自己参照
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メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.
「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.
メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.
ではまたメールします.
以前話したEnergeiaでのもくもく会は出張中や帰ってきた当日のヘロヘロ以外は基本的に土日も毎日22:00-23:00でやっています. 私としては言われてなくても毎日勝手にやっている時間にzoomをつけてみただけですが, 一ヶ月程度ずっと一人でやっていたところ, 最近メルマガから来た方が時間があるときに参加してくれるようになりました. 知人にこの話をしたら「いくら毎日やっているからといって, 誰も来ていないオンラインもくもく会を良く続ける気になるね」と言われました. せっかくなのでちょっとこれについて書こうかと思います.
これはまず信用の問題があります. メルマガ発行もそうですが, やったりやらなかったりの状態だと参加者も参加しにくいです. 主催者の本気度がわからないというか. だから参加者がいなくても毎日続けるのが大事です. 続けていると「少なくともこいつは口だけではない」とは思ってくれます. それで即信用につながるわけでもありませんが. 少しでもいいから日々続けるのが大事, そして去年末からはたくさん計算しようとも言っているわけで, それを実践する姿を見せようという意図もあります.
最終的には習慣化とそれにいたるメンタルケアが必要です. 読者の方もいくつかの層にわかれていますが, 最近は単純な数学やらプログラミングの話よりもこの手の時間管理というか, 環境構築というか, その手の話が必要そうな人が多いのかもしれないと思うようになりました. この辺, 世間的には自己啓発的な分類に入り, 社会的にはタスクマネジメント・ビジネススキルの話にもつながります. 少なくとも数学・物理・プログラミング勢はあまりこの辺を見ておらず, むしろ忌避しているのではないかという霊感があります. そして同じことを言うにしても私からそういう話を出した方が受け入れやすいのではないかという気もしています. 興味がある人が多そうならこの手の話もちょこちょこ入れようと思うのでアンケートでコメント入れておいてください.
少し書いておくと結城浩さんの活動を見るとそれだけでも十分参考になります. 日々の行動ログを見せてくれる投げ銭系のサービスもありますが, そこまでせずともTwitterで活動記録を見ているだけでも参考になる. ポイントは二つあります.
どちらかではなくどちらも大事です. 前者だけでどうにかなることもありますが, 後者の実際に行動する部分が抜け落ちている人もよくいます. 特に理屈重視で腰が重い, 私のような人間です. 多分わざわざ私のメルマガを読み続けるような人はよくも悪くも似た人なわけで, これこそはっきりと「あなたがそうです」と言った方がいいのかもしれません.
この辺, 言霊と定義・定理みたいな話をよく思います. 言霊みたいな話をするとうさんくさいと思う人がいるかもしれないのでちょっとコメントします.
時々「すぐれた定理は定義になる」と言われます. 代表的なのは微分積分です. 微分積分が重要な局面は数多く, だからこそそれらの源である連続性・微分可能性・可積分性が理論の核になります. このとき「この性質が大事だ」と名前をつけて概念に魂を吹き込みます. ディラックが「私の方程式は私よりも賢い」と言ったように, すぐれた記号や概念運用はそれ自身が強い意味を持ち, 思考をリードしてくれます. これに宗教色を与えた言葉が言霊だ, というくらいの感覚を持っています.
多分言霊というとうさんくさいと思っても, 数学・物理・プログラミングでの定義や概念に対する適切な命名や記号化と言えば受け取りやすい人も多いのではないでしょうか. 上でタスクマネジメントみたいな話も私からなら受け取りやすかろうと書いたのはこういう話です. 数学・物理・プログラミング勢に伝わるように変換できるからです. 結城浩さんの名前を挙げたのも, 結局この技術を磨き抜いている人で, 数学・物理・プログラミング勢を越えた層に届く変換能力を持つ人だからです.
この話, 今回はこんなところで.
習慣とメンタルと言えば, ということでちょっとダイエットの話もします.
