自己参照
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仕事関係の勉強が忙しいというか楽しいというか, そんな状況で数学は亀のような進捗です. もともとずっとやろうと思っていたフロントエンドまわりで, この仕事の蓄積をそのまま通信講座などにも援用する予定なので, 回り回って全て数学のためではあります.
今日も一日, 朝に一時間程度データ構造とアルゴリズム関係でAOJを眺め, その後はひたすらプログラミングです. 先程もいつの間にか通信講座の勉強会の開始時間を過ぎていて, 泡を食ってしまいました. どう控え目に言っても私のプログラミング能力は低いのですが, 一日中続けられるのだから性に合ってはいるのでしょう.
フロントエンドまわりはデザインをもっと固め打ちしようと思っていて, もっと実践的に取り組もうと思っています. 実際にフリーランスでやっているタイプの数少ない知人がいま再びクリエーションのチームを立ち上げようとしているらしく, そこに講師役で乗り込むくらいの感じでフロントエンド, 特にデザインコーディング回りで巻き込み・巻き込まれていこうかと画策しています.
ここ数年勉強会をいくつかやってみて思いましたが, 人を巻き込まないとなかなか動けません. もっと言うと少しはじめるくらいはできても, 続けられないことがはっきりしてきました. 結局, 私が問答無用で続けられるのは数学くらいしかないようです.
これはもう私の現実として受け入れざるを得ません. だからやりたいことは私の脳内で数学にしてしまうか, 人を巻き込むしかないようです.
これも何度か書いているように, 最近の通信講座に勉強会を盛り込んだ理由でもあります. 時間は無理やり作るしかありません.
そういえば本の書評をやってほしいというアンケート回答がありました. 本は何かしらずっと読んでいますが, ノートを取りながらじっくり読んでいるため亀の歩みで, 読んでいる冊数は極小です. 書評というより参考文献集ですが, 以前ある程度書いた分がここあるので, 興味があれば眺めてみてください. 日付を見ると2015年で, 最近の量子力学の物理まわりの話など大事な本に対する更新がありませんが, 一つの参考にはなるでしょう.
アカウントがはっきりと紐づけられているわけではありませんが, 自己紹介欄の本を見ると多分これの著者が中の人なのだろうと思います.
数学の対象は幾通りもの考え方やそこにたどり着く方法(証明方法)があって,そのどれかはすごく簡明かつ簡単で,他のものは辿り着くのも計算も不可能なくらい複雑,そういうものですからねー.どんなものでも当てはまりそうです.1/n
ある方法ではあっという間に片がついて,他の方法だと不可能そうに見える.その「ある方法」に気がつくのが数学の本質だ,そう思いますね.2/n
数学女子さんの挙げた曲率なんかもそう. おそらく講義では長さパラメータ s を取って... と決める.しかし,実際に s を計算して定義通りに曲率求めようとするとすぐに破綻する. 「うまい」局所座標を使って求めなくちゃ. これはいい演習問題になりますね.3/n
どんな局所座標を持ってくれば,どんな計算になるか. n 次元空間内の曲線のときはどうか. 面積も同じかな. 4/n
幾何学とは本来,そのような局所座標の取り方によらずに決まる「不変量」を研究対象としているので,まぁ幾何学的対象なら何でもOK. オイラー標数とか.穴の数で数えてもいいけど,積分してもよい.積分をどう計算するのか? 5/n
ホモロジーもマイヤーヴィートリスを使って計算するとき,どのように曲面や立体を分割するのかによって計算は変わってきて,商群の取り方が思いもかけないものになったりしますね.6/n
レンズ空間や結び目の補空間なんかをうまく工夫して分割し,自分で計算するととてもおもしろいと思います. 7/n
一方,そのような具体的な計算よりも,数学の本質は 「計算しなくても答えは出る」というところにある, それを忘れない方がよいと思います. 8/n
私の友人のM先生がテストで,2つの上半三角・下半三角行列 A, B をもってきて,まず積 AB, BA を計算させ,その行列式を問うたそうですが,AB, BA を基本変形する人たちが続出したそうです. 9/n
行列式の計算はそれなりに楽しいものですが,答えは計算しなくても分かる.そこがポイントだと思います. 10/n
前半は予備知識も必要なので人によって全くわからない内容もあるでしょう. 特に大事にしてほしいのは9・10で, このツイートが行列・行列式を知っているなら何を意図しているのかぜひ考えてみてください. 一般的な行列で書かれているので逆に意図が掴みやすくなっています. 具体的な行列で書かれていると, ツイートにあるようについつい具体的に計算してしまう人も出てくるでしょう. 議論の一般化・抽象化のご利益を感じられる問い掛けでもあります.
