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この記事、めっちゃ面白かったのでオススメです 「QCD: 詐欺から納得へ」
いろいろな読み方があるでしょう. 素粒子系が好きな人はそれだけでも楽しめるかもしれません.
今回のポイントとしてはリー群がたくさん出てくる点です. 最近ずっとやっている計算系の話で数学としてはリー群・リー環だと言っています. 物理での具体的な応用先としては有名な話で, 改めて強調しておきます.
しかし、そんな彼らもどうやら数学は厳密すぎて面倒になることがあるらしい。 理論は数式化されなければいけないから、物理にとって数学は必要不可欠な基盤だ。 だから日常的に数学には触れているはずだが、どうやら数式の正確な操作や証明はしばしば彼らを疲弊させるらしい。 Twitterのタイムラインでも、この手の数学者と物理学者の意識というか守備範囲のちがいを見かける。 反対側の極にいる自分からは、厳密すぎるくらいに正確に研究に取り組んでいるように見える人たちが、数学の厳密さにうんざりしている。 その様子にはある種の微笑ましさを覚えるし、同時に、どの複雑さを受け入れて、どの正確さを犠牲にするのか、それぞれの場所で考えているのだなと感じる。
この数学と物理の話、なんとなくニュアンスの差を感じますね。ある領域の物理でその数学を厳密化しても、考慮していない新しい物理法則が働き出してしまって無意味な場合には、自分は無駄な数学はしません。一方もし物理に本質的ならばいくらでも厳密な数学を使おうとします。
私は「物理のための数学」と称してオーバーキルなコンテンツを作っている身としてはどうかという気はしますが, 物理学科での実際という意味では, もしあなたが物理をやりたいなら, 数学にこだわるべきではありません. 堀田さんが上に書いた理由とは全く別で, 数学的にきちんと議論できる領域自体ほぼないからです.
例えば流体力学はその基本方程式であるナビエ-ストークス方程式は解が存在して一意かどうかさえわかっていません. 数学としてはこれがスタート地点で, そもそもスタートさえ切れていないのが流体力学です. 物理的には論外の段階で止まっています. そうまでしてもやりたければやればいいと思いますが, 物理の遥か手前で失速します.
ちなみに私が常々文句を言っているのは教科書の記述です. 例えば以前いろぶつ先生の熱力学の本の査読をしていたのですが, 一般論を話している中で段落の変更さえなくいきなり具体例の話をはじめたり, 文章として無茶苦茶です. 他にも熱力学で初学者の混乱を引き起こすと有名な関数の引数を平然とやります. 「慣れればその方が楽だから」とは言いますが, 初学者に読ませるための教科書で, 散々悪評が定着している分野でどういうつもりなのか, 本当に理解に苦しみます.
この点, 温度を基本変数にした点で多少の批判がある田崎さんの熱力学の本は常に引数を明記し, さらに完全な熱力学関数(と変数)の場合は括弧の形を変えて明記する念の入れようです. 悪癖とわかりきったことを何故やめないのか, 異様としか言いようがありません.
熱力学というと, 私の学部の指導教員の話も思い出します. 「熱力学の第二法則は公理だと言ってくれればわかったのに」と学生時代から40年を越えてなお言い募る執念に感心しました.
KUMONの仕組みは、一見すると、初期資本も少なく、真似しやすそうに見える。しかし、KUMONの強みというのは、標準化された教材それ自体ではない。「子どものために」を合い言葉に指導者たちを動機づけ、指導に必要な知識を共創し、優れた教材の見返りとしてロイヤルティを徴収する、という仕組み全体にある。
そして、その仕組みを成り立たせているのが、教材を共通言語に、日々指導の改善に励んでいるコミュニティ・ネットワークなのである。このような仕組みがあって、日本においても世界においても独自のポジションに立つことができている。
よくよく調べてみると、同じようなことをするのが至難の業だということがわかる。生半可な気持ちで模倣すると大やけどを負うという仕組みなのだ。
これはまさに現代数学探険隊でやりたいことです. 例えばいろいろな本を読んでいると細かい部分で非常に困ります.
