自己参照
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参考になる人もいるでしょうから, いくつか引用しておきましょう. 興味がある方はぜひ上のリンクから全文眺めてきてください.
数学書1冊の読了に時間がかかることを受け入れる 1章が終わらないのはザラ。1行しか進まない日もある。
文学修士の方のようですが, これを特記しないといけないという判断がなかなか衝撃です. よほど非自明なのでしょう. 実際すぐあとに次の記述があります.
普通の本は1~2日、簡易な内容であれば数時間で読み切れるような中、 年単位でようやく1冊読み切る、というような経験はとても大変だった。
こちらとしては逆にこれが理解できないくらいです. 極端に言えば「そんな簡単な本しかないの?」, 「そんな中身の薄い本しかないの?」とでもいうか. 数学(や物理)の本の冗談のような行間が異常で, それに慣らされているだけなのかもしれません. プログラミングはプログラミングでまた違う行間またはハードルがあります.
「定義」と「定理」は違う 少なくとも「定理」は「定義」に基づいた「証明」が必要。
これについて, 中学二年のときの数学の先生が「いくら言っても通じないし, 君達もすぐにはわからないかもしれないが, この二つは別物だ. わからなくても(中学の)数学はできるが, わかる人は心に留めておいてほしい」と強調していたのを今も覚えています. その当時で既に40代の先生だったと思いますし, 20年以上も話していてどうしても通じない経験を積んできたにも関わらず, それでも諦めずに毎年必ず説明していたのでしょう. これが本当にすごかったのだと最近改めて思います. いい先生だった.
何ができれば「理解した」ことになるのかについて、自分の中で本にある記述が正しい根拠を自分の言葉で表現できることであろうと解釈できる。 本の記述を自分の言葉で表現できるようになるためにはどうすれば良いのか?というのが次の問いになる。
文学修士の人のこのコメントをどう取ったらいいか微妙なところはあります. いわゆる直観的な理解みたいな話をしているのでしょうか. むしろ「本の記述に対して余計な再解釈を挟まず, きちんと文字通りに理解」する方が大事ではないかと思っています. 自然言語的な言葉の用法に惑わされず, 数学の本に書かれた用語に沿って数学の言葉を理解するのは尋常ではない程苦労するようなので. この話, 一応すぐあとに書いてはあるのですが.
②例を考える
私もよく引用する結城浩さんの数学ガールの「例示は理解の試金石」が引用されています. これについては私も最近コンテンツをリリースし, 本格的に進めるぞと言っている程度には重要です.
- 図を描く.本には図を入れた方がいいことは著者も分かっているのだが,ページ数の都合で図を省略する, あるいは小さい図でお茶を濁すことがある.そういうときは読者自身で図を描けばよい.
元が統計の勉強なのでこういう話になっているようです. 数学の場合, 無限次元を含む高次元は原理的に何をどうしても絵が描けないことがあります. 平面内の曲線であってもカントールの悪魔の階段などもあります. 描けないから描かない・載せない世界もあります.
他には絵に引きずられて間違う事例もあります. これは現代数学観光ツアーの小旅行3 目で見える世界に頼ることの危うさでも書いたので, 興味がある人は眺めてみてください.
こうして見ると、特に数学書においては「自分が理解した」ということに十分にリソースを割くことが重要そうである。
文学だとこのステップはそんなに軽いのでしょうか. カルチャーショックでは言い表せないほどのショックを受けました. いまも受け止めきれません.
文化のギャップを感じつつ, この記事へのコメントを終えます.
自分のメモだけで書くつもりはなかったのですが, 先の節を書いていて思い出したのでメルマガにも載せておきます.
そもそもこの本の解釈ってどれくらい 科学哲学的に メジャーなんですか? ほら,和文の科学哲学の書籍とか割とひどいじゃないですか.なので書籍として1冊出てるだけだと分野がひどいのか著者がひどいのかよくわからないなって. Oxford Handbook of Philosophy of Physics によるとこんな感じ.これは予想外に思想が強く出ていて面白いぞ.