これの前提のツイートも収録しておきますが, そもそもとして私のリプライがもとにあります.
「分かっていれば難しくはないが初学者がするには難しい計算ノート」みたいなのを公開してもらえると私のような雑魚市民が喜びます。例えばちょっと面倒な多様体の曲率の計算や、ある多様体に対して単体複体・胞体複体などいろいろな見方をした時のホモロジー群の計算だとか。
この辺の計算メモを作ろうと思ったのが例と計算編のもとで, いまの通信講座の元ネタになっています. じっくり整備を続けて例と計算編は1100ページを越え, 現代数学探険隊の全体PDFは10000ページを越えました. 引き続きじっくり計算を続けてためて, 通信講座を含めて何らかの形で公開する予定です.
Quillen が毎日数学ノートを付けてて,それがすべて公開されているとは! 知らなかったよ. Quillen の直筆を見た.(^^;; タンナルミーハー
Did you know that Daniel Quillen (Fields medallist 1978) kept detailed notes of his day-to-day mathematical research? They are available here 👉🏼 http://www.claymath.org/publications/quillen-notebooks
数学も物理や生物なんかと同じく,実験ノートつけるべきだなぁ.データもつけてさ.もっとも毎日1行だけ, 『今日も頑張ったけど進まなかった』 とか書くことになりそうな気がするが... そうか,追試と同じく,読んだ論文のまとめとか書いといてもいいわけか.あとで役に立つかも.
代数は、すごく発展しているように見えて、 基本的なところでさえ難しい。 たとえば、
A = C[X1, ..., Xn]/(f) BはCの部分環
として「環準同型A→Bを取る」なんて簡単に言えるけど、 これf(X1, ..., Xn) = 0のBでの解を考えてるってことだからね。 超難しいよ。 具体的な問題がすごく難しいということを意識すると「じゃあ抽象的だけど上手く行っている理論はどういうメカニズムになっているのか」ということが、 気になり出すのではないですかね。
言われてみれば確かにそうですが, この辺がまだ自分でさっと思いつけないので, 私の代数力の低さを痛感しました.
ちなみにこの視点を徹底すると, 準同型と方程式の解の関係に注目が集まり, その極致の一つが代数解析です. これは堀田良之『加群十話---代数学入門』の最後の方に少し記述があります. この最後の部分に限らず, この本はめちゃくちゃに面白い本なので, ぜひ買って読んでみてください. おすすめです.