勉強していて困ることはいろいろあります. 例えば勉強したい大目標があってそこにいたるにはどうするか: 具体的には素粒子を勉強するために何をどう勉強していけばよいか, などです. 全体像を掴むとでもいいましょうか. ただ, ここで議論したいのは別のテーマです.
何を言いたいかというと, 「この本のこの定理のこの証明がわからない」という疑問です. 実際にその本を持っていないと質問に対応できません. そしてピンポイントでその定理やら何やらとその証明を見せられても回答できません. 定義・命題群の構成が違うとその本のその議論で使っていい命題も違います. 「この定理を使えば示せる」と言われても, その本ではあとに出てくる場合があります. 究極的には一冊丸々の全体構造がわかっていないと質問に答えられない可能性があります. これを削るために一気通貫で作ったコンテンツを共通言語にして, 「このコンテンツではこう」と言いたいわけで, それが私にとっては現代数学探険隊です. 研究室ではゼミで使う本だったりします.
最近はプログラミング(プログラミング言語)も共通言語にしたいと思っています. 最近プログラミング関係でいくつか反響があります. 思っていたより望まれていたようで, これも進めなければいけないなと改めて実感しています. ちなみに素数判定に関するコンテンツと書いたらこのくらいの, 知っている人にはごく入門的なコンテンツにさえ反応がありました. いま精力的に制作中です. 楽しみにしていてください.
入門系の小さなコンテンツをいくつも作っていく予定です. いま勉強中の競技プログラミング, アルゴリズムとデータ構造系とも絡めていろいろやりたいです.
初等整数論への入門、連分数。問も豊富な一冊! これまで,多くの有名な数学者がそれぞれの立場から連分数を研究し,重要な役割を果たすことを明らかにしてきた.特に2次無理数とよばれる数の整数論を深く理解するには,連分数の研究がかかせない. 本書の目的は,連分数の基礎的な理論を大学一年生程度の知識,とくに行列の理論を仮定して解説することである.また,各節には計算を中心とした問を掲載し,巻末に略解も用意している.初等整数論への入門として,更に群論などの抽象代数学の活用が具体的な問題に対していかに有効であるかを,本書を通して学ぶことができる.
Twitterで眺めていたら出てきました. プログラミングで計算し倒すのに楽しいのではないかと思い気になっています. 単純に計算練習系のコンテンツとしても取り組みたいです. 連分数を近似計算し倒すのも面白そうですし, すぐ次の不良近似の問題もまさに計算機で死ぬほど計算させて収束が悪いのを実感したりもできるでしょう.
明日 9:10から、Workshop 「数論とエルゴード理論」にてこちらの論文 https://twitter.com/MurakamiMath/status/1450390950832840714?s=20&t=ifX19xZ_3ihxatcBO4U3sA… の内容を発表させて頂きます。 連分数や記号力学系と関連する研究なので、もしかしたらエルゴード理論を応用すると何か新しいことが分かるかも……と思っています。よろしくお願いいたします。
論文を書きました! 「実二次無理数」wに対し、j関数の測地線積分val(w)という値が九州大の金子先生らによって定義・考察されているのですが、現状は謎に満ちた量です。 この論文では「不良近似数」という実数xに対しval(x)を定義する試みを述べました。
それはもはや測地線積分ではなく、エントロピーのようなある種の極限値として定義されます。 エルゴード理論では「ほとんど全ての点でエントロピーが一定になる」というタイプの定理が扱われますが、この論文では反対に個々の点に対して定まる個々のエントロピーに着目しています。>またこの論文ではval(x)をxの連分数展開が ・どんどん大きくなる巡回部分を持つ場合 ・巡回部分を全く持たない場合(Thue-Morse語) のときに計算しています。
まだ論文が読めていないので先程の不良近似とここでの不良近似が一致するかわかりません. ただ近似の精度・速度問題はとても大事です. 例えばテイラー展開や数値計算まわりで収束すること自体はわかっていて, 収束のスピードが遅いこともよく知られている例がいくつかあります. スパコン利用など高速化が必要な事例はよくあり, 何より最近流行りの機械学習系でも高速化は真っ先に重要になるテーマです. 入門を少し越えた教科書になると必ず出てきます. 実用上も重要なテーマです.
