技術暗記がありましたが, まさにそのノリです. きちんと追いかけていないのでよく知らないものの, ヨビノリ動画に積分シリーズがあったと思うので, そこでもいろいろ議論していそうな感じはします.
何にせよ微分積分の計算系コンテンツは作らないといけないと思ってさぼったままなので, 一般相対性理論のついでに計算系コンテンツの拡充を測る予定です.
まさに相対性理論の原論文と語学の勉強会で嫌という程実感していることとして, やはり一人でやっていると飽きてきて途中で面倒になって終わるので, やるなら誰か巻き込んでやろうと思っています.
数物系のメルマガが式を含むことも多いため, 先日から引き続き, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります.
ではまたメールします.
詳しくは上でもリンクを張った「数学・科学の英語記事を読もうの会」の動画を見てほしいのですが, この勉強会の当初の目的は二つで, 相対性理論の原論文を読むのに死ぬ程時間がかかるので, 全体を読み切れるような勉強会をしたかったこと, 単語を掘るタイプの勉強会・コンテンツ作成がしたかったことがあります.
はじめ単語を掘るというとき, 語源を掘るタイプを想定していました. これは相対性理論の勉強会でも実際にはじめにやっていたことです. 最近改めていろいろ勉強しつつ, 今後のコンテンツ計画もしていると, ライティングの観点から単語を掘るのもいいのではないかと思いはじめています.
これも勉強会でいくつか話したので, やはり興味があれば動画を見てほしいのですが, ここでも少し書いておきましょう.
例えば「練習すればできるようになるよ」と言うとき, 日本人の発想からすると "If you practice hard then you can do it." のように書いてしまうでしょう. しかし英語らしい英語で書くなら多分 "Practice makes perfect." でしょう.
これにはいくつかの特徴があります.
しかもこれらは一般的にも使える特徴です. 他にも, 改めてリーディング教材に使っている記事を見ていると, ライティングの視点から見て面白い英文がいくつかありました. 単語のこういう掘り方も面白いなと思っています. ただ, これをやるならライティング専門でやった方がよさそうなので, 別で切り分けた方がいいだろうとも思っています.
数学・物理だとちょっと突っ込むと本・論文が英語になるので, リーディングは山程やっているものの, 博士に行って論文でも書かないとなかなかゴリっとライティングする機会がなく, 私もライティングはかなり弱いです. しかし, プログラミングとなると英文ライティングがかなり大事で, 私自身はあまり機会はありませんが, GitHub の issue 書きややりとりでライティングが必要です. もっとさっとライティングできたらいいのに, と思う機会は多いので, この際ライティングはライティングは別に切り出してやった方がいいかと思いはじめています. ライティングからはじめて音読でスピーキング練習する手法もあるので, スピーキングにもつながるコンテンツが作れないかとも思っています.
以前, ちょこちょことライティング用の例文集は作っていて, 会員制サイトにもいくつか, 少なくとも 100 文以上は載せていると思います. いまの勉強会をやっている二ヶ月間は勉強会に集中したいので, これが終わったらライティング強化勉強会がしたいです.
やりたいことがたくさんありますが, 実験しつつ一つずつ進めます.
Previous: 2021-06-27 Next: 2021-07-10 back to top