2022-03-26

数学・物理 ミニ講座完成/相転移プロダクション

今回のテーマ

式を含むこともよくあるため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

メルマガのバックナンバーは次のページにまとめてあります. 興味があればどうぞ.

感想をください

「読んだよ」だけでもいいのでぜひ感想をください. メルマガを書く励みになります. 最近感想を頂く機会が増えてきたので素直に嬉しいです.

メルマガへの返信でも構いませんし, 次のアンケートフォームへの回答でも構いません.

ではまたメールします.

勝手に宣伝: 長谷川雄之, 数論アルゴリズムの数学的基礎

3月下旬新刊『数論アルゴリズムの数学的基礎』長谷川雄之(学術図書出版) 理工系の学生を対象として,初等整数論とその応用について解説する目的で書かれた.

  1. ユークリッド互除法
  2. 合同式
  3. オイラー関数
  4. 原始根
  5. 平方剰余の相互法則
  6. ミラー?ラビン判定法
  7. リュカ数列
  8. 2次ふるい法

ちょうどいま進めているプログラミングミニ講座のテーマとしてばっちりそうでとても気になっています. これ以外にも勉強しないといけないこともあって, なかなか時間取れないですえん. とりあえず読書リストに突っ込んでおきました.

勝手に宣伝: 雪田修一, 代数学のレッスン 計算体験を重視する入門

4月上旬新刊『代数学のレッスン 計算体験を重視する入門』雪田 修一(日本評論社) 代数学でつまずいた学生を想定して書かれた本。演習問題で計算体験を習得し、証明のパターンを身に着けることに主眼を置いた。

この『演習問題で計算体験を習得し、証明のパターンを身に着ける』が重要です. 今年, 例と計算編を展開している大きな理由です. まだ出版されておらず中身を見たわけではないのでこの本自体の評価はできませんが, 例と計算編の意義をサポートしてくれる本でもあるため注目はしています. まだしばらく純代数の議論には進められないので, もしあなたが代数に興味があるなら手に取ってみてはどうでしょうか.

ツイート紹介: 楕円曲線の魅力

面白いツイート群だったのでまとめておきました. 楕円曲線も一度きっちり勉強してみたい対象です.

数学詳しい人に聞きたいけど、楕円曲線ってなんで豊かな性質を持つのですか?もっと高次式の曲線考えたらそれも楕円曲線みたいに豊かな性質持ちますか? 人類はまだ高次の曲線の性質を知らないから楕円曲線の研究をやってるのか、もうすでにいろいろ分かった上で楕円曲線が特別に面白いのかどっちなんだろ。

(ガチの代数勢でないので詳しくは知らないですが、)昔見た動画。 楕円曲線はなぜ特別か? @第10回日曜数学会 お酒を飲みながら数学の話をするイベント「日曜数学会」。そのメイン企画である数学LT(5分間の発表)...

座標の有理式で書ける点と点の演算が定義され、曲線そのものがそれでアーベル群になるからでしょう。こういう性質を持つ曲線は楕円曲線しかありません。(高次の曲線への拡張(ヤコビ多様体)もあるけれど、関係は直接ではないし、手でかけるほど簡単でもない)

これに対してもう少し詳しい話.

「楕円曲線はなぜ豊かな性質を持つのか?」というのは大変興味深い問いだと思います。 「穴の数が1個だから」という答えが僕の理解です。 例えば楕円曲線が持つ豊かな性質として、その幾何学と非常にマッチした「群構造」があります。?/(格子) という構造を持つと言い換えても良いです。

上の話をまとめると、楕円曲線が持つ様々な性質のうち群構造については 穴の数が多い曲線に対しては一般化できず、代わりに?^g/(格子)に一般化できる ということです。 となると群構造以外の他の性質はどうかが気になりますが、どうやらあまり研究が進んでおらず未解明の部分が多いような気がします。 例えば、楕円曲線が持つ豊かな理論の一つに楕円関数論がありますが、これを他の曲線に拡張する研究は他分野ほどは進んでいない印象があります。 (※楕円関数論の拡張については、岩手大学の大西良博先生が大変興味深い研究を精力的にされております。参考:URL ……というような事情から、 「高次式の曲線も楕円曲線のように豊かな性質を持つか?」 という元ツイ2番目の問いに対しては ・元の曲線は持たないがC^g/(格子)が持つ性質もある ・持つかどうか未解明な性質もたくさんある というのが私の持ちうる答えになります。 ※ここで「高次式の曲線」と「穴の数が多い曲線」を同一視して話をしています。一般に曲線の定義方程式の次数が上がると穴の数も上がります。