質問者はJavaScriptの初歩の初歩しか学んでおらず、このようなコードは見たことがないはずだ。しかしわかりやすいと言う。再帰は正しく理解できていることが確認できた。 質問者にはHaskellのような純粋関数型の言語のほうが向いているのかもしれない。
Twitterで「何年もプログラマーをやっているのにif文やfor文が書けない人がいる」という話に, 「for文やif文は書けないがfor式やif式は書ける・わかる人はありうるか?」と書いたら教えてもらいました.
これに限らず, あるアプローチではどうしても無理だが他のアプローチならすんなりわかる経験はよくあります. 数学の本でも, 本当に微妙な表現の違いなのに, 「ある本の記述はよくわからない一方である本の記述はよくわかる」ケースはよくあります. がんばって取り組むべきメインの本を据えつつ, 不明点を調べられるように何冊か持っておくといいと言われる理由でもあります.
プログラミング言語に限らず自然言語でもあります. 調査・勉強のためにここ数年語学・言語学界隈にも顔を出していますが, そこで「英語はあまり好きではない」, 「(実際に留学含めて台湾に数年住んでいたレベルで中国語はできる人が)英語は本当に嫌い」, 「英語はよくわからないが, フランス語はよく馴染む」と言っていたりします. 英語は実用言語なので好き嫌い言うものではなく, 他の自然言語はおもちゃという感じで付き合っているため, 自然言語に対して好き嫌いという感覚はあまりありません. 正確に言えば, ドイツ語はほどほどに格が強くて読みやすいとか, 格は強いが格変化が厳しすぎてロシア語は暗記が面倒で嫌になるとか, 格がさらに強いおかげで前置詞と名詞の位置が遠く離れられるラテン語は凄まじいな, といった感覚はありますが.
ただプログラミング言語に関しては嫌いとは言わないまでも, 明確に好きな言語はあります. 私の場合はいわゆる命令型の言語よりはいわゆる関数型の言語の方が好きです. 肌に合います.
あまりまとまりのある話にはなりませんでしたが, いろいろ考えつつそれなりの意図はきちんと持って日々勉強し, 成果をコンテンツ化していることを伝えようとしています.
単純に面白そうだったので紹介です. これでコンテンツ作っても面白いかもしれません. 私自身はもっと原始的な計算し倒す形のコンテンツが作りたいので, 現状あまり気乗りしませんが, 何か作った方がいればここでも宣伝協力するので教えてください.
年明け前後から毎日ずっとやっているAtCoder Problemsで出会った問題です. 面白かったので紹介します. 形式的には完全に数学の問題です. 面白いのは一見すると無限個のチェックが必要なところ, mod演算を考えているために計算機で計算できるレベルで完全に有限の世界に落ちている点です. 小さいところで実際に計算してみると周期性が見えたりもします.
ただし考えなしに計算しようとすると簡単にオーバーフローしたり, いつまで経っても計算が終わらなかったりします. この辺を工夫して計算する点も面白いです.
AtCoderは全部自力で考えてもよく, 公式の解説を見て実装部分だけ自力で考えてもよく, 人の実装を見て意図を読み解く訓練をしてもよく, いろいろな遊び方があります. Projet Eulerは面白いのですが正解しないと解説が読めない点がつらいです. ぜひうまいこと使い分けて遊んでみてください.
一般論の中に組み込んだため計算練習コンテンツには入れていないのですが, 四次特殊直交群の部分群と四元数体の自己同型群の話が面白かったです. これは特にSO(3)でもあり, 四元数体の自己同型群が面白いのなら, それ自身は結合律を満たさず代数的には厳しい八元数代数も自己同型群は面白いかもしれない, そしてそれは例外型リー群$G_2$だと言及されていました.
私がこの分野に疎いから知らなかっただけで, 何をどう考えても有名すぎるほど有名な話でしょう. ここでは「ある対象が面白いなら他のこんな例も考えてみるべきで, 面白いことがあるかもしれない」という示唆を得る例として紹介しました. こういう話は数学でも物理でもコンピューター関係でもあります. いま特にデータ構造とアルゴリズム周辺をやっていて痛感していますが, 毎日小さな一歩を積んでいくしかありません. 今年は私自身の小さな一歩を具体的に見せていく年にしようとも思っています. 特に競技プログラミングはAtCoder ProblemsのEasyでさえいまだ二時間かかって終わらないことがあります. 今まできちんと取り組んで来ておらず, 知らないこと・できないことばかりなのは仕方ありません. 小さな一歩から踏んでいけないので歯を食いしばってやっていきます.