5億回くらい言ってるけど、特殊函数持ってきて「微分方程式が解けました!」って言うのあんまり好きじゃないんだよね。よくわからない部分を先送りにしただけ感があるので。 解の存在はわかって、一意性ももしかするとわかるかもしれなくて、でも具体的な形とかがわからないので、情報は幾分増えているのだけど、なんかなぁ、という感情がないでもない 数学的に十分というのはよくわかるんだけど、物理の視点だとなんかなぁという感情が特に増す。いや数値計算で十分なのかも。
三角関数も微分方程式の解だし、特殊関数も三角関数も性質がよく調べられている関数では?みたいに思ってくると物理な数学になってくる。三角関数の和で書けたからってそれもある意味先送り説という
いくつかの視点がぐちゃぐちゃになっている印象があります。まず(多分)昔の人は適当な意味で特殊関数をよく知っていて、よく知っている対象で書けたからそれなりによくわかる(解けた)と言えたはずで、それを今も踏襲しているギャップがあるのだろうという話。 あとは多重極展開のように高次が無視できるようなタイプの特殊関数表示は特殊関数のおかげで実際によくわかると言っていい状況がある点を完全に無視している点。これと共通点がある話として、今知られている特殊関数は背後に固有値問題や群の表現論の話があり、 特殊関数で解けることそのものに意味がある(何かしらの意味、特に対称性の意味で本当に数学または物理が見えている)点があります。対称性というと物理的に自明な場合もよくありますが、解析力学(と幾何の関係)から非自明な話もあります。これらを知らずに特殊関数で書ける点だけ見たらそれは確かに先送りですが、 それは教育・カリキュラム・現代の研究情勢からくる要請の問題でもあります。あと先送りの定義も今ひとつよくわかっていません。いまの各学科のカリキュラムでどのくらい特殊関数論が教えられているか知らないのですが、先送りどころかそもそも特殊関数論をまともにやらないなら、カリキュラムの観点からすれば先送りでさえありません。
他にも同じようなコメントをしている人を見かけました. 特殊関数はそれで書ける事実そのものに強い意味があるので, 計算にうんざりしてきたらその背後にある表現論を勉強するといいでしょう. 逆に抽象論でうんざりしてきたら, 馬鹿になったつもりでこれらの計算をやるといいです. 物理まわりで遊び倒せるネタが掃いて捨てるほどあります. 微分方程式とも関わるので数値計算で遊んでもいいでしょう.
スマート農業、まさに「実験いらないでしょ?工学の進んだ技術でやれば、時代遅れの農業なんて現地で簡単にできるでしょ?」みたいな感じでやられてて、大量の討ち死に(ほぼ全滅)がでてる感じ。
田んぼの水量管理だけでも自動化してほしい、何なら稲の様子を観察できる屋外用ネットワークカメラ(10年耐久)もほしい。 ケーブルと電源の敷設は自分でやるから
私も一年半程度仕事でIoTをやっていたので多少の知見はあるのですが, ハードと連携する部分がとにかく大変です. 実証実験中に急に動かなくなったと思ったらハード側が壊れていた, そんなことがよくありました.
他にも例えば今よく話題にあがるドローン運用だと, 夏は暑すぎてモーターが消磁するレベルまで熱を持ってしまい, 運用に支障をきたしているとか. ふだんはゴリゴリの引きこもりなので, いろいろ出張して外回りしたのも含めて, 非常に勉強になった経験でした. 高温で消磁する, まさに相転移の実例にこんな形で再開するとは, という明後日の感動もありました.
あ、心肺蘇生について。 この論文の存在は知っておいた方がいい。非医療者の方も。救命にあたったのはこの事例では救急法指導員の肩書を持つ「一般の方」だが、それでも処置中のことがきっかけで心的外傷を負ってるんですよね。 https://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/08/cprtrauma.htm
もちろんこの発表時点から15年経過していて今ではもう少し救命処置も一般に広がってるかもしれないが、ただでさえ救助側の人間はこんな風に「プレッシャー」に押しつぶされそうになってるんですよ。しかも彼女は「指導員」ですらあるにもかかわらず。 これは医療者だけじゃなく一般の方も是非読んでみて、そして考えてみてほしい。そのうえで「AED装着の時に脱衣への配慮を」という言葉についてもう一度考えてみてほしい。 日本語で書いてあるから読みやすいからね。絶対読んでほしいです。