ここで 「楕円曲線が豊かな性質を持つのは穴の数が1だからだ」 という最初の話に立ち返ってみたいと思います。 これは逆に言うと 「曲線の穴の数が1なら豊かな性質を持つ」 と言ってしまえそうです。 ※対偶ではないので論理的には間違っています 3月19日 そこで、抽象度の高い数学の理論では 「穴の数が1の曲線を楕円曲線と呼ぶ」 としてしまうのです! ※数学ではこういう逆転現象がよく起こります 実際のところ、この定義は元々の楕円曲線の定義と等価であることが分かります。 y^2 = ax^3 + bx^2 + cx + d という定義方程式を持つ曲線だ、というものです 「穴の数が1の曲線を楕円曲線と呼ぶ」 という定義を採用することのメリットは、適切な高次元化の方向性を考えやすくなるということです。 この方向性での高次元化としてカラビ・ヤウ多様体というものが考えられ、現在非常に活発に研究されています。

※1次元カラビ・ヤウ多様体が楕円曲線

まとめると、 「楕円曲線はなぜ豊かな性質を持つのか?」 という問いは 「楕円曲線の穴の数が1だから」 と答えることができ、しかもこの答えを掘り下げることで現在最前線で研究されている概念(カラビ・ヤウ多様体)に到達できる、ということになります。 元の問いの重要性が分かると思います。 ここで書いたことは脇道に面白い話題がとてもたくさん転がっていて、本当はそれも話したいのですが、思っていたよりずっと分量が長くなってしまったのでここで打ち切ります。 この話題で僕が大好きなモジュラー曲線について触れないのは僕にとって有り得ないことなのですが、ぐっとこらえました(笑)

楕円曲線は代数曲線で閉リーマン面と関係があります. リーマン面についてはここにいくつか参考情報を書いてあるので, ぜひ参考にしてください. リーマン面もいったんノートを書いたきり, きちんと復習できていないのでこれもどこかできちんと整理したいとは思っています.

勝手に宣伝: 沙川さんが本を出すらしい

4月発売(arXiv版あり) Entropy, Divergence, and Majorization in Classical and Quantum Thermodynamics

6月発売第2版 量子測定と量子制御 2016年 03 月号 [雑誌] (数理科学 別冊) URL

7月発売シリーズの「非平衡熱力学」 基本法則から読み解く物理学最前線

量子情報・測定まわりの量子力学は前から気になっていますし, ノーベル賞のパリージの場の理論・統計の本が面白いというのも見てから改めて統計力学熱が高まっていますし, この間相談を受けてから熱力学熱も高まっています. きちんとノート作りつつ再勉強しつつ, コンテンツ化もしたいですね.

勝手に宣伝: 片桐孝洋・大島聡史, C&Fortran 演習で学ぶ数値計算

これも読んでみたい本です. 数値計算も体系的に勉強したわけではありません. CやFortranだと何でグラフやアニメーションを作るのでしょうか. Gnuplot? お絵描きが絡んだところで腐りにくいコードを何でどう書くか, いまだに解が見えていません. 数値計算はほんの一歩進んだだけで一気にとんでもなく難しくなることもあり, どこまでどう手を出すかも難しいです.

勝手に宣伝: 宮岡礼子『極小曲面』

唐突ですが、間もなく「共立叢書 現代数学の潮流」の新刊を発行します。本書は、他分野に及ぼす影響も期待される、と言われている「極小曲面」に関する書です。https://kyoritsu-pub.co.jp/series/18/

本書は、極小曲面論が研究の原点でもあった筆者による、極小曲面論の基礎を中心として執筆された書籍である。基本を身に付けることができるよう、Euclid空間内に議論を絞り、関数論的アプローチと幾何解析的アプローチ、双方の良いところを取り入れ、解説している。また、前半は多くの知識がなくとも理解できるように、また後半は専門的な議論もあるが、今後の研究の展開につながるように、意識して書かれている。さらに、類書にはあまり見られないPlateau問題の解の存在とレギュラリティについても解説しており、価値の高い1冊と言える。

関数論と幾何解析という私の興味があるところにフォーカスがあるようで, とても気になっています. 関数論や微分幾何もいろいろノートを作ったのですが, その見直しさえできていません.