Philosopher の立場が予想外だった.彼ら的には「現象を説明できること」よりも「物理観に合うこと」のほうが重要度高いんだ.もし物理観にはあってるけど現象を説明できないモデルがあったら修正するのはモデルの方であるって立場なのか. ここ最近で一番衝撃を受けた.わたしには「現象を説明できる」と「世界観にあう」が比較できるって感覚が全然なかった.世界観が first class object の民はこれらを比較できるのか.
科学哲学でやりたいのは哲学であって科学ではないことは認識していましたが, その内実がここまで違うとは思っていませんでした. ここまで世界観が違うとなると, もう科学哲学の人と対話できる気がしません.
最近の具体例の話で線型代数をがんばっていて, アドバンストな話とも絡むところでリー群・リー環に注目しています. 特にリー群(の単位元の連結成分)の元はリー環の元の指数化$e^A$で得られます. テイラー展開による定義を自明と言うならともかく, 実数のときと違って指数と対数の定義が非自明です. 実数のときも含めて, これを改めてきちんと書いてまとめるのも私のタスクとしてリストアップしています.
実は大学の教養の数学で触れた対数関数の定義は $\log x = \int_1^x \frac{1}{t} dt$でした. 「これを『定義』としてはじめていいのか」とちょっと驚いたことを今も覚えています. 私は数学に対する感受性が恐ろしく低いというか, 「理解」にいたるのが恐ろしく遅いので「ほほー, そういうのもあるのか」くらいにしか思えていませんでした. いま思うとこれは本当に面白いですね. その講義以外でこのスタイルを見かけた記憶がないので, いいことを教えてもらえたと今も思います. そもそも微分積分を改めて基礎から勉強する機会もあまりないですね. あったとしても教養数学のスタイルにはなりづらいのもあります. いわゆる教養の数学も, 突っ込んだ視点から見て面白いところがたくさんあるのを伝えることも, 例と計算編の重要なタスクと思っています.
話を戻して吉田近似です. 指数関数の定義として $e^x = \lim_{n \to \infty}(1 + \frac{A}{n})^n$があります. 実はこれは関数解析でも重要な定式化です. 正確には非有界作用素の事情があるため, $e^{tx} = \lim_{n \to \infty}(1 - \frac{tx}{n})^{-n}$のように書きます. この$x$に作用素を叩き込みます.
非有界作用素であっても$(1 - tA)^{-1}$が有界になることはあり, これならいくらでも積が取れます. この事情を使って作用素半群を作るのがヒレ-吉田の定理です. また$(1-tA)^{-1}$が有界になるような複素数(または実数)$t$の全体をレゾルベントといい, $(1-tA)^{-1}$の形の元をレゾルベントと呼びます.
無限次元の場合は作用素論や位相的な問題があってさらに非自明性は上がります. それでもリー群・リー環の議論が関数解析のような解析学にも直結することは指摘しておくべきでしょう. レゾルベントに関する議論自体は解析学編でも書いたのでここで詳しくは議論しません. 何にせよ学部は物理で数学分は修士で解析学べったりの私が, 代数や幾何への習熟のためにリー群・リー環に興味を持つのにはそれ相応の理由があることには触れておこうと思い, 簡単にコメントしておきました.
別に私のコンテンツを買ってくれなくてもよいのですが, ぜひリー群・リー環は勉強してみてください. これらの表現論も非常に面白く, 量子力学や素粒子ともいろいろな関係があります.
先程Twitterで見かけたのでシェアします.
another super useful (and cool) maths website! https://ringtheory.herokuapp.com search for specific rings, or for rings satisfying (or not satisfying) collections of properties! e.g. "show me rings that are commutative and connected but not integral domains"
this reminds me of π-base, which does the same for topological spaces https://topology.jdabbs.com is there one for categories? somebody (i.e. not me...) should build this functionality on top of the n-lab or something...