そういえば前回のマズール-ウラムには反響がありました. まさにコンテンツ内の注意として書いた点が面白いと言ってきた人がいました. 面白い定理なのです.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.
数物系のメルマガが式を含むことも多いため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
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またaかtheかそれとも冠詞を付けないかでよくわからなくなってきたのでググってたら「科学英語文法 覚え書き(冠詞について)」というのを見つけて読んでる。奥が深い・・・ 文献へのリンク(target=_blank)
理工系の英語に関する教育的な見地からの(?)論文紹介です. 最後に次のような恐ろしい例文が出てきました.
名詞の複数形にaがついています.
私の実用面から言って英語が本当に最優先で英語情報はよく目にしますが, 多言語での冠詞の振る舞い比較みたいなのも知りたいです.
さすがに英語関係の話をしないのもどうかと思うので少し. 以前も書いたか勉強会で話したかと思いますが, 英語でbeefとcowがあります. 英語でbeefは牛の肉(食事用)に使い, cowは家畜としての牛などを指すときに使います. しかし元になったフランス語bœufは肉の意味もあるものの, ふつうの牛(ox)も意味します.
これは世界史でも出てくるノルマンコンクエストでフランスに占領され, 英語にフランス語が流入してきた痕跡のようです. 王侯貴族・上流階級がフランス人で, フランス人は食べるモノ, 下々のイギリス人は家畜・労働力として普段接する違いが今でも言葉に残っているわけです.
理工系の皆が皆このような話に興味があるとは思いません. しかし嫌でも使う英語から歴史やら何やらの話に波及すれば, 多少なりとも色々な話に親しみが持てるのではないかと思い, 語学・言語学についても少しずつ知見を貯めています.
スペイン語をやっていたらbutの意味でperoがよく出てきます. 何故peroでbutなのか謎なのでWiktionary先生に尋ねたところ, ラテン語per hoc (by this, for this reason)に由来するとのこと. 意味がだいぶ変わっていて謎ではありますが, 日本語でも「さうざうし」などの例があるのでそんなものかという気分です.
Wiktionaryは見ていると時間が溶ける魔界です. 何もやる気が出ないとき, だらだら眺めるのに使ってみてください.
今週の学習ログです. スペイン語に慣れてきた上にDeepL併用という技も取得したため, 学習速度も上がっていて既に第七文まで大雑把な自分用解説をつけています. そんなに張りつきでやっているわけでもないのでこの程度の歩みですが, きちんと勉強を進めています.
単語について詳しくは単語集ページも参考にしてください.
いい切れ目がないのでこの固まりで考えます. 前から順に調べましょう. まず動詞を見つけます. いくつか候補がある中でpermiten suponer queに注目します. これはallow to suppose thatと読めます. 後ろにsuponerの内容にあたるque節が続き, 主語は三人称複数が来るはずです. この上で主語が何かと言えば先頭のotros ejemplosです. つまり基本構造は次のようになっています.
他の部分は副詞かotros ejemplosへの修飾しかありえません. まずdeは前置詞なので後ろに何かしら名詞が来ます. 次のestaは(アクセントを除けば)estarの三人称単数現在とも同形ですが, ここでは指示形容詞としてのesta (this)で取るべきです. 続くíndoleが女性名詞(type, nature, character)ので, まとめてof this typeと訳せます.
次のasí comoはas well asの意味です. 何とas well asかを見るべく続きを見れば, los intentos infructuosos (the unfruitful attempt)が来ています. これはotros ejemplosとの並列と見ればいいでしょう. 先程はotros ejemplosだけにしてしまったこの文の主語は, 実はlos intentosまで含むのでした.