ツイートから: 場の量子論の数理物理の研究者

トポス量子論は全く把握していませんが、場の量子論の数学方面で、作用素論方面だと新井朝雄先生とそこの関係者(北大の宮尾さん信州大の松澤さん佐々木格さん鈴木章斗さん)あたりがいます。 後は確率論と作用素論で九大の廣島先生(とその関係者)がいて、作用素環だと定年退官されていますが小嶋泉先生とその関係者(例えば西郷さん)がいます。完全に数学としてやっている人なら東大の河東先生もそうです。 九大は原さんもいますし、比較的近いと言えば近い厳密統計力学の松井先生も九大です。あと服部さんはTwitterにもいます。これは私の守備範囲の解析系の人達です。場の量子論ではなく超弦系なら何というかいっぱいいます。 mp_arcやarxivのmath-phを眺めていると、人と研究の様子がわかるので眺めてみてはどうでしょうか。ずっと眺めているとどんなキーワードで調べると何が出てくるか、どんなテーマやどんな人の研究に興味があるかも少しずつ見えてきます。

大島利雄先生のPDF紹介: Japanese TheoremとRisa/Asir

大島利雄先生による「Japanese Theoremについて」相変わらずRisa/Asirに対するHackがすごいです.https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~oshima/lecture/sangaku0.pdf os_muldif.pdf が540ページ超えてる.https://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~oshima/muldif/os_muldif.pdf

大島先生に関して次のような逸話を聞いたことがあります.

研究科長のような職につくと事務の負担でふつうは研究が捗らなくなり, 出せる論文も減るのがふつうだろうが, 大島先生は東大の研究科長になって論文数が増えた. 理由はライブラリを書かなくなったから.

上の引用にもあるように大島先生はプログラムをゴリゴリ書ける人で, 研究をはじめるときにはまずライブラリの整備からはじめるそうです. 研究科長になって時間が取れなくなるから, とプログラムを書かないようにして研究時間を捻出したとか.

当人から聞いたわけでもないので完全に真偽は保証できないものの, 化け物クラスの人類ではあることも間違いありません.

例と計算編をもとにした通信講座を作ろう

この間いくつか相談を受けたので, 改めて通信講座を作る予定です. あとでまたきちんとした文章を書く予定ですが, いったんいくつか考えていることをシェアしておきます.

まずどのような要望があったか整理します.

細々とした話はもっとありますが, おおよそこんなところです.

以前やっていた現代数学探険隊解析学編はさすがにハードすぎます. 時々メルマガでも宣伝協力しているように, 最近個人指導系のサービスはかなりたくさんできていますし, 個人で請け負っている人もそれなりに見かけます. ただ個人指導系はかなりの金額になるため, 何かいい落とし所を作りたいとはずっと思っていました. 例と計算編のコンテンツ販売もその一つです. そして今回, 実際にお問い合わせも入ったので, モニターになってもらっていい落とし所を探ろうと思っています.

いま考えているのは, 例と計算編の拡充を進めつつ, これをもとにした通信講座コンテンツです. 具体的に要望をもらったところから整備しようと思っていて, 特に物理の方, 古典力学からはじめたいと思っています. これは常微分方程式とそのシミュレーションの観点から, プログラミング系のネタ・コンテンツも作りやすい利点があります.

以前YouTubeに古典力学の動画を投稿していて, ちょうどそのコンテンツの資産もあります. それを通信講座として整え直そうと思っています. いい感じに微分積分の復習もできますし, 運動学として曲線論(微分幾何入門)にも触れられます.

問題は料金と課金体系です. 例と計算編をもとにする以上, その購入者の方に対する金額には配慮が必要です. 一方で通信講座の運営という点で別のサービスでもあり, その運営費用も必要です.

あと, どうしても外せない大事な点があります.

最後の項目はこの間全然違う知人と話したときの話でもあります. 安くないお金を払ったのだからやらないと損だ, という話でもあります. そういえば, 上に書いたように(多少間違い(タイポ)もあるのは許してもらうとして), 古典力学などいくつかのコンテンツはYouTubeに放流しています. リストにまとめてもいるのでそれで勉強したい方はそれで進めてもらっても構いません. 異様なやる気を継続できるなら問題ないでしょうが, そうではないと思っているから通信講座を作る話になっています.