環論のデータベース!これは便利そう! 他の便利なデータベースも紹介しておきます:
だいぶ趣は違いますが, 名前だけは作用素環を専攻していたわけで, 環論にも一定の興味があります. 何だかんだ代数はかなり好きでもっと突っ込んで勉強したい対象です. 面白そうな例を見つけたら例と計算編にも収録したいですね. これもかなり楽しみな文献です.
この間「購入検討のためにサンプルとしてこの節を見てみたい」というメールを頂きました. いちいち答えていると事務負担が増えてしまうこともあり, オンラインだとAmazonの本のページ公開はほとんどなく, 現代数学観光ツアーなど無料公開しているコンテンツもたくさんあるので, それで判断してほしいと返信しました.
内容からすればむしろ安いくらいとは思っていますが, 絶対的な額面の金額は何をどう考えても安くありません. テイスト把握にも役立つと思って例と計算編を安めに提供したというのもあります. 何にせよ高い買い物ですし, もっとしっかり事前に中身を見たいという要望自体は真っ当なので, どうしようかとは思っています. 最近は幾何方面に乗り出そうと思っている関係上, 幾何とも強く関わる微分の章など何かの公開は検討中です. まだどうするかはわかりませんが.
一応有料にしている理由も改めて書いておきます. これは本当に単純で, 実際に大事にしてほしい・読んでほしいからです. 人は本当に無料で提供されたモノを大事にしません. 他人のことを言うまでもなく私がそうです. ネットにもいろいろな文献が落ちています. 私自身調査をしているときに重宝します. しかしダウンロードするだけして全く読んでいない文献・コンテンツもたくさんあります. 有料で買うと多少なりともそれを大事にします.
無料提供の方がリーチは増えますが, 大切にしてくれる人が増えるかというと微妙です. もちろんその塩梅は簡単ではないのですが, いろいろ考えた上で現状は有料にしています.
毎日朝の一時間はAtCoder ProblemsをEasyから地道にやっています. 楽しいですね. あとはBird, GibbonsのAlgorithm Design with HaskellをF#で書き直すのをやっています. まだ読んでいる最中ですが, 読み終わったらGitHubjにもアップする予定です.
このHaskellの本, 前に関数型でデータ構造とアルゴリズムの勉強をしていると言ったら読者の方にも勧めてもらった本で, まさにそのときも読んでいた本です. 私よりもプログラミングに強い人からもお勧めされたので, 「やはりこれはいい本なのか」と思い, 改めて再挑戦しています. 単純に時間が取れなくなりフェードアウトしていたのですが, 今年のテーマとして無理やり時間を作って読み進めています. 面白いこと自体は間違いないのでお勧めです. サンプルコードも出すと本に書いてあるものの, いまだにアップロードされていません.
Haskellの本なので素直にHaskellでサンプルを写経した方がもちろん楽なのですが, 趣味でF#にしています.
あと, こちらで紹介したか忘れましたが, ManningのMEAPでGeometry for Programmersという本が出ています. これはSymPyで書かれています. 幾何方面の具体例計算とも合わせてこれもかなり気になっていて, まだいい本かどうか判断できるほど読み込めていませんが, いま出ている分を少しずつJuliaのSymPyで写経を進めています. プログラミングと数学関係も期待しているというコメントも頂いています. この辺の調査・研究も精力的に進めたいですね.
幾何とプログラミングと言えば, OSSのsicmutils/fdg-bookにも参加しています. メイン開発者のSam Ritchieがいま忙しいようでちょっと止まっていますが, 口先だけではなくきちんと進めているぞ, ということで. まだ深いところまで使い倒していないのですが, もとがSICMで古典力学との関係もあれば, 微分幾何への応用として曲率の計算などもできます. 物理とも絡められるプログラミングとして私も進展が楽しみです.
毎日ちょこちょことやっていて, ある問題を調べていて芋蔓式に辿り着いた問題などもあり, 何をどうしたか覚えきれません. 何をどう登録したらきちんとメモしておけばよかったと反省しています. Git管理はしていますが, いろいろなファイルをごった煮で管理しているリポジトリに入れていて, 個別で取り出すのはちょっと面倒なので.