新型コロナで肥満が危険因子と言われていました. 私は白血病で身体が弱く, あまり運動もできない時期が続いてその間じわじわと太り続けていてやや肥満でした. できる限り適性体重にしようと医者に言われたため, この一年くらいダイエットを続けていて, 無事適性体重にはなりました. 目標にはまだもう少しあるのでダイエットは継続中です. ここ数ヶ月は停滞中ですが, 半年で6kg程度は痩せました.
痩せた方法はごく単純です. 摂取カロリーが消費カロリー以下なら嫌でも痩せるわけで, 食べ過ぎず適度に運動すればよいのです. これまで食べ過ぎだった面もあるので, 毎食の食べる量を少し減らしつつ, エアロバイクを買って毎日二時間から三時間, 作業・勉強をしながら漕いでいます.
これは去年いきなりはじめたわけではありません. まず七年程前にいい加減体力をつけるための工夫をしようと思い, 子どもの頃にやっていた柔道を再開しました. そのうち中学生くらいともっと稽古できるようになるべく筋力もつけようと思い, ジム通いをはじめました. せっかくならしっかりボディメイクもしようと思い, 食事や生活に気をつけるようになりました. 五年程度じわじわ環境と習慣を作ってきたのです. そして今回, ようやくダイエットモードとしてお腹がすいても我慢する・我慢できるようにするメンタルも作り上げました. いわゆるチートデイなど嫌にならない工夫も入れ込んでいます.
前もメルマガで書いていたように, このときの一つのキーは「実験科学の視点」です. ダイエットなり体力作りなり筋トレというとなかなか精神的なハードルが高いのですが, 自分の身体での人体実験・検証と思うと多少なりとも心と身体を動かしやすくなったのです. これも言霊バリアーなのだと思います. どういう言い方をすれば自分が受け入れやすいのか工夫したわけで. 世間的には「人体実験」と言った方が嫌がられそうですが. 何かやる上で自分に合った言霊を見つけるのは大事なのも改めて実感した次第です.
あなたも数学・物理・プログラミング関係で何かしたいのだろうと思います. 自分が行動しやすくなるような言い換えを探してみてください. 今年は競プロやプログラミングを含めた計算し倒す系に集中しようと言っているのも新たな言霊獲得のための特訓中なのです.
2月下旬新刊予約受付中 『数学のとびら ルベーグ積分と測度』山上 滋(裳華房) 測度論を経由せず、積分を線型汎関数として捉えるというアプローチで記述された、これまでのルベーグ積分とは異なる画期的な入門書。
これは私が愛してやまないリース-マルコフ-角谷の定理を背景にした議論で, 現代数学探険隊解析学編でも取り上げています. 実は現代数学探険隊でも当初はこの本にあったようなアプローチを取ろうかと思っていました. 学生時代の私の専門である作用素環, そして線型代数とのリンクもいいお気に入りのアプローチでもあります. ついでにいうと山上先生も作用素環系の人(のはず)です.
このアプローチを取らなかった理由も念のため書いておきます. 端的に言うとルベーグ積分に制限がつくからです. 少なくともリース-マルコフ-角谷の定理を前提にしようと思うと.
リース-マルコフ-角谷の定理ではコンパクトハウスドルフ空間上の連続関数環の双対空間を考え, この元が上記の「積分を線型汎関数として捉える」の線型汎関数です. つまり基礎の空間に位相が, それもコンパクトハウスドルフ性が必要です. 応用上この仮定を満たすことも多いとはいえ, 特に確率論では裸の可測空間上での議論が必要な局面が多いのも実状です. ちょうど今書いたように応用上はどうにかなる場合も多いのですが, 入門書で書かれる基礎理論では逆に位相空間論を知らないといたるところでハマる可能性があります. もっと言えば「位相空間を知らないとこの本は読めないのでは?」と思わされる可能性です.
積分論の本当に最近の進展は追えていませんし, 位相空間論を意識しなくても問題ない, 私が知らない定式化があるのかもしれません. いい傾向とは思えませんが, 機械学習などで測度論を知らないといけないとかいう風潮が一部にあるようで, その議論をおさえられるこの本に興味がある方もいるでしょう. 今年は計算モードなので読む時間が取れなさそうです. これから読もうという方がいればぜひ感想を教えてください.