ちなみに, 私自身, 有料の通信講座を止めている間, 調査も兼ねていろいろな通信講座に参加していたことがあります. 例えば一週間に一度, 15分程度の動画コンテンツが一年半配信される講座を受講していて, この程度でも結構大変でした. もちろん興味があってそれなりの金額を払ったにも関わらず, 少し気を抜くと後回しにしがちでした. 最終的には気合を入れて必ず勉強の時間をおさえて取り組んではいたものの, 一定の興味があって受講した講座さえ, 毎週15分がこれ程きついのかと驚いた経験があります. やる気があったはじめの二ヶ月程度はともかく, やはり一年半の長丁場がきついのは実体験としてあります. せっかく相談を頂いたので, 自分の講座としてこのあたりを調整するいい機会だと思っています. きつすぎず, 気分もリフレッシュしつつ, モチベーションを保ちながらテンポよく勉強できる通信講座の形を探っています.

長くなってきたのでいったん切ります.

通信講座の具体的な話

まずは改めて予定している内容を書きます. 正直ベースで書いておきます.

この基本方針のもとでコンテンツの配布法や金額も決めます. 例と計算編を買った人には当然その分安くします. 私がメンテしやすいような仕組みも必要で, 細部はまだまだ詰める必要があります. 本当に細かい部分はやりながら調整する予定です.

ここでも適宜案内はする予定ですが, もしあなたが通信講座に興味があれば, メールなり何なりでご連絡ください.

プログラミングのミニ講座, 素数判定編完成

上記ページにミニ講座本体の三コンテンツへのリンクと, メール講座用の原稿が置いてあります. 一応メール講座登録ページへのリンクも置いておきます.

コンテンツと原稿は上のページに置いてあるので, もしあなたがバリバリ読み進めたいなら, メール講座を待たずにどんどん読み進めてしまってください.

タイトル通り素数判定の話で, ごく基本的な話しか書いていません. 他にも何というか「物理学科の数学スタイル」というか, 「習うよりも慣れろ」方式で書いています. これは世にいろいろな本やコンテンツがあること, 陳腐化を回避するための対処でもあります. プログラミング学習として基本的なことは意図的にほぼ省いてあり, これでどこまで受け入られるかの調査の意味もあります.

これはこれで計算に力点を置いてあり, 今年のテーマ, 例と計算の一環です. メール講座では数学系プログラミングの学習案内も書いています. 一応リンクも張っておきます.

特に第五回以降が学習案内です.

久しぶりに本格的に活動しようと思っていて, TwitterかFacebookで広告を打ってみようと思っています. もしあなたも宣伝協力して頂けるなら, メール講座登録ページをぜひ紹介してください.

もちろん「これだとこういう点が勉強しにくい」といったご批判も大歓迎です. あと地元の区議の方にも改めて活動報告しないといけないですね.

適切な言語で読む

中高の古典の授業、枕草子の音読課題で先生が「君ら関西人なんやから関西弁で読みなさい。当時の標準語は京言葉やで」と言うので関西アクセントで読んだら、訳のわからなかった呪文が途端に生きた言語としてスルッスル入ってきたカルチャーショックから

古典を好きになったきっかけは何ですか

いやほんとあの体験は凄かった 関西弁で読むだけで聞き慣れない古典単語や文法も感覚的に意味が通じるんだもの あの感動が忘れられなくて、阿岐の書く平安小説の登場人物はああいう口調なのです そしてこれは大学受験あまりに関西人有利では、と圧倒的不公平を感じもした だから関西圏の高校生には社会は日本史選択にしとけと思うし古典を出題する大学を受験しろと思う 平安京藤原京長岡京の位置関係を問う問題で悩まないでいいのは君らだけの福音なんだぞ門前の小僧ども! 世の中、単語帳で必死に覚えなければ「淀川」の河川名を忘れてしまう人のほうが多いんだよ?

(こっちにもぶら下げておこう) 10代の多感な頃にそういう衝撃を受けると大人になって平安時代舞台の歴史小説とか書いちゃうんだぜ、もちろん台詞は古語+京言葉??

語学ネタに入れるべきかもしれませんが, あえてこちらに入れました. プログラミング言語ネタとしての議論でもあり, 数学や物理の話でもあります. やはり自然に関する議論がしたければ, 自然言語よりも数学を使うべきでしょう. プログラミング言語にしても, 問題ごとにある程度は適切な言語があります. トレードオフがあるにせよ, 高速な処理が必要なところで遅い言語でがんばるのは非効率です.

メモだけしておいて何を書こうとしていたか忘れてしまいました. 思い出したらまた何か書きます.