それはそれとして覚えている範囲で面白かった問題・命題を紹介します. 今週は複素係数の$n$次全行列環の中で, エルミート行列がなす集合は実$n^2$次元の実部分空間です. これを証明してみてください. 特に一つ基底を具体的に求めてみてください.
この問題の意義をいくつか紹介しておきましょう. まずリー群・リー環の視点からコメントします. 歪対称行列や歪エルミート行列の全体は, それぞれ特殊直交群と特殊ユニタリ群のリー環です. リー環論の入門として半単純リー環が一つの山で, この中でこれらの次元や基底を求めるタスクがあります. 上で紹介したのはただのエルミート行列ですが, 歪エルミートを考えるときの参考になります. エルミート行列はふつうの線型代数での対角化計算, そして量子力学で馴染みがあるはずで, いきなり歪エルミートを考えるより取り組みやすいはずです.
もう一つ大事なのは複素線型空間(いまは全行列環)の中の実線型空間という視点です. 実は複素多様体論では, 接空間を考えるとき, まず$n$次元の複素多様体を実$2n$次元の実多様体とみなし, 実のレベルで実$2n$次元の接空間を考え, これを複素化して複素$2n$次元(実$4n$次元)の(接)空間を構成します. 上のエルミート行列がなす実線型空間では, まさに複素線型空間内の実部分空間を考えるので, 思考の訓練になります. ついでに半単純リー環の議論でも, 実カルタン部分環を考えるところがあり, そういう場合の参考にもなるでしょう.
ちなみに複素多様体の接空間に対して, 上記のひねくれた構成を取る理由はいくつかあり, まだ未公開の幾何編ノートにはコメントがあります. ちなみに私の観測範囲の数学の本には, 構成法は書いてあっても何故こうするかのコメントがなく, はじめかなり戸惑った記憶があります. 形式的に大学院で数学科を出たといっても, 数学内部であっても専門外を勉強すると本当に困るのです. 上で文学修士の方の数学学習法メモをシェアしましたが, 一行読むのに本当に苦労するのです.
上記の問題の解答は例と計算編の2022-01-15コンパイル分では, 2.6.8節の「実次元は$n^2$: (正規直交)基底とともに」で議論しています. そこでは一般の$n$次元で議論していて, 次の節で二次元版の例も書いています. 一般の$n$でわかったのをあえて二次元・三次元で確認するのも重要です. 自分でやると大変な部分もあるでしょう. 私自身のためにもせっせと計算しているので, ぜひ参考にしてください.
例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.
数物系のメルマガが式を含むことも多いため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
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「クルアーンを読むぞ」という趣旨の本を勧められ, それはそれで読む予定ではあるものの, やはり理工系のための多言語プロジェクトとの兼ね合いもあって, アインシュタインの原論文読解にもアラビア語を加えたいと思っています. 他の言語は何となく見つけられましたが, 現状アラビア語は何もかもわかりません. アラビア語での特殊相対性理論に関する文献自体はある程度見つかるものの, アインシュタインの原論文の翻訳が見つけられていません. 他にも私が所属している語学コミュニティでも聞いてみる予定ですが, そちらは物理・数学系に詳しい方がおらず, アラビア語自体はわかってもアインシュタインの原論文かの判定がつかない・つけられない可能性があり, 頼れる伝手は頼ろうと思っています.
どなたかご存知の方, もしくは探索できた方はぜひ教えてください.
まずアラビア文字を読めるようにしなければなりません. 現状取った方法・取っている方法はここにまとめました. この辺は理屈をうんぬんしているより力づくで覚えた方がいいと思っているため, そういう方法を取っています.
一番やりたかったのはロシア語のときにやったような, 数学者名のアラビア文字表記で慣れる手法なのですが, いいリストが得られませんでした. (ロシア語の場合は『数学者のためのロシア語』的な本があって, そこにリストがあった.) 代わりに外語大のモジュールとアラブ人名辞典を使っています. 女性名でアーイシャがあり, 「ロマサガ1のアイシャはここからか?」とか, 同じくロマサガ1のジャミルがアラビア語にあって, これももしかしてアラビア語由来?とかいくつか発見があります.