今日2月22日は #猫の日 『猫の着地を理解するための幾何学・力学・制御講義』 岩井敏洋(京都大学名誉教授)著 https://bit.ly/36lchuG
"The falling cat is an interesting theme to pursue"で始まる数学書 https://bit.ly/3s7IHRM #LectureNotesinMathematics 第2289巻(2021年刊)です.
結論からいうと猫の宙返りは力学的・制御的に面白いという話で, そこに幾何学の事情も絡みますよ, といういろいろな視点から楽しめるテーマです. いまだ勉強しきれていないのですが簡単にいまの私の理解を書いておきます.
猫が宙返りするには尻尾をうまく使っています. 力学的には何か力がはたらかない限り運動できません. 空中にいる猫には重力しかはたらいていないので, ふつうに考えると回転にあたる宙返りは不可能です. これを可能にするのが尻尾の存在で, 尻尾と身体を逆向きに捻れば反作用的に自分の内部で力を産み出せ, 空中でも身体を回転させられる寸法です. もちろん角運動量の話です. ここには幾何の事情もあり, 物理的にはゲージ場と等価な話だ, といっていろいろな研究があります.
学生時代, 作用素論・表現論的な視点から勉強していたアハロノフ-ボームとも関係があり, 前々から興味があったものの, 微分幾何方面の素養がないから微分幾何をはじめとした幾何を勉強していたのがここ数年, という何度か書いている経緯があります.
普段は全然使わないくせに、要所で伏兵のように経済学徒を襲ってくる複素関数論、この教科書は大変おすすめです。高校数学の教科書みたいな圧倒的な読みやすさです。 フレンドリーで丁寧な説明で、章末問題は解答が充実してます。これはゼミが助かるなあ。
何に使うとかあまり意識していなかったですが経済でも使うんですね! 今ちょうどこの本の線積分の章を読み進めているところです
経済学そのものよりも、経済学で使う統計学で不意打ちしてくる困ったやつです。
計算結果だけ使えばいいのでは感しかないのですが, そういうこともあるのかと思い紹介しておきます.
いろいろな積分計算と言えばフーリエ変換やラプラス変換もあり, 常微分方程式の解法としてのラプラス変換の計算の応用は電気回路の理論にもあります. 学部のとき応用物理系の講義もあったのでそこに出ていたら, 工学出身の先生が「これは表を見て使えればいい」と言っていました. その辺の割り切りをすればいいので経済で関数論の勉強とかやめた方がいいという気分しかないのですが, 経済には経済のいろいろな事情もあるのでしょう.
われらが筑摩が演習詳解力学を復刊してくれるようです. 猫の話を紹介したように力学由来の話は汲めども尽きぬ物理の源泉ですし, 馬鹿みたいな計算が出てきて必要な分野でもあり, 常微分方程式の数値計算で遊べる分野でもあり, いろいろなポイントがあります. 計算で遊び倒すが今年のテーマで手元に置いて損はなかろうと, とりあえず予約注文しておきました.
第一回が閉リーマン面でした. 時間が取れずながら聞きしかできていませんが, 期待のテーマなので応援も込めて宣伝します.
数理物理やるんでもなければ物理に厳密な数学はあまり有用でないと思っているが一方で様々な数学を知っていて使えることはどこに行っても大いに役立つという感覚
厳密な数学で物理に挑もうと思うとナビエ-ストークスを筆頭にスタートの遥か手前で既に死ぬので、あくまで物理と思って取り組みたいなら取り組む問題が死ぬほど限定されるか、もしくはそこだけピンポイントに狙い打てる凄まじい物理の嗅覚が必要です。
若い頃のPenroseとかはまさに嗅覚が凄まじかったんだろうなと思います
今日も堀田量子の堀田さんが「厳密な数学で物理に挑む」的な話に暴言を吐いていて困ったものだと思っていましたが, それはそれとして数理物理を物理にするのは大変ですよというのは何度でも言っておくべきだとも思っています.