1990年以降,国内外の航空機内にAEDが搭載され,客室乗務員らが救命する事例が相次いで報告されている。日本でも2001年10月に日本航空国際線にAEDが搭載されたことを契機に,航空機を含む公共の場所へのAED設置が普及している。そのような中,平成18年2月17日金曜日,成田発東南アジア行きの外資系航空機内にてツアー旅客(55歳,男性,会社員)が心肺停止に陥った。同機にたまたま乗り合わせていた日本赤十字救急法指導員を持つ個人客(31歳,女性,会社員)が1時間に渡り1人で心肺蘇生を行い救命した。心肺蘇生と並行して行われたドクターコールに応じる者はおらず,客室乗務員に繰り返し要請されたにも関わらず機内に搭載されていたAEDが心肺蘇生の現場に持ってこられることはなかった。また客室乗務員は心肺蘇生を手伝わなかった。加えて多数の他の乗客が野次馬と化して現場に殺到し,心肺蘇生の現場を写真やビデオで撮影した。当の男性は軽度の手指の運動障害を残したのみで,元の勤務先に復帰した。しかし救命した女性は心肺蘇生時の出来事が元で惨事ストレス症状を呈して急性ストレス障害,外傷後ストレス障害を発症し,帰国後も長期間に渡って社会生活に支障を来たす状態が続いた。惨事ストレスは大災害の被害者のみならず,被害者を救援する救援要員にも生じ,日常的な救援活動でも見られる。また,バイスタンダー(たまたま生命の危険に陥った人の側にいて救援する人)も同様の症状に見舞われることがある。本事例では幸運にも,結果的に帰国後の女性の周囲の対応が適切であったため,それが精神療法的な役割を果たし症状は徐々に軽減した。しかし本邦に於いてはバイスタンダーの心のケアを行う制度が構築されておらず,本例は図らずも制度的欠陥を露呈させた。従って早急に全国的組織を構築して,バイスタンダーの精神的問題をサポートすべきである。
この感覚は常識的には当然なんだけども、救急の現場としてはかなり深刻らしく、実際に心停止で倒れた女性は男性に比べて有意に被救命行動割合が低くなります。若い年代では尚更そう。 ソースは嫁さんの共著論文 https://www.resuscitationjournal.com/article/S0300-9572(20)30105-2/fulltext
データは日本のものだけど、欧米でもその傾向は強いらしい。たしかに男性としては倒れた女性の胸まわりに触れたり服を切ったりというのは大変抵抗を感じる。が、もし自分の妻や娘に万一のことが起きたとしても、女性であることが理由で救命活動をしてもらえない可能性が高いということでもある。 私としては、そういう社会よりも、女性でも倒れたら救命活動がなされるべきだというコンセンサスがある社会の方がいいと思うし、そうなるように嫁さんを応援する。蘇生ガイドラインの策定委員でもある嫁さんは、近い将来必ず「若い女性が倒れたときの救命プロトコル」を作るはず。
この論文の実データをきちんと見るともっと色々な地獄が顕現してくるようです. 紹介ツイートを見かけたのですがメモしていなくて見つからなくなってしまいました.
今週も仕事関係のプログラミングで遊び倒していたので, 数学はあまり進捗がありません. それでも次の問題(命題)はかなり面白くお気に入りです.
三次特殊直交リー環はベクトル積を入れた三次元実線型空間と同型で, さらに純虚四元数の全体と同型です. この事情をうまく使うと証明できます.
このとき私が見かけた証明では, 四次特殊直交リー環の基底をうまく使って純虚四元数の基底を二組作っていました. 一組は明記されていたものの, もう一組は明記されていませんでした.
具体的に計算すればよく, 一般の四次の行列ではなくほぼ行列単位レベルの計算なので難しくはありません. しかし四次行列なので計算が非常に面倒です. そこでSymPyを使ってプログラムを書いて計算させました. とても便利でいい気分です.
基本的な証明は現代数学探険隊のPDFにまとめつつ, プログラムをメンテナンス性・実行性を兼ね備えた形でどう公開すればいいかがずっと懸案です. とてもつらい.
現状このコーナーは線型代数の宣伝のようになっています. ぜひ積極的に日々の学習に取り入れてみてください.
例と計算編は私自身のためにも日々せっせと計算して更新しています. 購入された方はぜひ参考にしてください.
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