次にparaのあとに動詞の不定形が来ています. スペイン語では原則として不定形は本動詞にならないため, ここではpara+不定詞(英語のto不定詞)と見ればよく, constatarの目的語があとに続くはずです.
constatarの目的語はun movimiento de la Tierraで良いでしょう. ここの大文字のTierraは地球です. さらにcon respecto alが続きます. これは直訳でwith respecto toと思えばよく, 何に対する相対運動なのかを考えているはずです. そこでまさに(al) "medio de propagación de la luz"が出ます. 光の媒質であるエーテルが出てきました.
まとめると次のように英訳できます.
主語が長いだけで実はシンプルな文でした.
これはsuponerの内容にあたるque節です. 主語・動詞が揃った完全な文が来ているはずです. まず動詞はcorrespondeで三人称単数現在形です. 主語は三人称単数で目的語も存在する可能性があります. 直後にal (a+el)が来ているので目的語相当の存在があり, 特にel concepto de reposo absoluto (= the concept of absolute rest)です. これで後半部の解釈が確定したので前半部分を解釈しましょう.
まずは主語を確定させましょう. 名詞として明らかに浮いているのはningunaで女性形の名詞です. 三人称単数形なのでこれが主語でしょう. そのあとのde las propiedades de los fenómenos (= of the properties of the phenomenon)は修飾句です.
残りは冒頭のno solamenteからの部分の解釈です. まずno solamente A sino también Bはnot only A but also Bの形で, これに気付く必要があります. 何が並列されているかを見れば, en mecánicaとen electrodinámicaで明らかに副詞句です.
以上をまとめると次のように書けます.
これまた異様に長い文です. 冒頭にsuponer que (= suppose that)があるためここで一旦切れます. 特にque以下は主語・動詞がある完全な文です. まずは前半分をさっと確認します.
先程触れたsuponerは原形なので明らかに本動詞ではありません. 本動詞はdebemos (<- deber)はmustにあたる助動詞で一人称複数現在形で主語が省略されています. Más bienはこれでratherを表します. 念のため書いておくと次のように英訳できます.
次にque節の中を調べます. カンマで区切られているのでそこに注目して分けて解釈しましょう. 明らかに前置詞が導く副詞句などは分けてあります.
まず動詞はserの三人称複数現在形であるson, tenerの三人称複数現在形tienen, 「haber+demostrarseの過去分詞」型のse ha demostradoがあります. このうちsonはcualesの支配下にあり, se ha demostradoはtal como (= just like)の支配下にあるため, que節の本動詞はtienenでしょう. 主語として浮いた名詞を探します. 直後に女性名詞単数形のválidasがあり, その次に女性名詞の複数形las leyesがあります. 主語は三人称複数としてlas leyesを選べばよいでしょう. 間にあるmismasはmismoの複数形で, electrodinámicas y ópticasは後置の形容詞句でlea leyesと文章の流れ・概念上の相性もよく, これで主語にあたる名詞句がわかりました. 間にあったválidasは他動詞tienen (<- tener)の目的語です.
英訳してまとめます.
あとは前置詞paraが導く副詞句, 前置詞enが導く副詞句があり, se ha demostradoを核にした分詞構文があります. 順に調べましょう.
これは素直に英語に直訳でき, 例えばfor all the systems of coordinatesです.
このen直後のlosは関係代名詞を受ける定冠詞と思えばよく, sonがbe動詞相当だから in which the equations of mechanics are validとすればよいでしょう. 直訳のmechanical equationsだと「力学の方程式(運動方程式)」のニュアンスが出ないため, ここではequations of mechanicsとしました. また文の流れからしてen losのlosが受ける名詞(cualesの先行詞)はcoordenadasです.
これはse ha demostradoをhave been demonstratedと受身で訳出します. 最後のlas magnitudes de primer ordenはいわゆる「一次の微少量」にあたる表現で, 標準的な英訳を選んだ方がよい程度で, あとは順序もほぼそのままに直訳でき, as have already been demonstrated as the first order quantitiesとでも訳せます. 直訳を心がけたら先頭と二つ目にasが来ていて微妙な英訳になってしまいました. 実際の英訳とも比較してみてください.
まとめた上で少し調整すると次のように英訳できます.
詳しくは単語集ページも参考にしてください.