先日から言っているように, いま数学・競プロからのプログラミング入門として素数判定コンテンツを作っています. 出張が思ったよりもボディブローのように効いていて今月中にリリースまで行きませんでしたが, もう少しでできそうです. 3月第一週にはリリースしたいです. (ちなみに世のいろいろなコンテンツに挑むたためのミニコンテンツで, 無料です.)
素数判定高速化に関して時間測定が必要なわけですが, そこで時間測定に関連して平均をみたりする簡単な統計処理が必要です. もちろん本格的な統計学は大変で当面そこまでやる予定はありませんが, 簡単なプログラミングでも数学絡みで統計処理が必要な場面として一つの導入になるとは思っています. そのばらつきを考えた時間測定からの統計学入門の入門というか. この辺も一つコンテンツを作り込んでみるといろいろ議論するべき点が見えてくるので, 試行錯誤しているところです.
DI, 関数型言語なら単に関数を差し替えればいいのでは? という雑な理解しかありません. ただReaderモナドやFreeモナドで議論するという話になっているようで, そこに興味があります. FSharpPlusを使っているとのことで, その辺も興味があるのでちょっと読んでみようと思っています. まずは無料サンプルを読んでみます.
ちなみに我らがF# for Fun and ProfitでのDIの解説.
Clojure版のデザインパターンを論じた次のページも非常に面白いです. 言語こそClojureですが発想としてはどの関数型言語でも使えるはずです.
本書ではWindows環境にて、Visual Studio 2022と.NET 6を用いてWindows用デスクトップアプリケーション開発を行います。 開発言語にはF#を採用します。
DIの記事を見ていたら見つけたので. F#, .NET系の資産を使えるタイプの言語なのでもっと遊んでみたいとは思っています.
これは自分用の備忘録でもあります. 古びないプログラミング系コンテンツにふさわしい言語として一つ候補に挙げているからです. あとはやはりREPL開発が本当に気持ちいいからです.
最近コンテンツ制作と競プロ演習でプログラミング系の計算ばかりやっていてなかなか例と計算編が進んでいませんが, 今週は少し進捗を生みました.
どちらも位相空間論の面倒な議論はさほど必要ではなく, 定義を適切に扱えればそれで終わるタイプの議論です. あくまで知識ベースの話としては, しかし十分な習熟がないと位相の言葉に目が眩んでどうしたらいいかわからないという人も多いでしょう. 単純に行列の話にまで落とし込んだとしても, です.
数学的にも意外といろいろなところに尾を引く面白い議論です. 何せ行列群の特性と位相空間論が結びつくわけで, こうしたところから位相空間論に親しむ手さえあります. 直交群・特殊直交群自体は絵に描けませんが, 絵に描ける事情が群の代数と位相に影響しているという意味では絵に描けます. そして後者は位相的性質と代数的性質の連携を謳う重要な命題で, ヒルベルトの第五問題に直結する大きなテーマです.
まとめましょう.
この問題は良さを実感するだけでも相当の数学力が必要だとは思いますが, とにかくいいところが散りばめられた問題(命題・性質)です.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.
数物系のメルマガが式を含むことも多いため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.
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「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります.
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何となく(アインシュタインの特殊相対性理論の)スペイン語は読めそうな自信がついてきたので, 来週から本格的にアラビア語, 特にクルアーンの読解をはじめる予定でした. しかしこの世界情勢下で新たに言語を勉強するなら, ロシア語だろうと思い, 急転直下ロシア語の(再)勉強にシフトします.
本来はウクライナ語の方がいいのでしょうが, ウクライナ人はほぼ全員ロシア語が話せ, 実際に非常に近い言語だとも聞いています. 私の観測範囲・検索能力では教材などを含めた情報量はロシア語の方が多く, 勉強しやすさが違うのでいったんウクライナ語ではなくロシア語に向かいます.
ピアノをやると頭が良くなるというより、ピアノみたいに正確性と忍耐力の求められる細かい反復動作を一人で毎日何時間も根気強く練習し続けられる時点で、そもそも勉強にも向いているよねと思う
数学・物理・プログラミングでも同じです. そしてこの手のコンセプトから最近『英語のハノン』という本が出版されました. 「スピーキングに役立つ文法」というコンセプトで, とにかく発音のくり返し練習をさせる本です. 実際去年末あたりから毎日夜寝る前に一時間やっています. 一日たった一時間とはいえ, 一年続ければ少しはまともになるだろうと思い, 歯をくいしばって続けています.