今週の問題

不等式処理能力を持つ大学受験生はそうそういないという点で実際にはまずありえないとは思うものの, 前者は大学受験でもありそうな和に関する不等式が, 二次形式, もっと言えば正型関数・特性関数・ボホナーの定理関係の深い議論につながり, さらに量子情報系の議論にまで発展します. 例えば完全正値性と関係があります. 2022-03-26時点では例と計算編の「2.9.3いろいろな不等式, 2.9.3.2 広義の二次形式」に収録しています. ボホナーの定理は解析学編でミンロスの定理として何度か触れています. 通信講座とも絡めた販売中のPDFコンテンツには入っていませんが, 手元の解析学編の続編ノート中, 確率論パートには収録してあります.

全然関係ない(はず)ですが, 微分幾何でもボホナーの定理という有名な定理があります. これも未公開の微分幾何ノートには収録してあります. いったんゴリっとノートを書いたきり, 詳しくチェックしていないのでタイポなどが大量にあり, 公開できるレベルではありません. これも早く公開したいとは思っていますが, まだまだ時間がかかります.

一次元のアフィン変換群は非コンパクトで非可換かつ連結な二次元リー群です. リー環や指数写像が具体的に書ける上, いろいろな計算もやりやすいのでこれも例と計算編としては一つ大事な対象です. これはいったん幾何編の線型代数パートに突っ込んでいて, 例と計算編に移動するかどうか考えているところです. 幾何編で行列リー群の一般論の指数写像につなぎで入れたのですが, 具体例にうつした方がいいかを検討中です.

現状このコーナーは線型代数の宣伝のようになっています. ぜひ積極的に日々の学習に取り入れてみてください.

例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.

例と計算編は次のリンク先から購入できるので, 興味がある方はどうぞ.

語学 特殊相対性理論ロシア語版第二文/相転移プロダクション

今回の内容

数物系のメルマガが式を含むことも多いため, 記事本体はアーカイブサイトへのリンク先にまとめています.

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ドイツ語Zucker

私が所属している語学コミュニティのウクライナ語の講義中に出た話題をちょっと調べてみたら面白い話が出てきたので.

ウクライナ語の「砂糖」はцукорと書き, カタカナで無理やり読みを書けば「ツコル」です. 上記リンク先を見るとわかるように, ポーランド語cukierやドイツ語Zuckerの借用語で, Zuckerは英語sugarと同根です. さらにWiktionary先生によると, Zuckerはアラビア語・ペルシャ語・サンスクリットと同根です.

面白かったのは英語のところです. 人名由来でありつつ微妙に意味も交錯するZucker ratのような概念もあるようでちょっとびっくりしました. 例えばZucker fatty ratという概念があります.

  1. 由来

1961年 Zucker らにより13C 系ラットとM系ラットの交雑種13M 系の中に突然変異体として発見された。

1980 年代前半、米国インディアナ大学において通常は糖尿病を発症しない肥満モデルであるZucker fatty ラットの中に糖尿病を発症するラットが見い出された。これらのラットを選択的に交配することにより確立された自然発症糖尿病モデルが Zucker Diabetic Fatty (ZDF) ラットである。

今週のロシア語: アインシュタインの相対性理論の原論文, ロシア語版第二文

文法を並行して勉強中なので, まだよくわかっていない部分があります. 他にもわかった気になっているだけで実際には全くわかっていない(間違っている)部分もあるでしょう. 変なところがあればぜひ教えてください.

ついでに, ゼレンスキー演説をネタにウクライナ語 (いま話題なように一応ロシア語とも近い)を勉強したいとも思っています. 各国の演説で各国への翻訳はあっても原文が見当たりません. 日本のウクライナ大使館アカウントにもリプライを飛ばしてみましたが, 返信がない状態です. もしかしたらウクライナ本国のサイトには演説原文が置いてあるとか, 他にも何かしらどこかしらに演説原文があるかもしれないと思ってはいますが, ウクライナ語(またはロシア語)はまだ全然読めないので探せません. もしあなたがご存知でしたらぜひ教えてください.

文構造

напримерは副詞の挿入で, 残りがシンプルな文です.

TODO 先頭のВспомним (to recall)が動詞です. 上記の英訳ではtakeが対応しています.

электродинамическое (electrodynamic)は形容詞の対格で, взаимодействие (interaction)は中性名詞の主格または対格なので, взаимодействиеは対格で, электродинамическоеが修飾しているとみなせます. между (between)は具格支配の前置詞で, магнитом (и) проводникомはともに具格だからこれらがセットです. ここでиはandの意味の等位接続詞です. さらにсは具格支配の前置詞でтоком (current)も具格だからこれらもセットです.

まとめると次のように英訳できます.

単語