特殊相対性理論の文献探索中に「アラビア語での物理用語辞書」という600ページ程度のPDFを見つけたので, これもちょっと眺めてみようと思っています. 用語解説などでは時制の面倒な話が出てきづらいはずで, 動詞の活用に関する記憶負担も減るメリットはあります. ただ構文が複雑になったりするデメリットがあるので, いろいろなことを考えて進めます.
最低限の全解説作成が間に合わなかったので, 今回は軽いコメントに留めます. フランス語とイタリア語, またはラテン語を何となく知っていると何となくわかります. ちなみに第一文の全体は次のようになっています.
Se sabe que cuando la electrodinámica de Maxwell – tal como se suele entender actualmente – se aplica a cuerpos en movimiento, aparecen asimetrías que no parecen estar en correspondencia con los fenómenos observados.
いきなりこの長さと構文的複雑さです. 初学者がアタックするような文章ではないですが, わかるところにはアタックしてみましょう.
実際にドイツ語・英語・フランス語を眺めつつ進めます.
まず(Se) sabeに対応するはずのドイツ語は(ist) bekannt, 英語はIt is knownです. フランス語ではIl est connuです. フランス語はいわゆる「コネ」のconnaitreに対応する単語で, やはり「知る」に関わる意味です. 同じくフランス語で「知る」に関わる単語でsavoirがあり, bとvが入れ替わっているだけで, スペイン語のsabeもやはり「知る」に関わる意味でしょう.
こういう感じの議論を積むと, 何となくスペイン語も読めるようになります. 次のqueやcuandoはフランス語の疑問詞・関係代名詞でqueやquandがあります. イタリア語だとcheなどになりますが, 音は「ク」「クアンド」のような感じで, イタリア語もcheで「ケ」と読みます. スペイン語も同じだろうと推測できます.
他にも英・独・仏・伊比較をすると意味が推測できる単語はあります. 具体的に大きく見れば一致するはずの文の中での登場具合も見ると, 例えばaplicaはapply(application)にあたるでしょう. 他にはaparecenは英語のappear, asimetríasは同じく英語のasymmetries, correspondenciaはcorrespondense, fenómenosはphenomena, observadosはobserveにあたるのが想像できるはずです.
こう見るとこれらの英単語はロマンス語(ラテン語)由来なのが見えてきます. 一応書いておくと, 実はsymmetryはギリシャ語由来です. sym (syn)にもいろいろありますが, 後半の-metryはgeometryやtrigonometryなどと同じく, 「測る」の意味です. 他にはfenomenosのphenomenaは英語の方がギリシャ語由来が見やすいです. 英語の中でギリシャ語由来の単語にはよくphがつきます. ファイナルファンタジーでも出てくるテュポーン先生のtyphoonや, pharmacyが例です.
この辺の話の何が大事か改めて書いておくと, 例外が掃いて捨てるほどあるとは言え, 言語の中にも一定の法則があります. その法則を探る体を取ることで, 理工系の語学として楽しめる点を見出せるのではないかと思っています. 逆に「文系のための数学・物理入門」として, こうした言語に潜む法則を探る視点が使えないかと思っています.
まだヨーロッパ方面に偏っているとはいえ, 半端であってもいろいろな言語に無理やり触れているのは, こうした言語をまたいだ共通法則を探るためです. ヨーロッパ方面だけでは本当に半端なので, ヨーロッパ外に出るべくまずはアラビア語というチョイスです. よくも悪くも現代の中国は理工系強いので, そのラインから中国語もやりたいですし, アジア系の言語もまずは一つ触れたいと思っています. ある種の原点であるサンスクリットに行くか, ヒンディー語にしてみるか, やはりサンスクリットの痕跡が見やすいと聞くタイ語にするか, というのもあります.
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