少し長めの文だと覚えきれないだろうと思ってはじめは本を読みながらの音読だけにしていたのですが, 苦手だからと逃げてばかりではいけないと思い, この数週間は本を開かずに音声を聞くだけのリピートでがんばっています.
Windows SAPIを使って合成音声を直接ファイルに落とすコマンドラインツールが欲しかったのだが、適当なフリーソフトがない。仕方ない、作るか・・・
Macでコマンドがあるのは知っていたのですが, Windowsにもあると知ったのでメモがてらシェアします. 以前単語暗記用にフランス語単語集を作って, その発音チェックしつつの暗記のためにMacで音声ファイルを作ったことがあります. こういうのもちょっとしたプログラミングができれば自作で対応できます.
散発的な対応ならGoogle Translateでも対応できます. ただ大量に生成してくり返し聞き込みたい場合, やはり音声ファイルを作るべきです. そんな自分用メモでした.
先頭は現在分詞が導く分詞構文で副詞句です. カンマからも区切りが明確です. 他の動詞はson (<- ser), derivar, resulta (<- resultar), serがあります. 英語と違ってスペイン語では動詞の原形は本動詞として使えないため, 本動詞はsonとresultaの二つです. 他の要素を大きく見ればカンマのあとからson (<- ser)が動詞の主節で, そのあとにqueが導く関係代名詞節が来ているはずと推測できます. この推測が正しいか検証します.
冒頭がbasando+nos (<- basar)の現在分詞です. 英語でいうbased onがbasar enでla teoríaが続きます. そのあとのde Maxwellがof Maxwellです. さらに前置詞paraが導くpara cuerpos, 前置詞enが導くen reposoがあります. あとは名詞の性数などの注意点があるだけで構造は素直です.
まとめると次のように英訳できます.
英訳すると見かけの構造が多少変わります. at restはコロケーションの問題でふつうenに対応しないatが来ています.
冒頭のestasは英語theseにあたる女性形の複数形です. アクセント記号の有無でbe動詞estarの二人称単数tú estásと区別しましょう.
先程書いた通り本動詞はsonでserの三人称複数現在形です. 主語は三人称複数なのでhipótesisは単複同形性に注意すれば, 素直にestas dos hipótesisとすればよいでしょう. 動詞がbe動詞なので英語で言う第一文型か第二文型の型になるはずで, 後ろは副詞・副詞句だけか補語が来ます. ここでは形容詞suficientesが複数形の活用形で出ているため, 補語で判定できそうです.
次に原形derivarがparaをしたがえている点に注意します. 英語で言えば目的用法のto不定詞です. derivarは他動詞なので目的語があるはずで, 確かにuna electrodinámicaが続きます. さらにこれを補足説明するde cuerpos, en movimientoが続きます. 物理の話の流れとしてはこれで一まとまりとみなしていいでしょう.
まとめると次のように英訳できます.
本動詞はresultaです. 特に原形のserがあるためturn out to beにあたる熟語resultar serとみなします. 形式的にはbe動詞のようにみなします. 三人称単数現在形だから主語は三人称単数で, 後ろは副詞・副詞句か補語が来ます.
queは主語にあたる関係代名詞と判定でき, 先行詞は単数形ですがmovimientoでは意味が通りません. 意味が通る先行詞は単数形の名詞electrodinámicaです. 文法的にもう少しサポートします. 補語にあたる単語はyで連結された二つの形容詞sencilla y libreです. スペイン語では主語に合わせて形容詞が活用し, 前者は女性形だから主語も女性名詞でなければなりません. この点からも先行詞は男性名詞のmovimientoでは駄目で, 男性名詞かつ複数形のcuerposはなおのこと問題です.
最後のde contradiccionesはlibreとセットにして, 英語でいうfree of contradictionsと判定します.
まとめると次のように英訳できます.